JP2010043598A - スクロール型流体機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成にして可動スクロールの背圧を適正に保持し、可動スクロールの転覆を防止することの可能なスクロール型流体機械を提供する。
【解決手段】可動スクロール(34)の背面の背圧室(46)と圧縮室(39)とを連通する連通路(80a,80b)に背圧室の圧力が圧縮室の圧力よりも所定差圧大きくなるよう背圧室の圧力を調整可能な背圧調整弁(70)を介装し、連通路(80b)については作動流体の吸入室(37)よりも圧縮の進んだ所定位置で圧縮室と連通させる。
【選択図】図3
【解決手段】可動スクロール(34)の背面の背圧室(46)と圧縮室(39)とを連通する連通路(80a,80b)に背圧室の圧力が圧縮室の圧力よりも所定差圧大きくなるよう背圧室の圧力を調整可能な背圧調整弁(70)を介装し、連通路(80b)については作動流体の吸入室(37)よりも圧縮の進んだ所定位置で圧縮室と連通させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、スクロール型流体機械に係り、詳しくは、冷凍空調機やヒートポンプ式給湯器に好適なスクロール型流体機械に関するものである。
この種のスクロール型流体機械には、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットが容器内に備えられている。詳しくは、このユニットは互いに噛み合う固定及び可動の各スクロールを備えており、可動スクロールの背面にはボスが形成され、このボスには回転軸と一体形成されたクランクピンが連結されている。可動スクロールは、ボスを介して回転軸により駆動されることにより、自転することなく主軸フレームに支持されながら固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動する。これにより、各スクロールの渦巻きラップ間に形成される空間の容量が減少し、上記一連のプロセスが行われる。
ところで、このようなスクロール型流体機械では、各スクロールの渦巻きラップ同士を確実に噛み合わせ、渦巻きラップ間に形成される空間を密閉して冷媒の漏れを防止することが重要である。
しかしながら、冷媒の吸入圧が急激に上昇することにより可動スクロールが固定スクロールから引き離され、可動スクロールが傾いて転覆した状態で運転される場合があり、このような運転状況下では上記渦巻きラップ間に隙間が生じ、上記空間の密閉状態を十分に保つことができないという問題がある。
しかしながら、冷媒の吸入圧が急激に上昇することにより可動スクロールが固定スクロールから引き離され、可動スクロールが傾いて転覆した状態で運転される場合があり、このような運転状況下では上記渦巻きラップ間に隙間が生じ、上記空間の密閉状態を十分に保つことができないという問題がある。
そこで、渦巻きラップ間の空間を密閉状態に保つべく、可動スクロールの背圧を高く維持可能に図った構成の装置が公知である(特許文献1、2参照)。
特開2006−9640号公報
特開平3−258985号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の技術では、背圧空間の圧力があくまでも圧縮室における吸入室の圧力に対して一定の圧力差に設定されており、吸入室の圧力が急激に上昇した場合には、やはり背圧力不足で転覆が発生し、圧縮室内部の圧縮ガスが内部漏れし、圧縮不良や騒音が発生するという問題がある。
また、上記特許文献2に開示の技術では、背圧調整弁を電気的に制御するため、構成が複雑になり、好ましいことではない。
また、上記特許文献2に開示の技術では、背圧調整弁を電気的に制御するため、構成が複雑になり、好ましいことではない。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、簡単な構成にして可動スクロールの背圧を適正に保持し、可動スクロールの転覆を防止することの可能なスクロール型流体機械を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、請求項1のスクロール型流体機械は、容器内を延び、該容器に回転自在に支持される回転軸と、前記回転軸の上端側に偏心して一体形成されたクランクピンと、前記容器内に設けられ、固定スクロール、及び、前記クランクピンが連結されて前記回転軸により駆動されることで該固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される可動スクロールを有し、前記固定スクロールの渦巻きラップと前記可動スクロールの渦巻きラップを噛み合わせて形成される圧縮室の容積を前記軸心に向かうにつれ減少させながら作動流体の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットと、前記容器内に収容され、前記回転軸を支持する軸受けを含む主軸フレームと、前記主軸フレームの上面と前記可動スクロールの鏡板面との間に形成され、潤滑油が加圧された状態で充填された背圧室と、前記背圧室と前記圧縮室とを連通する連通路と、該連通路に介装され、前記背圧室の圧力が前記圧縮室の圧力よりも所定差圧大きくなるよう前記背圧室の圧力を調整可能な背圧調整弁とを備え、前記連通路は、作動流体が吸入される位置よりも圧縮の進んだ所定位置で前記圧縮室と連通していることを特徴とする。
