JP2010052208A - 印刷装置と印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】メタリックインクとカラーインクを併用した印刷画像を観察する場合のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を図る。
【解決手段】印刷媒体Pに対してメタリックインクとカラーインクを併用して印刷を行うに当たり、まず、印刷媒体Pの印刷面にメタリックインクを吐出してメタリック領域MAを印刷形成する。その後、インク吸収層PIKの形成材料を含む形成剤を、メタリック領域MAに重なるよう吐出して、インク吸収層PIKを形成し、次いで、この形成済みのインク吸収層PIKに対して、染料性のカラーインクを吐出する。吐出されたカラーインクは、メタリック領域MAの上に重なったインク吸収層PIKに浸透して発色するカラー発色領域CAを形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、特殊光沢を有する特殊光沢インクとカラーインクとを用いて印刷媒体に印刷する印刷方法と印刷装置に関する。
近年では、カラーインクを用いた高品位のカラー印刷のみならず、メタリックインクをカラーインクと併用してメタリック感をもたらす印刷手法も種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2006−50347号公報
この特許公報で提案されているように、メタリックインクをカラーインクと併用する際には、印刷用紙において、メタリックインクによる印刷領域をカラーインクによる印刷領域の下層側としている。こうすることで、メタリックインク含有の金属顔料による金属光沢をカラーインク発色箇所の下層側からもたらしている。よって、上記の公報にも示されているように、印刷済み媒体(印刷結果物)の印刷済み表面の側から印刷画像を観察すると、カラーインク印刷領域がメタリックインク印刷領域の上に来るよう重なるので、その重なり領域において、カラーインクの色がメタリック感を持って観察されることになる。
インクジェット方式で印刷を行う場合、カラーインクとしては、顔料性のカラーインクと染料性のカラーインクが考えられるが、メタリックインクと併用されるカラーインクとしては、専ら顔料性のカラーインクが用いられてきた。これは、染料インクはメタリック層の下の印刷媒体に浸透してしまいメタリック層の上に残らないため、遮光性の高いメタリック層に遮られてほとんど発色しないためである。一方で、顔料インクであれば溶媒が印刷媒体に吸収されても、顔料粒子がメタリック層上に残り、発色する。
しかしながら、顔料性のカラーインクは、透明度が低い。このため、メタリックインクの印刷領域と顔料性のカラーインクの印刷領域がこの順に重なると、下層側のメタリックインクの印刷領域のメタリック感が低下するという課題があった。なお、こうした問題は、メタリック感を発現する金属顔料を含有するメタリックインクに特有とは言えず、メタリックインクに類したインク、例えば、真珠光沢に類似した光沢感を発現する顔料を含有したインク等、発色以外の質感を発現させる種々のインクを用いた場合にも共通した問題である。
本発明は、上記した課題を踏まえ、メタリックインク等の特異なインクとカラーインクを併用した印刷画像を観察する場合の特異なインクの発現するメタリック感等の質感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を図ることをその目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:印刷装置]
カラーインクと他のインクとを用いて印刷媒体に印刷する印刷装置であって、
前記印刷媒体に対して前記カラーインクを吐出するカラー印刷手段と、
前記他のインクとして、特殊光沢を有する特殊光沢インクを用い、該特殊光沢インクを吐出する特殊光沢印刷手段と、
前記印刷媒体の表面に、透光性を呈し浸透したカラーインクの発色を許容するインク吸収層を形成する吸収層形成手段と、
該吸収層形成手段と前記特殊光沢印刷手段と前記カラー印刷手段とを制御して、前記印刷媒体の表面に前記特殊光沢インクに基づいて特殊光沢を有した特殊光沢領域をインク吐出を経て印刷し、該印刷済みの前記特殊光沢領域を含む前記印刷媒体の表面に前記インク吸収層を形成し、該形成済みの前記インク吸収層に前記カラーインクを吐出する制御手段とを備える
ことを要旨とする。
本願に云うところの特殊光沢を呈する特殊光沢インクは、印刷を経た印刷媒体表面において特殊光沢を呈するインクであり、所定の質感を発現する顔料を含有する質感発現インクとできる。こうした特殊光沢インクの一例であるメタリックインクは、印刷媒体表面への定着後にメタリック感を発現する金属顔料を含有する。この他、特殊光沢インクを、媒体表面への定着後に真珠光沢感を発現する顔料、例えば天然真珠のように真珠色を有する薄膜層を複数層重ねたような顔料を含有する真珠光沢インクや、媒体表面への定着後に乱反射を起こしていわゆるラメ感やなし地感を発現するよう微小凹凸を有する顔料を含有するラメインクやなし地インクなども含まれる。そして、本願に云うところの特殊光沢インクの一つであるメタリックインクは、金属的な光沢を有するインクであり、この金属光沢は、メタリックインクが含有する金属顔料により発現する。このようなメタリックインクとしては、金属顔料と有機溶剤と樹脂とを含む油性インク組成物を用いることができる。金属的な光沢感を効果的に生じさせるためには、前述の金属顔料は、平板状の粒子であることが好ましく、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすことが好ましい。このような金属顔料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成することができ、また、金属蒸着膜を破砕して作成することも可能である。メタリックインクに含まれる金属顔料の濃度は、例えば、0.1〜 10.0重量%とすることができる。もちろん、メタリックインクはこのような組成に限らず、金属光沢が生じる組成であれば他の組成を適宜採用することが可能である。
また、特殊光沢インクを、媒体表面に印刷されたインクの光学的特性が反射角依存性を有するインクとすることもでき、これら特殊光沢インクの一例であるメタリックインクのメタリック感を光学的特性の観点から述べると、次のようになる。メタリック感は、反射光を見た感覚であることから、光学的特性において反射角依存性を備え、このメタリック感を表す指標が種々提案されている。よって、この指標を持ってして、メタリック感を発現するメタリックインクを規定することもできる。例えば、次式(1)で表される公知のメタリック感指標値In1を用いてもよい。このメタリック感指標値In1は、−45度の角度から被測定物(メタリック感発現印刷物)を照射したときに、式(1)に規定する異なる3箇所での反射光の明度を測定し、この3箇所で得られた明度の関係から定めることができる。よって、このメタリック感指標値In1により、上記したメタリック感発現のための金属顔料と同じようにして、メタリックインクを規定することもできる。
Figure 2010052208
この他、メタリック感指標値In1を規定する上での3箇所の明度を用いて次式(2)で表されるメタリック感指標値In2や、次式(3)で表されるメタリック感指標値In3などを、メタリック感の指標として用いてもよい。
Figure 2010052208
Figure 2010052208
上記数式で示されるいずれの指標値も反射角に依存した数値として定まることから、これら指標値で特殊光沢インクを規定することができる。
