JP2010052207A - 印刷装置と印刷方法 - Google Patents

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JP2010052207A JP2008217864A JP2008217864A JP2010052207A JP 2010052207 A JP2010052207 A JP 2010052207A JP 2008217864 A JP2008217864 A JP 2008217864A JP 2008217864 A JP2008217864 A JP 2008217864A JP 2010052207 A JP2010052207 A JP 2010052207A
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Abstract

【課題】メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像を観察する場合のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を図る。
【解決手段】透光性基材PTKにインク吸収層PIKを備える印刷媒体Pに対してメタリックインクとカラーインクを併用して印刷を行うに当たり、インク吸収層PIKにメタリックインクを吐出してメタリック領域MAを印刷形成する。その後、染料性のカラーインクを吐出する。このメタリック領域MAは、メタリックインクが含有する金属顔料にてその全域が覆われているわけではないので、染料性であるが故に高い浸透性を備えるカラーインクは、メタリック領域MAより下層側のインク吸収層PIKに浸透して発色するカラー発色領域CAを形成する。
【選択図】図6

Description

本発明は、透光性を有する透光性基材を備えた印刷媒体に印刷する印刷装置と印刷方法に関する。
近年では、カラーインクを用いた高品位のカラー印刷のみならず、メタリックインクをカラーインクと併用してメタリック感をもたらす印刷手法も種々提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2006−50347号公報
この特許公報で提案されているように、メタリックインクをカラーインクと併用する際には、印刷用紙において、メタリックインクによる印刷領域をカラーインクによる印刷領域の下層側としている。こうすることで、メタリックインク含有の金属顔料によるメタリック感をカラーインク発色箇所の下層側からもたらしている。よって、上記の公報にも示されているように、印刷媒体表面における印刷済み媒体表面の側から印刷画像を観察すると、カラーインク印刷領域がメタリックインク印刷領域の上に来るよう重なるので、その重なり領域において、カラーインクの色がメタリック感を持って観察されることになる。
インクジェット方式で印刷を行う場合、カラーインクとしては、顔料性のカラーインクと染料性のカラーインクが考えられるが、メタリックインクと併用されるカラーインクとしては、専ら顔料性のカラーインクが用いられてきた。これは、染料インクはメタリック層の下の印刷媒体に浸透してしまいメタリック層の上に残らないため、遮光性の高いメタリック層に遮られてほとんど発色しないためである。一方で、顔料インクであれば溶媒が印刷媒体に吸収されても、顔料粒子がメタリック層上に残り、発色する。
しかしながら、顔料性のカラーインクは、透明度が低い。このため、メタリックインクの印刷領域と顔料性のカラーインクの印刷領域がこの順に重なると、下層側のメタリックインクの印刷領域のメタリック感が低下するという課題があった。なお、こうした問題は、メタリック感を発現する金属顔料を含有するメタリックインクに特有とは言えず、メタリックインクに類したインク、例えば、真珠光沢に類似した光沢感を発現する顔料を含有したインク等、発色以外の質感を発現させる種々のインクを用いた場合にも共通した問題である。
本発明は、上記した課題を踏まえ、メタリックインク等の特異なインクとカラーインクを併用した印刷画像を観察する場合の特異なインクの発現するメタリック感等の質感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を図ることをその目的とする。
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明では、以下の構成を採用した。
[適用1:印刷装置]
透光性を有する透光性基材を備えた印刷媒体に印刷する印刷装置であって、
前記透光性基材の表面に形成済みの透光性を呈するインク吸収層の側を印刷面として、前記印刷媒体を搬送方向に沿って移動する媒体移動手段と、
特殊光沢を呈する特殊光沢インクを吐出する特殊光沢インク吐出ヘッドとカラーインクを吐出するカラーインク吐出ヘッドとを有する印刷ヘッドと、
前記特殊光沢インク吐出ヘッドからの前記特殊光沢インクの吐出と、前記カラーインク吐出ヘッドからの前記カラーインクの吐出とを行って、前記特殊光沢インクを用いた特殊光沢領域の印刷と、該特殊光沢領域における前記インク吸収層への浸透を起こすよう前記カラーインクを用いた発色領域の印刷とを行う吐出制御手段とを備える
ことを要旨とする。
[適用2:印刷方法]
印刷方法であって、
透光性を有する透光性基材の表面に透光性を呈するインク吸収層を形成済みの印刷媒体を、前記インク吸収層側が印刷面となるように準備し、
特殊光沢を呈する特殊光沢インクを用いた特殊光沢領域の印刷と、
該特殊光沢領域における前記インク吸収層への浸透を起こすようカラーインクを用いた発色領域の印刷とを前記印刷面に対して行う
ことを要旨とする。
本願に云うところの特殊光沢を呈する特殊光沢インクは、印刷を経た印刷媒体表面において特殊光沢を呈するインクであり、所定の質感を発現する顔料を含有する質感発現インクとできる。こうした特殊光沢インクの一例であるメタリックインクは、印刷媒体表面への定着後にメタリック感を発現する金属顔料を含有する。この他、特殊光沢インクを、媒体表面への定着後に真珠光沢感を発現する顔料、例えば天然真珠のように真珠色を有する薄膜層を複数層重ねたような顔料を含有する真珠光沢インクや、媒体表面への定着後に乱反射を起こしていわゆるラメ感やなし地感を発現するよう微小凹凸を有する顔料を含有するラメインクやなし地インクなども含まれる。そして、本願に云うところの特殊光沢インクの一つであるメタリックインクは、金属的な光沢を有するインクであり、この金属光沢は、メタリックインクが含有する金属顔料により発現する。このようなメタリックインクとしては、金属顔料と有機溶剤と樹脂とを含む油性インク組成物を用いることができる。金属的な光沢感を効果的に生じさせるためには、前述の金属顔料は、平板状の粒子であることが好ましく、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすことが好ましい。このような金属顔料は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成することができ、また、金属蒸着膜を破砕して作成することも可能である。メタリックインクに含まれる金属顔料の濃度は、例えば、0.1〜 10.0重量%とすることができる。もちろん、メタリックインクはこのような組成に限らず、金属光沢が生じる組成であれば他の組成を適宜採用することが可能である。
また、特殊光沢インクを、媒体表面に印刷されたインクの光学的特性が反射角依存性を有するインクとすることもでき、これら特殊光沢インクの一例であるメタリックインクのメタリック感を光学的特性の観点から述べると、次のようになる。メタリック感は、反射光を見た感覚であることから、光学的特性において反射角依存性を備え、このメタリック感を表す指標が種々提案されている。よって、この指標を持ってして、メタリック感を発現するメタリックインクを規定することもできる。例えば、次式(1)で表される公知のメタリック感指標値In1を用いてもよい。このメタリック感指標値In1は、−45度の角度から被測定物(メタリック感発現印刷物)を照射したときに、式(1)に規定する異なる3箇所での反射光の明度を測定し、この3箇所で得られた明度の関係から定めることができる。よって、このメタリック感指標値In1により、上記したメタリック感発現のための金属顔料と同じようにして、メタリックインクを規定することもできる。
Figure 2010052207
この他、メタリック感指標値In1を規定する上での3箇所の明度を用いて次式(2)で表されるメタリック感指標値In2や、次式(3)で表されるメタリック感指標値In3などを、メタリック感の指標として用いてもよい。
Figure 2010052207
Figure 2010052207
