JP2010089575A - 車両の駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドグ部作用トルクを適切に推定することで解放時間のばらつきを低減する。
【解決手段】車両の駆動制御装置は、複数のドグ歯が設けられた係合要素及び被係合要素の少なくともいずれかのドグ歯をストローク動作させることで係合/解放を行う噛合機構を備える。トルク推定手段は、噛合機構の係合動作時及び解放動作時において、ドグ歯におけるストロークの変化量から解放に要する時間を求め、求められた解放に要する時間からドグ歯に作用するトルクを推定する。これにより、ドグ歯に作用するトルクを精度良く推定することができる。したがって、このように推定されたトルクに基づいて噛合機構を解放する制御を行うことにより、解放時間のばらつきを低減することが可能となる。
【選択図】図14

Description

本発明は、ハイブリッド車両に好適な駆動制御装置に関する。
エンジンに加えて、電動機やモータジェネレータなどの動力源を備えるハイブリッド車両が既知である。ハイブリッド車両では、エンジンを可及的に高効率状態で運転する一方、駆動力やエンジンブレーキ力の過不足を電動機又はモータジェネレータで補う。
上記のようなハイブリッド車両において、無段変速モードと固定変速比モードとを切り替えて運転することが可能なように構成された変速機構の例が特許文献1に提案されている。具体的には、2つの遊星歯車機構を組み合わせて4つの回転要素を有する動力分配機構が構成され、4つの回転要素がそれぞれエンジン、第1のモータジェネレータ、出力軸及びブレーキに接続される。ブレーキを解放した状態では、第1のモータジェネレータの回転数を連続的に変化させることにより、エンジンの回転数が連続的に変化し、無段変速モードでの運転が実行される。一方、ブレーキを固定した状態では、上記の回転要素の1つの回転が阻止されることにより変速比が固定となり、固定変速比モードでの運転が実行される。また、無段変速モードと固定変速比モードとを切り替える変速機構は、従来の湿式多板クラッチではなく、係合要素の歯と被係合要素の歯とを噛合させる噛合機構を用いたものが知られている。
特開2004−345527号公報
しかしながら、上記した特許文献1に記載された技術では、ドグ歯が設けられたドグクラッチなどの噛合機構を用いた場合、固定変速比モードから無段変速モードへ変速する際に、噛合機構におけるドグ歯が受けている反力(以下、「ドグ部作用トルク」と呼ぶ。)を適切に推定することが困難であった。その理由の1つとしては、第1のモータジェネレータではなく噛合機構のドグ歯でエンジン反力を支持しているために、エンジントルクを精度良く推定できなかったことが挙げられる。このようにドグ部作用トルクを適切に推定できなかった場合には、変速時間(噛合機構の解放に要する時間若しくは係合に要する時間)にばらつきが生じてしまう可能性があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ドグ部作用トルクを適切に推定することで解放時間のばらつきを低減することが可能な車両の駆動制御装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、複数のドグ歯が設けられた係合要素及び被係合要素を有し、前記係合要素及び前記被係合要素の少なくともいずれかのドグ歯をストロークさせることで係合/解放を行う噛合機構を備える車両の駆動制御装置は、前記噛合機構の係合動作時及び解放動作時において、前記ドグ歯におけるストロークの変化量から前記解放に要する時間を求め、求められた前記解放に要する時間から前記ドグ歯に作用するトルクを推定するトルク推定手段を備える。
上記の車両の駆動制御装置は、複数のドグ歯が設けられた係合要素及び被係合要素の少なくともいずれかのドグ歯をストローク動作させることで係合/解放を行う噛合機構を備える。トルク推定手段は、噛合機構の係合動作時及び解放動作時において、ドグ歯におけるストロークの変化量から解放に要する時間を求め、求められた解放に要する時間からドグ歯に作用するトルクを推定する。これにより、ドグ歯に作用するトルクを精度良く推定することができる。したがって、このように推定されたトルクに基づいて噛合機構を解放する制御を行うことにより、解放時間のばらつきを低減することが可能となる。
上記の車両の駆動制御装置の一態様では、前記トルク推定手段は、前記ストローク方向に作用させる力を、前記トルクの推定を行う前よりも低減させてから、前記トルクの推定を行う。
この態様では、トルク推定手段は、ストローク方向に作用させる力を弱めることでストローク変化を緩やかにしてから、ドグ歯に作用するトルクを推定する。こうすることにより、トルクの推定精度を向上させることが可能となる。
上記の車両の駆動制御装置の他の一態様では、前記係合要素及び前記被係合要素の少なくともいずれかにモータジェネレータが連結されており、前記モータジェネレータからトルクを付与させることで前記ドグ歯に作用するトルクを変化させた状態での前記ストロークの変化量から、前記トルク推定手段によって推定された前記ドグ歯に作用するトルクの正負を判定する第1のトルク符号判定方法を実行するトルク符号判定手段を更に備える。
この態様では、上記のように推定されたドグ歯に作用するトルクは絶対値で得られるため、トルク符号判定手段は、第1のトルク符号判定方法を実行することで、当該トルクの正負を判定する。具体的には、トルク符号判定手段は、モータジェネレータからトルクを付与させることでドグ歯に作用するトルクを変化させた際のストロークの変化量(勾配)から、ドグ歯に作用するトルクの正負を判定する。これにより、精度良く、ドグ歯に作用するトルクの正負を判定することができる。
上記の車両の駆動制御装置において好適には、前記トルク符号判定手段は、前記トルク推定手段によって推定された前記ドグ歯に作用するトルクの大きさに応じて、前記第1のトルク符号判定方法と、前記ドグ歯におけるバックラッシ相当の位相変化量から前記ドグ歯に作用するトルクの正負を判定する第2のトルク符号判定方法とを切り替えて、前記トルク推定手段によって推定された前記ドグ歯に作用するトルクの正負を判定する。これにより、ドグ部作用トルクの符号判定における信頼性を向上させることができる。
上記の車両の駆動制御装置の他の一態様では、前記トルク推定手段が前記ストロークの変化量を検出できなかった場合に、前記解放時におけるショックが許容範囲内となるように、前記ストローク方向に作用させる力を低減させる手段を更に備える。
この態様によれば、所定以上のトルク誤差がある場合に解放してしまうことを適切に防止することができる。また、もし解放されても、解放時のショックの発生を抑制することができる。
上記の車両の駆動制御装置の他の一態様では、前記係合要素及び前記被係合要素の少なくともいずれかにモータジェネレータが連結されており、前記モータジェネレータからトルクを付与させて前記ドグ歯に所定トルクを作用させた状態で、前記ドグ歯をストロークさせることにより、前記ストローク時における摺動部分の摩擦係数を算出する摩擦係数算出手段を更に備える。
この態様によれば、摺動部分の摩擦係数における経時変化に対して適切に対応することが可能となる。具体的には、摺動部分の摩擦係数が変化した場合にも、解放時間のばらつきを適切に低減することができる。
