JP2010011684A - 鉄道車両駆動システム - Google Patents

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Abstract

【課題】シリーズハイブリッド方式の鉄道車両の駆動システムにおいて、蓄電手段の充放電電流の2乗平均値を小さくして、充放電電流による通流損失を最小限とすることにより蓄電手段の発熱を抑制する鉄道車両駆動システムを提供する。
【解決手段】システム統括制御部9は、運転台11が出力する運転指令NTC_inv、速度演算部20bが出力する電動機ロータ周波数FR_mtr、インバータ装置4が出力する駆動トルク情報TRQ_inv、蓄電装置8が出力する電池セル温度TMP_btr、電池蓄電量SOC_btrを入力として、エンジン装置1にエンジン出力指令NTC_eng、コンバータ装置3にコンバータ発電指令NTC_cnvを出力し、2次電池蓄電量を一定範囲内とするように、これらの機器の総合的な動作状態を制御する。充放電電流による通流損失を最小限とすることで、蓄電手段の安全性確保と長寿命化を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両の駆動システムに係り、特に、発電手段と電力蓄積手段とを備え、この両手段から供給される電力を利用して鉄道車両を駆動する鉄道車両駆動システムに関する。
鉄道車両は、鉄の車輪がレール面上を転がることにより走行するため、走行抵抗が自動車に比べて小さいことが特徴である。特に、最近の電気鉄道車両では、制動時に主電動機を発電機として作用させることで制動力を得ると同時に、制動時に主電動機で発生する電気的エネルギを架線に戻して他車両の力行エネルギとして再利用する回生ブレーキ制御を行なっている。回生ブレーキを備える電気鉄道車両は、回生ブレーキを備えていない電気鉄道車両に比べて、約半分のエネルギ消費で走行することが可能とされており、走行抵抗が小さい鉄道車両の特徴を生かした省エネ手法といえる。
一方、輸送密度が小さい地方路線等は、架線、変電所等のインフラを必要としていない気動車(ディーゼルカー)を用いることによって、きめ細かな乗客サービスを低コストで実現している。しかし、気動車は、架線等、他車両にエネルギを渡す手段を備えていないため、電気鉄道車両のような回生エネルギの再利用は行なわれていなかった。このため、気動車で省エネルギを実現するためには、低燃費エンジンの開発に頼らざるを得ないと考えられていた。
気動車についても省エネルギを推進する方法の一つとして、エンジンと蓄電装置を組み合わせたハイブリッド気動車が考案された。ハイブリッド気動車は蓄電装置を設けることにより、制動時に発生する回生エネルギを蓄電装置で一旦吸収することが可能となり、この吸収した回生エネルギを力行時に必要なエネルギの一部として再利用することにより省エネルギを実現することができる。
ハイブリッドシステムの構成、制御方式については、例えば特許文献1において、鉄道車両駆動システムにおいて述べられている。図7には、特許文献1に開示されている鉄道車両の駆動システムが駆動装置の機器構成図として示されている。エンジン101は、制御装置111の運転指令Seに基づいた軸トルクを出力する。誘導発電機102は、エンジン101の軸トルクを入力としてこれを3相交流電力に変換して出力する。コンバータ装置103は、誘導発電機102から出力される3相交流電力を入力としてこれを直流電力に変換して出力する。ここで、コンバータ装置103は、制御装置111からの運転指令Scに基づいた直流電圧となるように電圧制御する。インバータ装置104は、コンバータ装置103から出力される直流電力を入力としてこれを3相交流電力に変換して出力する。誘導電動機105は、インバータ装置104が出力する3相交流電力を入力としてこれを軸トルクに変換して出力する。ここで、インバータ装置104は、誘導電動機105の出力トルクが制御装置111からの運転指令Siに基づいたトルクを出力するようにインバータ装置104の出力電圧及び交流電流周波数を可変制御する。減速機106は、誘導電動機105の軸トルク出力を回転数の減速により増幅して出力し、輪軸107を駆動して電気車を加減速する。
制御装置111は、蓄電装置108の内部状態信号Sp1を入力として、エンジン101に運転指令Se、コンバータ装置103に運転指令Sc、インバータ装置104に運転指令Si、遮断器114a,114b,114c,114dに動作指令Sb、蓄電装置108に動作指令Sp2を出力し、2次電池蓄電量を一定範囲内とするようにこれらの機器の総合的な動作状態を制御する。サービス電源用インバータ装置112は、コンバータ装置103とインバータ装置104間の直流電力を入力としてこれを3相交流電力に変換して出力する。更に、サービス電源用変圧器113は、この3相交流電力を電気車の照明や空調機等に供給されるサービス電源電圧に調整して各サービス機器に供給する。
