JP2010080065A - 試料帯電制御方法、及び走査電子顕微鏡 - Google Patents

試料帯電制御方法、及び走査電子顕微鏡 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、試料から放出された電子が、他部材に衝突した結果、生じる電子量を制御可能とすることを目的とした走査電子顕微鏡、及び電子量の制御による試料帯電制御方法の提供を目的とする。
【解決手段】
上記目的を達成するために、電子ビームが通過可能な開口を複数備え、前記電子ビームに対して前記複数の開口を切り替える機構を備えた走査電子顕微鏡、及び開口の切り替えによって、試料の帯電を制御する方法を提案する。前記複数の開口は、少なくとも2つの開口であって、当該少なくとも2つの開口の周囲部であって、前記試料に対向する側には、それぞれ異なる二次電子放出効率を持つ部分が設けられている。この開口の切り替えによって、試料から放出された電子の衝突によって生じる電子の量をコントロールすることが可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料帯電を制御する方法、及び走査電子顕微鏡に係り、特に、試料から一度放出された電子を利用する試料帯電制御方法、及び走査電子顕微鏡に関する。走査電子型顕微鏡のうち、非導電性の試料を観察するための走査型電子顕微鏡に関するものである。また、特に半導体素子の製造工程において、半導体素子を形成するウェーハ基板ないし、素子の回路パターンの転写母型となるフォトマスクのパターンを観察する走査型電子顕微鏡に適用される。
半導体素子製造業においては、試料上に形成した微細な回路パターンの寸法を測定するために測長SEM(Critical Dimension−Scanning Electron Microscope:CD−SEM)と呼ばれる専用の走査電子顕微鏡が広く用いられている。また、ウェーハ上の回路パターンの形成は、フォトマスクと呼ばれる透明基板上に形成された不透明膜のパターンを波長200nm程度の短波長紫外線レーザ光などを用いて転写する技術が主流であり、フォトマスク上のパターンの寸法測定も重要な品質管理工程である。
試料に入射する電子ビームと、電子ビームの照射によって試料から放出される二次電子の収支が同じであれば、試料は帯電しない。しかしながら、入射する電子と放出される電子の比率を電子の比率を示す二次電子放出効率δ(=放出される電子量/入射する電子量)は、電子ビームが試料に入射するときのランディングエネルギーによって変化するため、試料の種類に応じて二次電子放出効率が1となるようなランディングエネルギーを選択すれば、理論的には試料帯電は生じない。しかしながら、実際には、ランディングエネルギーは、測定や検査条件等に応じて決定されることもあり、電子の収支のみを考慮した条件設定ができない場合がある。特許文献1には、電子ビームの照射によって生じる電位障壁によって、二次電子を試料側に追い返し、試料に生じた正の帯電を緩和する技術が説明されている。特に、特許文献1では、帯電を安定させるため、試料に対向して配置された電極への印加電圧を制御することが説明されている。
特開2006−054094号公報(対応米国特許公報US2007/0057183)
特許文献1に開示の技術によれば、電位障壁の適正化により、速やかに帯電の抑制を行うことが可能となるが、試料から放出された電子が、SEMの構造物に衝突して生じさせる電子の存在については、何も言及されていない。一例として、SEMには、電子ビームの照射対象である試料に対向するように、対物レンズや、当該対物レンズと試料との間に配置される電極などが設置されている。このような構造物に、試料から放出された電子が衝突すると、電子が生じる。
このような電子が試料に到達したとき、帯電状況は変化する。即ち、このような電子の量を適正に制御できれば、試料に入射する電子と試料から放出される電子とのバランスを、より容易に適正化することが可能となる。以下に、試料から放出された電子が、他部材に衝突した結果、生じる電子量を制御可能とすることを目的とした走査電子顕微鏡、及び電子量の制御による試料帯電制御方法について説明する。
上記目的を達成するために、電子ビームが通過可能な開口を複数備え、前記電子ビームに対して前記複数の開口を切り替える機構を備えた走査電子顕微鏡、及び開口の切り替えによって、試料の帯電を制御する方法を提案する。前記複数の開口は、少なくとも2つの開口であって、当該少なくとも2つの開口の周囲部であって、前記試料に対向する側には、それぞれ異なる二次電子放出効率を持つ部分が設けられている。この複数の開口の切り替えによって、試料から放出された電子の衝突によって生じる電子の量をコントロールすることが可能となり、結果として、試料に入射する電子の量と、試料から放出される電子の量を制御することが可能となる。
