JP2010053318A - フェノール樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高耐熱性を有する工業的に有用なフェノール樹脂を提供する。
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂である。
【化1】
Figure 2010053318

(式(1)中、nは2以上であり、水酸基を有する芳香環上の水素が置換基により置換されてもよい。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、フェノール樹脂に関するものである。
フェノール樹脂は、基材及び添加剤などと複合することにより成形材料として幅広く用いられている。こうして得られたフェノール樹脂成形材料は、耐熱性、寸法安定性及び成形性等に優れ、自動車部品、電気部品及び電子部品等の用途に使用されてきている。
特に、最近では、自動車部品をはじめとする各種金属部品の代替材料として適用され、その使用量は益々拡大してきている。フェノール樹脂の典型的な構造としては、フェノール類とホルマリンによって製造されるノボラック型フェノール樹脂が知られており、安価であり工業的に多くの分野で使用されている。近年、フェノール樹脂の性能への要求が厳しくなってきており、さらなる耐熱性の向上が求められている。
ノボラック型フェノール樹脂の耐熱性を改良する上で、様々な変性フェノール樹脂が検討されている。その中でも、フェノールアラルキル樹脂は、硬化物として優れた耐熱性を有しており、ノボラック型フェノール樹脂の硬化物と比較して耐熱性の指標である5%重量減少温度が390℃から440℃に向上することが明らかとなっている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、成形材料分野ではさらに優れた耐熱性を有する樹脂が求められており、現在のフェノール樹脂では十分とはいえない状況である。
特開平8−48755号公報
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、従来のフェノール樹脂よりも高耐熱性を有するフェノール樹脂を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため樹脂骨格について鋭意検討した結果、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂である。
Figure 2010053318
(式(1)中、nは2以上であり、水酸基を有する芳香環上の水素が置換基により置換されてもよい。)
上記水酸基を有する芳香環上の置換基としては、一般式(2)に表される置換基、芳香族基、水酸基、ハロゲン、またはアルコキシ基が挙げられる。
Figure 2010053318
(式(2)中、R1、R2及びR3は、水素原子、アルキル基、及び芳香族基のいずれか1つから選ばれるものである。)
本発明によれば、高耐熱性を有し工業的に有用なフェノール樹脂を提供できる。
本発明は、前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂であり、該フェノール樹脂は耐熱性に優れるものである。
本発明のフェノール樹脂は、一般式(1)で表されるものである。
前記一般式(1)で表されるフェノール樹脂における重合度nは2以上であり、2以上1000以下であることが好ましく、より好ましくはnが2以上30以下である。nが2以上1000以下であると、保存時における固結などを生じることがなく、しかも低溶融粘度となるため、ハンドリング性が良好であり、また、成形材料などに用いた場合、成形性が良好なものとなる。
本発明のフェノール樹脂は、前記一般式(1)において、水酸基を有する芳香環上の水素が、下記一般式(2)に表される置換基、芳香族基、水酸基、ハロゲンまたはアルコキシ基により置換されていても良い。
Figure 2010053318
(式(2)中、R1、R2及びR3は、水素原子、アルキル基及び芳香族基のいずれか1つから選ばれるものである。)
前記一般式(2)で表される置換基におけるR1、R2及びR3としてのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(2)で表される置換基におけるR1、R2及びR3としての芳香族基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ジフェニルエーテル基及びジフェニルスルホン基等が挙げられる。これら芳香族基の水素原子が水酸基、フッ素及び塩素等のハロゲンで置換されてよい。
前記一般式(1)において、水酸基を有する芳香環上の水素が置換される芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスリル基及びピリル基などの単環式又は縮合多環式芳香族基、メチレンビスフェニル基、イソプロピリデンビスフェニル基、ビフェニル基及びターフェニル基などの複数の芳香環を有する基、ジフェニルエーテル基、ジフェニルスルフィド基及びジフェニルスルホン基などのヘテロ原子含有芳香族基などが挙げられる。これらの芳香族基は、芳香環上の水素が、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びネオペンチル基等のアルキル基、フッ素及び塩素等のハロゲン等により置換されていても良い。
