JP2010093266A - モータ装置、ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】効率的に温度調整が可能なモータ装置、ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】固定子74Aの冷却装置82は、カバー部材83と、第1材料層84と、供給装置と、回収装置と、分離装置とを有している。冷却装置82は、吸熱化学反応を起こす第1材料及び第2材料を用いてコイルジャケット81を冷却するものである。具体的には、第1材料と第2材料とをコイルジャケット81の周囲で反応させ、反応によって生じる吸熱作用によってコイルジャケット81を冷却する。
【選択図】図4
【解決手段】固定子74Aの冷却装置82は、カバー部材83と、第1材料層84と、供給装置と、回収装置と、分離装置とを有している。冷却装置82は、吸熱化学反応を起こす第1材料及び第2材料を用いてコイルジャケット81を冷却するものである。具体的には、第1材料と第2材料とをコイルジャケット81の周囲で反応させ、反応によって生じる吸熱作用によってコイルジャケット81を冷却する。
【選択図】図4
Description
本発明は、モータ装置、ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法に関する。
半導体素子や液晶表示素子等の電子デバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際に、パターンが形成されたマスクあるいはレチクル(以下、レチクルと称する)のパターン像を投影光学系を介して感光材(レジスト)が塗布された基板上の各投影(ショット)領域に投影する露光装置が使用されている。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置は、マスクを保持するステージ装置及び基板を保持するステージ装置を備えている。これらのステージ装置は、コイルなどを有するモータ装置の作動によって移動する。モータ装置の作動時にはコイルが発熱し、コイルの発熱により、モータ装置自身の性能が低下したり、モータ装置の周辺に影響(例えば、周辺の部材が熱変形する等)を与えたりする場合がある。そうなると、露光不良が発生し、不良デバイスの発生を引き起こす可能性がある。
これに対して、コイルの発熱を抑えるため、例えば冷却装置を搭載してコイルを冷却する構成が知られている。冷却装置として、例えば配管に液状の冷媒を流通させる構成が知られている。
このようなモータ装置においては、冷媒を流通させる冷却装置に限らず、効率的に温度調整を行うための構成が求められている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、効率的に温度調整が可能なモータ装置、ステージ装置、露光装置及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るモータ装置(73A、73B)は、モータ(81)と、前記モータが発する熱量の少なくとも一部によって該モータの近傍で化学反応を起こし、該化学反応に伴う熱作用を利用して前記モータの温度を調整する温度調整装置(82)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、温度調整装置が、モータが発する熱量の少なくとも一部によって化学反応を起こし、該化学反応に伴う熱作用を利用してモータの温度を調整する構成になっているので、例えば冷媒を用いる場合における冷媒の温度調整などを行わずに済むこととなる。これにより、より効率的に温度調整を行うことが可能となる。
本発明に係るステージ装置(ST、1、2)は、上記のモータ装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、より効率的に温度調整を行うことが可能なモータ装置を備えているので、安定した移動を行うことが可能なステージ装置を得ることができる。
本発明によれば、より効率的に温度調整を行うことが可能なモータ装置を備えているので、安定した移動を行うことが可能なステージ装置を得ることができる。
本発明に係る露光装置(EX)は、上記のステージ装置(ST、1、2)を備えることを特徴とする。
本発明によれば、安定した移動を行うことが可能なステージ装置を備えているので、露光不良や不良デバイスの発生を抑制することができる。
本発明によれば、安定した移動を行うことが可能なステージ装置を備えているので、露光不良や不良デバイスの発生を抑制することができる。
本発明に係るデバイスの製造方法は、リソグラフィ工程を有するデバイスの製造方法であって、前記リソグラフィ工程は上記の露光装置を用いることを特徴とする。
本発明によれば、露光不良の発生を抑制することができるため、高品質のデバイスを製造することができる。
本発明によれば、露光不良の発生を抑制することができるため、高品質のデバイスを製造することができる。
本発明によれば、効率的に温度調整を行うことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。以下の各図においては、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向については、それぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
図1は、露光装置EXを示す概略構成図である。
本実施形態では、露光装置EXとして、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光で基板Pを露光するEUV露光装置である場合を例に挙げて説明する。極端紫外光は、例えば波長5〜50nm程度の軟X線領域の電磁波である。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と表記する。一例として、本実施形態では、波長13.5nmのEUV光を露光光ELとして用いる。