ところで、ハイブリッド気動車では、蓄電装置を用いることで、様々なメリットを実現できる。例えば、停車・低速時はエンジン発電を停止し、蓄電装置の出力のみで走行することで、アイドルストップによる駅構内静音化を実現できる。また、走行中には、エンジン発電を最大エンジン効率点で定出力(定電力)運転して、インバータ消費電力(力行電力)に対する過不足分を蓄電装置の充放電電力で負担することにより、システムの省エネルギを実現できる。一方で、車載する蓄電装置の大きさはできるだけ小さくする要求があるため、蓄電装置の充放電性能は必要最小限とすることが多い。このとき、蓄電装置の充放電電流は最大仕様電流付近まで使用する。
このようなハイブリッド気動車において、蓄電装置の発熱が課題となる場合がある。蓄電装置には、2次電池、キャパシタ等の種類があるが、いずれも電気機器としての内部損失が存在する。例えば、2次電池の場合では、主に電池セルの電極材と電解液の間でイオン収受するときに電気的な内部損失(内部抵抗)が発生する。即ち、蓄電装置を急速に充放電しようとすると、蓄電装置の内部抵抗の影響で発熱が大きくなる傾向がある。蓄電装置には、安全な動作を保障する使用温度範囲、また所定の性能を満足できる使用温度範囲が、それぞれ装置の仕様として決まっていることが一般的である。これらの使用温度範囲の上限を超えて蓄電装置を稼動することは、蓄電装置が故障する原因となり、また、蓄電装置の寿命を早める原因となるため避けなければならない。
特開2004−282859号公報
一般的に抵抗による発熱は流れる電流値の2乗に比例する。蓄電装置の内部抵抗をR、蓄電装置の充電電流をI、発熱量をQとすると、Q=R×I2の関係が成り立つ。このことから、充放電電流の2乗平均値を小さくすれば蓄電装置の発熱量Qを低減できるといえる。ハイブリッド気動車では、所定のインバータ消費電力(力行電力)を、エンジン発電電力と蓄電装置の充放電電力で負担している。即ち、エンジン発電電力をインバータ消費電力とほぼ等しくなるように調整すれば、蓄電装置の充放電電流の2乗平均値を低減できる。
本発明の目的は、エンジンにより駆動される発電手段に蓄電手段を組み合わせ、その両者により供給される直流電力をインバータ装置で交流電力に変換し、モータを駆動するシリーズハイブリッド方式の鉄道車両の駆動システムにおいて、蓄電手段の充放電電流の2乗平均値を小さくして、充放電電流による通流損失を最小限とすることにより蓄電手段の発熱を抑制し、蓄電手段の安全性確保と長寿命化を実現できる鉄道車両の駆動システムを提供することにある。
本発明の鉄道車両駆動システムでは、まず、電動機の回転速度情報と、インバータ装置内で演算する電動機の駆動トルク情報をもとに、誘導電動機の駆動出力、即ちインバータ消費電力を算出する。また、蓄電装置の蓄電量が、充電許容限界(蓄電量の上限)に対して十分小さく、かつ放電許容限界(蓄電量の下限値)に対して十分大きい状態では、インバータ消費電力に応じて蓄電装置の充放電電流の2乗平均値を低減することにより、蓄電装置の発熱を抑える電池温度抑制制御を行う。この電池温度抑制制御は、エンジン発電電力の調整により実現する。即ち、本発明の鉄道車両の駆動システムは、電動機の回転情報と、電動機の駆動トルク情報、蓄電装置の蓄電量を取得する手段と、電動機の回転情報、電動機の駆動トルク情報、蓄電装置の蓄電量に応じて、電池の充放電を制御する手段、つまりエンジン発電電力を調整する手段を備える。
ところで、この電池温度抑制制御では、省エネルギ、エンジン停止による静音化等、ハイブッド気動車特有のメリットは必ずしも享受できない。このため、前述した電池温度抑制制御は、内部温度が所定値を超えたときに動作する。即ち、本発明の鉄道車両の駆動システムは、蓄電装置の内部温度情報を取得する手段と、内部温度情報に基づいて蓄電装置の充放電電流制御を変更する手段を備えることにより実現する。
この発明による鉄道車両駆動システムは、エンジンにより駆動される発電手段が発生する交流電力を直流電力に変換するコンバータ手段を有する直流電力発生手段と、前記直流電力を交流電力に変換するインバータ手段と、前記直流電力を充電及び放電する機能を持つ蓄電手段と、これらの各手段を制御する第一の制御手段と、鉄道車両を駆動する電動機を備え、前記第一の制御手段は、前記電動機の回転速度情報と、前記インバータ手段が出力する駆動トルク情報と、前記蓄電手段が出力する蓄電量情報と、前記蓄電手段が出力する温度情報に応じて、前記蓄電手段に充放電する電流を制御することを特徴としている。また、この鉄道車両駆動システムにおいて、前記第一の制御手段は、蓄電量手段に充放電する電流の制御について、前記直流電力発生手段による発電電力を調整することにより、前記蓄電手段に充放電する電流の2乗平均値を低減することを特徴としている。
また、この発明による鉄道車両駆動システムは、エンジンにより駆動される発電手段が発生する交流電力を直流電力に変換するコンバータ手段を有する直流電力発生手段と、前記直流電力を交流電力に変換するインバータ手段と、前記直流電力を充電及び放電する機能を持つ蓄電手段と、これらの各手段を制御する第一の制御手段と、鉄道車両を駆動する電動機を備え、前記第一の制御手段は、前記蓄電手段が出力する温度情報が所定値を超えている期間においては、前記電動機の回転速度情報と、前記インバータ手段が出力する駆動トルク情報と、前記蓄電手段が出力する蓄電量情報に応じて、前記蓄電手段に充放電する電流を制御することを特徴としている。また、この鉄道車両駆動システムにおいて、前記第一の制御手段は、蓄電量手段に充放電する電流の制御について、前記直流電力発生手段による発電電力を調整することにより、前記蓄電手段に充放電する電流の2乗平均値を低減することを特徴としている。
