JP2010026229A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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正史 鎌田
Shunsuke Matsuoka
俊介 松岡
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Abstract

【課題】本発明は、着色層の平坦性に優れ、混色欠点が少ないカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するカラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて結露防止圧力となるまで減圧乾燥する乾燥工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、上記結露防止圧力が、上記カラーフィルタ用基板を減圧乾燥した際に観察される1回目の平衡圧力である第1平衡圧力より低い圧力であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、着色層の平坦性に優れ、混色欠点が少ないカラーフィルタの製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶ディスプレイの需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶ディスプレイの市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶ディスプレイは大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。
このような状況において、液晶ディスプレイを構成する部材については、より低コストで高品質なものを製造することが望まれている。特に液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルタは、従来高コストであったことからこのような要望が高まっている。
ここで、一般的な液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタは、通常、基板と、上記基板上に形成され、複数の開口部を備える遮光部と、上記開口部内に形成されたR、G、B各色の着色層とを有するものである。
そして、このようなカラーフィルタのR、G、Bの各色に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がバックライトのシャッタとして作動し、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
このような、カラーフィルタを製造する方法としては、従来、染色法や顔料分散法等のR、G、Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す方法が用いられてきた。しかしながら、このような製造方法は、高精度なR、G、Bパターンが形成されたカラーフィルタを形成できるという点においては有用であったが、必ずしも生産性の高いものではなかった。この点、特許文献1にはインクジェット法を用いたカラーフィルタの製造方法が開示されている。インクジェット法は、大面積のカラーフィルタを高生産性で製造できる点において有効であり、低コストでカラーフィルタを製造できる方法として着目されている。
このようなインクジェット法を用いた着色層の形成方法としては、まず、基板上の開口部に溶媒を含む着色層形成用塗工液を塗布することにより、乾燥前着色層が形成される。その後、上記乾燥前着色層に含まれる溶媒を乾燥除去した後、加熱することにより着色層が形成される。
ここで、着色層形成用塗工液のインクジェットノズルからの吐出安定性を高めるため、通常、上記着色層形成用塗工液の溶媒として高沸点の溶媒が主溶媒として用いられる。また、このようなことから、一般的な加熱乾燥では、乾燥に長時間要するといった問題があった。
このような問題に対して、近年、カラーフィルタの製造用として減圧環境下で乾燥する減圧乾燥装置が用いられている(特許文献2〜6)。ここで、減圧乾燥装置とは、インクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層を有するカラーフィルタ用基板を減圧状態のチャンバ内に置くことにより乾燥させるものであり、溶剤等の蒸発速度を飛躍的に高めることができるものである。
しかしながら、このような減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥を行なう場合、蒸発した溶媒が、減圧乾燥装置のチャンバー内面と接触した場合等に、上記溶媒がチャンバーの内面に結露するといった現像が生じる。このように減圧乾燥装置内に生じた結露の存在により乾燥速度に変化が生ずると乾燥条件を精度良く制御することが困難となり、着色層の平坦性が低下するといった問題があった。
また、チャンバー内に結露が生じると、結露した溶媒がカラーフィルタ用基板上に落下して混色等の欠点となるといった問題があった。
