JP5107402B2 - 電子写真用トナーバインダーおよびトナー - Google Patents
電子写真用トナーバインダーおよびトナー Download PDFInfo
- Publication number
- JP5107402B2 JP5107402B2 JP2010169657A JP2010169657A JP5107402B2 JP 5107402 B2 JP5107402 B2 JP 5107402B2 JP 2010169657 A JP2010169657 A JP 2010169657A JP 2010169657 A JP2010169657 A JP 2010169657A JP 5107402 B2 JP5107402 B2 JP 5107402B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- parts
- styrene
- polymer
- toner
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Developing Agents For Electrophotography (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
この方式を用いた場合、トナーの最低定着温度(定着率70%が得られるヒートローラーの最低温度)が低く(低温定着性)、ホットオフセット温度(ホットオフセットが発生するヒートローラーの最低温度)が高いこと(耐ホットオフセット性)が望まれる。また、長時間使用しても鮮明な画像が得られること(画像安定性)が望まれている。これらの要望を満足させるために、トナーバインダーの分子量分布を低分子量から高分子量にわたる広範囲としたり、構成成分のガラス転移点の序列を規定することが提唱されている(特許文献1参照)。また、低融点ワックスを添加する方法も提唱されている(特許文献2参照)。
すなわち本発明は、分子量分布極大値が2500以上5000以下のスチレン(共)重合体(a)、分子量分布極大値が5000より大きく20万以下のスチレン(共)重合体(b)、および分子量分布極大値が20万より大きく100万以下のスチレン(共)重合体(c)を含有し、それぞれの重量比が(a):(b):(c)=(30〜44):(5〜45):(12〜45)であるスチレン(共)重合体(A)と、融点が65℃〜105℃の炭化水素ワックス(F)とを含有し、(A)と(F)の重量比が(92〜98):(8〜2)である電子写真用トナーバインダー;並びに、この電子写真用トナーバインダーと着色剤を含有するトナー;である。
本発明の電子写真用トナーバインダーは、スチレン(共)重合体(A)と融点が65℃〜105℃の炭化水素ワックス(F)とを含有する。
(A)と(F)の重量比〔(A)と(F)の合計を100とする〕は、(92〜98):(8〜2)であり、好ましくは(93〜97):(7〜3)である。融点が65℃〜105℃の炭化水素ワックス(F)の重量比は、低温定着性の観点から2以上である必要があり、画像安定性の観点から8以下である必要がある。
スチレン(共)重合体(a)、(b)、および(c)を構成するモノマーとしては、スチレンモノマーを必須モノマーとし、必要により(メタ)アクリルモノマーやカルボキシル基含有ビニルモノマーを含有する。 ここで、(共)重合体とは、単独重合体または共重合体を意味し、スチレン(共)重合体とは、スチレンモノマーの単独重合体またはスチレンモノマーと他のモノマーの共重合体を意味する。また、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタアクリルを意味し、以下同様の記載法を用いる。
これら(メタ)アクリルモノマーのうち好ましくは、炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルおよびそれらの2種以上の混合物である。
これらカルボキシル基含有ビニルモノマーのうち好ましくは、(メタ)アクリル酸、ジカルボン酸モノエステル、およびそれらの2種以上の混合物である。
ビニルエステルモノマーとしては脂肪族ビニルエステル(炭素数4〜15、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテートなど)、不飽和カルボン酸多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールエステル〔炭素数8〜200、たとえばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、およびポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなど〕、芳香族ビニルエステル(炭素数9〜15、たとえばメチル−4−ビニルベンゾエートなど)などが挙げられる。
脂肪族炭化水素ビニルモノマーとしてはオレフィン(炭素数2〜10、たとえばエチレン、プロピレン、ブテン、オクテンなど)、ジエン(炭素数4〜10、たとえばブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエンなど)などが挙げられる。
全構成モノマー中の他のモノマーの含有量は、好ましくは15%以下、さらに好ましくは0.001〜5%である。
上記および以下において、%はとくに断りの無い限り、重量%を意味する。
上記および以下において、酸価はJIS K0070に規定の方法で測定される(電位差滴定法)。
(a)の分子量分布極大値は、低温定着性の観点から、通常2500以上5000以下、好ましくは2600〜4900、さらに好ましくは2700〜4800である。
(b)の分子量分布極大値は、画像安定性を向上させるとともに着色剤の分散性をよくする観点から、通常5000より大きく20万以下、好ましくは1万〜18万、さらに好ましくは1.6万〜15万である。
(c)の分子量分布極大値は、耐ホットオフセット性を向上させる観点から、通常20万より大きく100万以下、好ましくは30万〜95万、さらに好ましくは40万〜90万である。
