JP2009536356A - 水酸化炭酸ランタンの分析方法 - Google Patents

水酸化炭酸ランタンの分析方法 Download PDF

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Abstract

固体試料中の不純物の量を分析的に測定する分析法を提供する。このX線回折法では、好ましくはリートベルト解析を用いる。
【選択図】図8

Description

1.発明の技術分野
本発明は、X線回折による希土類化合物の定量分析方法に関する。より好ましくは、炭酸ランタン組成物中の水酸化炭酸ランタン不純物を測定するために前記分析法を用いることができる。また、前記水酸化炭酸ランタンを標準として使用するために精製された形で調製してもよい。
米国法典第35編119条(e)項に基づき、2006年5月5日出願の米国特許出願第11/418,666号に係る出願を基礎とする優先権を主張する。前記優先権を主張する出願の内容は言及されることによりその全体がここに援用される。
2.発明の背景
高リン血症(米国特許第5,968,976号公報などを参照)と腎不全患者の高リン血症(日本特許第1876384号公報などを参照)の治療に用いられている炭酸ランタン水和物は、高熱や高湿のような特定のストレスの多い条件下で脱炭酸化しやすい分子である。炭酸ランタン水和物を製造する際又は、処方されていない物質か処方された物質を貯蔵する際に、前記のような状態が生じる場合がある。前記の脱炭酸化生成物は水酸化炭酸ランタンである。
炭酸ランタンの特定の形態は、腎不全患者の高リン血症(日本特許第1876384号公報などを参照)の治療に用いられている。本発明の出願人が所有している米国特許第5,968,976号公報には、高リン血症を治療する炭酸ランタンの特定の水和物の医薬品組成物を調製することと使用することとが記載されている。
医薬品と薬剤とに含まれている可能性がある分解生成物を定量するために、分析法を開発することが規制上求められている。一般的には、適当な溶媒に試験試料を溶解することが必要となる高速液体クロマトグラフィ(HPLC)などのクロマトグラフ法を用いてこのような分析が行われている。
La(COとLaCOOHとは、水にも標準的な有機溶媒にも不溶である。どちらかが酸性溶液に溶解する場合もあるが、その際は、試料中に不純物が生じる反応がおこる。例えば、塩酸水溶液中にLa(COかLaCOOHかが溶解すると、塩化ランタン(LaCl)を含む溶液が生じる。どちらの物質も酸に試料を溶解した後に同じ生成物を生じるので、La(COをLaCOOHと識別することはできない。同様に、その他の酸性水溶液にどちらかの物質を溶解する場合も同じ塩が生じる。La(COとLaCOOHとは標準的な溶媒に不溶性であるとともに、各々の物質は酸性溶液中で反応して同じ物質を形成するので、分解生成物の存在を測定するための定量方法の開発にHPLCのようなクロマトグラフ法を使用することはできない。
酸性水溶液に溶解し、得られた溶液のランタン含有量を滴定する方法を、La(CO水和物中のLaCOOHを定量するために用いることが可能であると考えられる。しかしながら、どちらの種のランタン含有量も非常に似ているために、この方法は実用的ではない。例えば、LaCOOHは64.3%のLaを含んでおり、La(CO四水和物は52.4%のLaを含んでいるので、La(CO四水和物中に1%のLaCOOHを含む混合物では52.4%のLaを含むこととなる。このため、例えば、分解生成物が規制により一般的に許容される量を超える1%の分解生成物を含む医薬品と、純度の高い医薬品とを識別することは不可能であると思われる。
固体混合物を分析するための定量的な分析方法を開発するために、様々な技術を使用できる。前記分析方法の例としては、示差走査熱量測定法と、赤外線分光法と、ラマン分光法と、XRPDと、固体核磁気共鳴分光法と、力学的蒸気吸着とが含まれる。方法開発が有用性を供するために、分析技術により満たされなくてはならない第一の特徴は特異性である。すなわち、前記技術は主成分から分析物を(つまり試料がさらに他の賦形剤及び/又はキャリヤを含む場合、医薬品La(COからLaCOOHを、La(CO水和物からLaCOOHを)識別することができなければならない。しかしながら、前記技術の多くはLa(CO水和物からLaCOOHを識別することができない。
La(CO水和物からLaCOOHを識別することができる技術の一つは、X線粉末回折(XRPD)である。一般に、XRPDは物質を同定するためと、(結晶多形のような)結晶構造中の差異を検出するために用いられる技術である。よって、通常は構造の識別に用いられており、不純物又は分解生成物の分析という目的で物質を定量するために用いられることは少ない。
そのため、物質の分解の範囲を定量的に測定することと、希土類化合物そのもの(つまり、La(CO)と比較してCaOHCOなどの希土類化合物の分解生成物の純度水準を定量的に測定することが当技術分野で求められている。
3.発明の概要
本発明では、少なくとも1種類の既知の不純物を含む希土類化合物の純度を分析する方法であって、少なくとも1種類の塩又は前記不純物が水媒体中で解離する化合物であり、
(i)前記塩のX線回折パターンを得ることと、
(ii)1種類又は複数の種類の前記不純物を含む複数の基準試料を得ることと、
(iii)前記基準試料の複数のX線回折パターンを得ることと、
(iv)前記X線回折パターンでリートベルト解析を行い、前記基準試料から検出限界及び/又は、最小定量限界(MQL)及び/又は、分析限界の上限を得ることと、前記希土類化合物のパターンから前記不純物の予測濃度値を得ることを含むことを特徴とする方法を提供する。
1つの実施態様では、前記希土類化合物は炭酸ランタン組成物であり、前記既知の不純物は1種類以上の水酸化炭酸ランタンの多形体である。
その他の実施態様では、前記の方法はさらに、(v)前記予測濃度を前記検出限界未満と、
前記検出限界から前記MQLまでと、
前記MQLから前記分析限界の上限までと、
前記分析限界の上限を超えるものとに分類することと、
(vi)前記予測濃度が前記検出限界から前記MQLまでの試料について、前記XRPDパターンの視覚的分析を行うことと、
(ix)純度又は不純物濃度を任意に報告することを含むものである。
また、本発明は(i)粗炭酸ランタンを調製することと、
(ii)(a)前記塩のX線回折パターンを得る段階と、
(b)1種類又は複数の種類の前記不純物を含む複数の基準試料を得る段階と、