この鉄道車両駆動システムによれば、電動機の回転速度情報と、インバータ手段が出力する駆動トルク情報と、蓄電手段が出力する蓄電量情報と、更に蓄電手段が出力する温度情報に応じて、或いは蓄電手段が出力する温度情報が所定値を超えている期間において、蓄電手段に充放電する電流を制御するので、充放電電流による通流損失を少なくすることができ、更にまた、蓄電手段の充放電電流の2乗平均値を小さくすることにより、充放電電流による通流損失を最小限として、蓄電手段の発熱を抑制し、蓄電手段の安全性確保と長寿命化を実現する。
以下、本発明による鉄道車両の駆動システムの実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明による鉄道車両の駆動システムにおける一実施形態の構成を示す図である。
エンジン装置1は、システム統括制御部9のエンジン出力指令NTC_engに基づいた軸出力を発生する。発電機2は、エンジン装置1の軸出力を動力として、これを3相交流電力に変換して出力する。コンバータ装置3は、発電機2が発生する3相交流電力を入力として、これを直流電力に変換して出力する。ここで、コンバータ装置3は、システム統括制御部9が出力するコンバータ発電指令NTC_cnvに基づいた発電電力となるように制御する。また、速度検出器10aは発電機2に付属していて、エンジン装置1と発電機2を結合する回転軸の回転速度に基づいた速度パルス信号PLS_genを出力する。速度演算部20aは、速度パルス信号PLS_genをもとに、発電機2の回転速度情報FR_genを演算して、エンジン装置1及びコンバータ装置3に入力する。
インバータ装置4は、コンバータ装置3が出力する直流電力を入力として、これを3相交流電力に変換して出力する。電動機5は、インバータ装置4が出力する3相交流電力を入力として、これを軸トルクに変換して出力する。ここで、インバータ装置4は、運転台11が出力する運転指令NTC_invに基づいて、電動機5の軸トルク又は軸出力を発生するように、インバータ装置4の出力電圧及び交流電流の周波数を可変制御する。減速機6は、電動機5の回転速度を、異なる歯数の歯車の組合せ等で減速して、それにより増幅した軸トルクで輪軸7を駆動して車両を加減速する。また、速度検出器10bは電動機5に付属していて、電動機5と減速機6を結合する回転軸の回転速度に基づいた速度パルス信号PLS_mtrを出力する。速度演算部20bは、速度パルス信号PLS_mtrをもとに、電動機5の回転速度情報FR_mtrを演算し、インバータ装置4及びシステム統括制御部9に入力する。
システム統括制御部9は、運転台11が出力する運転指令NTC_inv、速度演算部20bが出力する電動機ロータ周波数FR_mtr、インバータ装置4が出力する駆動トルク情報TRQ_inv、蓄電装置8が出力する電池セル温度TMP_btr、電池蓄電量SOC_btrを入力として、エンジン装置1にエンジン出力指令NTC_eng、コンバータ装置3にコンバータ発電指令NTC_cnvを出力し、2次電池蓄電量を一定範囲内とするように、これらの機器の総合的な動作状態を制御する。
補機電源用インバータ装置24は、コンバータ装置3とインバータ装置4との間に位置する直流電力を入力として、これを3相交流電力に変換して出力する。更に、補機電源用変圧器25は、この3相交流電力を電気車の照明や空調機等に供給するサービス電源電圧に調整して、各サービス機器に供給する。
この構成によれば、電動機5の回転速度情報FR_mtr、インバータ装置4が出力する駆動トルク情報TRQ_inv、蓄電装置8が出力する電池セル温度TMP_btr、及び電池蓄電量SOC_btrに応じて、エンジン装置1にエンジン出力指令NTC_eng、コンバータ装置3にコンバータ発電指令NTC_cnvを出力して、エンジン発電電力を調整することにより、電池の充放電を制御することができる。即ち、蓄電装置の充放電電流の2乗平均値を小さくして、充放電電流による通流損失を最小限とすることにより蓄電装置の発熱を抑制し、蓄電装置の安全性確保と長寿命化を実現できる鉄道車両の駆動システムを実現できる。
図2は、本発明の鉄道車両の駆動システムにおける一実施形態の構成の詳細を示す図である。エンジン装置1は少なくともエンジン12とエンジン制御装置13で構成されている。エンジン制御装置13は、システム統括制御部9が出力するエンジン出力信号NTC_eng、速度演算部20aが出力する発電機ロータ周波数FR_genを入力として、エンジン12の軸出力がシステム統括制御部9のエンジン出力指令NTC_engに追従するように、エンジン12に対してエンジン制御信号F_engを出力する。発電機2は、エンジン12の軸出力を動力として、これを3相交流電力に変換して出力する。
コンバータ装置3は、少なくともコンバータ主回路14、電流検出器16a,16c,16d,16e、フィルタコンデンサ17a、抵抗器18a、電圧検出器19a、速度演算部20a、電流指令生成部21a、PWM制御部22aを備えている。
