JP2007219482A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材1aと、上記基材1a上に形成された複数の開口部を備える遮光部1bとを有するカラーフィルター用基板1を用い、上記開口部内の基材1a表面に、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液を接触させることにより、上記開口部内の基材1a表面を親液化する親液化処理工程と、上記親液化処理工程により親液化された上記開口部内の基材1a表面上に、インクジェット方式により着色層2a,2b,2cを形成する着色層形成工程と、を有する。
【選択図】図1
Description
このような状況において、液晶ディスプレイを構成する部材についてはより低コストで高品質なものを高生産性で製造することが望まれており、特に液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルターは、従来高コストであったことからこのような要望が高まっている。
この点が改善されたカラーフィルターの製造方法として、特許文献1にはインクジェット法を用いたカラーフィルターの製造方法が開示されている。
しかしながら、このような方法では必ずしも上記開口部内の基材表面の親液性を十分なものにすることができず、特に、上記開口部の面積が大きい画素パターンを有する大型液晶テレビ用のカラーフィルターを製造する際や上記開口部のコーナー部分の形状が複雑なパターンとなっているカラーフィルターを製造する際に上記「白抜け」の発生を十分に抑制することが困難であった。
まず、本発明における親液化処理工程について説明する。本工程は、基材と、上記基材上に形成された複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、上記遮光部の開口部内の基材表面に、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液を接触させることにより、上記開口部内の基材表面を親液化する工程である。
本発明は、本工程に用いられる上記親液化処理溶液として水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む溶液を用いることにより、上記開口部内の基材表面を顕著に親液化できるため、白抜けの少ないカラーフィルターを製造できるのである。
以下、このような親液化処理工程について詳細に説明する。
本工程に用いられる親液化処理溶液は、水と、水酸基を有する水溶性有機溶媒(以下、単に水溶性有機溶媒と称する場合がある。)と、を含むものである。
次に、本工程において上記親液化処理溶液を用いて上記画素表面を親液化する親液化処理方法について説明する。本工程に用いられる親液化処理方法としては、少なくとも上記画素表面に上記親液化処理溶液を接触させて画素表面を所望の程度に親液化できる方法であれば特に限定されるものではないが、通常、上記親液化処理溶液を上記画素表面に接触させる接液工程と、上記接液工程の後に上記画素表面に接触した親液化処理溶液を乾燥除去する乾燥工程とからなる方法が用いられる。
次に、本工程に用いられるカラーフィルター用基板について説明する。本工程に用いられるカラーフィルター用基板は基材と、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部とを有するものである。また、上記開口部内の基材表面(画素表面)には後述する着色層形成工程において着色層が形成されるものである。
まず、上記遮光部について説明する。上記遮光部は後述する基材上に形成され、開口部を有するものである。
また、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等によっては、異なる形状を有する開口部が形成された遮光部が用いられる場合もあるが、この場合においても、上記開口部の具体的な大きさや配置態様は特に限定されるものではなく、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等に応じて任意に決定することができる。
一般式(2):(Rf−X−R)−Y−(R´−X´−Rf´)
上記基材としては、上記遮光部および着色層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、従来よりカラーフィルターに用いられているもの等を用いることができる。このような基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基材、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基材等を挙げることができる。なかでも本工程において無機基材を用いることが好ましく、無機材料のなかでもガラス基材を用いることが好ましい。さらには、上記ガラス基材のなかでも無アルカリタイプのガラス基材を用いることが好ましい。上記無アルカリタイプのガラス基材は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルターに好適に用いることができるからである。
本工程に用いられるカラーフィルター用基板は、上記遮光部の撥液性が、上記基材表面の撥液性よりも高いものであることが好ましい。本工程においてこのような遮光部の撥液性が高いカラーフィルター用基板を用いることにより、後述する着色層形成工程において上記遮光部の開口部内に滴下される着色層形成用塗工液が、上記遮光部を超えて他の開口部へ濡れ拡がることを防止できるため、本発明によって製造されるカラーフィルターの着色層に混色が生じることを防止できるからである。