スチレン(共)重合体(A)の重量平均分子量は、低温定着性、画像安定性、耐ホットオフセット性のバランスをとる観点から、好ましくは10万〜40万、さらに好ましくは12万〜36万、とくに好ましくは15万〜32万である。
また、(A)の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比(Mw/Mn)は、定着温度幅と画像安定性の観点から、好ましくは15〜150、さらに好ましくは20〜120である。
装置(一例) :東ソー製 HLC−8220
カラム(一例):TSKgel SuperMultiporeHZ−M 3本(東 ソー製)
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25%のTHF溶液
溶液注入量 :10μl
検出装置 :屈折率検出器
標準物質 :東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLY STYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400
190000 355000 1090000 2890000)
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量を、分子量分布極大値とする。
スチレン(共)重合体(a)のガラス転移点は、好ましくは50〜65℃、さらに好ましくは51〜64℃であり、スチレン共重合体(b)と(c)のガラス転移点は、好ましくは50〜80℃、さらに好ましくは53〜70℃である。
また、融点が65℃〜105℃の炭化水素ワックス(F)とスチレン共重合体(A)とを前記の重量比で混合したもののガラス転移点は、スチレン共重合体(A)のガラス転移点よりも、通常1〜10℃低くなる。
上記および以下において、ガラス転移点(Tg)は、セイコー電子工業(株)製DSC20,SSC/580を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
重合温度は、好ましくは60〜230℃、さらに好ましくは80〜230℃である。
重合時間は、好ましくは1〜30時間、さらに好ましくは2〜20時間である。
これらのうち好ましいのは、ジ−t−ブチルパーオキサイド、および2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
重合開始剤の使用量は、モノマーの全量に基づいて、好ましくは0.01〜10%、さらに好ましくは0.05〜8%、特に好ましくは0.1〜6%である。
これらのうち好ましいものは芳香族溶剤であり、さらに好ましくはトルエン、キシレン、およびエチルベンゼンである。
ワックス(G)がスチレン(共)重合体にグラフトされた(共)重合体は、スチレン(共)重合体(a)〜(c)の重合時にワックス(G)を共存させ、過酸化物系重合開始剤を使用して重合することで得られる。ワックス(G)がグラフトされたスチレン(共)重合体を用いることで、画像の安定性が向上する。グラフトに供するワックスの量は、本発明の電子写真用トナーバインダー中に0.01〜2%となるように使用することが好ましく、さらに好ましくは0.02〜1%である。
スチレン(共)重合体(a)の比率は、融点が65℃〜105℃の炭化水素ワックス(F)を添加することによる画像安定性の劣化を防ぐために、44以下とする必要があり、低温定着性の観点から30以上とする必要がある。
また、(a)、(b)、および(c)は、分子量分布極大値が所定の範囲内のものであれば、それぞれ複数種組み合わせることができ、画像安定性の観点から(a)、(b)、および(c)の合計成分数は、好ましくは3〜8、さらに好ましくは4〜6である。
その他の樹脂の添加量は、(a)、(b)、および(c)の合計量に対して、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、とくに好ましくは10%以下である。
ポリオールのうち、2価アルコールとしては、炭素数2〜20の脂肪族ジオール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなど)、およびこれらのアルキレンオキサイド付加物、ハイドロキノン、カテコール、ビスフェノール(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールADなど)および水素添加ビスフェノール、およびこれらにアルキレンオキサイドを付加させたフェノール系グリコール、並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。上記アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどが挙げられ、これらのアルキレンオキサイドの混合物を付加する場合、ブロック付加でもランダム付加でもよい。
これらの中で好ましいものは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール(特にビスフェノールA)のアルキレンオキサイド2〜3モル付加物、およびこれら2種以上の混合物である。
ポリオールのうち、3価以上のアルコールとしては、炭素数3〜20の脂肪族多価アルコール(ソルビトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパングリセロールなど)、およびこれらのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
ポリカルボン酸のうち2価の酸としては、炭素数2〜20のアルキルまたはアルケニルジカルボン酸(例えばコハク酸、マレイン酸、アジピン酸など)、炭素数8〜20の芳香族カルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸)およびこれらの酸の無水物,低級アルキル(メチル、エチル)エステルが挙げられる。
