JP2010141221A - 酸化膜付きシリコン基板の製造方法 - Google Patents

酸化膜付きシリコン基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリコン基板の鏡面加工面上にジグ跡のない高品質の酸化膜を有する酸化膜付きシリコン基板の製造方法及び酸化膜付きシリコン基板を製造する際に用いられる熱処理装置を提供する。
【解決手段】エッジ面取り加工が施されたシリコン基板を、少なくとも対向する側板と、該側板間に連結される溝を有する複数の支持棒とを具備するホルダに保持して、酸化性雰囲気下で熱処理することで表面に酸化膜を形成する酸化膜付きシリコン基板の製造方法において、前記シリコン基板の保持は、前記ホルダに具備された前記支持棒の溝と、前記シリコン基板の最外周端部及び面取り加工部の少なくとも一方とを接触させることのみで為すことを特徴とする酸化膜付きシリコン基板の製造方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、膜厚が5μm以上のシリコン酸化膜を有し、鏡面加工面に実質的に凸部がない酸化膜付きシリコン基板の製造方法に関する。
酸化シリコンからなる酸化膜がついたシリコン基板は、熱酸化法やCVD法で製造され、半導体分野で広く使用されている。半導体分野では、この酸化膜は絶縁膜としての機能を利用するため、酸化膜厚は比較的薄く、数百オングストローム程度のものが使われている。
一方、光通信用の光導波路型デバイスやMEMS(Micro Electro Mechanical System)でも酸化膜付きシリコン基板が用いられているが、半導体分野と比較して格段に厚い酸化膜が望まれており、しばしばその膜厚は5μm以上、時には20μm程度の厚さの酸化膜が必要とされている。
半導体分野で広く使われている熱酸化法では、単純な作業で緻密且つ高品質な酸化膜がシリコン基板の表裏両面に形成できる。この方法では、酸化の進行は酸素原子の拡散則に従い、酸化膜厚の2乗と酸化時間が比例する関係を持つことが知られている。つまり、酸化膜厚が厚くなればなるほど、酸化に必要な時間は大きく増大することになる。
高速酸化法として、ポリシリコンを熱酸化する方法(例えば特許文献1及び2参照)が報告されている。その製造方法は、「ポリシリコンを基板上に堆積し、その基板を酸化熱処理してポリシリコン層を酸化する」、という工程を所望する酸化膜厚に達するまで繰り返す方法である。このため工程が煩雑になり、実質的な製造効率は改善され難い。また、酸化膜表面の荒れや、シリコン基板の片面のみに厚い酸化膜が形成されるため、後工程において熱応力分布の不均一さによって基板に反りが生じやすいという品質的な問題もある。
上記とは異なる高速酸化法として、加圧容器内で、酸化性雰囲気として水蒸気を含む雰囲気とする方法があり、酸化温度1000℃で厚さ15μmの酸化膜を製造する時間は150時間程度と製造効率という点では優れている。
熱酸化法、ポリシリコンを加熱する方法および水蒸気による熱酸化法で酸化膜が例えば2μm程度の比較的薄い酸化膜を形成するときは、酸化時間が短いために、シリコン基板とそれを保持するジグの接触面に生じる凸部の高さは高々0.05μm程度であり、この高さならばデバイスを作成する回路形成上問題が生じないとされる。
しかし、酸化膜厚が5μm以上と厚い酸化膜付きシリコン基板では、酸化時間は、熱酸化法の場合、膜厚の2乗に比例して長時間化するため、シリコン基板とジグとの接触時間が長くなり、例えば5μmの酸化膜を形成した場合、ジグ周辺部分の鏡面加工面に約0.4μm程度の凸部が生じ、この結果、光導波路デバイスの特性がこの部分で劣化するという不具合が生じる。
特開2002−148462号公報 特開2003−192328号公報
