JP2007219482A - カラーフィルターの製造方法 - Google Patents

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正史 鎌田
Tomoyuki Izuhara
知之 出原
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Abstract

【課題】インクジェット法により白抜けの少ないカラーフィルターを製造することができる、カラーフィルターの製造方法を提供する。
【解決手段】基材1aと、上記基材1a上に形成された複数の開口部を備える遮光部1bとを有するカラーフィルター用基板1を用い、上記開口部内の基材1a表面に、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液を接触させることにより、上記開口部内の基材1a表面を親液化する親液化処理工程と、上記親液化処理工程により親液化された上記開口部内の基材1a表面上に、インクジェット方式により着色層2a,2b,2cを形成する着色層形成工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置等に用いられるカラーフィルターの製造方法に関するものであり、より詳しくはインクジェット法を用いたカラーフィルターの製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶ディスプレイの需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶ディスプレイの市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶ディスプレイは大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。
このような状況において、液晶ディスプレイを構成する部材についてはより低コストで高品質なものを高生産性で製造することが望まれており、特に液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルターは、従来高コストであったことからこのような要望が高まっている。
上記カラーフィルターは、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色層からなるR、G、Bパターンを備えるものであり、カラー液晶ディスプレイはこのようなカラーフィルターのR、G、Bのそれぞれの画素に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がバックライトのシャッタとして作動し、R、G、Bのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
このようなカラーフィルタの製造方法としては、従来、染色法や顔料分散法等のR、G、Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す方法が用いられてきた。しかしながら、このような製造方法は高精度なR、G、Bパターンが形成されたカラーフィルターを形成できるという点においては有用であったが、同一の工程を3回繰り返す必要があるということから必ずしも生産性の高いものではなかった。
この点が改善されたカラーフィルターの製造方法として、特許文献1にはインクジェット法を用いたカラーフィルターの製造方法が開示されている。
このようなインクジェット法の一例について図を参照しながら説明する。図2は従来のインクジェット法の一例を示す概略図である。図2に例示するように、上記インクジェット法としては、基材21と、上記基材21上に形成された開口部Aを有する遮光部22とを有するカラーフィルター用基板20を用い、インクジェットヘッド40から上記開口部A内に着色層形成用塗工液30’を滴下することにより、上記開口部A内に着色層30を形成する方法が用いられてきた。
このようなインクジェット法は、インクジェットヘッドを順次移動させることにより、大面積のカラーフィルターを高生産性で製造できる点において有効であり、低コストでカラーフィルターを製造できる方法として着目されている。
ところで、このようなインクジェット法は、上記遮光部の開口部内に滴下された着色層形成用塗工液の微小な液滴が上記開口部内に着弾した後、上記開口部内の基材表面に濡れ拡がる性質を利用して着色層を形成するものである。このため、上記基材表面が上記着色層形成用塗工液に対して親液性の低いものである場合は、上記着色層形成用塗工液が上記開口部内に均一に濡れ拡がらないという問題があった。そして、このように上記着色層形成用塗工液が十分に濡れ拡がらないと、例えば、図3に示すように、遮光部22の開口部の角部に上記着色層30が形成されない塗工抜け部Bができてしまい、このような塗工抜け部Bが形成されると、その部分だけ発色しないため、「白抜け」となって、表示品質が低下させるという問題点があった。
このような問題点に対して特許文献2には、着色層を形成する前に上記開口部内の基材表面に水を接触させることにより、上記開口部内の基材表面の親液性を向上する方法が開示されている。
しかしながら、このような方法では必ずしも上記開口部内の基材表面の親液性を十分なものにすることができず、特に、上記開口部の面積が大きい画素パターンを有する大型液晶テレビ用のカラーフィルターを製造する際や上記開口部のコーナー部分の形状が複雑なパターンとなっているカラーフィルターを製造する際に上記「白抜け」の発生を十分に抑制することが困難であった。
特開2000−187111号公報 特開2002−122722号広報
本発明はこのような状況に鑑みてなされてものであり、インクジェット法により白抜けの少ないカラーフィルターを製造することができる、カラーフィルターの製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、基材と、上記基材上に形成され、複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内の基材表面に水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液を接触させることにより、上記開口部内の基材表面を親液化する親液化処理工程と、上記親液化処理工程により親液化された上記開口部内の基材表面上に、インクジェット方式により着色層を形成する着色層形成工程と、を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記親液化処理工程において、上記遮光部の開口部内の基材表面(以下、単に「画素表面」と称する場合がある。)に接触させて上記画素表面を親液化させるために用いられる親液化処理溶液として、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液が用いられることにより、上記親液化処理溶液として水のみを用いた場合よりも顕著に上記画素表面の親液性を向上することができる。そして、このように上記親液化処理工程において上記画素表面を顕著に親液化できることによって、上記着色層形成工程において着色層を形成した際に、上記画素表面上に着色層が形成されない部位が残存することを防止できる。このようなことから、本発明のカラーフィルターの製造方法によれば白抜けの少ないカラーフィルターを製造することができる。
本発明においては、上記水溶性有機溶媒がアルコール類であることが好ましい。アルコール類は工業的に入手可能な種類が豊富であることから、上記親液化処理工程において上記画素表面に付与する親液性の程度に応じて、任意に種類を選択して用いることができるからである。