(c)前記基準試料の複数のX線回折パターンを得る段階と、
(d)前記X線回折パターンでリートベルト解析を行い、前記基準試料から検出限界及び/又は、最小定量限界(MQL)及び/又は、分析限界の上限を得るとともに、前記希土類化合物のパターンから不純物の予測濃度値を得る段階とを含む純度の分析に前記粗炭酸ランタンを用いることと、
(iii)(ii)の前記分析に照らして前記炭酸ランタンに前記検出限界を超える水酸化炭酸ランタンが含まれる場合に、前記炭酸ランタンを精製して(ii)の段階を繰り返すことを特徴とする炭酸ランタンの調製方法を提供するものである。
また、本発明は2シータ約17.7°と、約24.4°と、約30.3°に反射を有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる(I)型の水酸化炭酸ランタンを含み、組成物中の前記水酸化炭酸ランタンの含有量は少なくとも96%の(I)型の水酸化炭酸ランタンを含むことを特徴とする医薬品組成物を提供するものである。好ましくは前記2シータ値が前記の値の±0.2°以内であり、より好ましくは前記2シータ値が前記の値の±0.1°以内である。さらに好ましくは組成物が少なくとも98%の(I)型の水酸化炭酸ランタンを含み、より好ましくは組成物が少なくとも99%の(I)型の水酸化炭酸ランタンを含む。
以下の詳細な説明を参照することにより、本発明に係る上記の特徴と他の多くの付随する利点がより理解されるであろう。
4.図面の簡単な説明
La(CO・4HOのXRPD(X線粉末回折)パターンである。 La(CO・8HOのXRPDパターンである。 (II)型のLa(CO)OHのXRPDパターンである。 (I)型のLa(CO)OHのXRPDパターンである。 La(CO・4HO(上のパターン)と、La(CO・8HOと、(I)型のLa(CO)OHと、(II)型のLa(CO)OH(下のパターン)の4種類のXRPDパターンの重ね合わせである。 リートベルト法により算出した(I)型のLa(CO)OHの濃度に対する(I)型のLa(CO)OH標準の実濃度と線形回帰を示す。 リートベルト法により算出した(II)型のLa(CO)OHの濃度に対する(II)型のLa(CO)OH標準の実濃度と線形回帰を示す。 La(CO・4HOとLa(CO)OHとを含む4種類の試料と、La(CO)OH標準のXRDの重ね合わせである。 La(CO・4HOとLa(CO)OHとを含む4種類の試料と、La(CO)OH標準のXRDの重ね合わせである。
5.発明の詳細な説明
5.1.一般的定義
本明細書で用いられるところの「約」又は「およそ」という用語は、例えば試料の調製や測定系の限界のように特定のパラメータ値がどのように測定又は決定されるかに部分的に依存する、当業者により決定され特定される前記特定のパラメータについての許容可能な範囲内を意味している。このような限界の例としては、乾燥した環境に対して湿潤環境で試料を調製することや、装置の違いや、試料の重量の違いや、必要となる信号対ノイズ比の違いが含まれる。例えば、「約」はある値の20%までの範囲を意味する場合があり、より好ましくはある値の10%までの範囲を意味する。また、特に生物学的システム又は生物学的プロセスに関して、前記用語は1桁(10倍)の範囲内、好ましくは5倍の範囲内、より好ましくは2倍の範囲内を意味する場合がある。
本明細書で用いられるところの「炭酸ランタン」は炭酸ランタンの水和形態と無水炭酸ランタンのあらゆる多形体とを含む。
本明細書で用いられるところの「水和炭酸ランタン」という用語は、約4−5モルの水含有量を有する炭酸ランタンを指す。
本明細書で用いられるところの「水酸化炭酸ランタン」は(I)型と(II)型を含む水酸化炭酸ランタンのあらゆる多形体を含む。HC(I)という用語は、図3のXRDパターンに図示されているような水酸化炭酸ランタンの多形体(I)型を指す。HC(II)という用語は、図4のXRDパターンに図示されているような水酸化炭酸ランタンの多形体(II)型を指す。
本明細書で用いられるところの「希土類化合物」という用語は、ランタノイド系列とイットリウムとスカンジウムの希土類元素及び、トリウムのうち少なくとも1種類を含む化合物を指す。前記ランタノイド系列とは、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムとを含む。前記元素はランタンとよくに似た化学的特性と物理的特性とを有しており、それぞれが類似しているので、希土類のある化合物はその他の希土類と同じ構造で結晶化しやすい。これらの金属の類する塩は、水と反応して水素を放出することと、水と結合することと、強い還元剤として働くこととを含む共通の特徴を有する。
本明細書で用いられるところの「パーセント」又は「%」は、特に指定がない限り、全組成物の質量パーセントを指す。
炭酸ランタン又は水酸化炭酸ランタンに言及する場合、「十分に純度の高い」という用語は無水に換算して約90%以上の純度を有するランタン化合物を指す。好ましくは純度が約95%以上、より好ましくは純度が98%以上、さらに好ましくは純度が99%以上である。好ましくは純度が99.2%以上、より好ましくは純度が99.4%以上、さらに好ましくは純度が99.6%以上、さらに好ましくは純度が99.8%以上、さらに好ましくは純度が99.9%以上である。
本明細書で用いられるところの「塩」という用語は、金属酸化物と酸との反応のイオン性生成物を指す。本発明において有用な塩は、ランタンなどの希土類元素の塩である。
本明細書で用いられるところの「ランタン塩」という用語は、負の電荷を持つアニオンと結合し、電気的に中性の種を生じるランタンを指す。加水分解性ランタン塩の例としては、ランタンメトキシエトキシドと、酢酸ランタンと、ランタンアセチルアセトネートと、シュウ酸ランタンと、その水和物とを含むが、これらに限定されない。好ましくは、加水分解性ランタン塩はランタン(III)塩である。
本明細書で用いられるところの「水媒体中で解離する化合物」という語句は、La(COがLa3+とCO 2−とに電離するように、1種類の化合物のうちの少なくともいくつかが2種類かそれ以上の成分に解離することを意味する。(例えば、HCl水溶液のような)酸性環境下により、前記解離が促進され、その後LaClのような塩が形成する場合もある。