ここで、上記「撥液性」とは、後述する着色層形成工程において上記遮光部の開口部内に滴下される着色層形成用塗工液に対する撥液性を意味するものである。
上記前者の方法としては、上記遮光部を構成する材料として、上述した撥液性材料を含有するものを用いる方法が好適に用いられる。このような方法によれば別途遮光部を撥液化する工程を実施することなく、撥液性の高い遮光部が形成されたカラーフィルター用基板を得ることができる。
一方、上記後者の方法としては、上記基材として無機材料からなる基材を用い、かつ、上記遮光部として樹脂および遮光性材料から構成されるものを用い、上述した方法によって基材上に遮光部を形成した後、上記遮光部にフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射をする方法が好適に用いられる。このような方法によれば、樹脂を含有する上記遮光部のみに選択的にフッ素を導入することができるため、上記基材表面よりも撥液性の高い遮光部を有するカラーフィルター用基板を容易に形成することができる。
ここで、上記遮光部にフッ素含有化合物の存在下でプラズマ照射する方法については、後述する「3.その他の工程」において詳述するためここでの説明は省略する。
次に、本発明における着色層形成工程について説明する。本工程は、上述した親液化処理工程により親液化された上記画素表面上に、インクジェット方式により着色層を形成する工程である。本工程においては、上述した親液化処理工程よって上記画素表面が親液化されていることにより、上記画素表面に着色層が形成されていない部位を残存させることなく、均一に着色層を形成することができる。
また、本工程においてはこのような硬化成分を2種類以上用いてもよい。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、上記着色層形成工程以外に他の工程を有するものであってもよい。このような工程としては、一般的にカラーフィルターの製造に用いられる工程を用いることができるが、なかでも本発明に好適に用いられる工程としては、上記親液化処理工程前に上記カラーフィルター用基板の遮光部を撥液化する撥液化処理工程、および、上記親液化処理工程前に上記カラーフィルター用基板の上記遮光部が形成された面にプラズマを照射するプラズマ前処理工程を挙げることができる。
まず、上記撥液化処理工程について説明する。上述したように本工程は、上記親液化処理工程前に上記カラーフィルター用基板の遮光部の上記着色層形成用塗工液に対する撥液性を高める工程である。このような撥液化処理工程を有することにより、上記着色層形成工程において上記遮光部の開口部内に滴下される着色層形成用塗工液が、上記遮光部を超えて他の開口部へ濡れ拡がることを防止でき、これにより本発明によって製造されるカラーフィルターの着色層に混色が生じることを防止できるため、本発明はこのような撥液化処理工程を有することが好ましい。
ここで、上記撥液性とは、上記着色層形成用塗工液に対する撥液性を意味するものである。
次に、上記プラズマ前処理工程について説明する。上述したように本工程は、上記親液化処理工程前に上記カラーフィルター用基板の上記遮光部が形成された面にプラズマを照射する工程である。このようなプラズマ前処理工程を有することにより、上記親液化処理工程前に上記画素表面に存在する残渣をドライエッチングにより除去することができるため、本発明によって上記残渣に起因する表示欠陥が少ないカラーフィルターを製造することができる。
上記撥液化処理工程および上記プラズマ前処理工程以外に、本発明に用いることができる他の工程としては、例えば、上記着色層形成工程により形成される着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程、上記着色層上にITO,IZO等の透明電極を形成する透明電極形成工程、対向基板とのセルギャップを均一にするためのスペーサー材を所定の位置に形成するスペーサー形成工程、および、液晶の配向を制御するための構造物を形成する配向制御構造物形成工程等を挙げることができる。
(1)プラズマ前処理工程
下記組成の遮光性物質含有混合物を90℃に加熱して溶解し、12000rpmで遠心分離を行ない、その後、1μmのグラスフィルタで濾過した。得られた水性着色樹脂溶液に、架橋剤として重クロム酸アンモニウムを1質量%添加して遮光部形成用塗工液を調整した。続いてガラス基板からなる基材上に上記遮光部形成用塗工液を塗布、露光、現像し、遮光部を形成することによってカラーフィルター用基板を得た。
・カーボンブラック(三菱化学(株)製#950) 4.0重量部
・ポリビニルアルコール
(日本合成化学(株)製ゴーセノールAH−26) 0.7重量部
・イオン交換水 95.3重量部
電源出力 : 150V −5A
電極―基板間距離 : 2mm
上記プラズマ前処理工程により、上記遮光部が備える開口部内の残渣を除去したカラーフィルター用基板の、上記遮光部が形成された面にCF4およびN2を1:1の比率で混合したガス雰囲気下でプラズマ照射を行うことによって、上記遮光部を撥液化した。このときのプラズマ照射条件は以下の通りとした。このような大気圧プラズマ照射により、遮光部上は撥液性領域、上記ガラス基板が露出した開口部は親液性領域となった。親液性領域、撥液性領域それぞれにおける純水との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定した結果、親液性領域では、7°であり、撥液性領域では100°であった。
・導入ガス : CF4 、N2 …15L/min.