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、パターン形成面となるシリコン基板の鏡面加工面上にジグ跡のない高品質の酸化膜を有する酸化膜付きシリコン基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、エッジ面取り加工が施されたシリコン基板を、少なくとも対向する側板と、該側板間に連結される溝を有する複数の支持棒とを具備するホルダに保持して、酸化性雰囲気下で熱処理することで表面に酸化膜を形成する酸化膜付きシリコン基板の製造方法において、前記シリコン基板の保持は、前記ホルダに具備された前記支持棒の溝と、前記シリコン基板の最外周端部及び面取り加工部の少なくとも一方とを接触させることのみで為すことを特徴とする酸化膜付きシリコン基板の製造方法を提供する(請求項1)。
このように、シリコン基板の保持は、シリコン基板を保持するホルダに具備された支持棒の溝と、シリコン基板の最外周端部から面取り加工部のみとを接触させることで行う。そして、その保持されたシリコン基板を熱処理してシリコン基板の表面に酸化膜を形成することで、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができる。そのため、シリコン基板の鏡面加工面上に高品質の酸化膜を有する酸化膜付きシリコン基板を得ることができ、その酸化膜付きシリコン基板を光導波路デバイスに用いる場合に特性の劣化を生じないパターン形成面を持つ酸化膜付きシリコン基板を製造することができる。
この場合、シリコン基板を保持するホルダに具備された支持棒の溝の深さhが、シリコン基板の面取り加工部の長さWより小さいようにすることができる(請求項2)。
このように、本発明では、支持棒の溝の深さhをシリコン基板の面取り加工部の長さWより小さくすることで、シリコン基板の最外周端部から面取り加工部のみがホルダに具備された支持棒の溝と接触し、鏡面加工部(シリコン基板の主面)はホルダと接触しない状態でシリコン基板を保持できる。そのため、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができる。
また、この場合、シリコン基板を保持するホルダに具備された支持棒の溝の深さhが、シリコン基板の面取り加工部の長さWより大きく、且つ前記溝の開角αを面取り加工部の成す角より大きいようにすることができる(請求項3)。
このように、本発明では、支持棒の溝の深さhをシリコン基板の面取り加工部の長さWより大きくし、且つ溝の開角αを面取り面の成す角より大きくすることで、シリコン基板の最外周端部から面取り加工部のみがホルダに具備された支持棒の溝と接触し、鏡面加工部はホルダと接触しない状態でシリコン基板を保持できる。そのため、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができる。
さらに、この場合、形成する酸化膜の厚さを5μm以上とすることができる(請求項4)。
このように、本発明ではシリコン基板に形成する酸化膜の厚さが5μm以上と厚い場合であっても、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができる。そのため、従来の方法では、光導波路デバイスを作成する際に発生していた回路形成上の問題を解消した酸化膜付きシリコン基板を製造することができる。
また、本発明の製造方法は、前記酸化性雰囲気が水蒸気を含むことができる(請求項5)。
このように、酸化性雰囲気が水蒸気を含むことで、例えば、酸化温度1000℃で厚さ15μmの酸化膜を製造する時間は150時間程度であり、効率良く酸化膜付きシリコン基板を製造することができる。そのため、従来の方法では光導波路デバイスを作成する際に発生していた回路形成上の問題を解消した酸化膜付きシリコン基板を製造することができる。
以上説明したように、本発明の酸化膜付きシリコン基板の製造方法は、シリコン基板の保持は、シリコン基板を保持するホルダに具備された支持棒の溝と、シリコン基板の最外周端部から面取り加工部のみとを接触させることで行う。そして、その保持されたシリコン基板を熱処理してシリコン基板の表面に酸化膜を形成することで、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダのジグ跡のない酸化膜を形成することができる。そのため、光導波路デバイスに用いる場合、パターン形成面となるシリコン基板の鏡面加工面上に、高品質の酸化膜を有する酸化膜付きシリコン基板を製造することができる。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述したように、この厚い酸化膜を製造するときの問題点としては、酸化膜表面の品質があり、光導波路デバイスに用いると特性が劣化するという不具合が生じていた。