請求項2のスクロール型流体機械では、請求項1において、前記連通路は前記固定スクロール内を延び、前記背圧調整弁は前記固定スクロール内に配設されていることを特徴とする。
請求項3のスクロール型流体機械では、請求項1または2において、前記背圧調整弁は、一側が前記連通路を介して前記圧縮室と連通するとともに他側が逆円錐状のテーパ面を有して縮径され前記背圧室と連通するシリンダと、該シリンダ内に前記テーパ面と当接するよう挿入されたボールと、該ボールを前記テーパ面に向け付勢するスプリングとからなり、前記シリンダの内壁のうちの少なくとも前記テーパ面の前記ボールと当接する部分にはリン酸マンガン皮膜処理が施されていることを特徴とする。
請求項3のスクロール型流体機械では、請求項1または2において、前記背圧調整弁は、一側が前記連通路を介して前記圧縮室と連通するとともに他側が逆円錐状のテーパ面を有して縮径され前記背圧室と連通するシリンダと、該シリンダ内に前記テーパ面と当接するよう挿入されたボールと、該ボールを前記テーパ面に向け付勢するスプリングとからなり、前記シリンダの内壁のうちの少なくとも前記テーパ面の前記ボールと当接する部分にはリン酸マンガン皮膜処理が施されていることを特徴とする。
請求項1のスクロール型流体機械によれば、固定スクロールに対し可動スクロールが公転旋回して形成される圧縮室は、可動スクロールの背面に形成された背圧室と背圧調整弁を介して連通路によって連通されているが、当該連通路は作動流体が吸入される位置よりも圧縮の進んだ所定位置で圧縮室と連通している。
従って、圧縮過程にある圧縮室の圧力との圧力差に基づき背圧室の圧力を調整するため、背圧室の圧力を比較的高く均衡させて保持することができ、作動流体の吸入圧が急激に上昇した場合であっても、吸入圧の影響を小さくして、背圧室の圧力で十分に可動スクロールを固定スクロール側に押圧し続けることができ、可動スクロールの転覆を防ぐことができる。
従って、圧縮過程にある圧縮室の圧力との圧力差に基づき背圧室の圧力を調整するため、背圧室の圧力を比較的高く均衡させて保持することができ、作動流体の吸入圧が急激に上昇した場合であっても、吸入圧の影響を小さくして、背圧室の圧力で十分に可動スクロールを固定スクロール側に押圧し続けることができ、可動スクロールの転覆を防ぐことができる。
このように可動スクロールの転覆を防ぐことができることで、圧縮室からの圧縮ガスの漏れがなくなり、圧縮不良を防ぐことが可能である。
請求項2のスクロール型流体機械によれば、連通路と背圧調整弁とは固定スクロール内に設けられているので、連通路と背圧調整弁とを別途設けることなく、簡単な構成にして容易に背圧室の圧力を比較的高く保持し、可動スクロールの転覆を防ぐことができる。
請求項2のスクロール型流体機械によれば、連通路と背圧調整弁とは固定スクロール内に設けられているので、連通路と背圧調整弁とを別途設けることなく、簡単な構成にして容易に背圧室の圧力を比較的高く保持し、可動スクロールの転覆を防ぐことができる。
請求項3のスクロール型流体機械によれば、背圧調整弁はシリンダのテーパ面に向けてボールをスプリングで付勢するようにして弁が構成されており、背圧室の圧力が圧縮室の圧力とスプリングの付勢力との和よりも小さいと閉弁状態に保持され、背圧室の圧力が圧縮室の圧力とスプリングの付勢力との和よりも大きくなるとボールがスプリングの付勢力に抗して移動して開弁することになるが、テーパ面のボールと当接する部分にはリン酸マンガン皮膜処理が施されているので、テーパ面のボールと当接する部分は、面粗度が改善されて滑らかなものとなり、背圧調整弁の閉弁時における密閉性が向上する。
これにより、例えば圧縮室の圧縮ガスが背圧室へ漏れることを防ぐことができ、より一層圧縮不良を防ぐことが可能である。
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明に係るスクロール型流体機械の一つである密閉型のスクロール圧縮機の断面図を示す。
スクロール圧縮機(以下、圧縮機)1は冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯器などの冷凍回路に組み込まれている。当該回路は、作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
