JP2012000699A - 刃先交換型チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】被削材の面粗度および面光沢を改善できる、刃先交換型チップを提供する。
【解決手段】略多角形状の平面形状を有する刃先交換型チップ1は、多角形の辺に相当する位置に設けられた直線状刃部11と、多角形の頂点に相当する位置に設けられた曲線状刃部21と、直線状刃部11と曲線状刃部21との間に設けられ、直線状刃部11に対して多角形の外側へ向かって張り出す張出刃部31とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、刃先交換型チップに関し、特に、切削加工用の切削工具に使用される刃先交換型チップに関する。
切削加工用に用いられる切削工具には、切れ刃として単数または複数の刃先交換型チップを備えるものがある。刃先交換型チップにおいて、耐摩耗性の改善、刃先強度の改善および切り屑処理性の改善と並んで、被削材の面粗度改善および面光沢改善は重要な課題である。
一般的な刃先交換型チップは、切削作用において切り屑生成に主な役割を果たす直線状の主切れ刃と、仕上げ面を生成する直線状の前切れ刃とを備え、主切れ刃と前切れ刃との間には丸みを付けたコーナである丸コーナが規定される。被削材の面粗度および面光沢を改善するためには、丸コーナと前切れ刃との繋ぎ目近傍の形状が非常に重要である。つまり、丸コーナと前切れ刃との繋ぎ目の工具形状が最終的に被削材に転写されるため、丸コーナと前切れ刃との繋ぎ目近傍の形状が被削材の面粗度や光沢に大きな影響を与える。
被削材の面粗度改善については、たとえば特許文献1〜6に提案されているように、従来、多くの技術開発がなされてきた。上記文献に開示されている技術では、主切れ刃と前切れ刃との間に規定されるコーナを曲率の異なる複数の円弧で形成する、刃先処理部を複数の円弧で形成するなどにより、工具性能の改善が図られている。
特開2001−212703号公報 特開2003−175408号公報 米国特許第6612786号明細書 特開2005−324324号公報 国際公開第2004/098821号 米国特許第5226761号明細書
上記のように、刃先交換型チップに関し、被削材の面粗度および面光沢を改善するための種々の技術がこれまでに提案されている。しかしながら、刃先交換型チップを使用する切削加工における加工精度の向上のためには、加工される被削面の面粗度および面光沢を一層向上させることが求められており、従来の刃先交換型チップでは必ずしも十分とはいえず更なる改良の余地がある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、被削材の面粗度および面光沢を改善できる、刃先交換型チップを提供することである。
本発明者らは、被削材の面粗度および面光沢を改善できる刃先交換型チップの構成について鋭意検討した。その結果、刃先交換型チップにおける逃げ面の直線部と丸コーナとの間に凸部を設けることで、被削材の面光沢を改善できることを見出し、本発明を以下のような構成とした。
本発明に係る刃先交換型チップは、略多角形状の平面形状を有する刃先交換型チップであって、多角形の辺に相当する位置に設けられた直線状刃部と、多角形の頂点に相当する位置に設けられた曲線状刃部と、直線状刃部と曲線状刃部との間に設けられ、直線状刃部に対して多角形の外側へ向かって張り出す張出刃部とを備える。
上記刃先交換型チップにおいて、直線状刃部に対して張出刃部が張り出す高さは、2μm以上200μm以下であってもよい。
上記刃先交換型チップにおいて、直線状刃部の延びる方向に張出刃部が延在する長さは、5μm以上500μm以下であってもよい。
上記刃先交換型チップにおいて、張出刃部は、直線状刃部に対して多角形の外側へ向かって最も大きく張り出す最大張出部を有し、曲線状刃部は、最大張出部に繋がってもよい。
上記刃先交換型チップにおいて、張出刃部は、曲線状刃部に対して多角形の外側へ向かって張り出してもよい。
上記刃先交換型チップにおいて、張出刃部は、曲線状の平面形状を有してもよい。
上記刃先交換型チップにおいて、張出刃部の曲率半径は、100μm以上30000μm以下であってもよい。
上記刃先交換型チップは、曲線状刃部が形成された多角形の頂点を直線状刃部とともに形成する第二の辺に相当する位置に設けられた、第二の直線状刃部を含み、第二の直線状刃部と曲線状刃部との間に設けられ、第二の直線状刃部に対して多角形の外側へ向かって張り出す第二の張出刃部とを備えてもよい。
上記刃先交換型チップは、曲線状刃部が形成された多角形の頂点を直線状刃部とともに形成する第二の辺に相当する位置に設けられた、第二の直線状刃部を含み、第二の直線状刃部は、曲線状刃部に直接繋がってもよい。
上記刃先交換型チップは、切削加工時に被削材の切り屑と接触するすくい面と、被削材に接触する逃げ面とを備え、張出刃部は、すくい面と逃げ面とが交差する稜線から逃げ面に亘って形成されていてもよい。
上記刃先交換型チップにおいて、張出刃部は、稜線から0.2mm以上の範囲で逃げ面に亘って形成されていてもよい。
上記刃先交換型チップにおいて、張出刃部は、稜線から逃げ面の全体に亘って形成されていてもよい。
上記刃先交換型チップにおいて、刃先交換型チップは、ネガティブチップであってもよい。
本発明の刃先交換型チップによると、被削材の面粗度および面光沢を改善することができる。
本発明の実施の形態1の刃先交換型チップの外観を示す斜視図である。 図1に示す刃先交換型チップの平面図である。 図2中の領域III,IV付近を拡大した第一の例を示す図である。 図2中の領域III,IV付近を拡大した第二の例を示す図である。 実施の形態1の刃先交換型チップの断面拡大図である。 刃先交換型チップの張出刃部付近を拡大した第一の例を示す図である。 図6中に示すVII−VII線に沿う刃先交換型チップの断面図である。 刃先交換型チップの張出刃部付近を拡大した第二の例を示す図である。 図8中に示すIX−IX線に沿う刃先交換型チップの断面図である。 実施の形態2の刃先交換型チップの外観を示す斜視図である。 実施の形態3の刃先交換型チップの外観を示す斜視図である。 実施の形態3の刃先交換型チップの断面拡大図である。 実施の形態4の刃先交換型チップが固定された工具の平面図である。 図13に示す工具の前面図である。 図13中に示す矢印XV方向から見た工具の側面図である。 図13中に示す矢印XVI方向から見た工具の側面図である。 被削材の表面を切削加工するときの刃先交換型チップと被削材との配置を示す模式図である。 実施の形態4の刃先交換型チップを拡大した第一の例を示す図である。 実施の形態4の刃先交換型チップを拡大した第二の例を示す図である。 実施の形態5の刃先交換型チップが固定された工具の平面図である。 実施の形態5の刃先交換型チップを拡大した第一の例を示す図である。 実施の形態5の刃先交換型チップを拡大した第二の例を示す図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の刃先交換型チップ1の外観を示す斜視図である。図2は、図1に示す刃先交換型チップ1の平面図である。図1および図2に示すように、刃先交換型チップ1は、切削加工時に被削材の切り屑と接触するすくい面2と、切削加工時に被削材に接触する逃げ面4,5とを備える。図2に示すように、刃先交換型チップ1は、略多角形状の平面形状を有する。刃先交換型チップ1は、略四角柱状に形成されている。すくい面2は、略四角柱状の刃先交換型チップ1の上面を形成する。逃げ面4,5は、略四角柱状の刃先交換型チップ1の側面を形成する。