また、本願に云うところのカラーインクは、印刷媒体のインク吸収層に浸透して、当該インク吸収層にて発色するインクである。こうしたカラーインクの一例である染料性のカラーインクは、有機色素としての染料を含むインクであり、その含有する有機色素で規定される色を発色する。染料としては天然染料、合成染料のいずれでもよく、カラー印刷に用いる色を例示してその色の染料性のインクを例示すると次のようになる。
例えば、シアン、マゼンタ、イエロと、ブラックの常用の4色のインク以外に、ライトシアンとライトマゼンタを例に上げ説明すると、シアンインクは、シアン色を発する染料の一例であるダイレクトブルー99を、粘度調整用の例えばジエチレングリコールと水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。ライトシアンインクは、シアン色を発する上記の染料の含有量を控えた上で、この染料を上記の溶媒に溶解させたインクである。マゼンタインクは、マゼンタ色を発する染料の一例であるアシッドレッド289を、上記の溶媒に溶解させたインクである。ライトマゼンタインクは、マゼンタ色を発する上記染料の含有量を控えた上で、この染料を上記の溶媒に溶解させたインクである。イエロインクは、イエロ色を発する染料の一例であるダイレクトイエロ86を、上記の溶媒に溶解させたインクである。ブラックインクは、黒色を発する染料の一例であるフードブラック2を、上記の溶媒に溶解させたインクである。こうした染料性のカラーインクは、染料の含有量や、粘度調整用のジエチレングリコールや水の含有量がそれぞれ調整された上で、粘度調整もされている。なお、顔料性のカラーインクであっても、含有する顔料の粒子径がインク吸収層の空隙への入り込みが可能な程度にまで小径であれば、印刷媒体のインク吸収層に浸透して、当該インク吸収層にて発色するインクとなり得る。
更に、本願に云うところのインク吸収層は、上記した各色のカラーインクが浸透してインクの色での発色を起こす層である。例えば、染料性のカラーインクの浸透と染料定着が容易なポリビニルアルコール等の吸収層の形成材料を含有する溶剤を用いて、インク吸収層は印刷媒体表面に形成される。インク吸収層の厚みは、十分な発色に必要なインク量を吸収可能な厚みであれば特段規定する必要はなく、約50μm程度までの範囲の吸収層厚みであれば、染料性のカラーインクの浸透および染料の定着と発色に特段の支障はない。なお、上記したインク吸収層は、その形成材料であるポリビニルアルコールをバインダーとして機能させてインクの吸収を行うことからいわゆる膨潤型のインク吸収層となり、こうした膨潤型のインク吸収層以外に、いわゆる空隙型と称されるインク吸収層とすることもできる。この空隙型のインク吸収層は、シリカやアルミナなどの無機微粒子からなるインク受容層を有しており、当該インク受容層に存在する無数の微細空隙(平均径20nm前後)に毛細管現象によりインクを吸収する。
これらインクを用いる上記構成の印刷装置では、印刷媒体に対して印刷を行うに当たり、特殊光沢インクの吐出を経てその特殊光沢インクに基づく特殊光沢が発現した特殊光沢領域を印刷媒体表面に印刷し、その印刷した特殊光沢領域を含む印刷媒体表面にインク吸収層を形成する。そして、この形成したインク吸収層にカラーインクを吐出する。この吐出されるカラーインクは、染料性であれば高い浸透性を有するので、吐出対象であるインク吸収層に速やかに浸透して染料の定着を起こし、カラーインク浸透済みのインク吸収層は、カラーインクの色で発色した発色領域となる。つまり、印刷媒体の表面の側の特殊光沢インクによる特殊光沢領域の上に、カラーインクが浸透済みでその浸透したカラーインクで発色した発色領域のインク吸収層が重なることになり、発色領域は、カラーインクの色で彩度よく発色する。この場合、特殊光沢インクとしては、既述したメタリックインクの他、真珠光沢インクやラメインクやなし地インク等のインクもあるが、以下、特殊光沢インクと当該インクによる印刷領域等の説明に際しては、特殊光沢インクがメタリックインクであるとして説明する。
こうして得られた印刷結果物においてメタリックインクの金属顔料によるメタリック感(所定の質感)が発現したメタリック領域に重なるインク吸収層と当該吸収層に浸透して発色するカラーインクとは、共に透光性を有することから、印刷結果物を印刷済み表面の側から観察した場合において、下層側に位置するメタリック領域のメタリック感(所定の質感)は損なわれにくくなる。この結果、上記構成を有する印刷装置によれば、メタリックインク(特殊光沢インク)とカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感(所定の質感)の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を図ることができる。換言すれば、カラーインクの色がメタリック感(所定の質感)を持って観察される印刷結果物を容易に提供できる。
上記した印刷装置は、次のような態様とすることができる。例えば、前記インク吸収層を、インク吸収層の形成材料を含有する吸収層形成剤の塗布により形成したり、吸収層形成剤を吐出して印刷形成することができる。インク吸収層をその吸収層形成剤の吐出により印刷形成するに当たっては、印刷ヘッドに、前記特殊光沢(メタリック)印刷手段としての特殊光沢インク(メタリックインク)吐出ヘッドと前記カラー印刷手段としてのカラーインク吐出ヘッドと前記吸収層形成剤を吐出する吸収層形成剤吐出ヘッドとを設け、この印刷ヘッドと前記印刷媒体とを相対的に移動させつつ、前記メタリックインク吐出ヘッドから前記印刷媒体の表面への前記メタリックインク(特殊光沢インク)の吐出を経たメタリック領域(特殊光沢領域)の印刷と、該印刷済みのメタリック領域(特殊光沢領域)を含む前記印刷媒体の表面への前記吸収層形成剤吐出ヘッドからの前記吸収層形成剤の吐出を経た前記インク吸収層の印刷形成と、該形成済みの前記インク吸収層への前記カラーインク吐出ヘッドからの前記カラーインクの吐出を経た前記発色領域の印刷とを順次行えばよい。こうすれば、インクジェット方式の印刷手法にて、上記した効果を奏することができると共に、カラーインクの色がメタリック感(特殊光沢や所定の質感)を持って観察される印刷結果物を容易に提供できる。
この場合、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体とを相対的に移動させるに当たり、前記印刷媒体の副走査方向に沿った媒体移動と、前記印刷ヘッドの主走査方向に沿ったヘッド移動とを行うようにできる。こうすればシリアル方式のインクジェットにても、上記した効果を奏することができると共に、カラーインクの色がメタリック感を持って観察される印刷結果物を容易に提供できる。
また、吸収層材料吐出ヘッドからの吸収層形成剤吐出を経たインク吸収層の印刷形成に際しては、吸収層形成剤の吐出範囲をメタリック領域(特殊光沢領域)に重なる範囲とするようにできる。こうすれば、メタリック感(特殊光沢や所定の質感)を呈する範囲しかインク吸収層を印刷形成しないので、吸収層形成剤の節約、印刷所要時間の短縮を図ることができる。
この場合、吸収層形成剤の吐出範囲をメタリック領域(特殊光沢領域)と発色領域とが重なる範囲とする事もでき、こうすれば、メタリック感(特殊光沢や所定の質感)を持ってカラーインクの発色を起こす範囲しかインク吸収層を印刷形成しないので、より一層の吸収層形成剤の節約と印刷所要時間の短縮化を図ることができる。
また、前記吸収層形成剤吐出ヘッドから前記吸収層形成剤を吐出するに当たり、前記吸収層形成剤の吐出量を前記発色領域の印刷形成に際して前記カラーインク吐出ヘッドから吐出される前記カラーインクの吐出量に応じて調整し、前記カラーインクの吐出量が少ないほど少ない吐出量で前記吸収層形成剤を吐出して前記インク吸収層を印刷形成するようにできる。こうしても、吸収層形成剤の節約を図ることができる。
