JP7194320B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、モータを駆動するためのモータ制御装置に関する。
従来の交流モータの電流制御技術について、図4に基づいて以下に説明する。電流検出器2は、モータ1の固定子電流を回転する直交座標であるdq軸上の各成分のd軸電流idとq軸電流iqに変換して出力する。前記d軸は、モータ1が誘導電動機の場合に一般的に該モータの2次鎖交磁束ベクトルの方向に定義され、モータ1が永久磁石同期電動機の場合に一般的に該電動機の回転子の永久磁石のN極方向に定義される。
電流指令生成器4は、前記dq座標上のd軸電流指令idrefとq軸電流指令iqrefを生成して出力する。d軸偏差演算器6は、電流指令生成器4で得られたd軸電流指令idrefと電流検出器2で得られたd軸電流idとのd軸偏差ideを算出する。d軸比例増幅器8はd軸偏差演算器6で得られたd軸偏差ideを所定倍に増幅しd軸比例成分vdpを算出する。また、d軸偏差ideは、d軸積分ゲイン増幅器32で増幅された後にd軸積分器34で時間積分されてd軸積分成分vdiとなる。
q軸偏差演算器5は、電流指令生成器4で得られたq軸電流指令iqrefと電流検出器2で得られたq軸電流iqとのq軸偏差iqeを算出する。q軸比例増幅器7はq軸偏差演算器5で得られたq軸偏差iqeを所定倍に増幅しq軸比例成分vqpを算出する。また、q軸偏差iqeは、q軸積分ゲイン増幅器31で増幅された後にq軸積分器33で時間積分されてq軸積分成分vqiとなる。
加算器35は、q軸比例増幅器7の出力vqpとq軸積分器33の出力vqiとを加算し、q軸電圧指令vqrを算出し電力変換器3へ出力する。加算器36は、d軸比例増幅器8の出力vdpとd軸積分器34の出力とを加算し、d軸電圧指令vdrを算出し電力変換器3へ出力する。
電力変換器3は、入力した電圧指令通りの電圧をモータ1に印加するが、該電圧指令の大きさが電力変換器3の出力可能な最大電圧よりも大きければ大きさが該最大電圧で位相が指令通りの電圧をモータ1に印加する。
図4に示された電流制御では、d軸成分vdrとq軸成分vqrをもつ電圧指令ベクトルの大きさが電力変換器3の出力可能最大電圧を超えると、指令通りの電圧をモータ1に印加できないことになるので、dq軸の片方または両方の電流制御ができなくなる。この問題を解決するために提案されたのが図5に示された特許文献1記載の電流制御である。以下は図5について説明するが、図4と同一部分の説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
モータ1が誘導電動機の場合の1次側の電圧方程式は、(1)式と(2)式で表される。ここで、vdはd軸電圧、vqはq軸電圧、R1は巻線抵抗値、Lσ=L1-M・M/L2、ωは出力角周波数、Mは相互インダクタンス、L1とL2はそれぞれ1次と2次の自己インダクタンス、φ2は2次鎖交磁束の大きさ、pは時間微分を表す。モータ1が永久磁石同期電動機の場合の電圧方程式は、(3)式と(4)式で表される。ここで、LdとLqはそれぞれd軸とq軸のインダクタンス、φは永久磁石磁束の大きさである。
Figure 0007194320000001
Figure 0007194320000002
Figure 0007194320000003
Figure 0007194320000004
q軸積分器33の入力に加算器44によってd軸電流偏差ideをd軸速度比例増幅器42で増幅したものを加算している。d軸速度比例増幅器42は、モータ1が誘導電動機ならば(2)式、永久磁石同期電動機ならば(4)式の右辺第3項に基づくもので、その増幅ゲインは角周波数ωに比例したものとなる。同様に、加算器45によってq軸電流偏差iqeをq軸速度比例増幅器43で増幅したものを加算している。q軸速度比例増幅器43は、モータ1が誘導電動機ならば(1)式、永久磁石同期電動機ならば(3)式の右辺第3項に基づくもので、その増幅ゲインは角周波数ωに比例したものとなる。加算器45の出力は、d軸積分器34に入力される。d軸積分ゲイン増幅器32の入力にはスイッチ41が挿入されており、スイッチ41は、電力変換器3の入力電圧指令の大きさが電力変換器3の出力可能最大電圧より小さい場合にd軸電流偏差ide、そうで無い場合に0を出力する。