本実施形態では、露光装置EXとして、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光で基板Pを露光するEUV露光装置である場合を例に挙げて説明する。極端紫外光は、例えば波長5〜50nm程度の軟X線領域の電磁波である。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と表記する。一例として、本実施形態では、波長13.5nmのEUV光を露光光ELとして用いる。
図1に示すように、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2を含むステージ装置STと、露光光ELを発生する光源装置3と、光源装置3からの露光光ELでマスクMを照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。基板Pは、半導体ウエハ等の基材の表面に感光材(レジスト)等の膜が形成されたものを含む。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
本実施形態において、マスクMは、EUV光を反射可能な多層膜を有する反射型マスクである。露光装置EXは、多層膜でパターンが形成されたマスクMの表面(反射面)を照明光EL(EUV光)で照明し、そのマスクMで反射した露光光ELで感光性を有する基板Pを露光する。
本実施形態の露光装置EXは、チャンバ装置6を有している。チャンバ装置6は、露光光ELが進行する第1空間5を覆うと共に、第1空間5を所定状態の環境に設定可能になっている。チャンバ装置6は、第1空間5を形成する第1空間形成部材7と、第1空間5の環境を調整する第1調整装置8とを備える。
第1調整装置8は、真空システムを含み、第1空間5を真空状態に調整する。制御装置4は、第1調整装置8を用いて、露光光ELが進行する第1空間5をほぼ真空状態に調整する。一例として、本実施形態においては、第1空間5の圧力は、1×10−7〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。
光源装置3から射出された照明光は、第1空間5を進行する。第1空間5には、照明光学系ILの少なくとも一部、及び投影光学系PLが配置される。光源装置3から射出された照明光は、第1空間5に配置されている照明光学系ILを通ってマスクMを照明する。マスクMに照明された照明光は、マスクMのパターンの像の情報を含む露光光ELとなって投影光学系PLを通過する。本実施形態においては、第1空間5に基板ステージ2が配置される。
なお、本実施の形態での説明では、光源装置3からマスクMを照明するまでのEUV光を照明光、マスクMで反射して基板Pに投影されるまでのEUV光を露光光ELとして説明するが、説明の都合上名称を使い分けたものであり、両者を露光光ELとして扱ってもよい。
第1空間形成部材7は、第1開口9と、第1開口9の周囲に設けられた第1面11とを有する。第1開口9は、第1空間5を進行した照明光が入射可能な位置に形成されている。また、本実施形態においては、第1開口9は、照明光学系ILから射出された照明光が入射可能な位置に形成されている。
マスクステージ1は、マスクMを保持しつつ、このマスク1を移動させるように構成されており、第1開口9を覆うように配置される。マスクステージ1は、第1空間形成部材7(ガイド部材18)に設けられた第1面11と対向する第2面12を有し、この第2面12は第1面11にガイドされつつ第1開口9との間で相対運動が可能である。本実施形態において、第1空間形成部材7の第1面11とマスクステージ1の第2面12との間にガスシール機構10が形成される。このとき、第1面11と第2面12との間に所定のギャップG1が形成される。ギャップG1は、所定量(例えば0.1〜1μm程度)に調整されており、ギャップG1を介して第1空間5の内側にガスが流入することが抑制されている。本実施形態においては、第1開口9がマスクステージ1によって覆われ、前述のように、第1面11と第2面12との間にガスシール機構10が形成されることによって、第1空間5は、ほぼ密閉された状態となる。これにより、チャンバ装置6は、第1空間5を所定状態(真空状態)に制御することができる。
マスクステージ1は、第1開口9を介して、マスクMが第1空間5に配置されるように、そのマスクMを保持する。本実施形態においては、マスクステージ1は、第1空間5の+Z側に配置され、マスクMの反射面が−Z側(第1空間5側)を向くように、マスクMを保持する。また、本実施形態においては、マスクステージ1は、マスクMの反射面とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。照明光学系ILから射出された照明光は、マスクステージ1に保持されているマスクMの反射面に照射される。
マスクステージ1についてさらに詳述すると、マスクステージ1は、第1開口9より大きく、第2面12が形成されて、第1面11および第1開口に対して移動可能に構成された第1ステージ13と、第1開口9より小さく、マスクMを保持しながら第1ステージ13に対して移動可能に構成された第2ステージ14とを含む。第1ステージ13は、第1開口9を覆うように配置され、その第1ステージ13の第2面12と第1空間形成部材7の第1面11との間にガスシール機構10が形成される。第1ステージ13は、第1面11にガイドされつつ、第1面11および第1開口9に対して移動可能である。第2ステージ14は、第1ステージ13の−Z側(第1空間5側)に配置されている。第2ステージ14に保持されたマスクMは、第1開口9を介して第1空間5に配置される。第2ステージ14は、マスクMを保持した状態で、第1ステージ13に対して移動可能である。このような構成により、マスクMを移動させるための粗動ステージとして第1ステージ13を機能させ、マスクMを移動させるための微動ステージとして第2ステージを機能させることができる。なお、第1ステージ13、第2ステージ14は、図示されていないが、各ステージをそれぞれ移動させる駆動装置を有している。
