JP5035034B2 - クラッチ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電磁アクチュエータを駆動させることにより電磁クラッチの係合制御を行うクラッチ制御装置に関する。
電磁アクチュエータを駆動することによりクラッチの係合及び解放を制御する電磁クラッチが知られている。電磁クラッチにおいては、一定以上のトルクが継続的に作用すると、電磁クラッチが加熱状態となるという問題がある。このため、電磁クラッチの温度を検出又は推定することが要求される。
クラッチの温度推定に関し、特許文献1には、クラッチの回転数速度差とクラッチ伝達トルクにより電子制御クラッチに加わる入力エネルギーを算出し、入力エネルギーの大きさに応じてクラッチ温度の変動を予測し、クラッチ推定温度を算出する手法が記載されている。
なお、特許文献2には、クラッチの係合時に大電流を印加し、クラッチの保持時には小電流に切り換えるクラッチの制御方法が記載されている。
特開2002−168270号公報 特開平5−157129号公報
特許文献1に記載のクラッチ温度推定装置では、クラッチ部の温度を推定することはできるが、電磁アクチュエータ内部の電磁コイル部の温度を検出、推定することはできない。一方、電磁コイル部の温度検出のために専用の温度センサを設けることは、コストの上昇を招く。なお、特許文献2のクラッチ制御装置では、特に温度上昇に関する考慮は見られない。
本発明は、温度センサを設けることなく、かつ、クラッチの係合・解放動作に支障を与えることなく、電磁アクチュエータ内の電磁コイルの温度を推定することを目的とする。
本発明の1つの観点では、コイルを有する電磁アクチュエータを制御することにより電磁クラッチの係合を制御するクラッチ制御装置は、前記電磁アクチュエータをフィードバック制御することにより前記電磁クラッチの係合制御を行う係合制御手段と、コイルの温度を推定する場合は、フィードバック制御をフィードフォワード制御に切り換えて前記コイルの温度を推定するコイル温度推定手段と、を備える。
上記のクラッチ制御装置は、コイルを有する電磁アクチュエータにより、相互に係合する係合部を備える電磁クラッチの係合及び解放を制御する。電磁アクチュエータは、コイルに通電することにより駆動され、電磁クラッチの係合部を移動させて係合及び解放を行う。係合制御手段は、電磁アクチュエータをフィードバック制御することにより、電磁クラッチの係合及び解放の制御を行う。また、コイル温度推定手段は、電磁アクチュエータをフィードフォワード制御する間に、コイルの温度を推定する。
上記のクラッチ制御装置の一態様では、前記コイル温度推定手段は、前記コイルへの通電電流値を計測する電流値計測手段と、フィードフォワード制御中に前記コイルに印加する印加電圧値を算出する電圧値算出手段と、前記通電電流値及び前記印加電圧値に基づいて前記コイルの抵抗値を算出し、当該抵抗値に基づいて前記コイルの温度を推定する推定手段と、を備える。
この態様では、例えば電流センサなどにより構成される電流値計測手段によりコイルへの通電電流値が計測される。また、フィードフォワード制御中のコイルへの印加電圧値が算出される。コイルの通電電流値と、印加電圧値とに基づいて当該コイルの抵抗値が算出される。コイルの抵抗値は、コイルの温度の関数となるので、算出された抵抗値に基づいて、コイルの温度が推定される。
上記のクラッチ制御装置の他の一態様では、前記コイル温度推定手段が前記電磁アクチュエータをフィードフォワード制御している間に、前記電磁クラッチを回転させて当該電磁クラッチの係合状態を確認する係合確認手段を備える。これにより、コイルの温度を推定するのと並行して、電磁クラッチの係合を確認することができる。
上記のクラッチ制御装置の他の一態様では、前記係合制御手段は、前記コイル温度推定手段による温度推定後は、前記電磁クラッチの係合状態を維持するのに必要な保持電流値を目標電流値として前記フィードバック制御を実行する。これにより、クラッチの係合が完了した後は、係合状態を維持するのに必要な保持電流値により係合が維持されるので、クラッチの係合を維持するための消費エネルギーを節約することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[ハイブリット車両の動力伝達機構の構成]