ポリカルボン酸のうち3価以上の酸としては、炭素数7〜20の脂肪族ポリカルボン酸,炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(1,2,4ベンゼントリカルボン酸、ピロメリット酸など)、およびこれらの無水物や低級アルキル(メチル、ブチルなど)エステルが挙げられる。
ラクタムとしては、炭素数6〜12のラクタム、例えばカプロラクタム、エナントラクタム、ラウロラクタム及びウンデカノラクタムが挙げられる。
アミノカルボン酸としては、炭素数2〜12のアミノカルボン酸、例えばアミノ酸(グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、およびフェニルアラニン等)、ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペラルゴン酸、ω−アミノカプリン酸、11−アミノウンデカン酸、および12−アミノドデカン酸が挙げられる。
開環重合および重縮合反応は、公知の触媒等を用いて常法により行うことができる。
ワックスの融点は、セイコー電子工業製RDC−220を用い、JIS K7122に従って測定し、最大吸熱ピークの極大値の温度を融点とする。
融点が65℃〜105℃の炭化水素ワックス(F)としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、低分子量ポリエチレン等が挙げられる。(F)の融点は、好ましくは67℃〜102℃である。
本発明の電子写真用トナーバインダー中の融点が65℃〜105℃の炭化水素ワックス(F)の含有量は、好ましくは2〜8%、さらに好ましくは3〜6%である。
(G−1)には、オレフィンの(共)重合により得られるもの(G−1−1)、および熱減成型ポリオレフィン(G−1−2)が含まれる。
酸化は酸素および/またはオゾン等を用いて公知の方法で行うことができ、例えば米国特許第3,692,877号明細書記載の方法で行うことができる。
変性は、公知の方法で行うことができ、例えば(G−1)とマレイン酸系モノマーを公知の過酸化物触媒を用いて、溶液法または溶融法のいずれかの方法で反応させることにより行うことができる。
共重合は、公知の触媒を用いて公知の方法等で行うことができる。
ポリオレフィンワックス(G)の融点は、キャリアー等へのフィルミングおよびワックスの観点から、好ましくは110〜165℃、更に好ましくは120〜160℃、特に140〜155℃である。
本発明のトナー中の着色剤の含有量は、染料または顔料を使用する場合は、好ましくは1〜15%、さらに好ましくは2〜10%であり、磁性粉を使用する場合は、好ましくは15〜70%、さらに好ましくは30〜60%である。
本発明のトナー中のワックスの量(電子写真用トナーバインダー中に含まれているワックスの量を含む)は、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは2〜8%である。
本発明のトナー中の荷電制御剤の含有量は、好ましくは0〜5%、さらに好ましくは1〜5%である。
本発明のトナー中の流動化剤の含有量は、好ましくは0〜5%である。
尚、D50は、コールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)]を用いて測定される。
また、上記方法において、流動化剤はトナーを微粒子化した後に混合(外添)して使用することもできる。
次いでトナーを感光体上の静電潜像に移動させ、さらに支持体(紙、ポリエステルフィルム等)上に移動させる。
更に、公知の熱ロール定着方法等により支持体に定着して記録材料とされる。
トナーの試験法は以下の通りである。
評価試料(トナー)30部とフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)800部とを均一混合して二成分現像剤を得た後、以下の試験に供した。
市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて現像した未定着画像を、市販モノクロ複写機[SF8400A、シャープ(株)製]の定着ユニットを改造し、ヒートローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード145mm/secで定着した。画像濃度(I.D.)=0.6の画像を学振式摩擦堅牢度試験(紙で摩擦)により5回の往復回数で摩擦し、定着率(摩擦後のI.D.×100/摩擦前のI.D.)が70%以上となるヒートローラー温度を最低定着温度とした。
上記(1)と同様に定着し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視判定した。ホットオフセットが発生しはじめた温度をホットオフセット発生温度とした。
上記(1)と同様に二成分現像剤として、市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて連続コピーを行い、画質変化を以下の基準で評価した。
◎:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない。
○:1万枚コピー後でカブリが発生している。
△:6千枚コピー後でカブリが発生している。
×:2千枚コピー後でカブリが発生している。
評価試料(トナー)20部をガラス瓶に入れ密封し、50℃の恒温水槽中で8時間放置した後、目開き355μmのフルイ上で振動強度5で10秒間振動を与え、フルイ上に残ったトナー量のフルイに載せた量に対する割合(重量)から、以下の基準で評価した。装置はホソカワミクロン製パウダーテステーPT−Eを用いた。
○:フルイ上の残存トナー量10%未満
△:フルイ上の残存トナー量10%以上〜20%未満
×:フルイ上の残存トナー量20%以上
オートクレーブにキシレン500部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で200℃まで昇温した。スチレン1000部、ジ−t−ブチルパーオキサイド48部、およびキシレン200部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を200℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、重合体溶液(a−1)を得た。