また、チャンバ装置6は、第1空間形成部材7の外面との間で、第2空間15を形成する第2部材16と、第2空間15の環境を調整する第2調整装置17とを備えている。第2空間15は、マスクステージ1の少なくとも一部(例えば、第1ステージ13等)を収容する。本実施形態において、第1空間5及び第2空間15の外側は、大気空間であり、その圧力は、大気圧である。第2調整装置17は、第2空間15を、第1空間5の圧力よりも高く、大気圧よりも低い圧力に調整する。一例として、本実施形態においては、第2空間15の圧力は、1×10−1〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。
以上のような構成により、マスクステージ1の少なくとも一部は第2空間15に配置され、マスクステージ1に保持されたマスクMは、第1空間5に配置される。
露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。
本実施形態においては、マスクMの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、基板Pの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pのショット領域を投影光学系PLの投影領域に対してY軸方向に移動するとともに、その基板Pのショット領域のY軸方向への移動と同期して、照明光学系ILの照明領域に対してマスクMのパターン形成領域をY軸方向に移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明し、そのマスクMからの露光光ELを基板Pに照射して、その基板Pを露光する。
本実施形態においては、マスクMの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、基板Pの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pのショット領域を投影光学系PLの投影領域に対してY軸方向に移動するとともに、その基板Pのショット領域のY軸方向への移動と同期して、照明光学系ILの照明領域に対してマスクMのパターン形成領域をY軸方向に移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明し、そのマスクMからの露光光ELを基板Pに照射して、その基板Pを露光する。
マスクステージ1の第1ステージ13は、基板P上の1つのショット領域の走査露光中に、マスクMのパターン形成領域全体が照明光学系ILの照明領域を通過するように、Y軸方向(走査方向)に、比較的大きなストロークを有している。第1ステージ13がY軸方向に移動することによって、第1ステージ13に支持されている第2ステージ14も、第1ステージ13とともにY軸方向に移動する。したがって、第1ステージ13がY軸方向に移動することによって、第2ステージ14に保持されているマスクMも、第1ステージ13とともにY軸方向に移動する。第2ステージ14は、第1ステージ13に対して、微かに移動可能であり、第1ステージ13のストロークよりも小さなストロークで移動するようになっている。また、第2ステージ14が第1ステージ13に対してX方向にも小さなストロークで移動できるようにしてもよい。
また、第1空間形成部材7の第1面11と第1ステージ13の第2面12との間にガスシール機構10が形成されており、第1空間形成部材7に対して第1ステージ13を移動した場合においても、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制される。また、本実施形態においては、第1面11と第2面12とのギャップG1を調整するギャップ調整機構が設けられており、第1空間形成部材7に対して第1ステージ13を移動している状態においても、第1面11と第2面12とのギャップG1は所定量に維持される。これにより、第1空間形成部材7に対して第1ステージ13を移動した場合においても、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制される。
第1空間形成部材7は、第1面11が形成されたガイド部材18と、ガイド部材18の少なくとも一部と対向するチャンバ部材19とを含む。ガイド部材18は、マスクステージ1の移動をガイドする。マスクステージ1(第1ステージ13)は、前述のように、ガイド部材18の第1面11にガイドされつつ、第1開口9に対して移動する。
チャンバ装置6は、第1空間形成部材7と第1調整装置8の他に、ガイド部材18とチャンバ部材19とを接続するベローズ部材20を有する。ベローズ部材20は、可撓性を有し、弾性変形可能である。本実施形態において、ベローズ部材20はステンレス製である。ステンレスは、脱ガス(アウトガス)が少ない。そのため、ベローズ部材20が第1空間5に与える影響を抑制することができる。なお、ベローズ部材20を用いたのは一例であり、脱ガス等の影響が少なければ、ステンレス以外の材料を用いることも可能である。
第1空間形成部材7は、第1の開口9、第1面11を有する共に、ガイド部材18、チャンバ部材19を含むように構成される。そして、ガイド部材18、チャンバ部材19、ベローズ部材20、マスクステージ1(主に第1ステージ13)、及びステージ装置STに設けられたチャンバ部材SC(収容体の一部、詳細は後述)によって、ほぼ密閉された第1空間5が形成される。チャンバ部材19は、ガイド部材18の下面18Bと対向する上面19Aを有し、ベローズ部材20は、ガイド部材18の下面18Bとチャンバ部材19の上面19Aとを接続するように配置されている。
本実施形態において、露光装置EXは、ベース部材21と、ベース部材21上に第1防振システム22を介して支持された第1支持部材23とを備えている。チャンバ部材19は、第1支持部材23に支持されている。また、ベース部材21上には、第1フレーム部材24が配置されている。第1フレーム部材24は、支柱部25と、支柱部25の上端に接続された支持部26とを含む。支持部26上には、ガイド部材18の下面を支持する第2支持部材27が接続されている。チャンバ部材19と第2支持部材27とは離れている。また、チャンバ部材19と第1フレーム部材24とは離れており、チャンバ部材19と第1フレーム部材24との間に、ベローズ部材等の可撓性(弾性)を有するシール機構が配置される。チャンバ部材19は、第2支持部材27に支持されたガイド部材18の下面18Bと対向する上面19Aを有する。ベローズ部材20は、ガイド部材18の下面18Bとチャンバ部材19の上面19Aとを接続するように配置されている。
