JP2010023144A - 旋削用チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】単一のチップにより粗加工と仕上げ加工とを可能とし、全てのコーナーを有効に活用することができる経済性に優れたチップを提供する。
【解決手段】旋削用チップは、複数の刃先を有しており、この刃先のうち少なくとも2つの刃先は同一の刃先角を有し、かつ、その刃先角が90度以下であり、同一の刃先角を有する刃先は少なくとも2種のノーズ半径を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、旋削加工に用いる切削工具に関する。
切削加工において、切削工具のノーズ半径の選定は非常に重要であることが知られている(特許文献1および特許文献2等)。たとえば、特許文献1には、コーナー半径(ノーズ半径)の大きさは、切れ刃寿命や寸法精度等に影響するものであり、加工材の種類および加工条件に応じて最適なものを選択しなければ、不良品を出すなどの多大な損失を被ることがあるという問題点が挙げられている。
被削材の種類や複数の加工条件等に対応できる切削工具として、図13に示すようにチップの鋭角コーナー部のノーズ半径をReとし、鈍角コーナー部のノーズ半径をRdとした切削工具が提案されている(たとえば、特許文献3)。特許文献3に開示された切削工具は、鈍角コーナー部を鋭角コーナー部よりも強化し旋削荒加工(旋削粗加工)における刃先寿命を改善することにより、鈍角コーナー部の使用頻度を高め、経済性を向上させることを目的とするものである。
特開平11−235607号公報 特開2001−322022号公報 特開2007−7736号公報
近年、チップなどの切削工具の性能は年々向上しており、個々のチップの寿命が長くなってきている。このような状況下、上記特許文献3に提案されるような切削工具は複数の切削条件等に対応できるものの、たとえば鋭角コーナー部が寿命を迎えた場合には、該コーナー部に対応する切削を行なうために鈍角コーナー部が未使用の状態でチップを交換する必要があった。この場合、未使用の鈍角コーナー部を有するチップを在庫として保管しなければならなかった。また、上述のように旋削粗加工における寿命を考慮したものであることから、切削と仕上げのように異種の切削を可能とするものではなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、1つのチップにより粗加工と仕上げ加工とを可能とし、全てのコーナーを有効に活用することができる経済性に優れたチップを提供することを目的とする。
本発明の旋削用チップは、複数の刃先を有し、この刃先のうち少なくとも2つの刃先は同一の刃先角を有し、かつ、その刃先角が90度以下であり、同一の刃先角を有する刃先は少なくとも2種のノーズ半径を有することを特徴とする。
上記旋削用チップの対向するすくい面における各対応するコーナーにおける刃先のノーズ半径は同一であることが好ましく、また、各すくい面におけるコーナーごとに異なるノーズ半径を有することが好ましい。
また、上記旋削用チップはネガチップであり、該ネガチップの同一すくい面内における刃先のノーズ半径は同一であることが好ましい。
また、旋削用チップは、その側面が無研磨状態であることが好ましい。
本発明において、少なくとも2種の上記ノーズ半径のうち、最大のノーズ半径が、最小のノーズ半径の整数倍であることが好ましく、また、最大のノーズ半径が最小のノーズ半径の2倍以上であることが好ましい。
本発明によれば、形状(刃先角)が同一でノーズ半径のみが異なる刃先を単一のチップが備えるので、被削材の粗加工と仕上げ加工とを同一のチップで行なうことが可能となる。その結果、加工効率を向上させることができ、また、チップの全てのコーナーを有効に活用することが可能となる。
<旋削用チップ>
本発明の旋削用チップは、旋削加工用刃先交換型切削チップとして有効に用いることができ、たとえば、基材と該基材上に形成された被膜とを備える構成とすることができる。被膜を含む場合は、該被膜の組成を調整することで対象とする被削材を多種多様にすることができ、たとえば鋼や鋳鉄などの旋削加工用刃先交換型切削チップとして有用なものとすることができる。
