JP2010023112A - 自在継手用ヨークの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属板素材から、1対のフランジ部3a、4aの板厚を他の部位の板厚よりも大きくしたヨークを精度良く造れる方法を実現する。
【解決手段】素材となる金属板に打ち抜き加工を施して、(A)に示す第一中間素材12aを形成する。次いで、この第一中間素材12aを構成する主板部13aの中間部に絞り加工を施して、(B)に示す第二中間素材20を形成する。次いで、この第二中間素材20を構成する主板部13aの両端部に増肉加工を施して、(C)に示す第三中間素材28を形成する。次いで、この第三中間素材28を構成する舌片部14a、14aにプレス加工を施して、(D)に示す第四中間素材38を形成する。次いで、この第四中間素材38に曲げ加工を施して、(E)に示す様な第五中間素材39を形成する。この様な工程順を採用する事により、上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

この発明は、同一直線上に存在しない1対の回転軸の端部同士を連結して、これら両回転軸同士の間で回転力の伝達を可能とする自在継手を構成するヨークの製造方法に関する。
例えば自動車用操舵装置は、ステアリングシャフト及び中間軸等の複数本の回転軸を、自在継手を介して互いに直列に連結する事により構成している。この様な場合に使用する自在継手として従来から、十字軸により1対のヨーク同士を変位自在に連結して成る、カルダン継手と呼ばれる自在継手が、広く使用されている。又、この様な自在継手を構成するヨークを、鋼板等、十分な剛性を有する金属板に塑性加工を施す事により造る事も、従来から広く行われている。
図12は、この様にして造られた自在継手用ヨークの1例として、特許文献1に記載されものを示している。このヨーク1は、欠円筒状の結合筒部2と、この結合筒部2の円周方向両端縁から連続して形成された1対のフランジ部3、4と、上記結合筒部2の先端縁の円周方向反対側となる2個所位置から連続して形成された1対の腕部5、5とを備える。このうちの結合筒部2は、上記ヨーク1を固定すべき図示しない回転軸の端部を挿入する部位である。この結合筒部2の内周面には、雌セレーション6を形成しており、この雌セレーション6を、上記回転軸の端部外周面に形成した雄セレーションに係合させる事で、上記ヨーク1と上記回転軸との相対回転を防止できる様にしている。
又、上記両フランジ部3、4のうちの一方のフランジ部3には、図示しないボルトの杆部を挿通する為の通孔7を、他方のフランジ部4には、このボルトの雄ねじ部を螺合させる為の、上記通孔7と同心のねじ孔8を、それぞれ形成している。又、上記両腕部5、5の先端部には、互いに同心の円孔9、9を形成している。上記ヨーク1と十字軸10とを組み合わせて自在継手を構成する場合には、上記各円孔9、9内に軸受カップ11、11を圧入する。これら各軸受カップ11、11は、ラジアルニードル軸受の外輪として機能し、上記ヨーク1に対して十字軸10を、揺動変位自在に結合支持する。
上述の様なヨーク1の製造作業は、従来、図13に示す様に行っていた。先ず、鋼板等、十分な剛性を有する金属板をプレス加工で打ち抜く事により、図13の(A)に示す様な形状を有する、第一中間素材12を造る。この第一中間素材12は、長矩形状の主板部13と、この主板部13の幅方向片端縁の中間部2個所位置から突出した1対の舌片部14、14とを備える。この様な第一中間素材12は、1対のプレス型同士の間で押圧する事により、同図の(B)に示す様な形状に塑性変形させて、第二中間素材15とする。そして、同図の(B)→(C)→(D)の順に示す様に、上記第二中間素材15を構成する主板部13の長さ方向中間部を二段階に分けて湾曲させる事により、この長さ方向中間部を結合筒部2とし、且つ、上記主板部13の長さ方向両端部を1対のフランジ部3、4とし、且つ、上記両舌片部14、14を1対の腕部5、5とした、第三中間素材16を造る。そして、この第三中間素材16を構成する結合筒部2の内周面に雌セレーション6(図12)を、1対のフランジ部3、4に通孔7及びねじ孔8(図12)を、1対の腕部5、5の先端部に円孔9、9(図12)を、それぞれ形成して、上記ヨーク1を完成させる。
ところで、上述した様なヨーク1の場合には、このヨーク1の強度及び剛性を十分に確保する観点より、1対のフランジ部3、4全体の板厚を、他の部位の板厚よりも大きくする構造を採用するのが好ましい。この様な構造は、例えば上述の図13に示したヨーク1の製造方法に於いて、(A)又は(B)の状態で、主板部13の長さ方向両端部(完成後に上記1対のフランジ部3、4となる部分)の板厚を増加させる工程を追加する事により、実現できる。但し、この板厚を増加させる、具体的且つ実用的な方法に就いては、従来は知られていなかった。
例えば、金属板素材の一部の板厚を増加する方法として従来から、特許文献2に記載された方法が知られている。この特許文献2に記載された方法の場合には、先ず、図14の(A)→(B)に示す様に、金属板素材17の縁部分を曲げ起こす事により、この縁部分に曲げ起こし部18を形成する。次いで、同図の(B)→(C)に示す様に、この曲げ起こし部18を図示しない上下型で押し潰す事により、上記金属板素材17の縁部分に厚肉部19を形成する事で、この縁部分の板厚を増加させる。ところが、この様な特許文献2に記載された方法の場合には、上記金属板素材17の縁部分の様な、比較的狭い領域の板厚を所望通りの大きさに増加させるのは容易であるが、上述した主板部13の長さ方向両端部の様な、比較的広い領域の板厚を所望通りの大きさに増加させるのは難しい。この為、上記特許文献2に記載された方法を、上記主板部13の長さ方向両端部の板厚を増加させる方法として採用するのは難しい。
