JP2010129803A - 配線回路基板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオンマイグレーションおよび腐食の発生が防止されかつ低コスト化が可能な配線回路基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ベース樹脂層1aおよびベース接着剤層1bからなる絶縁層1上に、銅からなる所定の導体パターン(配線パターン)2が形成されている。絶縁層1上の所定の領域にカバーレイ接着剤層3を用いてカバーレイフィルム4が貼り合わされている。カバーレイフィルム4が貼り合わされていない絶縁層1上の領域においては、導体パターン2の一部を覆うようにめっき層5が形成されている。導体パターン2上に位置するめっき層5の端面5Eが、絶縁層1とカバーレイフィルム4との間からはみ出たカバーレイ接着剤層3により覆われる。また、めっき層5の表面における端面5Eから所定幅の領域5Fが、カバーレイ接着剤層3により覆われる。
【選択図】図2
【解決手段】ベース樹脂層1aおよびベース接着剤層1bからなる絶縁層1上に、銅からなる所定の導体パターン(配線パターン)2が形成されている。絶縁層1上の所定の領域にカバーレイ接着剤層3を用いてカバーレイフィルム4が貼り合わされている。カバーレイフィルム4が貼り合わされていない絶縁層1上の領域においては、導体パターン2の一部を覆うようにめっき層5が形成されている。導体パターン2上に位置するめっき層5の端面5Eが、絶縁層1とカバーレイフィルム4との間からはみ出たカバーレイ接着剤層3により覆われる。また、めっき層5の表面における端面5Eから所定幅の領域5Fが、カバーレイ接着剤層3により覆われる。
【選択図】図2
Description
本発明は、配線回路基板およびその製造方法に関する。
フレキシブル配線回路基板等の配線回路基板では、ポリイミド等の絶縁層の片面または両面に、所定のパターンを有する銅箔等の導体層(導体パターン)が形成され、導体パターンを覆うように絶縁層上にカバーレイフィルムが形成されている。
カバーレイフィルムは、導体パターンの端子部を除く領域に接着剤層を介して接着され、導体パターンの端子部の表面にはめっき層が形成される(特許文献1〜3)。それにより、端子部の腐食が防止される。
特開平7−38239号公報
特開平9−92979号公報
特開2000−219854号公報
しかしながら、配線回路基板の使用により金属のイオンマイグレーションが発生する場合がある。それにより、導体パターン間で短絡が発生する。ここで、イオンマイグレーションとは電界が発生している状態で水分が媒体となって金属イオンが移動する現象をいう。また、水分等の浸入により、端子部近傍の導体パターンの部分が腐食する場合がある。それにより、端子部に搭載される電子部品と導体パターンとの接続性が低下する。
特許文献1のフレキシブルプリント配線板では、カバーレイフィルムおよび回路導体の腐食を防止するために、カバーレイフィルムと回路導体との境界部にスクリーン印刷が行われる。この場合、スクリーン印刷のための製造設備および塗料が必要になる。それにより、製造コストが高くなる。
本発明の目的は、イオンマイグレーションおよび腐食の発生が防止されかつ低コスト化が可能な配線回路基板およびその製造方法を提供することである。
(1)第1の発明に係る配線回路基板は、第1の絶縁層と、第1の絶縁層上に形成され、所定のパターンを有する金属を含む導体層と、導体層の一部領域を除いて導体層の他の領域を覆うように第1の絶縁層上に接着剤層を介して形成される第2の絶縁層と、導体層の一部領域に形成されるめっき層とを備え、接着剤層は、一部領域上のめっき層の一部を被覆するように他の領域からはみ出たものである。
この発明に係る配線回路基板おいては、導体層の一部領域を除く他の領域が接着剤層を介して第2の絶縁層により被覆される。また、導体層の一部領域がめっき層により覆われる。
この場合、導体層の一部領域に形成されためっき層の一部が、導体層の他の領域からはみ出た接着剤層により被覆される。これにより、導体層から溶出される金属イオンがめっき層と接着剤層との界面を通して外部へ移動することが防止される。したがって、イオンマイグレーションの発生が防止される。また、外部の雰囲気がめっき層と接着剤層との界面を通して導体層の表面に到達することが防止される。それにより、導体層の腐食が防止される。これらの結果、配線回路基板の信頼性が向上する。
さらに、他の材料を新たに用意することなく、めっき層の一部が接着剤層で被覆されるので、配線回路基板の低コスト化が可能となる。
(2) めっき層は、導体層上に端面を有し、他の領域からはみ出た接着剤層は、めっき層の端面に直交する縦断面において、端面を含むめっき層の表面が接着剤層により5μm以上200μm以下の長さ被覆されてもよい。
ここで、上記の長さは、接着剤層の縁部における平均の長さである。
これにより、めっき層と接着剤層との界面の長さを十分に確保することができるとともに、めっき層の露出面積が過剰に小さくなることが防止される。したがって、めっき層と電子部品との接続性が確保されつつイオンマイグレーションの発生および導体層の腐食の発生が十分に防止される。その結果、配線回路基板の信頼性が十分に向上する。