また本発明においては、上記アルコール類がイソプロピルアルコール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブタンジオール、および、プロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましく、さらに、このようなアルコール類を用いる場合においては、上記親液化処理溶液中の上記アルコール類の含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。上記親液化処理工程においてこのような親液化処理溶液を用いることにより、上記画素表面の親液性をより一層向上することができるため、より白抜けの少ないカラーフィルターを製造することができるからである。
また本発明においては、上記基材が無機材料から構成されるものであり、かつ、上記遮光部が樹脂および遮光性材料から構成されるものであり、さらに、上記親液化処理工程前に上記遮光部にフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射することにより、上記遮光部を撥液化する撥液化処理工程を有することが好ましい。このような撥液化処理工程によれば上記遮光部の撥液性が、上記基材表面の撥液性よりも高いカラーフィルター用基板を容易に形成することができるからである。また、本発明においてこのような遮光部の撥液性が高いカラーフィルター用基板を用いることにより、上記着色層形成工程において画素表面に形成される着色層に混色が生じることを防止できるからである。
また本発明においては、上記親液化処理工程前に、上記カラーフィルター用基板の上記遮光部が形成された面にプラズマを照射するプラズマ前処理工程を有することが好ましい。このようなプラズマ前処理工程を有することにより、上記親液化処理工程前に上記画素表面に存在する遮光性材料等の有機物残渣をドライエッチングにより除去することが可能であるため、上記有機物残渣に起因する上記開口部内の部分的なはじきに伴う表示欠陥が少ないカラーフィルターを製造することができるからである。
さらに本発明においては、上記遮光部に撥液性を示す撥液性材料が含有されていることが好ましい。これにより、上記遮光部の撥液性が上記基材表面の撥液性よりも高いカラーフィルター用基板を容易に形成することができるため、上記着色層形成工程において画素表面に形成される着色層に混色が生じることを防止できるからである。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、白抜けの少ないカラーフィルターを製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明のカラーフィルターの製造方法について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、基材と、上記基材上に形成された複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、上記開口部内の基材表面に、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液を接触させることにより、上記開口部内の基材表面を親液化する親液化処理工程と、上記親液化処理工程により親液化された上記開口部内の基材表面上に、インクジェット方式により着色層を形成する着色層形成工程とを有することを特徴とするものである。
このような本発明のカラーフィルターの製造方法について図を参照しながら説明する。図1は本発明のカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略図である。図1に例示するように本発明のカラーフィルターの製造方法は、基材1aと、上記基材1a上に形成され、開口部を備える遮光部1bとを有するカラーフィルター用基板1を用い(図1(a))、少なくとも上記遮光部1bの開口部内の基材表面Xに親液化処理溶液Sを接触させる親液化処理工程(図1(b))と、上記親液化処理工程により親液化された上記基材表面X上に、インクジェット法により複数色の着色層2a、2b、および、2cを形成する着色層形成工程(図1(c))、とを有するものであり、上記親液化処理溶液Sが水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、上記親液化処理工程において、上記画素表面を親液化させる親液化処理溶液として、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液が用いられることにより、上記親液化処理溶液として水のみを用いた場合よりも顕著に上記画素表面の親液性を向上することができる。そして、このように上記親液化処理工程において上記画素表面を顕著に親液化できることによって、上記着色層形成工程においてインクジェット方式により上記画素表面に着色層を形成する際に、上記画素表面に滴下され、着弾した着色層形成用塗工液の液滴が上記開口部内の角部まで満遍なく濡れ広がり易くなり、これによって上記画素表面に着色層が形成されていない部位が残存することを防止できる。このようなことから、本発明のカラーフィルターの製造方法によれば、白抜けの少ないカラーフィルターを製造することができる。
従来、カラーフィルターの製造に用いられているインクジェット法は、インクジェット方式によりカラーフィルター用基板が有する遮光部の開口部内に着色層形成用塗工液を滴下し、これが上記開口部内に着弾した後、濡れ拡がる性質を利用して着色層を形成するものである。したがって、上記開口部内の基材表面が上記着色層形成用塗工液に対して親液性の低いものである場合は、上記着色層形成用塗工液が上記開口部内に均一に濡れ拡がらず、上記開口部内、特に角部に着色層が形成されない箇所が残存してしまい、これに起因して「白抜け」が発生してしまうという問題点があった。このような問題点に対し、上記遮光部が備える開口部内に着色層を形成する前に上記開口部内の基材表面に水を接触させることにより、上記開口部内の基材表面の親液性を向上する方法も知られているが、このような方法では上記開口部の面積が大きい画素パターンを有する大型液晶テレビ用のカラーフィルターを製造する際や上記開口部のコーナー部分の形状が複雑なパターンとなっているカラーフィルターを製造する際に必ずしも上記開口部内の基材表面の親液性を十分なものにすることができず、「白抜け」の発生を十分に抑制することが困難であった。
この点、本発明は上記親液化工程に用いられる親液化処理溶液として、水のみを用いるのではなく、水と水酸基を有する水溶性有機溶媒とを含む溶液を用いることにより、単に水を用いた場合と比較して上記画素表面を顕著に親液化でき、これによりインクジェット法によって白抜けの少ないカラーフィルターを製造することができるのである。
本発明のカラーフィルターの製造方法において、上記親液化処理溶液として水と水酸基を有する水溶性有機溶媒を含む溶液を用いることにより、単に水を用いた場合と比較して、上記画素表面を顕著に親液化できる理由については明らかではないが、次のような機構に基づくものと推定される。すなわち、第1に水にアルコールを加えることにより、水よりも親水化処理溶液の表面張力が下がり、被処理基材への濡れ性、接触性が高まること、第2にアルコールを加えることにより有機物溶解力が高まり、開口部に残存する有機物を効率的に溶解除去できること、第3に親水化処理溶液を除去した後の基材表面に水やアルコール分子が吸着し、その後に付与する有機物である着色層形成用塗工液との親和性がより高い表面を形成していること、などが考えられる。しかしながら、これらはいずれも推定であり、上記機構に関わらず、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
なお、本発明における上記「親液性」とは、上記着色層形成工程において上記画素表面に滴下される着色層形成用塗工液に対する親液性を意味するものである。
本発明のカラーフィルターの製造方法は、少なくとも上記親液化処理工程と、上記着色層形成工程を有するものであり、必要に応じて他の工程を有してもよいものである。以下、本発明のカラーフィルターの製造方法を構成する各工程について詳細に説明する。
1.親液化処理工程