スイッチ41がオフ状態でも、d軸電流偏差ideはd軸速度比例増幅器42と加算器44を介してq軸積分器33でq軸電圧指令vqrを補正することでd軸電流偏差を0にすることができ、d軸電流制御は実現できる。しかし、電力変換器3の入力電圧指令の大きさが電力変換器3の出力可能最大電圧を超えた電圧飽和状態となると、q軸積分器33の出力は制限値に制限された固定値となるのでd軸電流制御はできなくなる。
一方、q軸偏差演算器5の出力のq軸電流偏差iqeはq軸速度比例増幅器43と加算器45とd軸積分器34を介してd軸電圧指令vdrを補正することでq軸電流制御は保たれたままとなる。つまり、電圧飽和状態ではd軸電流制御を放棄しq軸電流制御を優先した制御とすることができる。そして、q軸は磁束軸に直交した軸であることから、q軸電流を制御することでモータ1のトルクが制御できるので、電圧が飽和してもトルク制御は維持できることとなる。
特開2003-88193号公報 特開2003-209997号公報 特開2012-151931号公報 特開2016-167946号公報
解決しようとする問題点は、図4の従来技術においては、電圧が飽和すると両軸または片方軸の制御ができなくなり、モータの所望の出力トルクが得られなくなることである。図5の従来技術では、電圧飽和時となっても、q軸優先制御とすることができて所望の出力トルクが得られるので前記問題点を解決できるが以下の問題がある。
図6は、図5の従来技術において、電圧飽和時の電圧指令ベクトルvrやvr1とモータ1に印加される電圧ベクトルvやv1を図示している。電圧ベクトルvやv1は、電力変換器3の出力可能最大電圧である電圧出力限界円内に制限されていて、電圧指令ベクトルvrやvr1のq軸成分は電圧飽和によりq軸積分器33の制限値vqrlmtに制限されている。このvqrlmtは電力変換器3の出力可能最大電圧以上にする必要がある。図6に示されているように電圧飽和状態ではq軸電圧指令は制限値vqrlmtに制限されているのでd軸電圧指令を調整して電圧ベクトルの位相を変化させてq軸電流を制御していることになる。例えば、電圧ベクトル位相をΔθ変化させるにはΔvdrのd軸電圧指令の変化が必要になる。誘導電動機の場合は図6に示されているように、電圧ベクトルがq軸に近い方向を向いているので、電圧ベクトル位相を変化させるのに必要なd軸電圧指令の変化分は小さくて済む。しかし、永久磁石同期電動機の場合は電圧ベクトルの向きがq軸から大きく離れている場合があるため、電圧ベクトル位相を変化させるのに必要なd軸電圧指令の変化分Δvdrを大きくしなければならない。従って、d軸積分器34の出力範囲を非常に大きくしておく必要があり、その積分ゲインとなるq軸速度比例増幅器43やd軸積分ゲイン増幅器32のゲイン調整が困難となる。
また、電圧ベクトルの向きがd軸に近くなるとd軸電圧指令制御では電圧ベクトル位相を制御できなくなり制御不能になってしまう。このことは、回生運転で電圧ベクトルが図6の第1象限にある場合も同様である。
特許文献2では、上記問題点を解決するために、交流電動機の一次鎖交磁束ベクトルと一致するM軸とそれに直交するT軸を導入し、dq軸の代わりにMT軸で図5と同様な構成としているが、以下の問題がある。T軸電流優先制御とすることができるが、dq軸電流指令から回転座標変換によってMT軸電流指令を得た場合は、電圧飽和によってq軸電流が指令と一致しなくなり、所望のトルクが得られなくなる。また電流の急変によりd軸から見たM軸の位相が急変することがある。その際に各軸の電圧指令はその位相に見合った値に急変させる必要がある。しかし積分器の出力は急変できないので、MT軸の位相が急変した場合は電流制御が不安定となることがある。
上記のような問題点に鑑みてなされた本発明の目的は、