[適用2:印刷方法]
カラーインクと他のインクとを用いて印刷媒体に印刷する印刷方法であって、
前記他のインクとして、特殊光沢を有する特殊光沢インクを用い、該特殊光沢インクを前記印刷媒体の表面に吐出して、前記特殊光沢インクに基づいて特殊光沢を有した特殊光沢領域を印刷し、
印刷済みの前記特殊光沢領域を含む前記印刷媒体の表面に、透光性を呈し浸透したカラーインクの発色を許容するインク吸収層を形成し、
形成済みの前記インク吸収層に、前記カラーインクを吐出してカラーインクによる発色領域を印刷する
ことを要旨とする。
上記構成の印刷方法によっても、既述した効果を奏することができる。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき次の順序で説明する。
A.実施形態の概要:
B.装置構成:
C.実施例:
D.他の実施例
A.実施形態の概要:
図1は本発明の実施形態としての印刷システム10の概略構成図である。図示するように、本実施例の印刷システム10は、印刷制御装置としてのコンピュータ100と、コンピュータ100の制御の下で実際に画像を印刷するプリンタ200などから構成されている。印刷システム10は、全体が一体となって広義の印刷装置として機能する。
本実施例のプリンタ200には、カラーインクとして、シアンインクと、マゼンタインクと、イエロインクと、ブラックインクとが備えられており、更に、含有する金属顔料により金属光沢を呈するメタリックインクと、透光性を呈し浸透したカラーインク含有の染料の発色を許容するインク吸収層の形成材料を含有したインク吸収層形成剤が備えられている。なお、本実施例において「カラーインク」という場合には、ブラックインクも含む意味であることとする。
メタリックインクとしては、本実施例では、金属顔料と有機溶剤と樹脂とを含む油性インク組成物を用いた。含有する金属顔料については、以下のように規定されたものを含有する。例えば、平板状粒子の金属顔料とした上で、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすものを採用した。この場合、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成した金属顔料としたり、金属蒸着膜を破砕して作成した金属顔料とすることも可能である。本実施例では、アルミニウムから形成した金属顔料を採用した。メタリックインクに含まれる金属顔料の濃度としても、例えば、0.1〜 10.0重量%とすることができ、本実施例では、1.5重量%のものを用いた。
カラーインクは、上記した各色で発色する有機色素としての染料を含む染料性のカラーインクである。本実施例では、シアン、マゼンタ、イエロと、ブラックの4色の染料性のカラーインクを用いた。シアンインクは、シアン色を発する染料であるダイレクトブルー99を3.6重量パーセント含有し、この染料を、30重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、65.4重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。マゼンタインクは、マゼンタ色を発する染料であるアシッドレッド289を2.8重量パーセント含有し、この染料を、20重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、76.2重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。
イエロインクは、イエロ色を発する染料であるダイレクトイエロ86を1.8重量パーセント含有し、この染料を、30重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、67.2重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。ブラックインクは、黒色を発する染料であるフードブラック2を4.8重量パーセント含有し、この染料を、35重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、69.2重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。いずれのインクも、吐出ヘッドからの吐出に支障がないよう、例えば、粘度がおよそ3[mPa・s]程度に調整されている。
なお、上記したカラーインクに加え、いわゆる淡色系のインクを用いる場合には、ライトシアンインクとして、シアン色を発する染料であるダイレクトブルー99をシアンインクの1/4である0.9重量パーセントに控えた上で、この染料を、35重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、63.1重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクとすればよい。ライトマゼンタインクとしては、マゼンタ色を発する染料であるアシッドレッドを、マゼンタインクの1/4である0.7重量パーセントに控えた上で、この染料を、25重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、73.3重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクとすればよい。
インク吸収層形成剤(以下、形成剤)は、上記の各色の染料性のカラーインクが浸透してインクの染料の定着を起こし、この染料に依存した色の発色を起こすインク吸収層を形成するための形成材料を含有する溶剤であり、この形成材料として染料性のカラーインクの浸透と染料定着が容易なポリビニルアルコールを含有する。
コンピュータ100には、所定のオペレーティングシステムがインストールされており、このオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム20が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ22やプリンタドライバ24が組み込まれている。アプリケーションプログラム20は、例えば、周辺機器インタフェース108を通じて、デジタルカメラ120から画像データORGを入力する。すると、アプリケーションプログラム20は、ビデオドライバ22を介して、この画像データORGによって表される画像をディスプレイ114に表示する。また、アプリケーションプログラム20は、プリンタドライバ24を介して、画像データORGをプリンタ200に出力する。アプリケーションプログラム20がデジタルカメラ120から入力する画像データORGは、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3色の色成分からなるデータである。
本実施例のアプリケーションプログラム20は、画像データORG内の任意の領域に対して、R,G,Bの色成分からなる領域(以下、「カラー発色領域」という)と、メタリックインクを印刷した領域(以下、「メタリック領域領域」という)を指定することができる。メタリック領域とカラー発色領域の一部は重畳することになり、その重畳した領域では、メタリックインクの金属顔料が呈する金属光沢を背景色として、その上にカラー画像が形成されることになる。つまり、この重量領域がメタリックカラー領域となる。また、メタリックインクを用いただけのメタリック領域(メタリック単独領域)となるようにすることもできる。このようにメタリック領域を指定する場合、予め当該領域を指定するほか、例えば、特定の図形形状の印刷領域をメタリック領域とするようアプリケーションプログラム20にてプログラムしたり、特定の色での印刷領域をメタリック領域とするようアプリケーションプログラム20にてプログラムしておくこともできる。