本明細書で用いられるところの「リートベルト解析」と「リートベルト法」という語句は制約を用いてデータを解析することを意味しており、リートベルトによって初めて開発されたフルパターン解析モデルである(アクタ・クリスタログラフィカ(Acta.Crystallogr.),22,151−2,1967と、ジャーナル・オブ・アプライド・クリスタログラフィー(J.Appl.Crystallogr.),2,65−71,1969)。制約解析は、試料に関する化学情報又はその他の情報から得られた1種類以上のパラメータを用いて、解析モデルを制限するか、制約することを意味する。特に、炭酸ランタン四水和物と、その他の炭酸ランタン水和物と、(I)型の水酸化炭酸ランタンと、(II)型の水酸化炭酸ランタンの試料中に含まれる成分の結晶構造に係る情報を用いて、炭酸ランタン試料中に含まれる水酸化炭酸ランタン不純物の分析を制限する場合がある。フルパターン解析は、強いピークだけでなく全てのXRDパターンで分析を行うものである。前記フルパターンは2シータの範囲を含み、例えば、2θが9から40°の範囲か、2θが10から35°の範囲の場合がある。フルパターン解析によりピーク強度を基にした方法よりも確度と精度が良い定量分析を提供することができる。また、「リートベルト解析」と「リートベルト法」という用語は、1988年にビッシュ,D.L.とハワード,S.A.とによって記載された分析法(ジャーナル・オブ・アプライド・クリスタログラフィー(J.Appl.Crystallography),21,86−91)のような、リートベルト法の改良による分析も含む。また、その他のリートベルト法の改良も前記リートベルト解析の範囲内であることを意図している。
5.2.炭酸ランタンと水酸化炭酸ランタン
炭酸ランタンは化学式La(CO・xHOを有し、xは0から10までの値である。水和物の一般的な形態は、3と5の間程度の平均値Xを有する。ランタン化合物の水和レベルは、熱重量分析(TGA)や粉末X線回折(XRPD)のような当業者に周知の方法により測定することができる。
炭酸ランタンは、下記のような脱炭酸化により水酸化炭酸ランタンへと分解する傾向がある。La(CO水和物を熱水条件下(高温高圧の水)にさらすことで、水酸化炭酸ランタン(LaCOOH)が得られる。(オーモン,R.;ジュネ,F.;パサレット,M.;トゥディク,Y.C.R.アカデミー・サイエンス・パリ C (C.R.Acad.Sci.Paris Ser.C)1971,272,314;クリステンセン,A.N.アクタ・ケミカ・スカンジナビア(Acta Chem.Scand.)1973,27,2973;ハシュク,J.M.ジャーナル・オブ・ソリッドステート・ケミストリー(J.Solid State Chem.)1975,12,115)。77oCで20時間、続いて97oCで1.5時間、大気圧下でLa(CO水和物の水スラリーを加熱するといった比較的穏やかな条件でも、同様の反応が生じる(サン,J.;京谷,T.;富田,A.ジャーナル・オブ・ソリッドステート・ケミストリー(J.Solid State Chem.)1986,65,94)。LaCOOHは、(I)型と(II)型の2種類の多型で存在することが知られている(同文献)。
Figure 2009536356
この過程は湿度や熱で促進され、自己触媒であるかのように見える。従って、炭酸ランタン製剤中にごく少量でも水酸化炭酸ランタンが含まれると、急速で過剰な分解が生じる。
さらに、前記の複数の物質を製造する際や、処方された状態か処方されていない状態で貯蔵する際に、前記の物質の脱炭酸化を引き起こすのに十分な条件が存在する場合がある。このように、医薬品有効成分として使用したLa(CO水和物が、分解生成物である多形体(I)又は多形体(II)のLaCOOHを含むということになる。
炭酸ランタン四水和物と炭酸ランタン八水和物は、米国特許第5,968,976号公報に記載された方法を含む当技術分野で既知の方法により製造することができる。
分解した可能性のある炭酸ランタン試料のXRPDパターンを調べることにより、炭酸ランタンの水酸化炭酸ランタンへの分解を測定できる。試料パターンに水酸化炭酸ランタンに対応する複数の観測ピークが現れることにより分解を確認でき、複数の観測ピークが現れないことにより検出できるだけの分解が生じていないことが確認できる。
一般的に、水酸化炭酸ランタンは当業者に公知の方法により合成できる場合があり、公知の方法としては、(1)ハシュク,J.,ジャーナル・オブ・ソリッドステート・ケミストリー(J.Solid State Chemistry),12(1975)115−121に開示されているように、熱水条件下で水和炭酸ランタン(III)から合成する方法や、(2)サン,J.;京谷,T.;富田,A.ジャーナル・オブ・ソリッドステート・ケミストリー(J.Solid State Chem.),65(1986)94に開示されているように、二酸化炭素で処理したLaBr(OH)からか、加水分解した炭酸ランタンから合成する方法や、(3)ハン等.インオーガニック・ケミストリー・コミュニケーションズ(Inorganic Chemistry Communications),6(2003)117−1121に開示されているような、尿素かチオ尿素を用いた硝酸ランタン(III)の処理や、(4)ハン等.ジャーナル・オブ・ソリッド・ステート・ケミストリー(Journal of Solid State Chemistry),177(2004)3709−3714に開示されているような、尿素かチオ尿素を用いた塩化ランタン(III)の処理や、(5)脇田,H等,ブリテン・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー・オブ・ジャパン(Bulletin of the Chemical Society of Japan),52(1979)428−432に開示されているような、トリフルオロ酢酸を用いた塩化ランタン(III)の処理や、(6)長島,K等,ブリテン・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー・オブ・ジャパン(Bulletin of the Chemical Society of Japan),46(1973)152−156に開示されているような、炭酸ナトリウムを用いた塩化ランタン(III)の処理を含む。
5.3.希土類化合物
その他の希土類化合物は分解するか、反応して製品試料中で不純物を生じる。例えば、クエン酸ランタンと、酢酸ランタンと、ランタンラクタートメトキシエトキシドと、ランタンアセチルアセトナートと、シュウ酸ランタンと、その水和物のような化合物は、炭酸ランタンについて本明細書に開示したのと同様の方法で分析することができる。