光源装置3は、例えばキセノン(Xe)等のターゲット材料にレーザー光を照射して、そのターゲット材料をプラズマ化し、EUV光を発生させるレーザ生成プラズマ光源装置、所謂LPP(Laser Produced Plasma)方式の光源装置である。なお、光源装置3としては、所定ガス中で放電を発生させて、その所定ガスをプラズマ化し、EUV光を発生させる放電生成プラズマ光源装置、所謂DPP(Discharge Produced Plasma)方式の光源装置であってもよい。光源装置3で発生したEUV光(照明光)は、波長選択フィルタ(不図示)を介して、照明光学系ILに入射する。ここで、波長選択フィルタは、光源装置3が供給する光から、所定波長(たとえば13.4nm)のEUV光だけを選択的に透過させ、他の波長の光の透過を遮る特性を有する。波長選択フィルタを透過したEUV光は、照明光学系ILを介して、転写すべきパターンが形成された反射型のマスク(レチクル)Mを照明する。
照明光学系ILは、光源装置3からの露光光ELでマスクMを照明する。照明光学系ILは、複数の光学素子を含み、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明光学系ILの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
マスクステージ1の第1ステージ13は、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。マスクステージ1の第2ステージ14は、マスクM保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。本実施形態においては、マスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測可能なレーザ干渉計(不図示)、及びマスクMの反射面の面位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が設けられており、制御装置4は、レーザ干渉計の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置を制御する。
マスクステージ1の第1ステージ13及び第2ステージ14は、金属製である。一例として、本実施形態の第1ステージ13及び第2ステージ14は、脱ガス(アウトガス)が少ないステンレス製である。
図1に戻り、投影光学系PLは、複数の光学素子を含み、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。投影光学系PLの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
投影光学系PLの複数の光学素子は、鏡筒28に保持されている。鏡筒28は、フランジ29を有する。フランジ29には、第2フレーム部材30の下端が接続されている。第2フレーム部材30の上端は、防振システム31を介して、第1フレーム部材24の支持部26と接続されている。鏡筒28(フランジ29)は、第2フレーム部材30に吊り下げられている。
図2は、ステージ装置STの外観斜視図である。図3は、第2駆動系73Aの構成を示す概略図である。図4は、図3におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。
図2に示すステージ装置STは、定盤JBと、ウエハ等の基板を保持して6自由度方向に移動可能な基板ステージ(移動体)2とを主体に構成されている。具体的には、比較的大ストロークでX方向(第3方向とする)とY方向(第1方向とする)に移動可能で、比較的小ストロークでZ方向θx方向、θy方向、θz方向に移動可能となっている。
図2に示すステージ装置STは、定盤JBと、ウエハ等の基板を保持して6自由度方向に移動可能な基板ステージ(移動体)2とを主体に構成されている。具体的には、比較的大ストロークでX方向(第3方向とする)とY方向(第1方向とする)に移動可能で、比較的小ストロークでZ方向θx方向、θy方向、θz方向に移動可能となっている。
基板ステージ2を駆動する駆動装置は、基板ステージ2をX方向にロングストロークで駆動するとともに、Y方向、Z方向、θx、θy、θzに微小駆動する第1駆動系90と、基板ステージ2及び第1駆動系90をY方向にロングストロークで駆動する第2駆動系73A、73Bとを備えている。これら第1駆動系90、第2駆動系73A、73Bの駆動は、制御装置4に制御される。
図2及び図3に示すように、第2駆動系73Aはリニアモータを有しており、このリニアモータはY方向に延びる固定子74Aと、当該固定子74Aに対して駆動される可動子75Aとから構成される。なお、可動子75Aは、本実施形態の構成においてはY粗動ステージということもできる。可動子75Aは、内部に磁石78を有している。磁石78は、Y軸方向に複数並んで取り付けられており、異なる磁極の磁石が交互に並んで配置されている。
図3及び図4に示すように、固定子74Aは、コイルジャケット81と、冷却装置82とを有している。コイルジャケット81は、固定子74Aと同一方向に延在されており、内部には複数のコイル装置80がY軸方向に並ぶように配置されている。当該コイル装置80への通電を制御することで、可動子75AをY方向に駆動するようになっている。なお、Y方向だけではなく、X方向へも駆動力が発生するようにしてもよい。
図4に示すように、固定子74Aの冷却装置82は、カバー部材83と、第1材料層84と、供給装置85と、回収装置86と、分離装置87とを有している。本実施形態における冷却装置82は、吸熱化学反応を起こす第1材料及び第2材料を用いてコイルジャケット81を冷却するものである。具体的には、第1材料と第2材料とをコイルジャケット81の周囲で反応させ、反応によって生じる吸熱作用によってコイルジャケット81を冷却するものである。