まず、本発明における親液化処理工程について説明する。本工程は、基材と、上記基材上に形成された複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、上記遮光部の開口部内の基材表面に、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液を接触させることにより、上記開口部内の基材表面を親液化する工程である。
本発明は、本工程に用いられる上記親液化処理溶液として水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む溶液を用いることにより、上記開口部内の基材表面を顕著に親液化できるため、白抜けの少ないカラーフィルターを製造できるのである。
以下、このような親液化処理工程について詳細に説明する。
(1)親液化処理溶液
本工程に用いられる親液化処理溶液は、水と、水酸基を有する水溶性有機溶媒(以下、単に水溶性有機溶媒と称する場合がある。)と、を含むものである。
本工程に用いられる上記水溶性有機溶媒は水溶性を有するものである。ここで、本発明において上記「水溶性を有する」とは、25℃の水に対して、1質量%以上溶解できる水溶性を有することを意味するものである。
本工程に用いられる水溶性有機溶媒は上記水溶性を有するものであれば特に限定されるものではないが、なかでも本工程においては水と自由混合できるものを用いることが好ましい。水と自由混合できる水溶性有機溶媒を用いることにより、本工程において上記画素表面に付与する親液性の程度に応じて、上記親液化処理溶液における上記水溶性有機溶媒の含有比率を任意に変更することが可能になるからである。
上記水溶性有機溶媒が有する水酸基の数としては、上記水溶性有機溶媒の分子量等に応じて、上記水溶性を有することができる範囲内であれば特に限定されるものではない。このような水酸基の数としては、1個であってもよく、または、複数であってもよい。
このような水溶性有機溶媒の例としては、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類等を例示することができる。本工程においては上記水溶性有機溶媒のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでもアルコール類を用いることが好ましい。アルコール類は工業的に入手可能な種類が豊富であることから、上記親液化処理工程において上記画素表面に付与する親液性の程度に応じて、任意に種類を選択して用いることが容易になるからである。
本工程に用いられるアルコール類としては、炭化水素鎖に水酸基が結合した構造を有するものであれば特に限定されるものではない。また、上記炭化水素鎖は、直鎖状のものであってもよく、または、分岐鎖状のものであってもよい。また、上記水溶性を有することができる範囲内であれば、上記炭化水素鎖に官能基が結合されたものであってもよい。
このようなアルコール類としては、分子内に1つの水酸基を有するアルコール、分子内に2つの水酸基を有するジオール(グリコール)、分子内に3つの水酸基を有するトリオール、または、分子内にそれ以上の複数の水酸基を有するポリオールのいずれであってもよい。なかでも本工程においては上記アルコールまたは上記ジオールを用いることが好ましく、特に上記アルコールを用いることが好ましい。
また上記アルコールとしては、1級アルコールであってもよく、または、2級アルコールであってもよく、さらには、3級アルコールであってもよい。
さらに、本工程に用いられるアルコールとしては、水酸基が結合した炭化水素鎖を構成する炭素数が、1〜6の範囲内であることが好ましく、なかでも1〜5の範囲内であることが好ましく、特に1〜4の範囲内であることが好ましい。上記炭化水素鎖を構成する炭素数が上記範囲内であることにより、本工程において上記画素表面に親液化処理溶液を接触させた後に、これを乾燥除去することが容易になるからである。
このようなアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブタンジオール、および、プロピレングリコール等を例示することができる。なかでも本工程においては2級アルコールまたは3級アルコールを用いることが好ましく、特にイソプロピルアルコール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブタンジオール、および、プロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つを好適に用いることができる。
また、本工程に用いられる親液化処理溶液には、上記水溶性有機溶媒が1種類のみ含まれていてもよく、または、2種類以上が含まれていてもよい。
本工程に用いられる親液化処理溶液における上記水溶性有機溶媒の含有量としては、本工程において上記画素表面に付与する親液性の程度や、上記水溶性有機溶媒の種類等に応じて任意に決定すればよい。なかでも本工程においては、10質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。上記水溶性有機溶媒の含有量が上記範囲内であることにより、本工程において上記画素表面の親液性をより一層向上することができるからである。ここで、上記水溶性有機溶媒の含有量とは、本工程に用いられる親液化処理溶液中の水溶性有機溶媒の総含有量を示すものであり、例えば、上記親液化処理溶液に2種類以上の水溶性有機溶媒を用いる場合においては、トータルの(用いた全ての)水溶性有機溶媒の含有量を意味するものとする。
また、上記水溶性有機溶媒としてイソプロピルアルコール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブタンジオール、および、プロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つを用いる場合においては、上記親液化処理工程中の水溶性有機溶媒の含有量が、10質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましく、特に15質量%〜25質量%の範囲内であることが好ましい。上記水溶性有機溶媒としてイソプロピルアルコールのみ、または、t-ブタノールのみを用いる場合は、水溶性有機溶媒の含有量を上記範囲内とすることにより、本工程において上記画素表面の親液性を一層向上することができるからである。
なお、上記親液化処理溶液に用いられる水としては、通常、純水が用いられる。
また、上記親液化処理溶液は、上記水酸基を有する有機溶媒および水以外に他の溶媒が含まれていてもよい。このような他の溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、セロソルブ、ジオキサン等を挙げることができる。
さらに、上記親液化処理溶液には、例えば、界面活性剤、粘度調整剤、安定剤等の添加剤が含まれていてもよい。
(2)親液化処理方法
次に、本工程において上記親液化処理溶液を用いて上記画素表面を親液化する親液化処理方法について説明する。本工程に用いられる親液化処理方法としては、少なくとも上記画素表面に上記親液化処理溶液を接触させて画素表面を所望の程度に親液化できる方法であれば特に限定されるものではないが、通常、上記親液化処理溶液を上記画素表面に接触させる接液工程と、上記接液工程の後に上記画素表面に接触した親液化処理溶液を乾燥除去する乾燥工程とからなる方法が用いられる。
上記接液工程において、上記画素表面に上記親液化処理溶液を接触させる方法としては、上少なくとも上記画素表面に上記親液化処理溶液を接触させることができる方法であれば特に限定されるものではない。このような接触方法としては、例えば、上記画素表面のみに上記親液化処理溶液を接触させる方法、および、後述するカラーフィルター用基板の有効画素範囲全面に上記親液化処理溶液を接触させる方法を挙げることができる。なかでも本工程においては実施容易性の観点から後者の方法が好適に用いられる。