上記数式で示されるいずれの指標値も反射角に依存した数値として定まることから、これら指標値で特殊光沢インクを規定することができる。
また、本願に云うところのカラーインクは、印刷媒体のインク吸収層に浸透して、当該インク吸収層にて発色するインクである。こうしたカラーインクの一例である染料性のカラーインクは、有機色素としての染料を含むインクであり、その含有する有機色素で規定される色を発色する。染料としては天然染料、合成染料のいずれでもよく、カラー印刷に用いる色を例示してその色の染料性のインクを例示すると次のようになる。
例えば、シアン、マゼンタ、イエロと、ブラックの常用の4色のインク以外に、ライトシアンとライトマゼンタを例に上げ説明すると、シアンインクは、シアン色を発する染料の一例であるダイレクトブルー99を、粘度調整用の例えばジエチレングリコールと水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。ライトシアンインクは、シアン色を発する上記の染料の含有量を控えた上で、この染料を上記の溶媒に溶解させたインクである。マゼンタインクは、マゼンタ色を発する染料の一例であるアシッドレッド289を、上記の溶媒に溶解させたインクである。ライトマゼンタインクは、マゼンタ色を発する上記染料の含有量を控えた上で、この染料を上記の溶媒に溶解させたインクである。イエロインクは、イエロ色を発する染料の一例であるダイレクトイエロ86を、上記の溶媒に溶解させたインクである。ブラックインクは、黒色を発する染料の一例であるフードブラック2を、上記の溶媒に溶解させたインクである。こうした染料性のカラーインクは、染料の含有量や、粘度調整用のジエチレングリコールや水の含有量がそれぞれ調整された上で、粘度調整もされている。なお、顔料性のカラーインクであっても、含有する顔料の粒子径がインク吸収層の空隙への入り込みが可能な程度にまで小径であれば、印刷媒体のインク吸収層に浸透して、当該インク吸収層にて発色するインクとなり得る。
更に、本願に云うところのインク吸収層は、上記した各色のカラーインクが浸透してインクの色での発色を起こす層である。例えば、染料性のカラーインクの浸透と染料定着が容易なポリビニルアルコール等の吸収層の形成材料を含有する溶剤を用いて、インク吸収層は透光性基材の基材表面に形成される。インク吸収層の厚みは、十分な発色に必要なインク量を吸収可能な厚みであれば特段規定する必要はなく、約50μm程度までの範囲の吸収層厚みであれば、染料性のカラーインクの浸透および染料の定着と発色に特段の支障はない。なお、上記したインク吸収層は、その形成材料であるポリビニルアルコールをバインダーとして機能させてインクの吸収を行うことからいわゆる膨潤型のインク吸収層となり、こうした膨潤型のインク吸収層以外に、いわゆる空隙型と称されるインク吸収層とすることもできる。この空隙型のインク吸収層は、シリカやアルミナなどの無機微粒子からなるインク受容層を有しており、当該インク受容層に存在する無数の微細空隙(平均径20nm前後)に毛細管現象によりインクを吸収する。
これらインクを用いる上記構成の印刷装置と印刷方法では、透光性を有する透光性基材の表面に形成済みの透光性を呈するインク吸収層を有する透光性の印刷媒体に、特殊光沢インクとカラーインクとを併用して印刷を行う。この際、インク印刷は、インク吸収層の側の印刷媒体表面に対して行う。この場合、特殊光沢インクとしては、既述したメタリックインクの他、真珠光沢インクやラメインクやなし地インク等のインクもあるが、以下、特殊光沢インクと当該インクによる印刷領域等の説明に際しては、特殊光沢インクがメタリックインクであるとして説明する。
上記したように印刷を行うと、メタリックインクのみの印刷箇所は、メタリックインクの金属顔料によるメタリック感(所定の質感)が発現したメタリック領域となり、カラーインクの印刷箇所は、カラーインクがインク吸収層に浸透して発色する発色領域となる。そして、発色領域と重なるメタリック領域においては、カラーインクは、メタリック領域より下層側のインク吸収層に浸透して、当該インク吸収層にて発色する。
従って、メタリックインクとカラーインクとを併用した印刷を行った透光性の印刷媒体を、インク印刷面の裏面側から透かして観察すれば、インク吸収層に浸透したカラーインクによる発色領域がメタリックインクの印刷によるメタリック領域の上になるよう重なることになる。そして、メタリックインクの印刷によるメタリック領域に重なった発色領域(以下、この領域を適宜、メタリックカラー領域と称する)は、カラーインクの色で彩度よく発色すると共に、メタリックカラー領域のカラーインクは、染料性であれば高い透明性を有することから、下層側に位置するメタリック領域のメタリック感(所定の質感)は損なわれにくくなる。この結果、上記構成を有する印刷装置と印刷方法によれば、メタリックインク(特殊光沢インク)とカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感(所定の質感)の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を図ることができる。しかも、上記構成を有する印刷装置と印刷方法で得られた印刷結果物では、透光性の印刷媒体自体が印刷領域の保護機能を果たすので、印刷品質の維持に寄与できる。
上記した印刷方法は、次のような態様とすることができる。例えば、前記メタリックインク(特殊光沢インク)を吐出するメタリックインク(特殊光沢インク)吐出ヘッドと前記カラーインクを吐出するカラーインク吐出ヘッドとを有する印刷ヘッドを用意し、前記印刷媒体と前記印刷ヘッドの相対移動を行いつつ、前記印刷ヘッドの吐出ヘッドからインクを吐出してメタリック領域(特殊光沢領域)の印刷と前記発色領域の印刷とを行う。こうすれば、インクジェット方式の印刷手法にて、上記した効果を奏することができると共に、印刷品質の維持が可能な印刷結果物を容易に得ることができる。
この場合、前記吐出ヘッドからのインク吐出に当たり、メタリックインク(特殊光沢インク)吐出ヘッドからメタリックインク(特殊光沢インク)を吐出してメタリック領域(特殊光沢領域)の印刷を行ってメタリック層を形成した後に、該印刷されたメタリック領域(特殊光沢領域)を含む範囲に、前記カラーインク吐出ヘッドから前記カラーインクを吐出して前記発色領域の印刷を行うようにできる。こうすれば、先に印刷形成されたメタリック領域(特殊光沢領域)の下層側のインク吸収層に、カラーインクが浸透して、インク吸収層にて、カラーインクの発色領域(メタリックカラー領域)が形成される。つまり、カラーインクの吐出に先立ってメタリック層を形成できるのでメタリック層の形成条件が安定し、平滑で高い金属光沢を有し、耐擦性にも優れたメタリック層を形成できる。カラーインクは後から吐出するにもかかわらず、カラーインク層がメタリック層の下に形成される点に本方式の特徴がある。
また、メタリックインク(特殊光沢インク)吐出ヘッドからのメタリックインク(特殊光沢インク)の吐出に際しては、メタリック領域(特殊光沢領域)の全てをメタリックインクに含有される顔料で被覆する状況を回避するようメタリックインク(特殊光沢インク)を吐出して印刷を行うようにできる。こうすれば、メタリック領域(特殊光沢領域)下層側のインク吸収層へのカラーインクの浸透の実効性を高めることができるので、インク吸収層におけるカラーインクの発色領域(メタリックカラー領域)の形成が確実となり彩度向上を図ることができる。
更に、前記印刷媒体の副走査方向に沿った媒体移動と、前記印刷ヘッドの主走査方向に沿ったヘッド移動とを行いつつ、メタリックインク(特殊光沢インク)吐出ヘッドからのメタリックインク(特殊光沢インク)の吐出によるメタリック領域(特殊光沢領域)の印刷と、前記カラーインク吐出ヘッドからの前記カラーインクの吐出による前記発色領域の印刷とを、前記印刷ヘッドの主走査方向に沿った1回の移動の際に同時に行うようにできる。こうすれば、印刷ヘッドの主走査方向に沿った1回の移動、いわゆる1パスの間にメタリック領域(特殊光沢領域)の印刷形成とその下層側のインク吸収層への浸透を経た発色領域(メタリックカラー領域)の印刷形成ができるので、印刷の高速化を図ることができる。本方式では、メタリックインクとカラーインクの印画順は必ずしも固定されず両者の混色が生じるが、混色が生じた場合でも、カラーインクはインク吸収層に浸透し、メタリックインクに含有される顔料はインク吸収層の表面にメタリック層を形成するため、下にカラーインク発色層、その上に遮光性のあるメタリック層という2層構造が自動的に形成される。