このようなチップとしては、切削面が片面であり、かつ、すくい面が基準面に対してプラス角であるいわゆるポジチップと、切削面が両面であり、かつ、すくい面が基準面に対してマイナス角であるいわゆるネガチップのいずれを用いてもよい。なお、ポジチップにおいては、ノーズ半径の種類が多く、寿命が長いことが一般的であるが、このようなポジチップは従来、特定のノーズ半径Aを有する刃先は2つ備えられた同一形状のものがおよそ10個のセットとして市販されているため、例えば使用頻度の低いノーズ半径を有する刃先を備えたセットは長期保管しなければならず、必ずしもコストパフォーマンスのよいものではなかった。一方、本発明の場合は、2つの刃先のうち1つの刃先のみが特定のノーズ半径Aを有することになるので、特定のノーズ半径Aに関してチップの寿命は低下し、その結果、チップの交換が必要となる。そして、セットの全てのチップが使用され得ることとなり、在庫保持などの問題が解消される。このように、上記本発明の旋削用チップによれば複数のノーズ半径を単一のチップが備えるので効率のよい切削が可能であり、特にネガチップにおいてコストでの本発明の効果が大きい。
<基材>
本発明の旋削用チップの基材としては、このようなチップの基材として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。具体的には、超硬合金(例えばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体等を例示することができる。このような基材として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。なお、これらの基材は、その表面が改質されたものであっても差し支えない。たとえば、超硬合金の場合はその表面に脱β層がされていたり、サーメットの場合には表面硬化層が形成されていたりしてもよく、このように表面が改質されていても本発明の効果は示される。
<被膜>
本発明の旋削用チップの上記基材上に被膜を形成する場合、このような被膜の組成は特に限定されず、従来公知の1層または2層以上からなる被膜を適用することができる。被膜は、基材上の全面を被覆するもののみに限定されるものではなく、部分的に被膜が形成される態様をも含む。
<刃先>
本発明の旋削用チップは複数の刃先を有し、この刃先のうち少なくとも2つの刃先は同一の刃先角(頂角)を有する。複数の刃先において、少なくとも2つの刃先を同一の刃先角とすることによって、粗加工と仕上げ加工とを単一のチップにより施すことが可能となるので、加工ごとのチップ交換等を省略でき、製造効率を高めることができる。なお、本発明において、刃先とはチップのコーナーのうち切れ刃を備えた部分をいい、刃先角とは、JIS B 4120(1998)により規格化されたチップ形状として規定されたものであり、各刃先において2本の刃先稜線がなす角である。本発明において同一とは実質的に同一なものを含み必ずしも完全一致のみをいうものではない。このような実質的に同一なものとは、誤差の範囲を含むものであり、刃先角におけるこの誤差の範囲は±30′である。
本発明の旋削用チップの刃先の刃先角は90度以下である。刃先角が90度以下である刃先を備えた旋削用チップの形状としては、JIS B 4120(1998)またはISO1832に規格されるS型(正方形、刃先角90度)、T型(正三角形、刃先角60度)、C型(菱形、刃先角80度)、D型(菱形、刃先角55度)、V型(菱形、刃先角35度)等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、所望の形状で刃先角が90度以下であれば、いずれの形状であってもよい。
本発明において、上記同一の刃先角を有する刃先は少なくとも2種のノーズ半径を有する。このように、同一の刃先角を有する刃先のノーズ半径が2種以上存在するので、粗加工と仕上げ加工とを単一のチップで行なうことが可能となる。また、このように単一のチップで粗加工と仕上げ加工とを行なう場合は、チップの全コーナーが使用されることになり、従来のように一部のコーナーを使用したチップを多数在庫として保有しなければならないということが少なくなる。なお、ノーズ半径とは、JIS B 4120(1998)により規格化された各刃先の基準内接円直径をいう。また、以下においてノーズ半径がa(mm)の場合をaRと表記する場合がある。
本発明においては同一の刃先角のノーズ半径が異なるため、これらの識別を容易にするために、たとえば、ネガチップにおいて上面と下面とでノーズ半径を変更することや、対向する上下すくい面における各対応するコーナーの刃先は同じノーズ半径にしておくことが有効である。