(3)めっき層の端面に直交する縦断面において、端面を含むめっき層の表面が接着剤層により10μm以上50μm以下の長さ被覆されてもよい。
これにより、めっき層と接着剤層との界面の長さをより十分に確保することができるとともに、めっき層の露出面積の縮小を最小限に抑えることができる。したがって、めっき層と電子部品との接続性が十分に確保されつつイオンマイグレーションの発生および導体層の腐食の発生がより十分に防止される。その結果、配線回路基板の信頼性がより十分に向上する。
(4)第2の発明に係る配線回路基板の製造方法は、第1の絶縁層上に所定のパターンを有する金属を含む導体層を形成する工程と、導体層の一部領域を除いて導体層の他の領域を覆うように第1の絶縁層上に接着剤層を介して第2の絶縁層を形成する工程と、第1の絶縁層と第2の絶縁層とを加圧することにより第1の絶縁層と第2の絶縁層とを貼り合わせる工程と、導体層の一部領域にめっき層を形成する工程と、めっき層の形成後に第1の絶縁層と第2の絶縁層とを加圧する工程とを備えるものである。
この発明に係る配線回路基板の製造方法においては、第1の絶縁層上に所定のパターンを有する金属を含む導体層が形成され、導体層の一部領域を除いて導体層の他の領域を覆うように第1の絶縁層上に接着剤層を介して第2の絶縁層が形成される。その後、第1の絶縁層と第2の絶縁層とが加圧され、第1の絶縁層と第2の絶縁層とを貼り合わされ、導体層の一部領域にめっき層が形成される。
さらに、めっき層の形成後に、第1の絶縁層と第2の絶縁層とが加圧される。これにより、第1の絶縁層と第2の絶縁層との間の接着層が、導体層の他の領域からはみ出る。
この場合、導体層の一部領域に形成されためっき層の一部が、導体層の他の領域からはみ出た接着剤層により被覆される。これにより、導体層から溶出される金属イオンがめっき層と接着剤層との界面を通して外部へ移動することが防止される。したがって、イオンマイグレーションの発生が防止される。また、外部の雰囲気がめっき層と接着剤層との界面を通して導体層の表面に到達することが防止される。それにより、導体層の腐食が防止される。これらの結果、配線回路基板の信頼性が向上する。
さらに、他の材料および設備を新たに用意することなく、めっき層の一部が接着剤層で被覆されるので、配線回路基板の材料コストの増大が抑制される。また、加圧によりめっき層の一部が接着剤層で被覆される。これにより、他の設備を用意する必要がない。これらの結果、材料コストおよび製造コストの増大が十分に抑制される。
(5)貼り合わせる工程において、第1の絶縁層および第2の絶縁層は第1の期間加圧され、めっき層の形成後に第1の絶縁層と第2の絶縁層とを加圧する工程において、第1の絶縁層および第2の絶縁層は第2の期間加圧され、第1の期間は、第2の期間よりも短くてもよい。
この場合、第1の期間は第2の期間よりも短いので、第1の絶縁層と第2の絶縁層とを貼り合わせる工程において接着剤層が完全に硬化することを防止することができるとともに、めっき層の形成前に接着剤層が第1の絶縁層と第2の絶縁層との間から過剰にはみ出すことを防止することができる。また、めっき層の形成後に、第1の絶縁層と第2の絶縁層との間から導体層の一部領域に接着剤層を容易にはみ出させることができるとともに、接着剤層を完全に硬化させることができる。それにより、めっき層の一部を接着剤層により確実に被覆することができる。
本発明に係る配線回路基板おいては、導体層の一部領域を除く他の領域が接着剤層を介して第2の絶縁層により被覆される。また、導体層の一部領域がめっき層により覆われる。
この場合、導体層の一部領域に形成されためっき層の一部が、導体層の他の領域からはみ出た接着剤層により被覆される。これにより、導体層から溶出される金属イオンがめっき層と接着剤層との界面を通して外部へ移動することが防止される。したがって、イオンマイグレーションの発生が防止される。また、外部の雰囲気がめっき層と接着剤層との界面を通して導体層の表面に到達することが防止される。それにより、導体層の腐食が防止される。これらの結果、配線回路基板の信頼性が向上する。
さらに、他の材料を新たに用意することなく、めっき層の一部が接着剤層で被覆されるので、配線回路基板の低コスト化が可能となる。
以下、本発明の一実施の形態に係る配線回路基板およびその製造方法について図面を参照しつつ説明する。以下では、配線回路基板の一例として、フレキシブル配線回路基板を説明する。
(1)配線回路基板の構成
図1は本発明の一実施の形態に係るフレキシブル配線回路基板100の外観斜視図である。図2(a)は図1のフレキシブル配線回路基板100の模式的上面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線における一部拡大断面図である。なお、図2(a)においては、後述するフレキシブル配線回路基板100の複数の構成要素をそれぞれ識別するために、外部から視認可能な構成要素にハッチングを施している。