本実施形態では、第1材料として炭素を含んだ材料を用いることとし、第2材料として水蒸気を用いることとする。この場合、第1材料と第2材料との間で発生する吸熱化学反応は、[化1]の熱化学方程式によって示される。[化1]に示されるQ1の値については、一般的には131(kJ)程度であることが知られている。
カバー部材83は、コイルジャケット81の表面81aに沿った矩形環状の断面を有する筒状部材であり、コイルジャケット81の表面81aとの間に隙間(空間K)を形成するように配置されている。この隙間は化学反応のための反応室として機能させることができる。カバー部材83は、コイルジャケット81の表面81aの全体を覆うように形成されており、当該カバー部材83によってコイルジャケット81が密閉された状態になっている。図3に示すように、カバー部材83は、開口部83b及び開口部83cを有している。開口部83b及び開口部83cは、例えばコイルジャケット81をY方向に挟む位置に設けられており、カバー部材83の内外を連通するように形成されている。開口部83bは、カバー部材83のうちコイルジャケット81の+Y側の端面に対向する面に形成されている。開口部83cは、カバー部材83のうちコイルジャケット81の−Y側の端面に対向する面に形成されている。開口部83b及び開口部83cをカバー部材83の他の位置に配置する構成であっても、勿論構わない。例えば、コイルジャケット81をZ方向に挟む位置に設けるようにしてもよい。また、開口部の大きさ(形状)も、内部のコイル装置80の大きさに合わせてY方向あるいはZ方向全域に渡るように溝状としてもよい。
第1材料層84は、上記吸熱化学反応における第1材料(炭素)を含む層である。第1材料層84としては、例えば黒鉛など炭素を含む層を用いることができる。第1材料層84は、コイルジャケット81の表面81a上の全面に亘ってほぼ均一な層厚で形成されている。
供給装置85は、上記吸熱化学反応における第2材料(水蒸気)をカバー部材83内部に供給する装置である。なお、水蒸気の温度は100度付近である必要はなく、水蒸気を含んでいれば特に限定されるものではない。例えば、第1空間5に対するカバー部材83の表面が所定の温度となるように、第2材料の温度を設定してもよい。例えば、第1空間5を室温程度に維持する場合には、カバー部材83の表面の温度も前記室温近傍に維持する必要がある。そのため、水蒸気の温度もカバー部材83の表面温度が室温近傍に維持されるようにその温度が設定されることになる。供給装置85は、不図示の配管部材などを介してカバー部材83の開口部83bに接続されており、当該開口部83bを介して水蒸気をカバー部材83の内部に供給可能になっている。コイルジャケット81の表面81aとカバー部材83との間に空間Kが形成されているため、カバー部材83内に供給される水蒸気は、当該空間Kを介して第1材料層84上の略全面に行き渡るようになっている。
回収装置86は、カバー部材83の内部における吸熱化学反応の結果として生じる反応生成物を回収する装置である。[化1]に示すように、本実施形態における生成物は、一酸化炭素(気体)と水素(気体)である。回収装置86は、不図示の配管部材などを介してカバー部材83の開口部83cに接続されており、当該開口部83cを介して反応生成物を回収可能になっている。
分離装置87は、回収した反応生成物について、[化1]に示す熱化学方程式における逆反応を発生させることで、反応生成物を第1材料と第2材料とに分離する装置である。分離装置87は、例えば管状部材などを介して回収装置86に接続されており、回収装置86によって回収された反応生成物が供給されるようになっている。回収装置86と分離装置87とは、一体的に形成される構成であっても構わない。分離装置87は、例えば内部に不図示の冷却機構を有している。分離装置87は、回収した反応生成物を当該冷却機構によって冷却することで、[化1]に示す反応の逆反応を発生させることができるようになっている。分離装置87は、分離した第1材料(炭素)及び第2材料(水蒸気)のうち、例えば第1材料を備蓄しておく備蓄部を内部に有している。加えて、分離装置87は、不図示の管状部材などを介して例えば供給装置85に接続されており(図3の破線矢印)、分離した第2材料を供給装置85に循環させることができるようになっている。
図2に戻って、第2駆動系73Bは、Y方向に延びる固定子74Bと、当該固定子74Bに対して駆動されるY粗動ステージである可動子75Bとから構成される。固定子74Bは、第1駆動系73Aと同様、内部に複数のコイル装置を有し、当該コイル装置への通電を制御することにより、可動子75BをY方向に駆動可能である。なお、Y方向だけではなく、Z方向へも駆動力が発生するようにしてもよい。第2駆動系73Aと第2駆動系73Bとは、基板ステージ2を挟んだX方向両側に設けられている。なお、可動子75A、75BがY方向以外の駆動力も発生させるようにした場合は、Y方向を大ストロークで駆動できるようにして、小ストロークで駆動する方向については第1駆動系73AではX方向、第2駆動系73BではZ方向と、異なるように設定してある。図示を省略するが、第2駆動系73Bは、第2駆動系73Aと同一構成の冷却装置82を有している。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について説明する。
第1空間5は、第1調整装置8によって、真空状態(第1の圧力値)に調整される。
また、第2空間15が、第2調整装置17によって、第1空間5の圧力とほぼ同じか、または第1空間5の圧力より高く、かつ大気圧よりも低い圧力(第2の圧力値)に調整される。あるいは、第2空間15が第1空間5よりも低い圧力に設定されるようにしてもよい。第1面11と第2面12とのギャップG1は、ギャップ調整機構35によって所定量に調整されており、第1面11と第2面12との間に形成されたガスシール機構10によって、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制されている。これにより、第1空間5の真空状態、環境が維持される。
第1空間5は、第1調整装置8によって、真空状態(第1の圧力値)に調整される。