図1に本発明のクラッチ制御装置を適用したハイブリッド車両の動力伝達機構の概略構成を示す。図1の例は、機械分配式2モータ型と称されるハイブリッド車両であり、エンジン1、第1のモータジェネレータMG1、第2のモータジェネレータMG2、動力分配機構20を備える。動力源に相当するエンジン1と、動力源及び回転数制御機構に相当する第1のモータジェネレータMG1とが動力分配機構20に連結されている。動力分配機構20の出力軸3には、MG2変速部6を介して、駆動トルク又はブレーキ力のアシストを行うための副動力源である第2のモータジェネレータMG2が連結されている。さらに、出力軸3は最終減速機8を介して左右の駆動輪9に連結されている。第1のモータジェネレータMG1と第2のモータジェネレータMG2とは、バッテリー、インバータ、又は適宜のコントローラ(図示せず)を介して、もしくは直接的に電気的に接続され、第1のモータジェネレータMG1で生じた電力で第2のモータジェネレータMG2を駆動するように構成されている。
エンジン1は燃料を燃焼して動力を発生する熱機関であり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。第1のモータジェネレータMG1はエンジン1からトルクを受けて回転することにより主として発電を行うものであり、発電に伴う反力トルクが作用する。第1のモータジェネレータMG1の回転数を制御することにより、エンジン1の回転数が連続的に変化する。このような変速モードを「無段変速モード」という。無段変速モードは、後述する動力分配機構20の差動作用により実現される。
第2のモータジェネレータMG2は、駆動トルク又はブレーキ力を補助(アシスト)する装置である。駆動トルクをアシストする場合、第2のモータジェネレータMG2は電力の供給を受けて電動機として機能する。一方、ブレーキ力をアシストする場合には、第2のモータジェネレータMG2は、駆動輪9から伝達されるトルクにより回転させられて電力を発生する発電機として機能する。
図2は、図1に示す第1及び第2のモータジェネレータMG1及びMG2、噛合い式の電磁クラッチ70、並びに動力分配機構20の構成例を示す。
動力分配機構20は、エンジン1の出力トルクを第1のモータジェネレータMG1と出力軸3とに分配する機構であり、差動作用を生じるように構成されている。具体的には複数組の差動機構を備え、互いに差動作用を生じる4つの回転要素のうち、第1の回転要素にエンジン1が連結され、第2の回転要素に第1のモータジェネレータMG1が連結され、第3の回転要素に出力軸3が連結され、第4の回転要素に電磁クラッチ70が接続される。電磁クラッチ70を解放した状態では、第1のモータジェネレータMG1の回転数を連続的に変化させることによりエンジン1の回転数が連続的に変化し、無段変速モードが実現される。一方、電磁クラッチ70を係合して第4の回転要素を固定すると、動力分配機構20により決定される変速比がオーバードライブ状態(即ち、エンジン回転数が出力回転数より小さくなる状態)に固定され、固定段変速モードが実現される。本発明の電磁クラッチ制御装置は、この電磁クラッチ70の制御を行う。
本実施形態では、図2に示すように、動力分配機構20は、2つの遊星歯車機構を組み合わせて構成される。第1の遊星歯車機構はリングギヤ21、キャリア22、サンギヤ23を備え、第2の遊星歯車機構はリングギヤ25、キャリア26、サンギヤ27を備える。
エンジン1の出力軸2は第1の遊星歯車機構のキャリア22に連結され、そのキャリア22は第2の遊星歯車機構のリングギヤ25に連結されている。これらが第1の回転要素を構成する。第1のモータジェネレータMG1のロータ11は第1の遊星歯車機構のサンギヤ23に連結され、これらが第2の回転要素を構成している。
第1の遊星歯車機構のリングギヤ21と第2の遊星歯車機構のキャリア26は相互に連結されているとともに出力軸3に連結されている。これらが第3の回転要素を構成している。また、第2の遊星歯車機構のサンギヤ27は第4の回転要素に対応し、電磁クラッチ70の一対のドグ歯71及び72のうち、ドグ歯72に連結している。
図3は電磁クラッチ70の構成を模式的に示す。この例では、電磁クラッチ70は、電磁アクチュエータ60と、互いに噛合わされる一対のドグ歯71及び72とを備える。ドグ歯71は固定部を構成し、ドグ歯72は回転部を構成する。各ドグ歯71及び72はそれぞれ複数の歯75を備える。