特開2000−187111号公報 特開2000−111252号公報 特開平10−2665号公報 特開平9−320949号公報 特開平7−8704号公報 特開平6−97061号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、着色層の平坦性に優れ、混色欠点が少ないカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するカラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて結露防止圧力となるまで減圧乾燥する乾燥工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、上記結露防止圧力が、上記カラーフィルタ用基板を、減圧乾燥した際に観察される1回目の平衡圧力である第1平衡圧力より低い圧力であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記結露防止圧力が、上記第1平衡圧力より低い圧力であるため、減圧乾燥終了時において、上記チャンバー内に結露している溶媒量およびチャンバー内に揮発している溶媒量を少ないものとすることができる。したがって、上記乾燥工程後において上記チャンバー内に存在する溶媒量、すなわち、次に上記乾燥工程を開始する際のチャンバー内の結露量を少ないものとすることができる。
その結果、上記加熱減圧乾燥装置を用いてカラーフィルタ用基板の乾燥を複数回重ねた場合であっても、上記加熱減圧乾燥装置内の結露量を少ないものとすることができる。このため、上記加熱減圧乾燥装置内に溶媒が結露している場合に生じる乾燥速度等の乾燥条件の変動への影響を小さいものとすることができる。したがって、乾燥条件を精度良く制御することができ、着色層を平坦性に優れたものとすることができる。
また、結露した溶媒が上記カラーフィルタ用基板上に滴下することにより生じる混色欠点を少ないものとすることができる。
本発明においては、上記結露防止圧力が、上記カラーフィルタ用基板を減圧乾燥した際に観察される2回目の平衡圧力である第2平衡圧力と同圧力であることが好ましい。上記結露防止圧力を、第2平衡圧力と同圧力とすることにより、減圧乾燥終了時おいて上記加熱減圧乾燥装置内に揮発した溶媒、および、チャンバー内に結露した溶媒をほとんど存在しない状態とすることができる。このため、上記乾燥工程後のチャンバー内に存在する溶媒量、すなわち、次に上記減圧乾燥を開始する際におけるチャンバー内の結露量をより少ないものとすることができ、着色層の平坦性の制御をより確実に行なうことができるからである。
本発明は、着色層の平坦性に優れ、混色欠点が少ないカラーフィルタの製造方法を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するカラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて結露防止圧力となるまで減圧乾燥する乾燥工程を有し、上記結露防止圧力が、上記カラーフィルタ用基板を、減圧乾燥した際に観察される1回目の平衡圧力である第1平衡圧力より低い圧力であることを特徴とするものである。
一般に、インクジェット法により塗布される着色層形成用塗工液に含まれる溶媒は、インクジェット装置のノズルの詰まりを防止する等の理由から比較的沸点が高いものが用いられる。このため、上記着色層形成用塗工液が塗布されて形成される乾燥前着色層の乾燥方法としては、一般的な加熱乾燥方法では乾燥に長時間要することから、減圧環境下で上記乾燥前着色層を加熱し乾燥する加熱減圧乾燥方法が用いられる。
また、このような乾燥前着色層を有するカラーフィルタ用基板を、減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥した場合には、時間経過により、チャンバー内の圧力が変動する。このようなチャンバー内の圧力変動は、具体的には、図1に例示するように、横軸を乾燥時間、縦軸をチャンバー内の圧力とした場合、減圧開始時から徐々に圧力の低下が観察され、やがて、圧力の変動が少ない状態(第1平衡圧力、図1中のt〜t)となる。その後、圧力が下がりはじめ、再度圧力の変動が少ない状態(第2平衡圧力、図1中のt以降)となり、以後、圧力一定の状態が維持される。なお、図1中のtは、第1平衡圧力状態の中間(=t+(t+t)/2)であり、tは、上記第1平衡圧力より低く、第2平衡圧力より高い圧力の状態となっている時を示すものである。
ここで、上記第1平衡圧力時は、上記乾燥前着色層や上記加熱減圧乾燥装置のチャンバー内に結露により付着した溶媒から揮発する溶媒量が一定となっている状態であり、上記チャンバー内には結露および揮発している溶媒が多量に存在していると考えられる。また、このような第1平衡圧力時にチャンバー内の圧力を大気圧まで復圧した場合には、チャンバー内に揮発していた溶媒が結露する。このようなことから、上記第1平衡圧力時に減圧乾燥を終了した場合には、次に上記カラーフィルタ用基板を減圧乾燥する乾燥工程を開始する際のチャンバー内の結露量が多いものとなるのである。
