JP2010033051A - 電子写真用トナーバインダー及びトナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温定着性、耐ホットオフセット性に優れ、長時間使用しても鮮明な画像を得られるトナーに用いるトナーバインダーを提供する。
【解決手段】 重量平均分子量が3000以上3万未満であるスチレン(共)重合体(A)および重量平均分子量が40万以上120万以下であるスチレン(共)重合体(B)を含有し、(A)と(B)の少なくとも一方が0.1〜20の酸価を有し、特定の一般式で表されるチタン化合物(t)の存在下に形成され、(A)および/または(B)の一部が架橋されてなる電子写真用トナーバインダーを用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられるトナーおよびこれに用いられる電子写真用トナーバインダーに関する。
電子写真において、トナーで可視化された静電潜像を定着するのにヒートローラーを用いる方式が広く採用されている。
この方式を用いた場合、トナーの最低定着温度(定着率70%が得られるヒートローラーの最低温度)が低く、ホットオフセット温度(ホットオフセットが発生するヒートローラーの最低温度)が高いことが望まれる。また、長時間使用しても鮮明な画像を得られることが望まれている。
これらの要望を満足させるために、トナーバインダーの分子量分布を低分子量から高分子量にわたる広範囲とし、樹脂の官能基同士を多価金属化合物を介して架橋させることが提案されている(特許文献1参照)。
特開平9−127730号公報
しかしながら、トナー性能を向上させるため、トナーバインダーの分子量分布を低分子量から高分子量にわたる広範囲とし、樹脂の官能基同士を従来使用されていた多価金属化合物を介して架橋させるという方法では長時間使用した時に十分な画像安定性が得られない。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、重量平均分子量が3000以上3万未満であるスチレン(共)重合体(A)および重量平均分子量が40万以上120万以下であるスチレン(共)重合体(B)を含有し、(A)と(B)の少なくとも一方が0.1〜20の酸価を有し、下記一般式(I)または(II)で表されるチタン化合物(t)の存在下に形成され、(A)および/または(B)の一部が架橋されてなる電子写真用トナーバインダー;並びにこの電子写真用トナーバインダーと着色剤を含有するトナー;である。
Ti(−X)m(−OH)n (I)
O=Ti(−X)p(−OR)q (II)
[式中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの場合、他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。]
本発明の電子写真用トナーバインダーは、トナーの性能として、低温定着性、耐ホットオフセット性、貯蔵安定性を高いレベルにすることができ、さらに長時間使用時の画像劣化といったトラブルがない優れたトナーを得ることができる。
以下、本発明を詳述する。
本発明の電子写真用トナーバインダーにおけるスチレン(共)重合体(A)および(B)の構成モノマー中には、スチレンモノマーを必須モノマーとし、必要により、カルボキシル基含有ビニルモノマーおよび/または(メタ)アクリルモノマーを含有することが好ましい。
ここで、スチレン(共)重合体とは、スチレンの単独重合体、またはスチレンと他のモノマーの共重合体を意味し、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタアクリルを意味し、以下同様の記載法を用いる。
なお、(A)および/または(B)の酸価を後述の範囲とするために、(A)と(B)の少なくとも一方が、構成モノマーとして、カルボキシル基含有ビニルモノマーを含有する必要がある。
上記スチレンモノマーとしては、スチレン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレン(たとえばα−メチルスチレン、p−メチルスチレン)などが挙げられ、2種以上を併用してもよい。好ましくはスチレンである。
カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、モノカルボン酸〔炭素数3〜15、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸〕、ジカルボン酸〔炭素数4〜15、例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸〕、ジカルボン酸モノエステル〔上記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル、例えばマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなど〕などを挙げることができ、2種以上を併用してもよい。好ましくは(メタ)アクリル酸、ジカルボン酸モノエステルおよびそれらの2種以上の混合物である。
(メタ)アクリルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数1〜18のヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜18のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレート;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有ビニルモノマーなどが挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これら(メタ)アクリルモノマーのうち好ましくは、炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルおよびそれらの2種以上の混合物である。
スチレン(共)重合体(A)および(B)は、必要により、上記モノマー以外に、さらに他のビニルエステルモノマーや脂肪族炭化水素系ビニルモノマーを併用してもよい。