図1は本発明の一実施の形態に係るフレキシブル配線回路基板100の外観斜視図である。図2(a)は図1のフレキシブル配線回路基板100の模式的上面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線における一部拡大断面図である。なお、図2(a)においては、後述するフレキシブル配線回路基板100の複数の構成要素をそれぞれ識別するために、外部から視認可能な構成要素にハッチングを施している。
図1および図2に示すように、本実施の形態に係るフレキシブル配線回路基板100は、絶縁層1、導体パターン2、カバーレイ接着剤層3、カバーレイフィルム4およびめっき層5を含む。絶縁層1は、ベース樹脂層1aおよびベース接着剤層1bからなる。フレキシブル配線回路基板100の構造について、詳細を説明する。
ベース樹脂層1aおよびベース接着剤層1bからなる絶縁層1上に、銅からなる所定の導体パターン(配線パターン)2が形成されている。
図2(a)および図2(b)に示すように、絶縁層1上の所定の領域にカバーレイ接着剤層3を用いてカバーレイフィルム4が貼り合わされている。これにより、導体パターン2の一部がカバーレイ接着剤層3およびカバーレイフィルム4により覆われている。
また、カバーレイフィルム4が貼り合わされていない絶縁層1上の領域においては、導体パターン2の一部を覆うようにめっき層5が形成されている。めっき層5が形成された導体パターン2の部分が、本フレキシブル配線回路基板100における端子部Tを構成する。端子部Tには、図示しない電子部品が搭載される。
ここで、図2(a)および図2(b)に示すように、導体パターン2においては、めっき層5の形成部分とカバーレイフィルム4で覆われる部分との間に、隙間Gが形成される。
本実施の形態に係るフレキシブル配線回路基板100においては、導体パターン2の隙間G、その隙間Gの周辺に位置する絶縁層1の一部、および隙間Gの周辺に位置するめっき層5の一部がカバーレイ接着剤層3により覆われる。
これにより、図2(b)に太線で示すように、めっき層5の端面5Eが、カバーレイ接着剤層3により覆われる。また、めっき層5の表面における端面5Eから所定幅の領域5Fが、カバーレイ接着剤層3により覆われる。以下の説明では、カバーレイ接着剤層3により覆われるめっき層5表面の領域5Fを表面被覆領域5Fと呼ぶ。
ここで、めっき層5の厚みをd1とし、表面被覆領域5Fの幅をd2とする。この場合、フレキシブル配線回路基板100の縦断面においては、めっき層5が厚さd1と幅d2との合計の長さ分カバーレイ接着剤層3により被覆される。以下の説明では、厚さd1と幅d2との合計の値を被覆長さと呼ぶ。
(2)配線回路基板の構成に基づく効果
本実施の形態に係るフレキシブル配線回路基板100においては、めっき層5の端面5Eおよび表面被覆領域5Fがカバーレイ接着剤層3により被覆される。
本実施の形態に係るフレキシブル配線回路基板100においては、めっき層5の端面5Eおよび表面被覆領域5Fがカバーレイ接着剤層3により被覆される。
これにより、導体パターン2の表面から溶出される金属イオン(銅イオン)がめっき層5とカバーレイ接着剤層3との界面を通して外部へ移動することが防止される。したがって、高温高湿雰囲気においてもイオンマイグレーションの発生が防止される。また、高温高湿雰囲気においても、外部の雰囲気(水分等)がめっき層5とカバーレイ接着剤層3との界面を通して導体パターン2の表面に到達することが防止される。それにより、導体パターン2の腐食が防止される。したがって、端子部Tに搭載される図示しない電子部品と導体パターン2との接続性の低下が防止される。これらの結果、フレキシブル配線回路基板100の信頼性が向上する。
さらに、めっき層5の一部を被覆するために他の材料を用いる必要がない。したがって、フレキシブル配線回路基板100の低コスト化が可能となる。
被覆長さは、5μm以上200μm以下に設定されることが好ましい。ここで、本実施の形態においては、被覆長さはカバーレイ接着剤層3の縁部における平均の長さをいう。これにより、めっき層5とカバーレイ接着剤層3との界面の長さを十分に確保することができるとともに、めっき層5の露出面積が過剰に小さくなることが防止される。したがって、端子部Tの領域が十分に確保され、めっき層5と電子部品との接続性が確保されつつイオンマイグレーションの発生および導体パターン2の腐食が十分に防止される。その結果、フレキシブル配線回路基板100の信頼性が十分に向上する。
被覆長さは10μm以上50μm以下に設定されることがさらに好ましい。これにより、めっき層5とカバーレイ接着剤層3との界面の長さをより十分に確保することができるとともに、めっき層5の露出面積の縮小を最小限に抑えることができる。したがって、端子部Tの領域がより十分に確保され、めっき層5と電子部品との接続性が十分に確保されつつイオンマイグレーションの発生および導体パターン2の腐食がより十分に防止される。その結果、フレキシブル配線回路基板100の信頼性がより十分に向上する。
(3)配線回路基板の製造方法
続いて、フレキシブル配線回路基板100の製造方法について、詳細を説明する。図3および図4は、図1のフレキシブル配線回路基板100の製造方法を示す模式的工程断面図である。
続いて、フレキシブル配線回路基板100の製造方法について、詳細を説明する。図3および図4は、図1のフレキシブル配線回路基板100の製造方法を示す模式的工程断面図である。