電磁アクチュエータ60は、後述する電磁アクチュエータ駆動回路から出力される信号に基づいて駆動制御され、回転部側のドグ歯71を矢印122方向に移動させて、固定部側のドグ歯72と噛合わせて係合させると共に、回転部側のドグ歯71を矢印122と逆方向に移動させて固定部側のドグ歯72との係合を解放する。
図4に電磁クラッチ70の構成例を示す。電磁アクチュエータ60は、シャフト61と、滑り軸受け62と、金属素材等にて形成された一対のプランジャ63、64と、ヨーク65と、コイル66と、復帰バネ67と、ケース68と、を有する。
シャフト61の外周面の少なくとも一部には、一方のプランジャ63を他方のプランジャ64に係合させる方向及びその逆方向(矢印Y1方向)に移動させるための滑り軸受け62が設けられている。一方のプランジャ63は、滑り軸受け62に取り付けられている。他方のプランジャ64は、一方のプランジャ63と係合する形状を有し、一方のプランジャ63と対向した状態でケース68の内側に取り付けられている。ヨーク65は、例えば磁性体であり、一対のプランジャ63、64の外側に配置されている。ヨーク65の一部は、一対のプランジャ63の一部と当接している。コイル66は、ヨーク65と、一対のプランジャ63、64との間に配置され、コイル66には電磁アクチュエータ駆動回路を通じて電力が供給される。復帰バネ67は、一方のプランジャ63の一部とケース68の内側との間に位置するシャフト61に取り付けられ、一方のプランジャ63を他方のプランジャ64から引き離す方向に作用させる押しバネである。ケース68は、車体などに固定されており、シャフト61、滑り軸受け62、一対のプランジャ63、64、ヨーク65、コイル66、復帰バネ67を夫々収容している。
上述のように、電磁クラッチ70を解放(オフ)状態とすると無段変速モードとなる。具体的には、第1の回転要素であるキャリア22にエンジン1の出力トルクが作用し、第2の回転要素であるサンギヤ23に第1のモータジェネレータ23による反力トルクが作用するので、第3の回転要素である出力軸3及び第4の回転要素であるサンギヤ27にはエンジン1と同方向に回転するトルクが作用する。この場合、第1のモータジェネレータMG1の回転数変化に応じてエンジン1の回転数が変化し、無段変速モードでの運転が行われる。
一方、電磁クラッチ70を係合(オン)状態とすると固定段変速モードとなる。具体的には、第4の回転要素であるサンギヤ27の回転を止めると、エンジン1の回転に対して電磁クラッチ70により反力トルクを与えることになるので、第1のモータジェネレータMG1はいわゆる空転状態となる。その結果、動力分配機構20の構成によって定まる変速比に固定され、固定段変速モードでの運転が行われる。
[電磁アクチュエータ駆動回路]
図5に、電磁アクチュエータ60を駆動する駆動回路100の構成例を示す。本例の駆動回路100は、PWM(パルス幅変調)により電磁アクチュエータ60を駆動する。駆動回路100は、電磁クラッチ70の係合及び解放の制御の際(以下、まとめて「係合制御時」とも呼ぶ。)には電流フィードバック制御(以下、「FB制御」と呼ぶ。)により電磁アクチュエータ60を制御する。また駆動回路100は、電磁アクチュエータ60内部のコイル66の温度推定の際(以下、「温度推定時」とも呼ぶ。)には電流フィードフォワード制御(以下、「FF制御」と呼ぶ。)により電磁アクチュエータ60を制御する。
具体的に、電磁アクチュエータ60の係合制御時には、ECU30はFB制御用PWM信号を出力する。このFB制御用PWM信号は、FB制御の目標電流値に相当する。平均化回路31はFB制御用PWM信号を平均化し、目標電流値に対応する電圧を差動増幅器33へ出力する。差動増幅器33には、後述する差動増幅器41から、コイル66に対する現在の通電電流値に相当する電圧が入力される。差動増幅器33は、ECU30から与えられたFB制御用PWM信号(即ち、目標電流値)に対応する電圧と、現在の通電電流値に対応する電圧との差分を比較器34へ供給する。比較器34は、差動増幅器33の出力と、三角波発生回路32が生成した三角波とに基づいてコイル66への通電電流値を示すPWM信号を生成し、切換スイッチ35へ供給する。
図示のように、電源(Vcc)とグランド(GND)との間には、スイッチング素子(トランジスタ素子)36、コイル(電磁コイル)66、抵抗40が直列接続されている。また、切換スイッチ35の出力は、スイッチング素子36のベースに入力されている。