コンバータ主回路14は、発電機2が発生する3相交流電力を入力として、PWM制御部22aが出力する電圧指令VP_cnvに従い、前述の3相交流電力を直流電力に変換して出力する。電流検出器16c,16d,16eは、前述の3相交流電流の各相電流Iu1,Iv1,Iw1を検出する。フィルタコンデンサ17aは、コンバータ主回路14で変換された直流電力の電流脈動を平滑する。電流検出器16aは前記直流電力部の電流値Is1を検出する。抵抗器18aは前記直流電力の電流値Is1を分流して、これをもとに電圧検出器19aは前記直流電力の電圧値Ecf1を検出する。
また、速度検出器10aは発電機2に付属していて、エンジン装置1と発電機2を結合する回転軸の回転速度に基づいた速度パルス信号PLS_genを出力する。速度演算部20aは、速度パルス信号PLS_genをもとに、発電機2の回転速度情報FR_genを演算し、エンジン制御装置13、電流指令生成部21a、及びPWM制御部22aに入力する。電流指令生成部21aは、システム統括制御部9が出力するコンバータ発電指令NTC_cnvと、速度演算部20aが出力する発電機2の回転速度情報FR_genを入力として、発電機2がコンバータ発電指令NTC_cnvに基づいた定電力発電を行うためのベクトル制御電流指令Idp_cnv,Iqp_cnvを算出して出力する。PWM制御部22aは前述の3相交流電流の各相電流Iu1,Iv1,Iw1、発電機2の回転速度情報FR_gen、前記直流電力部の電流値Is1、同じく電圧値Ecf1、ベクトル制御電流指令Idp_cnv,Iqp_cnvを入力として、コンバータ主回路14を駆動する電圧指令VP_cnvを演算して出力する。
インバータ装置4は、少なくともインバータ主回路15、電流検出器16b,16f,16g,16h、フィルタコンデンサ17b、抵抗器18b、電圧検出器19b、速度演算部20b、電流指令生成部21b、PWM制御装置22bの構成要素を含む。
インバータ主回路15は、コンバータ装置3が出力する直流電力を入力として、PWM制御部22bが出力する電圧指令VP_invに従い、前述の直流電力を3相交流電力に変換して出力する。抵抗器18bは前記直流電力の電流値Is2を分流して、これをもとに電圧検出器19bは前述した直流電力の電圧値Ecf2を検出する。電流検出器16bは前述の直流電力部の電流値Is2を検出する。フィルタコンデンサ17bは、インバータ主回路15に入力される直流電力の電流脈動を平滑する。電流検出器16f,16g,16hは、前述の3相交流電流の各相電流Iu2,Iv2,Iw2を検出する。
速度演算部20bは、速度パルス信号PLS_mtrをもとに、電動機5の回転速度情報FR_mtrを演算し、システム統括制御部9、電流指令発生器21b及びPWM制御部22bに入力する。電流指令生成部21bは、運転台11が出力する運転指令NTC_invと、速度演算部20bが出力する発電機2の回転速度情報FR_mtrを入力として、運転指令NTC_invに基づいて、電動機5の軸トルク又は軸出力を発生するように、力行又は発電制動トルクを制御するベクトル制御電流指令Idp_inv、Iqp_invを算出して出力する。PWM制御部22bは前述の3相交流電流の各相電流Iu2,Iv2,Iw2、電動機5の回転速度情報FR_mtr、前述した直流電力部の電流値Is2、同じく電圧値Ecf2、ベクトル制御電流指令Idp_inv,Iqp_invを入力として、インバータ主回路15の出力電圧及び交流電流周波数を可変制御するVP_invを演算して出力する。
減速機6は、電動機5の回転速度を、異なる歯数の歯車の組合せ等で減速して、それにより増幅した軸トルクで輪軸7を駆動して車両を加減速する。また、速度検出器10bは電動機5に付属していて、電動機5と減速機6を結合する回転軸の回転速度に基づいた速度パルス信号PLS_mtrを出力する。
システム統括制御部9は、運転台11が出力する運転指令NTC_inv、速度演算部20bが出力する電動機ロータ周波数FR_mtr、インバータ装置4が出力する駆動トルク情報TRQ_inv、蓄電装置8が出力する電池セル温度TMP_btr、電池蓄電量SOC_btrを入力として、エンジン制御装置13にエンジン出力指令NTC_eng、電流指令生成部21aにコンバータ発電指令NTC_cnvを出力して、2次電池蓄電量を一定範囲内とするように、これらの機器の総合的な動作状態を制御する。
補機電源用インバータ装置24は、コンバータ装置3とインバータ装置4の間に位置する直流電力を入力として、これを3相交流電力に変換して出力する。更に、補機電源用変圧器25は、この3相交流電力を電気車の照明や空調機等に供給するサービス電源電圧に調整して、各サービス機器に供給する。
この構成によれば、電動機5の回転速度情報FR_mtr、インバータ装置4が出力する駆動トルク情報TRQ_inv、蓄電装置8が出力する電池セル温度TMP_btr、電池蓄電量SOC_btrに応じて、エンジン装置1にエンジン出力指令NTC_eng、コンバータ装置3にコンバータ発電指令NTC_cnvが出力されて、エンジン発電電力を調整することにより、電池の充放電を制御することができる。即ち、蓄電装置の充放電電流の2乗平均値を小さくして、充放電電流による通流損失を最小限とすることにより蓄電装置の発熱を抑制し、蓄電装置の安全性確保と長寿命化を実現できる鉄道車両の駆動システムを実現することができる。