ここで、従来の乾燥前着色層の乾燥方法が用いられているカラーフィルタの製造方法においては、生産性の観点から、乾燥が終了したカラーフィルタ用基板は、乾燥終了後すぐに乾燥装置から取り出され、次工程に送られる。この場合の乾燥前着色層における乾燥の終了とは、上記乾燥前着色層に含まれる溶媒を除去し所定の硬度を有する乾燥後着色層となるまで乾燥を行なうことである。したがって、乾燥終了後すぐに取り出した場合、乾燥終了時におけるチャンバー内の圧力は、通常、上記第1平衡圧力の状態となっている。
したがって、従来のインクジェット法により形成された着色層の乾燥方法が用いられるカラーフィルタの製造方法においては、このように上記第1平衡圧力中に減圧乾燥が終了されることから、上述したように上記乾燥装置内に結露が多い状態で、再度乾燥工程が行なわれることとなる。このため、着色層の平坦化には乾燥速度の高精度な制御が要求されるところ、従来のカラーフィルタの製造方法では、上述した乾燥装置内の結露による影響により乾燥速度の高精度な制御が難しく、着色層の平坦化が困難となるといった問題等があった。
一方、本発明においては、上記結露防止圧力が、上記第1平衡圧力より低い圧力であるため、減圧乾燥終了時において、上記チャンバー内に結露している溶媒量およびチャンバー内で揮発している溶媒量を少ないものとすることができ、この状態で再度乾燥工程が行なわれる。
その結果、上記加熱減圧乾燥装置を用いて、カラーフィルタ用基板の乾燥を複数回重ねた場合であっても、上記チャンバー内に存在する溶媒量、すなわち、上記減圧乾燥を開始する際においてチャンバー内の結露量を少ないものとすることができるため、結露の存在により生ずる乾燥速度等の乾燥条件の変動への影響を小さいものとすることができる。このようなことより、乾燥条件を精度良く制御することができ、着色層を平坦性に優れたものとすることができるのである。
また、結露した溶媒がカラーフィルタ用基板上に落下することによる混色欠点を少ないものとすることができるのである。
なお、このような現象は、インクジェット法により形成された乾燥前着色層を乾燥する際に特有の現象であり、さらに具体的には加熱減圧乾燥装置を用いて、インクジェット法により形成された乾燥前着色層を減圧乾燥する際に特有の現象であるといえる。本発明は、このような特有の課題を、チャンバー内圧力が所定の圧力となるまで乾燥前着色層の減圧乾燥を行なうことにより解決したものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、少なくとも、乾燥工程を有するものである。以下、本発明のカラーフィルタの製造方法に用いられる乾燥工程について詳細に説明する。
1.乾燥工程
本発明に用いられる乾燥工程は、カラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて結露防止圧力となるまで減圧乾燥する工程である。
このような減圧乾燥方法において、結露防止圧力に到達したか否かの判断は、上記加熱減圧乾燥装置のチャンバー内の圧力を常時モニタリングし、上記結露防止圧力到達を確認するものであっても良く、減圧乾燥開始からの経過時間により結露防止圧力到達を決定するものであっても良い。
ここで、経過時間により結露防止圧力到達を決定する方法としては、具体的には、乾燥されるカラーフィルタ用基板と同形状のカラーフィルタ用基板をテスト用基板として用い、上記加熱減圧乾燥装置により上記乾燥工程における減圧乾燥条件と同一条件で減圧乾燥することで、時間経過に対する圧力変化の調査を行い、チャンバー内の圧力が結露防止圧力に到達する時間を得る。そしてその結果得られた到達時間に基づいて、結露防止圧力到達を決定する方法を挙げることができる。
本工程においては、なかでも、経過時間により決定するものであることが好ましい。管理が容易だからである。
また、本工程における減圧乾燥方法としては、所定の硬度を有する乾燥後着色層となるまで上記乾燥前着色層を減圧乾燥する方法であれば良いが、後述する加熱手段および減圧手段に設定される設定温度および設定圧力が一定である一定条件で減圧乾燥するものであることが好ましい。上記結露防止圧力に到達したか否かの判断が容易になるからである。
なお、一定条件とは、後述する加熱手段および減圧手段に設定される設定温度および設定圧力が一定であることをいうものである。このため、上記加熱手段および減圧手段が上記設定温度および設定圧力に到達するまでの昇温期間および減圧期間であっても、設定温度および設定圧力が一定である場合には、一定条件に含まれるものである。したがって、減圧環境下から大気圧に復圧する際は、一定条件に含まれないものである。
(1)結露防止圧力
本工程における結露防止圧力とは、上記乾燥工程後に上記チャンバー内に結露している溶媒量を少ないものとすることができる減圧乾燥終了時のチャンバー内圧力であり、本発明においては上記カラーフィルタ用基板を、減圧乾燥した際に観察される1回目の平衡圧力である第1平衡圧力より低い圧力に設定される。
本工程においては、上記結露防止圧力が、このように上記第1平衡圧力より低い圧力とされるため、減圧乾燥終了時において、上記チャンバー内に結露している溶媒量およびチャンバー内に揮発している溶媒量を少ないものとすることができる。したがって、上記乾燥工程後において上記チャンバー内に存在する溶媒量、すなわち、次に上記乾燥工程を開始する際のチャンバー内の結露量を少ないものとすることができる。