また、第2空間15が、第2調整装置17によって、第1空間5の圧力とほぼ同じか、または第1空間5の圧力より高く、かつ大気圧よりも低い圧力(第2の圧力値)に調整される。あるいは、第2空間15が第1空間5よりも低い圧力に設定されるようにしてもよい。第1面11と第2面12とのギャップG1は、ギャップ調整機構35によって所定量に調整されており、第1面11と第2面12との間に形成されたガスシール機構10によって、第1空間5の内側にガスが流入することが抑制されている。これにより、第1空間5の真空状態、環境が維持される。
マスクMがマスクステージ1に保持されるとともに、基板Pが基板ステージ2に保持された後、制御装置4は、基板Pの露光処理を開始する。マスクMを照明光で照明するために、制御装置4は、光源装置3の発光動作を開始する。
光源装置3の発光動作により光源装置3から射出されたEUV光は、照明光学系ILに入射する。照明光学系ILに入射したEUV光は、その照明光学系ILを進行した後、第1開口9に供給される。第1開口9に供給されたEUV光は、照明光として、第1開口9を介してマスクステージ1に保持されているマスクMに入射する。つまり、マスクステージ1に保持されているマスクMは、光源装置3より射出され、照明光学系ILを介した照明光(EUV光)で照明される。マスクMの反射面に照射され、その反射面で反射した照明光は、マスクMのパターンの像の情報を含む露光光ELとして第1空間5に配置されている投影光学系PLに入射する。投影光学系PLに入射した露光光ELは、その投影光学系PLを進行した後、基板ステージ2に保持されている基板Pに照射される。
制御装置4は、マスクMのY軸方向への移動と同期して、第2駆動系73A、73Bの駆動により基板PをY軸方向に走査移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明する。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。そして、制御装置4は、第1駆動系90の駆動による基板PのX軸方向へのステップ移動と、上記第2駆動系73A、73Bの駆動による基板PのY軸方向への走査移動とを繰り返すことにより、基板PにマスクMのパターンを露光する。
基板ステージ2を移動させる際、第2駆動系73A、73Bのコイル装置80の動作によって当該コイル装置80が発熱する。この発熱により、例えば、第2駆動系73A、73Bなどの駆動系の性能が低下したり、当該駆動系の周辺の部材が熱変形したり、基板ステージ2の移動が不安定になったりする場合がある。そうなると、露光不良が発生し、不良デバイスの発生を引き起こす可能性がある。
これに対して、本実施形態では、コイル装置80が格納されたコイルジャケット81を冷却装置82によって冷却することにより、コイル装置80の発熱が周囲に伝達されるのを防ぐようにしている。制御装置4の制御により、冷却装置82は、供給装置85から開口部83bを介して空間K内に第2材料である水蒸気を供給する。空間K内に供給された水蒸気は、コイルジャケット81の表面81a上に形成された第1材料層84のほぼ全面に行き渡ることとなる。
この水蒸気及び第1材料層84に含まれる炭素は、コイル装置80の発熱によって活性化され、上記[化1]の熱化学方程式で示される吸熱化学反応を起こす。当該吸熱化学反応により、第1材料層84及びコイルジャケット81を介してコイル装置80が発生する熱量が奪われることになり、コイル装置80(モータ)を所定の温度に設定することが可能となる。
[化1]に示されるように、吸熱化学反応によって発生する生成物は、一酸化炭素及び水素である。この生成物は、回収装置86によって回収され、分離装置87へと供給される。分離装置87では、不図示の冷却機構によって当該生成物である一酸化炭素及び水素が冷却される。一酸化炭素及び水素が冷却されることにより、[化1]の反応の逆反応が発生する。当該逆反応により、一酸化炭素及び水素から第1材料である炭素(固体)及び第2材料である水蒸気が分離されることになる。
分離装置87では、逆反応によって分離された炭素が不図示の備蓄部に備蓄される。水蒸気との反応によって第1材料層84は次第に減少していくことになる。備蓄部に備蓄された炭素は、当該減少した第1材料層84を補完するために再利用される。一方、逆反応によって分離された水蒸気は、不図示の管状部材を介して供給装置85に循環される。この水蒸気は、供給装置85から開口部83bを介して再度空間K内に投入される。このように、分離された水蒸気についても再利用されることになる。
以上のように、本実施形態によれば、冷却装置82が、熱量を活性化エネルギーとして吸熱化学反応を起こす第1材料及び第2材料を用いてコイル装置80の周囲で当該吸熱化学反応を発生させ、これによってコイル装置80を冷却する構成になっている。そのため、例えば冷媒を用いる場合における冷媒の温度調整を行わずに済むこととなる。これにより、より効率的に発熱を抑えることが可能となる。
本実施形態のように、露光装置EXがEUV光を用いて基板Pを露光するEUV露光装置である場合、コイル装置80の冷却に液体の冷媒を用いた際に、当該冷媒を構成する液体の分子が第1空間5内に漏れ出す可能性がある。これに対して、本実施形態では、第1材料として固体の炭素を用い、第2材料として気体の水蒸気を用いることにより、液体の冷媒を用いることなくコイル装置80を冷却することができる。これにより、第1空間5内に第1材料及び第2材料の分子が漏れ出す可能性を低くすることができる。また、第1空間5内は、減圧雰囲気となっているため、液体が漏れ出した場合の影響が、常圧下よりも大きくなり易いと考えられる。そのため、第1空間5内の環境を保持しやすくすることができるという利点もある。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、第1材料層84の付着させる位置をコイルジャケット81の表面81a上としたが、これに限られることは無く、他の位置に第1材料層84を付着させておくようにしても構わない。また、第1材料を層状ではなく塊状に形成し、1箇所又は複数箇所に配置させる構成であっても構わない。
例えば、上記実施形態では、第1材料層84の付着させる位置をコイルジャケット81の表面81a上としたが、これに限られることは無く、他の位置に第1材料層84を付着させておくようにしても構わない。また、第1材料を層状ではなく塊状に形成し、1箇所又は複数箇所に配置させる構成であっても構わない。
