JP2010098035A - 熱電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体金属の悪影響を防止しつつ、優れた密着性、熱伝導性向上効果を生かし、高変換効率で高信頼性の熱電変換素子を提供する。
【解決手段】基板上16に、一対の電極11、14、それらに挟持された熱電半導体13A,13B、及び接合部を備え、前記一対の電極のうちの一方の電極の設置側を高温状態とし、かつ、他方の電極の設置側を低温状態とすることによって、前記一対の電極間に起電力を生じる熱電変換素子であって、基板と、当該基板と接触する側の電極の少なくとも一方が、電気的な絶縁性を有し、当該基板と当該電極が液体金属15により接合する構造を有することを特徴とする熱電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、ゼーベック効果等の熱電効果を用いた熱電変換素子に関する。
熱電変換材料は、両端に温度差を与えられると起電力が得られる。温度差が大きいほど大きな起電力が得られる。熱電変換材料の薄膜化により、可撓性が得られ用途が広がることが期待されるが、一般的なπ型素子の場合、単に薄膜化(100μm以下)すると変換効率が低下することが知られている。
上記理由は、熱電変換材料が薄膜化すると、各部材間の界面で熱抵抗が相対的に増大し、熱電変換素子中の半導体(いわゆる熱電半導体)にかかる温度差が小さくなるためであると考えられる。
熱抵抗を減じ、良好な熱伝導と電気伝導を両立する手段として、液体金属の利用が知られている。特許文献1及び2に示されているように、電極と熱電半導体の間に液体金属を挟むことで、接触状態を改良され熱抵抗が低減するとともに、熱膨張、収縮に伴う応力により接合部の破壊が起き難い事が利点とされている。この手段は優れた考え方であるが、液体金属は、いわゆる内部電池といわれる酸化還元反応や、アマルガムといわれる合金化により、経時劣化の進み易い金属・半導体などと接触させることには問題がある。特に高温下での使用が前提になる熱電変換材料においては上記反応に伴う金属部の脆化が進行しやすく、長期使用時には素子の信頼性を損なう結果となっていた。
特許第3062754号明細書 特許第3629533号明細書
本発明は、上記問題・状況に鑑みなされたものであり、その解決課題は、液体金属の悪影響を防止しつつ、優れた密着性、熱伝導性向上効果を生かし、高変換効率で高信頼性の熱電変換素子を提供することである。
本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.基板上に、一対の電極、それらに挟持された熱電半導体、及び接合部を備え、前記一対の電極のうちの一方の電極の設置側を高温状態とし、かつ、他方の電極の設置側を低温状態とすることによって、前記一対の電極間に起電力を生じる熱電変換素子であって、基板と、当該基板と接触する側の電極の少なくとも一方が、電気的な絶縁性を有し、当該基板と当該電極が液体金属により接合する構造を有することを特徴とする熱電変換素子。
2.前記基板が、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有することを特徴とする前記1に記載の熱電変換素子。
3.前記電極と前記熱電半導体の接合部が、金属繊維を含有することを特徴とする前記1又は2に記載の熱電変換素子。
本発明の上記手段により、液体金属の悪影響を防止しつつ、優れた密着性、熱伝導性向上効果を生かし、高変換効率で高信頼性の熱電変換素子を提供することができる。
本発明の熱電変換素子は、基板上に、一対の電極、それらに挟持された熱電半導体、及び接合部を備え、前記一対の電極のうちの一方の電極の設置側を高温状態とし、かつ、他方の電極の設置側を低温状態とすることによって、前記一対の電極間に起電力を生じる熱電変換素子であって、基板と、当該基板と接触する側の電極の少なくとも一方が、電気的な絶縁性を有し、当該基板と当該電極が液体金属により接合する構造を有することを特徴とする。この特徴は請求項1〜3に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記基板が、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する態様であることが好ましい。また、前記電極と前記熱電半導体の接合部が、金属繊維を含有する態様も好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態態様について詳細な説明をする。