この他、前記カラーインク吐出ヘッドから前記カラーインクを吐出して前記発色領域の印刷を行い、その後、メタリックインク(特殊光沢インク)吐出ヘッドからメタリックインク(特殊光沢インク)を吐出してメタリック領域(特殊光沢領域)の印刷を行うようにできる。こうすれば、メタリック領域(特殊光沢領域)の下層側のインク吸収層において、インク浸透を経たカラーインクによる発色領域を確実に印刷形成した上で、当該発色領域に重ねてメタリック領域(特殊光沢領域)を確実に印刷形成できる。つまり、吐出した総てのカラーインクをインク吸収層に浸透させることができるので、彩度の高い発色と、既述したようにインク印刷面の裏面側から印刷媒体を透かして観察した場合に発色領域の下層側となるメタリック領域(特殊光沢領域)でのメタリック感(特殊光沢や所定の質感)の確保とを図ることができる。
[適用3:印刷方法]
透光性を有する透光性基材を備えた印刷媒体に印刷する印刷方法であって、
前記透光性基材の一方の表面に形成済みの透光性を呈するインク吸収層に、カラーインクを用いた発色領域の印刷を行い、
前記印刷媒体の他方の表面に、特殊光沢を呈する特殊光沢インクを用いた特殊光沢領域の印刷を行う
ことを要旨とする。
上記構成の印刷方法では、透光性を有する透光性基材の表面に透光性を呈するインク吸収層を有する透光性の印刷媒体に対して、その両面にインク印刷を行う。これにより、透光性基材を挟んでインク吸収層にて浸透発色したカラーインクによる発色領域とメタリックインク(特殊光沢インク)によるメタリック領域(特殊光沢領域)が重なる。そして、発色領域ではインク吸収層へのインク浸透が進んで彩度低下を起こすことのない発色が確保される。一方、発色領域の側から透光性の印刷媒体を透かして観察した場合におけるメタリック領域(特殊光沢領域)のメタリック感(特殊光沢や所定の質感)は、当該領域の上の透光性基材および透光性の発色領域にて損なわれにくくなる。この結果、上記構成の印刷方法によっても、既述した効果を奏することができる。
そして、上記した印刷方法と上記態様において、メタリックインク(特殊光沢インク)を用いたメタリック領域(特殊光沢領域)の印刷を行った側の前記印刷媒体の表面に、白色層を形成するようにすることができる。こうすれば、透光性の印刷媒体を透かして観察する場合の媒体裏面側を白色で覆うので、カラーインクによる発色領域の彩度を高めたり、印刷媒体裏面側の壁等の色の影響を排除することが可能となる。
この場合、白色層を吐出ヘッドからのインク吐出により印刷形成すれば、メタリックインク(特殊光沢インク)やカラーインクでの印刷を行いつつ白色層を形成できる。また、メタリック領域(特殊光沢領域)を除く範囲に白色層を印刷形成すれば、白色層の形成に用いるインクの少量化を図ることができる。こうした印刷の他、白色シートにて白色層を形成してもよい。
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づき次の順序で説明する。
A.実施形態の概要:
B.装置構成:
C.実施例:
D.他の実施例
A.実施形態の概要:
図1は本発明の実施形態としての印刷システム10の概略構成図である。図示するように、本実施例の印刷システム10は、印刷制御装置としてのコンピュータ100と、コンピュータ100の制御の下で実際に画像を印刷するプリンタ200などから構成されている。印刷システム10は、全体が一体となって広義の印刷装置として機能する。
本実施例のプリンタ200には、カラーインクとして、シアンインクと、マゼンタインクと、イエロインクと、ブラックインクとが備えられており、更に、含有する金属顔料により金属光沢を呈するメタリックインクが備えられている。なお、本実施例において「カラーインク」という場合には、ブラックインクも含む意味であることとする。
メタリックインクとしては、本実施例では、金属顔料と有機溶剤と樹脂とを含む油性インク組成物を用いた。含有する金属顔料については、以下のように規定されたものを含有する。例えば、平板状粒子の金属顔料とした上で、この平板状粒子の平面上の長径をX、短径をY、厚みをZとした場合、平板状粒子のX−Y平面の面積より求めた円相当径の50%平均粒子径R50が0.5〜3μmであり、かつ、R50/Z>5の条件を満たすものを採用した。この場合、アルミニウムやアルミニウム合金によって形成した金属顔料としたり、金属蒸着膜を破砕して作成した金属顔料とすることも可能である。本実施例では、アルミニウムから形成した金属顔料を採用した。メタリックインクに含まれる金属顔料の濃度としても、例えば、0.1〜 10.0重量%とすることができ、本実施例では、1.5重量%のものを用いた。
カラーインクは、上記した各色で発色する有機色素としての染料を含む染料性のカラーインクである。本実施例では、シアン、マゼンタ、イエロと、ブラックの4色の染料性のカラーインクを用いた。シアンインクは、シアン色を発する染料であるダイレクトブルー99を3.6重量パーセント含有し、この染料を、30重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、65.4重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。マゼンタインクは、マゼンタ色を発する染料であるアシッドレッド289を2.8重量パーセント含有し、この染料を、20重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、76.2重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。
イエロインクは、イエロ色を発する染料であるダイレクトイエロ86を1.8重量パーセント含有し、この染料を、30重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、67.2重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。ブラックインクは、黒色を発する染料であるフードブラック2を4.8重量パーセント含有し、この染料を、35重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、69.2重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクである。いずれのインクも、吐出ヘッドからの吐出に支障がないよう、例えば、粘度がおよそ3[mPa・s]程度に調整されている。
なお、上記したカラーインクに加え、いわゆる淡色系のインクを用いる場合には、ライトシアンインクとして、シアン色を発する染料であるダイレクトブルー99をシアンインクの1/4である0.9重量パーセントに控えた上で、この染料を、35重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、63.1重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクとすればよい。ライトマゼンタインクとしては、マゼンタ色を発する染料であるアシッドレッドを、マゼンタインクの1/4である0.7重量パーセントに控えた上で、この染料を、25重量パーセントの粘度調整用のジエチレングリコールと、1重量パーセントのサーフィノール465と、73.3重量パーセントの水とを混合した溶媒に溶解させたインクとすればよい。
コンピュータ100には、所定のオペレーティングシステムがインストールされており、このオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム20が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ22やプリンタドライバ24が組み込まれている。アプリケーションプログラム20は、例えば、周辺機器インタフェース108を通じて、デジタルカメラ120から画像データORGを入力する。すると、アプリケーションプログラム20は、ビデオドライバ22を介して、この画像データORGによって表される画像をディスプレイ114に表示する。また、アプリケーションプログラム20は、プリンタドライバ24を介して、画像データORGをプリンタ200に出力する。アプリケーションプログラム20がデジタルカメラ120から入力する画像データORGは、レッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の3色の色成分からなるデータである。
