JP3916970B2 - 電子写真用トナーバインダー、トナー用樹脂組成物および乾式トナー - Google Patents

電子写真用トナーバインダー、トナー用樹脂組成物および乾式トナー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などに用いられる乾式トナーおよびこれに用いられる電子写真用トナーバインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱定着方式のトナーは、ヒートロールにより支持体上に定着される。その際、省エネルギー化、複写機等の装置の小型化の観点から、従来よりもいっそう高い定着温度でもトナーが熱ロールに融着せず(耐ホットオフセット性)、かつ定着温度が低くてもトナーが定着できること(低温定着性)が求められている。従来、結着樹脂に架橋樹脂を用いて耐ホットオフセット性を向上する手段や、結着樹脂の分子量分布を広げることで低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させようとする手段がとられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特にポリエステル系樹脂は低温定着性に優れることからスチレン・アクリル系樹脂とともにトナーバインダーとして利用されている。低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させるためには、ポリエステル系樹脂の分子量分布を拡大することが必要であり、従来3官能以上の多官能モノマーを用いて架橋することで耐オフセット性を向上させる方法が知られている。しかしこの方法を最近の高速機に対応するトナーに用いても低温定着性、耐高温オフセット共に不充分である。低分子量重合体と高分子量体をそれぞれ合成してトナー化時にブレンドするという方法も提案されているが定着性と耐ホットオフセット性を両立するために低分子重合体と高分子重合体の溶融粘度差を拡大していくと顔料、離型剤、荷電制御剤の分散が不良となり画質が低下したり、ランニング中にかぶり等のトラブルが発生しやすいという問題が発生する。特に離型剤である低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンや低融点のワックス類は、ポリエステル系樹脂との相溶性がスチレン・アクリル系樹脂に比べて低いので、分散性が乏しい上、重合体の粘度差が大きいと均一分散が特に困難となり、トナーの流動性が低下するとともに、連続コピーをとるとベタ画像の白抜けの発生、画像濃度の低下等のトラブルを発生する問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、低温定着性と耐ホットオフセット性が両立でき、かつ、流動性の低下が少なく、連続コピー時にベタ画像の白抜けや画像濃度低下等のトラブルのないトナーを開発すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記[I]〜[III]である。
[I] ポリエステル樹脂からなる電子写真用トナーバインダーにおいて、該ポリエステル樹脂が伸長剤(C)により分子伸長された下記〔1〕、〔2〕、および〔3〕から選ばれるポリエステル樹脂(A)からなり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が8〜2000であることを特徴とする電子写真用トナーバインダー。
〔1〕カルボキシル基を有するポリエステル樹脂(a1)とエポキシ基を有する伸長剤(C1)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
〔2〕アミノ基を有するポリエステル樹脂(a2)とエポキシ基を有する伸長剤(C1)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
〔3〕水酸基を有するポリエステル樹脂(a3)と酸無水物基を有する伸長剤(C2)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
[II] ポリエステル樹脂からなる電子写真用トナーバインダーにおいて、該ポリエステル樹脂が伸長剤(C)により分子伸長されたポリエステル樹脂(A)からなり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が8〜2000であることを特徴とする電子写真用トナーバインダーと、SP値が10.0〜12.6のビニル系樹脂分散剤(D)からなるトナー用樹脂組成物。
[III] 上記のトナー用樹脂組成物と着色剤からなる乾式トナー。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳述する。
本発明の電子写真用トナーバインダーにおいて、分子伸長する前のポリエステル樹脂としては、カルボキシル基を有するポリエステル樹脂(a1)、アミノ基を有するポリエステル樹脂(a2)および水酸基を有するポリエステル樹脂(a3)等が挙げられる。
カルボキシル基を有するポリエステル樹脂(a1)および水酸基を有するポリエステル樹脂(a3)としては、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物などが挙げられる。
ポリオールとしては、ジオール(E)、3価以上のポリオール(F)およびその低級(炭素数1〜8)アルカン酸エステルが、ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(G)、3価以上のポリカルボン酸(H)およびその酸無水物または低級(炭素数1〜4)アルコールエステルが挙げられる。
【0006】
ジオール(E)としては、水酸基価180〜1900mgKOH/gのジオール類、具体的には、炭素数2〜12のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