尚、本発明に関連する公知文献として、以下の特許文献3がある。
特開2004−223616号公報 特開平7−155883号公報 特開平3−41220号公報
本発明の自在継手用ヨークの製造方法は、上述の様な事情に鑑み、素材となる金属板を打ち抜き加工する事により造った中間素材を用いて、1対のフランジ部の板厚を他の部位の板厚よりも大きくしたヨークを、能率良く、しかも十分な精度を確保して造れる方法を実現すべく発明したものである。
本発明の自在継手用ヨークの製造方法は、先ず、素材となる金属板に打ち抜き加工を施す事により、少なくとも長矩形状の主板部を備えた中間素材(例えば、この主板部と、この主板部の幅方向片端縁の中間部2個所位置から突出した1対の舌片部とを備えた中間素材)を造る。
その後、上記主板部の長さ方向中間部を湾曲させる事により、この長さ方向中間部を、自在継手用ヨークを構成する欠円筒状の結合筒部とし、且つ、上記主板部の長さ方向両端部をそれぞれ、この結合筒部の円周方向両端縁から連続して形成された、上記自在継手用ヨークを構成する1対のフランジ部とする(更には、上記両舌片部をそれぞれ、上記結合筒部の先端縁の径方向反対側となる2個所位置から連続して形成された1対の腕部とする)。
特に、本発明の自在継手用ヨークの製造方法に於いては、上記結合筒部を完成させる前に、上記主板部の各部分に、これら各部分毎に設定した所定の大きさのクッション力を、これら各部分の厚さ方向に加えながら、上記主板部に長さ方向両側から圧縮力を加える。この様な増肉加工を施す事により、この圧縮力に基づいてこの主板部が座屈するのを防止すると共に、この主板部の各部分の板厚の増加量を調整する。そして、上記主板部の長さ方向両端部の板厚を、この主板部の長さ方向中間部の板厚と異なる大きさに増加させる。
この様な特徴を有する本発明を実施する場合には、例えば請求項2に記載した方法を採用する事ができる。この請求項2に記載した方法の場合には、増肉加工を施す前に、主板部の長さ方向中間部に絞り加工を施す事により、この長さ方向中間部を完成後の結合筒部と同方向に湾曲した部分円筒状に変形させる。その後、この長さ方向中間部の形状を保持する為に、この長さ方向中間部に対し、この長さ方向中間部の両側からこの長さ方向中間部に向かう材料の流れを確実に堰き止められる大きさのクッション力を加えながら、上記増肉加工を施す。
又、上述した様な特徴を有する本発明を実施する場合には、例えば請求項3に記載した方法を採用する事もできる。この請求項3に記載した方法の場合には、主板部の長さ方向中間部に、この長さ方向中間部を完成後の結合筒部と同方向に湾曲した部分円筒状に変形させる絞り加工を施し始めるのと同時に、又は、この絞り加工の途中から、増肉加工を開始する。これにより、この増肉加工の開始後、上記絞り加工が終了する迄の間中、上記主板部の板厚を、この主板部の長さ方向両端部と長さ方向中間部とで、互いに同じ割合で増加させる。これと共に、上記絞り加工が終了した後、上記主板部の長さ方向中間部の形状を保持する為に、この絞り加工で使用したダイスと絞りパンチとを用いて、この長さ方向中間部に対し、この長さ方向中間部の両側からこの長さ方向中間部に向かう材料の流れを確実に堰き止められる大きさのクッション力を加えながら、上記増肉加工を続行する。これにより、上記主板部の長さ方向両端部の板厚を、この主板部の長さ方向中間部の板厚よりも大きな値にまで増加させる。
又、上述した様な特徴を有する本発明を実施する場合には、例えば請求項4に記載した方法を採用する事もできる。この請求項4に記載した方法の場合には、主板部の長さ方向中間部とその両側部分とに、互いに異なる大きさのクッション力を加えながら増肉加工を行う。これにより、上記主板部の長さ方向中間部の板厚と、長さ方向両端部の板厚とを、それぞれ増加させると共に、この長さ方向中間部の板厚の増加量と、この長さ方向両端部の板厚の増加量とを、互いに異ならせる。
更に、上述した様な特徴を有する本発明を実施する場合には、例えば請求項5に記載した方法を採用する事ができる。この請求項5に記載した方法の場合、主板部の各部分に加えるクッション力は、この主板部をダイスの上面に載せた状態で、この主板部の上面の各部分をクッション部材若しくは絞りパンチにより押圧する事に基づいて発生させる。又、このクッション部材若しくは絞りパンチを押圧する力は、プレス機を構成するプレスラムの下方への変位力を、方向変換せずに利用して得る。これに対し、上記主板部に加える圧縮力は、この主板部の長さ方向両端縁を1対の増肉パンチにより押圧する事に基づいて発生させる。又、これら両増肉パンチを押圧する力は、上記プレスラムの下方への変位力を、水平方向の変位力に変換する事により得る。
尚、この様な請求項5に記載した方法を採用する場合、上記主板部に圧縮力を加える事によって生じる、この主板部の板厚の増加量は、プレス機を構成するプレスラムのストロークに凡そ比例する。この為、この主板部の板厚の増加量は、このプレスラムのストロークと相関関係のある、上記プレス機のダイハイトを調整する事によって、調整できる。
上述した様な本発明の自在継手用ヨークの製造方法によれば、素材となる金属板を打ち抜き加工する事により造った中間素材を用いて、1対のフランジ部の板厚を他の部位の板厚よりも大きくしたヨークを、能率良く、しかも十分な精度を確保して造れる。
[実施の形態の第1例]