オートクレーブにキシレン500部、低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール550P)1部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で185℃まで昇温した。スチレン966部、n−ブチルメタクリレート30.5部、メタクリル酸3.5部、ジ−t−ブチルパーオキサイド30部、およびキシレン200部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を185℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で1時間保ち重合を完結させ、重合体溶液(a−2)を得た。
使用するモノマーをスチレン978部、n−ブチルアクリレート10部、アクリル酸12部とし、ジ−t−ブチルパーオキサイドを22部とし、重合温度を185℃とする他は製造例1と同様にして重合体溶液(a−3)を得た。
使用するモノマーをスチレン853部、n−ブチルアクリレート130部、アクリル酸17部とし、ジ−t−ブチルパーオキサイドを10部とし、重合温度を160℃とする他は製造例1と同様にして重合体溶液(b−1)を得た。
使用するモノマーをスチレン780部、n−ブチルアクリレート210部、アクリル酸10部、ジ−t−ブチルパーオキサイドを4.8部とし、重合温度を150℃とする他は製造例1と同様にして重合体溶液(b−2)を得た。
オートクレーブにキシレン200部を仕込み、窒素で置換した後、撹拌下密閉状態で140℃まで昇温した。スチレンを800部、n−ブチルアクリレートを200部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4部、およびキシレン100部の混合溶液を、オートクレーブ内温度を140℃にコントロールしながら、3時間かけて滴下し重合させた。更に同温度で2時間保った後、175℃に昇温し1時間重合させて、重合体溶液(b−3)を得た。
使用するモノマーをスチレン706.5部、n−ブチルアクリレート270部、アクリル酸23.5部とする他は製造例6と同様にして重合体溶液(b−4)を得た。
オートクレーブを窒素で置換した後、スチレン742部、n−ブチルアクリレート250部、アクリル酸8部を仕込み、1時間で95℃まで昇温した。次に2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン8部を仕込み、95℃で4時間塊状重合を行った。引き続きキシレン240部を1時間かけて滴下した後、110℃まで1時間で昇温し、同温度で2時間重合した。さらに2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン3.2部を仕込み、4時間重合した。その後150℃まで1時間で昇温し、同温度で1時間重合した後、キシレン1400部を加えて希釈し、重合体溶液(c−1)を得た。
4口フラスコに水1900部、ポリビニルアルコール[(株)クラレ製PVA235]の2%水溶液100部を加え、これにスチレンを790部、n−ブチルアクリレートを210部、マレイン酸モノブチル1.2部、2.2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン4部からなる混合液を加えて撹拌し懸濁液とした。フラスコを充分窒素で置換した後、95℃まで昇温し、重合を開始した。同温度で重合を継続させ、24時間後にモノマー転化率が98%になったことを確認した後、100℃に昇温し、同温度で2時間保ち、重合を完結させた。後処理として濾別、水洗、乾燥し、重合体(c−2)を得た。
使用するモノマーをスチレン750部、n−ブチルアクリレート250部とし、モノマー転化率が98%までの重合温度を90℃とした他は製造例9と同様にして重合体(c−3)を得た。
オートクレーブに重合体溶液(a−1)を754部、重合体溶液(b−1)を154部、重合体溶液(b−3)を260部、重合体溶液(c−1)を743部、融点92℃のフィッシャートロプシュワックス70部を仕込み、キシレン還流下で均一に溶解した。次にキシレンを溜去しながら170℃に昇温した後、減圧とした。圧力1kPa以下で脱溶剤を継続し、ガスクロマトグラフにより樹脂中のキシレン含量が400ppm以下であることを確認し、トナーバインダー(TB−1)を得た。
使用する重合体(溶液)および炭化水素ワックスを、重合体溶液(a−2)を692部、重合体溶液(b−2)を154部、重合体溶液(b−4)を143部、重合体溶液(c−1)を531部、重合体(c−3)を200部、融点68℃のパラフィンワックス50部とした他は実施例1と同様にして、トナーバインダー(TB−2)を得た。
使用する重合体(溶液)および炭化水素ワックスを、重合体溶液(a−3)を569部、重合体溶液(b−1)を240部、重合体溶液(b−4)を339部、重合体(c−2)を270部、融点78℃のフィッシャートロプシュワックス40部とした他は実施例1と同様にして、トナーバインダー(TB−3)を得た。
使用する重合体(溶液)および炭化水素ワックスを、重合体溶液(a−1)を754部、重合体溶液(b−4)を221部、重合体溶液(c−1)を398部、重合体(c−2)を250部、融点78℃のフィッシャートロプシュワックス40部とした他は実施例1と同様にして、トナーバインダー(TB−4)を得た。
使用する重合体(溶液)および炭化水素ワックスを、重合体溶液(a−1)を1053部、重合体溶液(b−3)を195部、重合体(c−3)を250部、融点68℃のパラフィンワックス50部とした他は実施例1と同様にして、比較のトナーバインダー(RTB−1)を得た。
使用する重合体(溶液)および炭化水素ワックスを、重合体溶液(a−3)を638部、重合体溶液(b−1)を171部、重合体溶液(b−4)を326部、重合体(c−3)を280部、融点92℃のフィッシャートロプシュワックス10部とした他は実施例1と同様にして、比較のトナーバインダー(RTB−2)を得た。