この酸化膜表面の品質の問題とは、例えば、膜厚が5μmの酸化膜を形成した場合、シリコン基板の鏡面加工面に高さ約0.4μm程度の凸部が生じることであり、この凸部が光導波路デバイスの機能部となるコア層に伝播し、コア層の形状を崩すために光導波路デバイスの特性が劣化したものと考えられる。
また、この凸部は、酸化膜が2μm程度の比較的薄い酸化膜を形成したときは、高さは0.05μm程度であり、この高さであればデバイスを作製する回路形成上問題が生じないことがわかった。
そこで、本発明者等は、酸化膜表面の品質の劣化の原因となる凸部を形成することなく、シリコン基板に厚い酸化膜を形成することに想到し、シリコン基板の保持は、シリコン基板を保持するホルダに具備された支持棒の溝と、シリコン基板の最外周端部から面取り加工部のみとを接触させることで行い、その保持されたシリコン基板を熱処理してシリコン基板の表面に酸化膜を形成することで、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない厚い酸化膜を形成することを試みた。
その結果、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない厚い酸化膜を形成することができ、光導波路デバイスに用いる場合、パターン形成面となるシリコン基板の鏡面加工面上に、高品質の酸化膜を有する酸化膜付きシリコン基板を得ることができた。
本発明は、上記の発見に基づいて完成されたものであり、以下、本発明について図面を参照しながらさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、図1は本発明の熱処理装置の構成例を模式的に示す図である。
この熱処理装置10は、シリコン基板1を加熱するための円筒状カンタルヒータ4と、ヒータ4の内側に同軸に配設された石英製炉心管3を備えている。ヒータ4は3等分に分割され、炉心管3内を±1℃以内に均熱化できる。炉心管3の尾部には、ノズル7〜9が挿入され、それぞれのノズル7〜9からは、水素、酸素、キャリヤガスとして窒素が供給される。また、炉心管3のノズル7〜9と反対側の下部には、排気管6が設けられていて、炉心管3は炭化珪素製のキャップ5で閉じることができる。
さらに、シリコン基板1を保持するための、図2(a)のような対向する側板16と該側板間に連結される溝14を有する複数の支持棒11とを具備した石英製ホルダ2が炉心管3内に配設され、このホルダ2によって、シリコン基板1が等間隔に保持される。ここで、図2(b)は本発明の熱処理装置においてホルダに具備された支持棒により保持されたシリコン基板を示す要部断面図であり、図3と図5は本発明の熱処理装置において溝深さが異なるホルダに保持されたシリコン基板を模式的に示す図である。また、このときの本発明の熱処理装置におけるホルダに具備された支持棒の溝の形状を図4と図6に示す。
図2のように、ホルダ2に具備された複数の支持棒11によりシリコン基板1を保持することで、シリコン基板1とホルダ2との接触箇所が少ない状態でシリコン基板1が保持される。この場合、支持棒11の数は3本ではなく、2本あるいは4本以上有していてもよい。
図3のように、ホルダ2に具備された支持棒11の溝14の深さhを、面取り加工部13の長さWよりも小さくすることで、シリコン基板1の最外周端部12から面取り加工部13のみがホルダ2に具備された支持棒11の溝14と接触し、鏡面加工面15はホルダ2と接触しない状態でシリコン基板1が保持される。このホルダ2に具備された支持棒11の溝14の形状は、シリコン基板1の最外周端部12から面取り加工部13のみがホルダ2に具備された支持棒11の溝14と接触するものであれば限定されず、図4あるいは図6に示すような形状であってもよい。