プリンタドライバ24の内部には、色変換モジュール42と、ハーフトーンモジュール44と、印刷制御モジュール46とが備えられている。
色変換モジュール42は、予め用意された色変換テーブルLUTに従い、画像データORG中のカラー発色領域について、その色成分R,G,Bをプリンタ200が表現可能な色成分(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各色)に変換する。
ハーフトーンモジュール44は、色変換モジュール42によって色変換された画像データの階調をドットの分布によって表すハーフトーン処理を行う。本実施例では、このハーフトーン処理として、周知の組織的ディザ法を用いる。なお、ハーフトーン処理としては、組織的ディザ法以外にも、誤差拡散法や濃度パターン法その他のハーフトーン技術を利用することができる。
印刷制御モジュール46は、ハーフトーン処理された画像データを、プリンタ200に転送すべき順序に並べ替えて、印刷データとしてプリンタ200に出力する。また、印刷制御モジュール46は、印刷開始コマンドや印刷終了コマンドなどの種々のコマンドをプリンタ200に出力することで、プリンタ200の制御を行う。
本実施例では、印刷制御モジュール46は、メタリックドット形成モジュール47とカラー印刷モジュール48と形成剤ドット形成モジュール49とを備える。メタリックドット形成モジュール47は、アプリケーションプログラム20によって指定されたメタリック領域に、所定サイズのメタリックドットを形成する。本実施例では、メタリックドットのドットサイズを変更することで、メタリック領域における例えば単位面積当たりの金属顔料分布量を規定することができる。例えば、メタリック感を増すには金属顔料分布量を増やし、メタリック感を控えるには金属顔料分布量を少なくすればよい。カラー印刷モジュール48は、ハーフトーン処理された画像、即ち、カラー発色領域の画像について、上記各色のカラーインクによるドット形成を行う。形成剤ドット形成モジュール49は、アプリケーションプログラム20によって指定されたメタリック領域を含む領域(以下、インク吸収層形成領域)に後述のインク吸収層の形成剤を吐出して、当該インク吸収層形成領域にインク吸収層を印刷形成する。この場合、本実施例では、吸収剤吐出の際のドットサイズを変更することで、インク吸収層形成領域における当該領域の印刷厚みを規定することができる。例えば、インク吸収層形成領域の厚みを増すには形成剤吐出量を増やし、厚みを控えるには形成剤吐出量を少なくすればよい。このインク吸収層形成領域は、メタリック領域を含む領域であればよく、メタリック領域と同一の領域とすることもできる。
B.装置構成:
図2は印刷制御装置としてのコンピュータ100の構成図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続することによって構成された周知のコンピュータである。
コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126等のデータを読み込むためのディスクコントローラ109や、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器インタフェース108、ディスプレイ114を駆動するためのビデオインターフェース112が接続されている。周辺機器インタフェース108には、プリンタ200や、ハードディスク118が接続されている。また、デジタルカメラ120やカラースキャナ122を周辺機器インタフェース108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像に対して画像処理を施すことも可能である。また、ネットワークインターフェースカード110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。コンピュータ100は、印刷しようとする画像データを取得すると、上述したプリンタドライバ24の働きにより、プリンタ200を制御して、この画像データの印刷を行う。
次に、プリンタ200の構成について説明する。図3はプリンタ200の概略構成を示すブロック図である。この図3に示すように、プリンタ200は、紙送りモータ235によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモータ230によってキャリッジ240をプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ240に搭載された印刷ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ235,キャリッジモータ230,印刷ヘッド241および操作パネル256との信号のやり取りを司る制御回路260とから構成されている。
キャリッジ240をプラテン236の軸方向に往復動させる機構は、プラテン236の軸と並行に架設されキャリッジ240を摺動可能に保持する摺動軸233と、キャリッジモータ230との間に無端の駆動ベルト231を張設するプーリ232と、キャリッジ240の原点位置を検出する位置検出センサ234等から構成されている。
キャリッジ240には、カラーインクとして、シアンインク(C)と、マゼンタインク(M)と、イエロインク(Y)と、ブラックインク(K)とをそれぞれ収容したカラーインク用カートリッジ243が搭載される。また、キャリッジ240には、メタリックインク(S1)を収容したメタリックインク用カートリッジ242Mと、インク吸収層の形成剤(S2)を収容した形成剤用カートリッジ242Iとが搭載される。キャリッジ240の下部の印刷ヘッド241には、これらの各色に対応する計6種類のインク吐出用ヘッド244〜249が形成されている。キャリッジ240にこれらのインクカートリッジ242M,242I,243を上方から装着すると、各カートリッジからそれぞれのインク吐出用ヘッドへのインク(形成剤を含む)の供給が可能となる。
ここで、印刷ヘッド241について説明する。図4は印刷ヘッド241を構成するインク吐出用ヘッドのノズル配置を概略的に示す説明図である。図示するように本実施例では、メタリックインク(S)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)の各色についてのインク吐出用ヘッド244〜247と、メタリックインク(S1)についてのインク吐出用ヘッド248と、インク吸収層の形成剤(S2)についてのインク吐出用ヘッド249とを備える。それぞれのインク吐出用ヘッドは、14本のノズルを印刷ヘッド241の下面に副走査方向に配列して備える。各ノズルは、副走査方向に2ドット間隔で配置されている。図中、下方が、副走査方向を示しているため、印刷時には、最も下方に示したノズルから、印刷媒体Pを通過することになる。図中、黒く塗りつぶしたノズルは、インク吐出用ヘッド248においてメタリックインクが吐出されるノズルであることを示し、クロスハッチを付したノズルは、インク吐出用ヘッド249において形成剤が吐出されるノズルであることを示し、ハッチングを付したノズルは、インク吐出用ヘッド244〜247において該当する色のカラーインクが吐出されるノズルであることを示す。それ以外のノズルは、使用されないノズルであることを示している。