具体的には、刃先のノーズ半径を、旋削用チップの上下対向するすくい面の各対応するコーナーにおいて同一のノーズ半径とすることが好ましい。このように対向する上下すくい面の各対応するコーナーのノーズ半径が同一の場合は、チップがケースに入ったままの状態で識別することが可能であり、特に側面が無研磨の状態のままであるときは、この識別性が特に有効である。
また、上記のように上下対向するすくい面の各対応するコーナーにおいて同一のノーズ半径とする場合、各すくい面のコーナーごとのノーズ半径は相異なるものとすることが好ましい。このような形態とすることによって、より幅広い加工に対応させることができる。
本発明において、ネガチップを使用する場合は、該ネガチップの同一すくい面内における刃先のノーズ半径は同一とすることができる。この場合、たとえば、一方のすくい面で粗加工を行ない、その後すくい面をかえて仕上げ加工を行なうので、切れ刃の選択を誤る可能性が著しく低くなる。
<ノーズ半径>
本発明において、上記ノーズ半径の大きさは特に限定されないが、最大のノーズ半径が、最小のノーズ半径の整数倍であることが好ましく、また、最大のノーズ半径が最小のノーズ半径の2倍以上であることが好ましい。このようなノーズ半径に設計することで、単一のチップでより幅広い加工に対応させることができ、工具コストを低減することができる。上記幅広い加工としては、例えば、粗加工に1.2Rや0.8Rを用い、仕上げ加工に1.2Rや0.4Rを使用する場合などが挙げられる。また、種々の部品を加工することが可能であり、加工部分に最適なノーズ半径を単一のチップで選択し得るので加工効率を向上させることができる。
<研磨>
本発明の旋削用チップは、上記のような形状を有する限り、側面(逃げ面)または上下すくい面の少なくともいずれが研磨されていても有効である。この場合、研磨対象となる旋削用チップは、基材のみからなってもよいし、基材に対して被膜が形成されていてもよい。なお、研磨のかわりに、側面または上下すくい面の少なくともいずれかが表面処理されていても本発明の効果は奏される。なお、側面を研磨するチップの場合には、同一コーナーの上下の刃先は同じノーズ半径にしておくことが工業的に有利である。
<マーキング>
旋削用チップの刃先に識別性を付与するためには、すくい面の切れ刃毎のコーナーに識別用の刻印(マーキング)をする方法も有効である。このようなマーキング方法は特に限定されず、たとえば旋削用チップの製造工程におけるプレスと同時に刻印を付してもよいし、加工後にレーザマークやボールエンドミルなどにより刻印を付してもよい。また、刻印の形状は、それぞれの刃先のノーズ半径に対応させて識別性を付与すれば、どのような形状でも採用することができる。
<チップブレーカー>
本発明は、旋削用チップにチップブレーカーがあっても無くても有効であり、またコーナー毎にチップブレーカーが異なっていても有効である。その他、コーナー毎に刃先処理が異なっていても本発明の形状による効果は奏される。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態の説明では、図面を用いて説明しているが、本願の図面において同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。
(実施の形態1−1)
実施の形態1−1においては、超硬合金に対してCVD法によってコーティング材質AC2000(住電ハードメタル(株)製)でコーティングした、刃先角が80度である刃先を4つ備えたネガチップ(CNMA1204形状)を用いた場合の刃先の形状について説明する。このような形状のネガチップは、通常、たとえば図1の典型的な旋削用チップの模式図に示されるものであり、図1中に示すように、切れ刃A〜D(図中Dは、切れ刃Bの対向するすくい面における切れ刃を示す)の4つの刃先を有する。
図2は実施の形態1−1における旋削用チップの切削面の形状の概略を示す図であり、図2(a)は実施の形態1−1における旋削用チップの上面概略図であり、図2(b)は実施の形態1−1における旋削用チップの下面概略図である。実施の形態1−1においては、旋削用チップの上面の2つのノーズ半径を0.4mmとし、下面の2つのノーズ半径を1.2mmとする。そして、ノーズ半径を目視により容易に確認できるように、上記ノーズ半径に対応する刻印として、ノーズ半径が0.4mmの場合に「04」の刻印を付し(図2(a))、ノーズ半径が1.2mmの場合に「12」の刻印を付す(図2(b))。なお、側面は無研磨の状態とした。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。
