JP2010052051A - ベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンド - Google Patents

ベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンド Download PDF

Info

Publication number
JP2010052051A
JP2010052051A JP2008216480A JP2008216480A JP2010052051A JP 2010052051 A JP2010052051 A JP 2010052051A JP 2008216480 A JP2008216480 A JP 2008216480A JP 2008216480 A JP2008216480 A JP 2008216480A JP 2010052051 A JP2010052051 A JP 2010052051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
flow path
gas
flow
swirling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008216480A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomonori Moriya
智徳 守屋
Sadaaki Sakai
貞明 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2008216480A priority Critical patent/JP2010052051A/ja
Publication of JP2010052051A publication Critical patent/JP2010052051A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)

Abstract

【課題】気体供給源側の圧力に対し、旋回流発生室に噴出させる噴出流を効率よく加速することができるベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンドを提供することである。
【解決手段】円柱状に形成された旋回流発生室61と、旋回流発生室61の内周面65に沿って気体を噴出させて、旋回流発生室61に旋回流を発生させる気体噴出流路63と、気体噴出流路63の上流端に連通すると共に、上流側が気体の供給源となる気体供給源5に連なるチャンバ流路64と、を備え、気体噴出流路63は、チャンバ流路64側にベルマウス形状の先細ノズル部71を有し、チャンバ流路64と先細ノズル部71との界面において、チャンバ流路64の断面積が先細ノズル部71の断面積より十分大きく形成されたものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、旋回流の中心部に生ずる負圧を利用してワークを非接触で吸引保持するベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンドに関するものである。
従来、この種の非接触搬送装置(ベルヌーイチャック)として、空気流によって生じるベルヌーイ効果を利用したものが知られている(特許文献1参照)。この非接触搬送装置は、内周面が円周状の凹部円筒室が形成された本体と、本体の開口側に形成された平坦状端面と、凹部円筒室の内周面に臨み、エアーを凹部円筒室に噴出させるためのショートオフセットノズルと、ショートオフセットノズルに連なり滑らかな曲面を有するベルマウス状流体通路と、ベルマウス状流体通路の上流端に連なるジョイント流路と、を有している。
気体供給源から供給された流体は、ジョイント流路からベルマウス状流体通路の滑らかな曲面に沿って流れ、ここで圧縮され流速を増してショートオフセットノズルから凹部円筒室に噴出され、凹部円筒室に旋回流を発生させる。
この場合、ベルマウス状流体通路の上流端は、ジョイント流路と同径に形成され、また下流端はショートオフセットノズルと同径に形成されており、ロート状に形成されたベルマウス状流体通路の部分で、流れるエアーが圧縮され流速を増す(加速させる)ようになっている。
特開2007−176638号公報
ところで、ワークを吸引するための負圧は、凹部円筒室に生じる旋回流の流速に比例する。しかしながら、従来の非接触搬送装置では、ベルマウス状流体通路の上流端とジョイント流路との径が同一であり、且つベルマウス状流体通路がロート状に形成されているため、流路全体として圧力損失が大きく、加える圧力(気体供給源の圧力)に対して、ショートオフセットノズルから噴出するエアーに十分な流速が得られない問題があった。