・電極−基板間距離 : 2mm
・電源出力 : 200V − 5A
上記撥液化処理工程によって、上記遮光部が撥液化されたカラーフィルター用基板を表1に示す組成を有する親液化処理溶液1〜8に5分間浸漬した後、上記親液化処理溶液から取り出し、スピン法(5000rpm、30秒)により乾燥させた。
上記親液化処理工程により親液化された上記開口部内の基材表面に、インクジェット方式により下記組成を有する着色層形成用塗工液Iを塗工することにより、着色層を形成した。
・顔料分散液I: 49.5重量部
・グリシジルメタクリレートーメチルメタクリレート共重合体: 10重量部
・多官能エポキシ化合物(エピコート151S70): 2重量部
・トリメリット酸: 3.5重量部
・ブチルカルビトールアセテート: 35重量部
・C.I.ピグメントレッド254 : 6.88重量部
・C.I.ピグメントレッド177 : 0.62重量部
・byk161 : 3重量部
・n−フェニルマレインイミド/ベンジルメタクリレート共重合体 : 1重量部
・ブチルカルビトールアセテート : 38重量部
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表2に示す組成を有する親液化処理溶液9〜16を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表3に示す組成を有する親液化処理溶液17〜19を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として純水を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてイソプロピルアルコール単体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてt−ブタノール単体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記実施例1〜3および比較例1〜4において形成されたカラーフィルターについて以下の評価を行った。
上記実施例および比較例において、上記親液化処理工程後に上記開口部内の基材表面が親液化された程度を評価した。評価は、インクジェット法により上記開口部内の基材表面に上述した組成を有する着色層形成用塗工液Iの10pL(ピコリットル)の液滴を滴下し、上記基材表面上に形成された円形の着色層の直径(着弾径)を測定することによって行った。このような評価方法では、上記親液化された程度が高い場合は、滴下された着色層形成用塗工液が濡れ拡がりやすいため上記着弾径は大きくなり、一方、上記親液化された程度が低い場合は上記着弾径が小さくなることになる。
上記実施例および比較例によって形成したカラーフィルターについて白抜けを評価した。評価は、光学顕微鏡で画素を拡大表示し、1つの画素内で色濃度が低く、白く見える部分の有無とその場所を特定することにより行った。なお、白抜け評価の基準は以下の通りとした。
◎:白抜け無し
○:白抜けほとんど無し
△:白抜け少ない
×:白抜け多い
上記親液性評価、および、白抜け評価の結果を以下の表4に示す。表4に示すように、上記親液化処理溶液として水あるいは溶媒のみを用いた比較例よりも、実施例の方が上記親液化処理工程において上記開口部内の基材表面の親液性が高くなった。また、上記比較例よりも実施例の方が白抜けが少なくなった。
(1)プラズマ前処理工程
下記組成の遮光性物質含有混合物を90℃に加熱して溶解し、12000rpmで遠心分離を行ない、その後、1μmのグラスフィルタで濾過した。得られた水性着色樹脂溶液に、架橋剤として重クロム酸アンモニウムを1質量%添加して遮光部形成用塗工液を調整した。続いてガラス基板からなる基材上に上記遮光部形成用塗工液を塗布、露光、現像し、遮光部を形成することによってカラーフィルター用基板を得た。
・カーボンブラック(三菱化学(株)製#950) 4.0重量部
・ポリビニルアルコール
(日本合成化学(株)製ゴーセノールAH−26) 0.7重量部
・イオン交換水 95.3重量部
電源出力 : 150V −5A
電極―基板間距離 : 2mm
上記プラズマ前処理工程により、上記遮光部が備える開口部内の残渣を除去したカラーフィルター用基板の、上記遮光部が形成された面にCF4およびN2を1:1の比率で混合したガス雰囲気下でプラズマ照射を行うことによって、上記遮光部を撥液化した。このときのプラズマ照射条件は以下の通りとした。このような大気圧プラズマ照射により、遮光部上は撥液性領域、上記ガラス基板が露出した開口部は親液性領域となった。親液性領域、撥液性領域それぞれにおける純水との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定した結果、親液性領域では、7°であり、撥液性領域では100°であった。
・導入ガス : CF4 、N2 …15L/min.