刃先交換型チップ1の平面形状の中央部には、刃先交換型チップ1を厚み方向に貫通する、取付用孔8が形成されている。刃先交換型チップ1は、取付用孔8内を貫通する皿ねじなどに代表される締結部材を使用して、工具に固定される。なお刃先交換型チップ1は、締結部材を使用せず、たとえばロウ付けなどによって工具に固定されてもよく、この場合、取付用孔8が形成されなくてもよい。すくい面2には、凹凸形状のチップブレーカ9が形成されている。チップブレーカ9は、切削加工時に発生する被削材の切り屑を強制的に分断処理する機能を有する。
刃先交換型チップ1の上面であるすくい面2と、刃先交換型チップ1の下面とは、同一の平面形状を有し、互いに平行に配置されている。刃先交換型チップ1では、刃先交換型チップ1の上面と側面とが交差する交差部に形成される稜線に直線状刃部11〜14が形成され、当該稜線が切れ刃として使用される。刃先交換型チップ1の下面と側面とが交差する交差部に形成される稜線もまた、切れ刃として使用することができる。刃先交換型チップ1では、上面の各辺と下面の各辺とを、それぞれ切れ刃として使用することができ、経済性に優れる。
図2に示すように、刃先交換型チップ1は、略ひし形状の平面形状を有する。鋭角を形成するひし形の頂点に相当する位置であるコーナ部に、曲線状刃部21,22が設けられている。曲線状刃部21は、円弧状の平面形状を有する。直線状刃部11,12は、ひし形の交差する二辺に相当する位置に設けられている。第一の直線状刃部としての直線状刃部11は、ひし形の第一の辺に相当する位置に設けられている。第二の直線状刃部としての直線状刃部12は、曲線状刃部21が形成されたひし形の頂点を直線状刃部11とともに形成する、ひし形の第二の辺に相当する位置に設けられている。
図3は、図2中の領域III,IV付近を拡大した第一の例を示す図である。図3には、刃先交換型チップ1の平面形状が形成する多角形の隣接する二辺に形成された直線状刃部11,12と、当該隣接する二辺が交差する多角形の頂点に形成された曲線状刃部21と、が図示されている。
直線状刃部11と曲線状刃部21との間には、張出刃部31が設けられている。張出刃部31は、直線状刃部11に対して、すくい面2によって形成される略ひし形の外側へ向かって張り出している。張出刃部31は、直線状刃部11の端部から刃先交換型チップ1の平面形状の外方向へ向かって突起している。張出刃部31は、直線状刃部11に対して多角形の外側へ向かって最も大きく張り出す最大張出部32を有する。曲線状刃部21は、最大張出部32に連続的に繋がる。張出刃部31は、最大張出部32において曲線状刃部21となめらかに連結されている。たとえば、張出刃部31と曲線状刃部21とは、最大張出部32において接線を共有し、張出刃部31と曲線状刃部21との間に角が形成されないように、接続されてもよい。
張出刃部31は、曲線状の平面形状を有する。たとえば、張出刃部31は、中心点Cを有し曲率半径Rが100μm以上30000μm以下である円弧状の平面形状を有してもよく、他の任意の曲線状の平面形状を有してもよい。直線状刃部11に対して張出刃部31が多角形の外側へ向かって張り出す高さHは、2μm以上200μm以下である。上記高さHは、直線状刃部11の延長線と最大張出部32との距離を示す。直線状刃部11の延びる方向に張出刃部31が延在する長さLは、5μm以上500μm以下である。上記長さLは、直線状刃部11の延びる方向における、直線状刃部11と曲線状刃部21との間隔を示す。
直線状刃部12と曲線状刃部21との間には、第二の張出刃部としての張出刃部33が設けられている。張出刃部33は、直線状刃部12に対して、すくい面2によって形成される略ひし形の外側へ向かって張り出している。張出刃部33は、直線状刃部12の端部から刃先交換型チップ1の平面形状の外方向へ向かって突起している。張出刃部33は、直線状刃部12に対して多角形の外側へ向かって最も大きく張り出す最大張出部34を有する。曲線状刃部21は、最大張出部34に連続的に繋がる。張出刃部33は、最大張出部34において曲線状刃部21となめらかに連結されている。たとえば、張出刃部33と曲線状刃部21とは、最大張出部34において接線を共有し、張出刃部33と曲線状刃部21との間に角が形成されないように、接続されてもよい。
張出刃部33は、曲線状の平面形状を有する。たとえば、張出刃部33は、中心点Cを有し曲率半径Rが100μm以上30000μm以下である円弧状の平面形状を有してもよく、他の任意の曲線状の平面形状を有してもよい。直線状刃部12に対して張出刃部33が多角形の外側へ向かって張り出す高さHは、2μm以上200μm以下である。上記高さHは、直線状刃部12の延長線と最大張出部34との距離を示す。直線状刃部12の延びる方向に張出刃部33が延在する長さLは、5μm以上500μm以下である。上記長さLは、直線状刃部12の延びる方向における、直線状刃部12と曲線状刃部21との間隔を示す。
刃先交換型チップ1は、左右勝手のないチップとして形成されている。つまり、刃先交換型チップ1用いた切削加工の際に、直線状刃部11を主切れ刃とし直線状刃部12を前切れ刃として使用してもよく、他方、直線状刃部12を主切れ刃とし直線状刃部11を前切れ刃として使用してもよい。前切れ刃である直線状刃部と曲線状刃部21との間に、前切れ刃に対して外側へ突き出る凸形状を有する張出刃部が設けられている。前切れ刃が被削材の加工面を仕上げ加工するときに、凸形状の張出刃部は被削材に押圧される。これにより、円弧状の曲線状刃部21の曲率半径を大きくするのと同様の効果を得ることができ、被削材の加工面の面粗度および面光沢を改善することができる。
よって、曲率半径の小さい曲線状刃部21を有する刃先交換型チップ1の、低い切削抵抗、自由度の高い加工などの利点と、曲率半径の大きい曲線状刃部21を有する刃先交換型チップ1の、優れた加工面面粗度の利点とを兼ね備え、かつ優れた加工面光沢を得ることのできる、刃先交換型チップ1を提供することができる。