例えば、酢酸ランタンは分解してヒドロキシ誘導体を形成する(すなわち、La(OAc)3−x(AcAc)は加水分解してLa(AcAc)3−x(OH)を形成する(イン,MZ等,ジャーナル・オブ・チョーチアン・ユニバーシティ・サイエンス(J Zhejiang Univ Sci.)2004 5(6),696−8))。水酸化炭酸塩標準を水酸化酢酸塩標準で置き換えて、1種類の又は複数のイソ型の水酸化酢酸塩の結晶についてのリートベルト解析で用いるパラメータを変更することにより、水酸化炭酸ランタンについて本明細書に記載されたのと同じ又は類似した方法で水酸化酢酸ランタン不純物の濃度を測定できることを意図している。
同様に、クエン酸ランタンは(すなわち、La(Hcit)(HO)]、ここで(Hcit3−)はC[OH][COO][CHCOO)、加水分解してヒドロキシ誘導体を形成し得る。クエン酸ランタノイドは、複数のペンダントHcitアニオンを有するO−C−O基によって架橋された複数のランタン(III)カチオン鎖からなる構造を有し、前記Hcit配位子は5個の異なるLa中心への6個のLa−O結合に関与している。(バッジョ R,ペレック M.インオーガニック・ケミストリー(Inorg Chem.)2004;43[22],6965−8)。水酸化炭酸塩標準を水酸化クエン酸塩標準で置き換えて、1種類の又は複数のイソ型の水酸化クエン酸塩の結晶についてのリートベルト解析で用いるパラメータを変更することにより、水酸化炭酸ランタンについて本明細書に記載されたのと同じ又は類似した方法で水酸化クエン酸ランタン不純物の濃度を測定できることを意図している。
他の希土類は化学的特性と物理的特性がランタンと非常に類似しているので、前記希土類塩もランタン塩と同様に分解する。それゆえ、他の希土類金属塩について、本発明のXRD分析法を用いて、他の希土類塩の分解不純物のいくつかを分析する場合もある。前記のような分解生成物や化合物を本発明の方法により分析することができるかどうかを調べるためには、前記化合物と分解生成物のXRDが必要であるとともに、水酸化炭酸ランタンの分析に用いるパラメータとして本明細書に記載されているような使用する化合物に適した結晶構造についてのリートベルト解析で用いるパラメータが必要である。前記の2種類のスペクトルは、構造的特徴が少なくとも1つは異なっていなくてはならない。好ましくは、前記特徴が多くの特有の位置(2シータ)と多くの特有の強度からなる。
5.4.十分に純度の高い化合物の調製
本発明の分析用の標準を調製するために、十分に純度の高い化合物と多形体それぞれを調製しなければならない。その後、前記の試料を用いて、試料の異なる成分を様々な量でそれぞれ含む基準試料を調製する。一実施態様では、基準試料は(試料中に1種類以上の多形体が含まれる場合は、各々の多形体として)不純物が0−50%の範囲であり、さらに好ましくは0−30%の範囲である。その他の実施態様では、基準試料は不純物が例えば0−10%の狭い範囲のみである。前記の標準は本明細書に記載する分析モデルの尺度因子を調整するために用いる。
2種類の水酸化炭酸ランタン多形体のうちより安定な(II)型については、当業者に既知の方法により、十分に純度の高い試料の調製を行うことができる。
しかしながら、多形体(I)の化合物は再結晶し、異なる多形体を形成するのに広く用いられる多くの種類の有機溶媒に溶解しないため、多形体(I)の調製は容易ではない。
水酸化炭酸塩多形体(I)の合成に重要な因子は、温度と、湿度と、未反応のLa(OH)の存在と、反応の規模と、開始物質の粒子の大きさとを含む。
長時間にわたって水中で加熱することにより、多形体(II)を多形体(I)に変形することを試みた。90−100℃で18日経過した後も、変形したという証拠は確認できなかった。水中でLa(CO・8HOをLa(OH)で処理する実験では、LaCOOHの多形体(I)と(II)の混合物か、LaCOOHの多形体(II)と未反応のLa(CO・8HOの混合物かが得られた。
水の存在下でのLa(CO・4HOかLa(CO・8HOの脱炭酸化では、得られた全て又は大部分は多形体(II)型のみであった。La(CO・8HO脱炭酸化の際に水酸化物イオンが存在することで、LaCOOHの多形体(I)の生成が促進される場合がある。しかしながら、さらにOHを付加する(I)型の生成は矛盾している。
また、二酸化炭素雰囲気下でのLa(CO・8HOの脱炭酸化は多形体(I)をいくらか生じることがわかった。二酸化炭素が多形体(II)を生成する反応を抑制し、多形体(I)を生成する反応を環流で生じさせるのであれば、こういったことは予測できる。
それゆえ、加熱した際に二酸化炭素を放出させるために炭酸アンモニウムを添加し、多形体(II)を生成する反応の阻害剤を一定に供給した。実際に、多くのこれらの反応における主生成物は多形体(I)であった。La(CO・8HOの約25重量%の炭酸アンモニウムを用いることにより、多形体(II)の形成は完全に抑制され、生成物は純粋な多形体(I)であった。
その後、試料中に含まれる(I)型LaCOOH含有量をリートベルト解析する際に使用する標準を製造するために、この十分に純度の高い(I)型を用いた。また、この多形体は医薬品として有用である。カルボキシル化された塩と同様に、(I)型LaCOOHは高リン血症を治療するために用いられる場合がある。十分に純度が高い化合物は1種類以上の薬学的に許容可能なキャリヤ又は賦形剤と任意に混合される場合があり、La(CO水和物について記載した方法で使用される場合がある。
同様に、試料中に含まれる(II)型LaCOOH含有量を測定するためのリートベルト解析に使用する標準として、そして高リン血症の治療のための薬剤のような医薬品として、十分に純度の高い(II)型を使用する場合がある。(I)型やその他の不純物は患者に投与せずに、このイソ型を活性薬剤又は医薬品組成物として患者に投与する場合がある。さらに、高リン血症を治療するために、(I)型と(II)型のLaCOOHの既知の混合物を含む医薬品を製造し、使用する場合がある。
5.5.分析モデル