図1は、本発明に係るスクロール型流体機械の一つである密閉型のスクロール圧縮機の断面図を示す。
スクロール圧縮機(以下、圧縮機)1は冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯器などの冷凍回路に組み込まれている。当該回路は、作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。
同図に示すように、この圧縮機1はハウジング(容器)2を備え、ハウジング2の胴部4は、その上側及び下側が上蓋6及び下蓋8によってそれぞれ気密に嵌合されており、胴部4の内部が密閉され、高圧の吐出圧が作用している。また、胴部4には上記回路から取り込んだ冷媒を吸入する吸入管10が接続され、上蓋6の適宜位置には、ハウジング2内の圧縮冷媒を上記回路へ送出する吐出管12が接続されている。
胴部4内には電動モータ14が収容され、このモータ14内には回転軸16が配置されており、回転軸16はモータ14への通電によって駆動される。また、回転軸16の上端側は軸受17を介して主軸フレーム18に回転自在に支持されている。
一方、回転軸16の下端側は軸受20を介して副軸フレーム22に回転自在に支持されている。また、回転軸16の下端側にはオイルポンプ24が装着されており、ポンプ24は下蓋8の内側、すなわちハウジンク2の底部に形成された貯油室26内の潤滑油Lを吸引する。この潤滑油Lは、回転軸16の内部に軸線に沿って穿設される給油路28を経て各摺動部分や軸受等の潤滑、並びに、摺動面のシールとして機能する。
一方、回転軸16の下端側は軸受20を介して副軸フレーム22に回転自在に支持されている。また、回転軸16の下端側にはオイルポンプ24が装着されており、ポンプ24は下蓋8の内側、すなわちハウジンク2の底部に形成された貯油室26内の潤滑油Lを吸引する。この潤滑油Lは、回転軸16の内部に軸線に沿って穿設される給油路28を経て各摺動部分や軸受等の潤滑、並びに、摺動面のシールとして機能する。
なお、貯油室26の潤滑油Lの油面には冷媒の吐出圧が作用しており、この冷媒の吐出圧が潤滑油Lの油面に作用することも給油路28における潤滑油Lの上昇に寄与する。これより、給油路28の出口においては冷媒の吐出圧に略等しい高圧環境となる。
また、副軸フレーム22の適宜位置には潤滑油Lの導入口32が形成されており、圧縮機1内の各摺動部分に供給された潤滑油Lは、導入口32を介して貯油室26に貯留される。
また、副軸フレーム22の適宜位置には潤滑油Lの導入口32が形成されており、圧縮機1内の各摺動部分に供給された潤滑油Lは、導入口32を介して貯油室26に貯留される。
スクロールユニット30は、胴部4内においてモータ14の上方に配置され、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。
詳しくは、当該スクロールユニット30は、可動スクロール34及び固定スクロール36から構成され、各スクロール34、36には、それぞれ対峙する面に渦巻きラップ34a、36aが各々一体立設されており、これら渦巻きラップ34a、36a間に圧縮室39を形成している。これより、固定スクロール36に対して可動スクロール34が旋回運動すると、渦巻きラップ34a、36aが互いに噛み合い、協働して可動スクロール34の外周側に形成された吸入室37から吸入管10を介して冷媒が当該圧縮室39に吸入され、圧縮室39が渦巻きラップ34a、36aの中心(軸心)に向けて移動しながらその容積が減少され、冷媒の圧縮が行われる。
詳しくは、当該スクロールユニット30は、可動スクロール34及び固定スクロール36から構成され、各スクロール34、36には、それぞれ対峙する面に渦巻きラップ34a、36aが各々一体立設されており、これら渦巻きラップ34a、36a間に圧縮室39を形成している。これより、固定スクロール36に対して可動スクロール34が旋回運動すると、渦巻きラップ34a、36aが互いに噛み合い、協働して可動スクロール34の外周側に形成された吸入室37から吸入管10を介して冷媒が当該圧縮室39に吸入され、圧縮室39が渦巻きラップ34a、36aの中心(軸心)に向けて移動しながらその容積が減少され、冷媒の圧縮が行われる。
詳しくは、可動スクロール34が旋回運動すると、渦巻きラップ34a、36aの側面が微少隙間を有して噛み合うとともに渦巻きラップ34aの頂面と固定スクロール36の鏡板面及び渦巻きラップ36aの頂面と可動スクロール34の鏡板面が微少隙間を有して噛み合いながら圧縮室39の容積が減少し、冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスが実施される。