好適には、上記の車両の駆動制御装置は、内燃機関と、第1のモータジェネレータと、前記内燃機関及び前記第1のモータジェネレータが連結されると共に前記噛合機構が連結された動力分配機構と、駆動軸に接続された第2のモータジェネレータと、を具備し、前記噛合機構の解放/係合を行うことで無段変速モードと固定変速比モードとの間で変速モードの切り替えを行うハイブリッド車両に適用される。
本発明における車両の駆動制御装置は、複数のドグ歯が設けられた係合要素及び被係合要素の少なくともいずれかのドグ歯をストローク動作させることで係合/解放を行う噛合機構を備える。トルク推定手段は、噛合機構の係合動作時及び解放動作時において、ドグ歯におけるストロークの変化量から解放に要する時間を求め、求められた解放に要する時間からドグ歯に作用するトルクを推定する。これにより、ドグ歯に作用するトルクを精度良く推定することができる。したがって、このように推定されたトルクに基づいて噛合機構を解放する制御を行うことにより、解放時間のばらつきを低減することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1に本発明を適用したハイブリッド車両の概略構成を示す。図1の例は、機械分配式2モータ型と称されるハイブリッド車両であり、エンジン(内燃機関)1、第1のモータジェネレータMG1、第2のモータジェネレータMG2、動力分配機構20、を備える。動力源に相当するエンジン1と、回転数制御機構に相当する第1のモータジェネレータMG1とが動力分配機構20に連結されている。動力分配機構20の出力軸3には、駆動トルク又はブレーキ力のアシストを行うための副動力源である第2のモータジェネレータMG2が連結されている。第2のモータジェネレータMG2と出力軸3とはMG2変速部6を介して接続されている。さらに、出力軸3は最終減速機8を介して左右の駆動輪9に連結されている。第1のモータジェネレータMG1と第2のモータジェネレータMG2とは、バッテリ、インバータ、又は適宜のコントローラ(図2参照)を介して、もしくは直接的に電気的に接続され、第1のモータジェネレータMG1で生じた電力で第2のモータジェネレータMG2を駆動するように構成されている。
エンジン1は燃料を燃焼して動力を発生する熱機関であり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。第1のモータジェネレータMG1はエンジン1からトルクを受けて回転することにより主として発電を行うものであり、発電に伴うトルクの反力が作用する。第1のモータジェネレータMG1の回転数を制御することにより、エンジン1の回転数が連続的に変化する。このような変速モードを無段変速モードという。無段変速モードは、後述する動力分配機構20の差動作用により実現される。
第2のモータジェネレータMG2は、駆動トルク又はブレーキ力を補助(アシスト)する装置である。駆動トルクをアシストする場合、第2のモータジェネレータMG2は電力の供給を受けて電動機として機能する。一方、ブレーキ力をアシストする場合には、第2のモータジェネレータMG2は、駆動輪9から伝達されるトルクにより回転させられて電力を発生する発電機として機能する。
図2は、図1に示す第1のモータジェネレータMG1、第2のモータジェネレータMG2及び動力分配機構20などの構成を示す。
動力分配機構20は、エンジン1の出力トルクを第1のモータジェネレータMG1と出力軸3とに分配する機構であり、差動作用を生じるように構成されている。具体的には複数組の差動機構を備え、互いに差動作用を生じる4つの回転要素のうち、第1の回転要素にエンジン1が連結され、第2の回転要素に第1のモータジェネレータMG1が連結され、第3の回転要素に出力軸3が連結される。第4の回転要素はドグブレーキ部7により固定可能となっている。
ドグブレーキ部7は、複数のドグ歯が設けられた係合要素(不図示)及び複数のドグ歯が設けられた被係合要素(不図示)を具備する噛合機構として構成されており、ブレーキ操作部5により制御される。詳しくは、ドグブレーキ部7において、被係合要素は回転可能に構成されており、係合要素は回転不能に構成されている。つまり、被係合要素は回転要素に相当し、係合要素は固定要素に相当する。また、係合要素は、軸方向にストローク可能に構成されている。なお、以下では、ドグブレーキ部7のことを、単に「ドグ部」とも表記する。
ドグブレーキ部7が第4の回転要素を固定していない状態では、第1のモータジェネレータMG1の回転数を連続的に変化させることによりエンジン1の回転数が連続的に変化し、無段変速モードが実現される。一方、ドグブレーキ部7が第4の回転要素を固定している状態では、動力分配機構20により決定される変速比がオーバードライブ状態(即ち、エンジン回転数が出力回転数より小さくなる状態)に固定され、固定変速比モードが実現される。
本実施形態では、図2に示すように、動力分配機構20は、2つの遊星歯車機構を組み合わせて構成される。第1の遊星歯車機構はリングギア21、キャリア22、サンギア23を備える。第2の遊星歯車機構はダブルピニオン式であり、リングギア25、キャリア26、サンギア27を備える。
エンジン1の出力軸2は第1の遊星歯車機構のキャリア22に連結され、そのキャリア22は第2の遊星歯車機構のリングギア25に連結されている。これらが第1の回転要素を構成する。第1のモータジェネレータMG1のロータ11は第1の遊星歯車機構のサンギア23に連結され、これらが第2の回転要素を構成している。
第1の遊星歯車機構のリングギア21と第2の遊星歯車機構のキャリア26は相互に連結されているとともに出力軸3に連結されている。これらが第3の回転要素を構成している。また、第2の遊星歯車機構のサンギア27は回転軸29に連結されており、回転軸29とともに第4の回転要素を構成している。回転軸29はドグブレーキ部7により固定可能となっている。
電源ユニット30は、インバータ31、コンバータ32、HVバッテリ33及びコンバータ34を備える。第1のモータジェネレータMG1は電源線37によりインバータ31に接続されており、第2のモータジェネレータMG2は電源線38によりインバータ31に接続されている。また、インバータ31はコンバータ32に接続され、コンバータ32はHVバッテリ33に接続されている。さらに、HVバッテリ33はコンバータ34を介して補機バッテリ35に接続されている。
インバータ31は、モータジェネレータMG1及びMG2との間で電力の授受を行う。モータジェネレータの回生時には、インバータ31はモータジェネレータMG1及びMG2が回生により発電した電力を直流に変換し、コンバータ32へ供給する。コンバータ32は、インバータ31から供給される電力を電圧変換し、HVバッテリ33を充電する。一方、モータジェネレータの力行時には、HVバッテリ33から出力される直流電力はコンバータ32により昇圧され、電源線37又は38を介してモータジェネレータMG1又はMG2へ供給される。
HVバッテリ33の電力はコンバータ34により電圧変換されて補機バッテリ35に供給され、各種の補機の駆動に使用される。
インバータ31、コンバータ32、HVバッテリ33及びコンバータ34の動作はECU4により制御されている。ECU4は制御信号S4を送信することにより、電源ユニット30内の各要素の動作を制御する。また、電源ユニット30内の各要素の状態などを示す必要な信号は制御信号S4としてECU4に供給される。具体的には、HVバッテリ33の状態を示すSOC(State Of Charge)及びバッテリの入出力制限値などは制御信号S4としてECU4に供給される。