張出刃部31,33の形状を上述の範囲に限定した理由について説明する。張出刃部31,33の長さLが500μmを超えると、数多い切削用途において、張出刃部31,33を形成することで得られる上記の効果が発揮できない場合が多くなる。長さLが500μmを超えることは、単に刃先交換型チップ1の内接円が大きくなるのと同じ状態になるためである。よって、張出刃部31,33の長さLは、切削用途(切削条件)に応じて変更するのが好ましいが、500μm以下、好ましくは300μm以下、さらに好ましくは200μm以下とすれば、数多くの切削用途において張出刃部31,33の効果が発揮される。一方、張出刃部31,33の効果を発揮するためには、その長さLを5μm以上とすることが好ましい。
張出刃部31,33の高さHが200μmを超えると、切削抵抗が高くなる、被削材が刃先交換型チップ1に溶着する、刃先交換型チップ1の切り屑処理性が悪化する、および、張出刃部31,33が欠損するなどの問題が発生する場合がある。これらの問題の発生を回避するため、張出刃部31,33の高さHは、200μm以下、好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下に設定される。他方、張出刃部31,33の効果を発揮するためには、その高さHを2μm以上とすることが好ましい。
張出刃部31,33の平面形状を円弧状にした場合、曲率半径Rは100μm以上なければ張出刃部31,33を設ける効果が小さくなる。曲率半径Rは、好ましくは200μm、さらに好ましくは300μm以上であってもよい。他方、張出刃部31,33の効果を発揮するためには、その曲率半径Rを30000μm以下とすることが好ましい。
張出刃部31,33の形状は、任意の測定方法によって測定することができる。たとえば、汎用の触針式の輪郭形状測定機を使用してもよく、レーザを用いた非接触による輪郭形状測定機を使用してもよく、または、切断面を埋込ラッピングしてから写真撮影して計測してもよい。
図4は、図2中の領域III,IV付近を拡大した第二の例を示す図である。図4に示す張出刃部31は、直線状刃部11と曲線状刃部21との間に設けられており、直線状刃部11に対して多角形の外側へ向かって張り出すとともに、曲線状刃部21に対しても多角形の外側へ向かって張り出すように、形成されている。張出刃部33は、直線状刃部12と曲線状刃部21との間に設けられており、直線状刃部12に対して多角形の外側へ向かって張り出すとともに、曲線状刃部21に対しても多角形の外側へ向かって張り出すように、形成されている。図3に示す第一の例と異なり、張出刃部31,33の最大張出部32,34は曲線状刃部21に繋がっておらず、最大張出部32,34は曲線状刃部21に対して刃先交換型チップ1の平面形状の外方向へ向かって突起している。
張出刃部31,33を図4に示す形状に形成しても、図3を参照して説明したように、曲率半径の小さい曲線状刃部21を有する刃先交換型チップ1の利点と、曲率半径の大きい曲線状刃部21を有する刃先交換型チップ1の利点とを兼ね備え、かつ優れた加工面光沢を得ることのできる、刃先交換型チップ1を提供することができる。張出刃部31,33の長さL、高さHおよび曲率半径Rは、図3に示す第一の例と同様の範囲内において、任意に設定することができる。
図5は、実施の形態1の刃先交換型チップ1の断面拡大図である。図5には、図1に示すすくい面2と逃げ面4との両方に対して垂直な面に沿う刃先交換型チップ1の断面を拡大した図が示されている。すくい面2と逃げ面4とが交差する交差部に形成される稜線6には、図1〜4に示す直線状刃部11が形成される。図5に示すように、切削時の基準となる水平線とすくい面2とは、すくい角θを形成する。垂直線と逃げ面4とは、逃げ角θを形成する。すくい面2と逃げ面4とは、くさび角θを形成する。
図5に示すように、実施の形態1の刃先交換型チップ1は、すくい角θがマイナスであり、すくい面2に対して逃げ面4が90°以上の角度で交差してくさび角θが90°以上となるように形成された、ネガティブチップである。ネガティブタイプの刃先交換型チップ1では、上下面、すなわち、すくい面2とすくい面2に対向する下面とが同一形状の平行面である。そのため、上下面と側面との交差部に形成される稜線6の各々を切れ刃として使用することができるので、ネガティブタイプの刃先交換型チップ1は経済性に優れる。加えて、刃先強度にも優れる。
図6は、刃先交換型チップ1の張出刃部31付近を拡大した第一の例を示す図である。図7は、図6中に示すVII−VII線に沿う刃先交換型チップ1の断面図である。図6および図7に示すように、張出刃部31は、すくい面2と逃げ面4とが交差する稜線6から、逃げ面4に亘って、刃先交換型チップ1の厚み方向(上下方向)に延在するように形成されている。図7に示す、逃げ面4に張出刃部31が延びる距離Dは、すくい面2から0.2mm以上である。少なくともすくい面2から0.2mm以上の範囲の逃げ面4に、張出刃部31が形成されている。張出刃部31は、すくい面2と逃げ面4との交差する稜線6から0.2mm以上の範囲で、逃げ面4に亘って形成されている。
図8は、刃先交換型チップ1の張出刃部31付近を拡大した第二の例を示す図である。図9は、図8中に示すIX−IX線に沿う刃先交換型チップ1の断面図である。図8および図9に示すように、張出刃部31は、すくい面2と逃げ面4とが交差する稜線6から、逃げ面4に亘って、刃先交換型チップ1の厚み方向(上下方向)に延在するように形成されている。図9に示すように、張出刃部31は、すくい面2と逃げ面4との交差する稜線6から逃げ面4に延び、逃げ面4の全体に亘って形成されている。刃先交換型チップ1の厚み方向(上下方向)全体の逃げ面4に、張出刃部31が形成されている。
図6〜図9では張出刃部31を例として説明したが、直線状刃部12と曲線状刃部21との間の張出刃部33を張出刃部31と同様の形状に形成してもよい。張出刃部31,33が逃げ面4,5上に0.2mm以上の長さを有して形成されていなければ、上述した面粗度および面光沢を向上できる効果が小さくなる。張出刃部31,33が逃げ面4,5に延びる距離Dは、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1mm以上であり、逃げ面4,5の全体に亘って逃げ面4,5から突出するように張出刃部31,33が形成されてもよい。
以上説明した実施の形態1の刃先交換型チップ1は、WC基超硬合金、サーメット、高速度鋼、セラミックス、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、窒化硅素焼結体、酸化アルミニウムと炭化チタンからなる基材のいずれかから形成されてもよい。これら基材に対して、ブラシ、バレル、ブラスト、ダイヤモンド砥石などを用いた刃先処理を行なってもよい。これら基材の表面にPVD(Physical Vapor Deposition)法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによる表面被覆層が形成されていてもよく、表面被覆層の形成後に、表面被覆層に対してブラシ、バレル、ブラストなどを用いた表面処理を行なってもよい。