その結果、上記加熱減圧乾燥装置を用いてカラーフィルタ用基板の乾燥を複数回重ねた場合であっても、上記加熱減圧乾燥装置内の溶媒の結露量を少ないものとすることができる。このため、上記加熱減圧乾燥装置内に溶媒が結露している場合に生じる乾燥速度等の変動への影響を小さいものとすることができる。
また、結露した溶媒が上記カラーフィルタ用基板上に滴下することにより生じる混色欠点を少ないものとすることができるのである。
本工程においては、なかでも、上記カラーフィルタ用基板を減圧乾燥した際に観察される第1平衡圧力と第2平衡圧力との中間圧力以下の圧力とされることが好ましく、特に、上記カラーフィルタ用基板を減圧乾燥した際に観察される第2平衡圧力と同圧力とされることが好ましい。上記結露防止圧力を、減圧乾燥した際に観察される第1平衡圧力と第2平衡圧力との中間圧力より低い圧力とすることにより、減圧乾燥終了時において、上記チャンバー内に結露している溶媒量およびチャンバー内に揮発している溶媒量をより少ないものとすることができ、着色層の平坦性の制御を確実に行なうことができるからである。
また、第2平衡圧力とすることにより、上記チャンバー内に揮発している溶媒、および、チャンバー内に結露している溶媒をほとんど存在しない状態とすることができ、着色層の平坦性の制御をより確実に行なうことができるからである。また、圧力が一定状態となっている平衡圧力であるため、上記結露防止圧力となった時点、すなわち減圧乾燥終了時を容易に判断することができるからである。
なお、上記第2平衡圧力時は、被乾燥体であるカラーフィルタ用基板およびチャンバー内に結露した溶媒からの揮発がほとんど無い状態であり、上記加熱減圧乾燥装置のチャンバー内を空にした状態で、上記乾燥工程における減圧乾燥条件と同一条件で減圧乾燥した場合に到達する平衡圧力とほぼ同圧力である状態である。また、上記カラーフィルタ用基板を、減圧乾燥した際に観察される第1平衡圧力と第2平衡圧力との中間の圧力とは、上記中間圧力をPm、上記第1平衡圧力をP1、上記第2平衡圧力をP2とすると、Pm=(P1−P2)/2で表されるものである。
また、平衡圧力とは、圧力が一定状態となった圧力であり、より具体的には、90秒間の圧力が、90秒間の平均圧力を基準として、上記平均圧力の上下10%以内に含まれる状態における上記平均圧力をいうものである。
(2)加熱減圧乾燥装置
本工程に用いられる加熱減圧乾燥装置としては、上記乾燥前着色層に含まれる溶媒を所望量以下まで乾燥し、所望の硬度を有する乾燥後着色層することができるものであれば良く、カラーフィルタの製造に一般的に用いられるものを使用することができる。
具体的には、上記カラーフィルタ用基板を加熱する加熱手段と、上記加熱手段を収納するチャンバーと、上記チャンバー内を所望の圧力まで減圧する減圧手段と、を有するものを挙げることができる。
(a)加熱手段
本工程に用いられる加熱手段としては、上記カラーフィルタ用基板を所望の温度に加熱することができるものであれば良い。
このような加熱手段としては、ホットプレート、電熱線、ランプ、赤外線放射装置等を挙げることができる。本工程においては、なかでも、ホットプレートであることが好ましい。上記カラーフィルタ用基板を平面視上均一に加熱することが容易であるからである。このため、上記着色層を平坦性に優れたものとすることができるからである。
本工程に用いられる加熱手段の加熱能力としては、上記カラーフィルタ用基板を所望の温度に加熱することができるものであれば良い。具体的には、上記カラーフィルタ用基板を、35℃〜80℃の範囲内、なかでも40℃〜50℃の範囲内に加熱することができるものであることが好ましい。上記範囲内とすることにより、上記溶媒を効率よく除去することができるからである。
また、上記加熱手段の上記カラーフィルタ用基板に対する配置としては、上記カラーフィルタ用基板を下方から加熱するように、上記加熱手段が上記カラーフィルタ用基板の下方に配置されるものであっても良く、上記カラーフィルタ用基板を上方から加熱するように、上記加熱手段が上記カラーフィルタ用基板の上方に配置されるものであっても良い。本発明においては、なかでも、上記カラーフィルタ用基板を上下の両面から加熱するように、上記カラーフィルタ用基板の下方と上方とに配置されるものであることが好ましい。上記カラーフィルタ用基板を平面視上均一に加熱することができることにより、着色層を平坦性に優れたものとすることができるからである。
上記加熱手段の形状およびサイズとしては、乾燥するカラーフィルタ用基板のサイズ等に応じて適宜設定するものである。
本工程においては、上記加熱手段の配置数としては、1つ配置されるものであっても良く、複数配置されるものであっても良い。
(b)チャンバー
本工程におけるチャンバーとしては、その内部に、上記加熱手段を収容することができ、乾燥時に密閉性が高いものとすることができるものであれば良い。