また、ドグブレーキ部7には、係合要素のストローク量を検出するストローク量センサ40、及び係合要素と被係合要素との位相変化を検出可能な回転センサ41が設けられている。ストローク量センサ41は、検出したストローク量に対応する検出信号S40をECU4に供給し、回転センサ41は、検出した位相変化に対応する検出信号S41をECU4に供給する。なお、回転センサ41は、ドグブレーキ部7付近に設ける必要はない。
ECU4は、エンジン1、第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2との間で制御信号S1〜S3を送受信することにより、それらを制御する。また、ECU4はブレーキ操作部5に対してブレーキ操作指示信号S5を供給する。ブレーキ操作部5は、ブレーキ操作指示信号S5に従って、ドグブレーキ部7を係合(固定)/解放する制御を行う。具体的には、ブレーキ操作部5は、ドグブレーキ部7の係合要素をストロークさせる制御などを行う。なお、詳細は後述するが、ECU4は、本発明におけるトルク推定手段、トルク符号判定手段、及び摩擦係数算出手段に相当する。
図3に、動力分配機構20の固定変速比モードにおける共線図を示す。固定変速比モードでは、図3中の黒丸で示すように、係合要素のドグ歯と被係合要素のドグ歯とが噛み合うことによってドグブレーキ部7が固定される。以下では、係合要素のドグ歯を「係合側ドグ歯」と呼び、被係合要素のドグ歯を「被係合側ドグ歯」と呼ぶ。
無段変速モードでは、矢印90で示すように、エンジントルクの反力が第1のモータジェネレータMG1によって支持される。なお、図3は固定変速比モードにおける共線図を示しているが、説明の便宜上、この図を用いて無段変速モードの説明を行っている。これに対して、固定変速比モードでは、矢印91で示すように、エンジントルクの反力がドグブレーキ部7において機械的に支持される。
図4は、ドグブレーキ部7の構成を模式的に表している。図示のように、ドグブレーキ部7は、複数の被係合側ドグ歯71aが設けられた被係合要素71と、複数の係合側ドグ歯72aが設けられた係合要素72とを備えて構成される。なお、図4は、被係合要素71と係合要素72とが係合状態にある場合の図を示している。また、説明の便宜上、被係合要素71をハッチングして表している。
被係合要素71は、図2に示した第2の遊星歯車機構のサンギア27に連結されており、矢印A3で示すように、第4の回転要素であるサンギア27の回転に従って回転する。具体的には、被係合要素71には、ドグ部作用トルクが付与されることで回転する。このドグ部作用トルクは、主動力(エンジントルクなど)や車両走行抵抗などのトルクと、第1のモータジェネレータMG1などのトルクとの合成トルク(詳しくは、ギア比換算したトルク)に相当する。主動力や車両走行抵抗などのトルクは、正確に把握することが困難であるという意味において未知量のトルクに相当する。また、第1のモータジェネレータMG1からのトルク(以下では、単に「MGトルク」とも呼ぶ。)は、正確に把握することができるという意味において既知量のトルクに相当する。
更に、ドグ部作用トルクは、直接的に若しくは間接的に、係合要素72におけるストロークに対する抵抗力となる。具体的には、ドグ部作用トルクは、係合時において、被係合側ドグ歯71aと係合側ドグ歯72aとの間などのストローク時の摺動部分における摩擦力(符号A1で示す)に影響を及ぼす。
係合要素72は、回転不能に構成されていると共に、矢印A2で示す方向(軸方向)にストローク可能に構成されている。具体的には、係合要素72は、矢印A2で示す方向に力(以下、この力を「ストローク力」と呼ぶ。)が付与されることでストロークされる。例えば、ストローク力としては、バネ力や、電磁力や、流体圧力などが用いられる。
ここで、符号A1で示すような被係合側ドグ歯71aと係合側ドグ歯72aとの間に働く摩擦力は、係合要素72におけるストローク方向への動作時にストロークを阻害する方向へ作用する。この場合、符号A1で示す摩擦力が、係合要素72に対して付与されるストローク力よりも小さくなった場合に、係合要素72が矢印A2の方向にストロークすることとなる。これにより、被係合要素71と係合要素72との係合が解放する。つまり、固定変速比モードから無段変速モードへ変速されることとなる。なお、ストローク量センサ40は、白抜き矢印A5で示すように係合要素72がストロークした際のストローク量を検出する。
なお、上記した係合要素72に対して付与するストローク力は、固定しても良いし、変化させても良い。つまり、一定のストローク力を付与する構成部を用いても良いし、ストローク力が変化可能に構成された構成部を用いても良い。以下で説明する制御において、ストローク力を制御する場合には、ストローク力が変化可能に構成された構成部を用いる必要がある。このようにストローク力を変化させる場合には、ECU4が当該ストローク力を制御することができる。
[制御方法]
次に、本実施形態に係る制御方法について説明する。本実施形態では、ドグブレーキ部7を解放する場合において、言い換えると固定変速比モードから無段変速モードへ変速させる場合において、ドグブレーキ部7が係合状態から解放状態となるまでに要する時間(以下では、「解放時間」若しくは「解放ストローク時間」と呼ぶ。)のばらつきを低減するため、及び解放時のショック(変速ショック)を低減するための制御を行う。具体的には、本実施形態では、前述したドグ部作用トルクを精度良く推定する処理などを行うことによって、解放時間のばらつきの低減などを図る。
こうする理由は以下の通りである。固定変速比モードから無段変速モードへ変速する際に行われるドグブレーキ部7の解放は、ドグ部作用トルクの絶対値が小さい場合(例えば0である場合)には解放時間が短くなる傾向にあり、ドグ部作用トルクの絶対値が大きい場合には解放時間が長くなる傾向にある。また、固定変速比モードでは、第1のモータジェネレータMG1ではなくドグブレーキ部7でエンジン反力を受けているため、第1のモータジェネレータMG1からのMGトルクに基づいてエンジントルクの推定を行う無段変速モードと比較して、エンジントルクの推定精度が低下する傾向にある。更に、解放時間の短縮を狙い、係合要素72に付与するストローク力を強くすると変速ショックが増加する傾向にあり、また、変速ショックの低減を狙い、ストローク力を弱くすると解放時間が増加する傾向にある。このようなことから、解放時間の短縮と変速ショックの低減とを両立させることは困難であると言える。
したがって、本実施形態では、ドグブレーキ部7を解放する場合において、解放時間のばらつきの低減及び変速ショックの低減を実現するために、ドグ部作用トルクを精度良く推定する処理などを行う。
以下では、図5乃至図13を参照して、本実施形態においてECU4が行う制御方法について具体的に説明する。
(ドグ部作用トルクの推定方法)
本実施形態では、ECU4は、上記したように、解放時間のばらつきの低減を実現するべく、ドグ部作用トルクの推定を行う。具体的には、ECU4は、ドグブレーキ部7の解放動作時などにおいて、係合要素72のストロークの変化量から解放ストローク時間を求め、求められた解放ストローク時間に基づいてドグ部作用トルクの推定を行う。そして、ECU4は、推定されたドグ部作用トルクなどに基づいて、ドグブレーキ部7を係合状態から解放させる制御を行う。