また、上記実施形態では、第1材料のみを予めコイルジャケット81の表面81a上に第1材料層84として付着させておく構成を例に挙げて説明したが、これに限ることはない。例えば、予め第1材料及び第2材料の両方をコイルジャケット81の表面81aに付着させておき、コイル装置80の発熱によって活性化しやすくしておく構成であっても構わない。
あるいは、第1材料及び第2材料の両方を供給装置85から供給する構成であっても構わない。例えば図7に示すように、カバー部材83に開口部83d及び開口部83eを形成しておき、供給装置85を開口部83d及び83eにそれぞれ接続する構成としておく。この場合、第1材料を開口部83dから、第2材料を開口部83eからそれぞれ供給することができる。供給用の開口部を上記実施形態のように1つだけ形成しておき、第1材料及び第2材料を1つの開口部から供給する構成であっても、勿論構わない。
また、上記実施形態においては、第1材料層84に水蒸気を供給する際に、水蒸気のみを供給する場合を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば鉄粉などの磁性体を第3材料として水蒸気に混合させた状態で供給するようにしても構わない。このようにすることで、混合された鉄粉がコイル装置80が発生する磁力によって第1材料層84へと引き付けられるため、鉄粉と共に供給される水蒸気が第1材料層84に付着するのを促進させることができる。第3材料を加える例については、第1材料及び第2材料の両方を供給装置85から供給する場合にも有効である。
また、上記実施形態においては、第1材料として固体炭素、第2材料として水蒸気を用いて吸熱化学反応を発生させる例を挙げて説明したが、これに限られることは無く、他の吸熱化学反応を発生させる場合であっても構わない。例えば、図7に示す構成を用いて第1材料及び第2材料として共に気体を用いることも可能である。
また、例えば第1材料として硝酸アンモニウム、第2材料として水を用い、硝酸アンモニウムが水に溶解する際の吸熱化学反応を利用することもできる。この場合、第1材料と第2材料との間で発生する吸熱化学反応は、[化2]の熱化学方程式によって示される。[化2]に示されるQ2の値については、一般的には26(kJ)程度であることが知られている。
また、上記実施形態では基板ステージ2の第2駆動系73A及び73Bに本発明を適用した場合について説明したが、基板ステージ2の第1駆動系90やマスクステージ1をはじめ、露光装置EXの他の部位にも適用することができる。また、本発明は、露光装置以外でも本発明を使用することができる。例えば、真空環境下で用いられる各種計測機器や製造装置に対しても本発明は適用可能であるし、必ずしも真空環境下で用いられる場合に限るものでもない。また、本実施形態では熱作用として吸熱反応を伴う化学反応(吸熱化学反応)を利用してモータの温度を調整(主として冷却)するようにしたが、熱作用として発熱反応を伴う化学反応(発熱化学反応)を利用してモータの温度を調整(主として加熱)するようにしてもよい。本発明の技術思想及び技術的範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
なお、上記各実施形態の基板(物体)としては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板や、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。また、本発明は基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写するステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6,611,316号に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
また、本実施形態においては、露光光ELがEUV光である場合を例にして説明したが、露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等を用いることもできる。その場合、第1空間5は必ずしも真空状態に調整される必要はなく、例えば第1空間5を第1のガスで満たすことができる。第1空間5を第1のガスで満たす場合、第1のガスが満たされた第1空間5の環境を維持するために、本実施形態のガスシール機構10を用いることができる。また、第2部材16で形成される第2空間15を第2のガスで満たすことができる。
また、本発明は、基板ステージ(ウエハステージ)が複数設けられるツインステージ型の露光装置にも適用できる。ツインステージ型の露光装置の構造及び露光動作は、例えば特開平10−163099号公報及び特開平10−214783号公報(対応米国特許6,341,007号、6,400,441号、6,549,269号及び6,590,634号)、特表2000−505958号(対応米国特許5,969,441号)或いは米国特許6,208,407号に開示されている。更に、本発明を本願出願人が先に出願した特願2004−168481号のウエハステージに適用してもよい。
また、本発明が適用される露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