電磁アクチュエータ60の係合制御中は、切換スイッチ35は、ECU30から供給される切換指令に基づいて比較器34の出力をスイッチング素子36へ供給する。これにより、スイッチング素子36は、比較器34が出力するPWM信号がハイレベルの期間だけオンとなり、電磁アクチュエータ60のコイル66に通電する。
コイル66の一端には電流センサ38が設けられている。電流センサ38は、コイル66に対する通電電流値を検出し、増幅器39を介してECU30へ供給する。こうして、ECU30はコイル66の通電電流値を取得する。また、コイル66は抵抗40を介して接地されており、抵抗40と並列に差動増幅器41が設けられている。差動増幅器41は、抵抗40の両端の電位差をECU30へ供給するとともに、差動増幅器33へ供給する。
一方、電磁アクチュエータ60内のコイル66の温度推定時には、ECU30は、FF制御中の目標電流値としてFF制御用PWM信号を切換スイッチ35へ供給する。FF制御中の目標電流値は一定量に設定される。切換スイッチ35は、ECU30からの切換指令により、FF制御用PWM信号をスイッチング素子36に供給し、スイッチング素子36をオン/オフする。FF制御中も、ECU30は電流センサ38の出力をコイル66への通電電流値として取得する。
また、FF制御中にコイルの温度を推定するために、ECU30はFF制御用PWN信号のデューティ比に基づいて、コイル66に印加される印加電圧値を算出する。そして、ECU30は、その印加電圧値と、電流センサ38から得られるコイル66の通電電流値とに基づいて、コイル66の抵抗値を算出する。こうして得られるコイル66の抵抗値はコイル66の温度の関数となるので、ECU30は、算出されたコイル66の抵抗値に基づいてコイル66の温度を推定する。具体的には、コイル66の抵抗値と温度との関係を示すマップを予め用意しておき、ECU30は、そのマップを参照して、コイル66の抵抗値からコイル66の温度を推定する。
このように、電磁アクチュエータ60をFF制御している間にコイル66の温度推定を行う理由は以下の通りである。上述のように、コイル66の温度は、コイル66の抵抗値の関数と考えることができ、コイル66の抵抗値を求めることができれば、コイル66の温度を推定することができる。コイル66の抵抗値を求めるためには、コイル66の印加電圧値と通電電流値とが必要となる。ここで、電磁アクチュエータ60をFB制御しているときでもFF制御しているときでも、ECU30は電流センサ38によりコイル66の通電電流値を得ることができる。しかし、電磁アクチュエータ60をFB制御しているときには、コイル66の印加電圧値はFB制御により変動するので、印加電圧を検出するためのセンサなどが必要となる。これに対し、電磁アクチュエータ60をFF制御しているときには、ECU30は制御の目標電流値に相当するFF制御用PWM信号のデューティ比に基づいてコイル66の印加電圧値を算出することができるので、印加電圧値の測定のためにセンサなどを設ける必要がない。そこで、本実施形態では、電磁アクチュエータ60をFF制御している間にコイル66の温度を推定することとしている。
次に、電磁アクチュエータ60の制御例を説明する。図6は、駆動回路100による電磁アクチュエータ60の制御例を示すタイミングチャートである。図6において、横軸は時間であり、縦軸には電磁アクチュエータ60の出力状態、スイッチング素子36の出力波形、電磁アクチュエータ60の制御モード、及び、コイル66の通電電流波形を示す。
図6において、時刻t0〜t7の期間に渡り電磁アクチュエータ60の出力状態はオン状態であり、電磁アクチュエータ60が動作して電磁クラッチ70は係合状態にある。一方、時刻t7以降、電磁アクチュエータ出力状態はオフ状態であり、電磁クラッチ70は解放状態にある。
スイッチング素子出力波形は、スイッチング素子36をオン/オフするPWM信号波形を示しており、このPWM信号波形のデューティ比によりコイル66への印加電圧値が規定される。本例では、電磁クラッチ70を係合させるために電磁アクチュエータ60を駆動する状態(以下、「作動状態」と呼ぶ。)では、デューティ比は80%に設定されている。よって、作動状態では、所定の電源電圧Vccの80%の電圧がコイル66に印加される。一方、一旦係合した電磁クラッチ70を係合したまま維持する状態(以下、「保持状態」と呼ぶ。)では、デューティ比は20%に設定されている。よって、作動状態では、電源電圧Vccの20%の電圧がコイル66に印加される。