医薬品用と製剤用に、XRPD測定を基に定量分析法を開発した。最初に選択したデータのモデル化の方法は、計量化学でいうところの部分最小二乗法(PLS)分析であった。PLSは統計的手法であり、組成と複数の測定変数との相関関係を示す方程式(モデル)が得られる。前記PLSアルゴリズムによって成分濃度の関数として統計的に変化する領域を測定するために、校正データのユーザー指定の領域を調べた。全体のパターンのモデルを得るために全ての測定データを利用するので、変数の数は大きくなる場合がある。この種類のモデルからの結果を正確なものとするために、試験試料から得られたデータをモデルに「フィット(fit)」する必要がある。モデルにより許容されるデータの範囲外で得られたデータは不正確さを引き起こす場合がある。スペクトルF比のような距離関数の適合性は、測定データがモデルにどれだけフィットしているかの尺度となる。実験で観測する成分が混合物中の他の成分と重なっている場合や、濃度と吸光度の相関関係が非常に複雑な場合や、濃度が未知の成分が試料混合物中にさらに存在している可能性がある場合に、PLSは有用なアプローチである。PLSは統計的な分析技術であるので、分析データを濃度と相関させるために多くの標準が必要となる。
XRPDを用いてPLSモデルで試料を分析するので、距離関数の適合性が設定された範囲外となる場合もある。PLSモデルを作成するために用いられる物質のパターンと比べて問題とする試料では、XRPDパターンがある程度異なることが調査によりわかった。パターンの違いを調べ、混合物の成分物質の結晶構造を把握することが必要であった。
La(CO四水和物と、LaCOOH多形体(I)とLaCOOH多形体(II)の構造は、文献上では得られない。本発明は、XRPDデータと文献の類似した物質の構造を基に、前記の3種類の物質の構造モデルを提供する。La(CO四水和物は層状構造であり、ここで層は層と層との間に水の結合を有するLa(CO種からなることがわかった。一方、LaCOOHの多形体はどちらも、3次元で強く結合している。その理由は、La(CO四水和物は水分量の増加又は減少に伴い呼吸し、層は水分量の増加に伴い一層離れるためである。前記の呼吸は、XRPDパターン中の四水和物に対する主な固有反射の形と強度とに影響する。PLS法はこのような種類の変化に対して非常に感度が良いため、ある種類の四水和物を用いて作成した初期のPLSモデルを異なる四水和物を含む混合物の濃度を予測するために用いることはできない。前記PLS法での分析に試料を用いた場合、これらの四水和物で差異が見られ、予想外の結果が得られた。分析する試料のXRPDパターンで見られた差異は、含有水の量の変化に伴い予測される層の分離のわずかな変化と一致した。水含有量が明細書の範囲外でLa(CO四水和物試料を用いるには、水分量の変化が十分ではないことに留意すべきである。La(CO八水和物の結晶構造は既知であり(シン,D.B.;エリック,H.A.インオーガニック・ケミストリー(Inorg.Chem.)1968,7,1340)、この構造から得られるデータをリートベルト解析に用いることができる。
PLSデータモデリングにより生じる問題はその他のフルスペクトルモデルであるリートベルト解析を用いて解消できることがわかった。この手法はXRPDデータから構造パラメータを決定するために、H.M.リートベルトによって初めて提案された(リートベルト,H.M.ジャーナル・オブ・アプライド・クリスタログラフィー(J.Appl.Crystallogr.)1969,2,65)。結晶物質の3次元構造は主に単結晶のX線研究から予測できるが単結晶が得られない場合は、リートベルト法を用いてXRPDデータから構造を予測し、それによりデータを制約することができる。PLS分析の代わりにリートベルト解析を用いることにより、XRPDデータにおいて見られる試料と試料との差異に関して頑健な方法となる。リートベルト法は、測定したXRPDパターンと算出したXRPDパターンとの最良の適合性を得るために結晶構造から得られる構造因子を変える。La(CO四水和物の構造は試料によって異なるが、水含有量により拡大又は縮小するだけであるので、リートベルト処理は基本となる構造から層の距離間隔が異なるモデルを構築できる。
前記リートベルト法は、最小二乗残差を最小化する。
Figure 2009536356
ここで、Ij(o)はデータのj番目の観測された強度であり、Ij(c)はデータのj番目のリートベルト解析(Rietveld refinement)により算出された強度であり、wjは重みである。
前記解析によって構造パラメータと装置パラメータを修正して、繰り返しデータにフィットさせる。
また、この方法は選択したピークではなくXRDパターン全体を使用するため効果的である。これにより、計算時間はかかるが、より良いフィットの確度と精度を提供できる。
言及されることによりその全体がここに援用されるリートベルト,H.M.“Line Profiles of Neutron Powder−diffraction Peaks for Structure Refinement.”アクタ・クリスタログラフィカ(Acta.Crystallogr.),22,151−2,1967と、リートベルト,H.M.,“A Profile Refinement Method for Nuclear and Magnetic Structures.”ジャーナル・オブ・アプライド・クリスタログラフィー(J.Appl.Crystallogr.),2,65−71,1969、とにこの方法のさらなる情報が記載されている。
より好ましい実施態様では、リートベルト解析から得られた結果は次の基準に基づいており、ここでLODは検出の限界又は検出限界であり、99%の信頼限界となるように設定する。MQLは最小定量限界であり、これは正確な定量が可能となる限度である定量の限界(LOQ)として定義される場合もある。MQLは10(σ/S)として表される場合もあり、ここでσは分析物が入っていない試料で観測された応答の標準偏差であり、Sは応答曲線の傾きである。
Figure 2009536356
予測濃度が前記LODと前記MQLとの間にある場合、(1つ以上のXRPDが得られたときは)個々のXRPDパターンを共に加えなくてはならず、水酸化炭酸塩の参照パターンに対して水酸化炭酸塩の存在を視覚的に調べる必要がある。「リートベルトで検出、視覚で不検出−適合」又は「リートベルトで検出、視覚で検出−不適合」と報告する。
本発明の分析は好ましくは、ハーモナイゼーション国際委員会(International Committee on Harmonization)(ICH)の文書(1996年11月)である「工業指針,Q2B 分析手法の検証:方法論」で示される複数の分析指針の通りである。これらの指針は特異性と、直線性及び範囲と、精度と、複数の検出限界と、複数の最小定量限界と、標準偏差に係る確度と、システム適合性と、堅牢性での制限を含む。
5.5賦形剤
