JP5580712B2 - アントラセン誘導体、硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents
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Description
下記式(1)で表されるアントラセン誘導体である。
<アントラセン誘導体>
本発明のアントラセン誘導体は、上記式(1)で表される化合物である。当該アントラセン誘導体は、ベンゾオキサジン構造とアントラセン骨格とを併せ持つことで耐熱性や難燃性により優れる熱硬化性樹脂材料として好適に用いることができる。さらに、当該アントラセン誘導体は、このようにアントラセン骨格を有するため、アントラセン特有の諸特性、例えば高光屈折率性や紫外線に対する蛍光性能等を備える。
本発明のアントラセン誘導体は、例えば、非反応性含酸素有機溶媒及び酸触媒の存在下で、フェノールとアントラセン−9−カルボアルデヒドとを反応させ、ビスフェノールアントラセン化合物を得る第一工程、及び、得られたビスフェノールアントラセン化合物をアニリン等の1級アミン化合物及びパラホルムアルデヒド等と反応させる第二工程により製造される。
この第一工程においては、非反応性含酸素有機溶媒及び酸触媒の存在下で、フェノールとアントラセン−9−カルボアルデヒドとを反応させて、ビスフェノールアントラセン化合物を得る。
この第二工程においては、得られたビスフェノールアントラセン化合物をアニリン等の1級アミン化合物及びパラホルムアルデヒド等と反応させて、本発明のアントラセン誘導体を得ることができる。
当該硬化性組成物は、当該アントラセン誘導体及び/又はこのアントラセン誘導体から得られる重合体を含み、必要に応じて他の多官能化合物や、硬化促進剤等を含有していてもよい。当該硬化性組成物からは、耐熱性、難燃性等に優れ、かつ蛍光特性などのアントラセン骨格を有する化合物に特有な性質をも兼ね備えた硬化物を得ることができる。なお、アントラセン誘導体から得られる重合体としては、上記アントラセン誘導体が熱により架橋した重合体や、上記アントラセン誘導体と他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
当該硬化物は、上記硬化性組成物を加熱することによって得ることができる。この硬化物の具体的な形成方法としては、例えば、当該硬化性組成物をニーダー、ロール、押出し機等で均一に混合し、トランスファー成型器や金型を用いて成型した後、80〜250℃で1時間〜24時間程度加熱する方法を挙げることができる。
GPC純度は、東ソー社製HLC−8220型GPC、RI検出器、TSK−Gel SuperHZ2000+HZ1000+HZ1000(4.6mmφ×150mm)カラムを用い、展開溶媒としてテトラヒドロフランを0.35mL/分で送液し、目的物ピークの面積比によって求めた。
ガラス転移温度は、リガク社製DSC8230型示差走査熱量計にて、窒素雰囲気下5℃/分の昇温速度で測定し、中点ガラス転移温度を求めた。
残炭率と酸素指数とは比例関係があり、一般的に難燃性の高い樹脂は残炭率が高いと言われている(D.W.van Krevelen,polymer,16,p615(1975) D.W.van Krevelen,Chimia,28,p504(1974)参照)。この文献を参照し、難燃性の指標として残炭率を測定した。測定方法は、リガク社製TG8230型示差熱天秤にて、窒素雰囲気下10℃/分の昇温速度で830℃までの測定を行い、質量減少率(%)を100%から減じた数値で求めた。
1H−NMR及び13C−NMRは、バリアン社製UNITY−INOVA 400MHzを用い、TMSを基準物質としてDMSO−d6溶媒で測定した。
屈折率は、京都電子工業社製RA−520N型屈折率計を用い、25℃にて1質量%、5質量%及び10質量%の各濃度でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して測定し検量線を作成して100質量%時の換算屈折率を求めた。
吸収スペクトルは、日本分光社製分光光度計V−570を用いて1×10−5mol/L濃度でDMSOに溶解して測定を行い、蛍光スペクトルは、日立ハイテクノロジーズ社製蛍光分光光度計F−4010を用い、1×10−5mol/L濃度でDMSOに溶解して極大波長で励起させて測定を行った。また、アズワン社製ハンディーUVランプSLUV−4を用いて、365nmの紫外線を照射し、発光の有無を観察した。