図3は、本発明の鉄道車両の駆動システムの一実施形態におけるシステム統括制御部9の制御機能を示すブロック図である。
図示しないPWM制御部22bが出力するインバータトルクTRQ_invと、速度演算部20bが出力する回転速度情報としての主電動機ロータ周波数FR_mtrを乗算器27aで乗算して、更にインバータ電力換算係数Gain_PWRを乗算器27bで乗算することにより、インバータ電力PWR_invを算出する。
比較器28bはインバータ電力PWR_invを入力として、発電1N許可フラグNTC_eng_13を出力する。ここで、発電1N許可信号NTC_eng_13が「0」の状態から、インバータ電力PWR_invがA0を上回ったとき、発電1N許可フラグNTC_eng_13は「1」に遷移する。また、発電1N許可フラグNTC_eng_13が「1」の状態から、インバータ電力PWR_invがA1を下回ったとき、発電1N許可フラグNTC_eng_13は「0」に遷移する。
比較器28cはインバータ電力PWR_invを入力として、発電2N許可フラグNTC_eng_23を出力する。ここで、発電2N許可フラグNTC_eng_23が「0」の状態から、インバータ電力PWR_invがB0を上回ったとき、発電2N許可フラグNTC_eng_23は「1」に遷移する。また、発電2N許可フラグNTC_eng_23が「1」の状態から、インバータ電力PWR_invがB1を下回ったとき、発電2N許可フラグNTC_eng_23は「0」に遷移する。
比較器28dはインバータ電力PWR_invを入力として、発電3N許可フラグNTC_eng_33を出力する。ここで、発電3N許可フラグNTC_eng_33が「0」の状態から、インバータ電力PWR_invがC0を上回ったとき、発電3N許可フラグNTC_eng_33は「1」に遷移する。また、発電3N許可フラグNTC_eng_33が「1」の状態から、インバータ電力PWR_invがC1を下回ったとき、発電3N許可フラグNTC_eng_33は「0」に遷移する。
比較器28aは、図示していない蓄電装置8が出力する、二次電池セル温度TMP_btrを入力として、電池温度上昇フラグFLG_High_Tmpを出力する。ここで、電池温度上昇フラグFLG_High_Tmpが「0」の状態から、二次電池セル温度TMP_btrがT0を上回ったとき、電池温度上昇フラグFLG_High_Tmpは「1」に遷移する。また、電池温度上昇フラグFLG_High_Tmpが「1」の状態から、二次電池セル温度TMP_btrがT1を下回ったとき、電池温度上昇フラグFLG_High_Tmpは「0」に遷移する。
エネルギ管理制御部23は、前述の主電動機ロータ周波数FR_mtrと、図示していない蓄電装置8が出力する二次電池蓄電量SOC_btrと、図示していない運転台11が出力する運転指令(力行/制動ノッチ)NTC_invを入力として、温度抑制制御許可フラグEBL_Tmp_Ctrlと、発電1NフラグNTC_eng_11、発電2NフラグNTC_eng_21、発電3NフラグNTC_eng_31を出力する。
論理積回路29aは、温度抑制制御許可フラグEBL_Tmp_Ctrlと、発電1N許可フラグNTC_eng_13と、電池温度上昇フラグFLG_High_Tmpを入力とし、これらの論理積として電池温度抑制発電1N許可フラグNTC_eng_12を出力する。論理積回路29bは、温度抑制制御許可フラグENB_Tmp_Ctrlと、発電2N許可フラグNTC_eng_23と、温度上昇フラグFLG_High_Tmpを入力とし、これらの論理積として電池温度抑制発電2N許可フラグNTC_eng_22を出力する。論理積回路29cは、温度抑制制御許可フラグEBL_Tmp_Ctrlと、発電3N許可フラグNTC_eng_33と、電池温度上昇フラグFLG_High_Tmpを入力とし、これらの論理積として電池温度抑制発電3N許可フラグNTC_eng_32を出力する。
論理和回路30aは、論理積回路29aが出力する電池温度抑制発電1N許可フラグNTC_eng_12と、エネルギ管理制御部23が出力する発電1NフラグNTC_eng_11を入力として、これらの論理和として発電1N指令を出力する。論理和回路30bは、論理積回路29bが出力する電池温度抑制発電2N許可フラグNTC_eng_22と、エネルギ管理制御部23が出力する発電2NフラグNTC_eng_21を入力として、これらの論理和として発電2N指令を出力する。論理和回路30cは、論理積回路29cが出力する電池温度抑制発電3N許可フラグNTC_eng_32と、エネルギ管理制御部23が出力する発電3NフラグNTC_eng_31を入力として、これらの論理和として発電3N指令を出力する。
この構成によれば、システム統括制御部9は、電動機5の回転速度情報(主電動機ロータ周波数)FR_mtr、インバータ装置4が出力する駆動トルク情報(インバータトルク)TRQ_inv、蓄電装置8が出力する電池セル温度(2次電池セル温度)TMP_btr、電池蓄電量(2次電池蓄電量)SOC_btrに応じて、エンジン装置1とコンバータ装置3に発電1N指令NTC_eng_1、発電2N指令NTC_eng_2、発電3N指令NTC_eng_3を出力して、エンジン発電電力を調整することにより、電池の充放電を制御することができる。即ち、蓄電装置の充放電電流の2乗平均値を小さくして、充放電電流による通流損失を最小限とすることにより蓄電装置の発熱を抑制し、蓄電装置の安全性確保と長寿命化を実現できる鉄道車両の駆動システムを実現できる。