図5は、ドグ部作用トルクの推定方法を具体的に説明するための図である。図5は、ドグ部作用トルク(横軸)と解放ストローク時間(縦軸)との関係の一例を示している。これより、ドグ部作用トルクの絶対値が大きいほど解放ストローク時間が長くなる傾向にあり、ドグ部作用トルクの絶対値が小さいほど解放ストローク時間が短くなる傾向にあることがわかる。これは、ドグ部作用トルクの絶対値が大きいほど、係合要素72のストローク動作を阻害する摩擦力が大きくなり、ドグ部作用トルクの絶対値が小さいほど、係合要素72のストローク動作を阻害する摩擦力が小さくなるからである。
なお、図5において破線で示すトルクSTr11、STr12(トルクSTr11、STr12は絶対値において等しい)は、摩擦力とストローク力とが概ね釣り合うようなトルクであり、トルクSTr11よりも大きなトルク若しくはトルクSTr12よりも小さなトルクがドグブレーキ部7に作用している場合には解放不能となる。以下では、このようなトルクSTr11、STr12を「スティックトルク」と呼ぶ。なお、スティックトルクは、ストローク力に応じて変化する。
本実施形態においては、ECU4は、図5に示すような関係を利用して、ドグ部作用トルクを求める。具体的には、まず、ECU4は、ストローク量センサ40を利用して係合要素72のストローク変化量を検出して、当該ストローク変化量から解放ストローク時間を求める。係合状態から完全に解放させるまでに必要なストローク量は分かっているので、このストローク量に基づいて、検出されたストローク変化量から解放ストローク時間を求めることができる。
そして、ECU4は、図5に示すような関係に基づいて、求められた解放ストローク時間に対応するドグ部作用トルクを得る。例えば、解放ストローク時間として「T1」が得られた場合には、ドグ部作用トルクとして「Tr11」及び「Tr12」が得られる。「Tr11」は正のトルクであり、「Tr12」は負のトルクであり、「Tr11」と「Tr12」とは絶対値が等しい。
以上のようにしてドグ部作用トルクを推定することで、当該推定されたドグ部作用トルクを用いてドグブレーキ部7の解放を行うことにより、ドグブレーキ部7の解放の信頼性を向上させることができると共に、解放時間(変速時間)のばらつきを低減することができる。
なお、図5に示すようなドグ部作用トルクと解放ストローク時間との関係は、予め求めておいてマップとして記憶しておいても良いし、演算によって求めても良い。例えば、ストローク力としてバネ力を用いた場合には、バネ定数などから図5に示すような関係を容易に求めることができる。なお、図5では、ドグ部作用トルクの絶対値が同じときに解放ストローク時間が同じになる特性を示しているが、このような特性が得られるとは限らない。ドグ歯の形状によっては、ドグ部作用トルクの絶対値が同じでも、符号の正負で解放ストローク時間に差がでる特性になる場合がある。
次に、図6を参照して、ドグ部作用トルクの推定の精度を向上させるために行う制御について説明する。本実施形態においては、ECU4は、ドグ部作用トルクの推定精度の向上を図り、係合要素72に付与するストローク力を低減させてから、上記したような方法にてドグ部作用トルクの推定を行う。
図6は、ストローク力を低減するとトルク推定精度が向上する理由を説明するための図である。図6(a)及び図6(b)は、それぞれ、ドグ部作用トルク(横軸)と解放ストローク時間(縦軸)との関係の一例を示している。具体的には、図6(a)はストローク力が比較的大きい場合のグラフB1を示しており、図6(b)はストローク力が比較的小さい場合のグラフB2を示している。図6(a)に示すように、ストローク力が大きい場合には、ドグ部作用トルクに対する解放ストローク時間の勾配が比較的小さいことがわかる。これに対して、図6(b)に示すように、ストローク力が小さい場合には、ドグ部作用トルクに対する解放ストローク時間の勾配が比較的大きいことがわかる。
より具体的には、ストローク力が大きい場合には、解放ストローク時間の差分ΔT21に対するドグ部作用トルクにおける差分はΔTr21、ΔTr22であるのに対して、ストローク力が小さい場合には、同じ解放ストローク時間の差分ΔT21に対するドグ部作用トルクにおける差分は、ΔTr21、ΔTr22よりも小さなΔTr23、ΔTr24であることがわかる。したがって、ストローク力が小さいほうが、解放ストローク時間からドグ部作用トルクを精度良く推定することができると言える。こうなるのは、ストローク力が小さい場合には、係合要素72のストローク変化が緩やかになるからである。
以上のような特性より、本実施形態では、ECU4は、ストローク力をトルクの推定前よりも低減させてから、前述したようなドグ部作用トルクの推定を実行する。例えば、ECU4は、予め定めたストローク力まで低減させて、当該ストローク力でのドグ部作用トルクと解放ストローク時間との関係(例えば、予めマップとして記憶されている)に基づいてドグ部作用トルクの推定を実行する。こうすることにより、ドグ部作用トルクの推定精度を向上させることが可能となる。
(ドグ部作用トルクの符号判定方法)
次に、上記した方法にて推定されたドグ部作用トルクの符号(正負)を判定する方法について説明する。上記した方法で推定されたドグ部作用トルクは絶対値で得られるため(図5など参照)、本実施形態では、ECU4は、当該ドグ部作用トルクの符号を判定するための処理を行う。具体的には、ECU4は、推定されたドグ部作用トルクの大きさに応じてドグ部作用トルクの符号を判定する2つの方法を切り替えて、ドグ部作用トルクの符号の判定を行う。以下では、この2つの方法の一方を「第1のトルク符号判定方法」と呼び、他方を「第2のトルク符号判定方法」と呼ぶ。
第1のトルク符号判定方法は、MGトルクを付与させることでドグ部作用トルクを変化させた際のストロークの変化量(勾配)から、ドグ部作用トルクの符号を判定する方法である。ドグ部作用トルクは基本的にはエンジントルクとMGトルクとの合成トルクであるため、MGトルクを増減させると、これに伴ってドグ部作用トルクも増減することとなる。ドグ部作用トルクが増減した場合には、ドグ部作用トルクの正負に応じて解放ストローク時間が増減することとなる(つまり、ストロークの変化量(勾配)が変わる)ため、これに基づいてドグ部作用トルクの符号を判定することができる。
第2のトルク符号判定方法は、係合要素72におけるバックラッシ相当の位相変化量から、ドグ部作用トルクの符号を判定する方法である。ドグ部作用トルクの符号に応じてドグ歯における位相の正負に偏りが生じるため、この位相の正負の偏りを回転センサ41で検出することにより、ドグ部作用トルクの符号を判定することができる。
図7は、第1のトルク符号判定方法を具体的に説明するための図である。図7は、横軸にドグ部作用トルクを示しており、縦軸に解放ストローク時間を示している。ここでは、MGトルクを変化させることでドグ部作用トルクを増加させた場合を、例に挙げて説明する。図示のように、ドグ部作用トルクが正である場合には、矢印C1で示すようにドグ部作用トルクを増加させた場合、矢印C2で示すように解放ストローク時間が増加することがわかる。これに対して、ドグ部作用トルクが負である場合には、矢印C3で示すようにドグ部作用トルクを増加させた場合、矢印C4で示すように解放ストローク時間が減少することがわかる。