電圧飽和時に、q軸電流制御出力を電圧ベクトルの接線方向成分とすることでq軸電流優先制御が実現でき、電圧飽和となってもトルク指令通りのトルクを出力することである。
また、電源電圧に応じた制限値でq軸電流指令を制限することでトルク指令通りの出力は得られなくなるが、制御不能状態に至ることを防ぐことができる。
上記課題を解決するため、本発明に係るモータ制御装置は、離散時間制御するモータ制御装置であって、
d軸とq軸の電流指令を生成する電流指令生成器と、前記電流指令生成器で生成されたd軸電流指令とモータに流れるd軸電流との偏差を算出するd軸電流偏差演算器と、前記電流指令生成器で生成されたq軸電流指令とモータに流れるq軸電流との偏差を算出するq電流偏差演算器と、
前記d軸電流偏差演算器の出力に比例ゲインを乗ずるd軸比例増幅器と、前記q軸電流偏差演算器の出力に比例ゲインを乗ずるq軸比例増幅器と、
前記d軸電流指令と前記q軸電流指令もしくは前記モータに流れるd軸電流とq軸電流とモータインピーダンスを用いて、d軸からの電圧位相を演算する電圧位相演算器と、
d軸電圧指令とq軸電圧指令を用いて、電圧飽和に応じた0~1の飽和度を出力する電圧飽和検知器と、
前記電圧位相演算器と前記電圧飽和検知器の出力を乗算する補正位相演算器と、
前記d軸電流偏差演算器と前記q軸電流偏差演算器の出力に積分ゲインとサンプル時間を乗じて、1サンプル前の出力を前記補正位相演算器の出力で逆回転座標変換したものを加算して、前記位相補正演算器の出力で回転座標変換したものをd軸成分とq軸成分に分けて出力する位相補正付き積分器と、
前記d軸比例増幅器と前記位相補正付き積分器のd軸成分出力を加算する加算器と、前記加算器の出力に電流フィードバックもしくは電流指令を用いて算出した電圧値を加算して、前記d軸電圧指令を出力するd軸電圧加算器と、
前記q軸比例増幅器と前記位相補正付き積分器のq軸成分出力を加算する加算器と、前記加算器の出力に電流フィードバックもしくは電流指令を用いて算出した電圧値を加算して、前記q軸電圧指令を算出するq軸電圧加算器を備える。
また、前記電圧飽和検出器は、前記d軸電圧指令と前記q軸電圧指令とをベクトル成分に持つベクトル和が、電圧出力限界未満の場合には、前記電圧飽和検出器は0を出力し、d軸を基準とした電圧位相を前記回転座標変換器と前記逆回転座標変換器に出力し、電圧出力限界を超過した割合に応じて線形に0から1まで変化させ、前記電圧位相演算器が演算する電圧位相を前記回転座標変換器と前記逆回転座標変換器に出力することを特徴とする。
また、電圧制限によるq軸電流制限値を出力する電圧依存制限演算器と、電流制限によるq軸電流制限値を出力する電流依存制限演算器と、前記電圧依存制限演算器の出力と前記電流依存制限演算器の出力との小さい方を選択しq軸電流制限値を算出する制限選択器と、前記電流指令生成器で生成されるq軸電流指令を入力して前記制限選択器の出力以下となるように制限して前記q電流偏差演算器に出力する制限器を備える。
本発明に係るモータ制御装置によれば、電圧飽和が発生した場合でも、q軸電流制御電圧を電圧ベクトルの接線方向成分とし、q軸電流優先制御とすることで、トルク指令通りのトルクを出力することができる。
本発明に係るモータ制御装置の電流制御部の構成例を示す図である。 本発明に係るモータ制御装置にq軸電流指令の制限を追加した図である。 q軸電流制限器の詳細を示す図である。 電流制御の従来技術例1の説明図である。 電流制御の従来技術例2の説明図である。 従来技術の電圧ベクトルと各電圧指令の関係を図示したものである。 本発明の電圧ベクトルと各電圧指令の関係を図示したものである。
以下、本発明を永久磁石同期電動機に適応した場合について、図面を参照しながら説明する。なお、図4や図5と同一部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。また、本発明は離散時間制御を用いることを前提として説明をする。
図1は本発明に係るモータ制御装置の構成例を示した図である。