電磁アクチュエータ制御モードは、駆動回路100により電磁アクチュエータ60がFB制御されているか、FF制御されているかを示している。通常は、電流の追従性を重視し、電磁アクチュエータ60はFB制御される。図6の例では、時刻t0から電磁アクチュエータ60は、作動状態の目標電流値I1(以下、「作動電流値」と呼ぶ。)を目標としてFB制御される。これにより、コイル66の通電電流値は作動電流値I1に向かって増加する。そして、コイル66の通電電流値が所定電流値範囲内に安定した状態が規定時間TP1以上継続したときに(時刻t1)、ECU30はFB制御をFF制御に切り換え、コイル66の温度推定を行う。なお、「所定電流値範囲」とは、保持状態の電流値I2(以下、「保持電流値」と呼ぶ。)よりも所定量以上大きい電流値の範囲を言う。
前述のように、FF制御中は、ECU30は、目標電流値に相当するPWM信号のデューティ比に基づいて、コイル66への印加電圧値を算出する。また、ECU30は、電流センサ38によりコイル66の通電電流値を検出する。具体的には、ECU30は、図6のコイル通電電流波形中の破線Pで示す安定期間SPの電流値を通電電流値として検出する。そして、ECU30は、コイル66の印加電圧値と通電電流値とに基づいてコイル66の抵抗値を算出し、算出した抵抗値に基づいて、マップなどを参照してコイル66の温度を推定する。
なお、図6において、時刻t1〜t2の間のコイル通電電流波形の変化(低下)分ΔXは、コイル66の温度上昇によるものである。即ち、FF制御中にコイルの印加電圧が所定の電圧値に維持された状態でコイル66の温度が上昇すると、コイル66の抵抗値が増加し、コイル66の通電電流は低下する。
こうして、コイル66の温度推定処理が終了すると、ECU30は電磁アクチュエータ60の制御モードをFB制御に戻し、かつ、目標電流値を保持電流値I2に設定する(時刻t2〜t4)。これにより、コイル通電電流波形は、保持電流値I2まで徐々に低下し(時刻t3)、その後は保持電流値I2を維持する。これにより、電磁クラッチ70の係合状態が維持される。
こうして、電磁クラッチ70が保持状態に維持された後、規定時間TP2が経過すると、ECU30は再度コイル66の温度推定を行う。具体的には、規定時間TP2が経過した時刻t4において、ECU30はFB制御の目標電流値を保持電流値I2から作動電流値I1へと変更する。これにより、コイル66の通電電流値は増加する。そして、コイル66の通電電流値が作動電流値近傍になると(時刻t5)、ECU30は電磁アクチュエータ制御モードをFB制御からFF制御に切り換え(時刻t5)、時刻t1〜t2の期間と同様にコイル66の温度推定を行う。そして、コイル66の温度推定が終了すると、ECU30は再び電磁アクチュエータ制御モードをFB制御に変更し、かつ、その目標電流値を保持電流値I2に設定する(時刻t6)。
以上のように、本実施形態では、ECU30は目標電流値を作動電流値とする電流FB制御により電磁クラッチ70を係合させた後、コイル66の通電電流値が所定電流値範囲内で安定したときに(時刻t1)、電磁アクチュエータ制御モードをFF制御に切り換え、コイル66の温度推定を行う。この際、FF制御に切り換えることにより、その時のコイル66の印加電圧値を、目標電流値に対応するFF制御用PWM信号のデューティ比に基づいて算出することができ、印加電圧値を検出するセンサなどを設けることなくコイル66の温度推定を行うことができる。また、温度推定の終了後は、FB制御の目標電流値を保持電流値まで下げることにより、消費エネルギーを節約することができる。
また、コイル66の温度推定は、図6の時刻t1〜t2のように電磁クラッチ70の係合直後に実行することに加えて、時刻t5〜t6のように電磁クラッチ70の係合状態が一定時間以上続く場合にも定期的に実行される。この場合には、電磁クラッチ70が係合した状態のまま、目標電流値を保持電流値から上昇させ(例えば作動電流値まで)、その後、電磁アクチュエータ制御モードをFF制御に切り換えて同様の温度推定処理を実行する。これにより、電磁クラッチ70の係合状態が長く続く場合には、定期的にコイル66の温度をチェックすることができる。