初めに、図3(a)に示すように、絶縁体フィルムからなるベース樹脂層1aの一面にベース接着剤層1bを挟んで銅箔2Xが貼り合わされたベースフィルムを用意する。そして、露出する銅箔2Xの一面上にフォトレジストを塗布し、フォトマスクを用いて露光処理および現像処理を行う。これにより、所定のパターンのエッチングレジストが得られる。その後、銅箔2Xのエッチングおよびエッチングレジストの除去を行うことにより銅からなる導体パターン2(配線パターン)を形成する。
上記のように、本実施の形態においては、ベース樹脂層1aおよびベース接着剤層1bにより絶縁層1が構成される。
ベース樹脂層1aとしては、例えばポリイミドフィルムまたはポリエステルフィルム等の絶縁性フィルムが用いられる。ベース樹脂層1aの厚みは、10μm以上40μm以下であることが好ましい。
また、ベース接着剤層1bとしては、例えばエポキシ樹脂系の接着剤、フェノール樹脂系の接着剤、ポリエステル樹脂系の接着剤、アクリル樹脂系の接着剤、またはアクリロニトリルブタジエンゴムからなる接着剤等が用いられる。ベース接着剤層1bの厚みは、10μm以上40μm以下であることが好ましい。
導体パターン2の材料は、銅に限らず、金、ニッケルまたはアルミニウム等の他の金属を用いてもよいし、銅合金、はんだまたはアルミニウム合金等の合金を用いてもよい。導体パターン2の厚みは、5μm以上40μm以下であることが好ましい。
なお、上記では、ベース樹脂層1a、ベース接着剤層1bおよび銅箔2Xからなる三層のベースフィルムを用いる旨を記載したが、ベース樹脂層1aおよび銅箔2Xからなる二層のベースフィルムを用いてもよい。
次に、予めカバーレイ接着剤層3が一面に塗布されたカバーレイフィルム4を用意する。そして、図3(b)に示すように、導体パターン2が形成された絶縁層1の一面上に、カバーレイ接着剤層3を挟んでカバーレイフィルム4を熱プレスにより貼り合わせる。以下の説明では、このときの熱プレスを第1の熱プレスと呼ぶ。なお、カバーレイフィルム4は、予め定められた端子部Tの形成領域(図4参照)を除く領域に貼り付けられる。
具体的には、導体パターン2が形成された絶縁層1上にカバーレイ接着剤層3を挟んでカバーレイフィルム4を配置した状態で、絶縁層1、導体パターン2、カバーレイ接着剤層3およびカバーレイフィルム4からなる積層体を第1の温度に加熱されたプレス機により、第1の期間、第1の圧力で加圧する。
このとき、第1の熱プレスは、カバーレイ接着剤層3が半硬化状態となるように行う。第1の温度は、50℃以上200℃以下に設定される。また、第1の期間は、5秒以上10分以下に設定され、第1の圧力は1kg/cm2以上90kg/cm2以下に設定される。
上記のように、第1の熱プレスが行われることにより、図3(b)に示すように、カバーレイフィルム4の端面4Eからカバーレイ接着剤層3の一部が押し出される。
カバーレイフィルム4としては、例えばポリイミドフィルムまたはポリエステルフィルム等の絶縁性フィルムが用いられる。カバーレイフィルム4の厚みは、10μm以上60μm以下であることが好ましい。
カバーレイ接着剤層3としては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とが混合された熱硬化型の接着剤が用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等を用いることができる。また、熱可塑性樹脂としては、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂またはアクリロニトリルブタジエンゴム等を用いることができる。カバーレイ接着剤層3の厚みは、10μm以上40μm以下であることが好ましい。
なお、カバーレイ接着剤層3が一面に塗布されたカバーレイフィルム4は、カバーレイフィルム4の一面に熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂とを混合した熱硬化型の接着剤を塗布し、塗布された接着剤を半硬化状態とし、その接着剤上に離型フィルムを積層することにより作製される。
その後、図4(c)に示すように、導体パターン2におけるカバーレイ接着剤層3が形成されない領域、すなわち端子部Tの形成領域に、例えば電解めっきによりめっき層5を形成する。
本実施の形態において、めっき層5としては、金めっき層、ニッケル−金めっき層、錫めっき層、はんだめっき層、錫−銅系合金めっき層、または錫−銀系合金めっき層等を用いることができる。なお、本実施の形態においては、めっき層5の厚みは特に限定されない。
めっき層5は、電解めっきに限らず、無電解めっきにより形成してもよい。また、めっき層5は、絶縁層1上の端子部Tの形成領域にはんだをスクリーン印刷することにより形成してもよいし、端子部Tの形成領域に溶融したはんだを接触させることにより形成してもよい。
続いて、図4(d)に示すように、絶縁層1、導体パターン2、カバーレイ接着剤層3およびカバーレイフィルム4からなる積層体に対して再び熱プレスを行う。以下の説明では、めっき層5の形成後の熱プレスを第2の熱プレスと呼ぶ。