ビニルエステルモノマーとしては脂肪族ビニルエステル(炭素数4〜15、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテートなど)、不飽和カルボン酸多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールエステル〔炭素数8〜200、たとえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレートおよびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど〕、芳香族ビニルエステル(炭素数9〜15、たとえばメチル−4−ビニルベンゾエートなど)などが挙げられる。
脂肪族炭化水素系ビニルモノマーとしてはオレフィン(炭素数2〜10、たとえばエチレン、プロピレン、ブテン、オクテンなど)、ジエン(炭素数4〜10、たとえばブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエンなど)などが挙げられる。
他のモノマーの含有量は、好ましくは15%以下、さらに好ましくは0.001〜5%である。
上記および以下において、%はとくに断りの無い限り、重量%を意味する。
本発明に使用されるスチレン(共)重合体(A)および(B)は、どちらか一方または両方に酸価を有し、酸価を有する場合の範囲は、通常0.1〜20、好ましくは0.2〜15、さらに好ましくは0.3〜12である。
スチレン(共)重合体(A)と(B)は両方に酸価を持つことが好ましく、(A)の酸価が高いほうがさらに好ましい。このほうが(A)と(B)の均一性が高まるためではないかと考えられる。
上記および以下において、酸価はJIS K0070に規定の方法で測定される(電位差滴定法)。
本発明に使用されるスチレン(共)重合体(A)、(B)の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定される。
(A)の重量平均分子量は、低温定着性の観点から、通常3000以上3万未満、好ましくは3500〜2.7万、さらに好ましくは3900〜2.5万、とくに好ましくは4000〜2万である。
(B)の重量平均分子量は、樹脂の耐ホットオフセット性を向上させる観点から、通常40万以上120万以下、好ましくは43万〜110万、さらに好ましくは45万〜100万、とくに好ましくは55万〜90万である。
上記および以下において、樹脂の分子量は、GPCを使用して、以下の条件で測定される。
装置(一例) :東ソー製 HLC−8220
カラム(一例):TSKgel SuperMultiporeHZ−M 3本(東 ソー製)
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25%のテトラヒドロフラン(THF)溶液
溶液注入量 :10μl
検出装置 :屈折率検出器
標準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLY STYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
本発明のトナーバインダー中の、スチレン(共)重合体(A)と(B)の重量比は、好ましくは(A):(B)=(45〜80):(55〜20)、さらに好ましくは(A):(B)=(50〜76):(50〜24)である。
(A)および(B)は、分子量、酸価が所定の範囲内であれば、それぞれ複数種組み合わせることができる。
スチレン(共)重合体(A)および(B)は、前記モノマーをラジカル重合開始剤(e)を用いて溶液重合、塊状重合、懸濁重合および乳化重合等の公知の重合法で合成することができる。好ましくは溶液重合、懸濁重合と塊状重合またはその組み合わせである。
重合温度は、好ましくは60〜230℃、さらに好ましくは80〜230℃である。
重合時間は、好ましくは1〜40時間、さらに好ましくは2〜30時間である。
(e)としては、アゾ系重合開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリルおよびアゾビスシアノ吉草酸)および有機過酸化物系重合開始剤〔例えばベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン〕等が挙げられる。
これらのうち好ましいのはジ−t−ブチルパーオキサイドおよび2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
重合開始剤の使用量は、モノマーの全量に基づいて好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.05〜8%、特に好ましくは0.1〜6%である。
溶液重合の場合の溶剤としては、炭素数5〜12のシクロアルカン溶剤(シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキサン等);炭素数6〜12の芳香族溶剤(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびクメン等);エステル溶剤(酢酸エチルおよび酢酸ブチル等);エーテル溶剤(メチルセルソルブ、エチルセルソルブおよびブチルセルソルブ等)等が用いられる。
これらのうち好ましいものは芳香族溶剤であり、さらに好ましくはトルエン、キシレンおよびエチルベンゼンである。
また、懸濁重合を行う場合、無機酸塩分散剤(炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウム等)および有機分散剤(ポリビニルアルコールおよびメチルセルロース等)等を用いて水中で重合することができる。
スチレン(共)重合体(A)と(B)の混合方法はとくに限定されないが、(A)と(B)を別々に重合し溶液状態で混合する方法、各重合体の存在下で他の重合体を重合していく方法などが挙げられる。
本発明に用いるチタン化合物(t)は、前記式(I)または(II)で表されるものであり、2種以上を併用してもよい。
一般式(I)および(II)において、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のH原子を除いた残基であり、窒素原子の数、すなわち、1級、2級、および3級アミノ基の合計数は、通常1〜2個、好ましくは1個である。