上記カラーフィルター用基板の有効画素範囲全面に上記親液化処理溶液を接触させる方法としては、例えば、上記親液化処理溶液をシャワーリングする方法、上記親液化処理溶液を噴霧する方法、上記親液化処理溶液の液滴を滴下する方法、ダイコート、ビードコート、スピンコート、キャップコート等のコーティング法により上記親液化処理溶液を塗布する方法、および、後述するカラーフィルター用基板ごと上記親液化処理溶液に浸漬する方法、さらには、カラーフィルター用基板を上記親液化処理溶液に浸漬した状態で超音波を照射する方法等を挙げることができる。本工程においてはこれらの方法のいずれであっても好適に用いることができるが、なかでも製造設備を簡略化できる等の観点から上記親液化処理溶液をシャワーリングする方法がより好適に用いられる。
また、上記乾燥工程において上記画素表面に接触した親液化処理溶液を乾燥除去する方法としては、上記親液化処理溶液を所望の時間で乾燥除去できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、例えば、圧縮エアーを吹き付けることによって乾燥除去するエアナイフ法、カラーフィルター用基板を回転させることにより乾燥除去するスピン法、カラーフィルター用基板をホットプレートと接触させることにより乾燥除去するホットプレート法、加熱されたオーブン中で乾燥除去するオーブン法、または、減圧下で乾燥する減圧乾燥法等を挙げることができる。本工程においてはこれらのいずれの方法であっても好適に用いることができるが、なかでも、上記画素表面を加熱することなく乾燥除去できる、上記エアーナイフ法、上記スピン法、上記減圧乾燥法等を用いることが好ましい。上記画素表面を加熱することなく乾燥除去することにより、同一組成の親液化処理溶液を用いた場合であっても、本工程において上記画素表面が親液化される程度をより向上することができるからである。なお、本工程においてはこのような乾燥除去方法のなかでも、実施容易性の観点からエアーナイフ法がより好適に用いられる。
(3)カラーフィルター用基板
次に、本工程に用いられるカラーフィルター用基板について説明する。本工程に用いられるカラーフィルター用基板は基材と、上記基材上に形成され、開口部を備える遮光部とを有するものである。また、上記開口部内の基材表面(画素表面)には後述する着色層形成工程において着色層が形成されるものである。
a.遮光部
まず、上記遮光部について説明する。上記遮光部は後述する基材上に形成され、開口部を有するものである。
本工程に用いられる上記遮光部としては、通常、同一の形状を有する開口部が等間隔で規則的に形成されたものが用いられる。ここで、上記開口部の具体的な大きさや配置態様は特に限定されるものではなく、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等に応じて任意に決定することができる。
また、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等によっては、異なる形状を有する開口部が形成された遮光部が用いられる場合もあるが、この場合においても、上記開口部の具体的な大きさや配置態様は特に限定されるものではなく、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等に応じて任意に決定することができる。
このような上記遮光部としては、所望の遮光性を有する材料からなるものであれば特に限定されるものではないが、通常、遮光材料および樹脂から構成されるもの、または、金属材料からなるものが用いられる。
上記遮光部が遮光材料および樹脂から構成されるものである場合、上記遮光材料としては、一般的にカラーフィルターに用いられる樹脂製遮光部に用いられる材料を用いることができる。このような遮光材料としては、例えば、カーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子等を挙げることができる。
また、上記樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。
一方、上記遮光部が金属材料からなるものである場合、上記金属材料としては、所望の遮光性を有する金属であれば特に限定されないが、一般的にはクロム材料が用いられる。
また、上記遮光部には撥液性を示す撥液性材料が含有されてもいてもよい。このような撥液性材料が含有されることにより、撥液性に優れた遮光部を有するカラーフィルター用基板を得ることができるからである。
本工程に用いられる撥液性材料としては、遮光部を形成した際に所望の撥液性を発現できるものであれば特に限定されるものではない。このような撥液性材料としては、例えば、フッ素含有化合物、および、低表面エネルギー物質の微粒子等を挙げることができる。
上記フッ素含有化合物としては、例えば、下記式(1)または(2)で表される化合物のモノマーまたはオリゴマー等を例示することができる。
一般式(1):Rf−X−Rf´
一般式(2):(Rf−X−R)−Y−(R´−X´−Rf´)
ここで、上記式(1)または(2)において、RfおよびRf´はフルオロアルキル基、RおよびR´はアルキレン基を表し、RfとRf´また、RとR´は同一でも異なっていてもよい。また、X、X´およびYは、−COO−、−OCOO−、−CONR''−、−OCONR''−、−SONR''−、−SO−、−SOO−、−O−、−NR''−、−S−、−CO−、OSOO−、−OPO(OH)O−のうちのいずれかを表し、X、X´およびYは同一でも異なっていてもよい。R''はアルキル基または水素を表す。
また、上記フッ素含有化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロエチレンプロピレン樹脂、パーフルオロアルコキシ樹脂等も用いることができる。
一方、上記低表面エネルギー物質の微粒子としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フルオロオレフィンビニルエーテル系共重合体、3フッ化エチレン−フッ化ビニリデン共重合体等からなる微粒子や、シリコーン微粒子等を挙げることができる。
上記遮光部を形成する方法としては、上記開口部が所望の態様で配置された遮光部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えばクロム等の金属を用いたスパッタ法により形成する方法、遮光性粒子を含有させた樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、および、上記樹脂組成物を用いた熱転写法等を挙げることができる。このような遮光部を形成する具体的な方法としては、一般的にカラーフィルターに用いられる遮光部を形成する方法と同様であるため、ここでの詳しい説明は省略する。
b.基材
上記基材としては、上記遮光部および着色層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、従来よりカラーフィルターに用いられているもの等を用いることができる。このような基材としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基材、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基材等を挙げることができる。なかでも本工程において無機基材を用いることが好ましく、無機材料のなかでもガラス基材を用いることが好ましい。さらには、上記ガラス基材のなかでも無アルカリタイプのガラス基材を用いることが好ましい。上記無アルカリタイプのガラス基材は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルターに好適に用いることができるからである。
上記基材は、透明な基材であってもよく、または、反射性の基材や白色に着色したものであってもよいが、本工程においては通常透明なものが用いられる。
また、上記基材は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的の表面処理を施されたものであってもよい。このような表面処理としては例えば表面を親液性とするために、酸素ガスを導入ガスとしてプラズマ等を照射する処理を挙げることができる。
c.その他