具体的には、上記の積層体を第2の温度に加熱されたプレス機により、第2の期間、第2の圧力で加圧する。
このとき、第2の熱プレスは、カバーレイ接着剤層3が完全に硬化するように行う。第2の温度は、第1の温度以上でありかつ50℃以上200℃以下に設定されることが好ましい。また、第2の期間は、第1の期間以上でありかつ10分以上3時間以下に設定されることが好ましい。さらに、第2の圧力は、第1の圧力以上でありかつ1kg/cm2以上90kg/cm2以下に設定されることが好ましい。
ここで、第1の期間と第2の期間との合計の時間は、5秒以上3時間以下に設定されることが好ましい。また、熱プレスは、単層型プレス機および多段型プレス機のいずれを用いて行ってもよい。
上記のように、導体パターン2の一部領域にめっき層5が形成された後、第2の熱プレスが行われることにより、図4(d)に示すように、カバーレイフィルム4の端面4Eからカバーレイ接着剤層3の一部が押し出される。これにより、カバーレイ接着剤層3は、めっき層5の端面5Eから幅d2分めっき層5の表面上にはみ出す。その結果、上述のように、フレキシブル配線回路基板100の縦断面におけるめっき層5の端面5Eおよび表面被覆領域5Fがカバーレイ接着剤層3により被覆される。
(4)配線回路基板の製造方法に基づく効果
上記の製造方法においては、第1の熱プレスにより絶縁層1とカバーレイフィルム4との貼り合わせを行った後、露出する導体パターン2の部分にめっき層5が形成され、第2の熱プレスによりカバーレイ接着剤層3がカバーレイフィルム4と絶縁層1との間から押し出される。
上記の製造方法においては、第1の熱プレスにより絶縁層1とカバーレイフィルム4との貼り合わせを行った後、露出する導体パターン2の部分にめっき層5が形成され、第2の熱プレスによりカバーレイ接着剤層3がカバーレイフィルム4と絶縁層1との間から押し出される。
これにより、他の材料および設備を新たに用意することなく、導体パターン2上のめっき層5の端面5Eおよび表面被覆領域5Fがカバーレイ接着剤層3で被覆される。それにより、材料コストおよび製造コストの増大が十分に抑制される。
ここで、図4(d)のフレキシブル配線回路基板100において、カバーレイフィルム4の端面4Eからめっき層5を覆うカバーレイ接着剤層3の端辺3Eまでの長さLを、カバーレイ接着剤層3の露出長さLと呼ぶ。露出長さLは、隙間Gと表面被覆領域5Fの幅をd2との合計の値である。また、本実施の形態において、露出長さLは、カバーレイ接着剤層3の縁部における平均の長さをいう。
露出長さLは、5μm以上400μm以下に設定されることが好ましい。これにより、めっき層5とカバーレイ接着剤層3との界面の長さを十分に確保することができるとともに、めっき層5の露出面積が過剰に小さくなることが防止される。したがって、めっき層5と図示しない電子部品との接続性が確保されつつ、イオンマイグレーションの発生および導体パターン2の腐食の発生が十分に防止される。その結果、フレキシブル配線回路基板100の信頼性が十分に向上する。
露出長さLは、5μm以上200μm以下に設定されることがより好ましい。これにより、めっき層5とカバーレイ接着剤層3との界面の長さをより十分に確保することができるとともに、めっき層5の露出面積の縮小を最小限に抑えることができる。したがって、めっき層5と図示しない電子部品との接続性が十分に確保されつつ、イオンマイグレーションの発生および導体パターン2の腐食の発生がより十分に防止される。その結果、フレキシブル配線回路基板100の信頼性がより十分に向上する。
(5)カバーレイ接着剤層によるめっき層の被覆状態
図5は、カバーレイ接着剤層3によるめっき層5の被覆状態を示す模式的断面図である。図5(a)に、めっき層5の厚みd1が小さい場合のめっき層5の被覆状態が示されている。また、図5(b)に、めっき層5の厚みd1が大きい場合のめっき層5の被覆状態が示されている。
図5は、カバーレイ接着剤層3によるめっき層5の被覆状態を示す模式的断面図である。図5(a)に、めっき層5の厚みd1が小さい場合のめっき層5の被覆状態が示されている。また、図5(b)に、めっき層5の厚みd1が大きい場合のめっき層5の被覆状態が示されている。
図5(a)および図5(b)に示すように、フレキシブル配線回路基板100においては、めっき層5の厚みd1に応じてカバーレイ接着剤層3によるめっき層5の被覆状態が変化するが、被覆長さ(厚さd1と幅d2との合計値)が5μm以上200μm以下に設定されることにより、上記の効果を得ることができる。
(6)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態においては、フレキシブル配線回路基板100が配線回路基板の例であり、絶縁層1が第1の絶縁層の例であり、導体パターン2が導体層の例であり、カバーレイ接着剤層3が接着剤層の例であり、カバーレイフィルム4が第2の絶縁層の例であり、めっき層5の端面5Eがめっき層の端面の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
以下、実施例1〜5および比較例における配線回路基板およびその製造方法について説明する。