上記モノアルカノールアミンとしては、エタノールアミン、およびプロパノールアミンなどが挙げられる。ポリアルカノールアミンとしては、ジアルカノールアミン(ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、およびN−ブチルジエタノールアミンなど)、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミン、およびトリプロパノールアミンなど)、およびテトラアルカノールアミン(N,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンなど)が挙げられる。
ポリアルカノールアミンの場合、Ti原子とTi−O−C結合を形成するのに用いられるHを除いた残基となるOH基以外にOH基が1個以上存在し、それが同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。重合度が6以上の場合、(共)重合体(A)、(B)カルボキシル基との反応点が少なくなり、トナーの性能向上が小さくなる。
Xとして好ましいものは、モノアルカノールアミン(とくにエタノールアミン)、ジアルカノールアミン(とくにジエタノールアミン)の残基、およびトリアルカノールアミン(とくにトリエタノールアミン)の残基であり、特に好ましいものはトリエタノールアミンの残基である。
RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、β−メトキシエチル基、およびβ−エトキシエチル基などが挙げられる。これらRのうち好ましくは、H、およびエーテル結合を含まない炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは、H、エチル基、およびイソプロピル基である。
式(I)中、mは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。nは0〜3の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。mとnの和は4である。
式(II)中、pは1〜2の整数、qは0〜1の整数であり、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、複数存在するXは同一であっても異なっていてもよいが、すべて同一である方が好ましい。
本発明における、上記化合物のうち、一般式(I)で表されるものの具体例としては、チタニウムテトラキス(モノエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムトリヒドロキシトリエタノールアミネート、チタニウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(モノエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(モノプロパノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(N−メチルジエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(N−ブチルジエタノールアミネート)、テトラヒドロキシチタンとN,N,N’,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミンとの反応生成物、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
分子内または分子間重縮合物の例としては、下記一般式(I−1)、(I−2)、または(I−3)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2010033051
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[式中、Q1およびQ6はH、または炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。Q2〜Q5およびQ7〜Q9は炭素数1〜6のアルキレン基である。Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基である。]
一般式(II)で表されるものの具体例としては、チタニルビス(トリエタノールアミネート)、チタニルビス(ジエタノールアミネート)、チタニルビス(モノエタノールアミネート)、チタニルヒドロキシエタノールアミネート、チタニルヒドロキシトリエタノールアミネート、チタニルエトキシトリエタノールアミネート、チタニルイソプロポキシトリエタノールアミネート、およびこれらの分子内または分子間重縮合物が挙げられる。
分子内または分子間重縮合物の例としては、下記一般式(II−1)または(II−2)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2010033051
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[式中、Q1およびQ6はH、または炭素数1〜4のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基である。Q2〜Q5は炭素数1〜6のアルキレン基である。]
これら(t)のうちで好ましいものは、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、チタニウムテトラキス(エタノールアミネート)、チタニルヒドロキシトリエタノールアミネート、チタニルビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)の分子内重縮合物〔下記(t1)〕もしくは分子間重縮合物〔下記(t3)〕、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)の分子内重縮合物〔下記(t2)〕、およびこれらの併用であり、さらに好ましくは、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)、チタニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノールアミネート)、それらの分子内重縮合物〔(t1)および(t2)〕、とくに(t1)である。
Figure 2010033051