本工程に用いられるカラーフィルター用基板は、上記遮光部の撥液性が、上記基材表面の撥液性よりも高いものであることが好ましい。本工程においてこのような遮光部の撥液性が高いカラーフィルター用基板を用いることにより、後述する着色層形成工程において上記遮光部の開口部内に滴下される着色層形成用塗工液が、上記遮光部を超えて他の開口部へ濡れ拡がることを防止できるため、本発明によって製造されるカラーフィルターの着色層に混色が生じることを防止できるからである。
ここで、上記「撥液性」とは、後述する着色層形成工程において上記遮光部の開口部内に滴下される着色層形成用塗工液に対する撥液性を意味するものである。
上記遮光部の撥液性の程度としては、相対的に上記基材表面よりも撥液性が高ければ特に限定されるものではない。なかでも本工程おいては上記撥液性が表面張力40mN/mの液体との接触角が、10°以上となる程度であることが好ましく、特に表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましく、さらには表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましい。また、純水との接触角が11°以上となる程度であることが好ましい。
一方、上記基材表面の親液性としては、上記遮光部の親液性よりも高ければ特に限定されるものではない。なかでも本工程において上記親液性が表面張力40mN/mの液体との接触角が9°未満となる程度であることが好ましく、特に表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下となる程度であることが好ましく、さらには表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となる程度であることが好ましい。
このような基材表面よりも遮光部の撥液性が高いカラーフィルター用基板を製造する方法としては、例えば、上記遮光部を構成する材料として、上記基材表面よりも撥液性の高い材料を用い、上述した方法により遮光部を形成する方法や、上述した方法によって基材上に遮光部を形成した後、事後的に上記遮光部の撥液性を上記基材の撥液性よりも高いものとする方法等を挙げることができる。
上記前者の方法としては、上記遮光部を構成する材料として、上述した撥液性材料を含有するものを用いる方法が好適に用いられる。このような方法によれば別途遮光部を撥液化する工程を実施することなく、撥液性の高い遮光部が形成されたカラーフィルター用基板を得ることができる。
一方、上記後者の方法としては、上記基材として無機材料からなる基材を用い、かつ、上記遮光部として樹脂および遮光性材料から構成されるものを用い、上述した方法によって基材上に遮光部を形成した後、上記遮光部にフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射をする方法が好適に用いられる。このような方法によれば、樹脂を含有する上記遮光部のみに選択的にフッ素を導入することができるため、上記基材表面よりも撥液性の高い遮光部を有するカラーフィルター用基板を容易に形成することができる。
ここで、上記遮光部にフッ素含有化合物の存在下でプラズマ照射する方法については、後述する「3.その他の工程」において詳述するためここでの説明は省略する。
2.着色層形成工程
次に、本発明における着色層形成工程について説明する。本工程は、上述した親液化処理工程により親液化された上記画素表面上に、インクジェット方式により着色層を形成する工程である。本工程においては、上述した親液化処理工程よって上記画素表面が親液化されていることにより、上記画素表面に着色層が形成されていない部位を残存させることなく、均一に着色層を形成することができる。
本工程において、上記画素表面上に着色層を形成する方法としては、各画素表面上に所望の厚みの着色層を形成することができる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、通常、インクジェットヘッドを用い、上記インクジェットヘッドまたはカラーフィルター用基板を移動させながら上記画素表面上に着色層形成用塗工液を滴下する方法が用いられる。
本工程に用いられる上記着色層形成用塗工液としては、所望の発色性を示す着色層を形成できるものであれば特に限定されず、一般的にインクジェット法によりカラーフィルターの着色層を形成する際に用いられるものを任意に用いることができる。なかでも本工程においては、通常、着色剤と、硬化成分と、有機溶媒とを含有するものが用いられる。
上記着色剤としては、所望の波長の光を吸収することができるものであれば特に限定されるものではない。このような着色剤は染料系材料であってもよく、または、顔料系材料であってもよい。このような着色剤の具体例としては、一般的にカラーフィルターに用いられる着色剤と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
上記硬化成分は、本工程において着色層を形成する際に上記着色剤を硬化させるものであり、通常、架橋可能なモノマー等が用いられる。このような硬化成分としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、エポキシ基、アミド基等の置換基を有するアクリル樹脂;シリコーン樹脂、エポキシ樹脂またはヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、または、それらの変性物;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール等のビニル系ポリマー等を挙げることができる。
また、本工程においてはこのような硬化成分を2種類以上用いてもよい。
また、上記有機溶媒としては、上記着色剤および上記硬化成分を所望の濃度で溶解できるものであれば特に限定されるものではない。このような有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類またはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜4個の炭素を含有するアルキレングリコール類;グリセリン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。なかでも本工程おいては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、マロン酸ジメチルなどが好適に用いられる。
また、上記有機溶媒は2種類以上を混合して用いてもよく、さらには水と混合して用いてもよい。
本工程に用いられる着色層形成用塗工液には、上記着色剤、硬化剤、および、有機溶媒以外に他の化合物が含まれていてもよい。このような他の化合物としては、例えば、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、架橋剤、光開始重合開始剤等を挙げることができる。
なお、上記着色層形成用塗工液の具体的な組成は、本工程において着色層を形成する具体的な方法や、本発明により製造されるカラーフィルターの用途等に応じて適宜調整して用いればよい。
本工程に用いられるインクジェットヘッドは、上記遮光部が備える開口部内の基材表上に、所望量の着色層形成用塗工液を滴下できるものであれば特に限定されるものではない。このようなインクジェットヘッドとしては、例えば、帯電した着色層形成用塗工液を連続的に吐出し磁場によって吐出量を制御する吐出方式のもの、圧電素子を用いて間欠的に着色層形成用塗工液を吐出する吐出方式のもの、または、着色層形成用塗工液を加熱しその発泡現象を利用して間欠的に吐出する吐出方式のもの等の一般的なインクジェットヘッドを用いることができる。
3.その他の工程
本発明のカラーフィルターの製造方法は、上記着色層形成工程以外に他の工程を有するものであってもよい。このような工程としては、一般的にカラーフィルターの製造に用いられる工程を用いることができるが、なかでも本発明に好適に用いられる工程としては、上記親液化処理工程前に上記カラーフィルター用基板の遮光部を撥液化する撥液化処理工程、および、上記親液化処理工程前に上記カラーフィルター用基板の上記遮光部が形成された面にプラズマを照射するプラズマ前処理工程を挙げることができる。