・電極−基板間距離 : 2mm
・電源出力 : 200V − 5A
上記撥液化処理工程によって、上記遮光部が撥液化されたカラーフィルター用基板を表5に示す組成を有する親液化処理溶液20〜24にそれぞれ5分間浸漬した後、上記親液化処理溶液から取り出し、スピン法(5000rpm、30秒)により乾燥させた。
上記親液化処理工程により親液化された上記開口部内の基材表面に、インクジェット方式により下記組成を有する着色層形成用塗工液IIを塗工することにより、着色層を形成した。
・顔料分散液II: 33重量部
・グリシジルメタクリレートーメチルメタクリレート共重合体: 15重量部
・多官能エポキシ化合物(エピコート151S70): 3重量部
・トリメリット酸: 4.5重量部
・ブチルカルビトールアセテート: 44.5重量部
・C.I.ピグメントブルー15:6: 4.68重量部
・C.I.ピグメントブルー23: 0.32重量部
・byk161: 1.5重量部
・n−フェニルマレインイミド/ベンジルメタクリレート共重合体: 1.5重量部
・ブチルカルビトールアセテート: 25重量部
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表6に示す組成を有する親液化処理溶液25〜29を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表7に示す組成を有する親液化処理溶液30〜34を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表8に示す組成を有する親液化処理溶液35〜39を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表9に示す組成を有する親液化処理溶液40〜44を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表10に示す組成を有する親液化処理溶液45〜49を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてイソプロピルアルコール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてt−ブタノール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてジアセトンアルコール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてプロピレングリコールモノメチルエーテル単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として1,3−ブタンジオール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてプロピレングリコール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として純水を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記親液化処理工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
上記実施例4〜9および比較例5〜12において形成されたカラーフィルターについて以下の評価を行った。
上記実施例および比較例において、上記親液化処理工程後に上記開口部内の基材表面が親液化された程度を評価した。評価は、インクジェット法により上記開口部内の基材表面に上述した組成を有する着色層形成用塗工液IIの10pL(ピコリットル)の液滴を滴下し、上記基材表面上に形成された円形の着色層の直径(着弾径)を測定することによって行った。このような評価方法では、上記親液化された程度が高い場合は、滴下された着色層形成用塗工液が濡れ拡がりやすいため上記着弾径は大きくなり、一方、上記親液化された程度が低い場合は上記着弾径が小さくなることになる。
上記実施例および比較例によって形成したカラーフィルターについて白抜けを評価した。評価は、光学顕微鏡で画素を拡大表示し、1つの画素内で色濃度が低く、白く見える部分の有無とその場所を特定することにより行った。なお、白抜け評価の基準は以下の通りとした。
◎:白抜け無し
○:白抜けほとんど無し
△:白抜け少ない
×:白抜け多い
上記親液性評価、および、白抜け評価の結果を以下の表11に示す。表11に示すように、上記親液化処理溶液として水あるいは溶媒のみを用いた比較例よりも、実施例の方が上記親液化処理工程において上記開口部内の基材表面の親液性が高くなった。また、上記比較例よりも実施例の方が白抜けが少なくなった。
1a … 基材
1b … 遮光部
2a、2b、2c … 着色層
20 … カラーフィルター用基板
21 … 基材
22 … 遮光部
30 … 着色層
30’ … 着色層形成用塗工液
40 … インクジェットヘッド
Claims (7)
- 基材と、前記基材上に形成され、複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、
前記開口部内の基材表面に、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液を接触させることにより、前記開口部内の基材表面を親液化する親液化処理工程と、
前記親液化処理工程により親液化された前記開口部内の基材表面上に、インクジェット方式により着色層を形成する着色層形成工程と、を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。 - 前記水溶性有機溶媒がアルコール類であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記アルコール類がイソプロピルアルコール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブタンジオール、および、プロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記親液化処理溶液中における前記アルコール類の含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であることを特徴とする、請求項3に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記基材が無機材料から構成されるものであり、かつ、前記遮光部が樹脂および遮光性材料から構成されるものであり、さらに、前記親液化処理工程前に前記遮光部にフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマを照射することにより、前記遮光部を撥液化する撥液化処理工程を有することを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記親液化処理工程前に、前記カラーフィルター用基板の前記遮光部が形成された面にプラズマを照射するプラズマ前処理工程を有することを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
- 前記遮光部に撥液性を示す撥液性材料が含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
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