超硬合金は、1)炭化タングステン、2)B−1型結晶構造を有する周期律表IVa、Va、IVa族遷移金属と炭素、窒素、酸素または硼素とからなる固溶体相:0.01〜50重量%、3)鉄系金属の1種以上からなる結合相:0.1〜3.0重量%、4)不可避不純物:残部、を含むものとして定義される。但し2)は必須ではなく、超硬合金は上記1)、3)および4)を含むものとしてもよい。超硬合金の表面部分にη相または遊離炭素があってもよいし、鉄系金属を主体とする層または脱β層があってもよくまたはなくてもよい。
サーメットは、1)B−1型結晶構造を有する周期律表IVa、Va、IVa族遷移金属と炭素、窒素、酸素または硼素とからなる固溶体相:0.1〜95重量%、2)鉄系金属の1種以上からなる結合相:0.1〜40重量%、3)不可避不純物:残部、を含むものとして定義される。1)の周期律表IVa、Va、IVa族遷移金属は、Tiを主体とする。サーメットの表面部分に、表面硬化層、軟化層または鉄系金属を主体とする層があってもよい。
本実施の形態の刃先交換型チップ1の用途は、たとえば、ドリル、エンドミル、フライス加工用刃先交換型チップ、旋削用刃先交換型チップ、メタルソー、歯切工具、リーマ、タップ、またはピンミーリング用チップであってもよい。これらの用途のうち、もっとも効果が期待できるのは、単刃で用いられる旋削用刃先交換型チップである。ネガティブ型で、複数の切れ刃を有する刃先交換型チップ1とすれば、さらに経済的な効果が期待できる。
張出刃部31,33は、プレス成形時に形成され、研磨加工されていないものであれば、生産性、経済性および形状の自由度の高さに優れるため望ましい。前述の如く、未研磨状態の張出刃部31,33に対して、ブラシ、バレル、ブラスト、ダイヤモンド砥石などを用いた刃先処理や表面処理を行なってもよい。上面(すくい面)や工具拘束面の研磨加工を行なってもよい。
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2の刃先交換型チップ1の外観を示す斜視図である。実施の形態2の刃先交換型チップ1は、実施の形態1と同様に、左右勝手のないネガティブチップである。実施の形態2の刃先交換型チップ1は、すくい面2にチップブレーカ9が形成されていない点で、実施の形態1と異なっている。図10に示す刃先交換型チップ1は、ロウ付けによって工具に固定されてもよく、または取付用孔を形成し締結部材を使用して工具に固定されてもよい。
このような構成を有する実施の形態2の刃先交換型チップ1においても、実施の形態1と同様に、直線状刃部11と曲線状刃部21との間に直線状刃部11に対して多角形の外側へ向かって張り出す張出刃部31を設け、直線状刃部12と曲線状刃部21との間に直線状刃部12に対して多角形の外側へ向かって張り出す張出刃部33を設けることができる。このようにすれば、被削材の面粗度および面光沢を向上できる効果を、同様に得ることができる。
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3の刃先交換型チップ1の外観を示す斜視図である。図12は、実施の形態3の刃先交換型チップ1の断面拡大図である。図11および図12に示すように、実施の形態3の刃先交換型チップ1は、すくい角θがプラスであって、逃げ面4,5がすくい面2に対して鋭角をなし、かつ、すくい面2に対向する下面に対して鈍角をなして交差してくさび角θが鋭角となるように形成された、ポジティブチップである。ポジティブタイプの刃先交換型チップ1は、ネガティブタイプに比べると刃先強度が弱く、切れ刃の使用コーナ数も少なくなるものの、切れ味が良く、切削抵抗が小さくなる利点がある。
図11に示す刃先交換型チップ1は、左右勝手のないチップである。刃先交換型チップ1は、ロウ付けによって工具に固定されてもよく、または取付用孔を形成し締結部材を使用して工具に固定されてもよい。図11には明示されていないが、すくい面2には、実施の形態1と同様に、被削材の切り屑を分断処理するためのチップブレーカ9が形成されている。または、実施の形態2と同様に、すくい面2にチップブレーカが形成されていなくてもよい。
このような構成を有する実施の形態3の刃先交換型チップ1においても、実施の形態1と同様に、直線状刃部11と曲線状刃部21との間に直線状刃部11に対して多角形の外側へ向かって張り出す張出刃部31を設け、直線状刃部12と曲線状刃部21との間に直線状刃部12に対して多角形の外側へ向かって張り出す張出刃部33を設けることができる。このようにすれば、被削材の面粗度および面光沢を向上できる効果を、同様に得ることができる。
(実施の形態4)
実施の形態1〜3の説明においては、左右勝手のない刃先交換型チップ1であって、直線状刃部11,12と曲線状刃部21との繋ぎ目の両方に張出刃部31,33が形成されている例について説明した。左右勝手のない刃先交換型チップ1の場合、左右両側の直線状刃部11,12と曲線状刃部21との繋ぎ目のいずれにも張出刃部31,33を設けるのが望ましい。
しかしながら、本発明の刃先交換型チップ1はこのような構成に限られるものではない。刃先交換型チップ1は何らかの工具に取り付けて使用されるが、旋削用の刃先交換型チップ1がバイトに取り付けられて使用される場合、バイトの送り方向に勝手がある。また、フライス用の刃先交換型チップ1がカッターに取り付けられて使用される場合、回転方向(時計回りおよび反時計回り方向)に勝手がある。刃先交換型チップ1を保持する工具に勝手がある場合、工具の勝手に合った勝手を有する刃先交換型チップ1を使用するのがより好ましい。
図13は、実施の形態4の刃先交換型チップ1が固定された工具50の平面図である。図14は、図13に示す工具50の前面図である。図15は、図13中に示す矢印XV方向から見た工具50の側面図である。図16は、図13中に示す矢印XVI方向から見た工具50の側面図である。図13および図14に示すように、刃先交換型チップ1は、工具50の本体部を形成するボディ51の先端部に固定されている。ボディ51の他端側には、工具50を図示しないホルダに固定するための柄部分を形成するシャンク52が設けられている。図13には、切削加工時に被削材に対し工具50が相対的に移動する送り方向を、白抜き矢印で示している。図15に示す工具50の側面において、逃げ面4と、すくい面2と逃げ面4との交差する稜線に形成された直線状刃部11と、が図示されている。図16に示す工具50の側面において、逃げ面5と、すくい面2と逃げ面5との交差する稜線に形成された直線状刃部12と、が図示されている。
図17は、被削材100の表面を切削加工するときの刃先交換型チップ1と被削材100との配置を示す模式図である。図17では、簡略化のために被削材100と刃先交換型チップ1のみが図示されており、刃先交換型チップ1が固定されている工具50と、工具50を保持するホルダとは図示されていない。