前記一般式(1)において、水酸基を有する芳香環上の水素が置換されるハロゲンとしては、例えば、フッ素及び塩素等のハロゲンが挙げられる。
前記一般式(1)において、水酸基を有する芳香環上の水素が置換されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基及びフェノキシ基等が挙げられる。
また、前記一般式(1)において、それぞれの繰り返し単位の芳香環上の水素が置換される置換基は、同一であっても異なっていても良い。
次に、本発明の一般式(1)で表されるフェノール樹脂の製造方法について、説明する。
本発明の一般式(1)で表されるフェノール樹脂の製造方法の一例としては、パラジウム(以下、Pdと称することがある。)触媒、助触媒として銅化合物を用い、アミン存在下、パラジブロモ化合物と、ジエチニル化合物とをクロスカップリング反応(薗頭反応)させることにより得られる(例えば、K.Sonogashira,J.Organomet.Chem.,653,46(2002)参照。)。
具体的には、下記式(3)で表されるパラジブロモ化合物と、下記式(4)で表されるジエチニル化合物と、Pd触媒及び助触媒を、反応容器中に投入し、さらにアミンを加えて、加熱しながら反応させることにより、本発明の一般式(1)で表されるフェノール樹脂を得ることができる。
Figure 2010053318
Figure 2010053318
なお、一般式(1)で表されるフェノール樹脂が水酸基を有する芳香環上に置換基を有する場合は、上記式(3)で表されるジブロモ化合物及び上記式(4)で表されるジエチニル化合物として、フェノール性水酸基を有する芳香環上の同一箇所に当該置換基を有する化合物を用いればよい。
上記式(3)で表されるパラジブロモ化合物の合成法の具体例としては、1,4−ジブロモ−2,5−ビス(メトキシメチル)ベンゼンとフェノール化合物を酸触媒下で反応させた後、加熱減圧下、残留フェノール化合物を除去した後、再結晶することで得ることができる。一般式(1)で表されるフェノール樹脂が水酸基を有する芳香環上に置換基を有しない場合は、上記フェノール化合物としてフェノールを用い、置換基を有する場合は、上記フェノール化合物として、当該置換基を同一箇所に有するフェノールを用いれば良い。
上記式(4)で表されるジエチニル化合物の合成法の具体例としては、上記で得た式(3)で表されるパラジブロモ化合物を用いることができ、まず、これと、トリメチルシリルアセチレンとを、前記薗頭反応の条件下で反応させる。次いで、得られた反応生成物を溶媒に溶解させ、炭酸カリウムを反応させた後、有機層を取り出して、再結晶することで得ることができる。
薗頭反応に用いられるPd触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、塩化パラジウム、酢酸パラジウムなどが挙げられる。
助触媒としての銅化合物としては、例えば、CuI、CuBr、及びCuClなどが用いられる。アミンとしては、例えば、n−BuNH2(Buはブチル基を示す。)、Et2NH(Etはエチル基を示す。)、Et3Nまたはピペリジンなどが用いられ、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒と組み合わせて用いても良い。
なお、反応の際の雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
上記反応において、式(3)で表されるパラジブロモ化合物に対する式(4)で表されるジエチニル化合物の反応モル比としては、0.2以上5.0以下が好ましく、より好ましくは0.5以上2.0以下、さらに好ましくは0.8以上1.25以下である。
また、Pd触媒の使用量としては、式(3)で表されるパラジブロモ化合物の100質量部に対して、0.001質量部以上10質量部以下が好ましく、より好ましくは0.01質量部以上1質量部以下である。
また、Pd触媒を安定化させるためにホスフィン化合物を用いることができ、ホスフィン化合物として、例えばトリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン及びメチルジフェニルホスフィンなどが挙げられる。ホスフィン化合物の使用量としてはPd触媒に対して、モル比として0.1以上20以下が好ましい。
また、助触媒としての銅化合物の使用量としてはPd触媒に対して、モル比で0.1以上10以下が好ましく、より好ましくは1.0以上5.0以下である。
アミンの使用量としてはPd触媒に対して、モル比で1以上が好ましく、より好ましくは10以上10000以下である。
反応温度としては室温以上が好ましく、より好ましくは80℃以上である。80℃以上であれば反応が高効率的に進行し、本発明のフェノール樹脂を効率的に得ることができる。