電圧位相演算器11は、電流検出器2からの出力であるd軸電流idとq軸電流iqもしくは、電流指令生成器からの出力であるd軸電流指令idrefとq軸電流指令iqrefを用いてd軸からの電圧位相θvを算出する。電圧位相θvは、(5)式と(6)式から求めた電圧ベクトルのd軸からの電圧位相θvである。但し、idvはd軸電流idもしくはd軸電流指令idrefであり、iqvはq軸電流iqもしくはq軸電流指令iqrefである。また、ωは出力角周波数である。
Figure 0007194320000005
Figure 0007194320000006
電圧飽和検知器12は、電力変換器3に入力されるd軸電圧指令vdrとq軸電圧指令vqrを用いて、電圧飽和に応じた0~1の飽和度Vsを算出する。
また、電圧飽和検出器12は、d軸電圧指令とq軸電圧指令とをベクトル成分に持つベクトル和が、電圧出力限界未満の場合には、電圧飽和検出器12は0を出力する。そして、ベクトル和が、電圧出力限界を超過した割合に応じて、線形に0から1まで変化させ、電圧位相演算器が演算する電圧位相を回転座標変換器と逆回転座標変換器に出力する。
また、式(7)はVsを算出するための式の一例である。αはd軸電圧指令とq軸電圧指令から求められる変調率であり、Kは所定ゲインを表し、電圧出力限界を超過したときにVsは1となるような値である。そのため、式(7)を用いた場合には、変調率が0.9を超えた場合にVsが徐々に大きくなり、所定ゲインKにより、変調率が所定値となるとVsは1を出力する。
Figure 0007194320000007
補正位相演算器13は、補正位相角θrをθr=Vs・θvで求め、位相補正付き積分器100へ出力する。よって、電圧未飽和時にはθr=0となり、電圧が完全に飽和した場合にはθr=θvとなる。
位相補正付き積分器100は、q軸積分ゲイン増幅器101、d軸積分ゲイン増幅器102、回転座標変換器103、逆回転座標変換器104、出力保存器105で構成される。逆回転座標変換器104は、出力保存器105に保存された位相補正付き積分器100の1サンプル前の出力vdi、vqiを補正位相角θrで逆回転座標変換する。
d軸積分ゲイン増幅器102は、d軸偏差演算器6からの出力であるd軸電流偏差ideに、積分ゲインとサンプル時間を乗じて、逆回転座標変換器104からの出力に加算したVxを回転座標変換器103へ出力する。ここでVxは所定値範囲に制限される。また、q軸積分ゲイン増幅器101は、q軸偏差演算器5からの出力であるq軸電流偏差iqeに、積分ゲインとサンプル時間を乗じて、逆回転座標変換器104からの出力に加算したVyを回転座標変換器103へ出力する。
回転座標変換器103は、VxとVyを入力して補正位相角θrで回転座標変換を行いvdi,vqiを出力する。
加算器18は、d軸比例増幅器8のd軸比例出力vdpと位相補正付き積分器100出力のd軸出力vdiとを加算する。また、d軸電圧加算器16は、電流検出器2からのd軸電流idもしくは電流指令生成器で生成されるd軸電流指令idrefを用いて(6)式でd軸電圧値を算出し、加算器18の出力に加算してd軸電圧指令vdrを算出し、電力変換器3へ出力する。
また、加算器17は、q軸比例増幅器7のq軸比例出力vqpと位相補正付き積分器100出力q軸出力vqiとを加算する。また、q軸電圧加算器15は、電流検出器2からのq軸電流iqもしくは電流指令生成器で生成されるq軸電流指令iqrefを用いて(5)式でq軸電圧値を算出し、加算器17の出力に加算してq軸電圧指令vqrを算出し、電力変換器3へ出力する。
以上のようにして、電流指令から電圧指令を求めることが出来る。電圧未飽和時にはθr=0となるため、vdiはideを時間積分したものとなり、vqiはiqeを時間積分したものとなるので、d軸とq軸の個別の比例積分増幅器となり、従来技術の図4と同じような構成となる。