図4は、本発明の鉄道車両の駆動システムの一実施形態における制御動作を示す図である。図4の横軸は時間の経過を示しており、縦軸は下から順にエンジン発電電力(Engine generation power)、車両速度(Vehicle velocity)、電池充放電電力(Battery power)、電池充放電電力とエンジン発電電力の協調動作(Conbination of battery and engine generation power)を示している。
即ち、図4は、本発明の鉄道車両の駆動装置により、車両が速度零から力行し(Powering)、ある時間惰行(Coasting)した後、停止まで減速(Braking)したときの、エンジン発電出力と、電池充放電電力の出力管理制御の一例を示す模式図である。
まず、時間T0では、車両は停止状態、即ち速度零である。
その後、速度零からの起動(加速開始)により、車両を駆動するためのエンジン発電電力をP_E1とする。起動直後は、力行電力、即ちインバータ装置4の消費電力はほぼ零であり、エンジン発電電力P_E1の多くは電池に充電される。加速に伴い力行電力は増加し、力行電力がエンジン発電電力P_E1を上回ると、その不足分が電池の放電電力により供給される。
更に加速していくと、エンジン発電電力P_E1に対して力行電力の不足分を補う電池の放電電力も増えていき、時間T1に放電電力はP_D1に達する。このまま力行を続けると、電池の放電電力はP_D1を超えるが、時間T1からエンジン発電電力をP_E2に変更する。ここで、エンジン発電電力P_E1とP_E2、また、電池放電電力P_D1と、エンジン発電電力P_E2には下記の関係が成り立つものとする。
P_E1<P_E2 (数式1)
P_D1<P_E2 (数式2)
即ち、時間T1でP_E2のエンジン発電を始めることにより、電池への充放電電力は、P_D1の放電からP_D1−P_E2(<0、負値は充電を示す)の充電に転じる。
時間T1から更に力行を続けると、速度が増えるに従い、力行電力、即ち電池の放電電力も増えていき、時間T2に放電電力はP_D2に達する。このまま力行を続けると、電池の放電電力はP_D2を超えるが、時間T2からエンジン発電電力をP_E2からP_E3に変更する。ここで、エンジン発電電力P_E2とP_E3、また、電池放電電力P_D2と、エンジン発電電力P_E3には下記の関係が成り立つものとする。
P_E2<P_E3 (数式3)
P_D2<P_E3 (数式4)
即ち、時間T2でエンジン発電電力をP_E3とすることにより、電池への充放電電力はP_D2の放電からP_D2−P_E3(<0、負値は充電を示す)の充電に転じる。
時間T2から更に力行を続けると、時間T3で最大力行電力P_maxに達する。電池放電電力は、時刻T3でP_D3(=P_max−P_E3)が最大となる。
このように、車両の加速に従い、エンジン発電電力を切替えて、電池充放電電力を制御することにより、電池から放電、あるいは電池に充電する電流(電力/電圧)の振幅を低減できる。電池の内部抵抗R_batによる発熱量は、内部抵抗R_batと、通流する電流I_batの2乗値の積(R_bat×I_bat2)によるため、電池から放電、あるいは電池に充電する電流(電力/電圧)の振幅を低減することにより、電池からの発熱も低減できる。
以上説明した電池温度抑制制御によれば、蓄電装置の充放電電流の2乗平均値を小さくして、充放電電流による通流損失を最小限とすることにより蓄電装置の発熱を抑制し、蓄電装置の安全性確保と長寿命化を実現できる鉄道車両の駆動システムを実現できる。
図5は、本発明による鉄道車両の駆動システムにおける蓄電量管理制御の詳細を示す図である。図5において、横軸は車両速度、縦軸は蓄電量を示している。充電許容限界線は蓄電装置における物理的あるいは安全上の理由から、これ以上充電しないために設定する蓄電量の限界値、同じく放電許容限界線は蓄電装置における物理的あるいは安全上の理由から、これ以上放電しないために設定する蓄電量の限界値である。
蓄電量管理基準パターン(1)、蓄電量管理基準パターン(2)は、典型的なモデル区間を走行したときの、蓄電装置における蓄電量の増減を示している。具体的には、力行により運動エネルギに変換される蓄電エネルギ分だけ、蓄電量管理基準パターンは減少し、回生ブレーキにより運動エネルギから変換される蓄電エネルギ分だけ、蓄電量管理基準パターンが増加する。即ち、ある速度で見たとき、蓄電量管理基準パターン(1)、蓄電量管理基準パターン(2)の値と、その速度における運動エネルギの和は概ね一定である。
ところで、蓄電量管理基準パターン(1)は速度Vmaxのときに放電許容限界線と一致するように設定する。同じく管理基準パターン(2)は速度零のときに充電許容限界線と一致するように設定する。ここでVmaxは車両としての最高運転速度に設定することが考えられる。
なお、典型的なモデル区間としては、実路線を平均化した勾配零の理想区間とすることが考えられるが、実路線データに基づいて複数の蓄電量管理基準パターン(1)、蓄電量管理基準パターン(2)決定し、走行線区に応じてこれらを切り換えることで、より効率的に蓄電量管理できると考えられる。