本工程においては、なかでも、上記チャンバーを加熱するチャンバー加熱手段を有するものであることが好ましい。このようなチャンバー加熱手段により加熱されるものとすることにより、上記乾燥前着色層から蒸発した溶媒が、上記チャンバーに接触した場合であっても温度が低下することを抑え、結露することを抑制することができるからである。したがって、本工程後のチャンバー内の上記溶媒の結露が少ないものとすることができ、着色層を平坦性に優れたものとすることができるからである。
上記チャンバーの形状およびサイズとしては、乾燥するカラーフィルタ用基板のサイズ等に応じて適宜設定するものである。
(c)減圧手段
本工程における減圧手段は、上記チャンバー内を減圧するものである。このような減圧手段としては、真空ポンプ等の一般的な減圧装置を用いることができる。
本工程に用いられる減圧手段の減圧能力としては、上記チャンバー内を、上記カラーフィルタ用基板を所望の速度で乾燥することができる圧力とすることができるものであれば良い。具体的には、上記チャンバー内を、定常状態で、4Pa未満とすることができるものであることが好ましく、なかでも1Pa未満とすることができるものであることが好ましい。上記範囲であることにより、上記溶媒を容易に除去することができるからである。
なお、定常状態とは、チャンバー内が空の状態で減圧した場合において平衡圧力に到達した状態をいうものである。
(3)カラーフィルタ用基板
本工程におけるカラーフィルタ用基板は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するものである。
(a)乾燥前着色層
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板の乾燥前着色層は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルタ形成用基板の開口部に、インクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなるものである。
本工程における着色層形成用塗工液は溶媒を含むものであり、インクジェット法により、着色層を形成する際に、一般的に用いられるものと同様とすることができる。このような着色層形成用塗工液としては、通常、少なくとも赤(R)、緑(G)、青(B)の3色を含む、3色以上の着色層形成用塗工液が用いられる。
上記着色層形成用塗工液に含まれ、上記加熱減圧乾燥装置により、上記乾燥前着色層から除去される溶媒としては、単一溶媒であっても良く、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であっても良い。
上記溶媒としては、インクに含有されている着色剤と硬化剤を所望の濃度で溶解できるものであれば特に限定されるものではない。このような溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール類のケトン類、またはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜4個の炭素を含有するアルキレングリコール類;グリセリン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。なかでも本工程においては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、マロン酸ジメチルなどが好適に用いられる。
また、このような着色層形成用塗工液は、上記溶媒以外に、通常、各色の顔料、熱硬化性樹脂等が含まれる。
本工程における乾燥前着色層の厚みとしては、上記着色層形成用塗工液等により異なるものであるが、インクジェット法により形成された着色層を有するカラーフィルタにおいて一般的に形成される乾燥前着色層と同様とすることができる。
本工程における乾燥前着色層の形成方法としては、上記カラーフィルタ形成用基板の開口部に、インクジェット法により上記溶媒を含む着色層形成用塗工液を塗布する方法であれば良く、カラーフィルタの製造に一般的に用いられる方法を用いることができる。
具体的には、上記カラーフィルタ形成用基板と、ノズルを複数備えるインクジェットヘッドとを相対的に移動させながら、上記ノズルから上記着色層形成用塗工液を塗布する方法を挙げることができる。
このようなインクジェットヘッドとしては、上記乾燥前着色層が形成されるカラーフィルタ形成用基板の面積や開口部等に応じて、所望のノズル数、ノズル間隔および吐出方式等を有するものであれば特に限定されず、一般的にインクジェット法に用いられるインクジェットヘッドを用いることができる。
(b)遮光部
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板の遮光部としては、通常、開口部が等間隔で規則的に形成されたものが用いられる。ここで、上記開口部の具体的な大きさや配置態様は特に限定されるものではなく、上記カラーフィルタ用基板の用途等に応じて適宜決定することができる。
このような上記遮光部としては、所望の遮光性を有することができる材料からなるものであれば特に限定されるものではないが、通常、遮光性材料および樹脂から構成されるものが用いられる。
上記遮光部が遮光性材料および樹脂から構成されるものである場合、上記遮光性材料としては、一般的なカラーフィルタの樹脂製遮光部に用いられる材料を用いることができる。このような遮光性材料としては、例えば、カーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子等を挙げることができる。