本発明のフェノール樹脂の製造方法において、反応生成物を精製する方法としては、反応生成物を溶媒に溶かした後、再沈殿、カラムクロマトグラフィー及び再結晶等の方法により精製することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
本発明のフェノール樹脂を合成するに先立ち、まず、出発原料を合成した。
[パラジブロモ化合物の合成]
(合成例1)
[1,4−ジブロモ−2,5−ビス((ヒドロキシフェニル)メチル)ベンゼンの合成]
1Lの三口ナスフラスコに、1,4−ジブロモ−2,5−ビス(メトキシメチル)ベンゼン(シグマアルドリッチ社製)162質量部、フェノール(キシダ化学(株)製)470.6質量部及び硫酸9.8質量部を投入し、系内を攪拌しつつ100℃に昇温した。100℃で3時間反応を行った後、反応溶液を室温に冷却し、メチルイソブチルケトン500質量部を加え溶解させた。油層を2Lの分液ロートに移し、純水500mLを加え、油層を抽出した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液500mL及び飽和食塩水500mLを用いて、油層の洗浄を行った。油層に、硫酸マグネシウム50質量部を加え、24時間放置し水分の除去を行った。これを濾過して硫酸マグネシウムを除去し、さらに減圧下溶媒を留去して得られた反応混合物を、0.001MPaの減圧下150℃に加熱し、5時間攪拌を行いフェノールの除去を行った。ここで得られた反応混合物をメタノールから再結晶を行うことで、201質量部の白色固体(化合物(A1))を得た。
上記で得られた白色固体を、電界脱離質量分析法(FD−MS、以下同様)により分析した結果より、得られた固体の分子量が448.2であり、重クロロホルム(CDCl3)中のプロトン核磁気共鳴(1H−NMR、以下同様)スペクトルの結果が以下になったことから、この白色固体が下記式(A1)の構造であることを確認した。
1H−NMR(400MHz, CDCl3): δ: 9.45 (2H, brs, OH), 7.15−6.62 (10H, m, Ar), 3.96−3.84 (4H, m, CH2
Figure 2010053318
(合成例2)
[1,4−ジブロモ−2,5−ビス((ブチルヒドロキシフェニル)メチル)ベンゼンの合成]
合成例1において用いた、フェノール470.6質量部を2−ブチルフェノール751.1質量部に代えた以外は、合成例1と同様の反応を行い、226質量部の白色固体(化合物(A2))を得た。
上記で得た白色固体について、FD−MSの結果より、分子量が560.4であり、重クロロホルム中の1H−NMRスペクトルの結果が以下となったことから、この白色固体が下記式(A2)の構造であることを確認した。
1H−NMR(CDCl3): δ: 9.65 (2H, brs, OH), 7.18−6.67 (8H, m, Ar), 3.98−3.87 (4H, m, CH2), 2.62 (4H, m, CH2), 1.63−0.87 (14H, m)
Figure 2010053318
(合成例3)
[1,4−ジブロモ−2,5−ビス((ヒドロキシフェニルフェニル)メチル)ベンゼンの合成]
合成例1において用いた、フェノール470.6質量部を2−フェニルフェノール851質量部に代えた以外は、合成例1と同様の反応を行い、232質量部の白色固体(化合物(A3))を得た。
上記で得た白色固体について、FD−MSの結果より、分子量が600.3であり、重クロロホルム中の1H−NMRスペクトルの結果が以下となったことから、この白色固体が下記式(A3)の構造であることを確認した。
1H−NMR(CDCl3): δ: 9.57 (2H, brs, OH), 7.55−6.62 (18H, m, Ar), 3.96−3.84 (4H, m, CH2
Figure 2010053318
(合成例4)
[1,4−ジブロモ−2,5−ビス((ジヒドロキシフェニル)メチル)ベンゼンの合成]
合成例1において用いた、フェノール470.6質量部をレゾルシノール550.6質量部に代えた以外は、合成例1と同様の反応を行い、195質量部の白色固体(化合物(A4))を得た。
上記で得た白色固体について、FD−MSの結果より、分子量が480.2であり、重クロロホルム中の1H−NMRスペクトルの結果が以下となったことから、この白色固体が下記式(A4)の構造であることを確認した。
1H−NMR(CDCl3): δ: 9.56 (4H, brs, OH), 7.20−6.03 (8H, m, Ar), 3.99−3.86 (4H, m, CH2
Figure 2010053318
[ジエチニル化合物]
(合成例5)
[1,4−ジエチニル−2,5−ビス((ヒドロキシフェニル)メチル)ベンゼンの合成]