(1)撥液化処理工程
まず、上記撥液化処理工程について説明する。上述したように本工程は、上記親液化処理工程前に上記カラーフィルター用基板の遮光部の上記着色層形成用塗工液に対する撥液性を高める工程である。このような撥液化処理工程を有することにより、上記着色層形成工程において上記遮光部の開口部内に滴下される着色層形成用塗工液が、上記遮光部を超えて他の開口部へ濡れ拡がることを防止でき、これにより本発明によって製造されるカラーフィルターの着色層に混色が生じることを防止できるため、本発明はこのような撥液化処理工程を有することが好ましい。
本発明に用いられる撥液化処理工程において上記遮光部を撥液化する方法としては、上記遮光部の撥液性を相対的に上記カラーフィルター用基板に用いられる基材表面の撥液性よりも高くできる方法であれば特に限定されるものではない。
ここで、上記撥液性とは、上記着色層形成用塗工液に対する撥液性を意味するものである。
このような撥液化方法としては、例えば、上記遮光部の撥液性を上記遮光部が備える開口部内の基材表面の撥液性よりも高くできる方法であれば特に限定されない。なかでも本発明においては、上記遮光部を構成する材料として樹脂材料を用い、かつ、上記基材を構成する材料として無機材料が用いられたカラーフィルター用基板を用い、上記遮光部にフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマを照射する方法を用いることが好ましい。このような方法は有機物にのみ上記フッ素化合物を導入することができるため、上記遮光部のみに選択的にフッ素を導入できる結果、上記遮光部の撥液性を上記基材表面のそれよりも容易に高くすることができるからである。
ここで、上記プラズマ照射を行った際の、上記遮光部におけるフッ素の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析において、遮光部の表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
上記導入ガスに用いられるフッ素化合物としては、例えば、CF、SF、CHF、C、C、C等を挙げることができる。
また、上記導入ガスとしては、上記フッ素ガスと他のガスとが混合されたものであってもよい。このような他のガスとしては、例えば、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができるが、なかでも窒素を用いることが好ましい。さらに上記他のガスとして窒素を用いる場合、窒素の混合比率は50%以上であることが好ましく、特に60%以上であることが好ましい。
また、上記プラズマ照射を照射する方法としては、上記遮光部を撥液化することが可能な方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、減圧下でプラズマ照射してもよく、または、大気圧下でプラズマ照射してもよい。なかでも、本発明においては特に大気圧下でプラズマ照射が行われることが好ましい。これにより、減圧用の装置等が必要なく、コストや製造効率等の面から好ましいものとすることができるからである。
(2)プラズマ前処理工程
次に、上記プラズマ前処理工程について説明する。上述したように本工程は、上記親液化処理工程前に上記カラーフィルター用基板の上記遮光部が形成された面にプラズマを照射する工程である。このようなプラズマ前処理工程を有することにより、上記親液化処理工程前に上記画素表面に存在する残渣をドライエッチングにより除去することができるため、本発明によって上記残渣に起因する表示欠陥が少ないカラーフィルターを製造することができる。
また、本発明のカラーフィルターの製造方法に用いられる上記他の工程として、上述したフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ照射方法を用いる撥液化処理工程が用いられる場合、本工程は上記撥液化処理工程よりも前に実施されることが好ましい。その理由は次の通りである。すなわち、上記撥液化処理工程は、樹脂等の有機物に選択的にフッ素を導入することにより撥液化するものであるため、上記画素表面に有機物が残存していると、その部位が撥液化されてしまい、これに起因して上述した着色層形成工程において塗工欠陥が生じてしまう可能性がある。しかしながら、上記撥液化処理工程前に本工程を実施することにより、上記画素表面の有機物を上記撥液化処理工程前に除去することができるため、このような塗工欠陥の発生を防止することができるからである。
本工程において上記カラーフィルター用基板の上記遮光部が形成された面にプラズマを照射する方法としては、上記遮光部の開口部内に存在する残渣をドライエッチングにより除去できる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的に有機物をドライエッチングにより除去するために用いられるプラズマ照射方法を用いることができる。なかでも本工程においては、上記プラズマ照射方法として、酸素と、窒素、ヘリウム、または、窒素からなる群から選択される少なくとも1種のガスとの存在下においてプラズマを照射する方法を用いることが好ましい。
(3)その他
上記撥液化処理工程および上記プラズマ前処理工程以外に、本発明に用いることができる他の工程としては、例えば、上記着色層形成工程により形成される着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程、上記着色層上にITO,IZO等の透明電極を形成する透明電極形成工程、対向基板とのセルギャップを均一にするためのスペーサー材を所定の位置に形成するスペーサー形成工程、および、液晶の配向を制御するための構造物を形成する配向制御構造物形成工程等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げることにより、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(1)プラズマ前処理工程
下記組成の遮光性物質含有混合物を90℃に加熱して溶解し、12000rpmで遠心分離を行ない、その後、1μmのグラスフィルタで濾過した。得られた水性着色樹脂溶液に、架橋剤として重クロム酸アンモニウムを1質量%添加して遮光部形成用塗工液を調整した。続いてガラス基板からなる基材上に上記遮光部形成用塗工液を塗布、露光、現像し、遮光部を形成することによってカラーフィルター用基板を得た。
<遮光性物質含有混合物の組成>
・カーボンブラック(三菱化学(株)製#950) 4.0重量部
・ポリビニルアルコール
(日本合成化学(株)製ゴーセノールAH−26) 0.7重量部
・イオン交換水 95.3重量部
次に、上記カラーフィルター用基板の上記遮光部が形成された面に、酸素および窒素を1:5の比率で混合したガス雰囲気下でプラズマを照射することにより、上記遮光部が備える開口部内の残渣を除去した。このとき、上記プラズマ照射条件は以下の通りとした。
<プラズマ照射条件(プラズマ前処理工程)>
電源出力 : 150V −5A
電極―基板間距離 : 2mm
(2)撥液化処理工程
上記プラズマ前処理工程により、上記遮光部が備える開口部内の残渣を除去したカラーフィルター用基板の、上記遮光部が形成された面にCFおよびNを1:1の比率で混合したガス雰囲気下でプラズマ照射を行うことによって、上記遮光部を撥液化した。このときのプラズマ照射条件は以下の通りとした。このような大気圧プラズマ照射により、遮光部上は撥液性領域、上記ガラス基板が露出した開口部は親液性領域となった。親液性領域、撥液性領域それぞれにおける純水との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定した結果、親液性領域では、7°であり、撥液性領域では100°であった。
<プラズマ照射条件(撥液化処理工程)>
・導入ガス : CF 、N …15L/min.