また、上記樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。
上記遮光部を形成する方法としては、上記開口部が所望の態様で配置された遮光部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、遮光性粒子を含有させた樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、および、上記樹脂組成物を用いた熱転写法等を挙げることができる。このような遮光部を形成する具体的な方法としては、一般的にカラーフィルタに用いられる遮光部を形成する方法と同様の方法を用いることができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
また、本工程における遮光部は、撥液性を有するものであることが好ましい。インクジェット法により塗布される着色層形成用塗工液を、上記開口部内に安定的に塗布することができ、着色層を混色の無いものとすることができるからである。
上記遮光部が撥液性を有するものとする方法としては、所望の撥液性を付与することができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記遮光部を構成する材料として、上記基板表面よりも撥液性の高い材料を用い、上述した方法により遮光部を形成する方法(以下、第1態様)や、上述した方法によって基板上に遮光部を形成した後、事後的に上記遮光部を上記基板表面よりも撥液性とする方法(以下、第2態様)等を挙げることができる。
上記第1態様としては、具体的には、上記遮光部を、樹脂および遮光材料を含むものとして形成し、上記樹脂に撥液化剤を含有させる方法を挙げることができる。
また、上記第2態様としては、具体的には、後述する基板として無機材料からなる基板を用い、かつ、上記遮光部として樹脂および遮光性材料から構成されるものを用い、上述した方法によって基板上に遮光部を形成した後、フッ素ガスを導入ガスとしたプラズマ処理を行なう方法が挙げられる。
また、上記導入ガスに用いられるフッ素化合物としては、例えば、CF、SF、CHF、C、C、C等を挙げることができる。また、上記導入ガスとしては、上記フッ素ガスと他のガスとが混合されたものであってもよい。上記他のガスとしては、例えば、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができるが、なかでも窒素を用いることが好ましい。さらに上記他のガスとして窒素を用いる場合、窒素の混合比率は50%以上であることが好ましい。
また、上記プラズマ照射を実施する方法としては、上記遮光部の撥液性を向上できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、減圧下でプラズマ照射してもよく、または、大気圧下でプラズマ照射してもよい。なかでも、本工程においては特に大気圧下でプラズマ照射が行うことが好ましい。これにより、減圧用の装置等が必要なく、コストや製造効率等の面おいて有利になるからである。
なお、上記プラズマ照射を行った後の、上記遮光部におけるフッ素の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析において、遮光部の表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
なお、上記「撥液性」とは、上記着色層形成用塗工液との接触角が大きいことを意味するものである。
具体的には、上記遮光部の表面の上記着色層形成用塗工液との接触角が、上記基板表面の上記着色層形成用塗工液との接触角よりも大きいものとすることができるものであれば良い。なかでも本工程においては、上記遮光部表面の、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましく、特に表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましく、さらには表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましい。また、純水との接触角が11°以上となる程度であることが好ましい。
(c)基板
本工程における基板としては、上記遮光部および着色層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、従来よりカラーフィルタに用いられているものを用いることができる。このような基板としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基板等を挙げることができる。なかでも、上記遮光部の撥液化を第2態様でおこなった場合、本工程においては、無機基板を用いることが好ましい。上記基板として無機材料を用いることにより、本工程により、上記遮光部のみを撥液化することが容易となるからである。