図17に示すように、被削材100は回転軸101を中心として、図示しない回転装置によって回転される。回転している被削材100の表面に、直線状刃部11を主切れ刃とし直線状刃部12を前切れ刃として刃先交換型チップ1を接触させながら、刃先交換型チップ1の固定された工具50を図17中に示す白抜き矢印方向に移動させることで、被削材100が切削加工される。被削材100に対し刃先交換型チップ1が回転軸101に沿って相対的に移動する送り方向は、図17中に示す白抜き矢印の方向に設定されており、刃先交換型チップ1は逆方向へ移動しない。被削材100に対して図17中の白抜き矢印方向に移動する刃先交換型チップ1を、右勝手と称する。
図18は、実施の形態4の刃先交換型チップ1を拡大した第一の例を示す図である。右勝手用途のみに限定される刃先交換型チップ1の場合、直線状刃部11,12と曲線状刃部21との繋ぎ目の両方に張出刃部を形成する必要はない。主切れ刃側の張出を形成する主切れ刃側の張出刃部は、本発明の効果である加工面面粗度および加工面光沢の改善に寄与しない。また、主切れ刃側に張出刃部が存在することにより、切削加工時の切削抵抗の増加および切り屑処理性の悪化が生じる場合がある。これらを鑑み、前切れ刃側に対してのみ張出刃部を形成するのが望ましい。
具体的には、図18に示すように、前切れ刃を形成する直線状刃部12と、曲線状刃部21との間に、張出刃部33が設けられる。曲線状刃部21は、直線状刃部11に対して多角形の外側へ向かって最も大きく張り出す張出刃部33の最大張出部34に繋がっている。一方、主切れ刃を形成する直線状刃部11と、曲線状刃部21とは、これらの間に張出刃部を介在させずに、直接繋げられている。このようにすれば、切削加工時の切削抵抗および切り屑処理性を悪化させることなく、被削材の加工面の面粗度および面光沢を改善する効果を得ることができる。
図19は、実施の形態4の刃先交換型チップ1を拡大した第二の例を示す図である。図19に示す例では、前切れ刃を形成する直線状刃部12と、曲線状刃部21との間に、張出刃部33が設けられる。張出刃部33は、直線状刃部12に対して多角形の外側へ向かって張り出すとともに、曲線状刃部21に対しても多角形の外側へ向かって張り出すように、形成されている。一方、主切れ刃を形成する直線状刃部11と、曲線状刃部21とは、これらの間に張出刃部を介在させずに、直接繋げられている。図19に示す例においても、図18に示す例と同様に、切削加工時の切削抵抗および切り屑処理性を悪化させることなく、被削材の加工面の面粗度および面光沢を改善する効果を得ることができる。
(実施の形態5)
図20は、実施の形態5の刃先交換型チップ1が固定された工具50の平面図である。実施の形態5の刃先交換型チップ1は、実施の形態4と同様に、工具50の本体部を形成するボディ51の先端部に固定されている。ボディ51の他端側には、工具50を図示しないホルダに固定するための柄部分を形成するシャンク52が設けられている。図20には、切削加工時に被削材に対し工具50が相対的に移動する送り方向を、白抜き矢印で示している。切削加工時の被削材100に対し刃先交換型チップ1が軸方向に沿って相対的に移動する送り方向は、図20中に示す白抜き矢印の方向に設定されており、刃先交換型チップ1は逆方向へ移動しない。図20中の白抜き矢印方向に移動する刃先交換型チップ1を、左勝手と称する。
左勝手用途のみに限定される刃先交換型チップ1の場合、実施の形態4で説明したように、直線状刃部11,12と曲線状刃部21との繋ぎ目の両方に張出刃部を形成する必要はなく、前切れ刃側に対してのみ張出刃部を形成するのが望ましい。図20に示す左勝手の刃先交換型チップ1では、被削材の切削加工時に、直線状刃部12が主切れ刃として使用され、直線状刃部11が前切れ刃として使用される。
図21は、実施の形態5の刃先交換型チップ1を拡大した第一の例を示す図である。図21に示す例では、前切れ刃を形成する直線状刃部11と、曲線状刃部21との間に、張出刃部31が設けられる。曲線状刃部21は、直線状刃部11に対して多角形の外側へ向かって最も大きく張り出す張出刃部33の最大張出部34に繋がっている。一方、主切れ刃を形成する直線状刃部12と、曲線状刃部21とは、これらの間に張出刃部を介在させずに、直接繋げられている。直線状刃部12は、曲線状刃部21に直接繋がる。このようにすれば、切削加工時の切削抵抗および切り屑処理性を悪化させることなく、被削材の加工面の面粗度および面光沢を改善する効果を得ることができる。
図22は、実施の形態5の刃先交換型チップ1を拡大した第二の例を示す図である。図22に示す例では、前切れ刃を形成する直線状刃部11と、曲線状刃部21との間に、張出刃部33が設けられる。張出刃部33は、直線状刃部11に対して多角形の外側へ向かって張り出すとともに、曲線状刃部21に対しても多角形の外側へ向かって張り出すように、形成されている。一方、主切れ刃を形成する直線状刃部12と、曲線状刃部21とは、これらの間に張出刃部を介在させずに、直接繋げられている。図22に示す例においても、図21に示す例と同様に、切削加工時の切削抵抗および切り屑処理性を悪化させることなく、被削材の加工面の面粗度および面光沢を改善する効果を得ることができる。
以下、この発明の実施例1について説明する。
(試料)
WC−TiC(2.0重量%)−TaC(2.0重量%)−NbC(1.0重量%)−Co(6.5重量%)の組成に配合した原料粉末をボールミルで粉砕混合し、プレス成形した後、1450゜Cで1時間焼結した。その後、上下面をダイヤモンド砥石で研削し、SiCブラシですくい面からみて0.06mmのホーニングによる刃先処理を施した後、公知のCVD法を用いてTiN(0.3μm)/MT−TiCN(4.1μm)/TiBN(0.7μm)/κ−Al(1.4μm)/TiN(0.4μm)の被覆層を形成し、住友電工ハードメタル(株)CNMG120408N−GU形状の超硬合金製刃先交換型チップを準備した。逃げ面形状は個別指示し、逃げ面は全周研磨無しとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、プレス成形時に所定の金型(臼)を用いて、主切刃と前切れ刃との両方に形成された。触針式輪郭形状測定機(ミツトヨ製CV−4000H、触針針先端半径25μm、針先端補正有)を測定器として使用し、形状測定を行なった。準備した実施例1の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表1に示す。左右両方の直線状刃部と曲線状刃部との繋ぎ目に、同形状の凸状の張出刃部を形成した。
Figure 2012000699
(評価)
表1に示す本発明品1A〜1Hと、比較品1I〜1Lとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:SCM415 φ250丸棒、外径を旋削加工
使用ホルダ:PCLNR2525−43(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:120m/min
送り:0.15mm/rev.