300mLの還流管付き反応容器にフェノール(112.8g,1.20mol)、アントラセン−9−カルボアルデヒド(49.4g,0.24mol)及びメタノール(11.3g)を入れ、40℃にて溶解した。濃硫酸(5.6g)を投入し、40℃で24時間反応を行った。次いで、反応液をメチルイソブチルケトン(169.2g)に溶解し、蒸留水(56.4g)にて水洗を数回行って触媒を除去した。減圧下にて、メチルイソブチルケトン及びフェノールを留去した後、キシレン(169.2g)及び蒸留水(11.3g)投入して10℃で攪拌した。析出した結晶を濾別後、減圧乾燥を行って、淡黄色の9−(4−ヒドロキシベンジル)−10−(4−ヒドロキシフェニル)アントラセン48.3g(収率53.3%)を得た。
1Lの還流管付き反応容器に上記合成例1で得られた9−(4−ヒドロキシベンジル)−10−(4−ヒドロキシフェニル)アントラセン(33.8g,0.09mol)、ジオキサン67.7g、アニリン(16.8g,0.18mol)を入れ、50℃で溶解した後、92%パラホルムアルデヒド(11.8g,ホルムアルデヒド換算で0.36mol)を投入し、85℃で24時間反応を行った。次いで、反応液を1,200gのメタノール中に滴下して結晶を析出させた後、濾別した。この粗結晶をメチルイソブチルケトン400gに溶解し、1%水酸化ナトリウム水溶液、純水の順にpH=7になるまで洗浄を行った後、結晶が析出してくるまで溶媒を減圧留去した。この結晶をメタノール200gでほぐした後、濾過、減圧乾燥して淡黄色の結晶であるアントラセン誘導体39.6gを得た。
実施例1で得られたアントラセン誘導体(25.0g)を量り取り、180℃の熱板上で溶融した。これに硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(0.25g)を加え、充分に撹拌、混合して硬化性組成物を得た。上記方法にて調製した硬化性組成物を金型に流し込み、180℃で3時間かけて加熱して、硬化物を得た。
実施例1で得られたアントラセン誘導体(6.0g)、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂の市販品である「アデカレジンEP−4100(ADEKA社製/エポキシ当量190)」(20.0g)を量り取り、180℃の熱板上で溶融混合した。これに硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(0.25g)を加え、充分に撹拌、混合して硬化性組成物を得た。上記方法にて調製した硬化性組成物を金型に流し込み、180℃で3時間かけて加熱した後、さらに220℃で3時間アフターキュアを行って硬化物を得た。
ビスフェノール−F型ベンゾオキサジン樹脂の市販品である「F−a(四国化成工業社製)」の換算屈折率を測定したところ、1.620(25℃)であった。また、UVランプ(365nm)照射を行ったが、目視では発光は確認できなかった。
実施例2において、実施例1で得られたアントラセン誘導体(25.0g)の代わりに比較例1で測定した「F−a」(25.0g)を用いた以外は実施例2と同様の操作を行い、硬化物を得た。
実施例3において、実施例1で得られたアントラセン誘導体(6.0g)の代わりに比較例1で測定した「F−a」(6.0g)を用いた以外は実施例3と同様の操作を行って硬化物を得た。
実施例1において、合成例1で得られた9−(4−ヒドロキシベンジル)−10−(4−ヒドロキシフェニル)アントラセン(33.8g,0.09mol)の代わりにビスフェノールフルオレンの市販品である「BPAF(JFEケミカル社製/9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン)」(31.5g,0.09mol)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、35.5g(収率67.5%)のビスフェノールフルオレンベンゾオキサジン化合物を得た。
実施例2において、実施例1で得られたアントラセン誘導体(25.0g)の代わりに比較例4で得られたビスフェノールフルオレンベンゾオキサジン化合物(25.0g)を用いた以外は実施例2と同様の操作を行い、硬化物を得た。
実施例3において、実施例1で得られたアントラセン誘導体(6.0g)の代わりに比較例4で得られたビスフェノールフルオレンベンゾオキサジン化合物(6.0g)を用いた以外は実施例3と同様の操作を行って硬化物を得た。
Claims (4)
- 下記式(1)で表されるアントラセン誘導体。
- 上記a及びbが0であり、R3及びR4がフェニル基である請求項1に記載のアントラセン誘導体。
- 請求項1又は請求項2に記載のアントラセン誘導体及び/又はこのアントラセン誘導体から得られる重合体を含む硬化性組成物。
- 請求項3に記載の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物。
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