図4に示すように、本実施例では、メタリックインクのインク吐出用ヘッド248については、14本のノズルのうち、先に印刷媒体Pを通過する3本のノズルを実際の印刷時に使用し、残りの11本は不使用とする。インク吐出用ヘッド249については、14本のノズルのうち、先に印刷媒体Pを通過する側から5番目〜7番目の3本のノズルを実際の印刷時に使用し、残りの11本は不使用とする。また、カラーインク(C,M,Y,K)のノズル列をなすインク吐出用ヘッド244〜247については、14本のノズルのうち、先に印刷媒体Pを通過する8本のノズルを不使用とし、残りの6本を使用する。従って、各ノズル列のうち、最初に印刷媒体を通過するノズルから数えて、4番目と8番目のノズルについては、いずれも使用されないことになる。以下、必要に応じて、メタリックインクが吐出されるノズルをメタリックノズルグループといい、形成剤が吐出されるノズルを形成剤ノズルグループといい、カラーインクが吐出されるノズルをカラーノズルグループという。
図4に示した各ノズル内には、ピエゾ素子が組み込まれている。ピエゾ素子は、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子に所定の電圧信号(駆動信号)を印加することにより、ノズル内のインク通路の一側壁を変形させることで、インク滴をノズルから吐出させる。なお、本実施例では、このように、ピエゾ素子を用いてインクを吐出させているが、気泡(バブル)をノズル内に発生させることで、インクを吐出させる方式を採用してもよい。
図3に示すプリンタ200の制御回路260は、CPUや、ROM、RAM、PIF(周辺機器インタフェース)等がバスで相互に接続されて構成されており、キャリッジモータ230および紙送りモータ235の動作を制御することによってキャリッジ240の主走査動作および副走査動作の制御を行う。また、PIFを介してコンピュータ100から出力された印刷データを受け取ると、キャリッジ240が主走査あるいは副走査する動きに合わせて、印刷データに応じた駆動信号をインク吐出用ヘッド244〜249に供給することによって、これらのヘッドを駆動するが可能となっている。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド244〜249を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また紙送りモータ235を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御回路260は、キャリッジ240が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体P上の適切な位置に適切な色のインクドットを形成する。こうすることによって、プリンタ200は印刷媒体P上へのカラー画像印刷、並びに後述するようにメタリック領域に重ねたインク吸収層形成領域およびカラー印刷画像領域(メタリックカラー領域)の形成を可能とする。
本実施例のプリンタ200は、印刷媒体Pに向けてインク滴を吐出することにより、インクドットを形成する所謂インクジェットプリンタであるものとして説明するが、どのような手法を用いてドットを形成するプリンタであっても構わない。例えば、本願発明は、インク滴を吐出する代わりに、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させることでドットを形成するプリンタや、ラインプリンタに対しても好適に適用することが可能である。なお、ラインプリンタへの適用については、後述する。
C.実施例:
(C1)第1実施例:
図5は第1実施例における印刷処理のフローチャート、図6はこの印刷処理におけるメタリックインクとカラーインクの併用印刷の様子を模式的に示す説明図である。この第1実施例では、コンピュータ100は、メタリックインクを用いたメタリック領域を判別し、このメタリック領域以外の領域については、メタリックインクの使用を制限してカラーインクによる印刷を図る処理を行う。
印刷処理を開始すると、コンピュータ100は、まず、RGB形式の画像データを入力する(ステップS100)。画像データを入力すると、コンピュータ100は、アプリケーションプログラム20にて定めたメタリック領域を判別する(ステップS102)。この判別処理を図6を用いて説明すると、コンピュータ100は、アプリケーションプログラム20にて定めたプログラムに従って、例えば、図6に示すようなハート形状の図形領域をメタリック領域と判別する。この他、アプリケーションプログラム20にて、所定の色にて印刷される領域をその形状を含めてメタリック領域と判別することもできる。例えば、太陽や星を含む印刷画像であれば、この画像における太陽や星を、形状や色等の画像解析を経て区別し、その区別領域をメタリック領域と判別するようにすることができる。
メタリック領域を判別すると、続いて、コンピュータ100は、色変換モジュール42を用いて、ステップS100で入力したRGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換する(ステップS104)。CMYK形式の画像データが得られると、コンピュータ100は、ハーフトーンモジュール44を用いてハーフトーン処理を行い、プリンタ200に転送可能なデータを生成する(ステップS106)。
ハーフトーン処理が終了すると、コンピュータ100は、印刷制御モジュール46を用いてプリンタ200を制御し、印刷を開始する(ステップS108)。
コンピュータ100は、印刷を開始すると、ステップS102で判別されたメタリック領域と、印刷対象となるようドット形成で割り付けられた現在のドットの位置とを比較することで、現在の印刷対象ドットが、メタリック領域か非メタリック領域(即ち、カラーインクだけによるカラー単独領域)かを判断する(ステップS110)。かかる判断により、現在の印刷対象ドットが、非メタリック領域であると判断されれば、コンピュータ100は、現在の印刷対象ドットに対するメタリックインクの使用を禁止して(ステップS112)、カラーインクのみでドットを形成して印刷を実行する(ステップS114)。
一方、現在の印刷対象ドットが、メタリック領域であると判断されれば、コンピュータ100は、現在の印刷対象ドットについて、メタリックインク(S1)と形成剤(S2)を使用すると決定し(ステップS116)、メタリックインクと形成剤およびカラーインクとを用いてドットを形成する(ステップS118)。具体的には、現在の印刷対象ドットに対して、メタリックインクによるドットを形成してメタリックインクを先に吐出してメタリック領域を印刷形成し、その後に、メタリック領域の上に、形成剤によるドットを形成して形成剤を吐出してインク吸収層形成領域を形成し、更に続いて、カラーインクを吐出してカラーインクによりカラー発色領域を印刷形成する。これにより、メタリック領域にカラー発色領域が重なったメタリックカラー領域が形成される。
上記ステップS114あるいはステップS118によって現在の印刷対象ドットの形成およびインク吐出が完了すれば、コンピュータ100は、画像データ全体の印刷が終了したかを判断する(ステップS120)。画像データ全体の印刷が終了していなければ、コンピュータ100は、処理をステップS110に戻して、引き続き、他の画素についてドットの形成を続行する。一方、画像データ全体の印刷が終了すれば、当該印刷処理を終了する。
このようにしてドット形成とその吐出による印刷を画像データ全体について繰り返す場合の、上記したステップS118による印刷の様子を図6を用いて詳述する。
図6(A)に示すように、本実施例ではステップS102の処理にてハート形状のメタリック領域MAが判別されている。よって、ステップS118では、まず印刷制御モジュール46のメタリックドット形成モジュール47により、印刷ヘッド241のインク吐出用ヘッド248からのメタリックインク吐出を経て、当該インクにてハート形状のメタリック領域MAを印刷媒体Pの印刷面に印刷する。この場合、図4にて説明したように、メタリックノズルグループは、先に印刷媒体Pを通過するノズルであることから、メタリックインクによるハート形状のメタリック領域MAの印刷は、物理的にも先に行われる。