[実施例1]
実施例1においては、ベース樹脂層1aの一面にベース接着剤層1bを挟んで銅箔2Xが貼り合わされたベースフィルムを用意した。ベース樹脂層1aとしてはポリイミドフィルムを用い、ベース接着剤層1bとしてはエポキシ樹脂系の接着剤を用いた。ベース樹脂層1aの厚みは25μmであり、ベース接着剤層1bの厚みは15μmであり、銅箔2Xの厚みは35μmであった。
実施例1においては、ベース樹脂層1aの一面にベース接着剤層1bを挟んで銅箔2Xが貼り合わされたベースフィルムを用意した。ベース樹脂層1aとしてはポリイミドフィルムを用い、ベース接着剤層1bとしてはエポキシ樹脂系の接着剤を用いた。ベース樹脂層1aの厚みは25μmであり、ベース接着剤層1bの厚みは15μmであり、銅箔2Xの厚みは35μmであった。
そして、露出する銅箔2Xの一面上に、上記と同様にして所定のパターンのエッチングレジストを形成した。その後、銅箔2Xのエッチングおよびエッチングレジストの除去を行うことにより銅からなる導体パターン2を形成した。
次に、カバーレイ接着剤層3が一面に塗布されたカバーレイフィルム4を用意した。カバーレイ接着剤層3としてはエポキシ樹脂系の接着剤を用い、カバーレイフィルム4としてはポリイミドフィルムを用いた。
そして、導体パターン2が形成された絶縁層1の一面上に、カバーレイ接着剤層3を挟んでカバーレイフィルム4を第1の熱プレスにより貼り合わせた。なお、カバーレイフィルム4は、予め定められた端子部Tの形成領域を除く領域に貼り付けた。
第1の熱プレスにおいては、第1の温度を150℃に設定し、第1の期間を1分に設定し、第1の圧力を40kg/cm2に設定した。
その後、カバーレイ接着剤層3が形成されない導体パターン2の部分に、電解めっきによりめっき層5を形成した。めっき層5の厚みは、約0.3μmであった。
最後に、絶縁層1、導体パターン2、カバーレイ接着剤層3およびカバーレイフィルム4からなる積層体に対して第2の熱プレスを行った。第2の熱プレスにおいては、第2の温度を150℃に設定し、第2の期間を1分に設定し、第2の圧力を40kg/cm2に設定した。
[実施例2]
実施例2においては、第1の熱プレスおよび第2の熱プレスの条件が異なる点を除き、実施例1と同様にしてフレキシブル配線回路基板を作製した。
実施例2においては、第1の熱プレスおよび第2の熱プレスの条件が異なる点を除き、実施例1と同様にしてフレキシブル配線回路基板を作製した。
本例では、第1の熱プレスの条件として、第1の温度を150℃に設定し、第1の期間を1分に設定し、第1の圧力を40kg/cm2に設定した。また、第2の熱プレスの条件として、第2の温度を150℃に設定し、第2の期間を3分に設定し、第2の圧力を40kg/cm2に設定した。
[実施例3]
実施例3においては、第1の熱プレスおよび第2の熱プレスの条件が異なる点を除き、実施例1と同様にしてフレキシブル配線回路基板を作製した。
実施例3においては、第1の熱プレスおよび第2の熱プレスの条件が異なる点を除き、実施例1と同様にしてフレキシブル配線回路基板を作製した。
本例では、第1の熱プレスの条件として、第1の温度を150℃に設定し、第1の期間を1分に設定し、第1の圧力を40kg/cm2に設定した。また、第2の熱プレスの条件として、第2の温度を150℃に設定し、第2の期間を10分に設定し、第2の圧力を40kg/cm2に設定した。
[実施例4]
実施例4においては、第1の熱プレスおよび第2の熱プレスの条件が異なる点を除き、実施例1と同様にしてフレキシブル配線回路基板を作製した。
実施例4においては、第1の熱プレスおよび第2の熱プレスの条件が異なる点を除き、実施例1と同様にしてフレキシブル配線回路基板を作製した。
本例では、第1の熱プレスの条件として、第1の温度を150℃に設定し、第1の期間を1分に設定し、第1の圧力を40kg/cm2に設定した。また、第2の熱プレスの条件として、第2の温度を150℃に設定し、第2の期間を34分に設定し、第2の圧力を40kg/cm2に設定した。
[実施例5]
実施例5においては、第1の熱プレスおよび第2の熱プレスの条件が異なる点を除き、実施例1と同様にしてフレキシブル配線回路基板を作製した。
実施例5においては、第1の熱プレスおよび第2の熱プレスの条件が異なる点を除き、実施例1と同様にしてフレキシブル配線回路基板を作製した。
本例では、第1の熱プレスの条件として、第1の温度を150℃に設定し、第1の期間を1分に設定し、第1の圧力を40kg/cm2に設定した。また、第2の熱プレスの条件として、第2の温度を150℃に設定し、第2の期間を120分に設定し、第2の圧力を40kg/cm2に設定した。
[比較例]
比較例においては、第1の熱プレスにおける第1の期間が異なる点、およびめっき層5の形成後に第2の熱プレスを行わなかった点を除き実施例1と同様の方法でフレキシブル配線回路基板を作製した。なお、本例では、第1の温度を150℃に設定し、第1の期間を35分に設定し、第1の圧力を40kg/cm2に設定した。
比較例においては、第1の熱プレスにおける第1の期間が異なる点、およびめっき層5の形成後に第2の熱プレスを行わなかった点を除き実施例1と同様の方法でフレキシブル配線回路基板を作製した。なお、本例では、第1の温度を150℃に設定し、第1の期間を35分に設定し、第1の圧力を40kg/cm2に設定した。