また、図5のように、ホルダ2に具備された支持棒11の溝14の深さhを、面取り加工部13の長さWよりも大きくし、且つホルダ2に具備された支持棒11の溝14の開角αが基板面取り部の面取り面の成す角βより大きくすることで、シリコン基板1の最外周端部12から面取り加工部13のみが、ホルダ2に具備された支持棒11の溝14と接触し、鏡面加工面15はホルダ2と接触しない状態でシリコン基板1が保持される。
なお、基板の支持点は下側からの支持が1または2箇所、横側からは2箇所の支持、合計3から4箇所の支持が望ましい。
図3または図5のように、シリコン基板を保持して、熱処理することで、シリコン基板の鏡面加工面15上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができる熱処理装置とすることができる。そのため、光導波路デバイスに用いる場合、パターン形成面となるシリコン基板の鏡面加工面上に、高品質の酸化膜を有する酸化膜付きシリコン基板を得ることができ、光導波路デバイスにおける特性の劣化を生じない酸化膜を形成することができる熱処理装置とすることができる。
次に、本発明の酸化膜付きシリコン基板の製造方法の一例を図面を参照しながらさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
まず最初に、図4または図6に示すようなホルダ2に具備された支持棒11の溝14に、エッジ面取り加工が施されたシリコン基板1をセットする。そして、図1に示すような熱処理装置の炉心管3内に、シリコン基板1を保持したホルダ2を挿入して、キャップ5で炉心管3を閉じる。
次に、ノズル7から水素、ノズル8から酸素、ノズル9からキャリアガスの窒素をそれぞれ供給し、熱反応させることにより、炉心管3内で水蒸気を生成して水蒸気を含む雰囲気を作る。また、ヒータ4により、炉心管3内を熱処理温度±1℃以内に均熱化し、シリコン基板1を加熱して、シリコン基板1の表面に所望膜厚の酸化膜を形成する。なお、酸化膜の形成法としては、熱酸化法であれば良く、常圧酸化または加圧酸化は使用する装置や形成する酸化膜厚の都合等で選択することができる。
このように、本発明の酸化膜付きシリコン基板の製造方法は、図3または図5のように、ホルダ2に具備された支持棒11の溝14とシリコン基板1の最外周端部12から面取り加工部13のみとを接触させることでシリコン基板1を保持し、その保持されたシリコン基板1を水蒸気を含む雰囲気下において熱処理することでシリコン基板1の表面に酸化膜を形成する。これにより、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができる。そのため、シリコン基板の鏡面加工面上に高品質の酸化膜を有する酸化膜付きシリコン基板を得ることができ、その酸化膜付きシリコン基板を光導波路デバイスに用いる場合に特性の劣化を生じないパターン形成面を持つ酸化膜付きシリコン基板を製造することができる。
また、本発明の酸化膜付きシリコン基板の製造方法では、形成する酸化膜の厚さを5μm以上とすることができる。
本発明では、シリコン基板に形成する酸化膜の厚さが5μm以上と厚い場合であっても、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができる。そのため、従来の方法では、光導波路デバイスを作成する際、酸化膜表面にジグ跡として生じる凸部が影響し、発生していたパターン形成面における回路形成上の問題を解消することができる酸化膜付きシリコン基板を製造することができる。
次に本発明の実施例、比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
直径100mmのシリコン基板上に所定膜厚として10μmの酸化膜を形成した。このとき、シリコン基板の熱処理には、図1に示すような熱処理装置を用いた。この熱処理装置を用いた酸化膜の形成手順は、以下のとおりである。