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これらのチタン化合物(t)は、例えば、市販されているチタニウムジアルコキシビス(アルコールアミネート)(Dupont製など)を、水存在下で70〜90℃にて反応させること、あるいは、市販されているチタニウムアルコキシド(日本曹達株式会社製チタニウムテトライソプロポキシドなど)をアルコキシアミンと水存在下で20〜90℃にて反応させること、で安定的に得ることができる。また、重縮合物は、更に100℃にて縮合水を減圧留去することで得ることができる。
バインダー樹脂の架橋に、従来から使用されている多価金属化合物は、カルボキシル基との反応性が十分ではなく、未反応の多価金属化合物がトナーの帯電安定性を阻害し、長時間使用した時の画像安定性を阻害していたと考える。
これに対し、本発明で用いるチタン化合物(t)は分子内に窒素原子を有しており、(A)および/または(B)に含まれるカルボキシル基とチタン原子との反応を促進しているものと考える。即ち未反応のチタン化合物がなく、帯電安定性を向上させることができたものと考えられる。
本発明のトナーバインダー中へのチタン化合物(t)の添加方法は、スチレン(共)重合体(A)と(B)を混合するのと同時、または(A)と(B)との混合後に添加するのが好ましい。(A)、(B)、および(t)の混合温度は、好ましくは130〜210℃、さらに好ましくは160〜180℃である。
チタン化合物(t)を添加、混合することにより、スチレン(共)重合体(A)および/または(B)の一部が架橋される。架橋の種類としては、(A)同士、(B)同士、(A)と(B)間のいずれでもよい。架橋が生じていることについては、例えば、(A)と(B)のみを含有する未架橋の場合と比較して、GPCによるトナーバインダー全体の重量平均分子量が大きくなること、あるいはトナーバインダー中のゲル分(THF不溶解分)が増加することで、架橋により高分子量化していることを確認できる。
(t)の添加量は、従来使用されている多価金属化合物より少なくでき、(A)と(B)の合計量に対して、チタン原子として、好ましくは0.005〜0.05%、さらに好ましくは0.006〜0.03%、とくに好ましくは0.007〜0.02%である。
チタン原子の含有量は、(t)の添加量から求めた計算値である。なお、蛍光X線分析装置(PANalytical社製)によって測定することもできる。
本発明の電子写真用トナーバインダー中には、バインダー用樹脂として、スチレン(共)重合体(A)および(B)の他に、必要によりその他の樹脂を含有することができる。その他の樹脂としては、下記スチレン(共)重合体(C)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
その他の樹脂の添加量は、(A)および(B)の合計量に対して、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、とくに好ましくは10%以下である。
スチレン(共)重合体(C)は、重量平均分子量3万以上40万未満のスチレンホモポリマーまたはスチレンと他のビニルモノマーとの共重合体であり、ステレン(共)重合体(A)、(B)と同様のモノマーを使用できる。スチレン(共)重合体(C)の酸価は0〜10が好ましく、さらに好ましくは0〜8である。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物等が挙げられる。末端カルボン酸、末端アルコールを封止する目的でモノアルコール、モノカルボン酸を併用することもできる。
ポリオールのうち、2価アルコールとしては、炭素数2〜20の脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなど)、およびこれらのアルキレンオキサイド付加物、ハイドロキノン、カテコール、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADなど)および水素添加ビスフェノール、およびこれらにアルキレンオキサイドを付加させたフェノール系グリコール、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。上記アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどが挙げられ、これらのアルキレンオキサイドの混合物を付加する場合、ブロック付加でもランダム付加でもよい。
これらの中で好ましいものは、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコールおよびビスフェノール(特にビスフェノールA)のアルキレンオキサイド2〜3モル付加物、およびこれら2種以上の混合物である。
ポリオールのうち、3価以上のアルコールとしては、炭素数3〜20の脂肪族多価アルコール(ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセロールなど)およびこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
ポリカルボン酸のうち2価の酸としては、炭素数2〜20のアルキルまたはアルケニルジカルボン酸(例えばコハク酸、マレイン酸、アジピン酸など)、炭素数8〜20の芳香族カルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸)およびこれらの酸の無水物,低級アルキル(メチル、エチル)エステルが挙げられる。
ポリカルボン酸のうち3価以上の酸としては、炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸,炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(1,2,4ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸など)およびこれらの無水物や低級アルキル(メチル、ブチルなど)エステルが挙げられる。
ポリアミド樹脂としては、ラクタムの開環重合体、アミノカルボン酸の重縮合体および上記のポリカルボン酸とポリアミンの重縮合体等が挙げられる。