メタリックインクは、既述したように金属顔料を含有した油性インク組成物であることから、印刷媒体Pの印刷面表面においてメタリック領域MAを印刷形成する。そして、含有される金属顔料MGは、ハート形状のメタリック領域MAにおいて分散して並び、それぞれの金属顔料MGにより、このメタリック領域MAでは、メタリック感が発現する。この場合、金属顔料MGの分散の様子は、メタリックインクの吐出量で定まる。この金属顔料MGの分散の様子について、図6(A)の側面視およびその上面矢視を用いて詳述する。
ハート形状のメタリック領域MAを肉眼観察した場合、メタリック領域MAの全領域があたかも金属顔料MGで覆われているようになる。しかしながら、メタリックインクに含有される金属顔料MGは、上記したように微細であることから、メタリック領域MAの一部領域を拡大視すると、図中に模式的に拡大して示すように、メタリックインクの吐出量によって金属顔料MGの分散の様子を変えることができる。つまり、図中の拡大図に示すように、メタリックインク吐出量を制御することで、金属顔料MGにてメタリック領域MAの全領域を覆うよう金属顔料MGを分散させたり、メタリック領域MAの全てが金属顔料MGで被覆されないようにできる。
こうしてメタリックインクによるメタリック領域MAの印刷が終わると、詳しくは主走査・副走査方向に亘る一部領域でのメタリック領域MAの印刷が終わると、印刷制御モジュール46の形成剤ドット形成モジュール49により、印刷ヘッド241のインク吐出用ヘッド249から形成剤吐出を経て、図6(B)に示すように、当該形成剤にてメタリック領域MAの上に形成剤印刷層を形成する。この形成剤印刷層は、形成剤に含まれる形成材料によりインク吸収層PIKとなる。この場合、図4にて説明したように、形成剤ノズルグループは、メタリックノズルグループの次に印刷媒体Pを通過するノズルであることから、形成剤によるハート形状のインク吸収層PIKの印刷は、物理的にもメタリック領域MAの印刷形成に続いて行われる。
こうしてメタリック領域MAに重ねて形成されたインク吸収層PIKは、既述したように染料性のカラーインクの浸透と染料定着が容易なポリビニルアルコール等からなるインク吸収層であり、形成剤吐出量で定まる約50μmまでの厚みで形成される。よって、このインク吸収層PIKは、後に吐出される各色の染料性のカラーインクを浸透させてインクの染料を定着させ、この染料に依存した色の発色を起こす。この場合、カラーインクが混色されれば、その混色の色で発色する。この場合、形成剤吐出量で定まるインク吸収層PIKの厚みは、十分な発色に必要なインク量を吸収可能な厚みであれば特段規定する必要はなく、数μm〜100μm程度の厚みとすることもできる。
こうしてメタリック領域MAとこれに重なるインク吸収層PIKの印刷が終わると、印刷制御モジュール46のカラー印刷モジュール48により、印刷ヘッド241のノズル列をなすインク吐出用ヘッド244〜247のそれぞれからの各色のカラーインク吐出を経て、当該インクにてハート形状のカラー発色領域CAが印刷される。この場合のカラー発色領域CAは、印刷済みのメタリック領域MAと重なって印刷形成されるが、既述したように染料性のインクであるが故にインク吸収層PIKに対する浸透性に富むカラーインクは、既に印刷形成済みのインク吸収層PIKに浸透する。よって、図6(C)の側面視に示すように、染料性のカラーインクは、メタリック領域MAの上に重なったインク吸収層PIKに浸透して染料を定着させ、このインク吸収層PIKにてカラー発色領域CAを、図6(C)の上面矢視に示すように、メタリック領域MAと同様のハート形状でメタリック領域MAの上側に高い彩度で形成する。この場合、カラーインクの吐出タイミングを変えることで、カラー発色領域CAを、メタリック領域MAと異なる形状としたり、メタリック領域MAの一部領域やメタリック領域MAを含む領域とすることもできる。そして、形成剤吐出によるインク吸収層PIKについても、形成剤の吐出タイミングを変えることで、カラーインク吐出によるカラー発色領域CAの形成領域と同様に、メタリック領域MAと異なる形状としたり、メタリック領域MAの一部領域やメタリック領域MAを含む領域とすることもできる。
その一方、非メタリック領域では、ステップS112によりメタリックインクによる印刷が行われない。よって、ステップS114でのカラーインクによる印刷により、インク吸収層PIKに浸透したカラーインクによって、カラー発色領域だけが印刷形成されることになる。この場合、非メタリック領域においてのカラーインク吐出を経た印刷に際して、カラーインク吐出前に、この非メタリック領域においても形成剤吐出を予め行ってインク吸収層を印刷形成する、つまり、印刷媒体Pの印刷面全面に亘ってインク吸収層を印刷形成することもできる。こうすれば、印刷媒体Pの印刷面前面においてインク吸収層へのカラーインク浸透を経た発色とすることができるので、彩度向上の上から好ましい。
以上説明した第1実施例の印刷処理により、本実施例の印刷システム10は、メタリックインクによるメタリック領域MAの印刷と、ポリビニルアルコール含有のインク層形成剤によるインク吸収層PIKの印刷と、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各色の染料性のカラーインクによるカラー発色領域印刷とを、印刷媒体Pに対して、メタリック領域印刷、インク吸収層印刷、カラー発色領域印刷の順に行う。そして、印刷システム10では、こうした順で印刷を行って、図6に示すように、染料性のカラーインクのインク吸収層PIKへの浸透を経て、カラー発色領域CAをメタリックインクによるメタリック領域MAの上層側にて高彩度で形成する。
このため、本実施例の印刷システム10にて得られた印刷媒体Pでの印刷結果部を、インク印刷面の側、即ち図6における上方側から観察すれば、インク吸収層PIKに浸透した染料性のカラーインクによるカラー発色領域CAがメタリックインクの印刷によるメタリック領域MAの上に来るよう重なることになる。そして、メタリックインクの印刷によるメタリック領域MAに重なったカラー発色領域CAは、染料性のカラーインクが浸透したインク吸収層PIKにおいてインクの色で彩度よく発色する。しかも、メタリック領域MAに重なるインク吸収層PIKとカラー発色領域CAのカラーインクとは、インク吸収層PIK自体も透光性を備え、カラーインクにあっても染料性であるために高い透明性を有していることから、下層側に位置するメタリック領域MAのメタリック感を損なわないようにできる。この結果、本実施例の印刷システム10によれば、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を図ることができる。このことは、カラーインクの色がメタリック感を持って観察される印刷結果物を本実施例の印刷システム10によって容易に提供できることを意味する。
また、本実施例の印刷システム10は、印刷手法として広く普及しているいわゆるインクジェット方式の印刷手法にて、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を達成させることができる。
また、本実施例の印刷システム10では、メタリック領域MAに重なるインク吸収層PIKをインク吐出用ヘッド249からの形成剤吐出というインクジェット方式の印刷手法にて形成した。よって、インク吸収層PIKの印刷形成のためのインク吐出ヘッドを有しない既存のインクジェットプリンタを、インク吐出用ヘッド249を有する印刷ヘッド241の搭載と、これに関連する形成剤吐出ドット形成および形成剤吐出制御という簡単な改造で、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保を両立できる。