本発明は、気体供給源側の圧力に対し、旋回流発生室に噴出させる噴出流を効率よく加速することができるベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンドを提供することをその課題としている。
本発明のベルヌーイチャックは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、ワークを非接触で吸引保持するベルヌーイチャックであって、円柱状に形成された旋回流発生室と、旋回流発生室の内周面に沿って気体を噴出させて、旋回流発生室に旋回流を発生させる気体噴出流路と、気体噴出流路の上流端に連通すると共に、上流側が気体の供給源となる気体供給源に連なるチャンバ流路と、を備え、気体噴出流路は、チャンバ流路側にベルマウス形状の先細ノズル部を有し、チャンバ流路と先細ノズル部との界面において、チャンバ流路の断面積が先細ノズル部の断面積より十分に大きく形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、チャンバ流路から先細ノズル部に流入した気体は、この先細ノズル部により圧縮され加速される。この場合、相互の界面において、チャンバ流路の断面積が先細ノズル部の断面積より十分に大きく形成されているため、先細ノズル部において気体の流速が極端に速くなっても、チャンバ流路の流速はゼロに近い値となる。このため、チャンバ流路における圧力損失(エネルギー損失)を略ゼロに抑えることができる。さらに、先細ノズル部がベルマウス形状に形成されているため、気体の流速が増しても、最大限その圧力損失を抑えることができる。したがって、気体供給源側の圧力に対し気体が効率よく圧縮することができ、旋回流発生室に噴出させる噴出流を十分に高速化することができる。これにより、旋回流発生室に高速の旋回流が発生し、旋回流の中心部に強い負圧状態を発生させることができ、ワークに作用する吸引力を格段に高めることができる。なお、ここでいう気体とは、エアーに限定されるものではなく、窒素などの不活性ガスでもよい。
この場合、先細ノズル部は、旋回流発生室に噴出させる気体の流速が音速に達するように、チャンバ流路から流入した気体を圧縮することが、好ましい。
この構成によれば、噴出流を、この種の先細ノズル部で可能な最大の流速(音速)まで高速化することで、旋回流の中心部に、より強い負圧状態を発生させることができる。
この場合、気体噴出流路は、チャンバ流路側の先細ノズル部と、先細ノズル部の下流端に連なる旋回流発生室側のストレートノズル部と、から成ることが、好ましい。
この構成によれば、加速した流速を維持したまま、気体を旋回流発生室に導くことができる。また、ストレートノズル部により、気体噴出流路の下流端を旋回流発生室の任意の位置に接続することができる。
本発明の他のベルヌーイチャックは、旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧と、旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、ワークを非接触で吸引保持するベルヌーイチャックであって、円柱状に形成された旋回流発生室と、旋回流発生室の内周面に沿って気体を噴出させて、旋回流発生室に旋回流を発生させる気体噴出流路と、気体噴出流路の上流端に連通すると共に、上流側が気体の供給源となる気体供給源に連なるチャンバ流路と、を備え、気体噴出流路は、ラバールノズルで構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ラバールノズルの先細ノズル部で音速に達した気体は、末広部により減圧することでさらに加速され、超音速に達する。すなわち、チャンバ流路に流入した気体を、簡単に亜音速から超音速にまで加速することができる。これにより、旋回流発生室に音速に近い高速の旋回流が発生し、旋回流の中心部に強い負圧状態を発生させることができ、ワークに作用する吸引力を格段に高めることができる。
この場合、チャンバ流路とラバールノズルとの界面において、チャンバ流路の断面積がラバールノズルの断面積より十分に大きく形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、ラバールノズルにおいて気体が超音速になっても、チャンバ流路の流速はゼロに近い値となり、チャンバ流路における圧力損失を略ゼロに抑えることができる。したがって、気体供給源側の圧力に対し、旋回流発生室に噴出させる噴出流を極端に高速化することができる。