ラクタムとしては、炭素数6〜12のラクタム、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタムが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12のアミノカルボン酸、例えばアミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン及びフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン酸が挙げられる。
開環重合および重縮合反応は公知の触媒等を用いて常法により行うことができる。
スチレン(共)重合体(A)、(B)、および必要によりその他樹脂を含有する本発明の電子写真用トナーバインダーのTHF可溶分の重量平均分子量は、好ましくは14万〜35万、さらに好ましくは15万〜30万、とくに好ましくは16万〜27万である。
また、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)は、定着温度幅と画像安定性の観点から、好ましくは25〜150、さらに好ましくは28〜100である。
また、THF不溶解分の量は、好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下である。
本発明におけるTHF不溶分の量は次の方法で測定する。
200mlの共栓付きマイヤーフラスコに、試料約0.5gを精秤し、THF50mlを加え、3時間撹拌還流させて冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別する。THF不溶分の値(%)は、グラスフィルター上の樹脂分を80℃で3時間減圧乾燥した後の重量と試料の重量比から算出する。
本発明の電子写真用トナーバインダーのガラス転移点(Tg)は、貯蔵安定性と低温定着性の観点から、好ましくは50〜75℃、さらに好ましくは51〜70℃、とくに好ましくは53〜65℃である。
上記および以下において、ガラス転移点(Tg)はセイコー電子工業(株)製DSC20,SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
本発明の電子写真用トナーバインダー中には、更に低温定着性や耐オフセット性を向上させたり、画像安定性をより向上させるために、離型剤(G)を含有することができる。
離型剤(G)としては、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、フィッシャートロプシュワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、オレフィンの(共)重合体(G−1)、オレフィンの(共)重合体の酸化物(G−2)、オレフィンの(共)重合体のマレイン変性物(G−3)、オレフィンと不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸アルキルエステルとの共重合体(G−4)等が挙げられる。
(G−1)としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等の(共)重合体(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体およびプロピレン/1−ヘキセン共重合体)が挙げられる。
(G−1)には、オレフィンの(共)重合により得られるもの(G−1−1)および熱減成型ポリオレフィン(G−1−2)が含まれる。
(G−1−2)としては、重量平均分子量(Mw)5万〜500万のポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレンおよびポリプロピレン)を熱減成して得られるポリオレフィンが挙げられる。
(G−2)としては、上記(G−1)の酸化物等が挙げられる。
酸化は酸素および/またはオゾン等を用いて公知の方法で行うことができ、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。
(G−3)としては、上記(G−1)のマレイン酸系モノマー[マレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等のマレイン酸の炭素数1〜4のモノもしくはジアルキルエステル)]変性物等が挙げられる。
変性は、公知の方法で行うことができ、例えば(G−1)とマレイン酸系モノマーを公知の過酸化物触媒を用いて、溶液法または溶融法のいずれかの方法で反応させることにより行うことができる。
(G−4)としては、上記オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体が挙げられる。
共重合は、公知の触媒を用いて公知の方法等で行うことができる。
ポリオレフィンワックスの数平均分子量は、キャリアー等へのフィルミングおよび離型性の観点から、好ましくは1000〜3万、更に好ましくは1500〜25000、特に2000〜2万である。
ポリオレフィンワックスの融点は、キャリアー等へのフィルミングおよび離型性の観点から、好ましくは50〜165℃、更に好ましくは60〜160℃、特に65〜155℃である。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。
フィッシャートロプシュワックスとしては、例えばサゾールワックスH1等が挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。
炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびこれらの混合物であり、さらに好ましくは熱減成型ポリエチレン、熱減成型ポリプロピレン、パラフィンワックスおよびフィッシャートロプシュワックスである。
離型剤(G)および/またはその他の樹脂を含むトナーバインダーを得るためには、スチレン(共)重合体(A)および(B)、並びに離型剤(G)および/またはその他の樹脂を溶液状で混合する方法、粉体混合する方法、二軸押出機や加熱攪拌のできる配合釜等で溶融混合する方法のいずれでもよく、離型剤(G)および/またはその他の樹脂の存在下で(A)および/または(B)を製造してもよい。
(G)がポリオレフィンワックスの場合、画像安定性の観点から、(A)および/または(B)を重合により得る際に一部または全量を添加する方法が好ましい。重合時に一部を添加する場合は、重合時に全ワックス量の1〜50%を添加し、重合後に残りの50〜99%を添加する方法がより好ましい。