図1〜4は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の製造対象となる自在継手用のヨーク1aは、前述の図12に示した従来のヨーク1と同様、欠円筒状の結合筒部2aと、この結合筒部2aの円周方向両端縁から連続して形成された1対のフランジ部3a、4aと、上記結合筒部2aの先端縁の円周方向反対側となる2個所位置から連続して形成された1対の腕部5a、5aとを備える。そして、このうちの結合筒部2aの内周面に雌セレーション6を、上記両フランジ部3a、4aに互いに同心の通孔7及びねじ孔8を、上記両腕部5a、5aの先端部に互いに同心の円孔9、9を、それぞれ形成している。特に、本例の製造対象となるヨーク1aの場合には、上記両フランジ部3a、4aの板厚を、他の部位の板厚よりも大きくしている。
本例の場合、上記ヨーク1aを製造する際には、先ず、素材となる金属板である、SPHC、SPHD、SPHEの如き熱間圧延軟鋼板等の鋼板に対し、「打ち抜き工程」→「絞り工程」→「増肉工程」→「腕部成形工程」→「曲げ工程」の順で、それぞれ所定の加工を施す。以下、これら各工程の具体的な内容に就いて、上記の順に従って説明する。
先ず、上記「打ち抜き工程」では、上記鋼板をプレス加工で打ち抜く事により、図2の(A)に示す様な第一中間素材12aを得る。この第一中間素材12aは、長矩形状の主板部13aと、この主板部13aの幅方向片端縁の中間部2個所位置から突出した1対の舌片部14a、14aとを備える。尚、本例の場合、上記第一中間素材12aの板厚(上記鋼板の厚さ)Tは6〜8mmであり、上記主板部13aの長さLは130〜150mmであり、同じく幅Wは30〜50mmである。
次に、上記「絞り工程」では、図2の(A)→(B)、及び、図3の(A)→(B)に示す様に、上記第一中間素材12aを構成する主板部13aの長さ方向中間部に絞り加工を施す事により、この長さ方向中間部に、完成後の結合筒部2a{図1及び後述する図2の(E)}と同方向に湾曲した部分円筒状の絞り部21を形成する事で、第二中間素材20を得る。この絞り部21の曲率半径は、完成後の結合筒部2aの曲率半径よりも少しだけ大きくしている。この様な「絞り工程」の目的は、上記第一中間素材12aを上記ヨーク1aの完成形状に近づける事、及び、次述する「増肉工程」で、上記主板部13aの長さ方向両端部(完成状態で上記両フランジ部3a、4aとなる部分)のみを増肉し易くする事、及び、後述する「曲げ工程」で、上記主板部13aの長さ方向中間部の曲げ量を減らせる様にして、この長さ方向中間部に割れが発生するのを防止する事にある。
上記「絞り工程」で使用する装置(プレス機)は、図3に示す様に、ダイス22と、ホルダ23と、1対のサイドクッション部材24、24と、絞りパンチ25とを備える。上記主板部13aの長さ方向中間部に絞り加工を施す場合には、図3の(A)に示す様に、上記ダイス22の上面に上記第一中間素材12aを載せると共に、上記ホルダ23によりこの第一中間素材12aの外周を拘束して、この第一中間素材12aの水平方向の位置決めを図る。更に、この第一中間素材12aを構成する主板部13aのうち、絞り加工を施す部分である長さ方向中間部の両側部分の上面を、上記1対のサイドクッション部材24、24により押える。そして、この状態で、これら両サイドクッション部材24、24同士の間に配置された、上記絞りパンチ25により、上記主板部13aの長さ方向中間部に上方からの絞り加工力を加える。これにより、図3の(A)→(B)に示す様に、上記絞りパンチ25の下面に設けた凸部26と、上記ダイス22の上面に設けた凹部27との間で、上記主板部13aの長さ方向中間部を塑性変形させる事により、上記絞り部21を形成する(上記第二中間素材20を得る)。
尚、この様な絞り加工を行う際に、上記両サイドクッション部材24、24を設けていなかったり、設けていたとしても、これら両サイドクッション部材24、24のクッション力(上記主板部13aの上面を押える力)が弱く{9.8kN(1.0tonf)以下に}なっていたりすると、上記主板部13aの長さ方向両側部分が、図3の(B)に矢印イ、イで示す方向に浮き上がって、V字形になってしまう。そこで、本例では、この様な不具合が発生するのを防止する為に、上記両サイドクッション24、24の初期のクッション力を、それぞれ14.7kN(1.5tonf)以上(例えば14.7kN)に設定している。尚、本例の場合、上記両サイドクッション部材24、24のクッション力は、プレス機を構成する図示しないプレスラムの下方への変位力を、方向変換せずに利用して(例えば、適切なガススプリング、コイルスプリング等を選定し、これらによって所望値に調整する事により)得ている。上記絞り加工の終了後は、上記両サイドクッション部材24、24及び上記絞りパンチ25を上昇させると共に、上記ダイス22の内部に設けたノックピン37を上昇させる事により、上記第二中間素材20を取り出す。
次に、前記「増肉工程」では、図2の(B)→(C)、及び、図4の(A)→(B)に示す様に、上記第二中間素材20を構成する主板部13aの長さ方向両端部に増肉加工を施す事により、これら長さ方向両端部の板厚を増加させる事で、第三中間素材28を得る。この様な「増肉工程」の目的は、完成後の1対のフランジ部3a、4aに形成する通孔7及びねじ孔8(図1)の軸方向寸法を、必要量確保できる様にする事、並びに、後述する「曲げ工程」で形成する結合筒部2aの内周面に形成される部分円筒面部{雌セレーション6(図1)を形成する部位}の円周方向長さを、必要量確保できる様にする事にある。
図4に示す様に、上記「増肉工程」で使用する装置(プレス機)は、ホルダ29と、ダイス22aと、上記絞りパンチ25(図3参照)と同形状のセンタークッション部材30と、1対のサイドクッション部材24a、24aと、1対の駆動カム31、31と、1対のスライドカム32、32と、1対の増肉パンチ33、33とを備える。上記主板部13aの長さ方向両端部に増肉加工を施す場合には、図4の(A)に示す様に、上記ホルダ29の底面上に設置した、上記ダイス22aの上面に、上記第二中間素材20を載せる。これと共に、図示しない1対の押え治具により、この第二中間素材20を構成する主板部13aの幅方向(図4の表裏方向)両側縁を押える。又、上記センタークッション部材30により、上記主板部13aの長さ方向中間部である上記絞り部21の上面(内周面)を押える(この絞り部21を、上記センタークッション30の下面に設けた凸部26aと、上記ダイス22aの上面に設けた凹部27aとの間で圧縮挟持する)。これと共に、上記センタークッション30の両側に配置した上記1対のサイドクッション部材24a、24aにより、上記主板部13aの上面のうち上記絞り部21の両側部分を押える。