[評価]
実施例1〜5のフレキシブル配線回路基板におけるめっき層5の部分の縦断面は、図4(d)に示されるフレキシブル配線回路基板100とほぼ同様であった。一方、比較例のフレキシブル配線回路基板におけるめっき層5の部分の縦断面において、めっき層5はカバーレイ接着剤層3により被覆されていなかった。
実施例1〜5のフレキシブル配線回路基板におけるめっき層5の部分の縦断面は、図4(d)に示されるフレキシブル配線回路基板100とほぼ同様であった。一方、比較例のフレキシブル配線回路基板におけるめっき層5の部分の縦断面において、めっき層5はカバーレイ接着剤層3により被覆されていなかった。
実施例1〜5および比較例のフレキシブル配線回路基板の作製時においては、第1の熱プレス終了後に、カバーレイフィルム4の端面4Eからはみ出したカバーレイ接着剤層3の長さを測長顕微鏡により測定した。この長さは、上記実施の形態における隙間G(図4(d)参照)の長さに相当する。
その結果、実施例1〜5のフレキシブル配線回路基板において、隙間Gの長さは、それぞれ29μm、30μm、30μm、28μmおよび29μmであった。また、比較例のフレキシブル配線回路基板において、隙間Gの長さは、50μmであった。
さらに、完成した実施例1〜5のフレキシブル配線回路基板について、第2の熱プレス終了後に、カバーレイフィルム4の端面4Eからはみ出したカバーレイ接着剤層3の長さを測長顕微鏡により測定した。この長さは、上記実施の形態における露出長さL(図4(d)参照)に相当する。
その結果、実施例1〜5のフレキシブル配線回路基板において、露出長さLは、それぞれ32μm、35μm、41μm、49μmおよび82μmであった。
比較例のフレキシブル配線回路基板については、第2の熱プレスを行っていないので、本測定は行わなかった。
上記の測定結果に基づいて、各フレキシブル配線回路基板におけるカバーレイ接着剤層3によるめっき層5の被覆長さを算出した。その結果、実施例1〜7のフレキシブル配線回路基板において、カバーレイ接着剤層3によるめっき層5の被覆長さは、それぞれ3μm、5μm、11μm、21μm、および53μmであった。
一方、上記のように、比較例において、めっき層5はカバーレイ接着剤層3により被覆されていなかったため、被覆長さは0μmであった。
実施例1〜5および比較例のフレキシブル配線回路基板について、以下の腐食試験を行った。
容積が12lのデシケータを用意し、そのデシケータ内に70%硝酸が480ml入った容器を配置した。そして、デシケータの蓋を閉じて30分間放置した。
続いて、70%硝酸の容器に加えて、デシケータ内に実施例1〜7および比較例のフレキシブル配線回路基板を配置し、デシケータの蓋を閉じて60分間放置した。そして、デシケータから70%硝酸の容器、ならびに実施例1〜7および比較例のフレキシブル配線回路基板を取り出した。
次に、実施例1〜5および比較例のフレキシブル配線回路基板を125℃の温度環境下で30分間加熱した後、再び各フレキシブル配線回路基板をデシケータ内に配置し、蓋を閉じた状態で90分間放置した。
最後に、デシケータから各フレキシブル配線回路基板を取り出し、導体パターン2に発生した腐食の大きさおよび個数を顕微鏡により測定した。
図6は、実施例1〜5および比較例のフレキシブル配線回路基板における露出長さL、カバーレイ接着剤層3によるめっき層5の被覆長さ、および腐食試験結果を示す図である。
図6に示すように、実施例1に係るフレキシブル配線回路基板において、25mm2当たりの腐食の個数は、外径が0.05mm以上0.12mm以下の腐食が2.1であり、外径が0.13mm以上0.4mm以下の腐食が3.0であり、外径が0.4mmよりも大きい腐食が0.5であった。
また、実施例2に係るフレキシブル配線回路基板において、25mm2当たりの腐食の個数は、外径が0.05mm以上0.12mm以下の腐食が1.9であり、外径が0.13mm以上0.4mm以下の腐食が1.7であり、外径が0.4mmよりも大きい腐食が0.3であった。
さらに、実施例3に係るフレキシブル配線回路基板において、25mm2当たりの腐食の個数は、外径が0.05mm以上0.12mm以下の腐食が1.3であり、外径が0.13mm以上0.4mm以下の腐食が0.5であり、外径が0.4mmよりも大きい腐食が0.1であった。
また、実施例4に係るフレキシブル配線回路基板において、25mm2当たりの腐食の個数は、外径が0.05mm以上0.12mm以下の腐食が1.1であり、外径が0.13mm以上0.4mm以下の腐食が0.1であり、外径が0.4mmよりも大きい腐食が0.1であった。
さらに、実施例5に係るフレキシブル配線回路基板において、25mm2当たりの腐食の個数は、外径が0.05mm以上0.12mm以下の腐食が0.9であり、外径が0.13mm以上0.4mm以下の腐食が0.1であり、外径が0.4mmよりも大きい腐食が0.2であった。
一方、比較例に係るフレキシブル配線回路基板において、25mm2当たりの腐食の個数は、外径が0.05mm以上0.12mm以下の腐食が2.2であり、外径が0.13mm以上0.4mm以下の腐食が3.3であり、外径が0.4mmよりも大きい腐食が0.5であった。