(領域A):蓄電量管理基準パターン(1)、(2)に挟まれた領域に実蓄電量がある場合
領域Aは、その速度における蓄電量が理想状態である領域として定義する。このため、車両の走行状態にかかわらず、常に電力を消費する補機消費電力分及び走行損失(車両抵抗、機器損失等)を補える平均的な電力としてエンジン発電電力(コンバータ出力)P_aを発生する。この時の発電電力は平均的な走行パターンを想定した走行シミュレーションで決定するが、実際の走行中にリアルタイムで予測演算することもできる。
ただし、駅出発直後等の低速域(速度Va未満)は、力行に必要な電力が小さい。このため、駅構内の静穏化も考慮して、エンジン発電(コンバータ出力)することなく蓄電装置の出力だけで力行する。
(領域B):蓄電量管理基準パターン(1)よりも実蓄電量が少ない場合
領域Bは、その速度における蓄電量が理想状態に対して不足している領域として定義する。このため、蓄電量管理基準パターン(1)と蓄電装置実蓄電量との差分値に基づいてエンジン発電電力(コンバータ出力)をP_bに変更して蓄電装置への充電を促進する。ここで、エンジン発電電力P_bは上記(領域A)で設定したエンジン発電電力P_aよりも大きくする。
(領域C):蓄電量管理基準パターン(2)に対して実蓄電量が多い場合
領域Cは、その速度における蓄電量が理想状態に対して超過している領域として定義する。このため、蓄電量管理基準パターン(1)と蓄電装置実蓄電量との差分値に基づいてエンジン発電電力(コンバータ出力)をP_cに変更(あるいはエンジン停止)して蓄電装置の放電を促進する。ここで、エンジン発電電力P_cは、上記(領域A)で設定したエンジン発電電力P_aよりも大きくする。
これら、(領域A)、(領域B)、(領域C)に応じて、エンジン発電電力(コンバータ出力)を制御することにより、蓄電装置実蓄電量を蓄電量管理基準パターン(1)と蓄電量管理基準パターン(2)に挟まれた領域内(蓄電量管理基準領域)に引き戻すように制御し、その速度に蓄電量の理想状態に近づく制御を実現する。
図6は、本発明による鉄道車両の駆動システムにおける蓄電量管理制御の各機器の動作を示す図である。
車両速度と蓄電状態の関係が、図5で示した(領域A)(領域B)(領域C)の各領域にあるときに、運転台からの運転指令(「惰行・停車」、「力行」、「停止ブレーキ」、及び「抑速ブレーキ」)に応じてコンバータ/エンジン(CNV/ENG)、インバータ(INV)、蓄電装置(BTR)がどのように動作するかを具体的に示している。また、図6の各動作状態において、各機器間のエネルギの流れを矢印の方向で示している。このうち、「惰行・停車」及び「力行」では、電池セルの温度が所定値を上回ったとき、蓄電量管理制御を「通常制御」から「電池温度抑制制御」に切替えて、充放電電流の振幅を抑えることで電池の温度上昇を防止する。
(1)停止・惰行
(a)通常制御
・領域A(速度Va未満):エンジン発電を停止して電池(BTR)で補機電力を負担する。
・領域A(速度Va以上):エンジン発電(P_E1)で電池(BTR)を充電して蓄電量を増やす。
・領域B:エンジン発電(電力P_E1)で電池(BTR)を充電して蓄電量を増やす。
・領域C:エンジン発電を停止して電池(BTR)で補機電力を負担する。
(b)電池温度抑制制御
・領域A(速度Va未満):アイドリング発電で補機電力を負担して過不足分を電池(BTR)に充放電する。
・領域A(速度Va以上):アイドリング発電で補機電力を負担して過不足分を電池(BTR)に充放電する。
・領域B:アイドリング発電で補機電力を負担して過不足分を電池(BTR)に充放電する。
・領域C:アイドリング発電で補機電力を負担して過不足分を電池(BTR)に充放電する。
(2)力行
(a)通常制御
・領域A(速度Va未満):エンジン発電を停止して電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。
・領域A(速度Va以上):エンジン発電(P_E2)と電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。
・領域B:エンジン発電(P_E3)と電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。
・領域C:エンジン発電(P_E1)と電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。(b)電池温度抑制制御
・領域A(速度Va未満)及び領域A(速度Va以上):
≪放電電力P_D1未満≫:エンジン発電(P_E1)と電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。
≪放電電力P_D1以上P_D2未満≫:エンジン発電(P_E2)と電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。
≪放電電力P_D2以上≫:エンジン発電(P_E3)と電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。