このように、ドグ部作用トルクが正であるか負であるかに応じて、ドグ部作用トルクを変化させたときの解放ストローク時間の変化が異なることがわかる。よって、解放ストローク時間の増減に応じて、ドグ部作用トルクが正であるか負であるかを判別することができる。具体的には、解放ストローク時間が増加した場合にはドグ部作用トルクが正であると判別することができ、解放ストローク時間が減少した場合にはドグ部作用トルクが負であると判別することができる。
したがって、本実施形態では、ECU4は、MGトルクを付与させることでドグ部作用トルクを変化させた際のストロークの変化量から、ドグ部作用トルクの符号を判定する第1のトルク符号判定方法を用いる。この場合、解放ストローク時間の減少は単位時間当たりのストローク変化量の増加で検出することができ、解放ストローク時間の増加は単位時間当たりのストローク変化量の減少で検出することができる。
なお、第1のトルク符号判定方法は、第2のトルク符号判定方法よりも判定精度が高くなる傾向にある。また、図7では、MGトルクを変化させてドグ部作用トルクを増加させることで符号を判定する方法を示したが、この代わりに、MGトルクを変化させてドグ部作用トルクを減少させることで符号を判定することも可能である。
図8は、ドグ部作用トルクの大きさに応じて、第1のトルク符号判定方法と第2のトルク符号判定方法とを切り替える方法を説明するための図である。図8は、横軸にドグ部作用トルクを示しており、縦軸に解放ストローク時間を示している。
本実施形態では、ドグ部作用トルクの絶対値がスティックトルクSTr31、STr32の絶対値(以下、単に「スティックトルクSTr3」と表記する。)よりも大きな領域D1では、第2のトルク符号判定方法を実行する。こうしているのは、領域D1では、ドグ部作用トルクの絶対値がスティックトルクSTr3よりも大きく、係合要素72がストロークしないため、ストローク変化を検出できないからである。よって、領域D1では、ストローク検出が不要である第2のトルク符号判定方法を実行する。
一方、ドグ部作用トルクの絶対値がスティックトルクSTr3以下であり、且つドグ部作用トルクの絶対値が所定トルクTr31、Tr32の絶対値(例えば、0付近の比較的小さな値であり、以下では単に「所定トルクTr3」と表記する。)以上である領域D2では、第1のトルク符号判定方法を実行する。こうしているのは、領域D2では、ドグ部作用トルクによる解放ストローク時間の勾配が大きいからである。また、ドグ部作用トルクを比較的大きめに変化させることができるからである。よって、領域D2では、判定精度が高い第1のトルク符号判定方法を実行する。
一方、ドグ部作用トルクの絶対値が所定トルクTr3未満である領域D3では、第2のトルク符号判定方法を実行する。こうしているのは、領域D3では、ドグ部作用トルクが既に小さくなっており、ドグ部作用トルクを大きく変化させるべきではないからである。よって、領域D3では、ドグ部作用トルクを変化させないで判定を行うことが可能な第2のトルク符号判定方法を実行する。
なお、領域D2と領域D3との境界を規定する所定トルクTr3は、ドグ部作用トルクを比較的大きく変化させることが可能か否か(言い換えると、ドグ部作用トルクを大きく変化させても問題ないか否か)などを考慮に入れて設定される。また、所定トルクTr3は、ストローク力に応じたドグ部作用トルクと解放ストローク時間との関係ごとに設定される。
以上のように、ドグ部作用トルクの大きさに応じてドグ部作用トルクの符号の判定方法を切り替えることにより、当該判定の信頼性を向上させることができる。
(解放時間の調整方法)
次に、上記したように推定されたドグ部作用トルクに基づいて解放時間を調整する方法について説明する。本実施形態では、ECU4は、目標の解放ストローク時間(以下、「目標解放時間」とも呼ぶ。)へ収束させるために、推定されたドグ部作用トルクに基づいて、MGトルク及びエンジントルクの少なくとも一方を制御してドグ部作用トルクを調整したり、ストローク力を調整したりする制御を行う。つまり、ECU4は、推定されたドグ部作用トルクに基づいて、ドグ部作用トルクやストローク力を制御することで解放ストローク時間を調整することによって(言い換えるとストローク変化量を調整することによって)、目標解放時間への収束を図る。
具体的には、ECU4は、推定されたドグ部作用トルクに対応する解放ストローク時間と目標解放時間とを比較することによって、解放ストローク時間を長くしたり短くしたりする制御を行う。詳しくは、ECU4は、MGトルクを調整してドグ部作用トルクを小さくしたり、ストローク力を大きくしたりすることで、解放ストローク時間を短くする。これに対して、ECU4は、MGトルクを調整してドグ部作用トルクを大きくしたり、ストローク力を小さくしたりすることで、解放ストローク時間を長くする。このような制御を行うことにより、目標解放時間に適切に収束させることができ、解放時間のばらつきを低減することが可能となる。
図9は、ドグ部作用トルクに基づいた解放時間の調整の一例を示す図である。図9は、横軸に時間を示し、縦軸にストローク量を示している。ここでは、時刻t11において係合状態にあるものとする、つまりストローク量が「0」であるものとする。また、ECU4は、制御周期T10で制御を行うものとする。具体的には、制御周期T10ごとに判定を行って制御方法を変更する。更に、図9では、一定のストローク量で変化して目標解放時間(時刻t11から時刻t16までの時間)にて解放が完了した場合のグラフE5を、比較のために示している。なお、ストローク量が解放判定値に達した際に、解放が完了したと判定される。
図示のように、時刻t11から、初期のドグ部作用トルク及びストローク力に設定された状態にて、ストロークが行われている。つまり、成り行きで解放が行われている。この後、時刻t12でのストローク量が、対応するグラフE5でのストローク量を下回るため、時刻t12以降、矢印E1で示すように、解放ストローク時間を短くするための制御が行われる。具体的には、MGトルクを調整してドグ部作用トルクを小さくしたり、ストローク力を大きくしたりする制御が行われる。この後、時刻t13でのストローク量が、対応するグラフE5でのストローク量を上回るため、時刻t13以降、矢印E2で示すように、解放ストローク時間を長くするための制御が行われる。具体的には、MGトルクを調整してドグ部作用トルクを大きくしたり、ストローク力を小さくしたりする制御が行われる。
この後、時刻t14でのストローク量が、対応するグラフE5でのストローク量と概ね一致するため、時刻t14以降、矢印E3で示すように、時刻t13で設定された解放ストローク時間が維持される(つまり新たな調整は行われない)。この後、時刻t15でのストローク量が、対応するグラフE5でのストローク量を下回るため(つまり偏差が生じるため)、時刻t15以降、矢印E4で示すように、解放ストローク時間を修正する制御が再度行われる。具体的には、解放ストローク時間を短くするための制御が行われる。これにより、時刻t16でストローク量が解放判定値に達する。つまり、目標解放時間で解放完了する。
(推定失敗時の制御方法)
次に、ドグ部作用トルクの推定に失敗した場合に行われる制御について説明する。ストロークが早すぎて制御周期内でストローク完了した場合には、基本的には、ドグ部作用トルクを推定することができない。このような場合には、ECU4は、ドグ部作用トルクの絶対値が小さいためにドグ部作用トルクの推定に失敗したと判定する。そして、ECU4は、ドグ部作用トルクの絶対値が極小のため短時間で解放完了しているとして、解放後の制御へ移行させる。