賦形剤の存在下で活性薬剤の不純物含有量を分析することができるので、本発明の分析は特に有用である。以下に記載するように、水酸化炭酸塩多形体の相対重量パーセントについて炭酸ランタンの錠剤型を調べることができる。これらの賦形剤は分析測定を大きく干渉するものではない。
6.実施例
実施例6.1:純粋な水酸化炭酸塩多形体(II)の調製
開始物質La(CO・4HOはシャイヤ・ファーマシューティカルから入手し、成分を確認するためにXRPDで分析した。約1500g(2.8mol)のLa(CO・4HOと水10リットルを含む混合物を約60℃で2時間ほど加熱した。試料を取り除き、XRPDで分析した。前記の混合物を約70℃で17時間ほど加熱した。試料を取り除き、XRPDで分析した。前記の混合物を約80℃で7時間ほど加熱した。試料を取り除き、XRPDで分析した。前記の混合物を約90℃で13時間ほど加熱した。試料を取り除き、XRPDで分析したところ、完全に水酸化炭酸塩多形体(II)になっていることが確認できた。前記の混合物を室温に冷却し、ろ過した。固体を真空下で約3日間乾燥し、1151gの水酸化炭酸塩多形体(II)を得た。
前記試料の一部をXRPDで分析した。その他の部分をICP金属スキャン(クアンティテイディブ・テクノロジーズ・インク.)で分析したところ、Kが220ppmであり、測定したその他の定量可能な元素はそれぞれ20ppm未満であった。前記試料を滴定で分析し、水分量をカールフィッシャー分析で測定した。試料は96.3%のランタンと、93.6%の水酸化炭酸塩と、1%未満の水分量を含んでいた。
実施例6.2:純粋な水酸化炭酸塩多形体(I)の調製
15.0gのLaと、24.7mLの37.7%塩酸と、42mLの水を含む混合物を氷浴温度に冷却し、ろ過した。70mLの水に15.7gの炭酸アンモニウムを含む溶液に、冷却したろ液を滴下して加えた。得られたスラリーを室温に温めて、一晩撹拌した。固体を吸引ろ過で回収し、50mLの水で3回洗浄し、風乾し、107mLの水に6.31gの炭酸アンモニウムを含む溶液に加えた。得られたスラリーを加熱し約24時間環流した。固体の一部を取り除き、XRPDで分析したところ、水酸化炭酸塩の多形体(I)のみが見られた。反応スラリーを吸引ろ過し、固体を風乾し、76mLの水で洗浄し、吸引ろ過で回収し、再度風乾して、17.7gの水酸化炭酸塩の多形体(I)を得た。
前記試料の一部をXRPDで分析した。その他の部分をICP金属スキャン(クアンティテイディブ・テクノロジーズ・インク.)で分析したところ、Kが214ppmであり、Siが192ppmであり、測定したその他の定量可能な元素はそれぞれ20ppm未満であった。前記試料の一部である1.3gを滴定により分析したところ、94.6%のランタンと、94.0%の水酸化炭酸塩を含んでいた。
実施例6.3:視覚とPLSモデルとを用いたXRD
まず、XRDデータを用いて、水酸化炭酸ランタンを視覚と部分的最小二乗法により分析した。炭酸ランタン中の水酸化炭酸ランタンの分析方法として、1つは視覚的な段階、もう1つは定量的な段階と2種類の段階の処理を行なった。第1段階は、どのLHCが目で確認できるかどうかを調べるXRDスペクトルの視覚的な評価である。視覚法は最も低い検出限界(LOD)が可能であり、PLSのような代表的な計算モデリング法よりも明らかに低い検出限界(LOD)となるために、視覚法を用いた。しかしながら、第2段階ではPLSモデリングと分析を行い、不純物の定量を行った。これにより以下のLODと定量限界(LOQ)が得られた。
水酸化炭酸ランタン多形体(I):LOD 1.7%視覚,LOQ 2%PLS
水酸化炭酸ランタン多形体(II):LOD 0.3%視覚,LOQ 3.4%PLS
同様に、錠剤試料を調製し、それぞれの多形体のLODを錠剤重量0.5%w/wで評価した(実際は、多形体(I)は0.39%であり、多形体(II)は0.57%)。錠剤重量0.5%において、これは477mgの炭酸ランタン四水和物を含む1800mgの錠剤中に水酸化炭酸ランタン多形体(I)と多形体(II)がそれぞれ9mg含まれるのに等しく、つまり炭酸ランタン四水和物に対する水酸化炭酸ランタン%w/wとして表すと、それぞれの多形体は約2%である。
PLSモデリングによる錠剤の炭酸ランタンの定量的なXRD結果では、La(CO)OH多形体−Iは検出できず(<1.7%w/w)、多形体(II)は4つの錠剤で<3.4%,13.8%,20.2%,<3.4%(w/w)であると検出された。
実施例6.4:リートベルト解析を用いたXRD
X線粉末回折(XRPD)を用いて、炭酸ランタン四水和物中の水酸化炭酸ランタン(IとII)濃度を測定した。定量はリートベルトモデリングと28の一連の標準に対する校正を基に行った。分析の良さの指数(確度、精度、頑健性)を個々のデータセットから得た。報告した濃度は、全医薬品物質に対する重量パーセントである。本方法は、炭酸ランタン四水和物が活性医薬品成分の主成分であり、炭酸ランタンに含まれるその他の種は炭酸ランタン八水和物と水酸化炭酸塩(IとII)のみであることを前提とする。
A.物質
校正試料と検証試料を調製するための物質を、106μmのシーブを用いてふるいにかけた。La(COの水和物は、米国特許第5,968,976号公報に記載されているような当業者に公知の方法を用いて調製した。校正試料と検証試料を調製するための純粋な水酸化炭酸塩化合物は、実施例6.1と6.2で調製したものである。全ての試料混合物は、試料の均一性を補償するために、ジオメトリックミキシング(geometric mixing)により調製した。前記の試料のX線構造を図1−4に示した。以下に示した28種類の試料は、La(CO四水和物と、La(CO八水和物と、La(CO)OH多形体(I)と、La(CO)OH多形体(II)のうち2種類以上を含む。
Figure 2009536356
B.X線粉末回折分析
XRPD分析は、Cu−Kα線を用い島津X線回折装置XRD−6000を用いて行った。装置にはロングファインフォーカスX線管球を設置した。管電圧を40kV、管電流を40mAにそれぞれ設定した。発散スリットと散乱スリットを1°に設定し、受光スリットを0.15mmに設定した。回折X線をNaIシンチレーション検出器で検出した。2θ9°から40°、1°/分(1.2秒/0.02°ステップ)で、シータ−2 シータ(theta−two theta)連続スキャンを用い、分析時間内は50rpmで試料を回転させた。装置の調整を確認するために、シリコン標準を分析した。XRD−6000v.4.1を用いてデータを収集し、分析した。試料をバックフィル(back−fill)アルミニウムホルダーに入れて分析した。