電圧が完全に飽和した状態ではθr=θvとなり、図7のような電圧ベクトル関係図となる。ここでVkは、(6)式と(5)式の電圧を成分に持つ電圧ベクトルである。ΔVは、vdiとvqiを成分とする電圧ベクトルであり、Vrはvdrとvqrを成分とする電圧ベクトルでVrとΔVの和となる。またΔVは、Vkの法線方向成分のVxと接線方向成分のVyでも表すことができる。よって、q軸積分ゲイン増幅器101出力のVyによってVrの位相θを制御することができる。一方、d軸積分ゲイン増幅器102出力のVxではVrの大きさを制御することができるが、電圧飽和状態では実際にモータに印加される電圧の大きさは電圧出力限界に制限された状態となるためVxは所定値に制限されてd軸偏差演算器6出力を定常的に0とすることはできなくなる。以下では、q軸積分ゲイン増幅器101出力のVyによりq軸電流制御ができることを説明する。
モータが定常状態では、(3)式と(4)式より(8)式と(9)式となり、(8)式と(9)式を各軸電流について解くと、(10)式と(11)式となる。
Figure 0007194320000008
Figure 0007194320000009
Figure 0007194320000010
Figure 0007194320000011
電力変換器が飽和電圧Emで電圧飽和している状態では、d軸からの電圧位相θを用いると、(12)式と出来る。
Figure 0007194320000012
(10)式、(11)式と(12)式より、(13)式と(14)式となり、(13)式と(14)式をθで偏微分をとると、(15)式と(16)式となる。
となる。
Figure 0007194320000013
Figure 0007194320000014
Figure 0007194320000015
Figure 0007194320000016
(15)式より、ω>0かつ0≦θ≦θvxの範囲、または、ω<0かつ-θvx≦θ≦0の範囲で、∂iq/∂θ≧0なので、θを正に増加させればq軸電流iqを正に増加させることが出来ることがわかる。ここで、θvxは(17)式である。
Figure 0007194320000017
つまり、電圧飽和の状態では、ω>0時に必ず0≦θであり、ω<0時に必ず0≧θであるため、θでq軸電流iqを制御出来ることになる。つまり、q軸積分ゲイン増幅器101出力のVyでq軸電流iqを制御出来ることになる。
また、(14)式より、電圧飽和時において、d軸電流idはθに応じた値となる。つまり、電圧飽和時は、q軸電流iqを制御した結果のθに応じた値となる。
上記のように、θでq軸電流iqを制御するにはω>0の場合にθ<θvxでなければならない。(8)式に(12)式とθ=θvxとした(17)式を代入することで、q軸電流制御の限界となるq軸電流制限値iqLMT1を(18)式で得ることができる。つまり飽和電圧Emの元ではiqLMT1以上のq軸電流を制御することが困難となるので、q軸電流指令iqrefはiqLMT1以下に制限されなければならない。
Figure 0007194320000018
また、電力変換器の出力可能な電流のベクトルの大きさには限界値がある。その限界値以上の電流を流さないようにするために、その限界値を電流制限値Imとすると、(19)式に示されるq軸電流制限値iqLMT2でq軸電流指令iqrefは制限されなければならない。
Figure 0007194320000019
図2は図1の電流指令生成器4とq軸偏差演算器5との間にq軸電流指令制限器200を追加したものである。図3は図2のq軸電流指令制限器200の一例を示した図あり、q軸電流指令の制限方法を示した図である。電圧依存制限演算器21は、飽和電圧Emを入力して(18)式よりq軸電流制限値iqLMT1を求める。電流依存制限演算器22は、電流制限値Imから(19)式でq軸電流制限値iqLMT2を算出する。制限選択器23は、iqLMT1とiqLMT2の小さい方を選択してiqLMTを出力する。制限器24は、電流指令生成器4によって生成されたq軸電流指令をiqLMT内に制限して出力する。
以上のようにq軸電流指令を制限することで、飽和電圧Emによる制御不能状態を避けることができ、また電力変換器3が許容できる電流以下にすることで電力変換器の保護を行うことができる。