この場合、ラバールノズルは、上流側の先細ノズル部と下流側の末広部とからなり、末広部の軸方向における各部の広がり角度が、5°以内に形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、先細ノズル部で加速した気体が末広部を流れる際に、末広部の側面に向って渦を巻くように流れることがなく、圧力損失を抑えつつ噴出流を超音速まで円滑に加速することができる。
この場合、気体噴出流路は、その下流側周面の一部が旋回流発生室の接線と重なるように形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、噴出流が気体噴出流路から旋回流発生室に層流状態を維持したまま流入するため、直線的に流れる噴出流が旋回流に移行するときの圧力損失を十分に抑えることができる。
この場合、気体噴出流路およびチャンバ流路は、旋回流発生室の中心に対し180°点対称位置に設けた一対のものでそれぞれ構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、形状的に歪みのない旋回流を効率よく発生させることができ、安定した旋回流を、すなわち安定した(圧力変動の少ない)負圧を発生させることができる。
本発明の吸引保持ハンドは、旋回流の旋回方向が正逆異なる上記のベルヌーイチャックの少なくとも1組から成る偶数個と、偶数個のベルヌーイチャックをそれぞれの旋回流発生室の端が同一平面内に位置するように保持すると共に、チャンバ流路に連通する内部流路を形成したチャックホルダと、チャックホルダを支持する装置取付部と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、正方向に旋回しながら側方に流れる渦流によりワークが受ける回転力と、逆方向に旋回しながら側方に流れる渦流によりワークが受ける回転力と、が互いに打ち消し合うため、ワークを安定に吸引保持することができる。但し、ベルヌーイチャックに対しワークは非接触であるため、保持状態のワークを面内方向に動かすことは容易である。なお、装置取付部は、搬送装置(例えば搬送ロボット)等に吸引保持ハンドを取り付けるための部位である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るベルヌーイチャックを適用した吸引保持ハンドについて説明する。この吸引保持ハンドは、気体の流れにより生じるベルヌーイ効果を利用した複数のベルヌーイチャックを用い、例えばICチップをSOPパッケージにパッケージングした電子部品(ワーク)を非接触で吸引・保持するものであり、検査装置やマウンタ等に備える搬送ロボットの先端に取付けて使用する。
図1に示すように、吸引保持ハンド1は、ワークを吸引保持する複数(図示のものは、4個)のベルヌーイチャック2と、ベルヌーイチャック2を保持するチャックホルダ3と、チャックホルダ3を支持する装置取付部4と、から構成されている。チャックホルダ3は、4個のベルヌーイチャック2を下向きに直接保持するホルダ本体11と、ホルダ本体11を垂設支持するワークガイド12と、ホルダ本体11およびワークガイド12を垂設支持すると共に気体供給源5に連なるチューブ6を接続するためのジョイント部材13と、を同軸上に重ねるようにして構成されている。この場合、4個のベルヌーイチャック2およびホルダ本体11は、ユニット化されており、これにワークの大きさに応じたワークガイド12を組み合わせるようになっている。
装置取付部4は、略円筒状に形成され、上半部の内部には太径の取付孔14が、下半部の内部には細径の装着孔15がそれぞれ形成されている。取付孔14および装着孔15は同軸上に配設されており、取付孔14は、吸引保持ハンド1を搬送ロボットのロボットアーム(共に図示省略)に取付けるための部位として機能し、装着孔15にはジョイント部材13が差込み装着されている。なお、図1中の符号16は、吸引保持ハンド1をロボットアームに取付けるための止めネジ用の上ネジ孔であり、符号17は、ジョイント部材13を固定する止めネジ用の下ネジ孔である。
ジョイント部材13は、細径に形成された上半部の装着部21および太径に形成された下半部の垂設部22で構成されている。装着部21には、上記の止めネジが突き当てられる弦状の平坦部23が形成されており、この装着部21を装置取付部4の装着孔15に嵌合し、止めネジを上記の下ネジ孔17から螺合することにより、ジョイント部材13が装置取付部4に装着されるようになっている。