上述した可動スクロール34に旋回運動を付与するため、可動スクロール34の背面34bにはボス38が凸設して形成され、このボス38は軸受44を介してクランクピン42に連結されている。このクランクピン42は、回転軸16の上端側に一体形成され、回転軸16の回転に伴い主軸フレーム18上にて可動スクロール34を公転旋回運動させる。なお、可動スクロール34の自転は回転防止ピン62により阻止されている。当該ピン62は可動スクロール34の背面34bに突設され、主軸フレーム18に形成される有底状のホール64に遊嵌されており、回転阻止機構60が形成されている。詳しくは、回転防止機構60は、例えば4組のピン62及びホール64を有して構成されている。
固定スクロール36は主軸フレーム18に固定され、上蓋6に形成される吐出室54側と圧縮室39側とを仕切っている。詳しくは、主軸フレーム18には回転軸16と同心円状に円筒状の外周壁19が固定スクロール36に向けて延びており、固定スクロール36は当該外周壁19の上縁に接合されている。
このように固定スクロール36が当該外周壁19の上縁に接合されていることにより、固定スクロール36と主軸フレーム18との間には、可動スクロール34の摺動する旋回摺動領域が形成されている。そして、当該旋回摺動領域のうち可動スクロール34の背面34bと主軸フレーム18との間及び外周壁19と摺接する可動スクロール34の摺接点以外の部分には空隙45が形成されている。
このように固定スクロール36が当該外周壁19の上縁に接合されていることにより、固定スクロール36と主軸フレーム18との間には、可動スクロール34の摺動する旋回摺動領域が形成されている。そして、当該旋回摺動領域のうち可動スクロール34の背面34bと主軸フレーム18との間及び外周壁19と摺接する可動スクロール34の摺接点以外の部分には空隙45が形成されている。
空隙45は背圧室46を構成し、当該背圧室46には、上記給油路28の出口から吐出した高圧の潤滑油Lが加圧された状態で充填されている。従って、背圧室46は潤滑油Lの圧力を背圧として可動スクロール34を固定スクロール36側に押圧している。これにより、圧縮室39の密閉性が確保され、圧縮不良を防ぐことが可能である。
そして、固定スクロール36には背圧調整弁70が内蔵されている。また、固定スクロール36には背面36bから延びて連通路80a、80bが穿設されている。
そして、固定スクロール36には背圧調整弁70が内蔵されている。また、固定スクロール36には背面36bから延びて連通路80a、80bが穿設されている。
連通路80aの一端は背圧調整弁70の一側に連通し、連通路80bの一端は圧縮室39に連通しており、連通路80a、80bの各他端は後述する吐出ヘッド50で塞がれている。即ち、背圧調整弁70の一側は連通路80a、80bを介して圧縮室39と連通している。一方、背圧調整弁70の他側は背圧室46に連通している。
詳しくは、図2に図1のA−A線に沿う横断面を示すように、連通路80bは、連通路80bの一端が吸入室37よりも圧縮の進んだ可動スクロール34の一巻き目の所定位置において圧縮室39に連通するよう穿設されている。
詳しくは、図2に図1のA−A線に沿う横断面を示すように、連通路80bは、連通路80bの一端が吸入室37よりも圧縮の進んだ可動スクロール34の一巻き目の所定位置において圧縮室39に連通するよう穿設されている。
図3に図2のB−B線に沿う縦断面を示すように、背圧調整弁70は、逆円錐状のテーパ面79を有して縮径されたシリンダ78内にテーパ面79と当接するようボール72が挿入され、当該ボール72をスプリング74でテーパ面79に向け付勢するよう構成されている。詳しくは、シリンダ78の上端開口は栓部材76により塞がれており、当該栓部材76とボール72との間にスプリング74が縮設されている。
これより、背圧調整弁70は、連通路80a、80bを介して背圧調整弁70の一側に供給される圧縮室39の圧力とスプリング74の付勢力との和が背圧室46の圧力よりも大きい状況下では、ボール72がスプリング74の付勢力でテーパ面79に当接することで閉弁状態に保持され、一方、背圧調整弁70の一側に供給される圧縮室39の圧力とスプリング74の付勢力との和よりも背圧室46の圧力の方が大きくなると、ボール72がスプリング74の付勢力に抗して押圧されテーパ面79から離間して開弁する。
即ち、背圧調整弁70は、背圧室46の圧力が常に連通路80a、80bを介して背圧調整弁70の一側に供給される圧縮室39の圧力よりもスプリング74の付勢力分だけ大きくなるよう、換言すれば、背圧室46内の圧力が圧縮過程にある圧縮室39内の圧力よりも所定差圧だけ大きくなるよう背圧室46内の圧力を調圧可能である。
また、背圧調整弁70のシリンダ78の内壁のうち、少なくともテーパ面79のボール72が当接する部分には、リューブライト処理(リン酸マンガン皮膜処理)が施されている。