〔熱電変換素子の構成〕
本発明の熱電変化素子の構成について図を参照して説明する。なお、図に示す熱電変換素子は、本発明の熱電変化素子の一例を示すものであり、本発明は、ここで例示する構成にのみ限定されるものではない。
図1は、本発明の熱電変換素子の構成の一例を示す概略断面図である。図1において、熱電変換素子10には、説明の便宜上、全体を保護膜する部材、配線等を省略している。
図1に示す熱電変換素子10では、p型及びn型の熱電半導体(13A、13B)を挟んで接合部12と電極11、14が設置されている。液体金属15と接触する、電極14ないし金属性基板16の少なくとも一方の部材の液体金属との接触面に絶縁膜が設けられている。なお、16が樹脂基板等、絶縁性基板の場合は絶縁膜は不要である。
図2は、両面に基板を有し、素子が直接接合されているモジュール構成の一例を示す概略断面図である。図2において、熱電変換素子モジュール20には、説明の便宜上、全体を保護する部材、配線等を省略している。
図2に示す熱電変換素子20では、p型及びn型の熱電半導体(23A、23B)を挟んで接合部22と電極21が設置されている。さらに、高熱伝導率の金属性基板25で挟まれる構造となっている。液体金属24と接触する、電極21ないし基板25の少なくとも一方の部材の液体金属との接触面に絶縁膜が設けられている。
〔熱電半導体〕
本発明において、熱電変換素子は、熱電半導体と呼ばれる両端の温度差を電位差に変換できる半導体を有する。例として、ビスマス−テルル系の半導体のほか、Si−Ge系の半導体、Pb−Te系の半導体などが適用可能である。その他、充填スクッテルダイト化合物、ホウ素化合物、亜鉛アンチモン、クラスレート、擬ギャップ系ホイスラー花化合物などがある。これらに、p型及びn型半導体としての性質を付与するためのドーパントを添加しいわゆるπ型の素子として熱電変換素子を構成する。詳細は、例えば、「熱電変換システムの高効率化・高信頼化技術」(2006年、技術情報協会)等の記載を参考にできる。
〔電極材料〕
電極材料としては、一般的な金属を電極として用いることができる。銅、アルミ、金、銀のほか、各種金属を電極とすることが可能である。電極は、電気伝導率が高いこと、熱伝導率が高いことが好ましく、特に熱伝導率は10W/(m・K)以上の値を有することが好ましく、さらには100W/(m・K)以上が好ましい。例えば、2007理科年表に記載のデータから下記の金属を選択することができる。亜鉛、アルミニウム、イリジウム、カリウム、金、銀、タングステン、銅、ベリリウム、マグネシウム、モリブデン等およびこれらを含有する合金が好ましい。更には、200W/(m・K)と更に高い熱伝導率を有する、アルミニウム、金、銀、銅、ベリリウム等およびこれらを含有する合金が好ましい。
〔液体金属〕
本発明に係る「液体金属」とは、熱電変換材料の使用環境下で液体である金属ないし合金をいう。0度以上の温度で使用される前提で、0度以上で液体である液体金属としては、水銀およびその合金、ガリウム合金、カリウムナトリウム合金等が上げられる。特にガリウム合金は毒性が低いことから好ましい。その他、ガリウム金属単体(融点約30℃)、ウッド合金といわれるビスマス系の合金(融点70℃)も使用環境によっては、液体金属として使用することが可能である。
本発明における液体金属は単体で使用することも可能であるが、固体のフィラーと併用することも好ましい。フィラーとしては、樹脂、セラミック、金属等が使用でき液体金属と反応しない素材を用いることができる。特に熱伝導率の高いフィラーが好ましく、AlN、カーボン、銅、金などが好ましい。
液体金属は、各種接着剤と併用することも可能である。アクリル、エポキシ系の接着剤の他、シリコーン系樹脂、無機系の接着剤も併用可能である。
〔基板〕
本発明における基板材料としては、一般的な基板であればすべて使用可能である。樹脂や、金属、セラミック、ガラスなど、用途に応じて選択することができる。本発明では、熱電素子から外部への熱伝達が良好であることが好ましいので、熱伝導率が高い材料を用いることが好ましい。特に熱伝導率が10W/(m・K)以上であることが好ましい。熱伝導率が高い材料として、上記電極で好ましく用いられるような100W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料は好ましいが、それ以下の熱伝導率であっても、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有する材料であれば十分な性能を得ることができる。電極を介して基板に平行な方向に熱の拡散が起こり、電極に比較してより大きな面積で熱を伝達させることができるためである。