本発明を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
1 モータ
2 電流検出器
3 電力変換装置
4 電流指令生成器
5 q軸偏差演算器
6 d軸偏差演算器
7 q軸比例増幅器
8 d軸比例増幅器
100 位相補正付き積分器
101 q軸積分ゲイン増幅器
102 d軸積分ゲイン増幅器
103 回転座標変換器
104 逆回転座標変換器
105 出力保存器
11 電圧飽和検出器
12 電圧位相演算器
13 位相補正演算器
15 q軸電圧値加算器
16 d軸電圧値加算器

200 q軸電流指令制限器
21 電圧依存制限演算器
22 電流依存制限演算器
23 制限選択器
24 制限器
31 q軸積分ゲイン増幅器
32 d軸積分ゲイン増幅器
33 q軸積分器
34 d軸積分器
41 スイッチ
42 q軸速度比例器
43 d軸速度比例器
17、18、35、36、44、45 加算器

Claims (3)

  1. モータを離散時間制御するモータ制御装置であって、
    d軸とq軸の電流指令を生成する電流指令生成器と、前記電流指令生成器で生成されたd軸電流指令とモータに流れるd軸電流との偏差を算出するd軸電流偏差演算器と、前記電流指令生成器で生成されたq軸電流指令とモータに流れるq軸電流との偏差を算出するq電流偏差演算器と、
    前記d軸電流偏差演算器の出力に比例ゲインを乗ずるd軸比例増幅器と、前記q軸電流偏差演算器の出力に比例ゲインを乗ずるq軸比例増幅器と、
    前記d軸電流指令と前記q軸電流指令もしくは前記モータに流れるd軸電流とq軸電流とモータインピーダンスを用いて、d軸からの電圧位相を演算する電圧位相演算器と、
    d軸電圧指令とq軸電圧指令を用いて、電圧飽和に応じた0~1の飽和度を出力する電圧飽和検知器と、
    前記電圧位相演算器と前記電圧飽和検知器の出力を乗算する補正位相演算器と、
    前記d軸電流偏差演算器と前記q軸電流偏差演算器の出力に積分ゲインとサンプル時間を乗じて、1サンプル前の出力を前記補正位相演算器の出力で逆回転座標変換したものを加算して、前記位相補正演算器の出力で回転座標変換したものをd軸成分とq軸成分に分けて出力する位相補正付き積分器と、
    前記d軸比例増幅器と前記位相補正付き積分器のd軸成分出力を加算する加算器と、
    該加算器の出力に電流フィードバックもしくは電流指令を用いて算出した電圧値を加算して、前記d軸電圧指令を出力するd軸電圧加算器と、
    前記q軸比例増幅器と前記位相補正付き積分器のq軸成分出力を加算する加算器と、前記加算器の出力に電流フィードバックもしくは電流指令を用いて算出した電圧値を加算して、前記q軸電圧指令を算出するq軸電圧加算器を備えたモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載の電圧飽和検出器は、
    前記d軸電圧指令と前記q軸電圧指令とをベクトル成分に持つベクトル和が、電圧出力限界未満の場合には、前記電圧飽和検出器は0を、d軸を基準とした電圧位相を前記回転座標変換器と前記逆回転座標変換器に出力し、
    前記d軸電圧指令と前記q軸電圧指令とをベクトル成分に持つベクトル和が、電圧出力限界を超過した割合に応じて線形に0から1まで変化させ、前記電圧位相演算器が演算する電圧位相を前記回転座標変換器と前記逆回転座標変換器に出力することを特徴とする。
  3. モータを制御するモータ制御装置であって、電圧制限によるq軸電流制限値を出力する電圧依存制限演算器と、電流制限によるq軸電流制限値を出力する電流依存制限演算器と、前記電圧依存制限演算器の出力と前記電流依存制限演算器の出力との小さい方を選択しq軸電流制限値を算出する制限選択器と、前記電流指令生成器で生成されるq軸電流指令を入力して前記制限選択器の出力以下となるように制限して前記q電流偏差演算器に出力する制限器を備えた請求項1記載のモータ制御装置。
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