切り込み:1.5mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表2に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表2より、本発明品1A〜1Hの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品1I〜1Lの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。比較品1Kでは刃先交換型チップに被削材が溶着する不具合が発生したが、本発明品1A〜1Hではこのような不具合が発生することもなかった。また、比較品1I〜1Lを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品1A〜1Hを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例2について説明する。
(試料)
WC−Cr(0.3重量%)−Co(10.0重量%)の組成に配合した原料粉末をボールミルで粉砕混合し、プレス成形した後、1400゜Cで1時間焼結した。その後、上下面をダイヤモンド砥石で研削し、SiCブラシですくい面からみて0.05mmのホーニングによる刃先処理を施した後、公知のPVD法を用いてTiN(1.0μm)/TiAlN(3.0μm)/TiCN(0.2μm)の被覆層を形成し、JIS B4120−1998で規定された型番CNMA120408の超硬合金製刃先交換型チップを準備した。逃げ面は全周研磨無しとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、プレス成形時に所定の金型(臼)を用いて、主切刃と前切れ刃との両方に形成された。レーザー式非接触3次元形状測定機(キーエンス社KS−1100)を測定器として使用し、上面よりレーザ光を入射して走査し、逃げ面の形状を測定することにより、形状測定を行なった。準備した実施例2の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表3に示す。左右両方の直線状刃部と曲線状刃部との繋ぎ目に、同形状の凸状の張出刃部を形成した。
Figure 2012000699
(評価)
表3に示す本発明品2A〜2Hと、比較品2I〜2Lとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:S15C φ200丸棒(スリット有)、外径を旋削加工
使用ホルダ:PCLNR2525−43(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:100m/min
送り:0.10mm/rev.
切り込み:0.5mm
切削時間:2分間
切削油:なし
評価した結果を表4に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表4より、本発明品2A〜2Hの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品2I〜2Lの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。比較品2Kでは刃先交換型チップに被削材が溶着する不具合が発生したが、本発明品2A〜2Hではこのような不具合が発生することもなかった。また、比較品2I〜2Lを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品2A〜2Hを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例3について説明する。
(試料)
サーメット製の刃先交換型チップである住友電工ハードメタル(株)T1200A TNMG160408N−SUを準備した。逃げ面形状は個別指示し、逃げ面は全周研磨無しとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、プレス成形時に所定の金型(臼)を用いて、主切刃と前切れ刃との両方に形成された。すくい面に対して平行な面から0.5mm下がった地点での切断面を埋込およびラッピングして観察することにより、形状測定を行なった。準備した実施例3の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表5に示す。
Figure 2012000699
(評価)
表5に示す本発明品3A,3Bと、比較品3Cとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:SCr420H φ250丸棒、外径を旋削加工
使用ホルダ:PTGNR2525−33(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:120m/min
送り:0.08mm/rev.
切り込み:0.6mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表6に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表6より、本発明品3A,3Bの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品3Cの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。また、比較品3Cを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品3A,3Bを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例4について説明する。
(試料)
サーメット製の刃先交換型チップである住友電工ハードメタル(株)T1200A TPGG110304L−SDを準備した。逃げ面形状は個別指示し、すくい面および逃げ面は全面研磨された。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、側面研磨時にダイヤモンド砥石を用いて形成された。実施例4の刃先交換型チップは勝手の有るチップであり、凸状の張出刃部は、前切れ刃のある逃げ面のみに形成され、主切り刃のある逃げ面には形成されなかった。形状測定方法は実施例1と同一とした。準備した実施例4の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表7に示す。
Figure 2012000699
(評価)
表7に示す本発明品4A,4Bと、比較品4Cとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:STKM13A、外径φ40、内径φ30、L:30のパイプ材、内径を旋削加工
使用ホルダ:BBPT−216R18(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:80m/min
送り:0.05mm/rev.
切り込み:0.3mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表8に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表8より、本発明品4A,4Bの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品4Cの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。また、比較品4Cを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品4A,4Bを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例5について説明する。
(試料)
立方晶窒化硅素を主体とした焼結体をロー付けした工具である住友電工ハードメタル(株)の刃先交換型チップBN250 2NU−CNGA120404を準備した。逃げ面形状は個別指示し、逃げ面は全周研磨ありとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、ダイヤモンド砥石での側面研磨時に、主切刃と前切れ刃との両方に形成された。形状測定方法は実施例2と同一とした。準備した実施例5の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表9に示す。
Figure 2012000699
(評価)
表9に示す本発明品5A,5Bと、比較品5Cとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:SCM415浸炭焼入れ材(HRC62)、φ220丸棒、外径を旋削加工
使用ホルダ:PCLNR2525−43(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:100m/min
送り:0.04mm/rev.