・領域B:エンジン発電(P_E3)と電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。
・領域C:エンジン発電(P_E1)と電池(BTR)で力行・補機電力を負担する。
(3)停止ブレーキ
・領域A(速度Va未満):エンジン発電を停止して電池(BTR)で補機電力を負担する。
・領域A(速度Va以上):エンジン発電を停止して回生電力で補機電力を負担し電池を充電する。
・領域B:エンジン発電を停止して回生電力で補機電力を負担し電池を充電する。
・領域C:エンジン発電を停止して回生電力で補機電力を負担し電池を充電する。
(4)抑速ブレーキ
・領域A(速度Va未満):事象なし
・領域A(速度Va以上):エンジン発電を停止して回生電力で補機電力を負担し電池を充電する。
・領域B:エンジン発電を停止して回生電力で補機電力を負担し電池を充電する。
・領域C:回生電力はエンジンの回転負荷に吸収させる(エンジンブレーキ)。
以上のように、図5に示した(領域A)、(領域B)、(領域C)と運転台からの運転指令(「惰行・停車」、「力行」、「停止ブレーキ」及び「抑速ブレーキ」)に応じて、エンジン発電電力(コンバータ出力)を制御することにより、蓄電装置実蓄電量を蓄電量管理基準パターン(1)と蓄電量管理基準パターン(2)に挟まれた領域内(蓄電量管理基準領域)に引き戻すように制御し、その速度に蓄電量の理想状態に近づく制御を実現する。特に、電池温度抑制制御においては、蓄電装置の充放電電流の2乗平均値を小さくして、充放電電流による通流損失を最小限とすることにより、蓄電装置の発熱を抑制し、蓄電装置の安全性確保と長寿命化を実現できる鉄道車両の駆動システムを実現することができる。
本発明による鉄道車両駆動システムの一実施形態の構成を示す図。 本発明による鉄道車両駆動システムの一実施形態の構成の詳細を示す図。 本発明による鉄道車両駆動システムの一実施形態における制御機能を示すブロック図。 本発明による鉄道車両駆動システムの一実施形態における制御動作を示す図。 本発明による鉄道車両駆動システムにおける蓄電量管理制御の詳細を示す図。 本発明による鉄道車両駆動システムにおける蓄電量管理制御の各機器の動作を示す図。 従来の鉄道車両駆動システムを示す構成図。
符号の説明
1…エンジン装置、2…発電機、3…コンバータ装置、4…インバータ装置、5…電動機、6…減速機、7…輪軸、8…蓄電装置、9…システム統括制御部、10…速度検出器、11…運転台、12…エンジン、13…エンジン制御器、14…AC/DC変換器、15…DC/AC変換器、16…電流検出器、17…フィルタコンデンサ、18…抵抗器、19…電圧検出器、20…速度演算部、21…電流指令生成部、22…PWM制御部、23…エネルギ管理制御部、24…補機電源用インバータ装置、25…変圧器、26…断流器、101…エンジン、102…誘導発電機、103…コンバータ装置、104…インバータ装置、105…電動機、106…減速機、107…輪軸、108…蓄電装置、109…2次電池装置、110…充放電制御装置、111…制御装置、112…サービス電源用インバータ装置、113…変圧器、114…遮断器。

Claims (4)

  1. エンジンにより駆動される発電手段が発生する交流電力を直流電力に変換するコンバータ手段を有する直流電力発生手段と、前記直流電力を交流電力に変換するインバータ手段と、前記直流電力を充電及び放電する機能を持つ蓄電手段と、これらの各手段を制御する第一の制御手段と、鉄道車両を駆動する電動機を備え、
    前記第一の制御手段は、前記電動機の回転速度情報と、前記インバータ手段が出力する駆動トルク情報と、前記蓄電手段が出力する蓄電量情報と、前記蓄電手段が出力する温度情報に応じて、前記蓄電手段に充放電する電流を制御することを特徴とする鉄道車両駆動システム。
  2. 請求項1の鉄道車両駆動システムにおいて、
    前記第一の制御手段は、蓄電量手段に充放電する電流の制御について、前記直流電力発生手段による発電電力を調整することにより、前記蓄電手段に充放電する電流の2乗平均値を低減することを特徴とする鉄道車両駆動システム。
  3. エンジンにより駆動される発電手段が発生する交流電力を直流電力に変換するコンバータ手段を有する直流電力発生手段と、前記直流電力を交流電力に変換するインバータ手段と、前記直流電力を充電及び放電する機能を持つ蓄電手段と、これらの各手段を制御する第一の制御手段と、鉄道車両を駆動する電動機を備え、
    前記第一の制御手段は、前記蓄電手段が出力する温度情報が所定値を超えている期間においては、前記電動機の回転速度情報と、前記インバータ手段が出力する駆動トルク情報と、前記蓄電手段が出力する蓄電量情報に応じて、前記蓄電手段に充放電する電流を制御することを特徴とする鉄道車両駆動システム。
  4. 請求項3の鉄道車両駆動システムにおいて、
    前記第一の制御手段は、蓄電量手段に充放電する電流の制御について、前記直流電力発生手段による発電電力を調整することにより、前記蓄電手段に充放電する電流の2乗平均値を低減することを特徴とする鉄道車両駆動システム。
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