本実施例のアプリケーションプログラム20は、画像データORG内の任意の領域に対して、R,G,Bの色成分からなる領域(以下、「カラー発色領域」という)と、メタリックインクを印刷した領域(以下、「メタリック領域」という)を指定することができる。メタリック領域とカラー発色領域の一部は重畳することになり、その重畳した領域では、メタリックインクの金属顔料が呈する金属光沢を背景色として、その上にカラー画像が形成されることになる。つまり、この重量領域がメタリックカラー領域となる。また、メタリックインクを用いただけのメタリック領域(メタリック単独領域)となるようにすることもできる。このようにメタリック領域を指定する場合、予め当該領域を指定するほか、例えば、特定の図形形状の印刷領域をメタリック領域とするようアプリケーションプログラム20にてプログラムしたり、特定の色での印刷領域をメタリック領域とするようアプリケーションプログラム20にてプログラムしておくこともできる。
プリンタドライバ24の内部には、色変換モジュール42と、ハーフトーンモジュール44と、印刷制御モジュール46とが備えられている。このうち印刷制御モジュール46には、メタリックドット形成モジュール47とカラー印刷モジュール48とが備えられている。
色変換モジュール42は、予め用意された色変換テーブルLUTに従い、画像データORG中のカラー発色領域について、その色成分R,G,Bをプリンタ200が表現可能な色成分(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各色)に変換する。
ハーフトーンモジュール44は、色変換モジュール42によって色変換された画像データの階調をドットの分布によって表すハーフトーン処理を行う。本実施例では、このハーフトーン処理として、周知の組織的ディザ法を用いる。なお、ハーフトーン処理としては、組織的ディザ法以外にも、誤差拡散法や濃度パターン法その他のハーフトーン技術を利用することができる。
印刷制御モジュール46は、ハーフトーン処理された画像データを、プリンタ200に転送すべき順序に並べ替えて、印刷データとしてプリンタ200に出力する。また、印刷制御モジュール46は、印刷開始コマンドや印刷終了コマンドなどの種々のコマンドをプリンタ200に出力することで、プリンタ200の制御を行う。
本実施例では、印刷制御モジュール46は、メタリックドット形成モジュール47とカラー印刷モジュール48とを備えている。メタリックドット形成モジュール47は、アプリケーションプログラム20によって指定されたメタリック領域に、所定サイズのメタリックドットを形成する。本実施例では、メタリックドットのドットサイズを変更することで、メタリック領域における例えば単位面積当たりの金属顔料分布量を規定することができる。例えば、メタリック感を増すには金属顔料分布量を増やし、メタリック感を控えるには金属顔料分布量を少なくすればよい。この場合、本実施例では、後述するようにメタリックインクによるメタリック領域の下側に、後から印刷(ドット吐出)された染料性のカラーインクの浸透を図るため、メタリック領域が全て金属顔料で覆われてしまわないよう、メタリックドットのドットサイズ、詳しくは金属顔料分布量を制限している。カラー印刷モジュール48は、ハーフトーン処理された画像、即ち、カラー発色領域の画像について、上記各色のカラーインクによるドット形成を行う。
B.装置構成:
図2は印刷制御装置としてのコンピュータ100の構成図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続することによって構成された周知のコンピュータである。
コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126等のデータを読み込むためのディスクコントローラ109や、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器インタフェース108、ディスプレイ114を駆動するためのビデオインターフェース112が接続されている。周辺機器インタフェース108には、プリンタ200や、ハードディスク118が接続されている。また、デジタルカメラ120やカラースキャナ122を周辺機器インタフェース108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像に対して画像処理を施すことも可能である。また、ネットワークインターフェースカード110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。コンピュータ100は、印刷しようとする画像データを取得すると、上述したプリンタドライバ24の働きにより、プリンタ200を制御して、この画像データの印刷を行う。
次に、プリンタ200の構成について説明する。図3はプリンタ200の概略構成を示すブロック図である。この図3に示すように、プリンタ200は、紙送りモータ235によって印刷媒体Pを搬送する機構と、キャリッジモータ230によってキャリッジ240をプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ240に搭載された印刷ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、これらの紙送りモータ235,キャリッジモータ230,印刷ヘッド241および操作パネル256との信号のやり取りを司る制御回路260とから構成されている。
キャリッジ240をプラテン236の軸方向に往復動させる機構は、プラテン236の軸と並行に架設されキャリッジ240を摺動可能に保持する摺動軸233と、キャリッジモータ230との間に無端の駆動ベルト231を張設するプーリ232と、キャリッジ240の原点位置を検出する位置検出センサ234等から構成されている。
キャリッジ240には、カラーインクとして、シアンインク(C)と、マゼンタインク(M)と、イエロインク(Y)と、ブラックインク(K)とをそれぞれ収容したカラーインク用カートリッジ243が搭載される。また、キャリッジ240には、メタリックインク(S)を収容したメタリックインク用カートリッジ242が搭載される。キャリッジ240の下部の印刷ヘッド241には、これらの各色に対応する計5種類のインク吐出用ヘッド244ないし248が形成されている。キャリッジ240にこれらのインクカートリッジ242,243を上方から装着すると、各カートリッジからインク吐出用ヘッド244ないし248へのインクの供給が可能となる。
ここで、印刷ヘッド241について説明する。図4は印刷ヘッド241を構成するインク吐出用ヘッドのノズル配置を概略的に示す説明図である。図示するように本実施例では、メタリックインク(S)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)の各色について、それぞれ、10本のノズルが印刷ヘッド241の下面に副走査方向に配列されている。各ノズルは、副走査方向に2ドット間隔で配置されている。図中、下方が、副走査方向を示しているため、印刷時には、最も下方に示したノズルから、印刷媒体Pを通過することになる。図中、黒く塗りつぶしたノズルは、メタリックインクが吐出されるノズルであることを示し、ハッチングを付したノズルは、カラーインクが吐出されるノズルであることを示す。それ以外のノズルは、使用されないノズルであることを示している。
図4に示すように、本実施例では、メタリックインクのインク吐出用ヘッド248については、10本のノズルのうち、先に印刷媒体Pを通過する3本のノズルを実際の印刷時に使用し、残りの7本は不使用とする。また、カラーインク(C,M,Y,K)のノズル列をなすインク吐出用ヘッド244〜247については、10本のノズルのうち、先に印刷媒体Pを通過する4本のノズルを不使用とし、残りの6本を使用する。従って、各ノズル列のうち、最初に印刷媒体を通過するノズルから数えて、4番目のノズルについては、いずれも使用されないことになる。以下、必要に応じて、メタリックインクが吐出されるノズルを、メタリックノズルグループといい、カラーインクが吐出されるノズルをカラーノズルグループという。
図4に示した各ノズル内には、ピエゾ素子が組み込まれている。ピエゾ素子は、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子に所定の電圧信号(駆動信号)を印加することにより、ノズル内のインク通路の一側壁を変形させることで、インク滴をノズルから吐出させる。なお、本実施例では、このように、ピエゾ素子を用いてインクを吐出させているが、気泡(バブル)をノズル内に発生させることで、インクを吐出させる方式を採用してもよい。
図3に示すプリンタ200の制御回路260は、CPUや、ROM、RAM、PIF(周辺機器インタフェース)等がバスで相互に接続されて構成されており、キャリッジモータ230および紙送りモータ235の動作を制御することによってキャリッジ240の主走査動作および副走査動作の制御を行う。また、PIFを介してコンピュータ100から出力された印刷データを受け取ると、キャリッジ240が主走査あるいは副走査する動きに合わせて、印刷データに応じた駆動信号をインク吐出用ヘッド244ないし248に供給することによって、これらのヘッドを駆動するが可能となっている。