切り込み:0.05mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表10に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表10より、本発明品5A,5Bの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品5Cの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。また、比較品5Cを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品5A,5Bを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例6について説明する。
(試料)
フライス加工用PVDコーティング超硬合金製の刃先交換型チップである住友電工ハードメタル(株)ACK300 SPMN423を準備した。逃げ面形状は個別指示し、逃げ面は全周研磨無しとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)はプレス成形時に形成された。形状測定方法は実施例2と同一とした。準備した実施例6の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表11に示す。
Figure 2012000699
(評価)
表11に示す本発明品6A,6Bと、比較品6Cとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:SCM435 ブロック材(100x200)
使用ホルダ:DPG4160R(住友電工ハードメタル(株)製)
試験方法:カッターにチップを1枚のみ取り付け、センターカットで正面フライス加工
切削速度:220m/min
送り:0.3mm/rev.
切り込み:2.0mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表12に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表12より、本発明品6A,6Bの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品6Cの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。また、比較品6Cを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品6A,6Bを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例7について説明する。
(試料)
WC−TiC(3.0重量%)−TaC(1.2重量%)−NbC(0.4重量%)−Co(5.0重量%)の組成に配合した原料粉末をボールミルで粉砕混合し、プレス成形した後、1420゜Cで1時間焼結した。その後、上下面をダイヤモンド砥石で研削し、SiC砥粒を用いたバレル処理にてすくい面からみて0.08mmのホーニングによる刃先処理を施した後、公知のCVD法を用いてTiN(0.3μm)/MT−TiCN(5.3μm)/TiBN(0.8μm)/α−Al(3.4μm)/TiN(0.5μm)の被覆層を形成し、住友電工ハードメタル(株)CNMG120408N−LU形状の超硬合金製刃先交換型チップを準備した。逃げ面形状は個別指示し、逃げ面は全周研磨無しとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、プレス成形時に所定の金型(臼)を用いて、主切刃と前切れ刃との両方に形成された。形状測定方法は実施例1と同じとした。準備した実施例7の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表13に示す。左右両方の直線状刃部と曲線状刃部との繋ぎ目に、同形状の凸状の張出刃部を形成した。
Figure 2012000699
(評価)
表13に示す本発明品7A〜7Hと、比較品7I〜7Lとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:S10C φ250丸棒、外径を旋削加工
使用ホルダ:PCLNR2525−43(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:80m/min
送り:0.14mm/rev.
切り込み:1.2mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表14に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表14より、本発明品7A〜7Hの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品7I〜7Lの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。比較品7Kでは刃先交換型チップに被削材が溶着する不具合が発生したが、本発明品7A〜7Hではこのような不具合が発生することもなかった。また、比較品7I〜7Lを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品7A〜7Hを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例8について説明する。
(試料)
WC−TaC(2.0重量%)−Cr(0.2重量%)−Co(9.0重量%)の組成に配合した原料粉末をボールミルで粉砕混合し、プレス成形した後、1400゜Cで1時間焼結した。その後、上下面をダイヤモンド砥石で研削し、SiC弾性砥石ですくい面からみて0.05mmのホーニングによる刃先処理を施した後、公知のPVD法を用いてTiAlCrNとTiSiCrNとを20nmの厚みで積層した超多層膜(3.2μm)/TiArCrCN(0.2μm)の被覆層を形成し、JIS B4120−1998で規定された型番CNMA120404の超硬合金製刃先交換型チップを準備した。逃げ面は全周研磨無しとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、プレス成形時に所定の金型(臼)を用いて、主切刃と前切れ刃との両方に形成された。レーザー式非接触3次元形状測定機(キーエンス社KS−1100)を測定器として使用し、上面よりレーザ光を入射して走査し、逃げ面全体の形状を測定することにより、形状測定を行なった。準備した実施例8の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表15に示す。左右両方の直線状刃部と曲線状刃部との繋ぎ目に、同形状の凸状の張出刃部を形成した。
Figure 2012000699
(評価)
表15に示す本発明品8A〜8Hと、比較品8I〜8Lとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:SCr420H φ200丸棒(スリット有)、外径を旋削加工
使用ホルダ:PCLNR2525−43(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:95m/min
送り:0.09mm/rev.
切り込み:0.7mm
切削時間:2分間
切削油:なし
評価した結果を表16に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表16より、本発明品8A〜8Hの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品8I〜8Lの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。比較品8Kでは刃先交換型チップに被削材が溶着する不具合が発生したが、本発明品8A〜8Hではこのような不具合が発生することもなかった。また、比較品8I〜8Lを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品8A〜8Hを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例9について説明する。
(試料)
TaC(2.0重量%)−NbC(4.0重量%)−MoC(8.0重量%)−WC(14.0重量%)−Co(7.5重量%)−Ni(7.5重量%)(残部TiCN)の組成に配合した原料粉末をボールミルで粉砕混合し、プレス成形した後、1480゜Cで1時間焼結した。その後、上下面をダイヤモンド砥石で研削し、ダイヤモンドブラシですくい面からみて0.06mmのホーニングによる刃先処理を施して、住友電工ハードメタル(株)TNMG160408N−FL形状のチップを準備した。逃げ面は全周研磨無しとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、プレス成形時に所定の金型(臼)を用いて、主切刃と前切れ刃との両方に形成された。すくい面に対して平行な面から0.5mm下がった地点での切断面を埋込およびラッピングして観察することにより、形状測定を行なった。準備した実施例9の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表17に示す。
Figure 2012000699
(評価)
表17に示す本発明品9A,9Bと、比較品9Cとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:STKM12A φ250丸棒、外径を旋削加工
使用ホルダ:PTGNR2525−33(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:115m/min
送り:0.08mm/rev.
切り込み:0.5mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表18に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表18より、本発明品9A,9Bの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品9Cの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。また、比較品9Cを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品9A,9Bを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例10について説明する。
(試料)
実施例9と同一組成のサーメット製の刃先交換型チップである住友電工ハードメタル(株)TPGG160404L−SDを準備した。逃げ面形状は個別指示し、すくい面および逃げ面は全面研磨された。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、側面研磨時にダイヤモンド砥石を用いて形成された。実施例10の刃先交換型チップは勝手の有るチップであり、凸状の張出刃部は、前切れ刃のある逃げ面のみに形成され、主切り刃のある逃げ面には形成されなかった。形状測定方法は実施例2と同一とした。準備した実施例4の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表19に示す。
Figure 2012000699
(評価)
表19に示す本発明品10A,10Bと、比較品10Cとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:STKM13A 外径φ40、内径φ30、L:30のパイプ材、内径を旋削加工
使用ホルダ:BBPT−320R18(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:70m/min
送り:0.05mm/rev.