そして、この状態で、上記1対の増肉パンチ33、33により、上記主板部13aの長さ方向両端縁を強く押圧し、この主板部13aに長さ方向両側から圧縮力を加える事で、図4の(A)→(B)に示す様に、上記主板部13aの長さ方向両端部の板厚のみを、均一に増加させる。尚、本例の場合、上記ホルダ29の両内側面に沿って上下方向に変位可能な、上記1対の駆動カム31、31と、上記ダイス22aの上面に沿って図示の左右方向に変位可能な、上記1対のスライドカム32、32とを、互いのカム面34、35同士を摺動可能に接触させる事により、カム機構を構成している。そして、プレス機を構成する図示しないプレスラムの下方への変位力によって、上記両駆動カム31、31を下方に押圧する事により、上記両カム面34、35同士の接触部を介して、上記両スライドカム32、32を互いに近づき合う方向に押圧できる様にしている。そして、これら両スライドカム32、32により、上記両増肉パンチ33、33の背面を押圧する事に基づいて、これら両増肉パンチ33、33により、上記主板部13aの長さ方向両端縁を強く押圧できる様にしている。
尚、本例の場合には、上記主板部13aに加える圧縮力によって、この主板部13aの長さ方向両端部が座屈するのを防止しつつ、この長さ方向両端部の板厚を均一に増加させられる様にすべく、上記両サイドクッション部材24、24の初期のクッション力(上記主板部13aの上面を押える力)を、それぞれ29.4kN(3tonf)以上(例えば29.4kN)に設定している。尚、このクッション力を19.6kN(2tonf)以下に設定すると、上記長さ方向両端部が座屈するのを有効に防止できなくなる。これに対し、このクッション力を19.6kNを越えて過度に大きく設定すると、増肉に対する抵抗が大きくなって、上記長さ方向両端部の板厚を効果的に増加させられなくなる。この為、上記両サイドクッション部材24、24のクッション力は、それぞれ19.6kNを越える範囲で低めに(例えば上記29.4kN程度に)設定するのが好ましい。
又、本例の場合には、上記圧縮力によって、上記絞り部21が座屈するのを防止すると共に、上記主板部13aの長さ方向両端部から上記絞り部21に向かう材料の流れを確実に堰き止めて、この絞り部21の形状を保持できる様にすべく、上記センタークッション部材30の初期のクッション力(上記絞り部21の上面を押える力)を、235.2kN(24tonf)以上(例えば235.2kN)に設定している。尚、このクッション力を78.4kN(8tonf)以下に設定すると、上記絞り部21が座屈するのを有効に防止できなくなる。この為、この絞り部21が座屈するのを防止する事だけを考えるのであれば、上記センタークッション部材30のクッション力は、78.4kNよりも大きく設定するだけで良い。但し、本例の場合には、このクッション力により、上記主板部13aの長さ方向両側からの材料の流れを堰き止めて、この主板部13aの長さ方向両端部の板厚を効果的に増加させられる様にする必要がある。この為、上記センタークッション部材30のクッション力は、上記235.2kN程度と大きく設定している。尚、本例の場合、上記両サイドクッション部材24、24及び上記センタークッション部材30のクッション力は、プレス機を構成する図示しないプレスラムの下方への変位力(プレス押圧力)を、方向変換せずに利用して(例えば適切なガススプリング、コイルスプリング等を選定し、これらによって所定の大きさに調節する事により)得ている。又、本例の場合には、上記圧縮力によって、上記主板部13aの幅寸法が増加するのを防止し、この主板部13aの長さ方向両端部の板厚を効果的に増加させられる様にすべく、図示しない1対の押え治具により、上記主板部13aの幅方向両側縁を、拡幅不能に押えている。
又、本例の場合には、上記主板部13aに加える圧縮力を発生させる際に、上記ホルダ29の両内側面には、上記両駆動カム31、31を介して、大きな反力が加わる。この為、本例の場合には、上記ホルダ29を分割構造とせず、一体構造とする事で、このホルダ29が上記反力によって破損するのを防止できる様にしている。又、本例の場合、上記ダイス22aの幅方向中間部を、幅方向両端部に対して昇降可能な昇降部36としている。そして、上記ホルダ29内に設けたノックピン37aにより、上記昇降部36を介して、上記主板部13aの下面に弱いクッション力を加えている。上記増肉加工の終了後は、上記各クッション部材30、24が上昇するのと同時に、上記クッション力により上記昇降部36を上昇させる事で、前記第三中間素材28を取り出す。
尚、上述した様な「増肉工程」で、上記主板部13aの長さ方向両端部の板厚の増加量は、上記両厚肉パンチ33、33のストローク(及び、これら両厚肉パンチ33、33のストロークと相関関係がある、上記両駆動カム31、31のストローク、及び、これら両駆動カム31、31を取り付けた図示しないプレスラムのストローク、及び、このプレスラムのストロークと相関関係がある、プレス機のダイハイト)に、凡そ比例する。この為、上記長さ方向両端部の板厚の増加量は、プレス機のダイハイトを調整する事によって、容易に調整する事ができる。