基板には実用上強度、耐久性、柔軟性、加工性等が重要なため、熱伝導率以外の物性も加味して選択することが必要である。例えばステンレス鋼、ニッケル合金およびレアメタル、銅・各種銅合金、カーボンシートなどを基板とすることが可能である。使用環境で腐食性の気体が存在する条件下で金属材料が不適な環境下であれば、AlNや炭化ケイ素、カーボンシートといったセラミックや炭素材料が使用可能である。また、ダイヤモンド、シリコンなども基板として使用可能である。
〔絶縁性〕
本発明においては、樹脂等の絶縁体基板を用いることが可能であるが、柔軟で高熱伝導率を有する金属等の導電性を有する基板を用いる場合は、基板と接触する側の電極の少なくとも一方の表面に電気的な絶縁膜を設けることで絶縁性基板として用いることが可能になる。電気的な絶縁膜としては、有機系、シリコン系などの各種高分子、低分子皮膜、各種金属酸化物皮膜、その他のセラミック皮膜等が好ましい。抵抗値としては1.0E+08Ωcm以上が好ましく、更に好ましくは1.0E+09Ωcm以上である。好ましい厚みは基板の凹凸によって変化するが、厚すぎると熱伝導率が十分に得られなかったり、絶縁膜にクラックが入り易いなどの問題がおき易くなる。薄すぎると基板の凹凸等により、十分な絶縁性が得られないため、その厚さには適点がある。2nm以上、50μm以下が好ましく、更に好ましくは5nm以上、10μm以下である。
基板と電極の両方が絶縁膜を有していてもよいし、絶縁膜の組成が同じであっても異なっていてもよい。
また、少なくとも一方が絶縁膜を有していれば、他方は液体金属により劣化しない材料を用いて基材ないし電極を保護してもよい。少なくとも片方が絶縁膜であれば、電気化学的な腐食反応は抑制できるからである。例えば、クロム、タンタル、チタン、タングステン、ニッケルなどが使用可能である。
〔接合部に関する実施態様〕
電極と熱電半導体の接合は、ハンダによる接合の他、金属粒子、ないしそれを含有するペースト、金属繊維、カーボンナノチューブ等を用いて行うことも好ましい。電極と熱電半導体の接合面は、直接接触させるだけでは、密着性が不足し、電気的にはコンタクト抵抗、熱的には熱抵抗が生じることから十分な性能が得られない。一方、ハンダによる接合では、加熱⇔冷却のサイクルで接合部に繰り返し応力がかかり剥離が生じ易いため、応力を吸収、緩和できる部材が用いられることが好ましい。具体的には、接合部に導電性ペーストや金属繊維、導電性のカーボン素材などを含有する素材が使用されることが好ましい。特に金属繊維(金属性カーボンナノチューブ含む。)を含有していることが好ましい。
金属繊維を用いる場合は、アスペクト比(個々の粒子の長軸Aと短軸Bの長さ比(A/B)の平均値と定義する)の大きな金属粒子であることが好ましい。特に、アスペクト比が10以上の金属繊維であることが好ましい。金属繊維の形状としては、直線的な結晶であるウィスカー状、更に曲線的なワイヤー状など、いかなる形状でもよい。このような金属繊維を用いることで、通電部を構成する金属繊維同士の接点の数が少なくなり、可撓性を保ちつつ、高い電気、熱伝導性を維持し易いためである。特に金属ナノワイヤと呼ばれる金属繊維材料を用いることが好ましい。
金属ナノワイヤとは、金属元素を主要な構成要素とする線状構造体で、金属繊維の中でも特に細線構造を有するものを指す。通常、金属繊維は溶融した金属を延伸することで形成されるが、金属ナノワイヤとは、原子スケールから1μ以下の直径を有する線状構造体で、金属塩等の還元反応と同時に、その太さのままで金属を成長、繊維化させるのが一般的である。
それらの金属繊維はランダムな配向を有するスチールウール状、ないし接合面に垂直に配向したで接合部に設置されることで、応力の吸収、緩和機能を発現させ、接合部の信頼性を向上させることができる。