また、本実施例の印刷システム10では、インク吐出用ヘッド249からの形成剤吐出に際して、その吐出範囲、即ちインク吸収層PIKの印刷形成領域を、メタリック領域MAと同一形状の領域としたり、メタリック領域MAとカラー発色領域CAとが重なる領域だけに限るようにすることもできる。よって、インク吸収層PIKの形成領域の狭小化により、形成剤の吐出量(使用量)の低減や、印刷所要時間の短縮化を図ることができる。
また、本実施例の印刷システム10では、インク吐出用ヘッド249からの形成剤吐出に際して、形成剤ドット形成モジュール49による形成剤吐出のドットを調整して、形成剤吐出量を調整できる。よって、カラー印刷モジュール48にて、カラーインク吐出の際のドットを小ドットとしてカラーインク吐出量が少なくなるカラー発色領域CAについては、形成剤ドット形成モジュール49にて形成剤吐出量が少なくなるようドット形成することもできる。この結果、本実施例の印刷システム10によれば、こうした形成剤吐出量調整を経て、形成剤の吐出量(使用量)の低減を図ることができる。
D.他の実施例
(D1)第2実施例:
図7は図3相当図でありラインプリンタに適用した場合のインクジェット式のラインプリンタ200Aの概略構成を示すブロック図である。この図7に示すように、本実施例のラインプリンタ200Aは、ライン状のプリンタヘッド400と、印刷媒体Pの搬送機構420とを備える。搬送機構420は、平板状のプラテン422と、ローラ対424と、その駆動モータ426とを備え、プラテン422とプリンタヘッド400との間に印刷媒体Pを副走査方向に沿って紙送りする。
プリンタヘッド400は、上述した印刷ヘッド241におけるインク吐出用ヘッド244〜249に変わるライン状のインク吐出用ヘッド401〜406と、カートリッジ411〜416とを備える。インク吐出用ヘッド401〜406は副走査方向である紙送り方向と交差して配列されて主走査方向に延び、平板状のプラテン422に対向配置されている。この場合、ライン状のインク吐出用ヘッド401〜406を、複数組の印刷ヘッドチップの集合体とし、その印刷ヘッドチップを同一ピッチで千鳥状に並べてライン状に構成することもできる。
印刷媒体Pが最初に通過するインク吐出用ヘッド401は、搬送される印刷媒体Pにメタリックインク(S1)を吐出する。印刷媒体Pが2番目に通過するインク吐出用ヘッド402は、搬送される印刷媒体Pにインク吸収層の形成剤(S2)を吐出する。印刷媒体Pが3番目以降に通過するインク吐出用ヘッド403〜406は、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)をそれぞれ吐出する。カートリッジ411〜416は、メタリックインク(S1)、形成剤(S2)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)をそれぞれ収容して、対応する上記の各吐出用ヘッドにインクをそれぞれ供給する。
この第2実施例にあっても、プリンタヘッド400における上記したインク吐出用ヘッド401〜406の並びと、印刷媒体Pが各インク吐出用ヘッドを通過する順序とから、上述した実施例と同様、メタリックインクの吐出を経たメタリック領域MAの印刷形成と、メタリック領域MAに重ねたインク吸収層PIKの形成剤吐出を経た印刷形成と、その後の各色のカラーインクの吐出を経たカラー発色領域CAの印刷形成とを行うことができる。よって、この第2実施例によっても、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立等、既述した効果を奏することができる。
(D2)第3実施例:
図8は図7相当図でありインクジェット式のラインプリンタ200Bの概略構成を示すブロック図である。この第3実施例では、形成剤を用いたインク吸収層PIKの形成を印刷媒体Pの印刷面全面に亘ってローラにて塗布する点に特徴がある。つまり、図8に示すように、本実施例のラインプリンタ200Bは、メタリックインクを吐出するインク吐出用ヘッド401を含むライン状のプリンタヘッド400Mと、上記した各色のインクを吐出するインク吐出用ヘッド403〜406を含むライン状のプリンタヘッド400Cとを、印刷媒体Pの紙送り方向に沿って離間して備える。そして、両プリンタヘッドの間に、形成剤塗布機構430を備える。この形成剤塗布機構430は、主走査方向に延びる塗布ローラ431と、その駆動モータ432と、塗布ローラに形成剤を供給するカートリッジ433とを備える。形成剤塗布機構430は、駆動モータ432により塗布ローラ431を回転させつつ当該ローラを印刷媒体Pの印刷面に接触させて、印刷媒体Pの印刷面全域に亘ってインク吸収層PIKを形成する。
このラインプリンタ200Bでの印刷の様子を印刷媒体Pの紙送りと合わせて説明する。印刷媒体Pが搬送されると、その印刷媒体Pが最初に通過するインク吐出用ヘッド401は、搬送される印刷媒体Pにメタリックインク(S1)を吐出して印刷媒体Pにメタリック領域MAを印刷形成する。このインク吐出用ヘッド401を通過した印刷媒体Pは回転する塗布ローラ431の表面に接するので、既にメタリック領域MAの印刷形成済みの媒体表面には、インク吸収層PIKが塗布形成される。塗布ローラ431を通過した印刷媒体Pは、それ以降、インク吐出用ヘッド403〜406の順にこれらヘッドを通過する。よって、既に塗布形成済みのインク吸収層PIKに対して、インク吐出用ヘッド403〜406の各吐出用ヘッドからシアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)のカラーインクが吐出されるので、インク吸収層PIKに浸透したカラーインクにてカラー発色領域CAがメタリック領域MAに重ねて印刷形成される。
この結果、第3実施例にあっても、メタリックインクの吐出を経たメタリック領域MAの印刷形成と、メタリック領域MAに重ねたインク吸収層PIKの塗布形成と、その後の各色のカラーインクの吐出を経たカラー発色領域CAの印刷形成とを行うことができる。よって、この第3実施例によっても、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立等、既述した効果を奏することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、上述の実施形態では、コンピュータ100とプリンタ200とによって構成される印刷システム10において、メタリックインクを用いた印刷を行っている。これに対して、プリンタ200自体が、画像データをデジタルカメラや各種メモリカードから入力してメタリックインクによる印刷を行うこととしてもよい。つまり、プリンタ200の制御回路260内のCPUが、上述した各実施例における印刷処理と同等の処理を実行することで、メタリックインクを用いた印刷を行ってもよい。
また、特殊光沢インクとしてメタリックインクを例に取り説明したが、媒体表面への定着後に真珠光沢感を発現する顔料、例えば天然真珠のように真珠色を有する薄膜層を複数層重ねたような顔料を含有する真珠光沢インクや、媒体表面への定着後に乱反射を起こしていわゆるラメ感やなし地感を発現するよう微小凹凸を有する顔料を含有するラメインクやなし地インクなどを、メタリックインクに代えて用いることもできる。