還流管を装着した2L三口ナスフラスコに、合成例1で得た化合物(A1)179.2質量部、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(和光純薬工業(株)製)1.4質量部、ヨウ化銅(I)1.52質量部及びトリフェニルホスフィン4.2質量部を加え、反応容器内を窒素ガスで置換した。反応系に、(トリメチルシリル)アセチレン(東京化成工業(株)製)157.2質量部、トリエチルアミン800質量部及びテトラヒドロフラン200質量部を加え、攪拌下、系内の温度を90℃に昇温し、6時間薗頭反応を行った。反応終了後、溶媒を減圧留去して得られた黒色混合物に、ジエチルエーテル1000質量部を加え可溶部を濾別した。濾液の溶媒を留去して得られた反応混合物に、炭酸カリウム110.4質量部、メタノール400mL及びテトラヒドロフラン80mLを加え、室温にて2時間攪拌し、反応させた。反応液から、溶媒を留去し、ジエチルエーテル600mLで、残渣を溶解させ、この溶液を、1mol/Lの塩酸水溶液300mLで二回、純水300mLで一回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300mLで一回、及び飽和食塩水300mLで一回、有機層の洗浄を行った。さらに、有機層に、硫酸マグネシウム60質量部加え、24時間放置し、水分の除去を行った。水分が除去された有機層から、硫酸マグネシウムを濾過し、さらに、減圧下、溶媒を留去して得られた反応生成物を、熱ヘキサンで再結晶させて、118質量部の白色固体(化合物(B1))を得た。
上記で得た白色固体について、FD−MSの結果より、得られた固体の分子量は338.4となった。また、重クロロホルム(CDCl3)中の1H−NMRスペクトルの結果が以下になり、エチニルのプロトンが確認されたことから、この白色固体が下記式(B1)の構造であることを確認した。
1H−NMR(400MHz, CDCl3): δ: 9.45 (2H, brs, OH), 7.15−6.62 (10H, m, Ar), 4.05 (2H, s, ≡CH) 3.96−3.82 (4H, s, CH2
Figure 2010053318
(合成例6)
[1,4−ジエチニル−2,5−ビス(((ブチル−ヒドロキシ)フェニル)メチル)ベンゼンの合成]
合成例5において用いた化合物(A1)179.2質量部を、合成例2で得た化合物(A2)224.1質量部に代えた以外は合成例5と同様の反応を行い、白色固体(化合物(B2))を得た。
上記で得た白色固体について、FD−MSの結果より、分子量が450.6であり、重クロロホルム中の1H−NMRスペクトルの結果が以下となったことから、この白色固体が下記式(B2)の構造であることを確認した。
1H−NMR(CDCl3): δ: 9.48 (2H, brs, OH), 7.75−6.78 (8H, m, Ar), 4.05 (2H, s, ≡CH), 3.98−3.86 (4H, m, CH2), 2.63 (4H, m, CH2), 1.60−0.88 (14H, m)
Figure 2010053318
(合成例7)
[1,4−ジエチニル−2,5−ビス(((ヒドロキシ−フェニル)フェニル)メチル)ベンゼンの合成]
合成例5において用いた化合物(A1)179.2質量部を、合成例3で得た化合物(A3)240.1質量部に代えた以外は合成例5と同様の反応を行い、白色固体(化合物(B3))を得た。
上記で得た白色固体について、FD−MSの結果より、分子量g490.6であり、重クロロホルム中の1H−NMRスペクトルの結果が以下となったことから、この白色固体が下記式(B3)の構造であることを確認した。
1H−NMR(CDCl3): δ: 9.57 (2H, brs, OH), 7.75−6.92 (18H, m, Ar), 4.05 (2H, s, ≡CH), 3.94−3.83 (4H, m, CH2
Figure 2010053318
(合成例8)
[1,4−ジエチニル−2,5−ビス((ジヒドロキシフェニル)メチル)ベンゼンの合成]
合成例5において用いた化合物(A1)179.2質量部を、合成例4で得た化合物(A4)192.1質量部に代えた以外は合成例5と同様の反応を行い、白色固体(化合物(B4))を得た。
上記で得た白色固体について、FD−MSの結果より、分子量g370.4であり、重クロロホルム中の1H−NMRスペクトルの結果が以下となったことから、この白色固体が化合物(B4)の構造であることを確認した。
1H−NMR(CDCl3): δ: 9.56 (4H, brs, OH), 7.75−6.13 (8H, m, Ar), 4.05 (2H, s, ≡CH), 3.99−3.86 (4H, m, CH2
Figure 2010053318
[フェノール樹脂の合成]
実施例1
1Lナスフラスコに、合成例1で得た化合物(A1)45質量部、合成例5で得た化合物(B1)34質量部、ジクロロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.35質量部、ヨウ化銅(I)0.38質量部及びトリフェニルホスフィン1.05質量部を加え、系内の雰囲気を窒素ガスで置換した。次いで、トリエチルアミン300質量部及びテトラヒドロフラン100質量部を加え溶解させた後、系内の温度を80℃に昇温し、6時間攪拌を行った。反応液をメタノール5000質量部に滴下することで、固体を析出させた。得られた固体を濾過し、真空乾燥させることで、55.6質量部の白色固体を得た。下記式(C1)で表させる樹脂を合成した。