垂設部22には、その軸心に下面から穿孔した縦流路24と、外周面から縦流路24の上端部に向って穿孔した横流路25と、から成る「L」字状のジョイント部流路26が形成されている。横流路25の上流端は、継手7を介して気体供給源5に連なるチューブ6に接続され、縦流路24の下流端は、ワークガイド12を介してホルダ本体11に連通している。気体供給源5から供給される圧縮気体は、チューブ6およびジョイント部流路26を通ってホルダ本体11に導かれ、ホルダ本体11から各ベルヌーイチャック2に供給される。
ワークガイド12は、方形の厚板状に形成された本体ベース31と、本体ベース31の下面周縁部に下向きに突設した複数(図示のものは、4個)のガイド突起32と、で一体に形成されている。本体ベース31は、同軸上においてジョイント部材(垂設部22)13の下端面に接着固定されており、その中心位置には、上記の縦流路24に連通する貫通流路33が形成されている。本体ベース31の下面には、1の対角に位置するように各辺1個、計4個のガイド突起32が、それぞれのガイド斜面を内向きとした状態で設けられている。そして、この4個のガイド斜面を結んだ方形の領域がワークの外形と略合致しており、この4個のガイド突起32により、ワークの平面姿勢を矯正しつつ所定の位置に吸引するようになっている。
ホルダ本体11は、本体ケース41およびこれに気密に接合した平板状の蓋ケース42から構成されており、内部には、各ベルヌーイチャック2に連なるエアー室46が形成されている。蓋ケース42は、本体ケース41の周縁部に設けた突設枠部47(図2参照)に嵌合するようにして接着され、その中心位置(軸心位置)には、上記の貫通流路33に連通する導入孔43が形成されている。一方、本体ケース41には、蓋ケース42との間にエアー室46を構成するための圧空溝46a(図2参照)が形成されている。
本体ケース41は、4個のベルヌーイチャック2を下方に突出させ、且つそれぞれの旋回流発生室61の端が同一平面内に位置するように保持している。具体的には、本体ケース41には、略長円形の4個の固定装着穴がマトリクス状に形成されており、各ベルヌーイチャック2は、その上半部を固定装着穴に下側から嵌合するようにして接着固定されている。そして、4個のベルヌーイチャック2のうちの対角に位置する2つのベルヌーイチャック2が正回転方向の旋回流を発生し、他方の対角に位置する2つのベルヌーイチャック2が逆回転方向の旋回流を発生するようになっている。
図2に示すように、本体ケース41に形成した圧空溝46aは、4個のベルヌーイチャック2を二分する位置に配設した幅広の主圧空溝44と、主圧空溝44から各ベルヌーイチャック2に向って垂直に分岐した各ベルヌーイチャック2宛て1組、計4組の幅狭の副圧空溝45と、から形成されている。各副圧空溝45は、長い長尺副圧空溝45aと短い短尺副圧空溝45bとから成り、取り付けたベルヌーイチャック2を挟み込むように配設され、且つ長尺副圧空溝45aおよび短尺副圧空溝45bの位置関係により旋回流の回転方向が規定されている。この場合、長尺副圧空溝45aおよび短尺副圧空溝45bの下流側は、後述の一対のチャンバ流路64とそれぞれ連通している。蓋ケース42の導入孔43から流入した気体は、主圧空溝44および各副圧空溝45を介して、各ベルヌーイチャック2に流入する。すなわち、主圧空溝44、4組の副圧空溝45および蓋ケース42によりエアー室46が構成されている。なお、請求項にいう内部流路は、ジョイント部流路26、貫通流路33およびエアー室46から構成されている。
図3に示すように、ベルヌーイチャック2は、円柱状に形成された旋回流発生室61と、旋回流発生室61の開口側端に連なり、ワークを吸引保持する円形の吸引保持面62と、旋回流発生室61の内周面65に沿って気体を噴出させて、旋回流発生室61に旋回流を発生させる一対の気体噴出流路63と、各気体噴出流路63の上流端に連通すると共に、上流端がエアー室46を介して気体供給源5に連なる一対のチャンバ流路64と、から構成されている。また、ベルヌーイチャック2は、全体として一端面を塞いだ略円筒状に形成されており、略上半部の外周面には、本体ケース41への嵌合部分となる弦状の一対の切欠き部66が相互に平行に形成されている。そして、各切欠き部66の端部位置には、気体噴出流路63を介して旋回流発生室61に連通するチャンバ流路64が開口している。すなわち、各チャンバ流路64は、長尺副圧空溝45aおよび短尺副圧空溝45bの深さ方向の中間部に連通している。気体供給源5からエアー室46に流入した圧縮気体は、長尺副圧空溝45aおよび短尺副圧空溝45bの部分から一対のチャンバ流路64に同時に流入し、それぞれ気体噴出流路63を通って旋回流発生室61に供給される。