まず、図1のような直径400mm、長さ2500mmの円筒状カンタルヒータ4の中に、これと同軸に直径350mm、長さ2000mmの石英製炉心管3をセットする。ヒータ4で炉心管3内を1000℃±1℃以内に均熱化する。炉心管3の尾部に3本の直径10mm、長さ200mmのノズル7〜9を挿入し、それぞれのノズルから水素3.6L/min、酸素2.0L/min、キャリヤガスとして窒素25L/minをそれぞれ供給する。そして、熱反応させることにより、炉心管3内で水蒸気を生成して水蒸気を含む雰囲気を作り出す。シリコン基板1を石英製のホルダ2に具備された支持棒11の溝14に等間隔にセットして炉心管3に挿入し、炭化珪素製のキャップ5で閉じ、酸化条件を設定して熱処理を行い、シリコン基板1の表面に酸化膜を形成する。
このとき、シリコン基板1を保持するホルダ2に具備された支持棒11は、図6のような形状の溝を有しており、その溝の深さhは2.0mm、上部の幅が2.0mmで、溝の角度αを30度に加工したものを用いた。また、使用したシリコン基板の直径は200mm、厚さは725μmで、エッジ面取り加工の角度は25度、面取り加工部の長さWは0.6mmであった。このシリコン基板を図6のような形状の溝を有する支持棒を具備したホルダによって、最外周部から面取り加工部のみを接触させて保持した。酸化条件としては、高圧酸化条件として、ヒータ設定温度1000℃、炉心管内圧力5気圧で、70時間の酸化を行った。
その結果、平均膜厚が10.7μmの酸化膜を育成し、かつ、鏡面加工面上の酸化膜にジグ跡がない酸化膜付きシリコン基板50枚を得ることができた。また、シリコン基板の外周面を観察した結果、ホルダに具備された支持棒の溝と接触したシリコン基板の面取り加工部にジグ跡として白濁領域が観察されたが、鏡面加工面上には外観上の異常はなく、ジグ跡は認められなかった。
(実施例2)
実施例1と同様の手順で、図1に示すような熱処理装置を用いてシリコン基板を熱処理し、酸化膜を形成した。
このとき、シリコン基板1を保持するホルダ2に具備された支持棒11は、図4のような形状の溝を有しており、その溝の幅が1.0mmで、深さhを0.5mmに加工したものを用いた。また、使用したシリコン基板の直径は200mm、厚さは725μmで、エッジ面取り加工部の長さWは0.6mmであった。このシリコン基板を図4のような形状の溝を有する支持棒を具備したホルダによって、最外周部から面取り加工部のみを接触させて保持した。また、酸化条件は、実施例1と同様に高圧酸化条件として、ヒータ設定温度1000℃、炉心管内圧力5気圧で、70時間の酸化を行った。
その結果、平均膜厚が10.5μmの酸化膜を育成し、かつ、鏡面加工面上の酸化膜にジグ跡がない酸化膜付きシリコン基板50枚を得ることができた。また、シリコン基板の外周面を観察した結果、ホルダに具備された支持棒の溝と接触したシリコン基板の面取り加工部にジグ跡として白濁領域が観察されたが、鏡面加工面上には外観上の異常はなく、ジグ跡は認められなかった。
(比較例)
実施例1と同様の手順で、従来の熱処理装置を用いてシリコン基板を熱処理し、酸化膜を形成した。
このとき、シリコン基板1を保持するホルダ2に具備された支持棒11は、図7のような形状の溝を有しており、その溝の幅が1.0mmで、深さhを2.0mmに加工したものを用いた。また、使用したシリコン基板の直径は200mm、厚さは725μmで、エッジ面取り加工部の長さWは0.6mmであった。このシリコン基板を図7のような形状の溝を有する支持棒を具備したホルダによって、最外周部から面取り加工部だけでなく、鏡面加工面も接触させて保持した。また、酸化条件は、実施例1と同様に高圧酸化条件として、ヒータ設定温度1000℃、炉心管内圧力5気圧で、70時間の酸化を行った。
尚、比較例のホルダに具備された支持棒の溝の深さは、実施例のものより深いため、ホルダの厚さAは実施例より薄くされる。
その結果、平均膜厚が10.6μmの酸化膜を育成したシリコン基板を50枚得ることができた。しかし、シリコン基板を取り出した後にシリコン基板の外周付近を観察した結果、50枚のシリコン基板のうち、37枚の鏡面加工面上の酸化膜に約2mm程度の大きさの白濁領域が観察された。この領域をHRP(KLA Tencor社製)で高さを測定した結果、その高さは2.8μmであった。また、SEM−EDXで元素分析を行った結果、シリコンと酸素元素が観察された。このことにより、シリコン基板とホルダに具備された支持棒の溝との接触面付近で優先的にシリコン酸化膜が形成され、これが凸部となっていることがわかった。