金属繊維を構成する金属組成としては、特に制限はなく、貴金属元素や卑金属元素の1種または複数の金属から構成することができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)及び鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から少なくとも銀を含むことがより好ましい。また、導電性と安定性(例えば、金属ナノワイヤの硫化や酸化耐性、及びマグレーション耐性)を両立するために、銀と銀を除く貴金属に属する少なくとも1種の金属を含むことも好ましい。
これらの素材だけでなく、接合部には若干量のNiやCr、Moなど、接着性を向上するような金属が存在することが好ましい。
〔熱電変換素子、モジュールの作製方法〕
本発明の熱電変換素子における熱電半導体の作製方法としては、従来公知の手法であるバルク材の切り出しによるほか、薄膜状の半導体を用いることも可能である。薄膜状半導体の製造方法として、下記に示す方法を例として挙げられる。
1)グリーンシートを用いた半導体前駆体の製膜、焼成(有機物の除去、半導体の緻密化、結晶化)
2)蒸着、スパッタ(マスクパターニング、半導体の蒸着膜の作製と金属層設置の複層化)
3)Bi−Te系材料では、急冷薄片の焼結結晶化、ないし結晶成長により作製した結晶からの切出し
更に、遠心焼成、擬HIP等の焼成方法を組合せて用いることもでき、これらにより、半導体結晶の緻密化し、配向性を向上させることで高性能化することができる。
このようにして得られる熱電半導体と電極を、ハンダや応力吸収、緩和能力を有する材を含有した接合材料で接合し、さらに少なくとも一方の電極を、液体金属を介して基板と張り合わせることで好ましい性能を有する熱電変換素子を得ることができる。液体金属と接触する電極か基板の少なくとも一方は絶縁膜が設けられている。
発電用のモジュール化には、p型とn型の半導体を含んだ素子を直列に接続した、いわゆる「π型素子」を直列に接続することが望ましい。π型素子では、吸熱側と放熱側をそれぞれ熱源、冷却源に対して効率的に配置でき、発電効率を高め易いためである。
〔本発明で得られる熱電変換素子、モジュールの使用方法〕
本発明では、π型素子と基板の間に液体金属層を有するため、衝撃や応力への耐性が増す。また可撓性が向上するため、曲面上の発熱体に貼り付けるといった、これまでに無い使用法も可能になる。例えば、蒸気配管、焼却炉、衣類といったこれまで単に廃熱として捨てられていた熱エネルギーを電力として利用する、いわゆるユビキタス発電を実現できると考えられる。言い換えると、周囲の環境に対して高温状態の熱源はあらゆるところに存在するが、有効な利用方法があまり無いのが現状である。可撓性の高い本発明の変換素子は、数度から数100度までの温度差が存在すれば、熱電半導体の適切な選択により、多くの場所で使用可能であるから、可撓性の向上は大きなメリットである。
また、本発明で得られる熱電変換素子は、塗布、印刷による製造法にも対応可能であり、大面積の素子が安価に製造できる。各種のデバイスと同時の製造も可能になるため、太陽電池のように光電変換された残りのエネルギーが熱に変換されるような装置と組み合わせて製造、使用することも好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
〈熱電変換素子1の作製〉
〔絶縁性基板の作製〕
フェライト系ステンレス箔(YUS 190、新日鐵住金製 表面仕上げはスーパーブライト(SB)で,表面粗さRa<0.03μm、板厚80μm)に、絶縁膜前駆体材料(テトラメトキシシランとメチルトリエトキシシランを1:1で混合し、酢酸をSiに対しモル比で0.2加えたもの)をワイヤーバーで塗布後、160℃で1分間乾燥して有機溶媒などを揮発させた。その後、窒素中400℃30分の熱処理により膜硬化を行った。希釈用の水の量とワイヤーバーの塗布厚で仕上がりの膜厚を約1μmとなるように調整した。
得られた基板の絶縁抵抗は、1.0E+09Ωcm以上と高い値を示した。
〔熱電半導体の加工〕
10mm角、100μ厚の高純度銅箔に、少量のハンダを敷設した後、別途単ロール急冷法で作製した急冷薄片状のp型のBi−Te半導体をはさみ、真空下でプレス(300℃、10MPa)した。銅箔と半導体が少量のハンダで密着するようにした。プレス物中の半導体膜厚は200μmとなるようにした。別途n型のBi−Te半導体も用意し、同様にプレスし、それぞれ電極つきの半導体とした。素子間の間隙は1mmとした。実際の構造は図1と略同一である。
〔熱電変換素子1の作製〕