使用する重合体(溶液)および炭化水素ワックスを、重合体溶液(a−2)を727部、重合体溶液(b−2)を137部、重合体溶液(b−4)を156部、重合体溶液(c−1)を531部、重合体(c−3)を200部、融点68℃のパラフィンワックス100部とした他は実施例1と同様にして、比較のトナーバインダー(RTB−3)を得た。
使用する重合体(溶液)および炭化水素ワックスを、重合体溶液(a−1)を754部、重合体溶液(b−1)を154部、重合体溶液(b−3)を260部、重合体溶液(c−1)を743部、融点82℃のカルナバワックス70部とした他は実施例1と同様にして、比較のトナーバインダー(RTB−4)を得た。
〔トナーの作成〕
トナーバインダー(TB−1)〜(TB−4)、および(RTB−1)〜(RTB−4)の各々89部に、カーボンブラック[三菱化成(株)製 MA100]7部、低分子量ポリプロピレン[三洋化成工業(株)製 ビスコール550P]2部、および荷電調整剤(保土谷化学製 スピロンブラックTRH)2部をヘンシェルミキサーFM10B〔三井三池化工機(株)製〕で均一混合した後、樹脂温度130℃の二軸押出機[PCM30、(株)池貝製]で混練し、冷却物をジェット粉砕機[ラボジェットLJ、日本ニューマチック工業(株)製]で微粉砕し、デイスパージョンセパレータ[MDS−II、日本ニューマチック工業(株)製]で分級した。ついで、トナー粒子100部とコロイダルシリカ(日本アエロジル製アエロジルR972)1.0部とを均一混合して、体積平均粒径9μmの本発明のトナー(T−1)〜(T−4)、および比較のトナー(RT−1)〜(RT−4)を得た。
なお、体積平均粒径は、コールターカウンター(マルチサイザーTM3、ベックマンコールター社製)で測定した。
トナー(T−1)〜(T−4)、および(RT−1)〜(RT−4)のそれぞれについいての評価結果を表2に示す。
表2に示したように、本発明の電子写真用トナーバインダー(TB−1)〜(TB−4)による本発明のトナー(T−1)〜(T−4)は、優れた低温定着性および耐ホットオフセット性を有しており、画像安定性にも優れている。一方、比較のトナーバインダー(RTB−1)〜(RTB−4)による比較のトナー(RT−1)〜(RT−4)は、定着温度幅が狭くなったり、カブリを生じるなど画像安定性に劣ものであった。このように本発明のトナーバインダーを使用することにより、特にトナーの長時間使用時の画質劣化に問題のないトナーを得ることが出来る。
Claims (4)
- 分子量分布極大値が2500以上5000以下のスチレン(共)重合体(a)、分子量分布極大値が5000より大きく20万以下のスチレン(共)重合体(b)、および分子量分布極大値が20万より大きく100万以下のスチレン(共)重合体(c)を含有し、それぞれの重量比が(a):(b):(c)=(30〜44):(5〜45):(12〜45)であるスチレン(共)重合体(A)と、融点が65℃〜105℃の炭化水素ワックス(F)とを含有し、(A)と(F)の重量比が(92〜98):(8〜2)である電子写真用トナーバインダー。
- スチレン(共)重合体(a)、(b)、および(c)の少なくとも1つが2種類以上のスチレン(共)重合体からなる請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
- スチレン(共)重合体(A)の酸価が0.2〜12である請求項1または2記載の電子写真用トナーバインダー。
- 請求項1〜3のいずれか記載の電子写真用トナーバインダーと着色剤を含有するトナー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010169657A JP5107402B2 (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010169657A JP5107402B2 (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012032450A JP2012032450A (ja) | 2012-02-16 |
JP5107402B2 true JP5107402B2 (ja) | 2012-12-26 |
Family
ID=45845969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010169657A Active JP5107402B2 (ja) | 2010-07-28 | 2010-07-28 | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5107402B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5341167B2 (ja) * | 2010-12-17 | 2013-11-13 | 三洋化成工業株式会社 | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー |
JP6750212B2 (ja) * | 2015-12-04 | 2020-09-02 | 三菱ケミカル株式会社 | トナー用相溶化剤、トナー用相溶化剤を含む静電荷像現像用トナー、及びトナーの製造方法 |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6045261A (ja) * | 1983-08-23 | 1985-03-11 | Hitachi Chem Co Ltd | 磁性トナ−の製造法 |
JP2850100B2 (ja) * | 1993-07-30 | 1999-01-27 | 三洋化成工業株式会社 | 電子写真トナー用バインダー樹脂組成物 |
JP3467663B2 (ja) * | 1995-11-16 | 2003-11-17 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 電子写真用トナー及びトナー画像定着方法 |