それぞれの試料について、3種類の別々の解析図形が得られた。装置を運転する度ごとに試料を混合し試料ホルダー内に再充填するか、一定分量を大部分から試料として採取するかを行った。実験パラメータは、連続スキャン、2θ9−40°,1°/分スキャン、0.02°ステップ、50rpmで回転、発散スリット=散乱スリット=1°、受光スリット=0.15mmとした。スペクトルが得られた後、ファイルをアスキーフォーマット(ascii−format)に変換し、必要に応じてシフト参照(GRAMS)として炭酸ランタンXRPDパターンの−18.4°反射を用いて個々の解析図形をX軸シフトし、ファイルをフルパターン分析で用いたフォーマット(マウド(Maud)リートベルト解析ソフトウェア用pmフォーマット)で保存した。
C.データ分析
XRPD解析図形を、島津ソフトウェア(Shimadzu XRD−6000 v4.1)かファイル−モンキー(v1.1)を用いてアスキーフォーマットに変換し、GRAMSソフトウェア(v6.0)を用いてspcファイルフォーマットに変換した。解析図形は標準パターンに対し2シータ対応で測定し、必要であれば参照として−18.4°反射を用いてパターンをX軸シフトした。その後、GRAMSを用いて解析図形をpmファイルフォーマットに変換し、マウドソフトウェア(マテリアル アナリシス ユージング ディフラクション;www.ing.unitn.it/-luttero/-maud/,v1.998)を用いてリートベルト解析を行った。
各々の試料の3回の測定で得られたリートベルト結果を平均し、前記のリートベルト結果に対し標準の分析物の実濃度を当てはめて校正方程式を作成した。
検証試料の回収率を、以下の方程式を用いて算出した。
%回収=(予測%分析物)/(実%分析物)×100%
以下の方程式を用いて、多数の試料の反復分析の結果から合併標準偏差を算出した。
合併標準偏差=(SStotaUdf)1/2
ここで、SStotal=全試料の平均からの偏差平方和であり、
df=自由度(繰り返しの全回数−試料の全数)
D.特異性
校正混合物と検証混合物の成分として用いた炭酸ランタン四水和物と、炭酸ランタン八水和物と、水酸化炭酸塩(I)と水酸化炭酸塩(II)のXRPDパターンを図1−4に示した。4種類の成分のXRPDの重ね合わせを視覚的に分析(図5)すると、どの単一成分も他の成分と明らかに異なっていることがわかる。XRPD分析は前記の成分に対して特異性を示し、それゆえ定量に適した方法である。
E.直線性と範囲
校正標準として用いた28種類の混合物についてのリートベルト結果と、3回の測定の平均値は以下の通りである。
Figure 2009536356
標準誤差を計算すると、(I)型で0.2318、(II)型で0.4128となった。その後、前記の平均値を基にした校正モデルを決定した。
1.水酸化炭酸塩(I)の校正モデル
28種類の0−30%の水酸化炭酸塩(I)の校正標準について、リートベルト水酸化炭酸塩(I)応答を行った。未校正のリートベルトデータの二乗平均平方根誤差は1.52%である。応答曲線の傾きは、単位濃度あたりのリートベルト応答の検出感度(0.8127)である。その後、前記傾きを水酸化炭酸塩(I)測定での最小定量限界の算出に用いた。
前記応答データを、全ての校正範囲の水酸化炭酸塩(I)測定での線形回帰モデルを作成するために用いた。予測方程式は以下の通りである。
%水酸化炭酸塩(I)=1.2287×(リートベルト °HC(I)−0.456
前記のモデルの相関係数は0.9986であり、前記モデルからの予測値は
二乗平均平方根誤差0.27%を示す。
2.水酸化炭酸塩(II)の校正モデル
28種類の校正標準についてのリートベルト水酸化炭酸塩(II)応答は、
0.9−31%の水酸化炭酸塩濃度範囲にわたる。未校正のリートベルトデータの二乗平均平方根誤差は1.54%である。この曲線の傾きは、単位濃度あたりのリートベルト応答の検出感度(0.8199)である。その後、前記傾きを水酸化炭酸塩(II)測定での最小定量限界の算出に用いた。
前記応答データを、全ての校正範囲にわたる水酸化炭酸塩(II)測定での線形回帰モデルを作成するために用いた。予測方程式は以下の通りである。
%水酸化炭酸塩(II)=1.2143×(リートベルト%HC(II)−0.5353
前記のモデルの相関係数は0.9955であり、前記モデルからの予測値は
二乗平均平方根誤差0.4861%を示す。
F.精度
水酸化炭酸塩(IとII)に対する応答が視覚的に検出できず、La(CO・4HOの濃度が様々である9種類の炭酸ランタン試料を分析することにより、方法の精度を調べた。概略を以上に説明した方法により分析を行った。それゆえ、精度の推定値は(1)試料マトリックス(試料は複数のロットと様々な貯蔵状態を反映する)と、(2)試料の提示(異なる試料ホルダーと異なるオートサンプラー位置)と、(3)データ解析(X軸シフトとそれに続くリートベルト解析)とのばらつきによる不確かさを含む。
用いた試料についてのリートベルト応答と予測した分析物の濃度とを実験結果の95%信頼区間を計算するために使用した。水酸化炭酸塩(IとII)の測定での標準偏差と95%信頼区間を以下にまとめた。
Figure 2009536356
G.検出限界
視覚的に分析物を含まない9種類の試料で観測された応答の99%信頼限界の上限を算出することにより検出限界(LOD)を規定した。前記の値を以下に示す。
Figure 2009536356
H.最小定量限界
最小定量限界(MQL)は10(σ/S)として表され、ここでσは視覚的に分析物が含まれていない9種類の試料で観測された応答の標準偏差であり、
Sは傾きであり、すなわちリートベルト応答は実際の分析物の含有量を越えるものである。結果を以下にまとめた。
Figure 2009536356
I.検証標準の確度
確度は、検証標準中に含まれる分析物の既知量を分析することにより回収率として報告される場合がある。分析物の濃度範囲はHC(I)については0.5から10%、HC(II)については1.8から10.9%で、6種類の検証標準を調製した。八水和物は0.5から10%とした。
水酸化炭酸塩(I)と(II)の検証標準についての回収率のデータは以下の通りである。
Figure 2009536356
J.システム適合性
システム適合性を評価するために、XRPD管球の強度が著しく低いときに得られた結果を確度について調べた。加速電圧を40kVから20kVに下げることにより、より低い強度を実験的に達成できた。これにより管球の強度が74%減少した。前記の条件下で、試料を正確に予測した(CH(I)の平均リートベルト%は1.67%から1.70%に変わり、CH(II)の平均リートベルト%は3.13%から3.17%に変わった)。これによりシステム適合性が実証された。