上記で得た電極つきの半導体を、液体金属(ガリンスタン Geratherm Medical 社製 熱伝導率16W/(m・K))をスプレー塗布した絶縁性基板上にのせ、窒素下でプレスした(50℃、1MPa)。得られた素子を、熱電変換素子1とした。
〈熱電変換素子2の作製〉
熱電変換素子1の作製において、YUS 190の代わりに、SUS309を同等の表面処理を施し、絶縁膜つきステンレス箔に加工して得られたフィルムを用いた以外は同様にして、熱電変換素子2を作製した。
〈熱電変換素子3の作製〉
熱電変換素子1の作製において、絶縁膜つきステンレス箔の代わりに、PPSコンポジット(TK210、住友ベークライト製)を280度で、80μになるようプレスして得られたフィルムを用いた以外は同様にして、熱電変換素子3を作製した。
〈熱電変換素子4の作製〉
熱電変換素子1の作製において、絶縁膜つきステンレス箔を、絶縁膜を設けずに用いた以外は同様にして、熱電変換素子4を作製した。
〈熱電変換素子5の作製〉
熱電変換素子1の作製において、絶縁膜つきステンレスに、液体金属の代わりに微量のハンダを塗設し、窒素下でのプレス温度を270度に変更した以外は同様にして、熱電変換素子5を作製した。
〈熱電変換素子6の作製〉
熱電変換素子1の作製において、絶縁膜つきステンレスに、液体金属の代わりに高伝熱性接着剤 EW2070(エポキシ系接着剤 1.6W/(m・K) 住友3M製)を乗せ、窒素下でプレスした(50℃、1MPa、3分⇒80℃に昇温し60分)。それ以外は同様にして、熱電変換素子6を作製した。
〈熱電変換素子7の作製〉
熱電変換素子1の作製において、絶縁膜つきステンレス箔に液体金属を塗布しなかった以外は同様にして、熱電変換素子7を作製した。
《熱電変換素子の評価》
〔熱電変換効率の評価〕
上記作製した平膜状の各熱電変換素子を、200度の平板ホットプレート上に設置し、他面を20度の水を通した金属ブロックで冷却した。その状態で、低温側電極から得られた起電力値Aを測定し、熱電変換素子6の起電力値Aを100とした相対値を求めた。得られる相対電力値が大きいほど、熱電変換能の高い素子と考えられる。
〔素子信頼性の評価〕
上記で作製した素子の変換効率の評価において、ホットプレート加熱したままで、20度の水を通した金属ブロックの密着と3mm持ち上げによる冷却中断の操作を1000回繰り返した。その後の起電力低下率を当初の起電力に対する%で表した。
Figure 2010098035
(実施例2)
実施例1において、熱電半導体の加工等を下記のように変更した。
《金属繊維の作製》
〔銀ナノワイヤの作製〕
(銀ナノワイヤ1(Ag−1)の作製)
Adv.Mater.2002,14,833〜837に記載の方法を参考に、還元剤としてエチレングリコール(EG)を、保護コロイド剤兼形態制御剤としてポリビニルピロリドン(PVP)を使用し、かつ核形成工程と粒子成長工程を分離して、以下のような方法でワイヤー状銀粒子1を作製した。
(核形成工程)
反応容器内で170℃に保持したEG液100mlを攪拌しながら、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.5×10−4モル/L)10mlを、一定の流量で0.1秒間で添加した。その後、140℃で10分間熟成を施し、銀の核粒子を形成した。熟成終了後の反応液は、銀ナノ粒子の表面プラズモン吸収に由来した黄色を呈しており、銀イオンが還元されて、銀ナノ粒子が形成されたことが確認された。
(粒子成長工程)
上記の熟成を終了した核粒子を含む反応液を攪拌しながら170℃に保持し、硝酸銀のEG溶液(硝酸銀濃度:1.0×10−1モル/L)100mlと、PVPのEG溶液(PVP濃度:5.0×10−1モル/L)100mlを、ダブルジェット法を用いて一定の流量で200分間添加した。粒子成長工程において20分毎に反応液を採取して電子顕微鏡で確認したところ、核形成工程で形成された銀ナノ粒子が時間経過に伴って、主にナノワイヤの長軸方向に成長しており、粒子成長工程における新たな核粒子の生成は認められなかった。
(水洗工程)
粒子成長工程終了後、反応液を室温まで冷却した後、フィルターを用いて濾過し、濾別された銀ナノワイヤをエタノール中に再分散した。フィルターによる銀ナノワイヤの濾過とエタノール中への再分散を5回繰り返し、最終的に銀ナノワイヤのエタノール分散液を調製して、ワイヤー状銀粒子1を作製した。