(実施の形態1−2)
実施の形態1−2においては、対向するすくい面の同一コーナーのノーズ半径が同一となるように処理した以外は、実施の形態1−1と同形状の旋削用チップである。
具体的には、図3(a)および図3(b)に示すように、旋削用チップの上面の2つのノーズ半径をそれぞれ0.4mmと1.2mmとし、下面の2つのノーズ半径を、それぞれ各対応するのコーナーの上面のノーズ半径と同じく、0.4mmと1.2mmとする。そして、これらノーズ半径の識別性を確保するために、実施の形態1−1と同様にノーズ半径が0.4mmの場合に「04」の刻印を付し、ノーズ半径が1.2mmの場合に「12」の刻印を付す。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。また、同一のコーナーに同一の刃先角およびノーズ半径を有する刃先を設けることによって、単一のチップでより幅広い加工に対応させることができ、工具コストを低減することができる。
(実施の形態1−3)
実施の形態1−3においては、4つの切れ刃のノーズ半径がそれぞれ相異なるものとなるように処理した以外は、実施の形態1−1と同形状の旋削用チップである。
具体的には、図4(a)および図4(b)に示すように、旋削用チップの上面の2つのノーズ半径をそれぞれ0.4mmと0.8mmとし、下面の2つのノーズ半径をそれぞれ1.2mmと1.6mmとする。そして、これらノーズ半径の識別性を確保するために、実施の形態1−1と同様にノーズ半径が0.4mmの場合に「04」の刻印を付し、ノーズ半径が0.8mmの場合に「08」の刻印を付し、ノーズ半径が1.2mmの場合に「12」の刻印を付し、ノーズ半径が1.6mmの場合に「16」の刻印を付す。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。また、全ての刃先が異なるノーズ半径を有する刃先を設けることによって、粗加工や仕上げ加工、また、特定のノーズ半径を必要とする加工等、単一のチップで幅広い加工に対応が可能となる。
(実施の形態2−1)
実施の形態2−1は、ノーズ半径の識別力を向上させるために刻印として丸印を用いたものであり、ノーズ半径が0.4mmの場合に丸印の刻印を1つ(図5(a))、ノーズ半径が1.2mmの場合に丸印の刻印を3つ(図5(b))付した以外は、実施の形態1−1と同一の旋削用チップである。
このようにノーズ半径に対応する刻印を付することにより、数値を刻印するスペースおよび煩雑さを解消することができ、かつ識別性を維持することができる。
(実施の形態2−2)
実施の形態2−2は、ノーズ半径の識別力を向上させるために刻印として丸印を用いたものであり、図6(a)および図6(b)に示すように、ノーズ半径が0.4mmの場合に丸印の刻印を1つ、ノーズ半径が1.2mmの場合に丸印の刻印を3つ付した以外は、実施の形態1−2と同一の旋削用チップである。
このようにノーズ半径に対応する刻印を付することにより、数値を刻印するスペースおよび煩雑さを解消することができ、かつ識別性を維持することができる。
(実施の形態2−3)
実施の形態2−3は、ノーズ半径の識別力を向上させるために刻印として丸印を用いたものであり、図7(a)および図7(b)に示すように、ノーズ半径が0.4mmの場合に丸印の刻印を1つ、ノーズ半径が0.8mmの場合に丸印の刻印を2つ、ノーズ半径が1.2mmの場合に丸印の刻印を3つ、ノーズ半径が1.6mmの場合に丸印の刻印を4つ付した以外は、実施の形態1−3と同一の旋削用チップである。
このようにノーズ半径に対応する刻印を付することにより、数値を刻印するスペースおよび煩雑さを解消することができ、かつ識別性を維持することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、サーメットT1200A、刃先角が60度である刃先を6つ(上面3つ、下面3つ)備えた正三角形のネガチップ(TNGA1604形状)を用いた場合の刃先の形状について説明する。