・電極−基板間距離 : 2mm
・電源出力 : 200V − 5A
(3)親液化処理工程
上記撥液化処理工程によって、上記遮光部が撥液化されたカラーフィルター用基板を表1に示す組成を有する親液化処理溶液1〜8に5分間浸漬した後、上記親液化処理溶液から取り出し、スピン法(5000rpm、30秒)により乾燥させた。
Figure 2007219482
(4)着色層形成工程
上記親液化処理工程により親液化された上記開口部内の基材表面に、インクジェット方式により下記組成を有する着色層形成用塗工液Iを塗工することにより、着色層を形成した。
<着色層形成用塗工液Iの組成>
・顔料分散液I: 49.5重量部
・グリシジルメタクリレートーメチルメタクリレート共重合体: 10重量部
・多官能エポキシ化合物(エピコート151S70): 2重量部
・トリメリット酸: 3.5重量部
・ブチルカルビトールアセテート: 35重量部
(顔料分散液Iの組成)
・C.I.ピグメントレッド254 : 6.88重量部
・C.I.ピグメントレッド177 : 0.62重量部
・byk161 : 3重量部
・n−フェニルマレインイミド/ベンジルメタクリレート共重合体 : 1重量部
・ブチルカルビトールアセテート : 38重量部
(実施例2)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表2に示す組成を有する親液化処理溶液9〜16を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
Figure 2007219482
(実施例3)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表3に示す組成を有する親液化処理溶液17〜19を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
Figure 2007219482
(比較例1)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として純水を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例2)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてイソプロピルアルコール単体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例3)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてt−ブタノール単体を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例4)
上記親液化処理工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(評価)
上記実施例1〜3および比較例1〜4において形成されたカラーフィルターについて以下の評価を行った。
(1)親液性評価
上記実施例および比較例において、上記親液化処理工程後に上記開口部内の基材表面が親液化された程度を評価した。評価は、インクジェット法により上記開口部内の基材表面に上述した組成を有する着色層形成用塗工液Iの10pL(ピコリットル)の液滴を滴下し、上記基材表面上に形成された円形の着色層の直径(着弾径)を測定することによって行った。このような評価方法では、上記親液化された程度が高い場合は、滴下された着色層形成用塗工液が濡れ拡がりやすいため上記着弾径は大きくなり、一方、上記親液化された程度が低い場合は上記着弾径が小さくなることになる。
上記着弾径は、光学顕微鏡により上記着色層の画像を取り込み、画像解析ソフトウエア(Image−Pro plus:プラネトロン社製)により、上記着弾径を実測することにより求めた。ここで、上記着色層が楕円形である場合には、長軸の長さを着弾径とした。
(2)白抜け評価
上記実施例および比較例によって形成したカラーフィルターについて白抜けを評価した。評価は、光学顕微鏡で画素を拡大表示し、1つの画素内で色濃度が低く、白く見える部分の有無とその場所を特定することにより行った。なお、白抜け評価の基準は以下の通りとした。
◎:白抜け無し
○:白抜けほとんど無し
△:白抜け少ない
×:白抜け多い
(3)評価結果
上記親液性評価、および、白抜け評価の結果を以下の表4に示す。表4に示すように、上記親液化処理溶液として水あるいは溶媒のみを用いた比較例よりも、実施例の方が上記親液化処理工程において上記開口部内の基材表面の親液性が高くなった。また、上記比較例よりも実施例の方が白抜けが少なくなった。
Figure 2007219482
(実施例4)
(1)プラズマ前処理工程
下記組成の遮光性物質含有混合物を90℃に加熱して溶解し、12000rpmで遠心分離を行ない、その後、1μmのグラスフィルタで濾過した。得られた水性着色樹脂溶液に、架橋剤として重クロム酸アンモニウムを1質量%添加して遮光部形成用塗工液を調整した。続いてガラス基板からなる基材上に上記遮光部形成用塗工液を塗布、露光、現像し、遮光部を形成することによってカラーフィルター用基板を得た。
<遮光性物質含有混合物の組成>
・カーボンブラック(三菱化学(株)製#950) 4.0重量部
・ポリビニルアルコール
(日本合成化学(株)製ゴーセノールAH−26) 0.7重量部
・イオン交換水 95.3重量部
次に、上記カラーフィルター用基板の上記遮光部が形成された面に、酸素および窒素を1:5の比率で混合したガス雰囲気下でプラズマを照射することにより、上記遮光部が備える開口部内の残渣を除去した。このとき、上記プラズマ照射条件は以下の通りとした。
<プラズマ照射条件(プラズマ前処理工程)>
電源出力 : 150V −5A
電極―基板間距離 : 2mm
(2)撥液化処理工程
上記プラズマ前処理工程により、上記遮光部が備える開口部内の残渣を除去したカラーフィルター用基板の、上記遮光部が形成された面にCFおよびNを1:1の比率で混合したガス雰囲気下でプラズマ照射を行うことによって、上記遮光部を撥液化した。このときのプラズマ照射条件は以下の通りとした。このような大気圧プラズマ照射により、遮光部上は撥液性領域、上記ガラス基板が露出した開口部は親液性領域となった。親液性領域、撥液性領域それぞれにおける純水との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定した結果、親液性領域では、7°であり、撥液性領域では100°であった。
<プラズマ照射条件(撥液化処理工程)>
・導入ガス : CF 、N …15L/min.