本発明の実施形態としての印刷システム10の概略構成図である。 印刷制御装置としてのコンピュータ100の構成図である。 プリンタ200の概略構成を示すブロック図である。 印刷ヘッド241を構成するインク吐出用ヘッドのノズル配置を概略的に示す説明図である。 第1実施例における印刷処理のフローチャートである。 この印刷処理におけるメタリックインクとカラーインクの併用印刷の様子を模式的に示す説明図である。 図3相当図でありラインプリンタに適用した場合のインクジェット式のラインプリンタ200Aの概略構成を示すブロック図である。 図7相当図でありインクジェット式のラインプリンタ200Bの概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
10…印刷システム
20…アプリケーションプログラム
22…ビデオドライバ
24…プリンタドライバ
42…色変換モジュール
44…ハーフトーンモジュール
46…印刷制御モジュール
47…メタリックドット形成モジュール
48…カラー印刷モジュール
49…形成剤ドット形成モジュール
100…コンピュータ
102…CPU
108…周辺機器インタフェース
109…ディスクコントローラ
110…ネットワークインターフェースカード
112…ビデオインターフェース
114…ディスプレイ
116…バス
118…ハードディスク
120…デジタルカメラ
122…カラースキャナ
124…フレキシブルディスク
126…コンパクトディスク
200…プリンタ
200A…ラインプリンタ
200B…ラインプリンタ
230…キャリッジモータ
231…駆動ベルト
232…プーリ
233…摺動軸
234…位置検出センサ
235…モータ
236…プラテン
240…キャリッジ
241…印刷ヘッド
242I…形成剤用カートリッジ
242M…メタリックインク用カートリッジ
243〜247…カラーインク用カートリッジ
248…メタリックインクのインク吐出用ヘッド
249…形成剤のインク吐出用ヘッド
256…操作パネル
260…制御回路
300…通信回線
310…記憶装置
400…プリンタヘッド
400C…プリンタヘッド
400M…プリンタヘッド
401〜406…インク吐出用ヘッド
411〜416…カートリッジ
420…搬送機構
422…プラテン
424…ローラ対
426…駆動モータ
430…形成剤塗布機構
431…塗布ローラ
432…駆動モータ
433…カートリッジ
P…印刷媒体
MA…メタリック領域
CA…カラー発色領域
MG…金属顔料
PIK…インク吸収層

Claims (15)

  1. カラーインクと他のインクとを用いて印刷媒体に印刷する印刷装置であって、
    前記印刷媒体に対して前記カラーインクを吐出するカラー印刷手段と、
    前記他のインクとして、特殊光沢を有する特殊光沢インクを用い、該特殊光沢インクを吐出する特殊光沢印刷手段と、
    前記印刷媒体の表面に、透光性を呈し浸透したカラーインクの発色を許容するインク吸収層を形成する吸収層形成手段と、
    該吸収層形成手段と前記特殊光沢印刷手段と前記カラー印刷手段とを制御して、前記印刷媒体の表面に前記特殊光沢インクに基づいて特殊光沢を有した特殊光沢領域をインク吐出を経て印刷し、該印刷済みの前記特殊光沢領域を含む前記印刷媒体の表面に前記インク吸収層を形成し、該形成済みの前記インク吸収層に前記カラーインクを吐出する制御手段とを備える
    印刷装置。
  2. 前記吸収層形成手段は、前記インク吸収層を、インク吸収層の形成材料を含有する吸収層形成剤の塗布により形成する請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記吸収層形成手段は、前記インク吸収層を、インク吸収層の形成材料を含有する吸収層形成剤を吐出して印刷形成する請求項1に記載の印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置であって、
    前記特殊光沢印刷手段としての特殊光沢インク吐出ヘッドと前記カラー印刷手段としてのカラーインク吐出ヘッドと前記吸収層形成剤を吐出する吸収層形成剤吐出ヘッドとを有する印刷ヘッドを備え、
    前記制御手段は、
    前記印刷ヘッドと前記印刷媒体とを相対的に移動させつつ、前記特殊光沢インク吐出ヘッドから前記印刷媒体の表面への前記特殊光沢インクの吐出を経た前記特殊光沢領域の印刷と、該印刷済みの前記特殊光沢領域を含む前記印刷媒体の表面への前記吸収層形成剤吐出ヘッドからの前記吸収層形成剤の吐出を経た前記インク吸収層の印刷形成と、該形成済みの前記インク吸収層への前記カラーインク吐出ヘッドからの前記カラーインクの吐出を順次行う
    印刷装置。
  5. 前記制御手段は、前記印刷ヘッドと前記印刷媒体とを相対的に移動させるに当たり、前記印刷媒体の副走査方向に沿った媒体移動と、前記印刷ヘッドの主走査方向に沿ったヘッド移動とを行う請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記制御手段は、前記吸収層材料吐出ヘッドからの前記吸収層形成剤の吐出を前記特殊光沢領域に重なる範囲について行って、前記インク吸収層を印刷形成する請求項4または請求項5に記載の印刷装置。
  7. 前記制御手段は、前記吸収層形成剤吐出ヘッドからの前記吸収層形成剤の吐出を前記特殊光沢領域と発色領域とが重なる範囲について行って、前記インク吸収層を印刷形成する請求項6に記載の印刷装置。
  8. 請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の印刷装置であって、
    前記制御手段は、前記吸収層形成剤吐出ヘッドから前記吸収層形成剤を吐出するに当たり、前記吸収層形成剤の吐出量を前記発色領域の印刷形成に際して前記カラーインク吐出ヘッドから吐出される前記カラーインクの吐出量に応じて調整し、前記カラーインクの吐出量が少ないほど少ない吐出量で前記吸収層形成剤を吐出して前記インク吸収層を印刷形成する
    印刷装置。
  9. 前記特殊光沢印刷手段は、前記特殊光沢インクとして、所定の質感を発現する顔料を含有する質感発現インクを吐出する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の印刷装置。
  10. 前記特殊光沢印刷手段は、前記特殊光沢インクとして、媒体表面に印刷されたインクの光学的特性が反射角依存性を有するインクを吐出する請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の印刷装置。
  11. 前記特殊光沢インクは、メタリック感を発現する顔料を含有するメタリックインクである請求項9または請求項10に記載の印刷装置。
  12. カラーインクと他のインクとを用いて印刷媒体に印刷する印刷方法であって、
    前記他のインクとして、特殊光沢を有する特殊光沢インクを用い、該特殊光沢インクを前記印刷媒体の表面に吐出して、前記特殊光沢インクに基づいて特殊光沢を有した特殊光沢領域を印刷し、
    印刷済みの前記特殊光沢領域を含む前記印刷媒体の表面に、透光性を呈し浸透したカラーインクの発色を許容するインク吸収層を形成し、
    形成済みの前記インク吸収層に、前記カラーインクを吐出してカラーインクによる発色領域を印刷する
    印刷方法。
  13. 前記特殊光沢インクは、所定の質感を発現する顔料を含有する質感発現インクである請求項12に記載の印刷方法。
  14. 前記特殊光沢インクは、媒体表面に印刷されたインクの光学的特性が反射角依存性を有するインクである請求項12に記載の印刷方法。
  15. 前記特殊光沢インクは、メタリック感を発現する顔料を含有するメタリックインクである請求項13または請求項14に記載の印刷方法。
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