以上のことから、実施例1及び実施例2は、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができたが、比較例は、シリコン基板の鏡面加工面上に、凸部が生じてしまい、高品質の酸化膜を得ることはできなかった。
このように、本発明の酸化膜付きシリコン基板の製造方法によれば、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができる。そのため、シリコン基板の鏡面加工面上に高品質の酸化膜を有する酸化膜付きシリコン基板を得ることができ、その酸化膜付きシリコン基板を光導波路デバイスに用いる場合に特性の劣化を生じないパターン形成面を持つ酸化膜付きシリコン基板を製造することができる。
また、本発明の熱処理装置は、シリコン基板の鏡面加工面上に、シリコン基板を保持するホルダによるジグ跡のない酸化膜を形成することができ、光導波路デバイスに用いる場合、パターン形成面となるシリコン基板の鏡面加工面上に、高品質の酸化膜を形成することができる。よって、光導波路デバイスにおける回路形成上の問題を生じない酸化膜を形成することができる熱処理装置とすることができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の熱処理装置の構成例を模式的に示す図である。 (a)ホルダの1例である。(b)本発明の熱処理装置のホルダに具備された支持棒により保持されたシリコン基板を示す要部断面図である。 本発明の熱処理装置においてホルダに具備された支持棒の溝に保持されたシリコン基板を模式的に示す図である。 本発明の熱処理装置におけるホルダに具備された支持棒の溝の形状を示す図である。 本発明の熱処理装置において他のホルダに具備された支持棒の溝に保持されたシリコン基板を模式的に示す図である。 本発明の熱処理装置における他のホルダに具備された支持棒の溝の形状を示す図である。 比較例の熱処理装置におけるホルダに具備された支持棒の溝の形状を示す図である。
符号の説明
1…シリコン基板、 2…ホルダ、 3…炉心管、 4…ヒータ、 5…キャップ、 6…排気管、 7…ノズル、 8…ノズル、 9…ノズル、 10…熱処理装置、 11…支持棒、 12…最外周端部、 13…面取り加工部、 14…溝、 15…鏡面加工面、 16…側板。

Claims (5)

  1. エッジ面取り加工が施されたシリコン基板を、少なくとも対向する側板と、該側板間に連結される溝を有する複数の支持棒とを具備するホルダに保持して、酸化性雰囲気下で熱処理することで表面に酸化膜を形成する酸化膜付きシリコン基板の製造方法において、前記シリコン基板の保持は、前記ホルダに具備された前記支持棒の溝と、前記シリコン基板の最外周端部及び面取り加工部の少なくとも一方とを接触させることのみで為すことを特徴とする酸化膜付きシリコン基板の製造方法。
  2. 前記シリコン基板を保持する前記ホルダに具備された前記支持棒の溝の深さhが、前記シリコン基板の面取り加工部の長さWより小さいことを特徴とする請求項1に記載の酸化膜付きシリコン基板の製造方法。
  3. 前記シリコン基板を保持する前記ホルダに具備された前記支持棒の溝の深さhが、前記シリコン基板の面取り加工部の長さWより大きく、且つ前記溝の開角αが前記シリコン基板の面取り加工部の面取り面の成す角より大きいことを特徴とする請求項1に記載の酸化膜付きシリコン基板の製造方法。
  4. 前記形成する酸化膜の厚さを5μm以上とすることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の酸化膜付きシリコン基板の製造方法。
  5. 前記酸化性雰囲気が水蒸気を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の酸化膜付きシリコン基板の製造方法。
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