【0007】
3価以上のポリオール(F)としては、水酸基価150〜1900mgKOH/gのポリオール類、具体的には、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記トリスフェノール類の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物;上記ノボラック樹脂の炭素数2〜4のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
これらのうち好ましいものは、3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物である。
【0008】
ジカルボン酸(G)としては、酸価180〜1250mgKOH/gのジカルボン酸、具体的には、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデセニルコハク酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸および炭素数6〜21のアルキレンジカルボン酸である。またこれらは2種以上を併用しても何ら問題ない。
【0009】
3価〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(H)としては、酸価150〜1250mgKOH/gのポリカルボン酸、具体的には、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)、不飽和カルボン酸のビニル重合体(スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、α−オレフィン/マレイン酸共重合体、スチレン/フマル酸共重合体など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、特に好ましいものはトリメリット酸、ピロメリット酸である。
なお、ジカルボン酸(F)または3価以上のポリカルボン酸(H)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
【0010】
また、(E)、(F)、(G)、(H)とともにヒドロキシカルボン酸(J)を共重合することもできる。
ヒドロキシカルボン酸(J)としては、ヒドロキシステアリン酸、硬化ヒマシ油脂肪酸などが挙げられる。
【0011】
カルボキシル基を有するポリエステル樹脂(a1)は、使用するポリカルボン酸の当量をポリオールの当量より多くすることにより得られ、その比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常1/1.02〜1/2、好ましくは1/1.02〜1/1.5、さらに好ましくは1/1.02〜1/1.4である。
水酸基を有するポリエステル樹脂(a3)は、使用するポリオールの当量をポリカルボン酸の当量より多くすることにより得られ、その比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1.02/1、好ましくは1.5/1〜1.02/1、さらに好ましくは1.4/1〜1.02/1である。
【0012】
アミノ基を有するポリエステル樹脂(a2)としては、前記ポリエステル樹脂(a1)とポリアミンからなる縮合物などが挙げられる。
ポリアミンとしては、炭素数2〜20の脂肪族ポリアミン、例えば炭素数2〜12のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン及びデカメチレンジアミン等)およびアルカントリアミン(1,6,11−ウンデカントリアミン、1,8−ジアミノ−4−アミノメチルオクタンおよび1,3,6−ヘキサメチレントリアミン等);複素環式ポリアミン、例えばピペラジンおよびアルキレン基の炭素数が2〜6のN−アミノアルキルピペラジン(N−アミノエチルピペラジン等);炭素数4〜20の脂環式ポリアミン、例えばジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン、およびビシクロヘプタントリアミン等の多官能アミン;炭素数6〜20の芳香族ポリアミン、例えばフェニレンジアミン、トリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、キシリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、ジフェニルエーテルジアミン等のジアミン、およびポリフェニルメタンポリアミン、トリフェニルメタントリアミン等の多官能アミン;およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0013】
また使用するポリオール、ポリカルボン酸およびポリアミンの種類は、最終的に調製されるポリエステル系トナーバインダーのガラス転移点が45〜85℃となるよう分子量調整も考慮して選択される。
分子伸長する前のポリエステル樹脂は、公知の方法でポリオール、ポリカルボン酸および必要によりポリアミンを重縮合することで得られる。反応速度を向上させるためにテトラブトキシチタネートまたはジブチルチンオキサイドなどの触媒を用いたり、減圧することも有効である。
【0014】
本発明の電子写真用トナーバインダーを構成するポリエステル樹脂(A)は分子伸長する前のポリエステル樹脂を伸長剤(C)で分子伸長することにより得られる。
(A)のTHF可溶分の数平均分子量は通常1,500〜100万、好ましくは2,000〜10万、さらに好ましくは5,000〜5万で、重量平均分子量は5000〜500万、好ましくは1万〜200万である。また1,500〜100万に分子量の極大値を有することで、耐熱保存性および粉体流動性が良好となる。
重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は通常8〜2000、好ましくは15〜1500、更に好ましくは50〜1200である。Mw/Mnが8〜2000となることで低温定着性と耐ホットオフセット性の両立が容易となる。
【0015】
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸から重縮合反応のみでポリエステル樹脂を製造した場合、Mw/Mnは通常8未満となり、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立させることが困難であるが、本発明の分子伸長を行うことによりMw/Mnを8〜2000にすることができ、両性能の両立が容易となる。
【0016】
分子伸長の方法としては、例えば下記▲1▼〜▲3▼の方法が挙げられる。
▲1▼カルボキシル基を有するポリエステル(a1)を、エポキシ基を2つ以上有する化合物(C1:ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物、エチレングリコールとエピクロルヒドリンの縮合物、フェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンの縮合物など)で分子伸長する方法。
▲2▼アミノ基を有するポリエステル(a2)を、上記(C1)で分子伸長する方法。
▲3▼水酸基有するポリエステル(a3)を、酸無水物基を2つ以上有する化合物(C2:無水ピロメリット酸など)で分子伸長する方法。
【0017】
分子伸長する際の反応温度は、特に制限はないが、好ましくは180℃〜280℃、さらに好ましくは200〜260℃、特に好ましくは220〜255℃である。180〜280℃にすることでポリエステルのエステル交換反応よりも分子伸長反応を優先させることができ、Mw/Mnが大きな樹脂組成物が得られやすい。反応時間は、特に制限はないが、好ましくは0.8〜40分、さらに好ましくは4〜30分、特に好ましくは10〜25分である。0.8〜40分の反応時間とすることでポリエステルのエステル交換の頻度を落とすことができ、Mw/Mnが大きな樹脂組成物が得られやすい。反応触媒は特に必要としないが、適宜(カルボン酸とエポキシ基の反応であればトリフェニルホスフィンなどの公知の触媒)加えることもできる。
【0018】
これらの反応を行うには、装置上特に制限はないが、連続式混練機を用いることが生産効率の観点から好ましい。連続混練機としては、押出機(1軸押出機、2軸押出機など)、スタティックミキサー、ニーダー(コンティニアスニーダー、ブッス式コニーダーなど)などが挙げられる。この際の反応系は、(A)単独系でも良いし、分子伸張されていないポリエステル樹脂(B)や離型剤などを含んだ混合系でもかまわない。
【0019】
分子伸張されていないポリエステル樹脂(B)はジオール(E)、ジカルボン酸(F)を用いたポリエステルまたは、ジオール(E)、ジカルボン酸(F)に、さらに3価以上のポリオール(G)および/または3価以上のポリカルボン酸(H)を併用したポリエステルからなる。
(B)は、必要により公知の触媒等を使用して公知の方法で得ることができる。
(B)をトナーバインダーに含有させる方法としては、(A)と(B)を各々製造して混合してもよいし、(B)の存在下に(A)の分子伸長を行ってもよい。
【0020】
(B)の存在下に(A)の分子伸長を行う場合は、(A)の分子伸長反応が起こっているときに(B)の分子量の増加が実質起こらないことが好ましい。この観点から、(C)が(C1)の場合、(B)の酸価は6以下が好ましく、(C)が(C2)の場合、(B)の水酸基価は6以下が好ましい。
6以下とすることで本発明の分子伸長反応の際、ポリエステル化による分子伸長が起こりにくいポリエステルがあることになり、Mw/Mnを大きくする観点から好ましい。
また充分な帯電量、定着性と帯電量の環境依存性との両立が容易という観点からも(B)の酸価または水酸基価は通常0〜40、好ましくは0〜8、さらに好ましくは0〜6である。
(B)のGPC測定で得られる重量平均分子量は、トナーの定着性の観点から、通常800〜2万であり、好ましくは1,000〜15,000、さらに好ましくは2,500〜8,000である。
【0021】
ポリエステル(A)と(B)の質量比は通常80:20〜10:90で、好ましくは60:40〜15:85、さらに好ましくは49:51〜20:80である。(A)の比率が80〜10となることで耐ホットオフセット性と低温定着性の両立が容易になる。
【0022】
本発明のトナー用樹脂組成物は、軟化点が80〜170℃のポリオレフィン樹脂の存在下にビニル系モノマーを重合し、そのビニル系重合体部分のSP(ソルビリティーパラメーター)値が10.0〜12.6であるビニル系樹脂分散剤(D)と(A)および必要により(B)とから構成される。
ポリオレフィン樹脂としては、オレフィン類の重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/1−ブテン共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合体など)、オレフィン類の重合体の酸化物、オレフィン類の重合体の変性物[マレイン酸誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等)で変性を行ったもの]、オレフィン類と共重合可能な他の単量体[不飽和カルボン酸{(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等}、不飽和カルボン酸アルキルエステル{(メタ)アクリル酸アルキル(C1〜C18)エステル、マレイン酸アルキル(C1〜C18)エステル等}]等の共重合体付加物などが挙げられる。
また、本発明においては、ポリマー構造がポリオレフィンの構造を有していれば良く、モノマーが必ずしもオレフィン構造を有している必要はない。例えば、ポリメチレン(サゾールワックス、パラフィンワックス等)も使用することができる。
【0023】
(D)のビニル系重合体部分のSP値としては通常10.0〜12.6(cal/cm31/2、好ましくは10.6〜12.0(cal/cm31/2、さらに好ましくは10.7〜11.8(cal/cm31/2であり、特に好ましくは10.8〜11.5(cal/cm31/2である。SP値が12.6を超えても、10.0未満でもバインダー樹脂とのSP値差が大きくなりすぎワックスの分散が不良となる。
なお、SP値は公知のFedors法で算出できる。
【0024】
用いるビニル系モノマーとしては、不飽和ニトリル系モノマー[(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレンなど]、α,β−不飽和カルボン酸類およびその無水物[{(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびその無水物など}、不飽和ジカルボン酸モノエステル類{マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノメチルなど}]、スチレン系モノマー(スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−アセトキシスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、フェニルスチレン、ベンジルスチレンなど)、不飽和カルボン酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなど]、ビニルエステル系モノマー(酢酸ビニルなど)、ビニルエーテル系モノマー(ビニルメチルエーテルなど)、ハロゲン元素含有ビニル系モノマー(塩化ビニルなど)およびジエン系モノマー(ブタジエン、イソブチレン等)などが挙げられる。
【0025】
(D)のTHF可溶分のGPC測定で得られる分子量は、ワックスの分散性の観点から、通常、数平均分子量で1500〜100000、重量平均分子量で、5000〜200000であり、好ましいのは数平均分子量で2500〜50000、重量平均分子量で6000〜100000、特に好ましいのは数平均分子量で2800〜20000、重量平均分子量で7000〜50000である。
【0026】
本発明の(D)の製法を例示すると、例えばまず、ポリオレフィン樹脂をトルエン、キシレン等の溶剤に溶解または分散させ、100℃〜200℃に加熱した後、ビニル系モノマーをパーオキサイド系開始剤(ベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシドベンゾエート等)とともに滴下重合後、溶剤を留去することにより本発明の樹脂組成物が得られる。
【0027】
本トナー用樹脂組成物中の分散剤(D)の質量比はポリエステル(A)と(B)の合計質量100に対して、好ましくは0.5〜20、特に好ましくは1.0〜15である。0.5〜20の範囲では、トナーとしての流動性の低下、連続コピー時にベタ画像の白抜けや画像濃度低下等のトラブルを発生させることがない。また分散剤(D)をトナーの構成成分とするときには、ポリエステルの分子伸長反応が行われている段階で(D)およびワックス類が該系に共存していることが好ましい。該段階で(D)およびワックス類が共存することで極めて流動性の高いトナーが得られやすい。
【0028】
トナー用樹脂組成物には通常離型剤成分として軟化点50〜170℃のワックス類を加える。ワックス類としては、前述のポリオレフィン樹脂の他、エステルワックス類(カルナウバワックス、モンタンワックス、ライスワックス等)、長鎖(C30以上)脂肪族アルコール、長鎖(C30以上)脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。これらワックス類の量は、トナーバインダー組成物の量に基づいて、通常0〜30質量%、好ましくは1〜20質量%である。
【0029】
トナー用樹脂組成物には、ポリエステル系トナーバインダーとともに、他の樹脂も含有させることができる。
他の樹脂としては、スチレン系樹脂(スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等)、エポキシ樹脂(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの付加縮合物等)、ウレタン樹脂(ジオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
他の樹脂の重量平均分子量は、通常1000〜200万である。
【0030】
本トナー用樹脂組成物は、ポリエステル(A)および必要により(B)と、ビニル系樹脂分散剤(D)および/またはワックス類と、さらに必要に応じ他の部材を粉体混合しても良いし、二軸押出機や、加熱攪拌のできる配合槽等で溶融混合しても良く、(A)および/または(B)の存在下に(D)を重合して生成せしめたのちワックス類や必要に応じて他の部材を混合しても良い。
【0031】
本発明のトナー組成物は、上記トナーバインダー組成物と着色剤等から構成される。
着色剤としては公知の染料、顔料および磁性粉を用いることができる。具体的には、カーボンブラック、スーダンブラックSM、ファーストイエロ−G、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、バラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミン、ピグFBメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、プリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOP、マグネタイト、鉄黒などが挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、染料または顔料を使用する場合は、通常2〜15質量%であり、磁性粉を使用する場合は、通常20〜70質量%である。
【0032】
トナーには必要に応じて離型剤、荷電制御剤、流動化剤など種々の添加剤等を混合する。
荷電制御剤としては、公知のものすなわち、ニグロシン染料、4級アンモニウム塩化合物、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸金属塩、スルホン酸基含有ポリマー、含フッソ系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマーなどが挙げられる。
トナー中の荷電制御剤の含有量は通常0〜5質量%である。
流動化剤としては、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末など公知のものを用いることができる。
トナー中の流動化剤の含有量は通常0〜5質量%である。
【0033】
トナーの製造法としては、公知の混練粉砕法などが挙げられる。上記トナー構成成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後、ジェットミルなどを用いて微粉砕し、さらに風力分級し、粒径(D50)が通常2〜20μmの粒子として得られる。
【0034】
本発明のトナーバインダーを用いたトナーは必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイト、および樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)により表面をコーティングしたフェライトなどのキャリアー粒子と混合されて電気的潜像の現像剤として用いられる。また、キャリアー粒子のかわりに帯電ブレードなどの部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。次いで、公知の熱ロール定着方法などにより支持体(紙、ポリエステルフィルムなど)に定着して記録材料とされる。
【0035】
【実施例】
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、部は質量部を示す。
実施例および比較例で得られたトナー及び樹脂の性質の測定法を次に示す。
なお、下記1,3,5については、試料にテトラヒドロフラン不溶分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いた。
混練装置:東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL 30R150
混練条件:100℃、70rpmにて30分、サンプル量65g
【0036】
1.酸価および水酸基価
JIS K0070に規定の方法。
2.ガラス転移点(Tg)
ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)。
装置:セイコー電子工業(株)製 DSC20,SSC/580
3.分子量
THF可溶分をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定。
GPCによる分子量測定の条件は以下の通りである。
Figure 0003916970
なお、分子量校正曲線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
4.テトラヒドロフラン(THF)不溶分
試料0.5gに50mlのTHFを加え、3時間撹拌還流させる。冷却後、グラスフィルターにて不溶分をろ別し、80℃で3時間減圧乾燥する。グラス
フィルター上の樹脂分の質量と試料の質量比から、不溶分を算出する。
5.ポリエスエルの軟化点の測定
Figure 0003916970
6.ポリオレフィンおよびワックス類の軟化点の測定
JIS K2207−1980に規定の方法。(環球法)
【0037】
本発明における、トナーの性能試験の方法を以下に示す。
(1)最低定着温度(MFT)およびホットオフセット発生温度(HOT)
トナー30部とフェライトキャリア(パウダーテック社製、F−150)800部を均一混合し二成分現像剤として試験した。
▲1▼最低定着温度(MFT)
市販モノクロ複写機(AR5030、シャープ(株)製)を用いて現像した未定着画像を、市販モノクロ複写機(SF8400A、シャープ(株)製)の定着ユニットを改造し熱ローラー温度を可変にした定着機でプロセススピード145mm/secで定着した。定着画像を布パッドで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる熱ローラー温度を最低定着温度とした。
▲2▼ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視判定した。ホットオフセットが発生しはじめた温度をホットオフセット発生温度とした。
【0038】
(2)トナー流動性
約9ミクロンに微粉砕、分級された未外添トナーについて、ホソカワミクロン製パウダーテスターで静かさ密度を測定し、下記基準で判定した。△以上が実用範囲である。
Figure 0003916970
【0039】
(3)トナー中の離型剤の分散状態
電子顕微鏡で観察し、下記基準で判定した。
◎ ; 離型剤が全体に均一に分散し微細な粒径で揃っている
○ ; 離型剤が全体に均一に分散し粒径が揃っている
△ ; 粒径の小さな離型剤もあるが粗大粒子が存在する
× ; 離型剤の粗大粒子が多い
【0040】
ポリエステルの製造例1
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物130部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物533部、テレフタル酸192部、無水ドデセニルコハク酸155部、無水トリメリット酸48部および縮合触媒としてジブチルチンオキサイド3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が110℃になった時点で取り出した。これをポリエステル(a1−1)とする。
ポリエステル(a1−1)は、酸価34、水酸基価13、Tgは62℃、数平均分子量は4600、重量平均分子量は11000であった。
【0041】
ポリエステルの製造例2
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物739部、テレフタル酸176部、無水マレイン酸78部および縮合触媒としてジブチルチンオキサイド3部を入れ、200℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで100mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が104℃になった時点で取り出した。これをポリエステル(B−1)とする。
ポリエステル(B−1)はTHF不溶分を含有しておらず、酸価2、水酸基価31、Tgは65℃、数平均分子量は4500、重量平均分子量は13500であった。
【0042】
ポリエステルの製造例3
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物309部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物355部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のエチレンオキサイド5モル付加物21部、テレフタル酸121部、フマル酸74部および縮合触媒としてジブチルチンオキサイド3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで、無水トリメリット酸87部を加え、常圧下に1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下に反応させ軟化点が121℃になった時点で取り出した。酸価30、水酸基価28、Tgは59℃、数平均分子量6200、重量平均分子量20400のポリエステル(a1−2)を得た。
【0043】
ビニル系樹脂分散剤の製造例
温度計および撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン480部、低分子量ポリエチレン[三洋化成工業(株)製 サンワックス151P:軟化点108℃]100部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン755部、アクリロニトリル100部、アクリル酸ブチル45部、ジ−t−ブチルパーオキサイド36部およびキシレン100部の混合溶液を170℃で3時間で滴下し重合し、さらにこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、ビニル重合系樹脂分散剤(D−1)を得た。
(D−1)の数平均分子量は3300、重量平均分子量は18000、ガラス転移点は65℃、ビニル重合体部分のSP値は10.95(cal/cm31/2であった。
【0044】
ポリエステルの比較製造例1
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物309部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物355部、フェノールノボラック(平均重合度約5)のエチレンオキサイド5モル付加物21部、テレフタル酸121部、フマル酸74部および縮合触媒としてジブチルチンオキサイド3部を入れ、210℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた後、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になるまで反応させた。次いで、無水トリメリット酸87部を加え、常圧下に1時間反応させた後、20〜40mmHgの減圧下に反応させ軟化点が121℃になった時点で取り出し、酸価17、水酸基価18、Tgは60℃、数平均分子量5900、重量平均分子量46000のポリエステル(HA−1)を得た。
【0045】
実施例1
ポリエステル(a1−1)492部、ポリエステル(B−1)492部、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(C1−1)16部、およびサゾールワックス(軟化点98℃)4部をプラストミルに入れ、220℃で20分間撹拌して溶融混合し、本発明のトナー用樹脂組成物(t1)を得た。
トナー用樹脂組成物(t1)のTgは63℃、THF不溶分19%、Mw211000,Mn3300、Mw/Mnは64であった。
【0046】
実施例2
本発明のトナー用樹脂組成物(t1)104部、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]7部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(株)製]1部を下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業(株)製)を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径(D50)が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ[アエロジルR972:日本アエロジル(株)製]0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明の乾式トナー(T1)を得た。
評価結果を表1に示す。
【0047】
実施例3
ポリエステル(a1−2)444部、ポリエステル(B−1)542部、エチレングリコールジグリシジルエーテル(C1−2)14部、をプラストミルに入れ、220℃で25分間撹拌して溶融混合し、本発明の電子写真用トナーバインダー(TB1)を得た。
電子写真用トナーバインダー(TB1)のTgは60.5℃、THF不溶分23%、Mw1257000,Mn3800、Mw/Mnは331であった。
【0048】
実施例4
トナーバインダー(TB1)100部、ビニル系樹脂分散剤(D−1)2部、およびサゾールワックス(軟化点98℃)4部を二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で溶融混合して、トナー用樹脂組成物(t2)を得た。
【0049】
実施例5
トナー用樹脂組成物としてトナー用樹脂組成物(t2)106部を用いる以外は実施例2と同様にして、本発明の乾式トナー(T2)を得た。
評価結果を表1に示す。
【0050】
実施例6
ポリエステル(a1−1)492部、ポリエステル(B−1)492部、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(C1−1)16部、ビニル系樹脂分散剤(D−1)2部、およびサゾールワックス(軟化点98℃)4部の比率で窒素気流下、出口に取り出し配管を装着したコンティニアスニーダー[(株)栗本鐵工所製]に連続的に供給し、ヒーター温度190℃、平均滞留時間27分の条件で連続的に溶融混合し、本発明のトナー用樹脂組成物(t3)を得た。
トナー用樹脂組成物(t3)のTgは63℃、THF不溶分17%、Mw195000、Mn3000、Mw/Mnは65であった。
【0051】
実施例7
(t1)の代わりに(t3)を使用する以外は実施例2と同様にして、本発明の乾式トナー(T3)を得た。
評価結果を表1に示す。
【0052】
比較例1
ポリエステル(HA1)450部、ポリエステル(B−1)550部をヘンシェルミキサに入れ、混合し、比較電子写真用トナーバインダー(HTB1)を得た。
(HTB1)のTgは61℃、THF不溶分22%、Mw1257000,Mn3800、Mw/Mnは331であった。
【0053】
比較例2
トナー用樹脂組成物として比較電子写真用トナーバインダー(HTB1)100部およびサゾールワックス(軟化点98℃)4部を用いる以外は実施例2と同様にして、比較トナー(HT1)を得た。
評価結果を表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 0003916970
【0055】
表1に示すように、本発明の乾式トナーは、従来のトナーに比べ離型剤分散性が良好で流動性に優れ、広い定着温度幅を持っていることがわかる。
【0056】
【発明の効果】
本発明の電子写真用トナーバインダーを用いることにより定着温度幅が広く、かつ流動性が良いので連続コピーを行っても白抜けの発生や画像濃度の低下等のトラブルを発生しないトナーとすることができる。また離型剤が均一に分散されるので、画質の良いトナーを容易に得ることができる。

Claims (9)

  1. ポリエステル樹脂からなる電子写真用トナーバインダーにおいて、該ポリエステル樹脂が伸長剤(C)により分子伸長された下記〔1〕、〔2〕、および〔3〕から選ばれるポリエステル樹脂(A)からなり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が8〜2000であることを特徴とする電子写真用トナーバインダー。
    〔1〕カルボキシル基を有するポリエステル樹脂(a1)とエポキシ基を有する伸長剤(C1)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
    〔2〕アミノ基を有するポリエステル樹脂(a2)とエポキシ基を有する伸長剤(C1)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
    〔3〕水酸基を有するポリエステル樹脂(a3)と酸無水物基を有する伸長剤(C2)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
  2. 該伸長反応が連続式混練機にて、180〜280℃で行われる請求項1記載の電子写真用トナーバインダー。
  3. さらに、分子伸長されていないポリエステル樹脂(B)を含有する請求項1または2記載の電子写真用トナーバインダー。
  4. (C)が(C1)の場合(B)の酸価が6以下であり、(C)が(C2)の場合(B)の水酸基価が6以下である請求項3記載の電子写真用トナーバインダー。
  5. ポリエステル樹脂からなる電子写真用トナーバインダーにおいて、該ポリエステル樹脂が伸長剤(C)により分子伸長されたポリエステル樹脂(A)からなり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が8〜2000であることを特徴とする電子写真用トナーバインダーと、SP値が10.0〜12.6のビニル系樹脂分散剤(D)からなるトナー用樹脂組成物。
  6. ポリエステル樹脂(A)が、下記〔1〕、〔2〕、および〔3〕から選ばれるポリエステル樹脂である請求項5記載のトナー用樹脂組成物。
    〔1〕カルボキシル基を有するポリエステル樹脂(a1)とエポキシ基を有する伸長剤(C1)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
    〔2〕アミノ基を有するポリエステル樹脂(a2)とエポキシ基を有する伸長剤(C1)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
    〔3〕水酸基を有するポリエステル樹脂(a3)と酸無水物基を有する伸長剤(C2)との伸長反応により伸長されたポリエステル樹脂。
  7. さらに、軟化点が50〜170℃のワックス類を含有してなる請求項5または6記載のトナー用樹脂組成物。
  8. 請求項5〜7のいずれか記載のトナー用樹脂組成物と着色剤からなる乾式トナー。
  9. 着色剤が、有機顔料および/または有機染料である請求項8記載の乾式トナー。
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