また、背圧調整弁70のシリンダ78の内壁のうち、少なくともテーパ面79のボール72が当接する部分には、リューブライト処理(リン酸マンガン皮膜処理)が施されている。
固定スクロール36の中央部分の適宜位置には、圧縮室39側に連通する吐出孔56が貫通して穿設されており、この吐出孔56は固定スクロール36の背面36b側に配置された吐出弁58により開閉される。また、吐出弁58は吐出ヘッド50で覆われており、この吐出ヘッド50により、吐出弁58の開弁時における音が抑制される。
そして、固定スクロール36及び主軸フレーム18には、外周部分に位置して冷媒通路(図示せず)が軸線方向に延びて貫通している。これより、詳細については説明を省略するが、吐出孔56から吐出された冷媒が当該冷媒通路を経てハウジング2内を循環可能である。
そして、固定スクロール36及び主軸フレーム18には、外周部分に位置して冷媒通路(図示せず)が軸線方向に延びて貫通している。これより、詳細については説明を省略するが、吐出孔56から吐出された冷媒が当該冷媒通路を経てハウジング2内を循環可能である。
以下、このように構成された本発明に係るスクロール型流体機械の作用について説明する。
上述した圧縮機1によれば、電動モータ14により回転軸16が回転すると、可動スクロール34が公転旋回運動を開始する。この可動スクロール34の公転旋回運動は、吸入管10から冷媒をスクロールユニット30の内部に向けて吸入し、圧縮室の容積を縮小させながら当該冷媒を圧縮する。そして、このように圧縮された高圧の冷媒は吐出孔56から吐出されハウジング2内を潤滑油Lを分離しながら循環した後、吐出室54から吐出管12を通じて圧縮機外へ送出される。
上述した圧縮機1によれば、電動モータ14により回転軸16が回転すると、可動スクロール34が公転旋回運動を開始する。この可動スクロール34の公転旋回運動は、吸入管10から冷媒をスクロールユニット30の内部に向けて吸入し、圧縮室の容積を縮小させながら当該冷媒を圧縮する。そして、このように圧縮された高圧の冷媒は吐出孔56から吐出されハウジング2内を潤滑油Lを分離しながら循環した後、吐出室54から吐出管12を通じて圧縮機外へ送出される。
そして、この際、背圧室46の圧力が背圧調整弁70の一側に供給される圧縮室39の圧力より高くなると、背圧調整弁70は圧力差によりボール72がスプリング74の付勢力に抗して上方に押し上げられて開弁する。これにより、背圧室46が連通路80a、80bを介して圧縮室39と連通するため、背圧室46の圧力が圧縮過程にある圧縮室39の圧力よりも所定差圧だけ大きくなるように調圧される。
このように、本発明に係るスクロール型流体機械によれば、連通路80bは一端が吸入室37よりも圧縮の進んだ可動スクロール34の一巻き目の所定位置において圧縮室39に連通するよう穿設されていることにより、背圧室46の圧力が圧縮過程にある圧縮室39の圧力に対して調整され、背圧室46の圧力が比較的高く均衡されて適正に保たれる。これにより、吸入室37の吸入圧が急激に上昇し、可動スクロール34の吸入室37側に掛かる荷重が大きくなるような場合であっても、可動スクロール34全体に掛かる吸入圧の影響を小さくして、背圧室46の圧力で十分に可動スクロール34を固定スクロール36側に押圧し続けることができる。
即ち、簡単な構成にして、吸入室37の圧力より連通路80a、80bの圧力が大きく、さらに当該連通路80a、80bの圧力よりも背圧室46の圧力が大きいという関係が保たれることになり、背圧力不足をなくすことができる。
これにより、可動スクロール34の転覆を防ぐことができ、転覆により生じる圧縮室39から圧縮ガスの漏れがなくなり、圧縮不良を防ぐことができる。
これにより、可動スクロール34の転覆を防ぐことができ、転覆により生じる圧縮室39から圧縮ガスの漏れがなくなり、圧縮不良を防ぐことができる。
また、背圧調整弁70のシリンダ78の内壁のうち、少なくともテーパ面79のボール72が当接する部分にリューブライト処理を施すことにより、テーパ面79のボール72が当接する部分を面粗度を改善して滑らかなものにできる。これにより、背圧調整弁70の閉弁時におけるテーパ面79とボール72との間の密閉性が向上し、例えば圧縮室39の圧縮ガスが背圧室46へ漏れることを防止することができ、より一層圧縮不良を防ぐことが可能である。
以上で本発明の一実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では背圧調整弁70はボール72をスプリング74でテーパ面79に向けて押圧するよう構成されているが、同様の機能を有し本発明の特徴を損なわない限り、背圧調整弁70は上記構成に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では背圧調整弁70はボール72をスプリング74でテーパ面79に向けて押圧するよう構成されているが、同様の機能を有し本発明の特徴を損なわない限り、背圧調整弁70は上記構成に限定されるものではない。