一方、係合要素72がストロークしない場合やストローク停止した場合(スティックした場合)にも、基本的には、ドグ部作用トルクを推定することができない。このような場合には、ECU4は、ドグ部作用トルクの絶対値が大きい(例えば絶対値がスティックトルクよりも大きい)ためにドグ部作用トルクの推定に失敗したと判定する。そして、ECU4は、基本的には、前述した第2のトルク符号判定方法を実行してドグ部作用トルクの符号を判定し、ドグ部作用トルクの絶対値が減少する方向へMGトルクを調整して、ドグ部を解放するための制御を継続する。
ここで、ドグ部作用トルクの推定に失敗したと判定された場合において、上記のように第2のトルク符号判定方法によってドグ部作用トルクの符号を判定して、MGトルクを調整して制御を継続すると、次のステップでドグ部作用トルクがどのような値になるかを適切に把握することができないと言える。例えば、ストローク力が大きい状態で当該制御を実行すると、ドグ部作用トルクが大きい状態で解放してしまい、変速ショック(解放時のショック)が生じてしまう可能性がある。
したがって、本実施形態では、ECU4は、このような変速ショックを抑制するために、ドグ部作用トルクの絶対値が大きいためにドグ部作用トルクの推定に失敗したと判定された場合に、変速ショックが許容範囲内となるようにストローク力を低減させる。これにより、所定以上のトルク誤差がある場合に解放してしまうことを防止することができる。また、もし解放されても変速ショックの発生を抑制することができる。
図10は、ドグ部作用トルクの絶対値が大きいためにドグ部作用トルクの推定に失敗したと判定された場合に行われる、ストローク力を低減させる制御を説明するための図である。図10は、横軸にドグ部作用トルクを示しており、縦軸に解放ストローク時間を示している。図10には、ストローク力が比較的大きい場合のグラフF1と、ストローク力が比較的小さい場合のグラフF2とを示している。また、図10中のトルクTr43は、人間が変速ショックを許容できるようなレベルのドグ部作用トルクに相当する。
グラフF1に対応するストローク力に設定されている場合、ドグ部作用トルクが「Tr41」である際にはストロークしないが、ドグ部作用トルクが「Tr42」になるとストロークして解放することとなる。ドグ部作用トルクTr42はドグ部作用トルクTr43よりも絶対値において大きいため、このドグ部作用トルクTr42で解放すると、許容レベルを超える変速ショックが生じる場合がある。したがって、本実施形態では、このような変速ショックの発生を抑制するために、ECU4は、変速ショックが許容範囲内となるようにストローク力を低減させる。例えば、ECU4は、絶対値においてドグ部作用トルクTr43未満でないと解放しないようなグラフF2に対応するストローク力にまで低減させる。
このようにストローク力を低減させることにより、所定以上のトルク誤差がある場合に解放してしまうことを防止することができると共に、解放した場合にも変速ショックの発生を抑制することができる。
なお、ドグ部作用トルクの絶対値が大きいためにドグ部作用トルクの推定に失敗したと判定された場合において、上記したようなストローク力を低減させる制御を行う代わりに、ストローク力を調整して解放を完了させる制御を行っても良い。つまり、変速ショックの抑制よりも、解放完了を優先させても良い。例えば、加速時や、変速要求が高い場合や、エンジン低回転域の共振帯滞留で危険を回避する必要がある場合には、変速ショックを許容してでも変速すべき状況であると言えるので、ECU4は、変速ショックを抑制するための制御を実行しないで、ストローク力を調整して解放を完了させる制御を実行することができる。
次に、図11を参照して、ドグ部作用トルクの絶対値が小さいためにドグ部作用トルクの推定に失敗したと判定された場合に行われる制御について説明する。図11は、横軸にドグ部作用トルクを示しており、縦軸に解放ストローク時間を示している。矢印G1で示すように、解放ストローク時間が設定ストローク力における最小値付近であり、トルクの変動が大きい場合などには、ストローク時間差が小さかったり、バックラッシがふらついたりして、ドグ部作用トルクの符号を精度良く判定できないことが考えられる。
そこで、本実施形態では、ECU4は、解放ストローク時間が設定ストローク力における最小値付近であり、且つ、第2のトルク符号判定方法によってドグ歯における位相の正負の偏りが判別困難である場合に、ドグ部作用トルクの符号の判定が失敗したと判定する。そして、ECU4は、このような判定が行われた場合に、符号G2で示すように、ドグ部作用トルクに偏差をつけるようにMGトルクを発生させる制御を行う。具体的には、ECU4は、変速ショックが許容範囲内となるようなドグ部作用トルク(つまり、変速ショックを許容できるようなレベルのドグ部作用トルクTr51以下のトルク)であって、変動トルク振幅以上の変化を生じさせるようなドグ部作用トルクに変化させる。
これにより、変速ショックが発生しない範囲でドグ部作用トルクの符号の判定を行うことができる。また、ドグ部作用トルクの絶対値が大きくなるため、バックラッシのふらつきに起因する歯打ち音を低減することができる。なお、図11では、ドグ部作用トルクを減少させる方向にMGトルクを発生させる例を示したが、ドグ部作用トルクを増加させる方向にMGトルクを発生させても良い。
(摩擦係数の算出方法)
次に、ストローク動作時の摺動部分における摩擦係数を算出する方法について説明する。前述した制御・処理においては、ストローク動作する際の摺動部分の摩擦係数が不変という前提で、任意のストローク力における解放ストローク時間とドグ部作用トルクとの関係が一意に決まることを利用していた。しかしながら、機械部品の摩擦係数は、劣化や損傷、その他経時変化を起こすことが考えられる。
したがって、本実施形態では、このような摩擦係数の経時変化に対して対応するために、当該摩擦係数の学習を行う。具体的には、ECU4は、ストローク力を固定した状態で検出された解放ストローク時間の変化に基づいて、摩擦係数の学習が必要か否かを判定する。次に、ECU4は、摩擦係数の学習が必要と判定された場合に、MGトルクを付与させて所定のドグ部作用トルクを作用させた状態で係合要素72を解放ストローク動作させることにより、摺動部分の摩擦係数を算出する。次に、ECU4は、算出された摩擦係数を学習記憶する。これにより、摺動部分の摩擦係数の経時変化に対して、適切に対応することが可能となる。
図12は、摺動部分の摩擦係数の学習が必要か否かを判定する方法を説明するための図である。図12は、横軸にドグ部作用トルクを示しており、縦軸に解放ストローク時間を示している。図12中の領域H1は、基本となる解放ストローク時間の範囲を示している。つまり、摺動部分の摩擦係数が変化していない場合の解放ストローク時間の範囲に相当する。
このような領域H1を上回る解放ストローク時間が検出された場合、つまり領域H2内の解放ストローク時間が検出された場合、摩擦係数の変化が疑われるとして、摩擦係数の学習が必要であると判定される。この場合には、摺動部分の摩擦係数が大きくなっているものと考えられる。これに対して、領域H1を下回る解放ストローク時間が検出された場合、つまり領域H3内の解放ストローク時間が検出された場合、摩擦係数の変化が疑われるとして、摩擦係数の学習が必要であると判定される。この場合には、摺動部分の摩擦係数が小さくなっているものと考えられる。