上記で得られた白色固体について、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCと称する。)により分子量の測定を行った。GPC測定は、東ソー(株)製カラム(TSK gel SuperHZM−Mを一本、TSK gel SuperHZ3000を一本、TSK gel SuperHZ2000を3本、及びTSK gel SuperHZ100を1本)を用いて、テトラヒドロフランを溶媒として行い、分子量測定の結果から、得られた白色固体のポリスチレン換算の分子量は数平均分子量(Mn、以下同様)が6130、分散比が1.39であった。
Figure 2010053318
[フェノール樹脂の評価]
上記で得られたフェノール樹脂8.3質量部に対しヘキサメチレンテトラミン1.0質量部を加え、熱板上で、130℃で3分間溶融混練後、180℃で3時間、225℃で4時間、熱処理することで硬化物を得た。ここで得られた硬化物について、セイコーインスツルメンツ(株)製のTG/DTA6200を用い、5%重量減少温度Td5を測定したところ、489℃であった。
実施例2
実施例1の合成に用いた化合物(B1)34質量部を、化合物(B1)68質量部に代えた以外は実施例1と同様の反応を行い、61.3質量部の白色固体を得た。上記式(C1)で表させる樹脂を合成した。GPCの結果より、得られた固体のMnは1700、分散比1.85であった。
実施例1と同様にTd5を測定したところ、498℃であった。
実施例3
実施例1の合成に用いた化合物(B1)34質量部を、化合物(B1)6.8質量部に代えた以外は実施例1と同様の反応を行い、10.2質量部の白色固体を得た。上記式(C1)で表させる樹脂を合成した。GPCの結果より、得られた固体のMnは760、分散比1.17であった。
実施例1と同様にTd5を測定したところ、478℃であった。
実施例4
実施例1の合成に用いた化合物(A1)45質量部を合成例2で得た化合物(A2)56質量部に、化合物(B1)34質量部を合成例6で得た化合物(B2)54質量部に代えた以外は実施例1と同様の反応を行い、71.2質量部の白色固体を得た。下記式(C2)で表させる樹脂を合成した。GPCの結果より、得られた樹脂のMnは4220、分散比は1.65であった。
実施例1と同様にTd5を測定したところ、467℃であった。
Figure 2010053318
実施例5
実施例1の合成に用いた化合物(A1)45質量部を合成例2で得た化合物(A2)5.6質量部に、化合物(B1)34質量部を合成例6で得た化合物(B2)45質量部に代えた以外は実施例1と同様の反応を行い、8.4質量部の白色固体を得た。上記式(C2)で表させる樹脂を合成した。GPCの結果より、得られた樹脂のMnは870、分散比は1.14であった。
実施例1と同様にTd5を測定したところ、463℃であった。
実施例6
実施例1の合成に用いた化合物(A1)45質量部を合成例3で得た化合物(A3)60質量部に、化合物(B1)34質量部を合成例7で得た化合物(B3)49質量部に代えた以外は実施例1と同様の反応を行い、74.6質量部の白色固体を得た。下記式(C3)で表させる樹脂を合成した。GPCの結果より、得られた樹脂のMnは5670、分散比は1.41であった。
実施例1と同様にTd5を測定したところ、499℃であった。
Figure 2010053318
実施例7
実施例1の合成に用いた化合物(A1)45質量部を合成例4で得た化合物(A4)48質量部に、化合物(B1)34質量部を合成例8で得た化合物(B4)44.4質量部に代えた以外は実施例1と同様の反応を行い、57.6質量部の白色固体を得た。下記式(C4)で表させる樹脂を合成した。GPCの結果より、得られた樹脂のMnは4900、分散比は1.39であった。
実施例1と同様にTd5を測定したところ、512℃であった。
Figure 2010053318
実施例8
実施例1の合成に用いた化合物(B1)34質量部を合成例6で得た化合物(B2)45質量部に代えた以外は実施例1と同様の反応を行い、69.6質量部の白色固体を得た。下記式(C5)で表させる樹脂を合成した。GPCの結果より、得られた樹脂のMnは6350、分散比は1.43であった。
実施例1と同様にTd5を測定しところ、483℃であった。
Figure 2010053318
比較例1
市販のフェノールノボラック樹脂(PR−53195、住友ベークライト(株)製)について、実施例1と同様にしてヘキサメチレンテトラミンにより硬化させて、Td5により測定のところ、387℃であり、フェノールアラルキル樹脂(PR−54869、住友ベークライト(株)製)についても同様にしてTd5により測定のところ、437℃であった。
上記比較例に対し、本発明の各実施例における硬化物のTd5の結果から、本発明のフェノール樹脂は耐熱性に優れるものであった。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で表されるフェノール樹脂。
    Figure 2010053318
    (式(1)中、nは2以上であり、水酸基を有する芳香環上の水素が置換基により置換されてもよい。)
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