離型剤(G)の添加量は、(A)および(B)の合計に対して、0.5〜10%が好ましく、1〜8%がより好ましい。
本発明のトナーは、本発明の電子写真用トナーバインダーと着色剤から構成され、必要に応じて離型剤、荷電制御剤および流動化剤等種々の添加剤を混合することができる。
着色剤としては、公知の顔料、染料および磁性粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOPおよび磁性粉[例えば強磁性金属の粉末(鉄、コバルトおよびニッケル等)、マグネタイト、ヘマタイトおよびフェライト]等が挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、染料または顔料を使用する場合は、好ましくは1〜15%、さらに好ましくは2〜10%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは15〜70%、さらに好ましくは30〜60%である。
トナー中の離型剤としては、前述の離型剤(G)と同様のものが挙げられる。
トナー中の離型剤の量は、好ましくは0〜10%、さらに好ましくは1〜8%である。
荷電制御剤としては、例えば含金属アゾ染料、ニグロシン染料および四級アンモニウム塩化合物が挙げられる。
トナー中の荷電制御剤の含有量は、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは1〜5%である。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末等公知のものが挙げられる。
トナー中の流動化剤の含有量は、好ましくは0〜5%である。
トナーの製造方法としては、公知の混練粉砕法等が挙げられる。例えば、上記トナー構成成分をヘンシェルミキサー等を用いて乾式ブレンドした後、二軸押出機等を用いて70℃〜190℃で溶融混練して、その後粗粉砕し、最終的にジェット粉砕機などを用いて微粒子化し、更に分級して体積中位粒径(D50)が5〜15ミクロンの微粒子として得られる。
尚、D50は、コールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)]を用いて測定される。
また、上記方法において、流動化剤はトナーを微粒子化した後に混合(外添)して使用することもできる。
トナーは必要に応じて、ガラスビーズおよび/または樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて現像剤として用いられる。また、キャリアー粒子のかわりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、帯電させることもできる。
次いでトナーを感光体上の静電潜像に移動させ、さらに支持体(紙、ポリエステルフィルム等)上に移動させる。
更に、公知の熱ロール定着方法等により支持体に定着して記録材料とされる。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下、部は重量部を示す。
製造例1
オートクレーブにキシレン500部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で185℃まで昇温した。スチレン968.5部、n−ブチルアクリレート30部、アクリル酸1.5部、ジ−t−ブチルパーオキサイド30部およびキシレン200部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を185℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ重合体溶液(A−1)を得た。
製造例2
オートクレーブにキシレン500部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で170℃まで昇温した。スチレン822部、n−ブチルアクリレート160部、メタクリル酸18部、ジ−t−ブチルパーオキサイド16部およびキシレン200部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を170℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ重合体溶液(A−2)を得た。
製造例3
スチレン968.5部、n−ブチルアクリレート30部、アクリル酸1.5部に代えて、使用するモノマーをスチレン970部、n−ブチルアクリレート30部とした他は製造例1と同様にし、重合体溶液(A−3)を得た。
製造例4
オートクレーブにキシレン500部と共に低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール550P;数平均分子量4000)5部を仕込む他は製造例1と同様にし、重合体溶液(A−4)を得た。
製造例5
4口フラスコに水1900部、ポリビニルアルコール[(株)クラレ製PVA235]の2%水溶液100部を加え、これにスチレン778部、n−ブチルアクリレート220部、マレイン酸モノブチル2部、2.2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン2部からなる混合液を加えて撹拌し懸濁液とした。フラスコを充分窒素で置換した後、95℃まで昇温し、重合を開始した。同温度で重合を継続させ、24時間後に転化率が98%になったことを確認した後、100℃に昇温し、同温度で2時間保ち、重合を完結させた。後処理として濾別、水洗、乾燥し、重合体(B−1)を得た。
製造例6
オートクレーブを窒素で置換した後、スチレン745部、n−ブチルアクリレート250部、アクリル酸5.0部、1,6ヘキサンジオールジアクリレート0.2部を仕込み、1時間で95℃まで昇温した。次に2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン8部を仕込み、95℃で4時間塊状重合を行った。引き続きキシレン240部を1時間かけて滴下した後、110℃まで1時間で昇温し、同温度で1時間重合した。さらに2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン3.2部とキシレン100部を仕込み、4時間重合した。その後150℃まで1時間で昇温し、同温度で1時間重合して重合体溶液(B−2)を得た。