なお、摩擦係数の学習が必要か否かの判定は、予め定めたタイミングで実行される。1つの例としては、前述したようなドグ部作用トルクの推定の実行時に実行される。他の例では、車両の停車中などに実行される。
図13は、摺動部分の摩擦係数の算出方法を説明するための図である。図13は、横軸にドグ部作用トルクを示しており、縦軸に解放ストローク時間を示している。具体的には、図13には、摩擦係数が変化していない場合のグラフJ1と、摩擦係数が変化した場合(摩擦係数が大きくなった場合)のグラフJ2とを示している。なお、領域H1、H2は、図12に示したものと同様である。
本実施形態においては、ECU4は、上記したように摩擦係数の学習が必要であると判定された場合、ドグブレーキ部7に未知トルクが作用していない状態で既知トルクのみを作用させて、係合要素72を解放ストローク動作させることで、摺動部分の摩擦係数を算出する。具体的には、ECU4は、MGトルクを利用して係合要素72に対して既知トルクを付与した状態でストローク動作させて、この際の解放ストローク時間を計測することで、摺動部分の摩擦係数を算出する。
例えば、ECU4は、MGトルクを利用することで発生させた所定のドグ部作用トルクTr6(既知トルク)と、予め決めておいたストローク力とを付与した状態で、係合要素72をストローク動作させることで、解放ストローク時間を計測する。この場合、解放ストローク時間の計測は、前述したドグ部作用トルクの推定で用いた方法によって行われる。そして、ECU4は、予め求めておいた解放ストローク時間と摩擦係数との関係(マップなど)を参照することで、計測された解放ストローク時間に対応する摩擦係数を得る。図13に示す例では、所定のドグ部作用トルクTr6を作用させた場合に解放ストローク時間T6が計測されるため、予め求めておいた解放ストローク時間と摩擦係数との関係から、当該解放ストローク時間T6に対応する摩擦係数が得られる。この場合には、元の摩擦係数(グラフJ1の関係が得られる摩擦係数)よりも大きな摩擦係数が得られる。
この後、ECU4は、得られた摩擦係数を学習記憶する。具体的には、ECU4は、得られた摩擦係数を最新の値として記憶し、以後、この最新の摩擦係数に対応するドグ部作用トルクと解放ストローク時間との関係(例えばグラフJ2)に従って前述したようなドグ部作用トルクの推定などを行う。
このように摩擦係数を学習記憶することにより、摺動部分の摩擦係数の経時変化に対して適切に対応することが可能となる。具体的には、摺動部分の摩擦係数が変化した場合にも、解放時間のばらつきを適切に低減することができる。
[制御処理]
次に、図14を参照して、本実施形態においてECU4が行う制御処理について説明する。図14は、ドグブレーキ部7を解放させる際に行われる処理を示すフローチャートである。この処理は、ECU4によって繰り返し実行される。
まず、ステップS101では、ECU4は、係合要素72に付与するストローク力を調整する処理を行う。具体的には、ECU4は、ドグ部作用トルクの推定の精度を向上させるべく、係合要素72に付与するストローク力を低減させる。例えば、ECU4は、予め定めたストローク力まで低減させる。この場合、ECU4は、ストローク力を変化可能に構成された構成部に対する制御を行う。そして、処理はステップS102に進む。
ステップS102では、ECU4は、ドグ部作用トルク(絶対値)の推定を行う。具体的には、ECU4は、上記のようにストローク力を調整した後において、係合要素72におけるストロークの変化量から解放ストローク時間を求め、求められた解放ストローク時間に基づいてドグ部作用トルクの推定を行う。詳しくは、ECU4は、ストローク量センサ40を利用して係合要素72のストローク変化量を検出して、当該ストローク変化量から解放ストローク時間を求める。そして、ECU4は、例えば予め求められたドグ部作用トルクと解放ストローク時間との関係(図5など参照)などに基づいて、求められた解放ストローク時間に対応するドグ部作用トルクを得る。このような処理後、処理はステップS103に進む。
ステップS103〜S105では、ECU4は、ステップS102で推定されたドグ部作用トルクが絶対値で得られるため、当該ドグ部作用トルクの符号(正負)を判定するための処理を行う。まず、ステップS103では、ECU4は、ドグ部作用トルクの大きさに応じて、第1のトルク符号判定方法を行うか否かを判定する。具体的には、ECU4は、推定されたドグ部作用トルクが、第1のトルク符号判定方法を実行すべきとして定めた領域(例えば、図6中の領域D2)内にあるか否かを判定する。詳しくは、推定されたドグ部作用トルクの絶対値が、スティックトルク以下であり且つ所定トルク以上であるか否かを判定する。
推定されたドグ部作用トルクが第1のトルク符号判定方法を実行すべきとして定めた領域内にある場合には、ECU4は、第1のトルク符号判定方法を行うべきと判定し(ステップS103;Yes)、処理はステップS104に進む。ステップS104では、ECU4は、第1のトルク符号判定方法を実行する。具体的には、ECU4は、MGトルクを付与させることでドグ部作用トルクを変化させた際の解放ストローク時間の変化(増減)から、ドグ部作用トルクの符号を判定する。この場合、ECU4は、解放ストローク時間の減少を単位時間当たりのストローク変化量の増加で検出し、解放ストローク時間の増加を単位時間当たりのストローク変化量の減少で検出する。そして、処理はステップS106に進む。
これに対して、推定されたドグ部作用トルクが第1のトルク符号判定方法を実行すべきとして定めた領域内にない場合には、ECU4は、第1のトルク符号判定方法を行うべきでないと判定し(ステップS103;No)、処理はステップS105に進む。ステップS105では、ECU4は、第2のトルク符号判定方法を実行する。具体的には、ECU4は、係合要素72におけるバックラッシ相当の位相変化量から、ドグ部作用トルクの符号を判定する。詳しくは、ECU4は、ドグ歯におけるバックラッシ相当の位相の偏りを回転センサ41で検出することにより、ドグ部作用トルクの符号を判定する。そして、処理はステップS106に進む。
ステップS106では、ECU4は、ドグブレーキ部7の解放が完了したか否かを判定する。具体的には、ECU4は、ストローク量センサ40の検出値に基づいて、係合要素72のストローク量が解放判定値に達したか否かを判定する。解放が完了している場合(ステップS106;Yes)、処理は終了する。これに対して、解放が完了していない場合(ステップS106;No)、処理はステップS107に進む。
ステップS107では、ECU4は、上記したように推定されたドグ部作用トルクに基づいて解放時間の調整を行う。具体的には、ECU4は、目標解放時間へ収束させるべく、推定されたドグ部作用トルクに基づいて、MGトルク及びエンジントルクの少なくとも一方を制御してドグ部作用トルクを調整したり、ストローク力を調整したりする制御を行う。つまり、ECU4は、推定されたドグ部作用トルクに基づいて、ドグ部作用トルクやストローク力を制御することで解放ストローク時間を調整することによって(言い換えるとストローク変化量を調整することによって)、目標解放時間への収束を図る。例えば、ECU4は、MGトルクを調整してドグ部作用トルクを小さくしたり、ストローク力を大きくしたりすることで、解放ストローク時間を短くする。これに対して、ECU4は、MGトルクを調整してドグ部作用トルクを大きくしたり、ストローク力を小さくしたりすることで、解放ストローク時間を長くする。ステップS107の処理が終了すると、処理はステップS102に戻り、上記したような処理を再度実行する。