切り込み:0.5mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表20に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表20より、本発明品10A,10Bの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品10Cの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。また、比較品10Cを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品10A,10Bを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例11について説明する。
(試料)
立方晶窒化硅素を主体とした焼結体をロー付けした工具である住友電工ハードメタル(株)の刃先交換型チップBNC200 2NU−CNGA120404を準備した。逃げ面形状は個別指示し、逃げ面は全周研磨ありとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)は、ダイヤモンド砥石での側面研磨時に、主切刃と前切れ刃との両方に形成された。形状測定方法は実施例1と同一とした。準備した実施例11の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表21に示す。
Figure 2012000699
(評価)
表21に示す本発明品11A,11Bと、比較品11Cとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:SUJ2(HRC63) φ220丸棒、外径を旋削加工
使用ホルダ:PCLNR2525−43(住友電工ハードメタル(株)製)
切削速度:90m/min
送り:0.03mm/rev.
切り込み:0.08mm
切削時間:0.5分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表22に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表22より、本発明品11A,11Bの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品11Cの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。また、比較品11Cを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品11A,11Bを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以下、この発明の実施例12について説明する。
(試料)
フライス加工用CVDコーティング超硬合金製の刃先交換型チップである住友電工ハードメタル(株)ACK200 SPMN423を準備した。逃げ面形状は個別指示し、逃げ面は全周研磨無しとした。張出刃部(下表中には凸部と表記)はプレス成形時に形成された。形状測定方法は実施例2と同一とした。準備した実施例12の刃先交換型チップの張出刃部の形状を表23に示す。
Figure 2012000699
(評価)
表23に示す本発明品12A,12Bと、比較品12Cとについて、下記条件で切削評価を行い、加工面面粗度と加工面光沢とを評価した。
被削材:SCM435ブロック材(100x200)
使用ホルダ:DPG4160R(住友電工ハードメタル(株)製)
試験方法:カッターにチップを1枚のみ取り付け、センターカットで正面フライス加工
切削速度:220m/min
送り:0.3mm/rev.
切り込み:2.0mm
切削時間:1分間
切削油:水溶性油
評価した結果を表24に示す。加工面面粗度は、JIS B 0601の規定に準拠した算術平均粗さRaで評価した。加工面光沢は、加工後の被削材の表面を目視による観察を行ない評価した。
Figure 2012000699
表24より、本発明品12A,12Bの刃先交換型チップを使用して加工した加工面は、比較品12Cの刃先交換型チップを使用した加工面と比較して、加工面面粗度が小さくなっていた。また、比較品12Cを使用した加工面は白濁していたのに対し、本発明品12A,12Bを使用した加工面では光沢が見られた。すなわち、本発明の刃先交換型チップを使用して加工した加工面では、面粗度および面光沢のいずれも改善されていることが確認された。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の構成を適宜組合せてもよい。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の刃先交換型チップは、ドリル加工用、エンドミル加工用、フライス加工用、旋削加工用、メタルソー加工用、歯切工具加工用、リーマ加工用、タップ加工用およびクランクシャフトのピンミーリング加工用などの切削工具に使用される刃先交換型チップに、特に有利に適用され得る。
1 刃先交換型チップ、2 すくい面、4,5 逃げ面、6 稜線、8 取付用孔、9 チップブレーカ、11,12 直線状刃部、21,22 曲線状刃部、31,33 張出刃部、32,34 最大張出部、50 工具、51 ボディ、52 シャンク、100 被削材、101 回転軸。

Claims (13)

  1. 略多角形状の平面形状を有する刃先交換型チップであって、
    多角形の辺に相当する位置に設けられた直線状刃部と、
    多角形の頂点に相当する位置に設けられた曲線状刃部と、
    前記直線状刃部と前記曲線状刃部との間に設けられ、前記直線状刃部に対して多角形の外側へ向かって張り出す張出刃部とを備える、刃先交換型チップ。
  2. 前記直線状刃部に対して前記張出刃部が張り出す高さは、2μm以上200μm以下である、請求項1に記載の刃先交換型チップ。
  3. 前記直線状刃部の延びる方向に前記張出刃部が延在する長さは、5μm以上500μm以下である、請求項1または請求項2に記載の刃先交換型チップ。
  4. 前記張出刃部は、前記直線状刃部に対して多角形の外側へ向かって最も大きく張り出す最大張出部を有し、
    前記曲線状刃部は、前記最大張出部に繋がる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の刃先交換型チップ。
  5. 前記張出刃部は、前記曲線状刃部に対して多角形の外側へ向かって張り出す、請求項1から請求項3に記載の刃先交換型チップ。
  6. 前記張出刃部は、曲線状の平面形状を有する、請求項1から請求項5のいずれかに記載の刃先交換型チップ。
  7. 前記張出刃部の曲率半径は、100μm以上30000μm以下である、請求項6に記載の刃先交換型チップ。
  8. 前記曲線状刃部が形成された多角形の頂点を前記直線状刃部とともに形成する第二の辺に相当する位置に設けられた、第二の直線状刃部を含み、
    前記第二の直線状刃部と前記曲線状刃部との間に設けられ、前記第二の直線状刃部に対して多角形の外側へ向かって張り出す第二の張出刃部とを備える、請求項1から請求項7のいずれかに記載の刃先交換型チップ。
  9. 前記曲線状刃部が形成された多角形の頂点を前記直線状刃部とともに形成する第二の辺に相当する位置に設けられた、第二の直線状刃部を含み、
    前記第二の直線状刃部は、前記曲線状刃部に直接繋がる、請求項1から請求項7のいずれかに記載の刃先交換型チップ。
  10. 切削加工時に被削材の切り屑と接触するすくい面と、被削材に接触する逃げ面とを備え、
    前記張出刃部は、前記すくい面と前記逃げ面とが交差する稜線から前記逃げ面に亘って形成されている、請求項1から請求項9のいずれかに記載の刃先交換型チップ。
  11. 前記張出刃部は、前記稜線から0.2mm以上の範囲で前記逃げ面に亘って形成されている、請求項10に記載の刃先交換型チップ。
  12. 前記張出刃部は、前記稜線から前記逃げ面の全体に亘って形成されている、請求項10または請求項11に記載の刃先交換型チップ。
  13. 前記刃先交換型チップは、ネガティブチップである、請求項1から請求項12のいずれかに記載の刃先交換型チップ。
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