次に、前記「腕部成形工程」では、図2の(C)→(D)に示す様に、上記第三中間素材28を構成する1対の舌片部14a、14aの根元部分に対し、これら各根元部分が、それぞれ先端側に向かう程絞り部21の中心軸から離れる方向に所定角度だけ傾斜した形状になる、プレス加工を施す。これにより、上記両舌片部14a、14aを1対の腕部5a、5aとした、第四中間素材38を得る。この様な「腕部成形工程」の目的は、上記両腕部5a、5aの外形を造る事、並びに、次述する「曲げ工程」で、これら両腕部5a、5aの側面が互いに平行に向き合い、適切な寸法だけ離れる様にする事にある。尚、上記両舌片部14a、14aの根元部分に上記プレス加工を施す際には、これら両根元部分が延びる。この為、この延びに伴って割れが発生するのを防止すべく、上記両舌片部14a、14aの先端側から圧縮力を加えつつ、上記プレス加工を施す様にする事もできる。又、上述した「増肉工程」で、腕部成形用のクッション部材を追加し、この「増肉工程」と上記「腕部成形工程」とを、1工程にまとめる事もできる。1工程にまとめれば、その分だけ製造コストを削減できる。
次に、前記「曲げ工程」では、図2の(D)→(E)に示す様に、上記第四中間素材38を構成する主板部13aに設けた絞り部21を更に湾曲させる事により、第五中間素材39を得る。この様な第五中間素材39を得る為に、具体的には、上記第四中間素材38を構成する絞り部21の内径側に、図示しないマンドレルを嵌め込む。このマンドレルの外周面形状は、完成後の結合筒部2aの内周面形状に(雌セレーション形状を除き)合致する形状としている。そして、この状態で、上記第四中間素材38を図示しないダイスの内側に押し込む。これにより、この第四中間素材38を構成する主板部13aの長さ方向中間部を、更に湾曲させると共に、この主板部の長さ方向両端部を、それぞれ上記絞り部21の湾曲方向に立ち上げる。これにより、上記絞り部21を、上記マンドレルの外周面形状と合致する内周面形状を有する欠円筒状の結合筒部2aとし、且つ、上記主板部13aの長さ方向両端部を、互いにほぼ平行な1対のフランジ部3a、4aとして、上記第五中間素材39とする。
尚、上記絞り部21に曲げ加工を施す際の割れ防止対策としては、この絞り部21を、その曲率半径がこの絞り部21の外周面の曲率半径よりも少しだけ小さいダイスに押し込んで、若干圧力をかけながら、上記絞り部21の曲げ加工を行う事が考えられる。同じく、別の割れ防止対策としては、上記絞り部21の曲げ加工を2回に分けて行う事が考えられる。この場合には、1回目の曲げ加工で、上記主板部13aの長さ方向両端部を、V字配置になるまで立ち上げる。そして、2回目の曲げ加工で、これら長さ方向両端部を、(これら長さ方向両端部の先端縁からパンチで圧縮力を加えながら、)互いにほぼ平行になるまで立ち上げる。又、上記曲げ加工の終了後、上記マンドレルは、上記結合筒部2aの内側から軸方向に抜き出す。
そして、以上に述べた様な、図2の(A)〜(E)に示した各工程を終えたならば、次いで、上記第五中間素材39を構成する結合筒部2aの内周面に雌セレーション6を、同じく1対のフランジ部3a、4aに通孔7及びねじ孔8を、同じく1対の腕部5a、5aの先端部に円孔9、9を、それぞれ形成して、前記ヨーク1a(図1)を完成させる。
上述した様な本例の自在継手用ヨークの製造方法によれば、素材となる金属板に打ち抜き加工を施す事により形成した第一中間素材12aを使用して、1対のフランジ部3a、4aの板厚を他の部位の板厚よりも大きくしたヨーク1aを、能率良く、しかも十分な精度を確保して造れる。
[実施の形態の第2例]
図5〜9は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、図5の(A)に示す第一中間素材12aから、同図の(B)に示す第三中間素材28aを得る方法が、上述した第1例の場合と異なる。即ち、上述した第1例の場合には、図2の(A)に示した第一中間素材12aに「絞り工程」の加工を施して、一旦、同図の(B)に示した第二中間素材20を得た後、この第二中間素材20に「増肉工程」の加工を施して、同図の(C)に示した第三中間素材28を得る。これに対し、本例の場合には、図5の(A)に示す第一中間素材12aに対し、上記「絞り工程」と上記「増肉工程」とを1工程にまとめた「絞り・増肉工程」の加工を施す事により、直接、同図の(B)に示す第三中間素材28aを得る。本例の場合には、この様な「絞り・増肉工程」で、上記「増肉工程」(図4参照)と同じ加工装置(プレス機)を使用する。
上記「絞り・増肉工程」を行う場合には、先ず、図6の(A)及び図7の(A)に示す様に、上記加工装置に上記第一中間素材12aをセットする。尚、図示は省略するが、1対のサイドクッション部材24a、24aを取り付けたプレスラムが上死端にある状態では、上記第一中間素材12aを載せたダイス22aの昇降部36が、ノックピン37aの弱いクッション力によって、図6の(A)及び図7の(A)に示す位置よりも、上方に浮き上がっている。そして、この様に浮き上がった状態から、上記プレスラムと共に上記両サイドクッション部材24a、24aを下方に変位させて、これら両サイドクッション部材24a、24aにより上記主板部13aの長さ方向両端寄り部分の上面を押えつつ、上記昇降部36を下降させて着座させた状態が、図6の(A)及び図7の(A)に示した状態である。
上述の様に加工装置に第一中間素材12aをセットしたならば、次いで、図6の(A)→(B)の順、より具体的には、図7の(A)→(B)→(C)→(D)→(E)の順に示す様にして、上記第一中間素材12aに対し、「絞り・増肉工程」の加工を施す事により、上記第三中間素材28aを得る。下記の表1は、この様にして「絞り・増肉工程」の加工を施す際の、上記両サイドクッション部材24a、24aと、センタークッション部材30(絞りパンチ)と、1対の増肉パンチ33、33との挙動を示している。尚、下記の表1中、「状態1」は、図6の(A)及び図7の(A)に対応する状態を、「状態2」は、図7の(B)に対応する状態を、「状態3」は、図7の(C)に対応する状態を、「状態4」は、図7の(D)に対応する状態を、「状態5」は、図6の(B)及び図7の(E)に対応する状態を、それぞれ示している。