得られた分散液を微量採取し電子顕微鏡で確認したところ、平均直径が1nm、平均長さ200nm、アスペクト比が200、熱伝導率が420W/(m・K)の銀ナノワイヤ粒子が形成されたことが確認できた。
〔熱電変換素子8、9の作製〕
上記作製した銀ナノワイヤ1(Ag−1)を用いて、下記の方法に従って熱電変換素子1を作製した。
〈通電部の形成〉
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、上記作製した銀ナノワイヤ1(Ag−1)を、適当な割合でポリビニルブチラール樹脂(結着材)、フタル酸ジブチル(可塑剤)、エーテル型非イオン界面活性剤(フォスフォノール 東邦化学社製)、溶剤としてエタノール及びトルエンを加えてスラリー化し、ドクターブレードで塗布、製膜してシート状にした。この時、塗布膜の厚さ、金属繊維の割合を適宜調整することで、焼成後に各種割合の空隙を有する金属繊維シート(10mm角)を得た。焼成は、金属繊維シートをPETフィルムごとアルミナボートに載せ、400℃で脱脂後、500℃で1時間焼成処理を行い、アルミナボート上に空隙率が約60体積%を有する通電部を得た。なお、電極間の総膜厚(図3に示す「A」)を500μとし、そこに占める通電部の膜厚は約400μとした。なお、空隙率は、電子顕微鏡を用いて、その断面を観察して求めた。
〈熱電半導体層の作製〉
図4に示すように、15μmの高純度アルミ箔11上に、通電部13を敷設した後、別途単ロール急冷法で作製した急冷薄片状のp型のBi−Te半導体、n型のBi−Te半導体を熱電半導体14として仮プレス(200℃、10MPa)した。仮プレス物は、それぞれ10mm角で、膜厚は100μmとなるようにした。素子間の間隙は1mmとした。
〈積層型熱電変換素子の形成〉
15μmの高純度アルミ箔12上に、通電部13を敷設した後、上記仮プレス物を熱電半導体14、通電部、アルミ箔を順となるように重ね、3層構成とした。黒鉛中で36MPaの加圧下、270℃まで真空中で加熱、本プレスし、積層型の熱電変換素子8を得た。
得られた電極つきの熱電半導体を、熱電変換素子1と同様にして素子化して、熱電変換素子8を得た。また、熱電変換素子5の作製で同様に置き換えたものを熱電変換素子9とした。表1同様に、熱電変換素子7の起電力を測定し、その値を100とした時に対する相対値でその起電力を示した。
Figure 2010098035
表1、表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成で、優れた熱電変換効率を有すると共に、高い信頼性を備えていることが分かる。
熱電変換素子の構成の一例を示す概略断面図 熱電変換素子の構成の他の一例を示す概略断面図 金属繊維を含有する接合部を有する熱電変換素子の構成の一例 金属繊維を含有する接合部を有する熱電変換素子の構成の他の一例
符号の説明
10 熱電変換素子
11 電極
12 接合部
13A、13B p型、n型の熱電半導体
14 電極
15 液体金属
16 金属性基板
20 熱電変換素子モジュール
21 電極
22 接合部
23A、23B p型、n型の熱電半導体
24 液体金属
25 基板
30 熱電変換素子
31、32 電極基板
33 通電部
34 熱電半導体
35 熱電半導体層
36 金属繊維
A 電極間の総膜厚
40 熱電変換素子
41、42 電極基板
43 通電部
44 熱電半導体
45 熱電半導体層
46 金属繊維

Claims (3)

  1. 基板上に、一対の電極、それらに挟持された熱電半導体、及び接合部を備え、前記一対の電極のうちの一方の電極の設置側を高温状態とし、かつ、他方の電極の設置側を低温状態とすることによって、前記一対の電極間に起電力を生じる熱電変換素子であって、基板と、当該基板と接触する側の電極の少なくとも一方が、電気的な絶縁性を有し、当該基板と当該電極が液体金属により接合する構造を有することを特徴とする熱電変換素子。
  2. 前記基板が、10W/(m・K)以上の熱伝導率を有することを特徴とする請求項1に記載の熱電変換素子。
  3. 前記電極と前記熱電半導体の接合部が、金属繊維を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電変換素子。
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