また、上記の温度推定制御期間において、さらに電磁クラッチ70の係合確認制御を実行してもよい。具体的には、ECU30は、温度推定制御期間において、コイル66の温度推定を行うのと並行して、電磁クラッチ70を構成するドグ歯72を回転させる方向にトルクを与え(回転の正方向及び逆方向へトルクを交互に与える)、電磁クラッチ70の係合状態を確認する。電磁クラッチ70が正しく係合していれば回転方向にトルクを変化させたときのドグ歯72の回転角は所定値以下となるが、電磁クラッチ70が外れている場合はドグ歯72の回転角は所定値より大きくなる。これにより電磁クラッチ70の係合確認が可能となる。
このような電磁クラッチ70の係合確認は、電磁クラッチ70の回転方向にトルクを付与するものであり、電磁クラッチ70の軸方向(図3の矢印122の方向)にトルクを付与するものではないので、コイル66の温度推定処理に影響を与えることはなく、温度推定と同時に実行することができる。また、この係合確認処理を電磁クラッチ70の保持状態で実行すると、回転方向にトルクを付与した際に電磁クラッチ70が外れる恐れがある。これに対し、温度推定制御期間に実行することとすれば、電磁クラッチ70は作動状態にあるので、係合確認のためのトルク付与により電磁クラッチ70の係合が外れる恐れはない。
図7は、電磁クラッチ係合制御のフローチャートである。この制御は、主としてECU30により実行される。
まず、ECU30は、電磁クラッチ70が解放状態であるか否かを判定する(ステップS101)。解放状態でない場合、即ち、電磁クラッチ70が係合状態である場合(ステップS101;No)、ステップS101が繰り返される。一方、電磁クラッチ70が解放状態である場合(ステップS101;Yes)、ECU30は電磁アクチュエータ60が正常であるか否かを判定する(ステップS102)。電磁アクチュエータ60が正常でない場合(ステップS102;No)、電磁クラッチ70を係合させることはできないので、処理はステップS101へ戻る。一方、電磁アクチュエータ60が正常である場合(ステップS102;Yes)、ECU30は、電磁クラッチ70の係合指示フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS103)。ここで、電磁クラッチ70の係合指示フラグがオンである場合とは、電磁クラッチ70を係合することにより、固定段モードでの走行が要求されている場合である。
電磁クラッチ70の係合指示フラグがオンでない場合(ステップS103;No)、処理はステップS101へ戻る。一方、電磁クラッチ70の係合指示フラグがオンである場合(ステップS103;Yes)、ECU30は電磁アクチュエータ制御モードをFB制御に設定し、電磁クラッチ70を作動状態とするために目標電流値を作動電流値とする(ステップS104)。
次に、ECU30は、コイル66の通電電流値が所定電流値範囲内にあるか否かを判定する(ステップS105)。前述のように、「所定電流値範囲」とは、電磁クラッチ70の保持電流より規定電流以上の余裕がある電流値の範囲を言う。これは、保持電流より規定電流以上の余裕がある場合のみ、コイル66の温度推定を行うためである。
コイル66の通電電流値が所定電流値範囲外である場合(ステップS105;No)、処理はステップS104へ戻る。一方、コイル66の通電電流値が所定電流値範囲内である場合(ステップS105;Yes)、ECU30はその状態が規定時間TP1以上経過したか否かを判定する(ステップS106)。規定時間TP1未満である場合、処理はステップS104へ戻る。一方、規定時間TP1以上経過した場合(ステップS106;Yes)、ECU30は電磁アクチュエータ制御モードをFF制御に切り換え、前述の方法でコイル66の温度推定を行う(ステップS107)。即ち、コイルの温度を推定する場合は、FB制御をFF制御に切り換えてコイルの温度を推定する。さらに、ECU30は、電磁クラッチ70の係合確認を行う(ステップS108)。係合確認結果が正常でない場合(ステップS108;No)、処理はステップS104へ戻る。
一方、係合確認結果がOKである場合(ステップS108;Yes)、ECU30は電磁アクチュエータが正常であるか否かを判定する(ステップS109)。具体的には、ECU30は、ステップS107で行われた温度推定により得られたコイル66の温度が正常な温度範囲にあるか否かを判定する。電磁アクチュエータ60が正常でない場合(ステップS109;No)、電磁クラッチ70の係合を維持させることはできないので、ECU30は電磁クラッチ70を解放し(ステップS110)、処理はステップS101へ戻る。