図8(a)は実施の形態3における旋削用チップの切削面の形状の概略を示す図である。実施の形態3においては、旋削用チップの上面の3つのノーズ半径をそれぞれ、0.05mm、0.10mm、0.15mmとし、下面の3つのノーズ半径については、同一コーナーのノーズ半径が上下面で同一となるように処理した。そして、ノーズ半径を目視により容易に確認できるように、上記ノーズ半径に対応する刻印として、ノーズ半径が0.05mmの場合に「005」の刻印を付し、ノーズ半径が0.10mmの場合に「010」の刻印を付し、ノーズ半径が0.15mmの場合に「015」の刻印を付す(図8(a))。なお、側面はダイヤモンド砥石によって、研磨された状態とした。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。また、実施の形態3のようにノーズ半径が小さくなる場合は、刻印による識別性の付与が有効であることがわかる。
(実施の形態4)
実施の形態4は、ノーズ半径の識別力を向上させるために刻印として丸印を用いたものであり、図8(b)に示すように、ノーズ半径が0.05mmの場合に丸印の刻印を1つ、ノーズ半径が0.10mmの場合に丸印の刻印を2つ、ノーズ半径が0.15mmの場合に丸印の刻印を3つ付した以外は、実施の形態3と同一の旋削用チップである。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。
(実施の形態5)
実施の形態5においては、PVDコーティング材質ACZ310(住電ハードメタル(株)製)、刃先角が35度である刃先を4つ(上面2つ、下面2つ)備えた菱形のネガチップ(VNGA1604形状)を用いた場合の刃先の形状について説明する。
図9は実施の形態5における旋削用チップの切削面の形状の概略を示す図である。実施の形態5においては、旋削用チップの上面の2つのノーズ半径をそれぞれ、0.1mm、0.2mmとし、下面の2つのノーズ半径については、同一コーナーのノーズ半径が上下面で同一となるように処理した。そして、ノーズ半径を目視により容易に確認できるように、上記ノーズ半径に対応する刻印として、ノーズ半径が0.1mmの場合に「01」の刻印を付し、ノーズ半径が0.2mmの場合に「02」の刻印を付す。なお、側面はダイヤモンド砥石により、研磨された状態とした。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。また、実施の形態5のようにノーズ半径が小さくなる場合は、刻印による識別性の付与が有効であることがわかる。
(実施の形態6)
実施の形態6は、ノーズ半径の識別力を向上させるために刻印として三角印を用いたものであり、図10に示すように、ノーズ半径が0.1mmの場合に三角印の刻印を1つ、ノーズ半径が0.2mmの場合に三角印の刻印を2つ付した以外は、実施の形態5と同一の旋削用チップである。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。
(実施の形態7)
実施の形態7においては、超硬合金H1(JIS規格)、刃先角が55度である刃先を2つ(上面2つ)備えた菱形のポジチップ(DCGT11T3形状)を用いた場合の刃先の形状について説明する。
図11(a)は実施の形態7における旋削用チップの切削面の形状の概略を示す図である。実施の形態7においては、旋削用チップの2つのノーズ半径をそれぞれ、0.05mmと0.1mmとした。そして、ノーズ半径を目視により容易に確認できるように、上記ノーズ半径に対応する刻印として、ノーズ半径が0.05mmの場合に「005」の刻印を付し、ノーズ半径が0.1mmの場合に「01」の刻印を付す。なお、側面はダイヤモンド砥石によって研磨された状態とした。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。
(実施の形態8)
実施の形態8は、ノーズ半径の識別力を向上させるために刻印として棒印を用いたものであり、図11(b)に示すように、ノーズ半径が0.05mmの場合に棒印を1つ刻印し、ノーズ半径が0.1mmの場合に2つの棒印を付した以外は、実施の形態7と同一の旋削用チップである。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。
(実施の形態9)
実施の形態9においては、窒化ケイ素セラミックNS260(住友電工ハードメタル製)で、刃先角が90度である刃先を8つ(上面4つ、下面4つ)備えた正方形のネガチップ(SNMA1204形状)を用いた場合の刃先の形状について説明する。