Figure 2010023112
上記各状態の意味は、次の通りである。先ず、図6の(A)及び図7の(A)に対応する「状態1」は、上記加工装置に上記第一中間素材12aをセットした状態を示している。この「状態1」では、上記両サイドクッション部材24a、24aにより、この第一中間素材12aを構成する主板部13aの長さ方向両端寄り部分の上面を押えている。更には、図示しない1対の押え治具により、上記主板部13の幅方向(図6〜7の表裏方向)両端縁を拡幅不能に押えている。尚、上記両サイドクッション部材24a、24aのクッション力(上記主板部13aの上面を押える力)は、上述した第1例の「増肉工程」で設定したクッション力と同じ大きさになっている。又、この「状態1」では、上記センタークッション部材30及び上記両増肉パンチ33、33は、上記主板部13aに接触していない(微小隙間を介して近接している)か、或いは、接触していても無負荷の状態になっている。
次に、図7の(B)に対応する「状態2」は、上記センタークッション部材30により上記主板部13aの長さ方向中間部を上方から押し始めた状態、即ち、この長さ方向中間部の絞り加工を開始した状態を示している。この様に、上記両増肉パンチ33、33により上記主板部13aの増肉加工を開始する前に、上記絞り加工を開始する理由は、この絞り加工を開始する前に、上記増肉加工を開始すると、上記主板部13aの長さ方向中間部が、好ましくない方向(図6〜7の上方)に座屈する可能性がある為である。
次に、図7の(C)に対応する「状態3」は、上記両増肉パンチ33、33により上記主板部13aの長さ方向両端縁を押し始めた状態、即ち、この主板部13aの増肉加工を開始し始めた状態を示している。この「状態3」では、未だ、上記絞り加工が終了していない。この絞り加工が終了するまでの間は、上記増肉加工によって、上記主板部13aの板厚が全体的に(この主板部13aの長さ方向中間部に形成された絞り部21aを含めて)ほぼ均一に増加する。尚、この「状態3」では、上記絞り加工と共に上記増肉加工を行える様にする為に、上記両増肉パンチ33、33の送り速度を、上記絞り加工に伴う、上記主板部13aの長さ寸法の減少速度よりも大きくする。
次に、図7の(D)に対応する「状態4」は、上記センタークッション部材30による絞り加工が終了し、且つ、上記両増肉パンチ33、33による増肉加工を続行している状態を示している。上記絞り加工が終了すると、上記主板部13aの長さ方向中間部に形成された絞り部21aの上面(内周面)が、上記センタークッション部材30により押えられた状態となる。この際のセンタークッション部材30のクッション力(上記絞り部21aの上面を押える力)は、上述した第1例の「増肉工程」で設定したクッション力と同じ大きさになっている。この為、上記絞り加工が終了した後は、上記主板部13aのうち、上記絞り部21aの板厚は増加せず、この絞り部21aの両側に存在する部分の板厚のみが、引き続き増加する。
次に、図6の(B)及び図7の(E)に対応する「状態5」は、上記両増肉パンチ33、33による増肉加工が終了し、第三中間素材28aが得られた状態を示している。
尚、以上に述べた「絞り・増肉工程」で、上記絞り部21aの板厚の増加量は、プレス機のダイハイトを調整する事によって、容易に調整する事ができる。具体的には、先ず、このプレス機のダイハイトの大きさを、DH(1)にした場合と、DH(2)にした場合との、それぞれの場合に就いて、サンプル品に対し、上記「絞り・増肉工程」を試行する。そして、この試行後のサンプル品の絞り部21aの板厚T(1)、T(2)を測定し、図8の(A)に示す様な、上記ダイハイトと上記絞り部21aの板厚との間に成立する関係を求める。尚、この関係は、図示の様に比例関係となる。この理由は、図9に示す様に、上記「状態3」→「状態4」の間で、上記絞り部21aの板厚の増加量と、上記両増肉パンチ33、33の移動量との間に、比例関係が成立する為である。但し、計算上、この様な比例関係が成立するのは、本例の様に、上記主板部13aの板厚が、この主板部13aの長さ方向に関する上記絞り部21aの幅寸法よりも十分に小さい場合だけである。何れにしても、上記図8の(A)に示す様な関係を求めたならば、同図の(B)に示す様に、この関係を利用して、所望とする上記絞り部21aの板厚T(所望)から、この板厚T(所望)を実現する為の上記ダイハイトの大きさDH(調整)を決定する。従って、この様な方法で、このダイハイトの大きさを調整する事により、上記絞り部21aの板厚の増加量を調整できる。
上述した様な本例の場合には、前述した第1例の場合と異なり、第三中間素材28aを構成する主板部13aの長さ方向両端部の板厚だけでなく、この主板部13aの長さ方向中間部に形成した絞り部21aの板厚も増加させる事ができる。しかも、上記主板部13aの長さ方向両端部の板厚を、上記絞り部21aの板厚よりも大きくできる。尚、本例の場合には、上記第三中間素材28aを構成する絞り部21aの板厚を増加させた為、その後に形成する、図5の(C)に示す第四中間素材38aの絞り部21aの板厚、及び、図5の(D)に示す第五中間素材39aの結合筒部2bの板厚、及び、図示しない完成後のヨークを構成する結合筒部の板厚も、前述した第1例の場合に比べて大きくできる。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