次に、本発明の実施形態による露光装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図5は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップS13(ウエハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウエハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図6は、半導体デバイスの場合におけるステップS13の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS21(酸化ステップ)おいては、ウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においては、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においては、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においては、ウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ステップS21(酸化ステップ)おいては、ウエハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においては、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においては、ウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においては、ウエハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS25(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップS26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップS27(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップS28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
また、半導体素子等のマイクロデバイスだけではなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置等で使用されるレチクル又はマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハ等ヘ回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(深紫外)やVUV(真空紫外)光等を用いる露光装置では、一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶等が用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置や電子線露光装置等では、透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハ等が用いられる。なお、このような露光装置は、WO99/34255号、WO99/50712号、WO99/66370号、特開平11−194479号、特開2000−12453号、特開2000−29202号等に開示されている。
EX…露光装置 ST…ステージ装置 1…マスクステージ 2…基板ステージ 73A、73B…第2駆動系 80…コイル装置 82…冷却装置 84…第1材料層 85…供給装置 86…回収装置 87…分離装置
Claims (16)
- モータと、
前記モータが発する熱量の少なくとも一部によって該モータの近傍で化学反応を起こし、該化学反応に伴う熱作用を利用して前記モータの温度を調整する温度調整装置と、
を備えるモータ装置。 - 前記熱作用は、前記化学反応に伴う吸熱反応を含み、前記モータが発する熱量の少なくとも一部を前記吸熱反応で吸熱させることで前記モータを冷却する請求項1記載のモータ装置。
- 前記熱量の少なくとも一部を前記化学反応の活性化エネルギーとする請求項1または請求項2記載のモータ装置。
- 前記温度調整装置は、前記化学反応の生成物を回収する回収装置を有する請求項1又は請求項2に記載のモータ装置。
- 前記温度調整装置は、前記モータの近傍に配置された前記化学反応のための反応室と、前記化学反応を起こす複数の物質のうちの少なくとも一つの物質を前記反応室に供給する供給装置と、を有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータ装置。
- 前記温度調整装置は、第1の物質と第2の物質とを反応させることで前記化学反応を起こし、該化学反応の生成物を前記第1物質と前記第2物質とに分離する分離装置を有する請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
- 前記分離装置は、前記化学反応に伴う熱作用とは異なる熱作用を前記生成物に施す請求項6に記載のモータ装置。
- 前記温度調整装置は、分離された前記第1物質及び前記第2物質の少なくとも一方を前記反応室に導く循環装置を有している請求項6から請求項7のうちのいずれか一項に記載のモータ装置。
- 前記第1物質及び前記第2物質のうち少なくとも一方が前記モータに付着されている請求項6から請求項8のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
- 前記第1物質及び前記第2物質のうち少なくとも一方は、前記モータへの付着を促進させる第3物質を含む請求項6から請求項9のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
- 前記第3物質は磁性体である請求項10に記載のモータ装置。
- 前記第1物質は黒鉛であり、前記第2物質は水蒸気である請求項6から請求項11のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
- 前記第1物質は硝酸アンモニウムであり、前記第2物質は水蒸気である請求項6から請求項11のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
- 請求項1から請求項13のうちいずれか一項に記載のモータ装置を備えるステージ装置。
- 請求項14に記載のステージ装置を備える露光装置。
- リソグラフィ工程を有するデバイスの製造方法であって、前記リソグラフィ工程は請求項15に記載の露光装置を用いるデバイスの製造方法。
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