本工程において、基板としてはガラス基板を用いることが好ましく、上記ガラス基板のなかでも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。上記無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
上記基板は、透明な基板であってもよく、または、反射性の基板や白色に着色したものであってもよいが、本工程においては通常透明なものが用いられる。
また、上記基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与、その他の目的の表面処理を施されたものであってもよい。このような表面処理としては、例えば表面を親液性とするために、酸素ガスを導入ガスとしたプラズマ等を照射する処理を挙げることができる。
ここで、親液性とは、上記着色層形成用塗工液との接触角が小さいことを意味するものである。
具体的には、上記基板表面の上記着色層形成用塗工液との接触角が、上記遮光部表面の上記着色層形成用塗工液との接触角よりも小さいものとすることができるものであれば良い。なかでも本工程においては、上記基板表面の表面張力40mN/mの液体との接触角が9°未満となる程度であることが好ましく、特に表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下となる程度であることが好ましく、さらには表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となる程度であることが好ましい。
(4)乾燥工程
本工程は、上記カラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて結露防止圧力となるまで減圧乾燥することにより、上記カラーフィルタ用基板に含まれる乾燥前着色層を乾燥後着色層とする工程である。
このような乾燥工程を行うことにより形成される乾燥後着色層に含まれる溶媒の含有量としては、上記乾燥後着色層が所望の硬度を発揮するものであれば良く、一般的なカラーフィルタの製造における乾燥後着色層と同様とすることができる。
2.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記乾燥工程を少なくとも有するものであれば良く、その他の工程を有するものであっても良い。
このようなその他の工程としては、上記開口部にインクジェット法により着色層形成用塗工液を塗布して乾燥前着色層を形成するインクジェット工程、上記乾燥工程後の乾燥後着色層を加熱し硬化させることにより着色層を形成するプリベイク工程およびポストベイク工程、上記着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程、上記着色層上にITO,IZO等の透明電極を形成する透明電極形成工程、対向基板とのセルギャップを均一にするためのスペーサー材を所定の位置に形成するスペーサー形成工程、ならびに、液晶の配向を制御するための構造物を形成する配向制御構造物形成工程等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
1.カラーフィルタ形成用基板の調整工程
カラーフィルタ用ガラス基板として、厚み0.7mm、縦1850mm、横1500mmの旭ガラス社製AN100を準備し、このガラス基板上にフォトリソグラフィ法にて樹脂製の遮光部を形成した。
上記遮光部は、開口部が100μm×300μm、遮光部分の線幅が20μmとなるように形成し、横方向に120μmピッチ(短辺方向に隣接する開口部の中心間の距離)、縦方向320μmピッチ(長辺方向に隣接する開口部の中心間の距離)にて配置されているものとした。この際、遮光部分の膜厚は平均2.3μmとした。
上記遮光部付ガラス基板に対して、フッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ処理を加えることにより、遮光部の表面を撥液性に、それ以外の領域(着色層形成領域)すなわち開口部を親液性とした。このようにしてカラーフィルタ形成用基板を作製した。
2.着色層形成用塗工液塗布工程
着色層形成用塗工液には、カラーフィルタ用顔料と熱硬化型樹脂等とからなるRGB各色の顔料分散型インクを用いて、1つの開口部(着色層形成領域)あたり1000plにて所望のカラーフィルタの色が表現できるように濃度を設計したものを用いた。
上記カラーフィルタ形成用基板に対して、インクジェットヘッドを用いて着色層形成用塗工液を塗布し、乾燥前着色層を形成した。このようにして、カラーフィルタ用基板を作製した。
3.加熱減圧乾燥の処理時間設定
上記乾燥前着色層が形成されたカラーフィルタ用基板を収容した状態で加熱減圧乾燥装置の処理を以下の条件で開始し、第2平衡圧力に達するまで処理し、その圧力プロファイルを取得した。得られた圧力プロファイルから、既に説明した図1に示されるように、上記第1平衡圧力となる時間(t)、上記第1平衡圧力が終了する時間(t)、第2平衡圧力となる時間(t)を得た。また、上記第1平衡圧力の中間となる時間(t=t+(t2-t1)/2)および、上記第1平衡圧力と第2平衡圧力の中間となる時間(t5=t2+(t3-t2)/2)を得た。
4.加熱減圧乾燥工程