図10〜11は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、先ず、前述した第1例と同じ方法で、図10の(A)に示す様な第一中間素材12aを得る。次いで、この第一中間素材12aに対し、「一発増肉工程」の加工を施す。この「一発増肉工程」では、図10の(A)→(B)、及び、図11の(A)→(B)に示す様に、上記第一中間素材12aを構成する主板部13aの長さ方向中間部と両端部とに増肉加工を施して、これら中間部と両端部との板厚を、これら各部位ごとに異なる大きさで(中間部の板厚<両端部の板厚、となる様に)増加させる事により、第二中間素材40を得る。
図11に示す様に、上記「一発増肉工程」で使用する加工装置(プレス機)は、前述した第1例の「増肉工程」(図4参照)で使用する加工装置(プレス機)とほぼ同様であるが、センタークッション部材30aの下端面を、1対のサイドクッション部材24b、24bの下端面と同様、自身の中心軸に直角な平坦面としている点、並びに、ダイス22bの上面を全体的に平坦面としている点が異なる。又、上記「一発増肉工程」を行う場合も、前述した第1例の「増肉工程」(図4参照)を行う場合と同様、先ず、図11の(A)に示す様に、上記センタークッション部材30aと上記両サイドクッション部材24b、24bとにより、上記第一中間素材12aを構成する主板部13aの長さ方向中間部とその両側部分との上面を押える。これと共に、図示しない1対の押え治具により、上記主板部13aの幅方向(図11の表裏方向)両側縁を拡幅不能に押える。そして、この状態で、図11の(A)→(B)に示す様に、1対の増肉パンチ33、33により、上記主板部13aの長さ方向両端縁を強く押圧し、この主板部13aに長さ方向両側から圧縮力を加える事で、上記主板部13aの長さ方向中間部と両端部との板厚を、それぞれこれら各部位ごとに異なる大きさで(中間部の板厚<両端部の板厚、となる様に)で均一に増加させる。
この様に本例の場合には、上記圧縮力によって上記主板部13aの長さ方向両端部だけでなく、長さ方向中間部の板厚も増加させる事ができる様にする為に、上記センタークッション部材30aのクッション力(上記主板部13aの上面を押える力)を、前述した第1例の「増肉工程」(図4参照)で設定したクッション力よりも(所望の板厚の増加を実現できる分だけ)小さくしている。更に、本例の場合には、上記圧縮力によって、上記主板部13aの長さ方向両端部の板厚の増加量を、長さ方向中間部の板厚の増加量よりも多くする為に、上記両サイドクッション部材24b、24bのクッション力を、上記センタークッション部材30aのクッション力よりも小さくしている。
尚、本例の場合とは異なるが、上記センタークッション部材30aのクッション力を235.2kN(24tonf)以上にし、且つ、上記両サイドクッション部材24b、24bのクッション力を、それぞれ29.4kN(3tonf)にすると、上記主板部13aの長さ方向中間部の板厚は増加せず、長さ方向両端部の板厚のみが増加する。
又、上記センタークッション部材30aのクッション力を235.2kNよりも小さくし、上記両サイドクッション部材24b、24bのクッション力を、それぞれ29.4kNにすると、本例の様に、上記主板部13aの長さ方向両端部の板厚だけでなく、長さ方向中間部の板厚も(この長さ方向両端部の板厚よりも少ない割合で)増加する。
又、本例の場合とは異なるが、上記センタークッション部材30aのクッション力よりも、上記両サイドクッション部材24b、24bのクッション力を大きくすると、上記主板部13aの長さ方向中間部の板厚の増加量が、長さ方向両端部の板厚の増加量よりも多くなる。
但し、何れの場合も、上記センタークッション部材30a及び上記両サイドクッション部材24b、24bのクッション力は、上記主板部13aに加える圧縮力によって、この主板部13aが座屈するのを防止できる大きさにする。
以上の様に、上記センタークッション部材30aのクッション力と、上記両サイドクッション部材24b、24bのクッション力との間に差を付ける事により、この差に応じた分だけ、上記主板部13aの長さ方向中間部の板厚と、長さ方向両端部の板厚との間に、差を付ける事ができる。但し、クッション力と板厚との関係は、多少複雑である為、増肉加工の途中でクッション力の変更を頻繁に行う場合は、クッション力の変更を行い易い、油圧機構を使用するのが好ましい(上述した実施の形態の第1〜2例の場合に就いても同様である)。
何れにしても、上述した様な「一発増肉工程」が終了したならば、次いで、図10の(B)→(C)に示す様に、上記第二中間素材40に対し、前述の第1例の場合と同様の「腕部成形工程」の加工を施す事により、第三中間素材41を得る。次いで、図10の(C)→(D)示す様に、上記第三中間素材41に対し、前述の第1例の場合とほぼ同様の「曲げ工程」の加工を施す事により、第五中間素材39aを得る。但し、本例の場合には、上記第三中間素材41を構成する主板部13aの長さ方向中間部に、部分円筒状の絞り部が形成されていない為、上記「曲げ工程」を行う際の割れ防止対策として、前述の第1例で説明した、曲げ加工を2回に分けて行う方法を採用するのが好ましい。その他の構成及び作用は、前述した第1例の場合と同様である。
尚、上述した各実施の形態では、前述の図1に示したヨーク1aの様に、1枚の金属板により全体を一体に形成したヨークを製造対象とした。但し、本発明は、例えば特許文献3に記載されている様な、1対の腕部を備えた先半部と、結合筒部及び1対のフランジ部を備えた基半部とを、互いに結合固定して成るヨークのうち、この基半部を製造対象として実施する事もできる。