上記提案によれば、試料から放出される電子の量と、試料から放出される電子の量の比率をコントロールすることが可能となり、結果として、試料表面の帯電を制御することができる。
以下に、走査電子顕微鏡の一例であるCD−SEMを例にとって、試料に入射する電子と放出される電子の収支を制御する技術について説明する。なお、以下の説明は、CD−SEMによる測定対象の1つであるフォトマスクの帯電を制御する例を説明するが、これに限られることはなく、例えば、半導体ウェーハ等の他の測定,検査対象の帯電制御への適用も可能である。
フォトマスクは、図2に示すように、合成石英ガラスなど紫外線領域の透過率が高い材質で作られた基板201上に、クロム202、ないしモリブデン・珪素酸化物(MoSiO)203など紫外線透過率の低い材質により回路パターンを形成したものである。また、マスク製作過程では、パターン上にフォトレジスト204が存在することもある。このようなフォトマスクを走査電子顕微鏡で観察する場合のもっとも重大な障害は、表面への帯電現象である。
フォトマスクの基板は前述のように石英ガラスが主流であり、誘電体なので、電子顕微鏡においては、照射される電子ビーム(一次電子線)の作用で表面が帯電する。また、外部から電場を印加することにより容易に分極し電位を生ずる。発生した電荷による局所的な電場は、一次電子線の軌道に影響を与え、観察像の歪み,像の移動,倍率の変化などの悪影響を及ぼすことがある。
誘電体の電子顕微鏡による観察は古くからの技術課題であり、破壊的観察が可能な場合は、表面に導電性物質の薄膜を形成することが行われてきたが、素子検査工程など非破壊的な検査が要求される場合は、電子ビームの入射(ランディング)エネルギー(加速電圧)を低くし、電子ビームを減らすことで対応してきたが、フォトマスクのように試料体積のほとんどが誘電体で構成される場合には、前記のような悪影響を充分に抑制することが困難である。
また、観察する試料表面近傍の空間に不活性気体分子を適当な分圧で存在させ、電子ビームの作用で弱電離した分子により積極的に基板表面の電荷を除去するという技術も実用化されている。しかしこの場合、不活性分子が二次電子を散乱するため、画像信号が劣化するという問題があり、半導体製造業では普及するに到っていない。さらに、試料に対して別途生成した荷電粒子を照射するという技術も提案されているが、試料帯電の中和点を適切に定めるのが困難である。
そこで本実施例においては、試料表面への帯電の機序を再検討した。試料に電子ビームが照射されたときの現象を図3に示す。試料表面に入射した電子ビーム301は、試料構成物質内を散乱する過程で、いわゆるラザフォード散乱により入射方向へ反射する(302)か、あるいは、原子から殻内電子をたたき出し二次電子303を生成する。二次電子の生成効率(一個の一次電子から平均何個の二次電子が生成するか(二次電子放出効率と表現することもある))は物質の組成により定まり、一次電子の運動エネルギーの関数である。一般的に、低加速型の走査電子顕微鏡で用いられるエネルギー領域においては、生成効率は1.0を越えるため、試料は徐々に正に帯電する。
しかし、後方に反射した一次電子の一部は、対向板304など近傍の物体に入射し、再度二次電子305を発生させることがある。この二次電子は数電子ボルトのエネルギーで試料に再入射し、試料帯電に寄与する。すなわち単位時間に試料に蓄積される電荷は以下の関係式(1)で表される。(便宜的に電子線による電流の極性を正で表した。)
Figure 2010080065
Q:蓄積される電荷
0:一次電子線の照射時間
i一次電子:一次電子線による流入電流
i二次電子+反射電子:二次電子、及び反射電子による流出電流
i再入射電子:反射電子が生成した二次電子の再入射による流入電流
いま、Qをなるべく小さくすることを考える。i一次電子は像観察条件の最適化によって一次電子線の入射エネルギーと共に設定される。i二次電子+反射電子は、試料構成物質と一次電子線の入射エネルギーの関数であり、任意に設定することはできない。一方、i再入射電子は、反射電子が衝突する部材の形状,構成物質に依存するため、ある程度制御できる。したがって、反射板の構成材料を最適化することによりQを低減することが可能である。i二次電子+反射電子が試料の構成物質に依存することから、最適な反射板の構成材料は試料の構成物質によって異なることがわかる。