上記着色形成用インクを着弾させた基板を、加熱減圧乾燥装置内に配置し、加熱減圧乾燥した。上記加熱減圧乾燥における加熱温度は40℃とし、処理時間は第2平衡圧力に達する時間(=t)とした。
5.プリベイクおよびポストベイク
上記加熱減圧乾燥した基板を、150℃のホットプレート(HP)で4minのプリベイクを実施した。その後240℃のオーブンで40minのポストベイクを実施し、カラーフィルタを作製した。
[実施例2]
加熱減圧乾燥における加熱温度を45℃とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[実施例3]
加熱減圧乾燥における加熱温度を50℃とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[実施例4]
加熱減圧乾燥における加熱温度を40℃とし、処理時間を第1平衡圧力および第2平衡圧力の中間圧力となる時間(=t5)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[実施例5]
加熱減圧乾燥における加熱温度を45℃とし、処理時間を第1平衡圧力および第2平衡圧力の中間圧力となる時間(=t5)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[実施例6]
加熱減圧乾燥における加熱温度を50℃とし、処理時間を第1平衡圧力および第2平衡圧力の中間圧力となる時間(=t5)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例1]
加熱減圧乾燥における加熱温度を40℃とし、処理時間を第1平衡圧力の状態の中間(=t)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例2]
加熱減圧乾燥における加熱温度を45℃とし、処理時間を第1平衡圧力の状態の中間(=t)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例3]
加熱減圧乾燥における加熱温度を50℃とし、処理時間を第1平衡圧力の状態の中間(=t)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例4]
加熱減圧乾燥における加熱温度を40℃とし、処理時間を第1平衡圧力に達する時間(=t)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例5]
加熱減圧乾燥における加熱温度を45℃とし、処理時間を第1平衡圧力に達する時間(=t)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例6]
加熱減圧乾燥における加熱温度を50℃とし、処理時間を第1平衡圧力に達する時間(=t)とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[評価]
実施例および比較例で作製したカラーフィルタを用いて液晶表示装置を作製し、点灯試験を行った。その結果、実施例では、混色決壊が無いカラーフィルタを安定的に製造することができた。一方、比較例では、カラーフィルタ基板上に液滴落下に起因する混色箇所が発生していた。
また、実施例および比較例において、上記方法にてカラーフィルタを10枚連続乾燥処理した後の上記加熱減圧乾燥装置内の内部の結露状態を目視により観察した。その結果、実施例では装置内に結露が生じていなかった。一方、比較例では、加熱減圧乾燥装置上蓋および外周に結露した溶媒が液滴状に付着していた。
さらに、上記方法にてカラーフィルタを10枚連続乾燥処理した場合における乾燥状態を観察した。その結果、実施例では、同一乾燥時間で、同程度に乾燥したカラーフィルタを得ることができた。一方、比較例では、上記基板を処理する毎に乾燥具合が悪くなり、乾燥ムラが生じた。
カラーフィルタ用基板を減圧乾燥した際の時間−圧力変化を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 基板と、前記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、前記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するカラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて結露防止圧力となるまで減圧乾燥する乾燥工程を有するカラーフィルタの製造方法であって、
    前記結露防止圧力が、前記カラーフィルタ用基板を減圧乾燥した際に観察される1回目の平衡圧力である第1平衡圧力より低い圧力であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記結露防止圧力が、前記カラーフィルタ用基板を減圧乾燥した際に観察される2回目の平衡圧力である第2平衡圧力と同圧力であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
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