旋回流発生室61は、その内周面65の一端が閉塞された円柱状に形成されており、旋回流発生室61の天面となる閉塞側には、供給された気体を旋回流発生室61の内周面65に沿うように導く一対の気体噴出流路63が形成されている。また、旋回流発生室61の開口側端には、旋回流発生室61と連なりワークを吸引保持する吸引保持面62が形成されている。気体噴出流路63から旋回流発生室61に流入した気体は、旋回流発生室61の内周面65に沿うように流れ、強い旋回流となってやがて開放端から外方に流出する。そして、旋回流の中心部には、ベルヌーイの定理に従って負圧が生じ、この負圧によりワークを吸引するようになっている。
吸引保持面62は、旋回流発生室61の開口側端に連なり、旋回流の旋回軸に対して直交するように形成されている。旋回流発生室61で発生した旋回流は、旋回流発生室61の開放端に達した次の瞬間、その遠心力により吸引保持面62に沿って内周側から外周側に向って渦流となって流れ出す。そして、吸引保持面62上を流れ出す気体により、ワークと吸引保持面62との間隙が維持される。すなわち、上記の負圧による吸引力と、吸引保持面62に沿って流れ出す気体と、が拮抗することで、ワークが吸引保持面62に非接触状態で吸引保持される。なお、旋回流発生室61の開口端を徐々に広がるようにベルマウス形状としてもよいし、吸引保持面62に渦流を維持する渦形の溝を形成するようにしてもよい。
チャンバ流路64は、旋回流発生室61の中心に対し180°点対称位置に設けた一対のものでそれぞれ構成されている。各チャンバ流路64は、全体として太径の円柱状に形成されており、上流端がベルヌーイチャック2の外周面、すなわち上記のエアー室46(副圧空溝45)に臨んでいる。チャンバ流路64の下流端は、後述する先細ノズル部71に連なっており、チャンバ流路64の下流端と後述する先細ノズル部71の上流端との界面において、チャンバ流路64の断面積は、先細ノズル部71の断面積より十分に大きく形成されている。すなわち、チャンバ流路64は、先細ノズル部71より著しく大きく形成されており、先細ノズル部71に流れる気体が極めて高速であっても、チャンバ流路64を流れる気体は極めて低速となる(設計上は速度ゼロ)。このため、チャンバ流路64およびチャンバ流路64から上流側の流路においては、圧縮気体の圧力損失をゼロに近い値とすることができる。
ここで、図4を参照して、気体噴出流路63について詳細に説明する。一対の気体噴出流路63は、チャンバ流路64と同様に、旋回流発生室61の中心に対し180°点対称位置に設けた一対のものでそれぞれ構成されている。各気体噴出流路63は、チャンバ流路64の下流端に連なり、旋回流発生室61に向ってその断面積が徐々に小さくなる先細ノズル部71と、先細ノズル部71の下流端に連なり、気体を旋回流発生室61に導くストレートノズル部72と、から構成されている。先細ノズル部71は、内周面の各部が軸方向にアール形状に狭窄するベルマウス形状に形成されており、またストレートノズル部72は、先細ノズル部71の最も細い下流端からこれと同径で直線状に旋回流発生室61まで延びている。
気体噴出流路(ストレートノズル部72の下流端)63は、旋回流発生室61における内周面65の上端部に連通しており、その下流側周面の一部が旋回流発生室61の接線と重なるように形成されている。すなわち、旋回流発生室61の中心から最も離れて位置するストレートノズル部72の内周面部分が、旋回流発生室61の接線に合致するように、気体噴出流路63は配設されている。したがって、気体噴出流路63の軸線は、旋回流発生室61の接線からストレートノズル部72の半径分、中心側にずれている。これにより、気体噴出流路63を直線的に流れてきた圧縮気体は、層流状態を維持したまま(剥離なし)旋回流発生室61の内周面65に沿って流れ方向を変化(旋回流)させてゆく。したがって、旋回流発生室61に流入した気体は、その流速を維持したまま旋回流となる。なお、気体噴出流路63およびチャンバ流路64は、それぞれ単一でもよく、3つ以上でもよい。気体噴出流路63およびチャンバ流路64がそれぞれ3つ以上の場合、内周面65の周方向に対して等間隔になるように設けられている(図示省略)。
先細ノズル部71は、その断面が円形に形成されており、上流端がチャンバ流路64の下流端の中央部(軸心部)と連通しており、同軸上においてその下流端にはストレートノズル部72が連通している。上述のように、先細ノズル部71は、チャンバ流路64側から旋回流発生室61側に向って、その断面積が小さくなるベルマウス状(断面アール状)に形成されており、チャンバ流路64から先細ノズル部71に流入した気体は、徐々に圧縮されると共にその流速が加速する。本実施形態のものでは、加速した気体が先細ノズル部71の下流端、すなわち最も細くなる部分に達したときに、音速まで加速されるようになっている。なお、先細ノズル部71を流れる気体は、その形状により徐々に圧縮されるため、断面変化に基づく圧力損失を最大限に抑えることができる。