以上説明した処理によれば、解放時間のばらつきを低減することができると共に、変速ショックを低減することができる。
[変形例]
上記では、ストローク量センサ40を用いて係合要素72のストローク量を検出する例を示したが、ストローク量センサ40の代わりに接点スイッチを用いてストローク量を取得しても良い。更に他の例では、回転センサ41が検出する位相情報から、ストローク量を取得することとしても良い。この方法は、ストローク量が変化することに伴う物理量の変化を検出することに相当する。例えばドグ歯の接触面に勾配をつけた場合などには、回転センサ41で検出される位相情報でもストローク量情報と同等の情報として利用でき、制御構築が可能であるからである。
また、上記では、回転センサ41によって位相変化を検出する例を示したが、これに限定はされない。他の例では、回転センサ41を用いずに、第1のモータジェネレータMG1における位相(レゾルバより取得される)及び第2のモータジェネレータMG2における位相(レゾルバより取得される)に基づき、ギア比より、このような位相変化を求めることができる。
また、本発明は、ドグ部作用トルクが付与されて回転可能に構成された被係合要素71と、ストローク可能に構成された係合要素72とを備えてなるドグブレーキ部7に対する適用に限定されない。本発明は、ドグ部作用トルクが付与されて回転可能に構成されると共にストローク可能に構成された被係合要素を有するドグブレーキ部に対しても適用可能である。つまり、回転要素がストローク可能に構成されたタイプのドグブレーキ部に対しても適用可能である。
また、本発明は、回転可能に構成された被係合要素71と、回転不能に構成された係合要素72とを備えてなるドグブレーキ部7に対する適用に限定されない。つまり、回転要素と固定要素とを備え、ブレーキとしての役割を果たす噛合機構に対する適用に限定されない。本発明は、両方の要素が回転可能に構成された噛合機構に対しても適用可能である。つまり、回転要素同士を噛み合わせるように構成されたクラッチ(ドグクラッチ)としての役割を果たす噛合機構に対しても適用可能である。例えば、本発明は、回転要素同士を噛み合わせるように構成された噛合機構を利用する、マルチモードにて変速を行うハイブリッド車両に対しても適用することができる。
更に、本発明は、係合要素及び被係合要素のいずれか一方にモータジェネレータが連結された構成に適用は限定されず、係合要素及び被係合要素の両方にモータジェネレータが連結された構成にも適用することができる。
実施形態によるハイブリッド車両の概略構成を示す。 モータジェネレータ及び動力伝達機構の構成を示す。 動力分配機構の固定変速比モードにおける共線図を示す。 ドグブレーキ部の模式図を示す。 ドグ部作用トルクの推定方法を説明するための図である。 ドグ部作用トルクの推定精度を向上させるために行う制御を説明するための図である。 第1のトルク符号判定方法を説明するための図である。 ドグ部作用トルクの大きさに応じて、トルクの符号判定方法を切り替える方法を説明するための図である。 ドグ部作用トルクに基づいた解放時間の調整の一例を示す図である。 ドグ部作用トルクの絶対値が大きいために、推定に失敗したと判定された場合に行われる制御を説明するための図である。 ドグ部作用トルクの絶対値が小さいために、推定に失敗したと判定された場合に行われる制御を説明するための図である。 摩擦係数の学習が必要か否かを判定する方法を説明するための図である。 摩擦係数の算出方法を説明するための図である。 ドグブレーキ部を解放させる際に行われる処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
3 出力軸
4 ECU
7 ドグブレーキ部
20 動力分配機構
31 インバータ
32、34 コンバータ
33 HVバッテリ
40 ストローク量センサ
41 回転センサ
71 被係合要素
72 係合要素
MG1 第1のモータジェネレータ
MG2 第2のモータジェネレータ

Claims (7)

  1. 複数のドグ歯が設けられた係合要素及び被係合要素を有し、前記係合要素及び前記被係合要素の少なくともいずれかのドグ歯をストロークさせることで係合/解放を行う噛合機構を備える車両の駆動制御装置であって、
    前記噛合機構の係合動作時及び解放動作時において、前記ドグ歯におけるストロークの変化量から前記解放に要する時間を求め、求められた前記解放に要する時間から前記ドグ歯に作用するトルクを推定するトルク推定手段を備えることを特徴とする車両の駆動制御装置。
  2. 前記トルク推定手段は、前記ストローク方向に作用させる力を、前記トルクの推定を行う前よりも低減させてから、前記トルクの推定を行う請求項1に記載の車両の駆動制御装置。
  3. 前記係合要素及び前記被係合要素の少なくともいずれかにモータジェネレータが連結されており、
    前記モータジェネレータからトルクを付与させることで前記ドグ歯に作用するトルクを変化させた状態での前記ストロークの変化量から、前記トルク推定手段によって推定された前記ドグ歯に作用するトルクの正負を判定する第1のトルク符号判定方法を実行するトルク符号判定手段を更に備える請求項1又は2に記載の車両の駆動制御装置。
  4. 前記トルク符号判定手段は、前記トルク推定手段によって推定された前記ドグ歯に作用するトルクの大きさに応じて、前記第1のトルク符号判定方法と、前記ドグ歯におけるバックラッシ相当の位相変化量から前記ドグ歯に作用するトルクの正負を判定する第2のトルク符号判定方法とを切り替えて、前記トルク推定手段によって推定された前記ドグ歯に作用するトルクの正負を判定する請求項3に記載の車両の駆動制御装置。
  5. 前記トルク推定手段が前記ストロークの変化量を検出できなかった場合に、前記解放時におけるショックが許容範囲内となるように、前記ストローク方向に作用させる力を低減させる手段を更に備える請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両の駆動制御装置。
  6. 前記係合要素及び前記被係合要素の少なくともいずれかにモータジェネレータが連結されており、
    前記モータジェネレータからトルクを付与させて前記ドグ歯に所定トルクを作用させた状態で、前記ドグ歯をストロークさせることにより、前記ストローク時における摺動部分の摩擦係数を算出する摩擦係数算出手段を更に備える請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両の駆動制御装置。
  7. 内燃機関と、第1のモータジェネレータと、前記内燃機関及び前記第1のモータジェネレータが連結されると共に前記噛合機構が連結された動力分配機構と、駆動軸に接続された第2のモータジェネレータと、を具備し、前記噛合機構の解放/係合を行うことで無段変速モードと固定変速比モードとの間で変速モードの切り替えを行うハイブリッド車両に適用される請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車両の駆動制御装置。
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