一方、電磁アクチュエータ60が正常である場合(ステップS109;Yes)、ECU30は電磁アクチュエータ制御モードをFB制御に変更し(ステップS111)、目標電流値として保持電流値を設定する(ステップS112)。
次に、ECU30は、ステップS111で電磁アクチュエータ制御モードをFB制御に変更してから規定時間TP2が経過したか否かを判定する(ステップS113)。規定時間TP2が経過していない場合(ステップS113;No)、処理はステップS112へ戻り、電磁クラッチ70の保持状態を継続する。一方、規定時間TP2が経過している場合(ステップS113;Yes)、ECU30は目標電流値を作動電流値に変更し(ステップS114)、電磁アクチュエータ制御モードをFF制御に切り換えるとともに、コイル66の温度推定を行う(ステップS115)。なお、規定時間TP2が経過している場合とは、電磁クラッチ70の係合状態が一定時間以上継続している場合に相当する。温度推定が終了すると、ECU30は、電磁アクチュエータ制御モードをFB制御に変更し、目標電流値を保持電流値とする指示を行う(ステップS116)。これにより、電磁アクチュエータ60は保持状態が維持される。
以上のように、本発明では、電磁クラッチの係合制御中にコイルの抵抗値に基づいてコイルの温度推定を行うので、コイルの温度を検出するための温度センサを設ける必要がない。また、コイルの抵抗値を算出するためにコイルの印加電圧値を取得する必要があるが、FF制御の目標値に基づいて印加電圧値を算出するので、コイルの印加電圧値を検出するセンサなどを設ける必要がない。また、電磁クラッチが係合した後の作動状態において一時的にFF制御を行ってコイルの温度推定を行うので、電磁クラッチの係合状態に影響を与えることなくコイルの温度推定を実行することができる。また、電磁クラッチの係合確認制御を行う場合には、コイルの温度測定と同時に行うことができる。
本実施形態に係るハイブリッド車両の動力伝達機構の概略構成を示す。 モータジェネレータ、クラッチ機構及び動力分配機構の構成を示す。 電磁クラッチの概略構成を示す。 電磁クラッチの構成例の断面図である。 電磁アクチュエータ駆動回路の構成を示すブロック図である。 電磁クラッチの係合制御例を示すタイミングチャートである。 電磁クラッチ係合制御のフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
20 動力分配機構
30 ECU
36 スイッチング素子
38 電流センサ
60 電磁アクチュエータ
66 コイル
70 電磁クラッチ
71、72 ドグ歯
100 電磁アクチュエータ駆動回路

Claims (4)

  1. コイルを有する電磁アクチュエータを制御することにより電磁クラッチの係合を制御するクラッチ制御装置であって、
    前記電磁アクチュエータをフィードバック制御することにより前記電磁クラッチの係合制御を行う係合制御手段と、
    コイルの温度を推定する場合は、フィードバック制御をフィードフォワード制御に切り換えて前記コイルの温度を推定するコイル温度推定手段と、を備えることを特徴とするクラッチ制御装置。
  2. 前記コイル温度推定手段は、
    前記コイルへの通電電流値を計測する電流値計測手段と、
    フィードフォワード制御中に前記コイルに印加する印加電圧値を算出する電圧値算出手段と、
    前記通電電流値及び前記印加電圧値に基づいて前記コイルの抵抗値を算出し、当該抵抗値に基づいて前記コイルの温度を推定する推定手段と、を備える請求項1に記載のクラッチ制御装置。
  3. 前記コイル温度推定手段が前記電磁アクチュエータをフィードフォワード制御している間に、前記電磁クラッチを回転させて当該電磁クラッチの係合状態を確認する係合確認手段を備える請求項1又は2に記載のクラッチ制御装置。
  4. 前記係合制御手段は、前記コイル温度推定手段による温度推定後は、前記電磁クラッチの係合状態を維持するのに必要な保持電流値を目標電流値として前記フィードバック制御を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクラッチ制御装置。
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