次に、先細ノズル部71から流出する気体が、音速となるための条件について説明する。まず、大気圧−(ワークの重さ÷旋回流発生室径)により、ワークを吸引するための吸引圧力Pwを算出する。次に、流出する気体の流速を音速(340m/s)と仮定して、先細ノズル部71に流入する気体の圧力(流入圧力P0)を算出する(式1)。
Figure 2010052051
ここで、a0=340m/s(音速)、κ=1.401(比熱比)である。すなわち、噴出する気体の流速は、流入圧力P0および噴出圧力(吸引圧力)Pwの比に依存し、噴出圧力Pw<流入圧力P0<大気圧の場合に、旋回流発生室61に噴出する気体の流速が音速に達する。本実施形態の先細ノズル部71は、流入圧力P0、噴出圧力Pwおよび大気圧が、上記のような圧力関係になるように形成されている。
次に、図5を参照して、第2実施形態に係るベルヌーイチャック2について説明する。なお、重複記載を避けるべく、異なる部分のみ説明する。このベルヌーイチャック2は、気体噴出流路63の形態のみが、第1実施形態と異なっている。この実施形態の気体噴出流路63は、いわゆるラバールノズルの形態を有しており、チャンバ流路64の下流端の中央部(軸心部)に連なり、旋回流発生室61に向ってその断面積が徐々に小さくなる先細ノズル部71と、先細ノズル部71の下流端に連なり、旋回流発生室61に向ってその断面積が徐々に大きくなる末広部73と、から構成されている。
先細ノズル部71は、第1実施形態の先細ノズル部71と全く同一の形態を有している。また、末広部73は、軸方向に間延びした釣鐘状に形成されており、上記のストレートノズル部72と同様に、末広部73の下流側周面の一部が旋回流発生室61の接線と重なるように形成されている。さらに、末広部73の軸方向における各部の広がり角度が5°以内になるように形成されている。これにより、末広部73を通過する気体が、末広部73の側壁に向って渦を巻かないように、いわゆる剥離が起こらないようになっている。このラバールノズルの形態では、先細ノズル部71の下流端で音速に達した気体は、末広部73を通過することにより、気体の圧力が徐々に下がり、最終的には超音速まで加速され、旋回流発生室61の内周面65に沿って噴出される。
これらの構成によれば、チャンバ流路64から先細ノズル部71に流入した気体は、この先細ノズル部71により圧縮され加速される。この際、チャンバ流路64の断面積が先細ノズル部71の断面積より十分に大きく形成されているため、チャンバ流路64の流速はゼロに近い値となる。このため、チャンバ流路64における圧力損失を略ゼロに抑えることができる。さらに、先細ノズル部71がベルマウス形状に形成されているため、最大限その圧力損失を抑えることができる。したがって、気体供給源5側の圧力に対し気体を効率よく圧縮することができ、旋回流発生室61に噴出させる噴出流を十分に高速化することができる。特に、旋回流発生室61に対し、音速或いは超音速で気体を噴出させるようにしているため、旋回流を極端に高速化することができる。このため、旋回流発生室61内において、旋回流の流速が落ち難く、発生する負圧を大きくすることができ、吸引保持面62との距離を従前と同様に維持したまま、吸引力のみを強くすることができる。
なお、本実施形態のベルヌーイチャック2では、チャンバ流路64にテーパねじ(雌ねじ)が形成されており、この部分に直接、チューブ6を接続するようにしてもよい(エアー室46を省略)。
また、ベルヌーイチャック2を、気体噴出流路63およびチャンバ流路64の中心軸で水平切断した2部材で構成するようにしてもよい。これによれば、切断面より上側の部品および下側の部品に、気体噴出流路63およびチャンバ流路64を半部ずつ形成して接合する構成となり、特に第2実施形態の気体噴出流路63を容易に形成することができる。
さらに、末広部73は、その広がり角度が5°以内であれば、テーパ状に形成されていてもよいし、ベルマウス形状に形成されていてもよい。また、本実施形態において、ベルヌーイチャック2を作動させる気体として空気(エアー)を用いるようにしているが、空気を嫌うワークに対しては、窒素ガス等の不活性ガスを用いるようにしてもよい。
吸引保持ハンドの分解斜視図である。 本体ケースの平面図である。 ベルヌーイチャックの外観斜視図である。 第1実施形態に係るチャンバ流路および気体噴出流路廻りの断面図である。 第2実施形態に係るチャンバ流路および気体噴出流路廻りの断面図である。
符号の説明