上記のように、カバーレイ接着剤層3によりめっき層5が被覆された実施例1〜5のフレキシブル配線回路基板においては、比較例のフレキシブル配線回路基板に比べて導体パターン2に発生する腐食の大きさおよび個数が低減されている。
これにより、めっき層5の端面5Eおよび表面被覆領域5Fをカバーレイ接着剤層3で被覆することにより、外部の雰囲気がカバーレイ接着剤層3とめっき層5との界面を通して導体パターン2に接触することが防止されることが明らかとなった。
実施例2〜5のフレキシブル配線回路基板では、実施例1のフレキシブル配線回路基板に比べて導体パターン2に発生する腐食の大きさおよび個数が低減されている。
これにより、カバーレイ接着剤層3によるめっき層5の被覆長さが5μm以上である場合には、外部の雰囲気がカバーレイ接着剤層3とめっき層5との界面を通して導体パターン2に接触することが十分に防止されることが明らかとなった。
実施例3〜5のフレキシブル配線回路基板では、実施例1,2のフレキシブル配線回路基板に比べて導体パターン2に発生する腐食の大きさおよび個数が低減されている。
これにより、カバーレイ接着剤層3によるめっき層5の被覆長さが10μm以上である場合には、外部の雰囲気がカバーレイ接着剤層3とめっき層5との界面を通して導体パターン2に接触することがさらに十分に防止されることが明らかとなった。
本発明は、配線回路基板を製造する場合に有用である。
1 絶縁層
1a ベース樹脂層
1b ベース接着剤層
2導体パターン
3 カバーレイ接着剤層
4 カバーレイフィルム
5 めっき層
5E 端面
100 フレキシブル配線回路基板
1a ベース樹脂層
1b ベース接着剤層
2導体パターン
3 カバーレイ接着剤層
4 カバーレイフィルム
5 めっき層
5E 端面
100 フレキシブル配線回路基板
Claims (5)
- 第1の絶縁層と、
前記第1の絶縁層上に形成され、所定のパターンを有する金属を含む導体層と、
前記導体層の一部領域を除いて前記導体層の他の領域を覆うように前記第1の絶縁層上に接着剤層を介して形成される第2の絶縁層と、
前記導体層の前記一部領域に形成されるめっき層とを備え、
前記接着剤層は、前記一部領域上の前記めっき層の一部を被覆するように前記他の領域からはみ出たことを特徴とする配線回路基板。 - 前記めっき層は、前記導体層上に端面を有し、
前記他の領域からはみ出た接着剤層は、前記めっき層の端面に直交する縦断面において、前記端面を含むめっき層の表面が前記接着剤層により5μm以上200μm以下の長さ被覆されたことを特徴とする請求項1記載の配線回路基板。 - 前記めっき層の端面に直交する縦断面において、前記端面を含むめっき層の表面が前記接着剤層により10μm以上50μm以下の長さ被覆されたことを特徴とする請求項2記載の配線回路基板。
- 第1の絶縁層上に所定のパターンを有する金属を含む導体層を形成する工程と、
前記導体層の一部領域を除いて前記導体層の他の領域を覆うように前記第1の絶縁層上に接着剤層を介して第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを加圧することにより前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを貼り合わせる工程と、
前記導体層の前記一部領域にめっき層を形成する工程と、
前記めっき層の形成後に前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを加圧する工程とを備えることを特徴とする配線回路基板の製造方法。 - 前記貼り合わせる工程において、前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層は第1の期間加圧され、
前記めっき層の形成後に前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層とを加圧する工程において、前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層は第2の期間加圧され、
前記第1の期間は、前記第2の期間よりも短いことを特徴とする請求項4記載の配線回路基板の製造方法。
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JP2008303466A JP2010129803A (ja) | 2008-11-28 | 2008-11-28 | 配線回路基板およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024070591A1 (ja) * | 2022-09-28 | 2024-04-04 | 株式会社村田製作所 | 伸縮性デバイス |
-
2008
- 2008-11-28 JP JP2008303466A patent/JP2010129803A/ja active Pending
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