・電極−基板間距離 : 2mm
・電源出力 : 200V − 5A
(3)親液化処理工程
上記撥液化処理工程によって、上記遮光部が撥液化されたカラーフィルター用基板を表5に示す組成を有する親液化処理溶液20〜24にそれぞれ5分間浸漬した後、上記親液化処理溶液から取り出し、スピン法(5000rpm、30秒)により乾燥させた。
Figure 2007219482
(4)着色層形成工程
上記親液化処理工程により親液化された上記開口部内の基材表面に、インクジェット方式により下記組成を有する着色層形成用塗工液IIを塗工することにより、着色層を形成した。
<着色層形成用塗工液IIの組成>
・顔料分散液II: 33重量部
・グリシジルメタクリレートーメチルメタクリレート共重合体: 15重量部
・多官能エポキシ化合物(エピコート151S70): 3重量部
・トリメリット酸: 4.5重量部
・ブチルカルビトールアセテート: 44.5重量部
(顔料分散液IIの組成)
・C.I.ピグメントブルー15:6: 4.68重量部
・C.I.ピグメントブルー23: 0.32重量部
・byk161: 1.5重量部
・n−フェニルマレインイミド/ベンジルメタクリレート共重合体: 1.5重量部
・ブチルカルビトールアセテート: 25重量部
(実施例5)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表6に示す組成を有する親液化処理溶液25〜29を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
Figure 2007219482
(実施例6)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表7に示す組成を有する親液化処理溶液30〜34を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
Figure 2007219482
(実施例7)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表8に示す組成を有する親液化処理溶液35〜39を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
Figure 2007219482
(実施例8)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表9に示す組成を有する親液化処理溶液40〜44を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
Figure 2007219482
(実施例9)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として表10に示す組成を有する親液化処理溶液45〜49を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
Figure 2007219482
(比較例5)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてイソプロピルアルコール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例6)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてt−ブタノール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例7)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてジアセトンアルコール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例8)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてプロピレングリコールモノメチルエーテル単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例9)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として1,3−ブタンジオール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例10)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液としてプロピレングリコール単体を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例11)
上記親液化処理工程に用いられる親液化処理溶液として純水を用いたこと以外は、実施例4と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(比較例12)
上記親液化処理工程を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法によりカラーフィルターを製造した。
(評価)
上記実施例4〜9および比較例5〜12において形成されたカラーフィルターについて以下の評価を行った。
(1)親液性評価
上記実施例および比較例において、上記親液化処理工程後に上記開口部内の基材表面が親液化された程度を評価した。評価は、インクジェット法により上記開口部内の基材表面に上述した組成を有する着色層形成用塗工液IIの10pL(ピコリットル)の液滴を滴下し、上記基材表面上に形成された円形の着色層の直径(着弾径)を測定することによって行った。このような評価方法では、上記親液化された程度が高い場合は、滴下された着色層形成用塗工液が濡れ拡がりやすいため上記着弾径は大きくなり、一方、上記親液化された程度が低い場合は上記着弾径が小さくなることになる。
上記着弾径は、光学顕微鏡により上記着色層の画像を取り込み、画像解析ソフトウエア(Image−Pro plus:プラネトロン社製)により、上記着弾径を実測することにより求めた。ここで、上記着色層が楕円形である場合には、長軸の長さを着弾径とした。
(2)白抜け評価
上記実施例および比較例によって形成したカラーフィルターについて白抜けを評価した。評価は、光学顕微鏡で画素を拡大表示し、1つの画素内で色濃度が低く、白く見える部分の有無とその場所を特定することにより行った。なお、白抜け評価の基準は以下の通りとした。
◎:白抜け無し
○:白抜けほとんど無し
△:白抜け少ない
×:白抜け多い
(3)評価結果
上記親液性評価、および、白抜け評価の結果を以下の表11に示す。表11に示すように、上記親液化処理溶液として水あるいは溶媒のみを用いた比較例よりも、実施例の方が上記親液化処理工程において上記開口部内の基材表面の親液性が高くなった。また、上記比較例よりも実施例の方が白抜けが少なくなった。
Figure 2007219482
本発明のカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略図である。 従来のインクジェット法を用いたカラーフィルターの製造方法の一例を示す概略図である。 従来のインクジェット法により作成されたカラーフィルターの一例を示す概略図である。
符号の説明
1 … カラーフィルター用基板
1a … 基材
1b … 遮光部
2a、2b、2c … 着色層
20 … カラーフィルター用基板
21 … 基材
22 … 遮光部
30 … 着色層
30’ … 着色層形成用塗工液
40 … インクジェットヘッド

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、複数の開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルター用基板を用い、
    前記開口部内の基材表面に、水酸基を有する水溶性有機溶媒および水を含む親液化処理溶液を接触させることにより、前記開口部内の基材表面を親液化する親液化処理工程と、
    前記親液化処理工程により親液化された前記開口部内の基材表面上に、インクジェット方式により着色層を形成する着色層形成工程と、を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
  2. 前記水溶性有機溶媒がアルコール類であることを特徴とする、請求項1に記載のカラーフィルターの製造方法。
  3. 前記アルコール類がイソプロピルアルコール、t−ブタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3−ブタンジオール、および、プロピレングリコールからなる群から選択される少なくとも1つであることを特徴とする、請求項2に記載のカラーフィルターの製造方法。
  4. 前記親液化処理溶液中における前記アルコール類の含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であることを特徴とする、請求項3に記載のカラーフィルターの製造方法。
  5. 前記基材が無機材料から構成されるものであり、かつ、前記遮光部が樹脂および遮光性材料から構成されるものであり、さらに、前記親液化処理工程前に前記遮光部にフッ素化合物を導入ガスとしたプラズマを照射することにより、前記遮光部を撥液化する撥液化処理工程を有することを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  6. 前記親液化処理工程前に、前記カラーフィルター用基板の前記遮光部が形成された面にプラズマを照射するプラズマ前処理工程を有することを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
  7. 前記遮光部に撥液性を示す撥液性材料が含有されていることを特徴とする、請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のカラーフィルターの製造方法。
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