1…吸引保持ハンド 2…ベルヌーイチャック 3…チャックホルダ 4…装置取付部 26…ジョイント部流路 33…貫通流路 45a…長尺副圧空溝 45b…短尺副圧空溝 46…エアー室 46a…圧空溝 61…旋回流発生室 63…気体噴出流路 64…チャンバ流路 71…先細ノズル部 72…ストレートノズル部 73…末広部

Claims (9)

  1. 旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、ワークを非接触で吸引保持するベルヌーイチャックであって、
    円柱状に形成された前記旋回流発生室と、
    前記旋回流発生室の内周面に沿って気体を噴出させて、前記旋回流発生室に前記旋回流を発生させる気体噴出流路と、
    前記気体噴出流路の上流端に連通すると共に、上流側が気体の供給源となる気体供給源に連なるチャンバ流路と、を備え、
    前記気体噴出流路は、前記チャンバ流路側にベルマウス形状の先細ノズル部を有し、
    前記チャンバ流路と前記先細ノズル部との界面において、前記チャンバ流路の断面積が前記先細ノズル部の断面積より十分に大きく形成されていることを特徴とするベルヌーイチャック。
  2. 前記先細ノズル部は、前記旋回流発生室に噴出させる気体の流速が音速に達するように、前記チャンバ流路から流入した気体を圧縮することを特徴とする請求項1に記載のベルヌーイチャック。
  3. 前記気体噴出流路は、前記チャンバ流路側の前記先細ノズル部と、
    前記先細ノズル部の下流端に連なる前記旋回流発生室側のストレートノズル部と、から成ることを特徴とする請求項1または2に記載のベルヌーイチャック。
  4. 旋回流発生室に発生させた気体の旋回流の中心部に生じた負圧と、前記旋回流発生室の端から側方に流出する気体とにより、ワークを非接触で吸引保持するベルヌーイチャックであって、
    円柱状に形成された前記旋回流発生室と、
    前記旋回流発生室の内周面に沿って気体を噴出させて、前記旋回流発生室に前記旋回流を発生させる気体噴出流路と、
    前記気体噴出流路の上流端に連通すると共に、上流側が気体の供給源となる気体供給源に連なるチャンバ流路と、を備え、
    前記気体噴出流路は、ラバールノズルで構成されていることを特徴とするベルヌーイチャック。
  5. 前記チャンバ流路と前記ラバールノズルとの界面において、前記チャンバ流路の断面積が前記ラバールノズルの断面積より十分に大きく形成されていることを特徴とする請求項4に記載のベルヌーイチャック。
  6. 前記ラバールノズルは、上流側の先細ノズル部と下流側の末広部とからなり、
    前記末広部の軸方向における各部の広がり角度が、5°以内に形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のベルヌーイチャック。
  7. 前記気体噴出流路は、その下流側周面の一部が前記旋回流発生室の接線と重なるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のベルヌーイチャック。
  8. 前記気体噴出流路および前記チャンバ流路は、前記旋回流発生室の中心に対し180°点対称位置に設けた一対のものでそれぞれ構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のベルヌーイチャック。
  9. 前記旋回流の旋回方向が正逆異なる請求項1ないし8のいずれかに記載のベルヌーイチャックの少なくとも1組から成る偶数個と、
    前記偶数個のベルヌーイチャックをそれぞれの前記旋回流発生室の端が同一平面内に位置するように保持すると共に、前記チャンバ流路に連通する内部流路を形成したチャックホルダと、
    前記チャックホルダを支持する装置取付部と、を備えたことを特徴とする吸引保持ハンド。
JP2008216480A 2008-08-26 2008-08-26 ベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンド Withdrawn JP2010052051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008216480A JP2010052051A (ja) 2008-08-26 2008-08-26 ベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008216480A JP2010052051A (ja) 2008-08-26 2008-08-26 ベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010052051A true JP2010052051A (ja) 2010-03-11

Family