以上のようなハードウェア構成を有するプリンタ200は、キャリッジモータ230を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド244ないし247を印刷媒体Pに対して主走査方向に往復動させ、また紙送りモータ235を駆動することによって、印刷媒体Pを副走査方向に移動させる。制御回路260は、キャリッジ240が往復動する動き(主走査)や、印刷媒体の紙送りの動き(副走査)に合わせて、印刷データに基づいて適切なタイミングでノズルを駆動することにより、印刷媒体P上の適切な位置に適切な色のインクドットを形成する。こうすることによって、プリンタ200は印刷媒体P上へのカラー画像印刷、並びにメタリック領域に重ねたカラー印刷画像領域(メタリックカラー領域)の形成を可能とする。
なお、本実施例のプリンタ200は、印刷媒体Pに向けてインク滴を吐出することにより、インクドットを形成する所謂インクジェットプリンタであるものとして説明するが、どのような手法を用いてドットを形成するプリンタであっても構わない。例えば、本願発明は、インク滴を吐出する代わりに、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させることでドットを形成するプリンタや、後述のラインプリンタに対しても好適に適用することが可能である。
C.実施例:
(C1)第1実施例:
図5は第1実施例における印刷処理のフローチャート、図6はこの印刷処理におけるメタリックインクとカラーインクの併用印刷の様子を模式的に示す説明図である。この第1実施例では、コンピュータ100は、メタリックインクを用いたメタリック領域を判別し、このメタリック領域以外の領域については、メタリックインクの使用を制限してカラーインクだけによる印刷を図る処理を行う。
印刷処理を開始すると、コンピュータ100は、まず、RGB形式の画像データを入力する(ステップS100)。画像データを入力すると、コンピュータ100は、アプリケーションプログラム20にて定めたメタリック領域を判別する(ステップS102)。この判別処理を図6を用いて説明すると、コンピュータ100は、アプリケーションプログラム20にて定めたプログラムに従って、例えば、図6に示すようなハート形状の図形領域をメタリック領域と判別する。この他、アプリケーションプログラム20にて、所定の色にて印刷される領域をその形状を含めてメタリック領域と判別することもできる。例えば、太陽や星を含む印刷画像であれば、この画像における太陽や星を、形状や色等の画像解析を経て区別し、その区別領域をメタリック領域と判別するようにすることができる。
メタリック領域を判別すると、続いて、コンピュータ100は、色変換モジュール42を用いて、ステップS100で入力したRGB形式の画像データをCMYK形式の画像データに変換する(ステップS104)。CMYK形式の画像データが得られると、コンピュータ100は、ハーフトーンモジュール44を用いてハーフトーン処理を行い、プリンタ200に転送可能なデータを生成する(ステップS106)。
ハーフトーン処理が終了すると、コンピュータ100は、印刷制御モジュール46を用いてプリンタ200を制御し、印刷を開始する(ステップS108)。
コンピュータ100は、印刷を開始すると、ステップS102で判別されたメタリック領域と、印刷対象となるようドット形成で割り付けられた現在のドットの位置とを比較することで、現在の印刷対象ドットが、メタリック領域か非メタリック領域(即ち、カラーインクだけによるカラー単独領域)かを判断する(ステップS110)。かかる判断により、現在の印刷対象ドットが、非メタリック領域であると判断されれば、コンピュータ100は、現在の印刷対象ドットに対するメタリックインクの使用を禁止して(ステップS112)、カラーインクのみでドットを形成して印刷を実行する(ステップS114)。
一方、現在の印刷対象ドットが、メタリック領域であると判断されれば、コンピュータ100は、現在の印刷対象ドットについて、メタリックインクを使用すると決定し(ステップS116)、メタリックインクとカラーインクとを用いてドットを形成する(ステップS118)。具体的には、現在の印刷対象ドットに対して、一定濃度のメタリックインクによるドットを形成してメタリックインクを先に吐出してメタリック領域を印刷形成し、その後に、メタリック領域の上に、カラーインクを吐出してカラーインクによりカラー発色領域を印刷形成する。これにより、メタリック領域にカラー発色領域が重なったメタリックカラー領域が形成される。
上記ステップS114あるいはステップS118によって現在の印刷対象ドットの形成およびインク吐出が完了すれば、コンピュータ100は、画像データ全体の印刷が終了したかを判断する(ステップS120)。画像データ全体の印刷が終了していなければ、コンピュータ100は、処理をステップS110に戻して、引き続き、他のドットの形成を続行する。一方、画像データ全体の印刷が終了すれば、当該印刷処理を終了する。
このようにしてドット形成とその吐出による印刷を画像データ全体について繰り返す場合の、上記したステップS118による印刷の様子を図6を用いて詳述する。
まず、印刷媒体Pについて説明する。本実施例で印刷対象とする印刷媒体Pは、図6(A)に示すように、透光性を有するポリエチレンテレフタレート(PET)等の透光性基材PTKとその基材表面に形成済みのインク吸収層PIKとを備える。このインク吸収層PIKにあっても透光性を呈することから、印刷媒体Pは、媒体全体としても透光性を備える。この場合、印刷媒体Pは、インク吸収層PIKの側が印刷面となるようプラテン236に搬送され、副走査方向に移動する。
透光性基材PTKに形成済みのインク吸収層PIKは、上記した各色の染料性のカラーインクが浸透してインクの染料の定着を起こし、この染料に依存した色の発色を起こす。例えば、このインク吸収層PIKは、染料性のカラーインクの浸透と染料定着が容易なポリビニルアルコール等の吸収層の形成材料を用いて、約50μmまでの厚みで透光性基材PTKの基材表面に形成され、浸透した上記各色のカラーインクの染料の定着を経て、当該カラーインクの色で発色する。この場合、カラーインクが混色されれば、その混色の色で発色する。
図6(B)に示すように、本実施例ではステップS102の処理にてハート形状のメタリック領域MAが判別されている。よって、ステップS118では、まず印刷制御モジュール46のメタリックドット形成モジュール47により、印刷ヘッド241のインク吐出用ヘッド248からのメタリックインク吐出を経て、当該インクにてハート形状のメタリック領域MAを印刷媒体Pにおけるインク吸収層PIKの側に印刷する。この場合、図4にて説明したように、メタリックノズルグループは、先に印刷媒体Pを通過するノズルであることから、メタリックインクによるハート形状のメタリック領域MAの印刷は、物理的にも先に行われる。
メタリックインクは、既述したように金属顔料を含有した油性インク組成物であることから、インク吸収層PIKへは浸透を起こさずに吸収層表面に留まってメタリック領域MAを印刷形成する。そして、含有される金属顔料MGは、ハート形状のメタリック領域MAにおいて分散して並び、それぞれの金属顔料MGにより、このメタリック領域MAでは、メタリック感が発現する。この場合、金属顔料MGの分散の様子は、メタリックインクの吐出量で定まる。この金属顔料MGの分散の様子について、図6(B)の側面視およびその上面矢視を用いて詳述する。
ハート形状のメタリック領域MAを肉眼観察した場合、メタリック領域MAの全領域があたかも金属顔料MGで覆われているようになる。しかしながら、メタリックインクに含有される金属顔料MGは、上記したように微細であることから、メタリック領域MAの一部領域を拡大視すると、図中に模式的に拡大して示すように、メタリックインクの吐出量によって金属顔料MGの分散の様子を変えることができる。つまり、図中の拡大図に示すように、メタリックインク吐出量を制御することで、金属顔料MGにてメタリック領域MAの全領域を覆うよう金属顔料MGを分散させたり、メタリック領域MAの全てが金属顔料MGで被覆されないようにできる。図中の一方の拡大図に示すように金属顔料MGにてメタリック領域MAの全領域が覆われていても、隣接する金属顔料MG或いは重なり合った金属顔料MGの間には微細や隙間が存在するので、後に吐出されるカラーインクはこうした微細な隙間を通過してインク吸収層PIKに浸透する。図中の他方の拡大図に示すように金属顔料MGがメタリック領域MAの全領域を覆わずに分散している場合には、金属顔料MGが分散していない箇所からも、後に吐出されるカラーインクはインク吸収層PIKに浸透する。
こうしてメタリックインクによるメタリック領域MAの印刷が終わると、詳しくは主走査・副走査方向に亘る一部領域でのメタリック領域MAの印刷が終わると、当該印刷済みメタリック領域MAにおいて、印刷ヘッド241のノズル列をなすインク吐出用ヘッド244〜247のそれぞれからの各色のカラーインク吐出を経て、当該インクにてハート形状のカラー発色領域CAが印刷される。この場合のカラー発色領域CAは、印刷済みのメタリック領域MAと重なって印刷形成されるが、既述したように染料性のインクであるが故にインク吸収層PIKに対する浸透性に富むカラーインクは、既述したように金属顔料MG間の微細な隙間や金属顔料MGの分散していない箇所からインク吸収層PIKに浸透する。よって、図6(C)の側面視に示すように、染料性のカラーインクは、メタリック領域MAよりも下側に位置するインク吸収層PIKに浸透して染料を定着させ、このインク吸収層PIKにてカラー発色領域CAを、メタリック領域MAと同様のハート形状でメタリック領域MAの下側に高い彩度で形成する。この場合、カラー発色領域CAは、メタリック領域MAと異なる形状でもよく、例えば、メタリック領域MAの一部領域や、メタリック領域MAを含む領域とすることもできる。なお、図6(C)では、カラー発色領域CAは、インク吸収層PIKの厚み方向には最下面まで均一に浸透して発色しているよう図示されているが、インク量が少ない場合などは必ずしも最下面まで浸透する必要はなく、また上面に近いほど高濃度で発色するような濃度勾配が生じてもよい。
その一方、非メタリック領域では、ステップS112によりメタリックインクによる印刷が行われない。よって、ステップS114でのカラーインクだけによる印刷により、インク吸収層PIKに浸透したカラーインクによって、カラー発色領域だけが印刷形成されることになる。
以上説明した第1実施例の印刷処理により、本実施例の印刷システム10は、メタリックインクによるメタリック領域印刷と、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、ブラック(K)の各色の染料性のカラーインクによるカラー発色領域印刷とを、印刷面側にインク吸収層PIKを有する透光性の印刷媒体Pに対して、メタリック領域印刷、カラー発色領域印刷の順に行う。このようにメタリック領域印刷を先に行うために、平滑度が高く良好な金属光沢を有するメタリック領域を、安定して形成できる。そして、印刷システム10では、こうした順で印刷を行うものの、図6に示すように、染料性のカラーインクのインク吸収層PIKへの浸透を経て、カラー発色領域CAをメタリックインクによるメタリック領域MAの下層側に高彩度で形成する。
このため、本実施例の印刷システム10にて得られた透光性の印刷媒体Pでの印刷結果部を、インク印刷面の裏面側、即ち図6における下方側から透かして観察すれば、インク吸収層PIKに浸透した染料性のカラーインクによるカラー発色領域CAがメタリックインクの印刷によるメタリック領域MAの上に来るよう重なることになる。そして、メタリックインクの印刷によるメタリック領域MAに重なったカラー発色領域CAは、染料性のカラーインクの色で彩度よく発色する。しかも、カラー発色領域CAのカラーインクは、染料性であるために高い透明性を有していることから、下層側に位置するメタリック領域MAのメタリック感を損なわないようにできる。この結果、本実施例の印刷システム10によれば、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を図ることができる。しかも、本実施例の印刷システム10で得られた印刷結果物では、透光性の印刷媒体P自体がメタリック領域MAおよびカラー発色領域CAを含む全ての印刷領域の保護機能を果たすので、印刷品質の維持に寄与できる。
また、本実施例の印刷システム10は、印刷手法として広く普及しているいわゆるインクジェット方式の印刷手法にて、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立を達成させることができる。しかも、印刷品質の維持が可能な印刷結果物を、インクジェット方式の印刷手法にて容易に得ることができる。
また、本実施例の印刷システム10では、メタリック感をもたらすためのメタリックインクの吐出に際しては、図6にて説明したように、メタリック領域MAの全てをメタリックインク含有の金属顔料MGで被覆しないようにした。このため、メタリック領域MAの印刷後に吐出する染料性のカラーインクのインク吸収層PIKへの浸透の実効性を高めることができる。この結果、インク吸収層PIKにおけるカラーインクのカラー発色領域形成が確実となり、彩度向上にも寄与できる。
D.他の実施例
(D1)第2実施例:
図7は図4相当図であり第2実施例における印刷ヘッド241Aを構成するインク吐出用ヘッドのノズル配置を概略的に示す説明図である。図示するようにこの第2実施例では、メタリックインク(S)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)の各色のインク吐出用ヘッド244〜247の両サイドに、メタリックインクのインク吐出用ヘッド248R、248Lを備え各インク吐出用ヘッドを副走査方向に配列させている。この第2実施例にあっては、インク吐出用ヘッドにおける全てのノズルからそれぞれインク吐出ができるようにされている。よって、各インク吐出ヘッドからのインク吐出を、印刷ヘッド241の主走査方向に沿った1回の移動の際に同時に行うことが可能である。つまり、この第2実施例では、左右のインク吐出用ヘッド248R、248Lのいずれかからのメタリックインク吐出による図6のメタリック領域MAの印刷と、インク吐出用ヘッド244〜247からのカラーインク吐出による図6のカラー発色領域CAの印刷とを、印刷ヘッド241の主走査方向に沿った1回の移動の際に同時に行う点に特徴がある。
このようにメタリック領域MAとカラー発色領域CAの両印刷を同時に行っても、詳しくは印刷ヘッド241の主走査方向に沿った1回の移動の際にメタリックインク吐出とカラーインク吐出とを同時に行っても、図6とほぼ同じようにしてメタリック領域MAの下側にカラー発色領域CAを形成できる。つまり、メタリックインクはインク吸収層PIKに浸透せずにその表面にてメタリック領域MAを形成するが、メタリックインクと上記のように同時に吐出されたカラーインクは、染料性でインク吸収層PIKへの浸透性に富み、メタリック領域MAは、既述したようにその印刷済み領域においてメタリックインクの金属顔料MGに全て覆われていない、もしくは金属顔料MGの間に微細な隙間を残している。よって、インク吸収層PIKへのカラーインクの浸透と定着による発色と、インク吸収層PIK表面でのメタリック領域MAの印刷形成とは支障なく起きるので、この第2実施例によっても、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立等、既述した効果を奏することができる。
また、この第2実施例では、印刷ヘッド241の主走査方向に沿った1回の移動、いわゆる1パスの間にメタリック領域MAの印刷形成とその下層側のインク吸収層への浸透を経たカラー発色領域CAの印刷形成ができる。よって、印刷の高速化を図ることができる。
しかも、第2実施例では、メタリックインクのインク吐出用ヘッド248R、248Lをカラーインクのインク吐出用ヘッド244〜247の両側に備える。よって、次の利点がある。仮に、メタリックインクのインク吐出用ヘッド248Rだけだとすると、印刷ヘッド241が主走査方向に沿って往路移動する場合と復路移動する場合とで、メタリックノズルグループとカラーノズルグループとについて、移動方向のグループ並びの順序が相違する。しかしながら、第2実施例では、カラーインクのインク吐出用ヘッド244〜247からなるカラーノズルグループの両側に、メタリックインクのインク吐出用ヘッド248R、248Lのいずれかのメタリックノズルグループが位置するので、印刷ヘッド241が主走査方向に沿って往路移動する場合と復路移動する場合とグループ並びの順序が同一となる。このため、印刷ヘッドの往路移動時の印刷状況と復路移動の印刷状況を同じにできるので、印刷品質の確保の上から好ましい。
(D2)第3実施例:
図8は図4相当図であり第3実施例における印刷ヘッド241Bを構成するインク吐出用ヘッドのノズル配置を概略的に示す説明図、図9は図6相当図でありこの第3実施例の印刷処理におけるメタリックインクとカラーインクの併用印刷の様子を模式的に示す説明図である。図8に示すように、この第3実施例では、各色のインク吐出用ヘッド244〜247とメタリックインクのインク吐出用ヘッド248の並びは、図4に示した第1実施例と同じであるが、各インク吐出ヘッドにおけるインク吐出ノズルの位置が相違する。つまり、この第3実施例では、インク吐出用ヘッド248において黒く塗りつぶしたノズル(メタリックインクの吐出ノズル)は、印刷媒体Pの通過が遅くなる側の3本とされ、インク吐出用ヘッド244〜247においてハッチングを付したノズル(カラーインクの吐出ノズル)は、先に印刷媒体Pを通過する6本とされている。つまり、この第3実施例では、既述した第1実施例とは逆に、図9(A)に示すように、インク吐出用ヘッド244〜247からのカラーインク吐出によるカラー発色領域CAの印刷を先に行ってから、ず9(B)に示すように、インク吐出用ヘッド248からのメタリックインク吐出による図6のメタリック領域MAの印刷を行う点に特徴がある。
このようにカラー発色領域CAとメタリック領域MAの両印刷をこの順に行えば、インク吸収層PIKには、インク吐出用ヘッド244〜247から吐出した総てのカラーインクを確実に浸透させた後に、このカラー発色領域CAの上に重ねてメタリック領域MAを印刷形成することができる。このため、インク吸収層PIKへのカラーインクの浸透が確実な分だけカラー発色領域CAを高い彩度で発色させることができると共に、既述したようにインク印刷面の裏面側から印刷媒体Pを透かして観察した場合のメタリック領域MAでのメタリック感を確保できる。
(D3)第4実施例:
図10は図3相当図であり第4実施例におけるプリンタ200Cの概略構成を示すブロック図、図11は図6相当図でありこの第4実施例の印刷処理におけるメタリックインクとカラーインクの併用印刷の様子を模式的に示す説明図である。
図10に示すように、第4実施例のプリンタ200Cは、媒体反転再投入ユニット350を備え、この媒体反転再投入ユニット350により、印刷済みの印刷媒体Pを裏返した後に、その裏面への印刷ができるよう、印刷媒体Pをプラテン236に再投入する。つまり、この第4実施例では、印刷媒体Pの表裏面への印刷が可能である点と、印刷媒体Pのインク吸収層PIKにはカラーインクによるカラー発色領域CAの印刷形成を行い、媒体裏面にはメタリックインクによるメタリック領域MAの印刷形成を行う点に特徴がある。
図11(A)に示すように、この第4実施例では、まず、印刷媒体Pをインク吸収層PIKが印刷面となるようにしてプラテン236にて送り出し、このインク吸収層PIKに、インク吐出用ヘッド244〜247からカラーインクを吐出する。これにより、インク吸収層PIKでは、吐出された全てのカラーインクが浸透して定着・発光して、カラー発色領域CAが印刷形成される。こうして、インク吸収層PIKの側での印刷が全て完了すると、その印刷済み印刷媒体Pを媒体反転再投入ユニット350に受け取らせ、当該ユニットにて、印刷媒体Pを裏面側が印刷面となるようにして、再度、プラテン236にて送り出す。そして、この送り出された印刷媒体Pの新たな印刷面、即ち透光性基材PTKの片面に、図11(B)に示すように、インク吐出用ヘッド248からメタリックインクを吐出してメタリック領域MAを印刷形成する。
このように印刷媒体Pの表裏面にカラー発色領域CAとメタリック領域MAとを分けて印刷形成する第4実施例によれば、インク吸収層PIKに浸透発色したカラーインクによるカラー発色領域CAと、メタリックインクによるメタリック領域MAとを透光性基材PTKを挟んで重ねて印刷形成する。そして、カラー発色領域CAではインク吸収層PIKへのインク浸透が進んで彩度低下を起こすことのない発色が確保される。一方、図11(B)に示すように、カラー発色領域CAの側から透光性の印刷媒体Pを透かして観察した場合におけるメタリック領域MAのメタリック感は、当該領域の上の透光性基材PTKおよび透光性のカラー発色領域CAにて損なわれないようにできる。この結果、第4実施例によっても、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立等の既述した効果を奏することができる。
(D4)第5実施例:
図12は第5実施例における処理の様子を示す説明図である。図示するように、この実施例では、上記したいずれかの実施例の印刷処理に従ってメタリック領域MAとカラー発色領域CAを印刷形成済みの印刷媒体Pに対して、メタリック領域MAの印刷を行った側の印刷媒体の表面に、白色層WSを形成する点に特徴がある。図12(A)に示すように、第1実施例にてインク吸収層PIKの側において、メタリック領域MAとカラー発色領域CAとを重ねた場合には、メタリック領域MAが印刷形成済みのインク吸収層PIKの側において、メタリック領域MAを覆うよう白色層WSを形成する。一方、図12(B)に示すように、第4実施例にて印刷媒体Pの裏面側にメタリック領域MAを印刷形成し、印刷媒体Pを挟んでメタリック領域MAとカラー発色領域CAとを重ねた場合には、メタリック領域MAが印刷形成済みの印刷媒体Pの裏面側において、メタリック領域MAを覆うよう白色層WSを形成する。このように白色層WSを形成した第5実施例によれば、図12(A)、(B)に示すように、透光性の印刷媒体Pを透かして観察する場合の媒体裏面側を白色で覆うので、カラーインクによる印刷形成済みのカラー発色領域CAの彩度を高めたり、発色した色への印刷媒体裏面側の壁等の色の影響を排除できる。よって、好適な彩度発揮を図ることができる。
上記した第5実施例における白色層WSの形成は、種々の手法を採用でき、例えば、印刷ヘッド241に備え付けたカラーインクの混色を図って白色層WSを印刷形成することができる。こうすれば、プリンタ200に特段の改造を加えることなく、メタリック領域MAの印刷側にそのメタリック領域MAを覆うよう白色層WSを容易に形成できる。この場合、メタリック領域MAを除く領域についてのみ、白色層WSを印刷形成するようにでき、こうすれば、用いるインクの少量化を図ることができる。
また、プリンタ200に、メタリック領域MAの印刷形成済み印刷媒体Pに対して剥離紙を貼り付ける機構を設けて、白色の剥離紙をメタリック領域MAの印刷面側に貼付するようにすることもできる。こうすれば、白色剥離紙の貼付にて、白色層WSを形成できる。
(D5)第6実施例:
図13は図3相当図でありラインプリンタに適用した場合のインクジェット式のラインプリンタ200Dの概略構成を示すブロック図である。この図13に示すように、本実施例のラインプリンタ200Dは、ライン状のプリンタヘッド400と、印刷媒体Pの搬送機構420とを備える。搬送機構420は、平板状のプラテン422と、ローラ対424と、その駆動モータ426とを備え、プラテン422とプリンタヘッド400との間に印刷媒体Pを副走査方向に沿って紙送りする。
プリンタヘッド400は、上述した印刷ヘッド241におけるインク吐出用ヘッド244〜248に変わるライン状のインク吐出用ヘッド402〜406と、カートリッジ412〜416とを備える。インク吐出用ヘッド402〜406は副走査方向である紙送り方向と交差して配列されて主走査方向に延び、平板状のプラテン422に対向配置されている。この場合、ライン状のインク吐出用ヘッド402〜406を、複数組の印刷ヘッドチップの集合体とし、その印刷ヘッドチップを同一ピッチで千鳥状に並べてライン状に構成することもできる。
印刷媒体Pが最初に通過するインク吐出用ヘッド402は、搬送される印刷媒体Pにメタリックインク(S)を吐出する。印刷媒体Pが2番目以降に通過するインク吐出用ヘッド403〜406は、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)をそれぞれ吐出する。カートリッジ412〜416は、メタリックインク(S)、シアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエロインク(Y)、ブラックインク(K)をそれぞれ収容して、対応する上記の各吐出用ヘッドにインクをそれぞれ供給する。
この第6実施例にあっても、プリンタヘッド400における上記したインク吐出用ヘッド402〜406の並びと、印刷媒体Pが各インク吐出用ヘッドを通過する順序とから、上述した実施例と同様、メタリックインクの吐出を経たメタリック領域MAの印刷形成と、その後の各色のカラーインクの吐出を経たカラー発色領域CAの印刷形成とを行うことができる。よって、この第6実施例によっても、メタリックインクと染料性のカラーインクを併用した印刷画像のメタリック感の確保とカラー印刷の彩度の確保の両立等、既述した効果を奏することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。例えば、上述の実施形態では、コンピュータ100とプリンタ200とによって構成される印刷システム10において、メタリックインクを用いた印刷を行っている。これに対して、プリンタ200自体が、画像データをデジタルカメラや各種メモリカードから入力してメタリックインクによる印刷を行うこととしてもよい。つまり、プリンタ200の制御回路260内のCPUが、上述した各実施例における印刷処理と同等の処理を実行することで、メタリックインクを用いた印刷を行ってもよい。