JP4119519B2 (ja) * | 1998-03-30 | 2008-07-16 | 株式会社東芝 | 現像剤 |
JP4372992B2 (ja) * | 1999-11-16 | 2009-11-25 | 三井化学株式会社 | トナー用樹脂組成物およびトナー |
JP2004138897A (ja) * | 2002-10-18 | 2004-05-13 | Kyocera Mita Corp | 磁性1成分正帯電トナー |
JP4039263B2 (ja) * | 2003-02-12 | 2008-01-30 | 藤倉化成株式会社 | トナー用結着樹脂の製造方法 |
JP4466504B2 (ja) * | 2005-08-12 | 2010-05-26 | 藤倉化成株式会社 | トナー用結着樹脂とその製造方法 |
WO2008081587A1 (ja) * | 2006-12-29 | 2008-07-10 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー |
JP4768833B2 (ja) * | 2008-03-27 | 2011-09-07 | 三洋化成工業株式会社 | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー |
JP2009237257A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Sanyo Chem Ind Ltd | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー |
JP5237753B2 (ja) * | 2008-10-22 | 2013-07-17 | 三洋化成工業株式会社 | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー |
-
2010
- 2010-07-28 JP JP2010169657A patent/JP5107402B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012032450A (ja) | 2012-02-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2016080932A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP2016080933A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP5237753B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JP3219230B2 (ja) | 結着樹脂、及びこれを含有する静電荷像現像用トナー | |
JP3747129B2 (ja) | トナー用バインダー樹脂およびその製造方法 | |
JP5107402B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JP2007264349A (ja) | トナーバインダー | |
JP5091266B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JP4768833B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JP2010033051A (ja) | 電子写真用トナーバインダー及びトナー | |
JP5341167B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JP2007264621A (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JP4270562B2 (ja) | トナー用結着樹脂 | |
JP2008181122A (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JP2000019778A (ja) | トナー用樹脂組成物及びトナー | |
JP5059067B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JP2009237257A (ja) | 電子写真用トナーバインダーおよびトナー | |
JPH05313413A (ja) | トナー用樹脂組成物およびトナー | |
JP6975063B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダー及びトナー | |
JP6795570B2 (ja) | トナーバインダーおよびトナー | |
JP6626871B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダー及びトナー | |
JP4036833B2 (ja) | 電子写真用トナーバインダー及びトナー | |
JP2009109809A (ja) | 電子写真用トナーバインダー及びトナー | |
JPH11184149A (ja) | トナー用樹脂組成物及びトナー | |
JPH10133420A (ja) | トナー用樹脂組成物及びトナー |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120919 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121002 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20121003 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5107402 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151012 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |