JP2010028795A - バランス補償型光バランスド受信器及び光iq受信器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光バランスド受信器において、光結合器の2つの出力端から差分器までの異なる経路の損失や遅延の差による受信信号の劣化を補償する。
【解決手段】光結合器101は、入力される光情報信号を光参照信号と干渉させて互いに逆相となる2つの干渉光を出力する。光検波器102、103は、干渉光の強度成分を電気信号に変換した検波信号を出力する。バランス補償差分器131は、2つの検波信号205、206の振幅・遅延の差を、入力される制御信号に応じて補償する。また、補償された2つの検波信号の差分信号を出力する。制御回路132は、バランス補償差分器131から観測信号225を入力して制御信号を生成し、バランス補償差分器131に出力する。
【選択図】図5

Description

本発明は、バランス補償型光バランスド受信器及び光IQ受信器に係り、特に、光ファイバを用いた光情報伝送において、光バランスド受信器(optical balanced receiver)の2つの光検波器の出力バランスの劣化による受信信号の波形歪を補償又は補正するバランス補償型光バランスド受信器及び光IQ受信器に関するものである。
近年、周波数利用効率の観点から実用化が進められている光多値変調は、光位相検出に光バランスド受信器を用いることで受信感度の改善を図っている。
図1に光バランスド受信器の構成例を示す。光バランスド受信器100は光結合器101と2つの光検波器(O/E)102、103と差分器104とで構成されている。光結合器101は光情報信号201と光参照信号202を合波し、互いに逆相となる2つの干渉光203、204を出力する。干渉光203、204はそれぞれ光検波器102、103で受光され、干渉強度に応じた振幅の検波信号205、206に変換される。差分器104はこの2つの検波信号205、206の差分をとって受信信号207を出力する。
また、この光バランスド受信器100を差動位相検出に用いる構成の一例を図2に示す。この構成では、図1の光結合器101が光分波器302と光結合器101を有する光遅延検波器301で代替されている。光遅延検波器301は入力される光情報信号201を光分波器302で光情報信号305と光参照信号306に分波する。そして、光遅延器303と光位相シフタ304を用いてこの2つの信号に信号周期の整数倍の遅延差と任意の位相シフトを与えた後、光結合器101で合波する。なお、光遅延器303と光位相シフタ304は光情報信号305と光参照信号306のどちらの伝搬経路に設置されてもよい。
この光バランスド受信器100では、光結合器101の出力端から差分器104間の光検波器102、103を通る2つの経路の損失や遅延量のバランス(以下、これらをまとめて受信器バランスと称す)をとることで、2つの干渉光203、204の共通成分を相殺し、受信信号207から光情報信号201ないしは光参照信号202に含まれる強度変動成分を除去している。なお、2つの光検波器102、103の受信感度や遅延量も受信器バランスに含まれる。
例えば、光情報信号201が4値位相変調の場合の受信器バランスと受信感度劣化の関係は、非特許文献1の図9に開示されている。DQPSK(差動4値位相変調)の場合、光検波器の感度比10%、または経路長差数mmで約1dBの受信感度劣化が生じる。また、光8値位相変調や光直交振幅変調のように多値数の増加した光多値変調では、この劣化はさらに顕著となる。
光結合器や光検波器の出力に減衰器を挿入し、受信器バランスの調整を可能とする方法(例えば、特許文献1参照)や、オフセット補償付差分器およびオフセット制御回路で構成される光バランスド受信器(例えば、非特許文献2参照)が開示されている。
特開2006−217605号公報
「Phase Diversity Receivers for Homodyne Detection of Optical DQPSK Signals」、Journal of Lightwave Technology、 Vol.24、 No.9、Sep.2006 「バランス型フォトダイオードモジュール技術」、NTT技術ジャーナル2007.11、p.58−61
受信器バランスを最適にするためには、図1の光結合器101や光検波器102、103を選別して組み合わせる必要があり、製造工数の増大と歩留まりの低下が課題となる。また、受信器バランスを劣化させる光検波器102、103の経年劣化も課題となる。
図3に示すように、特許文献1に示す技術では、例えば光結合器101や光検波器102、103の出力に光減衰器111、112や減衰器113、114を挿入し、光結合器101から差分器104間の2経路の損失バランスの調整を可能とする。しかし、光バランスド受信器内に新たに光減衰器などのデバイスを組み込むため、経路長が増大し、これに伴って経路長差の調整が困難になるという課題がある。また、本構成で、2つの干渉光203、204又は、2つの検波信号205、206を観測し、これらの振幅や遅延量のバランスを補償する方法が考えられるが、この方法では差分器104の内部で生じるアンバランスを補正できないという課題もある。
また、図4に示すように、非特許文献2では、例えばオフセット補償付差分器121およびオフセット制御回路122で構成される光バランスド受信器100が開示されている。本構成では、受信信号207を観測するオフセット制御回路122がオフセット信号208をオフセット補償付差分器121に出力し、オフセット補償付差分器121は入力される2つの検波信号205、206の差分に制御信号208に応じた一定のオフセットを加算し、受信信号207として出力する。オフセット制御回路122は受信信号207の平均値ないしは中央値が閾値に達するまで制御信号208を変化させる。これにより、受信器バランスの劣化によって変化した受信信号207のオフセットを補償する。しかし、受信信号207のオフセットは、受信器バランスの劣化があると光情報信号201及び光参照信号202の瞬間的な強度変動に応じて高速に変動する。本構成では受信信号207に加えるオフセットは一定値であり、受信器バランスの劣化を完全には補償できないという課題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、光バランスド受信器において受信器バランスが劣化しても、これによる受信信号の劣化を補償又は補正するバランス補償型光バランスド受信器を提供することを目的とする。
本発明は、電気信号処理を用いて光バランスド受信器の受信器バランスを自動的に補償又は補正することを目的のひとつとする。また、本発明は、光バランスド受信器を構成するデバイスの製造ばらつきや経年劣化により受信器バランスが劣化してもデバイスの交換や追加を不要とすることを目的のひとつとする。
入力される光情報信号と光参照信号を合波し、互いに逆相となる2つの干渉光を出力する光カプラ又は180°光ハイブリッド回路の光結合器と、前記光結合器から出力される2つの干渉光をそれぞれ受光し、干渉強度に応じた振幅の電気信号として検波信号を出力する2つの光検波器と、前記2つの検波信号の差分をとって受信信号を出力する差分器とを有する光バランスド受信器において、入力される電気信号を量子化および離散化したデジタル信号として出力するアナログ・デジタル(A/D)変換器およびデジタル信号に演算処理を施すデジタル信号処理器を前記差分器に備えたバランス補償差分器を用い、前記受信信号又は2つの検波信号をデジタル信号処理し、光受信器の2つの検波信号の振幅及び/又は遅延の差による受信信号の劣化を補償又は補正する。デジタル信号処理は複雑な演算を容易に実現可能とするため、複雑な演算を必要とする受信信号劣化の補償又は補正処理に有効である。ただし、該デジタル信号処理をアナログ信号処理で実現できる場合、A/D変換器を省いてもよい。
本発明の第1の解決手段によると、
入力される光情報信号を光参照信号と合波して互いに逆相となる2つの干渉光を出力する光結合器と、
前記2つの干渉光をそれぞれ受光し、干渉強度に応じた振幅の電気信号に変換して検波信号を出力する2つの光検波器と、
前記2つの検波信号の振幅及び/又は遅延の差を、入力される制御信号に応じて補償し、補償された2つの検波信号の差分を受信信号として出力するバランス補償差分器と、
前記制御信号を生成して前記バランス補償差分器に出力する制御回路と
を備えた光バランスド受信器が提供される。
本発明の第2の解決手段によると、
入力される光情報信号及び光参照信号をそれぞれ受光し、入力光の強度に応じた振幅の電気信号に変換して検出強度信号を前記制御回路に出力する第1、第2の光強度検波器と、
光情報信号を2分岐し、該第1の光強度検波器と上述の光バランスド受信器のそれぞれに光情報信号を出力する分波器と、
光参照信号を2分岐し、該第2の光強度検波器と上述の光バランスド受信器のそれぞれに光情報信号を出力する分波器と
を備えた光バランスド受信器が提供される。
本発明の第3の解決手段によると、
上述の光バランスド受信器を2つ備え、
入力される光情報信号を分岐して2つの前記光バランスド受信器のそれぞれに出力する第1の分波器と、
光参照信号を分岐して2つの前記光バランスド受信器のそれぞれに出力する第2の分波器と
をさらに備え、
2つの前記光バランスド受信器の前記光結合器が、互いに直交する干渉位相をもち、入力される光情報信号と光参照信号を90°異なる位相で合波する光受信器が提供される。
本発明の第4の解決手段によると、
2つの光バランスド受信器と、
制御信号を生成して前記2つの光バランスド受信器に出力する制御回路と、
光情報信号を分岐して2つの前記光バランスド受信器のそれぞれに出力する第1の分波器と、
光参照信号を分岐して2つの前記光バランスド受信器のそれぞれに出力する第2の分波器と
を備え、
前記2つの光バランスド受信器は、それぞれ、
入力される光情報信号を光参照信号と合波し、互いに逆相となる2つの干渉光を出力する光結合器と、
前記2つの干渉光の干渉強度をそれぞれ電気信号に変換した検波信号を出力する2つの光検波器と、
前記2つの検波信号の振幅及び/又は遅延の差を、入力される制御信号に応じて補償又は補正し、補償又は補正された2つの検波信号の差分を受信信号として出力するバランス補償差分器と
を有し、
該2つの光バランスド受信器の前記光結合器が、互いに直交する干渉位相をもち、入力される光情報信号と光参照信号を90°異なる位相で合波し、
前記制御回路は、該2つの光バランスド受信器の前記バランス補償差分器の出力信号から前記光情報信号の強度成分又はその近似成分を算出し、算出された強度成分又は近似成分と、該出力信号とに基づき前記制御信号を生成する光受信器が提供される。
本発明によると、光バランスド受信器において、光結合器の2つの出力端から差分器までの2つの経路において、異なる損失や遅延の差が生じても、つまり受信器バランスが劣化しても、これによる受信信号の劣化を補償又は補正するバランス補償型光バランスド受信器を提供することができる。また、本発明によると、光検波器の光検出感度の差も含めて補償することができる。
本発明によると、電気信号処理を用いて光バランスド受信器の受信器バランスを自動で補償することができる。そのため、光バランスド受信器を構成する光検波器や光導波路などのデバイスの製造ばらつきや経年劣化により受信器バランスが劣化してもデバイスの交換や追加が必要なくなる。
光バランスド受信器の基本構成を示した説明図である。 差動位相検出に用いる光バランスド受信器の基本構成を示した説明図である。 従来の光バランスド受信器の原理を示した説明図である。 従来の光バランスド受信器の原理を示した説明図である。 本発明の光バランスド受信器の基本構成を示した説明図である。 本発明の第1の実施形態を示す構成図である。 本発明における制御回路132の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明における制御回路132の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明におけるデジタル信号処理器143、144の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明の第1の実施形態の構成例(2)を示す図である。 本発明における制御回路132の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明における制御回路132の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明の第2の実施形態を示す構成図である。 本発明の第3の実施形態を示す構成図である。 本発明の第4の実施形態を示す構成図である。 本発明における制御回路132の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明の第5の実施形態を示す構成図である。 本発明における制御回路132の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明の第6の実施形態を示す構成図である。 本発明における制御回路132の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明における制御回路132の実施形態のひとつを示す構成図である。 本発明の第7の実施形態を示す構成図である。 光バランス受信器で構成される光IQ受信器の基本構成を示した説明図である。 本発明の第8の実施形態を示す構成図である。 光強度算出回路の実施形態を示す構成図である。 光IQ受信器における制御回路の実施形態を示す構成図である。 光IQ受信器における本発明の効果を示す説明図である。
(概略)
図5に、本実施の形態の原理を説明するための光バランスド受信器の概略図を示す。
光バランスド受信器100は、例えば、光結合器101と、光検波器102、103と、バランス補償型差分器131と、制御回路(Ctrl)132とを備える。
光バランスド受信器100の光結合器101は入力される光情報信号201を光参照信号202と合波し、互いに逆相の干渉光203、204を出力する。光結合器101は、例えば光カプラや180°光ハイブリッド回路を用いることができる。この干渉光203、204はそれぞれ異なる光検波器102、103に入力され、干渉強度に応じた振幅をもつ電気信号に変換され、検波信号205、206として出力される。
通常、この2つの検波信号205、206はこれらの差分をとる差分器に入力されるが、本実施の形態では、電気信号の量子化および離散化、すなわちアナログ・デジタル変換、を行うアナログ・デジタル(A/D)変換器、およびデジタル信号の演算処理を行うデジタル信号処理器を前記差分器に搭載したバランス補償型差分器131に、該2つの検波信号205、206を入力する。バランス補償型差分器131は入力された2つの検波信号205、206の差分をとると共に、該検波信号205、206の振幅及び/又は遅延量の差を制御信号211に応じて補償又は補正し、受信信号207を出力する。該制御信号211は、2つの検波信号205、206の振幅及び/又は遅延量の差による受信信号207の波形歪がなくなるように制御回路(Ctrl)132によって生成される。なお、上述の検波信号205、206の振幅とはそれぞれの信号の波高値のことであるが、これには平均信号強度ないしはオフセット値の意味も含む。
以下に、バランス補償型光バランスド受信器の各実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図6は、光バランスド受信器の第1の構成例を示す。
光バランスド受信器100のバランス補償型差分器131は、例えば、アナログ・デジタル(A/D)変換器141、142と、デジタル信号処理器143、144と、デジタル差分器145とを有する。
本実施の形態の光バランスド受信器100では、光情報信号201及び光参照信号202が光結合器101に入力され、該光結合器101が光情報信号201と光参照信号202とを合波し、互いに逆相となる2つの干渉光203、204を出力する。干渉光203、204はそれぞれ光検波器102、103で受光され、それぞれ干渉強度に応じた振幅の検波信号205、206に変換されて出力される。この検波信号205、206はバランス補償型差分器131に入力される。
バランス補償型差分器131では、互いにサンプリングタイミングが同期した2つのアナログ・デジタル(A/D)変換器141、142によって検波信号205、206が量子化および離散化され、それぞれデジタル検波信号221、222として出力される。なお、サンプリングタイミングは、例えば、クロック発生器からのサンプリングクロックに従うことができる。なお、以降の説明では、A/D変換器141、142のサンプリングタイミングが検波信号205、206の変調周波数に同期し、デジタル検波信号221、222が1シンボルあたり1サンプルだけ離散化されたデジタル信号であるとするが、A/D変換器141、142のサンプリングタイミングが任意であっても、タイミング抽出等のデジタル信号処理により上述のデジタル検波信号221、222を得ることが可能である。該デジタル検波信号221、222それぞれの振幅及び/又は遅延の差は、制御信号211a、211bに応じて、デジタル信号処理器143、144によって補償され、補償済デジタル検波信号223、224として出力される。デジタル差分器145はこれらの補償済デジタル検波信号223、224の差分をとって、バランス補償型差分器131および光バランスド受信器100の出力信号として受信信号207を出力する。制御回路132は、例えばデジタル検波信号221、222の振幅及び/又は遅延を観測し、その差がなくなるように制御信号211a、211bを出力する。制御回路132は、以下に示す各構成においてデジタル検波信号221、222以外に、補償済デジタル検波信号223、224や、受信信号207を観測する場合もある。図6では、これらの観測される信号をまとめて観測信号225で示している。
次に、検波信号205、206の振幅の差を補償又は補正するバランス補償型差分器131および制御回路132について説明する。
図1の光バランスド受信器100において、光情報信号201および光参照信号202の光電界をそれぞれE(t)cos(ωt+φ(t))、E(t)cos(ωt+φ(t))で表すことができる。ただし、tは時間を表す変数、・(t)はtの関数を意味する。ここで、ω=ω−ω、φ(t)=φ(t)−φ(t)とし、また、光結合器101の干渉位相をφで表せば、2つの光検波器102、103の出力する検波信号205、206はそれぞれ以下の数式S、Sで表される。
Figure 2010028795
Figure 2010028795

(数1)および(数2)の第2項には、光情報信号201、光参照信号202の強度成分E (t)、E (t)に起因する強度変動雑音が共通して含まれており、光バランスド受信器は、差分器104を用いて検波信号205、206の差分をとることでこの強度変動雑音を相殺し、受信感度を向上している。従って、差分器104から出力される受信信号207は以下の数式Sで表される。
Figure 2010028795
しかし、検波信号205、206が異なる減衰又は増幅を受けてそれぞれA倍、B倍されて差分器104に入力される場合、差分器104から出力される受信信号207は以下の数式Sで表される。
Figure 2010028795
2つの検波信号205、206の振幅に差があり、A≠Bとなる場合、(数4)第2項の強度変動雑音成分(A−B)[E (t)+E (t)]が消えずに受信信号207に加わる。この成分は光情報信号201および光参照信号202の光電界振幅E(t)、E(t)の時間変化に伴い変動する。これが検波信号205、206の振幅差によって生じる受信信号207の劣化である。
この劣化を補償又は補正するため、図6の制御回路132はデジタル検波信号221、222の振幅を観測し、これらの振幅が等しくなるように制御信号211a、211bを出力し、デジタル信号処理器143、144を動作させる。
図7に、振幅を補償又は補正する場合の制御回路132の構成例を示す。
制御回路132は、例えば時間平均回路601、602と、平均演算回路603と、除算器604、605とを有する。デジタル検波信号221、222が観測信号225として制御回路132に入力され、それぞれの時間平均値が時間平均回路601、602で算出され、検波信号振幅値701、702として出力される。これらの検波信号振幅値701、702は平均演算回路603に入力され、この2つの検波信号振幅値の平均値が基準振幅値703として除算器604、605に出力される。また、該除算器604、605には上述の検波信号振幅値701、702もそれぞれ入力され、検波信号振幅値701、702を基準振幅値703で除算し、検波信号振幅値701、702と基準振幅値703の比を制御信号211a、211bとして出力する。なお、基準振幅値703は、平均演算回路603を用いて算出せずとも、例えば任意の定数や検波信号振幅値701など別の値を用いても構わない。
この制御回路132を有する図6の光バランス受信器100では、バランス補償器143、144を例えば除算器とする。入力されるデジタル検波信号221、222をこれらの制御信号211a、211bで除算し、補償済デジタル検波信号223、224として出力すれば、補償済デジタル検波信号223、224の振幅の時間平均は共に基準振幅値703の値となり、デジタル検波信号221、222の振幅の差が補償される。なお、補償済デジタル検波信号223、224の振幅は、制御回路132において除算器604、605に入力される基準振幅値703の値となる。検波信号振幅値701を基準振幅値703として用いる場合、デジタル信号処理器143はデジタル検波信号221の振幅を調整する必要がないため、除算器604およびデジタル信号処理器143を省くことができる。
また、図6の光情報信号201および光参照信号202の一方を消光し、他方を連続光とすれば、光結合器101は該連続光をパワー比1:1で2分岐して出力するため、受信器バランスの劣化がなければデジタル検波信号221、222が時間的に一定で且つ等しい振幅となる。この場合、図7の制御回路132において算出される検波信号振幅値701、702はそれぞれデジタル検波信号221、222と等しくなる。よって、光バランスド受信器の製造時又は運用前の立上げ時など、受信器が運用されていない場合は、光情報信号201および光参照信号202の一方を消光し、もう一方を連続光とすることで、時間平均回路601、602の省略が可能となる。
なお、図7の制御回路132はデジタル検波信号221、222を観測信号225として用い、該デジタル検波信号を補償するフィードフォワード制御を行っているが、補償済デジタル検波信号223、224を観測信号225に用い、フィードバック制御を行ってもよい。その場合、該制御回路132をフィードバック制御用に変更する必要があるが、制御工学に基づいて容易に変更して本実施の形態で実施可能である。例えば、制御回路132の出力する制御信号211a、211bとこれらの収束値である数値1との差分をそれぞれ時間積分し、これらに1を加算して該制御信号211a、211bとしてデジタル信号処理器に入力すればよい。
なお、上述の制御回路132の構成は実施形態の一つであり、制御信号211a、211bの比がデジタル検波信号221、222の振幅比と対応すれば別の形態を用いてもよい。例えば、デジタル検波信号221、222の最大値や波高値はそれぞれの振幅に比例するため、入力信号の最大値を出力する最大値算出回路又は波高値を出力する波高値算出回路を時間平均回路601、602と代用することが可能である。なお、波高値算出回路は、例えば入力信号の最大値と最小値を算出し、その差を出力することで実現できる。
なお、図6の光バランスド受信器100が光検波器102、103の出力端に高域通過フィルタなどのDCカットを備えることもある。この場合、A/D変換器141、142に入力される検波信号205、206の直流オフセット成分は除去されている。そのため、受信器バランスの劣化に依らずデジタル検波信号221、222の時間平均値は共に零に近くなり、図6の制御回路132では制御できない場合がある。このような場合、時間平均回路601、602を前記の最大値算出回路や波高値算出回路とすることが有効になる。
次に、検波信号205、206の遅延量の差を補償又は補正するバランス補償型差分器131および制御回路132について説明する。図6の光バランス受信器100において、制御回路132はデジタル検波信号221、222の遅延量を観測し、互いの遅延量の差がなくなるようにデジタル信号処理器143、144を動作させる制御信号211a、211bを出力する。
図8に、遅延量を補償する場合の制御回路132の構成例を示す。
この制御回路132に入力されるデジタル検波信号221、222はそれぞれアップサンプリング回路611、612に入力され、単位時間あたりのサンプル数が増加されて出力される。この2つの出力信号はピーク検出回路613、614にそれぞれ入力される。ピーク検出回路613、614には、クロック発生器615から出力されるサンプリングクロック711が入力されている。該サンプリングクロック711は図6のA/D変換器141、142に入力されており、該サンプリングクロックに同期してA/D変換器141、142は検波信号205、206を離散化している。該ピーク検出回路613、614は、入力信号とサンプリングクロック711の波形ピークの時間ずれを制御信号211a、211bとして出力する。
ただし、サンプリング定理によれば、離散化前の信号がもつ最大周波数の2倍以下のサンプリング周波数で離散化された信号を離散化前の信号に復元できない。アップサンプリング回路611、612は入力信号から離散前の信号を復元し、信号のリサンプリングを行う回路であり、デジタル検波信号221、222から検波信号205、206を復元するために、図6のA/D変換器141、142のサンプリング周波数が検波信号205、206のもつ周波数成分の2倍以上でなければならない。一般に検波信号205、206に含まれる周波数成分は光情報信号201や光参照信号202の変調速度(シンボルレート)の半分以下となるため、A/D変換器141、142のサンプリング周波数をシンボルレート以上とする。ただし、光情報信号201、光参照信号202の変調フォーマットによっては検波信号205、206に含まれる周波数成分が変化するため、注意が必要である。例えば、光情報信号201がRZ変調されている場合は検波信号205、206にシンボルレートの周波数成分が含まれるため、A/D変換器141、142のサンプリング周波数をシンボルレートの2倍にする必要がある。
図9に、この制御回路132に対応する図6の光バランスド受信器100のデジタル信号処理器143、144の構成例を示す。
デジタル信号処理器143、144では、まずアップサンプリング回路621、622がデジタル検波信号221、222の単位時間あたりのサンプル数を増加して出力する。これらの出力はそれぞれデジタル遅延回路623、624に入力され、それぞれ制御信号211a、211bに応じた遅延が加えられる。これらの遅延されたデジタル信号はそれぞれダウンサンプリング回路625、626に入力され、デジタル検波信号221、222と同じサンプリングレートの信号に戻され、補償済デジタル検波信号223、224として出力される。
ここで、図8の制御回路132および図9のデジタル信号処理器143において、それぞれのアップサンプリング回路611、621が出力するデジタル信号の単位時間あたりのサンプル数を同じとし、制御回路132がアップサンプリング回路611の出力するデジタル信号波形とサンプリングクロック711の遅延差をサンプル数でカウントして制御信号211aとすれば、デジタル遅延回路623は入力されるデジタル信号を制御信号211aが示すサンプル数だけ遅延させればよい。
上述の制御回路132は検波信号205、206の遅延のうち、検波信号205、206の変調周期(シンボル周期)よりも小さな遅延を補償できる。
なお、図8の制御回路132はデジタル検波信号221、222を観測信号225に用いるフィードフォワード制御を行っているが、補償済デジタル検波信号223、224を観測信号225に用い、フィードバック制御を行ってもよい。
また、検波信号205、206とA/D変換器141、142のサンプリングタイミングの時間ずれがあると、波形ピークとはずれたタイミングの検波信号205、206がデジタル検波信号221、222に変換されるため、デジタル検波信号221、222の振幅の平均値が低下する。そのため、デジタル検波信号221、222の振幅を最大化制御すれば、検波信号205、206の遅延差を補正できる。
また、図10に、検波信号205、206の遅延差を補償する光バランスド受信器100の第2の構成例を示す。
本実施では、クロック発生器615が出力するサンプリングクロック711を制御信号211a、211bに応じて遅延する遅延器631、632を用い、検波信号205、206の遅延差を補償する。制御回路132の構成は、図8と同様である。
次に、検波信号205、206のシンボル周期よりも大きな遅延差を補正する制御回路132の構成例を図11に示す。光バランスド受信器100の全体構成は、例えば図6、図10と同様である。
制御回路132に入力された補償済デジタル検波信号223、224はまず直流除去回路641、642に入力される。該直流除去回路641、642は、例えば時間平均回路601、602と減算器643、644を備え、時間平均回路601、602を用いて補償済デジタル検波信号223、224の時間平均値、すなわち直流成分をそれぞれ算出し、減算器643、644を用いてそれらの値を前記補償済デジタル検波信号223、224からそれぞれ減算し、補償済デジタル検波信号223、224の交流成分を交流デジタル検波信号722、723として出力する。交流デジタル検波信号は相関器645に入力され、相関器645は交流デジタル検波信号722、723の相関が閾値を超えるまで例えばある一定値の信号を相関信号724として出力する。この相関信号724は積分器646で時間積分され、制御信号211aとして出力される。また、反転器649で符号が反転された制御信号211aも、制御信号211bとして出力される。図6の光バランスド受信器100においては、制御信号211a、211bはそれぞれデジタル信号処理器143、144に入力され、制御信号211a、211bに応じた遅延量がデジタル検波信号221、222に与えられる。また、図10の光バランスド受信器100においては、制御信号211a、211bはそれぞれ遅延器631、632に入力され、制御信号211a、211bに応じた遅延量がA/D変換器141、142に入力されるサンプリングクロックに与えられる。ただし、本構成において制御信号211a、211bは片方を省いても動作可能である。
なお、制御回路132には、補償済デジタル検波信号223、224の代わりに、補償前のデジタル検波信号221、222を入力してもよいが、この場合は交流デジタル検波信号722、723の一方を適宜遅延させ、相関信号724が閾値を超える、ないしは最大になる時の遅延量を制御信号211aとして出力すればよい。
なお、相関器645は、例えば入力される2つの信号の畳み込み積分(コンボリューション)を計算することで2つの信号の相関性を測定し、相関が得られた時だけ相関信号724として零を出力し、相関が得られない時は零ではない値を相関信号724として出力すればよい。また、相関器645は相関性が測定できれば、他の形態でもよい。例えば、入力信号のそれぞれの2乗平均の差を算出し、これが一定の閾値を上回る間のみ、零ではない値を相関信号724として出力する。制御信号211a、211bの値は、相関信号724が零でなければ変化し、相関信号724が零になれば制御信号は変化しなくなる。デジタル信号処理器143、144の遅延量は補償済デジタル検波信号223、224の相関がとれたときの値で一定になる。
図11の制御回路132の出力する制御信号211a、211bを用いて検波信号205、206の遅延を補償する光バランスド受信器100の構成は、上述のシンボル周期よりも小さな遅延を補償するための機構を適用できる。例えば、図6のデジタル信号処理器143、144をもつ光バランスド受信器100、及び図10のサンプリングクロック711を遅延させる遅延器631、632を有する光バランスド受信器100を用いることができる。
次に、受信信号207を観測信号225とし、検波信号205、206の振幅比を補償する場合を説明する。検波信号205、206の振幅に差異があると、残留した(数4)第2項の強度変動雑音成分により、光情報信号201及び光参照信号202の強度に起因した受信信号207のオフセットが生じ、受信信号207のヒストグラム分布に偏りが生じる。そこで、制御回路132は受信信号207の振幅のヒストグラム分布を観測し、この分布の偏りがなくなるように制御信号211a、211bを出力し、デジタル信号処理器143、144を動作させる。
図12に、制御回路132の構成例を示す。
この構成では、受信信号207が中央値演算回路651および時間平均回路601に入力され、受信信号207の中央値および時間平均値が出力される。この中央値と時間平均値は減算器652に入力され、その差が差信号731として出力される。差信号731は積分器646で時間積分され、制御信号211aとして出力される。また、反転器649にはこの制御信号211aが入力され、制御信号211aと符号の反転した制御信号211bが出力される。なお、該積分器646は例えば、出力される制御信号211aを1サンプル遅延器647で1サンプル遅延し、加算器648で入力される差信号731と加算し、制御信号211aとして出力する。
この制御回路132を有する図6の光バランスド受信器100のデジタル信号処理器143、144は、例えば乗算器である。該乗算器は、入力されるデジタル検波信号221、222に前記の制御信号211a、211bに応じた値をそれぞれ乗算し、補償済デジタル検波信号223、224を出力する。この構成により、受信信号207の振幅の中央値と時間平均値の差異がなくなるようにデジタル検波信号221、222の振幅の差が補償される。
なお、図6の光バランスド受信器100が光検波器102、103の出力端に高域通過フィルタなどのDCカットを備える場合、A/D変換器141、142に入力される検波信号205、206の直流オフセット成分が除去されるため、受信信号207の時間平均は零となる。しかし、検波信号205、206の振幅差によって生じる受信信号207のヒストグラム分布の偏りは除去されないため、この場合でも図12の制御回路132を用いることができる。
検波信号205、206の振幅及び/又は遅延の差を補償するこれらの制御回路132およびデジタル信号処理器143、144は並列又は直列に接続され、振幅および遅延をあわせて補償することが可能である。また、これらの制御回路132でフィードバック制御を用いる場合、最大・最小制御を利用できるが、これらのアルゴリズムには特に制限はない。例えば、山登り法、最大傾斜法、制御信号のディザリングなどの一変数もしくは多変数制御手法など一般的な手法を用いることが可能である。
(第2の実施の形態)
図13は、光遅延検波型光バランスド受信器300の構成例を示す。
図6に示した光バランスド受信器100との違いは、光結合器101に光遅延検波器301を用いていることである。本構成では光遅延検波器301に入力された光情報信号201が光分波器302で2分岐される。そして、分岐された光信号の一方は遅延器303および光位相シフタ304に入力され、一定の遅延と位相シフトが与えられる。その後、分岐された2つの光信号は光結合器101で合波され、互いに逆相となる2つの干渉光203、204として出力される。光結合器101の後方の構成は上述の光バランスド受信器100の第1の構成例と同様である。また、光結合器101の後方の構成は、上述の光バランスド受信器100の第2の構成例のようにしてもよい。
本構成において、光情報信号201の光電界を21/2(t)cos(ωt+φ(t))、光遅延器303の時間遅延量をT、光位相シフタ304で調整可能な干渉器101の干渉位相をφで表し、さらにφ(t)=φ(t)−φ(t―T)とすれば、検波信号205、206はそれぞれ以下の数式S、Sで表される。
Figure 2010028795
Figure 2010028795
したがって、検波信号205、206の差分は以下の数式Sで表される。
Figure 2010028795
ここで、光遅延器303の時間遅延量Tを光情報信号201の変調周期(シンボル周期)とすれば、1シンボル前の変調シンボルとの位相差(差動位相)を検出することができる。本構成の場合、光参照信号を必要としないため、光参照信号の偏波制御や位相トラッキングが不要という利点がある。
しかし、検波信号205、206がそれぞれ異なる減衰又は増幅を受けてA倍、B倍された場合、検波信号205、206の差分は以下の数式Sで表され、(第1の実施の形態)同様、第2項に強度変動雑音が加わる。
Figure 2010028795
本構成では、光遅延器303及び光位相シフタ304で遅延と位相シフトの与えられた光情報信号201に対し、もう一方を図6の光参照信号202として用いるため、制御回路132およびデジタル信号処理器143、144は第1の実施の形態と同じ構成のものを使用することができる。また、検波信号205、206の遅延を補償する光バランスド受信器は、図10に示す光バランスド受信器の光結合器101を光遅延検波器301とした構成でもよい。
(第3の実施の形態)
図14は、光バランスド受信器100の第3の構成例を示す。
該光バランスド受信器100では、上述の第1の実施の形態とバランス補償型差分器131の構成が異なる。本構成では、2つの光検波器102、103から出力される検波信号205、206がまずバランス補償型差分器131の差分器104に入力される。このバランス補償型差分器131では、差分器104がこの検波信号205、206の差分をとって差分信号231として出力し、A/D変換器151がこの差分信号231を量子化および離散化してデジタル差分信号232を出力する。このデジタル差分信号232はデジタル信号処理器152によって制御信号211に応じた振幅の補償を受け、受信信号207として出力される。制御回路132は差分信号231の振幅ヒストグラム分布が均一になるようにデジタル信号処理器152を制御すればよい。なお、前記振幅ヒストグラム分布が不均一になると、受信信号207には直流成分が現れる。そこで、該直流成分がなくなるようにデジタル信号処理器152を制御してもよい。以下に、この場合の制御回路132の構成例を示す。
制御回路132はバランス補償型差分器131から出力されるデジタル差分信号232又は受信信号207を観測信号225として観測し、制御信号211を出力する。例えば、デジタル差分信号232を観測信号225とし、制御回路132をデジタル差分信号232の時間平均値を算出して、制御信号211として出力する平均化回路とし、デジタル信号処理器152をデジタル差分信号232から制御信号211を減算する減算器とすると、差分信号231から直流成分の除去された信号を受信信号207として出力することができる。また振幅のヒストグラム分布の偏りがなくなるように制御信号211を生成してもよい。
差分信号231は(数4)で表されるが、一般的な光通信システムでは伝送情報に相当するφ(t)がランダムに変化するため、第1項の時間平均値はほぼ零となり、差分信号232の時間平均値は第2項の強度変動雑音成分(A−B)[E (t)+E (t)]の時間平均値となる。これが本構成で受信信号207から除去される直流成分である。
しかし、前記強度変動雑音成分は、光情報信号201および光参照信号202の光電界振幅E(t)、E(t)の時間変化に伴って変化しており、本実施例では完全に除去することはできない。
なお、本構成は受信信号207を観測信号225とするフィードバック制御としてもよい。
また、本構成例においても、光結合器101に第2の実施の形態の光遅延検波器301を用いることが可能である。
(第4の実施の形態)
図15は、光バランスド受信器の第4の構成例を示す。
本構成の光バランスド受信器100では、上述の第1の構成の光バランスド受信器(図6参照)に光強度検出器163、164をさらに備えた構成となっている。本構成では、光情報信号201および光参照信号202が光カプラなどの光分波器161、162でそれぞれ2分岐される。分岐された2つの光情報信号201は光結合器101および光強度検出器163にそれぞれ入力される。同様に、分岐された2つの光参照信号202は光結合器101および光強度検出器164にそれぞれ入力される。光強度検出器163、164では、光検波器165、166が入力される光信号を受光し、入力される光信号の強度に依存した振幅の電気信号を検出強度信号241、242として出力する。検出強度信号241、242はA/D変換器167、168でそれぞれ量子化、離散化され、デジタル強度信号243、244として制御回路132に出力される。なお、光結合器101から受信信号207が出力されるまでの構成は、例えば上述の第1の構成と同じである。なお、光情報信号201および光参照信号202が共に変調された信号である場合、前記2つの光信号が光結合器101に入力されるまでの遅延を等しくする必要がある。
なお、本構成では、検波信号205、206の遅延は、例えば第1の実施の形態と同様に補償することが可能である。また、検出強度信号241、242の遅延を補償する場合は、例えば光情報信号201、光参照信号202が強度変調され、検出強度信号241、242の変調タイミングが検出可能であることが望ましい。ただし、4つのA/D変換器141、142、167、168のサンプリングタイミングを光情報信号201又は光参照信号202の変調タイミングに一致させれば、検波信号205、206および検出強度信号241、242の遅延は補償する必要がない。この方法として、光分波器161、162からA/D変換器141、142、167、168までの4つの経路長を完全に合わせる、もしくは前記の4つの信号をデジタル信号処理で遅延させてタイミングを合わせる方法がある。なお、光分波器161、162のパワー比は任意であり、1:1である必要はないが、それぞれは互いに同じパワー比であることが望ましい。
前記の検出強度信号241、242は以下の数式SA1、SA2で表される。
Figure 2010028795
Figure 2010028795
なお、検出強度信号241、242と検出信号205、206の振幅比は光分波器161、162の分岐比を調整するか、デジタル強度信号243、244に適当な値を乗算して調整することが可能である。
検波信号205、206の振幅に差が生じた場合、受信信号207は(数4)の式で表される。この式の第1項は情報を表す位相φ(t)に応じてランダムに変化するため、(数4)の時間平均は第2項の強度変動雑音成分(A−B)[E (t)+E (t)]の時間平均となる。一方、(数9)、(数10)で表される検出強度信号241、242の和は[E (t)+E (t)]で表される。そこで、受信信号207の時間平均をデジタル強度信号243、244の和の時間平均で除算すれば、検波信号205、206の振幅の差(A−B)を算出できる。
図16に、この原理を用いて検波信号205、206の振幅の差異を補償するための制御回路132の構成例を示す。
該制御回路132に入力されるデジタル強度信号243、244は加算器661でその和が算出された後、その和の時間平均が平均化回路663でとられ、平均強度変動雑音信号742として出力される。一方、入力される受信信号207は平均化回路662でその時間平均がとられ、平均受信信号741として出力される。前記の平均受信信号741と平均強度変動雑音信号742は除算器664に入力され、平均受信信号741から平均強度変動雑音信号742を除算した振幅差信号743が出力される。これは(数4)の(A−B)に相当する。該振幅差信号743は、デジタル遅延器647および加算器648などを備える積分器646に入力され、時間積分された後、制御信号211aとして制御回路132から出力される。また、反転器649で符号の反転された制御信号211aも制御信号211bとして制御回路132から出力される。
本構成の制御回路132をもつ図15の光バランスド受信器100では、デジタル信号処理器143、144を除算器とし、制御信号211a、211bに1を加算した信号でデジタル信号221、222をそれぞれ除算し、補償済デジタル検波信号223、224を出力する。この構成により、検波信号205、206の振幅の差を補償することができる。
なお、光参照信号202の光電界振幅E(t)が一定値Eの場合、(数4)で表される受信信号207の強度変動成分は(A−B)[E (t)−E ]となる。そのため、受信信号207の直流成分を除去すれば、(数4)の第2項は(A−B)[E (t)−ESA ]となる。ここで、ESA はE (t)の時間平均値である。この強度変動雑音成分はE (t)に無関係のため、図17の光バランスド受信器100において光強度検出器164を省略できる。
また、本構成例においても、光結合器101に第2の実施の形態の光遅延検波器301を用いることが可能である。この場合、光参照信号202は入力されないため、図15の光分波器162、光強度検出器164は省略される。また、受信信号207を表す式(数8)から強度変動雑音成分は(A−B)[E (t)+E (t+T)]となるため、制御回路132は図16の構成において、デジタル強度信号243をデジタル遅延器によりT時間遅延せた信号とし、遅延前の信号をデジタル強度信号244の代わりに用いればよい。なお、デジタル遅延器はA/D変換器167、168の入力信号を遅延させるアナログ遅延器など同じ効果をもつものであれば他のもので代用できる。
(第5の実施の形態)
受信信号207の歪には光情報信号201と光参照信号202の強度成分の差に比例する成分がある。この歪は光結合器101の消光比などに起因する。図17に、この歪を補償する光バランスド受信器の第5の構成例を示す。
本構成の光バランスド受信器100は、上述の第1の構成の光バランスド受信器(図6参照)に光強度検出器163、164と、識別器171と、減算器172とをさらに備えた構成となっている。本構成では、第4の実施の形態(図15参照)と同様、光情報信号201および光参照信号202から光強度検出器163、164とA/D変換器167、168によってデジタル強度信号243、244が求められ、制御回路132に出力される。また、光結合器101から受信信号207が出力されるまでの構成は、例えば上述の第1の構成と同じである。さらに、受信信号207が識別器171で識別され、識別信号271として雑音や歪が除かれた信号を出力する。例えば、受信信号と予め定められた閾値が比較され、信号点に応じた値が出力される。なお、光情報信号が8DPSKやQAMなど多値変調信号の場合、受信信号207も多値となるが、この場合、識別器171は受信信号207を多値信号として扱い、雑音や歪が除かれた多値信号を識別信号271として出力する。該受信信号207と該識別信号271は減算器172でその差分がとられ、識別誤差信号272として制御回路132に出力される。受信信号207に歪みがなければ、振幅の等しい信号点毎に該識別誤差信号272の時間平均をとると、信号点間で時間平均の値は等しいが、受信信号207に歪みがあると時間平均の値は信号点間で一致しない(例えば、図27(a)、(b)参照)。制御回路132では識別誤差信号272の時間平均が信号点間で均一になるようにデジタル信号処理器143、144を制御すればよい。
図18に本構成における制御回路132の構成例を示す。
該制御回路132に入力されるデジタル強度信号243、244は減算器173でその差が算出され、差動強度信号274として出力される。一方、入力される識別信号271は2値識別器174で2値の判定がされ、その判定情報がバッファ回路176に出力される。また、入力される識別誤差信号272は絶対値算出回路175でその絶対値が算出され、絶対誤差信号273として前記バッファ回路176に出力される。該バッファ回路176は例えば、2つのバッファを持ち、絶対誤差信号273を2値識別器174の判定情報に応じて異なるバッファに蓄積する。なお、多値変調の場合、識別器174で多値判定され、各信号点に対する複数のバッファに絶対誤差信号を蓄積してもよい。各バッファに蓄積された信号は、平均化回路177、178でそれぞれ平均値がとられ、さらにその差分が減算器179でとられて歪信号275として出力される。該歪信号275は積分器180で時間積分され、歪検出信号276として出力される。該歪検出信号276と前記差動強度信号274は乗算器181で乗算され、制御信号211aとして出力される。制御信号211aは2分岐され、一方は制御回路132の出力となり、もう一方は反転器181でその符号が反転され、制御信号211bとして制御回路132から出力される。
本構成の制御回路132をもつ図17の光バランスド受信器100では、デジタル信号処理器143、144を減算器とし、デジタル信号221、222から制御信号211a、211bをそれぞれ減算し、補償済デジタル検波信号223、224を出力する。この構成により、光情報信号201と光参照信号202の強度成分の差に比例する受信信号207の歪を除去できる。
(第6の実施の形態)
図19は、光バランスド受信器の第5の構成例を示す。
本構成の光バランスド受信器100は、図13に示す第3の実施の形態の光バランスド受信器100に、第4の実施の形態の光強度検出部163、164を追加した構成となっている。本構成では、光情報信号201および光参照信号202が光カプラなどの光分波器161、162でそれぞれ2分岐される。前記の分岐された2つの光情報信号201は光結合器101および光強度検出器163に入力され、分岐された2つの光参照信号202は光結合器101および光強度検出器164に入力される。該光強度検出器163、164では、入力される光信号を光検波器165、166が受光し、入力される光信号の強度に依存した振幅の電気信号を検出強度信号241、242として出力する。該検出強度信号241、242はA/D変換器167、168でそれぞれ量子化、離散化され、デジタル強度信号243、244として制御回路132に出力される。なお、光結合器101から受信信号207が出力されるまでの構成は、例えば上述の第3の実施の形態と同様である。なお、光情報信号201および光参照信号202が共に変調された信号である場合、前記2つの光信号が光結合器101に入力されるまでの遅延を等しくする必要がある。
なお、検出強度信号241、242の遅延を補償する場合は、例えば光情報信号201、光参照信号202が強度変調され、検出強度信号241、242の変調タイミングが検出可能であることが望ましい。ただし、3つのA/D変換器151、167、168のサンプリングタイミングを光情報信号201又は光参照信号202の変調タイミングに一致させれば、デジタル差分信号232および検出強度信号241、242の遅延は補償する必要がない。その方法として、光分波器161、162からA/D変換器151、167、168までの3つの経路長を完全に合わせる、もしくは前記の3つの信号をデジタル信号処理で遅延させてタイミングを合わせる方法の他、差分信号231および検出強度信号241、242それぞれの相対的な遅延の補償は、A/D変換器151、167、168のサンプリングクロックの遅延調整や、デジタル差分信号232およびデジタル強度信号243、244の遅延調整により実施してもよい。
図20に、本実施の形態における制御回路132の構成例を示す。
加算器661がデジタル強度信号243、244の和を強度変動雑音信号751として出力する。強度変動雑音信号751は平均化回路663でその時間平均がとられ、平均強度変動雑音信号742として出力される。また、制御回路132には観測信号225としてデジタル差分信号232が入力され、平均化回路662がこの時間平均を平均受信信号741として出力する。この平均受信信号741と前記の平均強度変動雑音信号742は除算器664に入力され、平均受信信号741を平均強度変動雑音信号742で除算した振幅差信号743が出力される。これが検波信号205、206の振幅の差を表す信号となる。この振幅差信号743と前記の強度変動雑音信号751は乗算器671に入力され、2つの積が制御信号211として出力される。これがデジタル差分信号232に含まれる強度変動成分(A−B)[E (t)+E (t)]を表す。そのため、図20の制御回路132を有する図19の光バランスド受信器100において、デジタル差分信号232から制御信号211を減算して出力する減算器をデジタル信号処理器152とすれば、受信信号207から強度変動雑音成分を除去することができる。
なお、本構成例の制御回路132はデジタル差分信号232を観測信号225とするフィードフォワード補償を行っているが、受信信号207を観測信号225に用い、フィードバック補償とする構成も可能である。
なお、光参照信号202の光電界振幅E(t)が一定値Eの場合、(数4)で表される受信信号207の強度変動成分は(A−B)[E (t)−E ]となり、受信信号207の直流成分を除去すれば、(数4)の第2項は(A−B)[E (t)−ESA ]となる。ここで、ESA はE (t)の時間平均値である。この強度変動雑音成分はE (t)に無関係のため、図19の光バランスド受信器100において光強度検出器164を省略できる。
図21に、この実施例における制御回路132の構成例を示す。
該制御回路132には受信信号207とデジタル強度信号243が入力される。このうち、デジタル強度信号243は、まず強度変動算出回路682に入力される。該強度変動算出回路682では、例えば平均化回路683でデジタル強度信号243の時間平均を算出して平均強度信号761として出力し、減算器684で前記デジタル強度信号243から前記平均強度信号761を減算することで、デジタル強度信号243の時間変動成分を強度変動信号762として強度変動算出回路682から出力する。また、制御回路132に入力される受信信号207は、まず分布検出回路681に入力される。該分布検出回路681では、中央値演算回路651が受信信号207の中央値を出力し、また、時間平均回路601が受信信号207の時間平均値を出力し、この2つの出力信号の差分を減算器652が差信号731として出力する。該差信号731は例えばデジタル遅延器647および加算器648を備える積分回路646で時間積分され、積分差信号763として出力される。この積分差信号763と前記の強度変動信号762は乗算器685に入力され、2つの積が制御信号211として出力される。本構成では、積分差信号763および強度変動信号762はそれぞれ(数4)の(A−B)と[E (t)−E ]に相当するため、制御信号211は(A−B)[E (t)−ESA ]を表す信号となる。そのため、図19の光バランスド受信器100において、デジタル信号処理器152を減算器とし、デジタル差信号232から制御信号211を減算すれば、受信信号207から強度変動雑音成分を除去することができる。
なお、本構成例においても、光結合器101を第2の実施の形態の光遅延検波器301とすることが可能である。この場合、光参照信号202が入力されないため、図19の光分波器162、光強度検出器164は省略される。また、(数8)において、受信信号207の強度変動雑音成分は(A−B)[E (t)+E (t+T)]で表されるため、図20の構成において、制御回路132はデジタル強度信号243をデジタル遅延器によりT時間遅延し,デジタル強度信号244の代わりとして用いればよい。
(第7の実施の形態)
受信信号207の歪には光情報信号201と光参照信号202の強度成分の差に比例する成分がある。この歪は光結合器101の消光比などに起因する。図22に、この歪を補償する光バランスド受信器の第7の構成例を示す。
本構成の光バランスド受信器100は、上述の第3の構成の光バランスド受信器(図14参照)に光強度検出器163、164と、識別器171と、減算器172とをさらに備えた構成となっている。本構成では、第6の実施の形態(図19参照)と同様、光情報信号201および光参照信号202から光強度検出器163、164とA/D変換器167、168でデジタル強度信号243、244が求められ、制御回路132に出力される。また、光結合器101から受信信号207が出力されるまでの構成は、例えば上述の第3の構成と同じである。さらに、受信信号207は識別器171で識別され、識別信号271として雑音や歪が除かれた信号を出力する。なお、光情報信号が8DPSKやQAMなど多値変調信号の場合、受信信号207も多値となるが、この場合、識別器171は受信信号207を多値信号として扱い、雑音や歪が除かれた多値信号を識別信号271として出力する。該受信信号207と該識別信号271は減算器172でその差分がとられ、識別誤差信号272として制御回路132に出力される。受信信号207に歪みがなければ、振幅の等しい信号点毎に該識別誤差信号272の時間平均をとると、信号点間で時間平均の値は等しいが、受信信号207に歪みがあると一致しない。制御回路132では識別誤差信号272の時間平均が信号点間で均一になるようにデジタル信号処理器152を制御すればよい。識別器171や誤差信号272については、上述の第5の実施の形態と同様である。
本構成の制御回路132には、例えば第5の実施の形態の制御回路(図18参照)を用いることができる。ここで、図18の制御回路132から出力される制御信号211aを図22のデジタル信号処理器152に入力される制御信号211とする。なお、反転器182は、省略できる。また、該デジタル信号処理器152を減算器とし、デジタル差分信号232から制御信号211を減算し、受信信号207を出力すればよい。この構成により、光情報信号201と光参照信号202の強度成分の差に比例する受信信号207の歪を除去できる。
(第8の実施の形態)
第1の実施の形態において、受信信号207は(数4)で表される。(数4)の第1項はcosφ(t)を含み、受信信号207の振幅はφ(t)のcos成分に応じて変化する。しかし、三角関数の関係式cosθ=cos(-θ)から明らかなように、θが0もしくはπの場合を除き、受信信号207の振幅からφ(t)を一意に判定することはできない。この課題を解決する光受信器が図23に示される光IQ受信器である。
この光IQ受信器は2つの光バランス受信器100、100qを備えており、上述の各実施の形態の光バランス受信器を適用可能である。図23の光バランスド受信器100、100qは第1から第7の実施の形態のいずれの構成でもよい。また、光IQ受信器は、その他に光分波器161q、162qを有する。
本構成では、光情報信号201、光参照信号202が光カプラなどの光分波器161q、162qでそれぞれ2分岐され、光バランスド受信器100、100qのそれぞれに入力される。それぞれの光バランスド受信器100、100qでは、光結合器101、101qが互いに直交した干渉位相で光情報信号201と光参照信号202を合波し、光結合器101が干渉光203、204を出力し、光結合器101qが干渉光203q、204qを出力する。これらの干渉光203、204、203q、204qは光検波器102、103、102q、103qでそれぞれ受光され、干渉強度に応じた振幅の検波信号205、206、205q、206qに変換されて出力される。そして、バランス補償型差分器131で検波信号205、206の差分が受信信号207として出力され、同様にバランス補償型差分器131qで検波信号205qと206qの差分が受信信号207qとして出力される。本構成において検波信号205、206が異なる減衰又は増幅を受けてそれぞれA倍、B倍され、同様に検波信号205q、206qがそれぞれC倍、D倍される場合、受信信号207は(数4)で表され、受信信号207qは以下のSd2で表される。
Figure 2010028795
光バランス受信器100、100qの受信器バランスがとれている場合は、(数4)と(数11)においてA=B=C=Dとなり、それぞれの第2項の強度変動雑音が除去される。その結果、受信信号207、207qはそれぞれ(数4)、(数11)の第1項で表され、φ(t)のcos成分、sin成分に応じて変化する信号となる。この2つの受信信号207、207qからφ(t)を一意に判定できる。具体的には、φ(t)のcos成分を含む受信信号207をI、φ(t)のsin成分を含む受信信号207qをQとすれば、Arctan(Q、I)としてφ(t)が算出できる。
この光IQ受信器に本発明の光バランスド受信器を適用する場合、上述の第1乃至第5の実施の形態の光バランスド受信器のいずれかを、図20の光バランスド受信器100、100qとして用いればよい。なお、それぞれの場合において、光結合器101、101qを第2の実施の形態の光遅延検波器301としてもよい。また、図15や図17に示される光強度検出器163、164をもつ第4の実施の形態、第5の実施の形態の光バランスド受信器を適用する場合は、2つの光バランスド受信器100、100qのそれぞれの光強度検出器163、164を共有することができる。例えば、図20の構成に、図15の光強度検出器163、164をさらに備え、光分波器161q、162qとは別に光情報信号201と光参照信号202を分岐して光強度検出器163、164にそれぞれ入力し、それぞれの出力するデジタル強度信号243、244を制御回路132、132qの両方に出力する構成とすればよい。なお、図20の光IQ受信器では、2つの制御回路132、132qをもつが、共通する処理が多いため、一つの制御回路532に纏めてもよい。
(受信信号の補償・補正)
なお、光IQ受信器において光バランスド受信器100、100qそれぞれの受信器バランスだけでは、受信信号207、207qの振幅及び/又は遅延が異なる場合があり、2つの信号のArctanをとってもφ(t)が算出できない場合がある。そのため、本実施の形態では、さらに受信信号207、207qの振幅及び/又は遅延を等しく補償又は補正する。この補償又は補正のための構成を図24に示す。本構成は、図23に示される光IQ受信器と、2つのデジタル信号処理器143x、144xと、制御回路132xを備える。本構成では、デジタル信号処理器143x、144xのそれぞれに光IQ受信器から出力される受信信号207、207qが入力され、制御回路132xが出力する制御信号に応じてそれぞれの振幅及び/又は遅延の差が補償されて補償済受信信号807、807qが出力される。前記制御回路132xとデジタル信号処理器143x、144xには第1から第2の実施の形態の制御回路132とデジタル信号処理器143、144が転用できる。例えば、図7の制御回路132に入力されるデジタル検波信号221,222を受信信号207、207qとした制御回路132xと、受信信号207、207qをそれぞれ制御回路132xからの制御信号211a、211bで除算するデジタル信号処理器143x、144xとを用いれば、受信信号207、207qの振幅が補償される。同様に、図8の制御回路132に入力されるデジタル検波信号221,222を受信信号207、207qとした制御回路132xと、図9のデジタル信号処理器143、144に入力されるデジタル検波信号221、222を受信信号207、207qとするデジタル信号処理器143x、144xとを用いれば、受信信号207、207qの遅延が補償される。また、デジタル信号処理器143x、144xはバランス補償型差分器131、131qがもつデジタル信号処理器に組み込んでもよい。
本発明の効果をシミュレーションした結果を図27に示す。図27(a)及至(f)は、図24の光結合器101、101qを光遅延検波器301とした光IQ受信器で光8値位相変調信号を受信した場合の補償済受信信号807、807qをそれぞれ横軸成分と縦軸成分としてプロットしたコンスタレーションマップである。図27(a)は光バランスド受信器100、100qの受信器バランスがとれている場合の歪のないコンスタレーションマップである。同心円状に等間隔に並ぶ8つの信号点の分布が観測できる。しかし、デジタル検波信号221、222、221q、222qの振幅が互いに異なると、コンスタレーションマップは図27(b)に示すように歪み、8つの信号点の分布が同心円状に等間隔に並ばなくなる。そこで、例えばデジタル信号処理器143、144を除算器とする図6の光バランスド受信器を光IQ受信器の光バランスド受信器100、100qとし、デジタル信号処理器143x、144xを除算器とし、制御回路132、132q、132xを図7の制御回路とすれば、デジタル検波信号221、222、221q、222qの振幅が等しくなるように補正され、図27(c)に示すような歪のないコンスタレーションマップが得られる。
また、光IQ受信器の光バランスド受信器が第6の実施の形態(図19参照)である場合、光情報信号201と光参照信号202の強度成分の和を用いて強度変動雑音信号を除去すると図27(g)に示すようなコンスタレーションマップが得られる。このコンスタレーションマップはオフセットが補償されているものの、信号点の歪が除去されていない。これは光情報信号201と光参照信号202の強度成分の差分である差動強度信号に応じた歪である。そこで、第7の実施の形態(図22参照)のデジタル信号処理器152と図18の制御回路132をさらに用いれば、図27(h)に示すような歪のないコンスタレーションマップが得られる。
一方、デジタル検波信号221、222、221q、222qの遅延量が互いに異なると、コンスタレーションマップは図27(d)に示すように歪み、信号点の判別さえできなくなる。そこで、バランスド受信器100、100qのそれぞれで、図11の制御回路と制御信号に応じて入力信号を遅延させる図9のデジタル信号処理器を用いれば、コンスタレーションマップは図27(e)に示すようになる。ここではまだ受信信号207、207qの遅延差が補正されていないが、デジタル信号処理器143x、144xを用いてさらに受信信号207、207q間の遅延を補正すれば、図27(f)に示すような歪のないコンスタレーションマップが得られる。このように、本発明を用いれば、受信器バランスを補償することが可能である。
(光強度検出等の省略)
また、第3ないしは第4の実施の形態の光バランスド受信器を光IQ受信器に適用する場合であっても、一定の条件を満たせば、全ての光強度検出器163、164を省略することができる。原理を以下に説明する。
光情報信号201および光参照信号202の光電界振幅E(t)、E(t)が時間的にほぼ一定の場合、光IQ受信器の受信信号207、207qに含まれる強度変動雑音は直流成分として除去することができ、それぞれ以下の(数12)、(数13)のS、Sd2で表される。なお、光電界振幅が一定の光とは、例えば連続光や位相変調光などであるが、本実施の形態では、A/D変換器のサンプリングタイミングにおいて光電界振幅が一定であれば強度変調されている光でもよい。例えば、RZパルス化された位相変調光でも本実施の形態は適用可能である。
Figure 2010028795
Figure 2010028795
ここで、この2つ(数12)、(数13)の二乗和の平方根をとると(数14)となり、2E(t)E(t)を算出できる。
Figure 2010028795
ここで、さらに光電界振幅E(t)、E(t)がほぼ等しければ、(数15)が成り立つ。例えば光結合器101、101qに光遅延検波器301を用いた場合、光情報信号201と合波する光信号は光参照信号201ではなく遅延された光情報信号201となるため、この条件を満たす。
Figure 2010028795
よって、光強度E (t)+E (t)に対応する近似値を受信信号207、207qから算出できることになる。
第3の実施の形態の光バランスド受信器100を用いた光IQ受信器では、例えば図16の制御回路132がデジタル強度信号243、244からE (t)+E (t)を算出するが、E (t)+E (t)の近似値である(数15)のDを受信信号207、207qから算出して用いれば、デジタル強度信号243、244が不要となり、図15に示される光強度検出器163、164を省くことが可能となる。
図25に、E (t)+E (t)で表される強度変動雑音信号772を受信信号207、207qから算出する光強度算出回路690の構成を示す。
光バランスド受信器100、100qの出力する受信信号207、207q、又は、それぞれのデジタル差分信号232が直流除去回路691a、691bにそれぞれ入力され、それぞれの交流成分が交流デジタル信号771a、771bとして出力される。交流デジタル信号771a、771bは2乗回路692a、692bでそれぞれ二乗演算された後、加算器693で互いに足し合わされ、光強度変動雑音信号772として出力される。
図26に、第4の実施の形態の光バランスド受信器100を用いた光IQ受信器において、図25の光強度算出回路690を有する制御回路132の構成を示す。
光バランスド受信器100、100qの出力する受信信号207および207q、又は、それぞれのデジタル差分信号232が光強度算出回路690に入力され、光強度雑音信号772が算出される。光強度雑音信号772は平均化回路694に入力され、その時間平均値が平均強度変動雑音信号773として出力される。これが図18における平均強度変動雑音信号742に相当する。一方、受信信号207、207qはそれぞれ平均化回路695a、695bにも入力され、それぞれの時間平均が平均受信信号774a、774bとして出力される。平均受信信号774a、774bはそれぞれ除算器696a、696bに前記の平均強度変動雑音信号773と共に入力され、平均受信信号774a、774bを平均強度変動雑音信号773で除算した振幅差信号775a、775bが出力される。振幅差信号775a、775bは乗算器697a、697bで前記の光強度雑音信号772と乗算され、強度変動雑音信号776a、776bとして出力される。
光IQ受信器の光バランスド受信器100、100qを図19の光バランスド受信器とすると、図26の制御回路132から出力される強度変動雑音信号776a、776bを、光バランスド受信器100、100qそれぞれの制御信号211とし、それぞれのデジタル信号処理器152をデジタル差分信号232から制御信号211を減算する減算器とすれば、受信信号207、207qから強度変動雑音成分を取り除くことができる。
本発明は、例えば、光多値変調における光位相受信等に利用可能である。
100、100q…光バランスド受信器
101、101q…光結合器
102、102q、103、103q…光検波器
104…差分器
111、112…光減衰器
113、114…減衰器
121…オフセット補償型差分器
122…オフセット補償制御回路
131、131q…バランス補償型差分器
132、132q、132x…制御回路
141、142…アナログ・デジタル変換器
143、143x、144、144x…デジタル信号処理器
145…デジタル差分器
151…アナログ・デジタル変換器
152…デジタル信号処理器
161、161q、162、162q…光分波器
163、164…光強度検出器
165、166…光検波器
167、168…アナログ・デジタル変換器
171…識別器
172…減算器
173…減算器
174…2値識別器
175…絶対値算出回路
176…バッファ回路
177、178…平均化回路
179…減算器
180…積分器
181…乗算器
182…反転器
201…光情報信号
202…光参照信号
203、203q、204、204q…干渉光
205、205q、206、206q…検波信号
207、207q…受信信号
208…オフセット信号
211、211a、211b…制御信号
221、222…デジタル検波信号
223、224…補償済デジタル検波信号
225…観測信号
231…差分信号
232…デジタル差分信号
241、242…検出強度信号
243、244…デジタル強度信号
271…識別信号
272…識別誤差信号
273…絶対誤差信号
274…差動強度信号
275…歪信号
276…歪検出信号
301…光遅延検波器
302…光分波器
303…光遅延器
304…光位相シフタ
601、602…時間平均回路
603…平均演算回路
604、605…除算器
611、612…アップサンプリング回路
613、614…ピーク検出回路
615…クロック発生器
621、622…アップサンプリング回路
623、624…デジタル遅延回路
625、626…ダウンサンプリング回路
631、632…遅延器
641、642…直流除去回路
643、644…減算器
645…相関器
646…積分器
647…デジタル遅延器
648…加算器
649…反転器
651…中央値演算回路
652…減算器
661…加算器
662、663…平均化回路
664…除算器
671…乗算器
681…分布検出回路
682…強度変動算出回路
683…平均化回路
684…減算器
685…乗算器
690…光強度算出回路
691a、691b…直流除去回路
692a、692b…2乗回路
693…加算器
694、695a、695b…平均化回路
696a、696b…除算器
697a、697b…乗算器
701、702…検波信号振幅値
703…基準振幅値
711…サンプリングクロック
722、723…交流デジタル検波信号
724…相関信号
731…差信号
741…平均受信信号
742…平均強度変動雑音信号
743…振幅差信号
751…強度変動雑音信号
761…平均強度信号
762…強度変動信号
763…積分差信号
771a、771b…交流デジタル信号
772…強度変動雑音信号
773…平均強度変動雑音信号
774a、774b…平均受信信号
775a、775b…振幅差信号
776a、776b…強度変動雑音信号
807、807q…補正済受信信号

Claims (19)

  1. 入力される光情報信号を光参照信号と合波して互いに逆相となる2つの干渉光を出力する光結合器と、
    前記2つの干渉光をそれぞれ受光し,受光した干渉光の干渉強度に応じた振幅の電気信号として検波信号を出力する2つの光検波器と、
    前記2つの光検波器の出力する検波信号の振幅及び/又は遅延の差によって前記2つの検波信号の差分信号に加わる強度変動成分を、入力される制御信号に応じて補償し、前記2つの検波信号の補償された差分信号を出力するバランス補償差分器と、
    前記制御信号を前記バランス補償差分器に出力する制御回路と
    を備えた光バランスド受信器。
  2. 請求項1記載の光バランスド受信器において、
    前記光結合器が、入力される光信号を2分岐し、分岐した一方を相対的に遅延させ、遅延した光信号を前記光情報信号とし、もう一方を前記光参照信号とし、前記光情報信号と前記光参照信号を合波して互いに逆相となる2つの干渉光を出力する光遅延検波器
    であることを特徴とする光バランスド受信器。
  3. 請求項1又は2記載の光バランスド受信器において、
    前記バランス補償差分器が、
    前記2つの検波信号をそれぞれデジタル信号に変換し、デジタル検波信号を出力する2つのアナログ・デジタル変換器と、
    前記2つのアナログ・デジタル変換器から出力されるデジタル検波信号の振幅及び/又は遅延を、前記制御回路からの制御信号に応じてそれぞれ補償する2つのデジタル信号処理器と、
    補償された前記2つのデジタル検波信号の差分をとって出力するデジタル差分器と
    を有することを特徴とする光バランスド受信器。
  4. 請求項1又は2記載の光バランスド受信器において、
    前記バランス補償差分器が、
    サンプリングクロックに応じたサンプリングタイミングで前記2つの検波信号をそれぞれデジタル信号に変換し、デジタル検波信号を出力する2つのアナログ・デジタル変換器と、
    該デジタル検波信号の差分をとるデジタル差分器と、
    前記制御回路からの制御信号に応じて前記2つのアナログ・デジタル変換器に入力されるサンプリングクロックを遅延させて、前記2つのデジタル検波信号の遅延を補償する遅延器と
    を有する光バランスド受信器。
  5. 請求項1又は2記載の光バランスド受信器において、
    前記バランス補償差分器が、
    前記2つの検波信号の差分をとって出力する差分器と、
    前記差分器の出力信号をデジタル信号に変換して出力するアナログ・デジタル変換器と、
    前記制御回路からの制御信号に応じて前記アナログ・デジタル変換器の出力信号の振幅及び/又は遅延を補償して出力するデジタル信号処理器と
    を有することを特徴とする光バランスド受信器。
  6. 請求項3記載の光バランスド受信器において、
    前記制御回路が、
    前記2つのデジタル検波信号又は前記2つのデジタル信号処理器の出力信号の振幅及び/又は遅延を観測し、前記2つのデジタル信号処理器の出力信号の振幅及び/又は遅延の差がなくなるように制御信号を生成して、前記2つのデジタル信号処理器に出力することを特徴とする光バランスド受信器。
  7. 請求項3又は4記載の光バランスド受信器において、
    前記制御回路は、前記2つのデジタル検波信号又は前記2つのデジタル信号処理器の出力信号の振幅のピークを求め、該ピークのタイミングに基づいて遅延量を観測し、前記2つのデジタル信号処理器の出力信号の遅延量がなくなるように制御信号を生成して、前記2つのデジタル信号処理器に出力し、
    前記2つのデジタル信号処理器は、前記制御信号に従い、入力されるデジタル信号を遅延させて出力する光バランスド受信器。
  8. 請求項3記載の光バランスド受信器において、
    前記制御回路は、前記2つのデジタル検波信号又は前記2つのデジタル信号処理器の出力信号のそれぞれの交流成分を取り出し、該交流成分の相関を求めて、相関が閾値を超えるまで制御信号を変化させ、及び、相関が該閾値を超えると制御信号を一定にして出力し、
    前記2つのデジタル信号処理器は、前記制御信号に従い、入力されるデジタル信号を遅延させて出力する光バランスド受信器。
  9. 請求項3乃至5のいずれかに記載の光バランスド受信器において、
    前記制御回路が前記デジタル差分器の出力信号又は前記デジタル信号処理器の出力信号の振幅ヒストグラム分布を観測し、該ヒストグラム分布の中央値と平均値の差に基づき、前記デジタル信号処理器の出力信号の振幅ヒストグラム分布の偏りがなくなるように制御信号を生成して、前記デジタル信号処理器に出力することを特徴とする光バランスド受信器。
  10. 請求項3記載の光バランスド受信器において、
    前記光情報信号を2分岐し、一方を前記光結合器に出力する光分波器と、
    分岐されたもう一方の光情報信号を受光し、前記光情報信号の強度成分を電気信号に変換し、強度信号を出力する光強度検波器と、
    前記光参照信号を2分岐し、一方を前記光結合器に出力する第2の光分波器と、
    分岐されたもう一方の光参照信号を受光し、前記光参照信号の強度成分を電気信号に変換し、強度信号を出力する第2の光強度検波器と、
    前記2つの光強度検波器から出力される強度信号をそれぞれデジタル信号に変換して前記制御回路に出力する第3及び第4のアナログ・デジタル変換器と
    を有し、
    前記制御回路が前記第3及び第4のアナログ・デジタル変換器の出力信号と前記差分器の出力信号とに基づいて前記2つの検波信号の振幅の差ないしはこれに依存して変化する値を算出し、前記の振幅の差がなくなるように制御信号を生成して、前記デジタル信号処理器に出力することを特徴とする光バランスド受信器。
  11. 請求項10記載の光バランスド受信器において、
    前記制御回路は、
    前記第3及び第4のアナログ・デジタル変換器の出力信号の和を時間平均して平均強度雑音信号を算出し、さらに、前記バランス補償型差分器のデジタル差分器の出力信号を時間平均して平均受信信号を算出し、該平均受信信号を該平均強度変動雑音信号で除算して、前記振幅の差に依存して変化する値を算出する光バランスド受信器。
  12. 請求項10記載の光バランスド受信器において、
    前記差分器の出力信号に基づき信号点に対応する値を識別して雑音や歪が除去された識別信号を出力する識別器と、
    前記差分器の出力信号と前記識別信号の差分をとって誤差信号を出力する減算器とを備え、
    前記制御回路は、前記第3及び第4のアナログ・デジタル変換器の出力信号の差分である差動強度信号を算出し、また、前記識別信号毎に前記誤差信号の平均を求め、識別信号毎の該平均の差を歪信号として算出し、該歪信号に応じて増減する歪検出信号と前記差動強度信号との積に応じた制御信号を出力し、
    前記2つのデジタル信号処理器の一方は入力信号から前記制御信号を減算して出力し、前記2つのデジタル信号処理器の他方は、入力信号に前記制御信号を加算して出力する光バランスド受信器。
  13. 請求項5記載の光バランスド受信器において、
    前記光情報信号を2分岐し、一方を前記光結合器に出力する光分波器と、
    分岐されたもう一方の光情報信号を受光し、前記光情報信号の強度成分を電気信号に変換し、強度信号を出力する光強度検波器と、
    前記光参照信号を2分岐し、一方を前記光結合器に出力する第2の光分波器と、
    分岐されたもう一方の光参照信号を受光し、前記光参照信号の強度成分を電気信号に変換し、強度信号を出力する第2の光強度検波器と、
    前記2つの光強度検波器から出力される強度信号をそれぞれデジタル信号に変換して前記制御回路に出力する第3及び第4のアナログ・デジタル変換器と
    を有し、
    前記制御回路は、前記第3及び第4のアナログ・デジタル変換器の出力信号と、前記バランス補償型差分器のアナログ・デジタル変換器又はデジタル信号処理器の出力信号とを観測し、該2つの出力信号に基づいて前記差分器の出力信号に含まれる前記光情報信号及び/又は前記光参照信号の強度変動に応じた強度変動雑音成分を算出し、これを消去するように制御信号を生成して前記デジタル信号処理器に出力することを特徴とする光バランスド受信器。
  14. 請求項12記載の光バランスド受信器において、
    前記制御回路は、前記第3及び第4のアナログ・デジタル変換器の出力信号の和及び前記バランス補償型差分器のアナログ・デジタル変換器の出力信号を時間平均して、平均強度変動雑音信号及び平均受信信号を算出し、該平均受信信号を該平均強度変動雑音信号で除算し、前記第3及び第4のアナログ・デジタル変換器の出力信号の和を乗算して、強度変動雑音成分を制御信号として生成し、
    前記デジタル信号処理器は、前記バランス補償差分器のアナログ・デジタル変換器から出力されるデジタル信号から制御信号を減算する光バランスド受信器。
  15. 請求項5記載の光バランスド受信器において、
    前記光情報信号を2分岐し、一方を前記光結合器に出力する光分波器と、
    分岐されたもう一方の光情報信号を受光し、前記光情報信号の強度成分を電気信号に変換し、強度信号を出力する光強度検波器と、
    前記光強度検波器から出力される強度信号をデジタル信号に変換して前記制御回路に出力する第3のアナログ・デジタル変換器と
    を有し、
    前記制御回路は、前記第3のアナログ・デジタル変換器の出力信号から直流成分を除去して強度変動信号を算出し、前記バランス補償型差分器のアナログ・デジタル変換器又はデジタル信号処理器の出力信号の中央値及び平均値の差と該強度変動信号の積を算出して制御信号を生成し、
    前記デジタル信号処理器は、前記アナログ・デジタル変換器から出力されるデジタル信号から制御信号を減算する光バランスド受信器。
  16. 請求項13記載の光バランスド受信器において、
    前記デジタル信号処理器の出力信号に基づき信号点に対応する値を識別して雑音や歪が除去された識別信号を出力する識別器と、
    前記受信信号と前記識別信号の差分をとって誤差信号を出力する減算器とを備え、
    前記制御回路は、前記第3及び第4のアナログ・デジタル変換器の出力信号の差分である差動強度信号を算出し、また、前記識別信号毎に前記誤差信号の平均を求め、識別信号毎の該平均の差を歪信号として算出し、該歪信号に応じて増減する歪検出信号と前記差動強度信号との積に応じた制御信号を出力し、
    前記デジタル信号処理器は入力信号から前記制御信号を減算して出力する光バランスド受信器。
  17. 請求項1乃至16のいずれかに記載の光バランスド受信器を2つ備え、
    光情報信号を分岐して2つの前記光バランスド受信器のそれぞれに出力する第1の分波器と、
    光参照信号を分岐して2つの前記光バランスド受信器のそれぞれに出力する第2の分波器と
    をさらに備え、
    該2つの光バランスド受信器の前記光結合器の干渉位相が互いに直交することを特徴とする光IQ受信器。
  18. 請求項17記載の光IQ受信器であって、
    2つの前記光バランスド受信器のそれぞれの出力の振幅及び/又は遅延の差に応じた第2の制御信号を出力する第2の制御回路と、
    2つの前記光バランスド受信器のそれぞれの出力を前記第2の制御信号に応じてそれぞれ補償する2つの第2のデジタル信号処理器
    をさらに備えた光IQ受信器。
  19. 請求項17又は18記載の光IQ受信器であって、
    前記制御回路は、前記2つの光バランスド受信器のそれぞれの出力信号である受信信号から前記光情報信号及び前記光情報信号の強度成分の和又はその近似成分を算出し、算出された強度成分又は近似成分と、該受信信号とに基づき、前記光情報信号及び/又は前記光参照信号の強度変動に応じた強度変動雑音成分を生成し、制御信号として出力する光IQ受信器。
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