そこで、本実施例では、試料の構成によりあらかじめ最適な選択された最適な材料を選び、対向面に該材料からなる複数の領域を設け、試料の種類に応じて領域内の二次電子放出効率がもっとも適した領域を選択的に対向できるようにする。
フォトマスク観察のように、試料の構成材料が業界内で標準化されていて、少数の特定材料に限定されている場合、本実施例はきわめて有効である。実際にはi二次電子+反射電子およびi再入射電子は試料の局所電位にも依存し、局所電位はQで決定されるためそれぞれは時間の関数でもあるが、本実施例の本質に影響するものではない。対向面への二次電子ないし反射電子の到達を制御するには、対向電極と試料の間に適当な電位を持つ制御グリッドを設けるという方法も考えられるが、この場合、1)制御電極と試料の電位差により試料を構成する誘電体内に分極電荷が誘起される、2)制御電極が作る電場により一次電子線の軌道が曲げられ、倍率等の電子光学的パラメータに影響がでるため、制御が複雑になる、などの不利があり、本実施例の優位性に及ばない。
以上、詳述したように、特に、誘電体試料を走査電子顕微鏡で観察する場合に、試料帯電の影響により観察像の劣化が引き起こされることがある。
以下に、図面を用いてでは、誘電体試料に蓄積される電荷の量を減らすために、試料の対向面に、試料構成物質ごとに最適な二次電子反射効率を持つ複数の領域を設け、試料に応じて切り替える試料帯電制御方法、及び走査電子顕微鏡を説明する。
試料の構成材料ごとに帯電速度を制御することによって、試料の帯電量を他の電子光学的パラメータに影響を与えることなく低減できるという利点がある。特にあらかじめ構成材料が判っている数種の試料に観察対象が限られている場合はきわめて有効である。
図1は、走査電子顕微鏡の電子光学系の断面図である。上方にある電子銃(本図では省略)から射出された一次電子線101(電子ビーム)は、コンデンサレンズ102で収束され、偏向コイル103で偏向された後、対物レンズ104で最終的に径数nm(ナノメートル)の電子線に収束されて、観察対象である試料105の表面に入射する。
入射した一次電子の一部は後方反射し、反射電子106となる。また一部は試料内を散乱しながら二次電子107を生成する。二次電子は試料105と対物レンズ間104に印加された静電場により上方に引き上げられ、分離機構108により検出器109に取り込まれる。検出器109には光電子倍増管が内蔵されており、二次電子の量に応じた電圧を発生させるので、これを信号処理装置110で処理した後、画像表示部111にて画像として表示する。試料105は精密ステージ121の上に載置されており、試料上の所望の場所を観察するために、電子光学系の軸直下に観察箇所を位置させることができる。また、精密ステージ121には、試料に負電圧を印加するための負電圧印加端子が設置されている(図示せず)。試料に印加される負電圧(以下、リターディング電圧と称することもある)によって、電子ビームの試料への到達エネルギーを制御し、適正な到達エネルギーによる測定,検査が行われる。
試料105と対物レンズ104の間には、本実施例の特徴である可動対向板112(移動機構)が存在する。可動対向板112は本実施例では、扇形の非磁性金属板(リン青銅など)113で形成されており、本実施例では、3箇所の貫通孔114a,114b,114cがあけてある。該貫通孔の周囲には、半径約8mmの円形の領域115a,115b,115cがあり、ここに二次伝放出効率のことなる物質の薄膜が約厚さ5μmで形成されている。
膜はスパッタあるいは蒸着技術によって形成する。膜材料は、観察対象によって異なるが、本実施例では、半導体用フォトマスクを観察する場合として、炭化チタニウム,非晶質シリコンなど、入射電子エネルギーが0.5〜1.5k電子ボルトの範囲において二次電子放出効率が通常の金属に較べやや低く、非磁性かつ導電性の物質を選択している。金属板113は梁116に連結され、梁116の他端は回転軸117に連結されている。回転軸117はパルスモータ118によって正確に回転させることができる。また軸の貫通部分には真空を保持するためのOリング119a,119bがある。パルスモータに所定のパルス信号を送ることにより、対物レンズ104の軸直下に貫通孔114a〜cを正確に位置させることができる。たとえば114aを軸直下に位置させたときには、領域115aが試料からの反射電子106をうけ、二次電子120を放出する。二次電子120の一部は試料に再入射する。
一次電子101,反射電子106,二次電子107および二次電子120の総和により、試料に蓄積する電荷の量が決まる。たとえばMoSiOをパターン材料とするマスクを観察する場合、領域内の膜材料として炭化チタニウムTiCを用いることにより試料の電位変化を低減し、倍率変動,像の移動などを抑制することができる。
以上のように、二次電子放出効率が異なる膜材料が設けられた貫通孔の中でも、試料に入射する電子と、試料から放出される電子間の収支がゼロに近くなるようなものを選択することによって、試料帯電を抑制し、帯電によって生ずる種々の現象を緩和することが可能となる。
電子の収支は、試料の材質,電子ビームの到達エネルギー等によって決定されるが、本実施例では更に、反射電子や二次電子等が、試料に対面する部材に衝突して発生させる二次電子量をも制御対象とすることができるため、電子ビームの光学条件(到達エネルギー等)の設定の自由度を向上することが可能となる。
また、試料の種類(材質),測定のための光学条件(電子ビームの到達エネルギー等)が予め判明しているのであれば、上記Qがゼロに最も近くなる貫通孔を、試料の種類と光学条件に関連付けて記憶させておき、当該試料の種類と光学条件が選択されたときには、自動的にその貫通孔が、電子ビームの通過口として選択されるように、上記可動対向板112を制御するようにしても良い。更に走査電子顕微鏡の測定条件を設定するレシピの設定項目の1つとして、上記貫通孔の種類を設定可能とするようにしても良い。
以上の制御は、例えば信号処理装置110(制御装置)にて行うようにしても良いし、外部の制御装置からの制御によるものであっても良い。これらの制御装置には記憶媒体が内蔵されており、上記試料の種類,光学条件、及び貫通孔の種類の関係が記憶されている。また、当該記憶媒体には、上述のような制御を行うためのプログラムが記憶されている。
図4には可動対向板401の別な構成を示す。対向板の二次電子放出効率を変化させるには、図2の例のように各領域に異なる物質の薄膜を形成するのではなく、同一物質の膜を各領域内402a,402b,402c内に形成する面積を変化させても良い。図4では、3つの領域402a,402b,402c内にそれぞれ同一の物質(たとえば炭素)を径の異なる円径のドット403a,403b,403cを形成している。ドット外の部分では二次電子放出効率は下地材404(リン青銅)のものとなるが、ドット内では二次電子放出効率は炭素のものとなり、領域内の平均的放出効率は、下地とドットの面積比で定まる。このようなドット上の膜の形成は、スパッタないし蒸着後にフォトリソグラフィー技術を用いるか、製膜時に所望形状の窓があけてある保護板を用いることで容易に可能である。なお、本実施例では、パルスモータによる回転機構を用いて可動対抗板の位置を変更しているが、これは本実施例の本質には関係なく、移動機構はこれに限るものではないことはいうまでもない。
また、上記の説明では、電子ビームの通過開口である貫通孔が1の金属板に形成される例を説明しているが、これに限られることはなく、例えば異なる金属板にそれぞれ貫通孔を設け、1の金属板の通過開口が電子ビーム光軸に位置づけられているときは、他の金属板を退避させるような機構としても良い。
ここまで、蓄積される電荷Qをより小さくすることで、試料帯電を抑制することについて説明してきたが、試料帯電の抑制に限ることはなく、積極的に帯電状態を作り出すことに、上記可動対向板を利用することも可能である。走査電子顕微鏡による観察法の中には、プリチャージ(或いはプリドーズ)と呼ばれるものがある。これは、例えば試料表面を電子ビームを用いて積極的に帯電させた後、測定用のビームを走査する手法である。これは、例えばパターンの導通部分と、非導通部分の双方をFOV(Field Of View)内に含んだ状態で、ビームを走査することによって、導通部分と非導通部分のVC(Voltage Contrast)像を形成したり、コンタクトホールを含む試料領域を正に帯電させ、その後、観察用のビームを走査することにより、ホール底から放出された電子を正帯電によって引き上げつつ、観察を行う手法である。
このようなプリチャージを行うために、プリチャージの際に“|Q|>0”となるように、上記貫通孔を選択する。この際、試料表面を正帯電させる場合は、試料に入射する電子より、試料から放出される電子の方が多くなるように、条件を設定し、負帯電させる場合は、その逆の設定を行う。プリチャージ状態のまま、ビームを走査すると、電荷が累積的に蓄積してしまうため、所定のプリチャージ条件を満たした後は、プリチャージ状態に対し相対的に“Q≒0”の状態に近くなるように、条件を変更してビーム走査を行うことにより、観察を行うようにする。
例えば試料表面を正帯電させた後に、測定(観察)を行う場合には、先ず、観察時に比較して、相対的に二次電子放出量が少ない貫通孔を選択して、試料に入射する電子を減少させ、試料表面を正に帯電させる。その後、帯電形成時と比較して、相対的に二次電子放出量が多い貫通孔を選択して、“Q”がゼロに近くなるような状態とする。
この際に、電子ビームのランディングエネルギーの制御(例えばリターディング電圧の制御)を併せて行うことによって、Qをより精密にコントロールすることも可能であるが、貫通孔の切り替えのみで、“Q”を制御すれば、電子ビームの光学条件を変化させることなく、プリチャージと観察の切り替えを行うことが可能となる。無論、ランディングエネルギーのコントロールを併用したとしても、単にランディングエネルギーの制御によって、“Q”を変化させる場合と比較して、光学条件の設定の自由度を高めることができる。
走査電子顕微鏡の電子光学系の断面図。 フォトマスクの構造を説明する図。 試料に電子ビームを照射したときに生ずる現象を説明する図。 可動対向板の他の例を説明する図。
符号の説明
101 一次電子線
102 コンデンサレンズ
103 偏向コイル
104 対物レンズ
105 試料
106 反射電子
107 二次電子
108 分離機構
109 検出器
110 信号処理装置
111 画像表示部
121 精密ステージ

Claims (7)

  1. 試料に電子ビームを照射したときに生ずる帯電を制御する試料帯電制御方法において、
    前記試料に対向して、1の電子ビーム通過開口が選択的に配置されるように、複数の電子ビーム通過開口の内の1つを選択する工程を有し、前記電子ビーム通過開口の周囲部であって前記試料に対向する側に、前記複数の電子ビーム通過開口ごとに異なる二次電子発生効率を有する部分が設けられ、前記選択する工程では、前記電子ビームの照射に基づいて試料に入射する電子量と、試料から放出される電子量の差が、他の電子ビーム通過開口に対して少なくなるように、前記1の電子ビーム通過開口を選択することを特徴とする試料帯電制御方法。
  2. 試料に電子ビームを照射して帯電を生じさせ、当該帯電状態の試料に対し電子ビームを照射したときに検出される電子に基づいて、試料の測定、或いは検査を行う試料帯電制御方法において、
    前記試料に対向して、1の電子ビーム通過開口が選択的に配置されるように、複数の電子ビーム通過開口の内の1つを選択して前記試料を帯電させる帯電工程と、当該帯電工程とは異なる前記電子ビーム通過開口を選択して、前記試料を測定、或いは検査する工程を有し、
    前記電子ビーム通過開口の周囲部であって前記試料に対向する側に、前記複数の電子ビーム通過開口ごとに異なる二次電子発生効率を有する部分が設けられ、前記測定、或いは検査する工程では、前記帯電工程に対して相対的に、前記電子ビームの照射に基づいて試料に入射する電子量と、試料から放出される電子量の差が少なくなるように、前記1の電子ビーム通過開口を選択することを特徴とする試料帯電制御方法。
  3. 試料に照射される電子ビームを集束する対物レンズと、当該試料を移動させる移動ステージを備えた走査電子顕微鏡において、
    前記対物レンズと移動ステージとの間に、複数の電子ビーム通過開口の内の1つを選択的に位置づける移動機構を備え、前記電子ビーム通過開口の周囲部には、前記複数の電子ビーム通過開口ごとに異なる二次電子発生効率を有する部分が設けられていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  4. 請求項3において、
    前記複数の電子ビーム通過開口は、1の板状体に形成されていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  5. 請求項3において、
    前記複数の電子ビーム通過開口の周囲部には、それぞれ異なる二次電子発生効率を持つ材質が配置されていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  6. 請求項3において、
    前記複数の電子ビーム通過開口の周囲部には、それぞれ面積が異なる同一の二次電子発生効率を持つ材質が配置されていることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  7. 請求項3において、
    前記移動機構を制御するための制御装置を備え、
    当該制御装置は、前記試料の材質、及び前記電子ビームの光学条件の選択に応じて、前記電子ビーム通過開口を選択することを特徴とする走査電子顕微鏡。
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