さらに、上記実施形態では冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれる密閉型のスクロール圧縮機について説明しているが、これに限らず種々の分野における密閉型以外の圧縮機または膨張機等のスクロール型の流体機械に適用可能である。
1 スクロール圧縮機
2 ハウジング
34 可動スクロール
36 固定スクロール
37 吸入室
39 圧縮室
46 背圧室
70 背圧調整弁
72 ボール
74 スプリング
76 栓部材
78 シリンダ
79 テーパ面
80a,80b 連通路
2 ハウジング
34 可動スクロール
36 固定スクロール
37 吸入室
39 圧縮室
46 背圧室
70 背圧調整弁
72 ボール
74 スプリング
76 栓部材
78 シリンダ
79 テーパ面
80a,80b 連通路
Claims (3)
- 容器内を延び、該容器に回転自在に支持される回転軸と、
前記回転軸の上端側に偏心して一体形成されたクランクピンと、
前記容器内に設けられ、固定スクロール、及び、前記クランクピンが連結されて前記回転軸により駆動されることで該固定スクロールの軸心周りに公転旋回運動される可動スクロールを有し、前記固定スクロールの渦巻きラップと前記可動スクロールの渦巻きラップを噛み合わせて形成される圧縮室の容積を前記軸心に向かうにつれ減少させながら作動流体の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットと、
前記容器内に収容され、前記回転軸を支持する軸受けを含む主軸フレームと、
前記主軸フレームの上面と前記可動スクロールの鏡板面との間に形成され、潤滑油が加圧された状態で充填された背圧室と、
前記背圧室と前記圧縮室とを連通する連通路と、
該連通路に介装され、前記背圧室の圧力が前記圧縮室の圧力よりも所定差圧大きくなるよう前記背圧室の圧力を調整可能な背圧調整弁とを備え、
前記連通路は、作動流体が吸入される位置よりも圧縮の進んだ所定位置で前記圧縮室と連通していることを特徴とするスクロール型流体機械。 - 前記連通路は前記固定スクロール内を延び、前記背圧調整弁は前記固定スクロール内に配設されていることを特徴とする、請求項1記載のスクロール型流体機械。
- 前記背圧調整弁は、一側が前記連通路を介して前記圧縮室と連通するとともに他側が逆円錐状のテーパ面を有して縮径され前記背圧室と連通するシリンダと、該シリンダ内に前記テーパ面と当接するよう挿入されたボールと、該ボールを前記テーパ面に向け付勢するスプリングとからなり、
前記シリンダの内壁のうちの少なくとも前記テーパ面の前記ボールと当接する部分にはリン酸マンガン皮膜処理が施されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のスクロール型流体機械。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008207848A JP2010043598A (ja) | 2008-08-12 | 2008-08-12 | スクロール型流体機械 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008207848A JP2010043598A (ja) | 2008-08-12 | 2008-08-12 | スクロール型流体機械 |
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ID=42015157
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2010043598A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101361346B1 (ko) | 2011-12-26 | 2014-02-10 | 한라비스테온공조 주식회사 | 스크롤 압축기 |
US11326600B2 (en) | 2019-03-28 | 2022-05-10 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Scroll type compressor |
CN114857006A (zh) * | 2022-06-06 | 2022-08-05 | 珠海格力电器股份有限公司 | 调节机构及具有其的压缩机 |
-
2008
- 2008-08-12 JP JP2008207848A patent/JP2010043598A/ja active Pending
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