本発明の実施の形態の第1例の製造対象となるヨークを示しており、(A)は平面図、(B)は(A)の右方から見た図、(C)は(A)の下方から見た図。 各製造工程で造られる中間素材を、これら各製造工程順に示す図。 「絞り工程」の実施状況を示す断面図。 「増肉工程」の実施状況を示す断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図2と同様の図。 「絞り・圧縮工程」の実施状況を、最初と最後とのみを簡単に示す断面図。 「絞り・圧縮工程」の実施状況を途中も含めて示す断面図。 プレス機のダイハイトと被加工物の板厚との間に成立する関係を利用して、所望の板厚を得る為のダイハイトの大きさを決定する方法を説明する為の線図。 増肉パンチの移動量と絞り部の板厚の増加量との関係を示すグラフ。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図2と同様の図。 「一発増肉工程」の実施状況を示す断面図。 従来から知られているヨークの1例を示しており、(A)は平面図、(B)は(A)のX−X断面図、(C)は(A)の下方から見た側面図。 各製造工程で造られる中間素材を、これら各製造工程順に示す図。 従来から知られている、金属板素材の一部の板厚を増加する方法の1例を、工程順に示す断面図。
符号の説明
1、1a ヨーク
2、2a、2b 結合筒部
3、3a フランジ部
4、4a フランジ部
5、5a 腕部
6 雌セレーション
7 通孔
8 ねじ孔
9 円孔
10 十字軸
11 軸受カップ
12、12a 第一中間素材
13、13a 主板部
14、14a 舌片部
15 第二中間素材
16 第三中間素材
17 金属板素材
18 曲げ起こし部
19 厚肉部
20 第二中間素材
21、21a 絞り部
22、22a、22b ダイス
23 ホルダ
24、24a、24b サイドクッション部材
25 絞りパンチ
26、26a 凸部
27、27a 凹部
28、28a 第三中間素材
29 ホルダ
30、30a センタークッション部材
31 駆動カム
32 スライドカム
33 増肉パンチ
34 カム面
35 カム面
36 昇降部
37、37a ノックピン
38、38a 第四中間素材
39、39a 第五中間素材
40 第二中間素材
41 第三中間素材

Claims (5)

  1. 素材となる金属板に打ち抜き加工を施す事により、少なくとも長矩形状の主板部を備えた中間素材を造った後、この主板部の長さ方向中間部を湾曲させる事により、この長さ方向中間部を、自在継手用ヨークを構成する欠円筒状の結合筒部とし、且つ、上記主板部の長さ方向両端部をそれぞれ、この結合筒部の円周方向両端縁から連続して形成された、上記自在継手用ヨークを構成する1対のフランジ部とする、自在継手用ヨークの製造方法に於いて、上記結合筒部を完成させる前に、上記主板部の各部分に、これら各部分毎に設定した所定の大きさのクッション力を、これら各部分の厚さ方向に加えながら、上記主板部に長さ方向両側から圧縮力を加える増肉加工を施す事により、この圧縮力に基づいてこの主板部が座屈するのを防止すると共に、この主板部の各部分の板厚の増加量を調整しつつ、この主板部の長さ方向両端部の板厚を、この主板部の長さ方向中間部の板厚と異なる大きさに増加させる事を特徴とする自在継手用ヨークの製造方法。
  2. 増肉加工を施す前に、主板部の長さ方向中間部に絞り加工を施す事により、この長さ方向中間部を完成後の結合筒部と同方向に湾曲した部分円筒状に変形させた後、この長さ方向中間部の形状を保持する為に、この長さ方向中間部に対し、この長さ方向中間部の両側からこの長さ方向中間部に向かう材料の流れを確実に堰き止められる大きさのクッション力を加えながら、上記増肉加工を施す、請求項1に記載した自在継手用ヨークの製造方法。
  3. 主板部の長さ方向中間部に、この長さ方向中間部を完成後の結合筒部と同方向に湾曲した部分円筒状に変形させる絞り加工を施し始めるのと同時に、又は、この絞り加工の途中から、増肉加工を開始する事により、この増肉加工の開始後、上記絞り加工が終了する迄の間中、上記主板部の板厚を、この主板部の長さ方向両端部と長さ方向中間部とで互いに同じ割合で増加させると共に、上記絞り加工が終了した後、上記主板部の長さ方向中間部の形状を保持する為に、この絞り加工で使用したダイスと絞りパンチとを用いて、この長さ方向中間部に対し、この長さ方向中間部の両側からこの長さ方向中間部に向かう材料の流れを確実に堰き止められる大きさのクッション力を加えながら、上記増肉加工を続行する事により、上記主板部の長さ方向両端部の板厚を、この主板部の長さ方向中間部の板厚よりも大きな値にまで増加させる、請求項1に記載した自在継手用ヨークの製造方法。
  4. 主板部の長さ方向中間部とその両側部分とに、互いに異なる大きさのクッション力を加えながら増肉加工を行う事により、上記主板部の長さ方向中間部の板厚と、長さ方向両端部の板厚とを、それぞれ増加させると共に、この長さ方向中間部の板厚の増加量と、この長さ方向両端部の板厚の増加量とを、互いに異ならせる、請求項1に記載した自在継手用ヨークの製造方法。
  5. 主板部の各部分に加えるクッション力は、この主板部をダイスの上面に載せた状態で、この主板部の上面の各部分をクッション部材若しくは絞りパンチにより押圧する事に基づいて発生させるものであり、このクッション部材若しくは絞りパンチを押圧する力は、プレス機を構成するプレスラムの下方への変位力を、方向変換せずに得る力であり、
    上記主板部に加える圧縮力は、この主板部の長さ方向両端縁を1対の増肉パンチにより押圧する事に基づいて発生させるものであり、これら両増肉パンチを押圧する力は、上記プレスラムの下方への変位力を、水平方向の変位力に変換する事により得る力である、
    請求項1〜4のうちの何れか1項に記載した自在継手用ヨークの製造方法。
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