製造例7
スチレン778部、n−ブチルアクリレート220部、マレイン酸モノブチル2部に代えて、使用するモノマーを、スチレン753部、n−ブチルアクリレート207部、マレイン酸モノブチル40部とした他は製造例5と同様にし、重合体(B−3)を得た。
製造例8
スチレン778部、n−ブチルアクリレート220部、マレイン酸モノブチル2部に代えて、使用するモノマーを、スチレン780部、n−ブチルアクリレート220部とした他は製造例5と同様にし、重合体(B−4)を得た。
製造例9
オートクレーブにスチレン745部、n−ブチルアクリレート250部、アクリル酸5.0部、1,6ヘキサンジオールジアクリレート0.2部と共に低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール440P;数平均分子量8000)30部を仕込む他は製造例6と同様にし、重合体溶液(B−5)を得た。
製造例10
オートクレーブにキシレン200部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下で140℃まで昇温した。スチレン780部、n−ブチルアクリレート220部、ジ−t−ブチルパーオキサイド2部およびキシレン100部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保った後、175℃に昇温し、1時間重合させて重合体溶液(C−1)を得た。
製造例11
冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な窒素導入管の付いた反応槽中に、チタニウムジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)1617部とイオン交換水126部を入れ、窒素にて液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温し、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を得た。
さらに、100℃にて2時間減圧下で反応(脱水縮合)させることで、前記分子内重縮合物(t1)を得た。
実施例1
オートクレーブに重合体溶液(A−1)を1263部、キシレンを200部仕込み、重合体(B−1)270部を水27部に湿らせたものを攪拌下に仕込んだ。次にチタン化合物(t1)を1.0部仕込み、オートクレーブ内を窒素にて置換した後、キシレン還流下で重合体(B−1)を溶解した。次にキシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を継続し、ガスクロマトグラフィーにより樹脂中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、トナーバインダー(TB−1)を得た。
実施例2
オートクレーブに重合体溶液(A−2)を1304部、重合体溶液(B−2)を324部、チタン化合物(t1)を0.5部仕込み、オートクレーブ内を窒素にて置換した後、キシレン還流下で溶解した。その後の工程は実施例1と同様にして、トナーバインダー(TB−2)を得た。
実施例3
使用する重合体(溶液)を、重合体溶液(A−2)を1115部、重合体溶液(B−2)を365部、重合体溶液(C−1)を104部とした他は実施例2と同様にして、トナーバインダー(TB−3)を得た。
実施例4
使用する重合体(溶液)を、重合体溶液(A−3)を1263部、重合体(B−1)を270部とした他は実施例1と同様にして、トナーバインダー(TB−4)を得た。
実施例5
使用する重合体(溶液)を、重合体溶液(A−1)を1263部、重合体(B−3)を270部とし、チタン化合物(t1)を1.0部とした他は実施例1と同様にして、トナーバインダー(TB−5)を得た。
実施例6
使用する重合体(溶液)を、重合体溶液(A−2)を944部、重合体溶液(B−2)を608部とし、チタン化合物(t1)0.5部に代えて、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)を1.2部とした他は実施例2と同様にして、トナーバインダー(TB−6)を得た。
実施例7
使用する重合体(溶液)を、重合体溶液(A−4)を1267部、重合体(B−1)を270部とし、さらに低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール550P;数平均分子量4000)10部を仕込んだ他は実施例1と同様にして、トナーバインダー(TB−7)を得た。
実施例8
使用する重合体(溶液)を、重合体溶液(A−2)を944部、重合体溶液(B−5)を622部とした他は実施例6と同様にして、トナーバインダー(TB−8)を得た。
比較例1
チタン化合物(t1)0.5部に代えて、使用するチタン化合物をシュウ酸チタンカリウム0.6部とした他は実施例2と同様にして、比較のトナーバインダー(RTB−1)を得た。
比較例2
使用する重合体(溶液)を、重合体溶液(A−3)を1263部、重合体溶液(B−4)を270部とした他は実施例1と同様にして、比較のトナーバインダー(RTB−2)を得た。
各製造例で得られた、重合体または重合体溶液〔重合体溶液は脱溶媒した固形分〕、および各実施例および比較例で得られたトナーバインダーの分析結果を表1に示す。
なお、トナーバインダー(TB−1)および(TB−7)については、チタン化合物(t1)を添加せずに製造した場合よりも、トナーバインダーのMwが増加したことにより、(TB−2)〜(TB−6)、および(TB−8)については、THF不溶解分が生成したことにより、架橋により高分子量化していることを確認した。
Figure 2010033051
[実施例9〜16、比較例3,4]
〔トナーの作成〕
トナーバインダー(TB−1)〜(TB−8)、および比較のトナーバインダー(RTB−1)、(RTB−2)の各々88部に、カーボンブラック[三菱化成(株)製 MA100]7部、低分子量ポリプロピレン[三洋化成工業(株)製 ビスコール550P]3部、および荷電調整剤(保土谷化学製 スピロンブラックTRH)2部をヘンシェルミキサーFM10B〔三井三池化工機(株)製〕で均一混合した後、樹脂温度130℃の二軸押出機[PCM30、(株)池貝製]で混練し、冷却物をジェット粉砕機[ラボジェットLJ、日本ニューマチック工業(株)製]で微粉砕し、デイスパージョンセパレータ[MDS−II、日本ニューマチック工業(株)製]で分級した。ついで、トナー粒子100部とコロイダルシリカ(日本アエロジル製アエロジルR972)1.0部とを均一混合して、体積平均粒径9μmの本発明のトナー(T−1)〜(T−8)、および比較のトナー(RT−1)、(RT−2)を得た。