また、特殊光沢インクとしてメタリックインクを例に取り説明したが、媒体表面への定着後に真珠光沢感を発現する顔料、例えば天然真珠のように真珠色を有する薄膜層を複数層重ねたような顔料を含有する真珠光沢インクや、媒体表面への定着後に乱反射を起こしていわゆるラメ感やなし地感を発現するよう微小凹凸を有する顔料を含有するラメインクやなし地インクなどを、メタリックインクに代えて用いることもできる。
本発明の実施形態としての印刷システム10の概略構成図である。 印刷制御装置としてのコンピュータ100の構成図である。 プリンタ200の概略構成を示すブロック図である。 印刷ヘッド241を構成するインク吐出用ヘッドのノズル配置を概略的に示す説明図である。 第1実施例における印刷処理のフローチャートである。 この印刷処理におけるメタリックインクとカラーインクの併用印刷の様子を模式的に示す説明図である。 図4相当図であり第2実施例における印刷ヘッド241Aを構成するインク吐出用ヘッドのノズル配置を概略的に示す説明図である。 図4相当図であり第3実施例における印刷ヘッド241Bを構成するインク吐出用ヘッドのノズル配置を概略的に示す説明図である。 図6相当図でありこの第3実施例の印刷処理におけるメタリックインクとカラーインクの併用印刷の様子を模式的に示す説明図である。 図3相当図であり第4実施例におけるプリンタ200Cの概略構成を示すブロック図である。 図6相当図でありこの第4実施例の印刷処理におけるメタリックインクとカラーインクの併用印刷の様子を模式的に示す説明図である。 第5実施例における処理の様子を示す説明図である。 図3相当図でありラインプリンタに適用した場合のインクジェット式のラインプリンタ200Dの概略構成を示すブロック図である。
符号の説明
10…印刷システム
20…アプリケーションプログラム
22…ビデオドライバ
24…プリンタドライバ
42…色変換モジュール
44…ハーフトーンモジュール
46…印刷制御モジュール
47…メタリックドット形成モジュール
48…カラー印刷モジュール
100…コンピュータ
102…CPU
108…周辺機器インタフェース
109…ディスクコントローラ
110…ネットワークインターフェースカード
112…ビデオインターフェース
114…ディスプレイ
116…バス
118…ハードディスク
120…デジタルカメラ
122…カラースキャナ
124…フレキシブルディスク
126…コンパクトディスク
200…プリンタ
200C…プリンタ
200D…ラインプリンタ
230…キャリッジモータ
231…駆動ベルト
232…プーリ
233…摺動軸
234…位置検出センサ
235…モータ
236…プラテン
240…キャリッジ
241…印刷ヘッド
241A…印刷ヘッド
241B…印刷ヘッド
242…メタリックインク用カートリッジ
243…カラーインク用カートリッジ
244〜247…カラーインクのインク吐出用ヘッド
248…メタリックインクのインク吐出用ヘッド
248R、248L…メタリックインクのインク吐出用ヘッド
256…操作パネル
260…制御回路
300…通信回線
310…記憶装置
350…媒体反転再投入ユニット
400…プリンタヘッド
402〜406…インク吐出用ヘッド
412〜416…カートリッジ
420…搬送機構
422…プラテン
424…ローラ対
426…駆動モータ
P…印刷媒体
PIK…インク吸収層
PTK…透光性基材
MA…メタリック領域
MG…金属顔料
CA…カラー発色領域
WS…白色層

Claims (17)

  1. 透光性を有する透光性基材を備えた印刷媒体に印刷する印刷装置であって、
    前記透光性基材の表面に形成済みの透光性を呈するインク吸収層の側を印刷面として、前記印刷媒体を搬送方向に沿って移動する媒体移動手段と、
    特殊光沢を呈する特殊光沢インクを吐出する特殊光沢インク吐出ヘッドとカラーインクを吐出するカラーインク吐出ヘッドとを有する印刷ヘッドと、
    前記特殊光沢インク吐出ヘッドからの前記特殊光沢インクの吐出と、前記カラーインク吐出ヘッドからの前記カラーインクの吐出とを行って、前記特殊光沢インクを用いた特殊光沢領域の印刷と、該特殊光沢領域における前記インク吸収層への浸透を起こすよう前記カラーインクを用いた発色領域の印刷とを行う吐出制御手段とを備える
    印刷装置。
  2. 前記特殊光沢インク吐出ヘッドは、前記特殊光沢インクとして、所定の質感を発現する顔料を含有する質感発現インクを吐出する請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記特殊光沢インク吐出ヘッドは、前記特殊光沢インクとして、媒体表面に印刷されたインクの光学的特性が反射角依存性を有するインクを吐出する請求項1に記載の印刷装置。
  4. 印刷方法であって、
    透光性を有する透光性基材の表面に透光性を呈するインク吸収層を形成済みの印刷媒体を、前記インク吸収層側が印刷面となるように準備し、
    特殊光沢を呈する特殊光沢インクを用いた特殊光沢領域の印刷と、
    該特殊光沢領域における前記インク吸収層への浸透を起こすようカラーインクを用いた発色領域の印刷とを前記印刷面に対して行う
    印刷方法。
  5. 請求項4に記載の印刷方法であって、
    前記特殊光沢インクを吐出する特殊光沢インク吐出ヘッドと前記カラーインクを吐出するカラーインク吐出ヘッドとを有する印刷ヘッドを用意し、前記印刷媒体と前記印刷ヘッドの相対移動を行いつつ、前記印刷ヘッドの吐出ヘッドからインクを吐出して前記特殊光沢領域の印刷と前記発色領域の印刷とを行う
    印刷方法。
  6. 請求項5に記載の印刷方法であって、
    前記吐出ヘッドからのインク吐出に当たり、
    前記特殊光沢インク吐出ヘッドから前記特殊光沢インクを吐出して前記特殊光沢領域の印刷を行い、
    該印刷された前記特殊光沢領域を含む範囲に、前記カラーインク吐出ヘッドから前記カラーインクを吐出して前記発色領域の印刷を行う
    印刷方法。
  7. 前記特殊光沢インク吐出ヘッドからの前記特殊光沢インクの吐出に際しては、前記特殊光沢領域の全てを前記特殊光沢インクに含有される顔料で被覆する状況を回避するよう前記特殊光沢インクを吐出して印刷を行う請求項6に記載の印刷方法。
  8. 請求項5に記載の印刷方法であって、
    前記印刷媒体の副走査方向に沿った媒体移動と、前記印刷ヘッドの主走査方向に沿ったヘッド移動とを行いつつ、
    前記特殊光沢インク吐出ヘッドからの前記特殊光沢インクの吐出による前記特殊光沢領域の印刷と、前記カラーインク吐出ヘッドからの前記カラーインクの吐出による前記発色領域の印刷とを、前記印刷ヘッドの主走査方向に沿った1回の移動の際に同時に行う
    印刷方法。
  9. 請求項5に記載の印刷方法であって、
    前記カラーインク吐出ヘッドから前記カラーインクを吐出して前記発色領域の印刷を行い、その後、
    前記特殊光沢インク吐出ヘッドから前記特殊光沢インクを吐出して前記特殊光沢領域の印刷を行う
    印刷方法。
  10. 透光性を有する透光性基材を備えた印刷媒体に印刷する印刷方法であって、
    前記透光性基材の一方の表面に形成済みの透光性を呈するインク吸収層に、カラーインクを用いた発色領域の印刷を行い、
    前記印刷媒体の他方の表面に、特殊光沢を呈する特殊光沢インクを用いた特殊光沢領域の印刷を行う
    印刷方法。
  11. 前記特殊光沢インクを用いた特殊光沢現領域の印刷を行った側の前記印刷媒体の表面に、白色層を形成する請求項4ないし請求項10のいずれかに記載の印刷方法。
  12. 前記白色層は、インクを吐出ヘッドから吐出して印刷した白色印刷層である請求項11に記載の印刷方法。
  13. 前記白色層は、前記特殊光沢領域を除く範囲に印刷形成されている請求項12に記載の印刷方法。
  14. 前記白色層は、白色シートにて形成されている請求項11に記載の印刷方法。
  15. 前記特殊光沢インクは、所定の質感を発現する顔料を含有する質感発現インクである請求項4ないし請求項14のいずれかに記載の印刷方法。
  16. 前記特殊光沢インクは、媒体表面に印刷されたインクの光学的特性が反射角依存性を有するインクである請求項4ないし請求項14のいずれかに記載の印刷方法。
  17. 前記特殊光沢インクは、メタリック感を発現する顔料を含有するメタリックインクである請求項15または請求項16に記載の印刷方法。
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