ID=42068525

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008216480A Withdrawn JP2010052051A (ja) 2008-08-26 2008-08-26 ベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010052051A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013160804A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Tokyo Electron Ltd 周縁露光装置、周縁露光方法及び記憶媒体
CN103386689A (zh) * 2012-05-11 2013-11-13 株式会社妙德 输送夹具及输送保持装置
US8832924B2 (en) 2011-07-29 2014-09-16 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. Substrate processing apparatus, substrate holding apparatus, and method of holding substrate
CN104626174A (zh) * 2013-11-13 2015-05-20 浙江大学 吸盘

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8832924B2 (en) 2011-07-29 2014-09-16 Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd. Substrate processing apparatus, substrate holding apparatus, and method of holding substrate
JP2013160804A (ja) * 2012-02-01 2013-08-19 Tokyo Electron Ltd 周縁露光装置、周縁露光方法及び記憶媒体
CN103386689A (zh) * 2012-05-11 2013-11-13 株式会社妙德 输送夹具及输送保持装置
CN104626174A (zh) * 2013-11-13 2015-05-20 浙江大学 吸盘

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5921323B2 (ja) 搬送保持具及び搬送保持装置
JP4243766B2 (ja) 非接触搬送装置
WO2017212889A1 (ja) 旋回流形成体及び吸引装置
KR20160093674A (ko) 유지 장치, 유지 시스템, 제어 방법 및 반송 장치
JP5239564B2 (ja) チャック装置および吸引保持ハンド
JP2010052051A (ja) ベルヌーイチャックおよび吸引保持ハンド
JP2010064159A (ja) 吸引保持ハンド
JP5928691B2 (ja) 吸引チャック及び移載装置
WO2019049890A1 (ja) 吸引装置
US20160300748A1 (en) Conveyance equipment
JP6744630B2 (ja) 邪魔板
JPWO2002047155A1 (ja) 保持具
CN110785270A (zh) 抽吸装置
JP3383739B2 (ja) ワーク保持装置
JP4982875B2 (ja) シート状物品のための非接触パッド
JP6317106B2 (ja) 基板保持装置及び基板保持方法
JP5875294B2 (ja) 保持具
JP2006181682A (ja) 吸着装置
JP5422680B2 (ja) 基板保持装置
JP2009272337A (ja) 非接触搬送装置及びベルヌーイチャック
JP2012000706A (ja) 保持具
TWI660450B (zh) 迴旋流形成體及吸引裝置
JP4723009B2 (ja) ワークの吸着パッド装置
JP2016128346A (ja) 部品供給装置
JP2013193182A (ja) 吸引ヘッドおよび吸引搬送装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20110811

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20120302

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761