なお、体積平均粒径は、コールターカウンター(マルチサイザーTM3、ベックマンコールター社製)で測定した。
〔試験例〕
トナー(T−1)〜(T−8)、および比較のトナー(RT−1)、(RT−2)のそれぞれについいての評価結果を表2に示す。
トナーの試験法は以下の通りである。
(1)最低定着温度
評価試料(トナー)30部とフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)800部とを均一混合して二成分現像剤を得た後、以下の試験に供した。
市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて現像した未定着画像を、市販モノクロ複写機[SF8400A、シャープ(株)製]の定着ユニットを改造し、ヒートローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード145mm/secで定着した。画像濃度(I.D.)=0.6の画像を学振式摩擦堅牢度試験(紙で摩擦)により5回の往復回数で摩擦し、定着率(摩擦後のI.D.×100/摩擦前のI.D.)が70%以上となるヒートローラー温度を最低定着温度とした。
(2)ホットオフセット発生温度
上記(1)と同様に定着し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視判定した。ホットオフセットが発生しはじめた温度をホットオフセット発生温度とした。
(3)画像安定性
上記(1)と同様に二成分現像剤として、市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて連続コピーを行い、画質変化を以下の基準で評価した。
◎:2万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。
○:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。2万枚コピー後、わず かにカブリが発生している。
○:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。
△:1万枚コピー後カブリが発生している。
×:5千枚コピー後でカブリが発生している。
(4)貯蔵安定性
評価試料(トナー)20部をガラス瓶に入れ密封し、50℃の恒温水槽中で8時間放置した後、目開き355μmのフルイ上で振動強度5で10秒間振動を与え、フルイ上に残ったトナー量のフルイに載せた量に対する割合から、以下の基準で評価した。装置はホソカワミクロン製パウダーテステーPT−Eを用いた。
○:フルイ上の残存トナー量10%未満
△:フルイ上の残存トナー量10%以上〜20%未満
×:フルイ上の残存トナー量20%以上
Figure 2010033051
表2に示したように、本発明のトナーバインダー(TB−1)〜(TB−8)による本発明のトナー(T−1)〜(T−8)は、優れた低温定着性および耐ホットオフセット性を有しており、画像安定性にも優れている。一方、比較のトナーバインダー(RTB−1)、(RTB−2)による比較のトナー(RT−1)、(RT−2)は、定着温度幅が狭くなったり、カブリを生じるなど画像特性に劣ものであった。このように本発明のトナーバインダーを使用することにより、特にトナーの長時間使用時の画質劣化に問題のないトナーを得ることができる。
本発明の電子写真用トナーバインダーは、トナーとして、低温定着性、耐ホットオフセット性を高いレベルにすることができ、さらに長時間使用時の画質劣化といったトラブルがない優れたトナーを得ることができ、極めて有用である。

Claims (5)

  1. 重量平均分子量が3000以上3万未満であるスチレン(共)重合体(A)および重量平均分子量が40万以上120万以下であるスチレン(共)重合体(B)を含有し、(A)と(B)の少なくとも一方が0.1〜20の酸価を有し、下記一般式(I)または(II)で表されるチタン化合物(t)の存在下に形成され、(A)および/または(B)の一部が架橋されてなる電子写真用トナーバインダー。
    Ti(−X)m(−OH)n (I)
    O=Ti(−X)p(−OR)q (II)
    [式中、Xは炭素数2〜12のモノもしくはポリアルカノールアミンから1個のOH基のHを除いた残基であり、ポリアルカノールアミンの場合、他のOH基が同一のTi原子に直接結合したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成していてもよく、他のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰り返し構造を形成する場合の重合度は2〜5である。RはH、または1〜3個のエーテル結合を含んでいてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。mは1〜4の整数、nは0〜3の整数、mとnの和は4である。pは1〜2の整数、qは0〜1の整数、pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合、それぞれのXは同一であっても異なっていてもよい。]
  2. (A)と(B)の重量比が(A):(B)=(45〜80):(55〜20)である請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
  3. チタン化合物(t)の量が(A)と(B)の合計重量に対し、チタン原子として0.005〜0.05重量%である請求項1または2記載の電子写真用トナーバインダー。
  4. さらに離型剤(G)を含有する請求項1〜3のいずれか記載の電子写真用トナーバインダー。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の電子写真用トナーバインダーと着色剤を含有するトナー。
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