図12(a)は実施の形態9における旋削用チップの切削面の形状の概略を示す図である。実施の形態9においては、旋削用チップの上面4つの刃先のノーズ半径をそれぞれ、0.4mm、0.8mm、0.8mm、1.2mmとした。また、旋削用チップの下面4つの刃先のノーズ半径は、同一コーナーのノーズ半径が上下面で同一となるように処理した。そして、ノーズ半径を目視により容易に確認できるように、上記ノーズ半径に対応する刻印として、ノーズ半径が0.4mmの場合に「04」の刻印を付し、ノーズ半径が0.8mmの場合に「08」の刻印を付し、ノーズ半径が1.2mmの場合に「12」の刻印を付す。実施の形態9では、上記刻印はボールエンドミルを用いて行なった。なお、側面は無研磨の状態とした。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。
(実施の形態10)
実施の形態10は、ノーズ半径の識別力を向上させるために、刻印として丸印を用いたものであり、図12(b)に示すように、ノーズ半径が0.4mmの場合に丸印を1つ刻印し、ノーズ半径が0.8mmの場合に2つの丸印を付し、ノーズ半径が1.2mmの場合に3つの丸印を刻印した以外は、実施の形態9と同一の旋削用チップである。
このように、少なくとも2つの刃先が同一の刃先角を有し、それらのノーズ半径を異ならしめることによって、同一の形状の粗加工と仕上げ加工とを単一の旋削用チップで行なうことが可能となる。
上記各実施の形態1−1〜10における形状の旋削用チップは、いずれも図13に示すような従来の旋削用チップに比べて、単一のチップで広範な切削条件等に対応させることが可能である。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、上述の各実施の形態の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
典型的な旋削用チップの模式図である。 (a)は実施の形態1−1における旋削用チップの上面概略図であり、(b)は実施の形態1−1における旋削用チップの下面概略図である。 (a)は実施の形態1−2における旋削用チップの上面概略図であり、(b)は実施の形態1−2における旋削用チップの下面概略図である。 (a)は実施の形態1−3における旋削用チップの上面概略図であり、(b)は実施の形態1−3における旋削用チップの下面概略図である。 (a)は実施の形態2−1における旋削用チップの上面概略図であり、(b)は実施の形態2−1における旋削用チップの下面概略図である。 (a)は実施の形態2−2における旋削用チップの上面概略図であり、(b)は実施の形態2−2における旋削用チップの下面概略図である。 (a)は実施の形態2−3における旋削用チップの上面概略図であり、(b)は実施の形態2−3における旋削用チップの下面概略図である。 (a)は実施の形態3における旋削用チップの切削面を示す概略図であり、(b)は実施の形態4における旋削用チップの切削面を示す概略図である。 実施の形態5における旋削用チップの第1および第2切削面を示す概略図である。 実施の形態6における旋削用チップの第1および第2切削面を示す概略図である。 (a)は実施の形態7における旋削用チップの切削面を示す概略図であり、(b)は実施の形態8における旋削用チップの切削面を示す概略図である。 (a)は実施の形態9における旋削用チップの切削面を示す概略図であり、(b)は実施の形態10における旋削用チップの切削面を示す概略図である。 従来の切削工具の形状およびノーズ半径を示す模式図である。

Claims (7)

  1. 複数の刃先を有する旋削用チップであって、
    前記刃先のうち少なくとも2つの刃先は同一の刃先角を有し、かつ、その刃先角が90度以下であり、
    前記同一の刃先角を有する刃先は少なくとも2種のノーズ半径を有する旋削用チップ。
  2. 前記旋削用チップの対向するすくい面における各対応するコーナーにおける刃先のノーズ半径は同一である請求項1に記載の旋削用チップ。
  3. 前記刃先のノーズ半径は、前記各すくい面においてコーナーごとに相異なる請求項2に記載の旋削用チップ。
  4. 前記旋削用チップはネガチップであり、該ネガチップの同一すくい面内における刃先のノーズ半径は同一である請求項1に記載の旋削用チップ。
  5. 前記旋削用チップは、その側面が無研磨状態である請求項1〜4のいずれかに記載の旋削用チップ。
  6. 少なくとも2種の前記ノーズ半径のうち、最大のノーズ半径が、最小のノーズ半径の整数倍である請求項1〜5のいずれかに記載の旋削用チップ。
  7. 前記最大のノーズ半径は、前記最小のノーズ半径の2倍以上である請求項6に記載の旋削用チップ。
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