K.堅牢性
2人の異なる分析者が2つの試料を分析し、1つの試料をさらに2種類の異なる装置で分析した。複数の実験者又は装置で偏りは見られなかった。%HC(I)の測定と%HC(II)の測定の結果は以下の通りである。
Figure 2009536356
L.結論
炭酸ランタン四水和物炭酸ランタン試料中に含まれる水酸化炭酸ランタン(IとII)の定量に本定量法を適用できる。本発明はより好ましくは、少なくとも68%のLa(CO四水和物を含む試料についてである。XRPD分析は、以下にまとめたように炭酸ランタン中に含まれる水酸化炭酸ランタン(IとII)を正確に測定することができる。
Figure 2009536356
実施例6.4:リートベルト解析を用いた錠剤のXRD
本技術は粉末と同様に炭酸ランタン錠剤についても有効であった。錠剤は、LHCの重量/炭酸ランタン水和物の重量の%として表すことができる。リートベルト解析による錠剤についての水酸化炭酸ランタン多形体(I)と(II)の検出限界(LOD)とLOQを以下に示しており、括弧内の数字は炭酸ランタン水和物の等量パーセントに対応する。
Figure 2009536356
本発明は、ここに記載した実施態様により制限されるものではない。実際に、当業者は前述の説明から、ここに記載した内容に加えて本発明に様々な変更をなすことができる。このような変更は、添付した特許請求の範囲内である。
すべての特許と、公開された特許出願と、公開された科学論文と科学書とを含むここに記載したすべての参考文献は、言及されることによりその全体がここに援用される。

Claims (17)

  1. 少なくとも1種類の既知の不純物を含む希土類化合物の純度を分析する方法であって、少なくとも1種類の塩又は前記不純物が水媒体中で解離する化合物であり、
    (i)前記塩のX線回折パターンを得ることと、
    (ii)1種類又は複数の種類の前記不純物を含む複数の基準試料を得ることと、
    (iii)前記基準試料の複数のX線回折パターンを得ることと、
    (iv)前記X線回折パターンでリートベルト解析を行い、前記基準試料から検出限界及び/又は、最小定量限界(MQL)及び/又は、分析限界の上限を得ることと、前記希土類化合物のパターンから前記不純物の予測濃度値を得ることを含むことを特徴とする方法。
  2. 炭酸ランタン組成物中の水酸化炭酸ランタンの濃度を分析する方法であって、
    (i)前記炭酸ランタンのX線回折パターンを得ることと、
    (ii)前記水酸化炭酸ランタンを含む複数の基準試料を得ることと、
    (iii)前記基準試料の複数のX線回折パターンを得ることと、
    (iv)前記X線回折パターンでリートベルト解析を行い、前記基準試料から検出限界及び/又は、最小定量限界(MQL)及び/又は、分析限界の上限を得ることと、水酸化炭酸ランタンの予測パーセントを得ることを含むことを特徴とする方法。
  3. さらに、(v)前記予測濃度を前記検出限界未満と、
    前記検出限界から前記MQLまでと、
    前記MQLから前記分析限界の上限までと、
    前記分析限界の上限を超えるものとに分類することと、
    (vi)前記予測濃度が前記検出限界から前記MQLまでの試料について、前記XRPDパターンの視覚的分析を行うことと、
    (ix)純度又は不純物濃度を任意に報告することを含むことを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の方法。
  4. 前記希土類化合物及び前記不純物が水媒体中で解離して測定可能な同じ分解生成物となることを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の方法。
  5. 前記希土類化合物が炭酸ランタンか、乳酸ランタンか、酢酸ランタンか、クエン酸ランタンかであることを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の方法。
  6. 前記ランタン塩がLa(CO・xHOであり、xは0から10までの値であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  7. 前記不純物がLa(CO)OHであることを特徴とする請求項7記載の方法。
  8. 前記不純物が(I)型と(II)型のLa(CO)OHの混合物であることを特徴とする請求項8記載の方法。
  9. 前記ランタン化合物からの前記X線回折パターンが3種類得られることを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の方法。
  10. 少なくとも5種類の基準試料に対して前記X線回折パターンが得られることを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の方法。
  11. 少なくとも20種類の基準試料に対してX線回折パターンが得られることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  12. 約1°/分で2シータ連続スキャンにより前記X線回折パターンが得られることを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の方法。
  13. さらに、前記不純物に特有なX線回折ピークが存在することをにより前記不純物が存在しているかどうかを視覚的に測定することを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の方法。
  14. (i)粗炭酸ランタンを調製する段階と、
    (ii)(a)前記塩のX線回折パターンを得る段階と、
    (b)1種類又は複数の種類の前記不純物を含む複数の基準試料を得る段階と、
    (c)前記基準試料の複数のX線回折パターンを得る段階と、
    (d)前記X線回折パターンでリートベルト解析を行い、前記基準試料から検出限界及び/又は、最小定量限界(MQL)及び/又は、分析限界の上限を得るとともに、前記希土類化合物のパターンから不純物の予測濃度値を得る段階とを含む純度の分析に前記粗炭酸ランタンを用いることと、
    (iii)(ii)の前記分析に照らして前記炭酸ランタンに前記検出限界を超える水酸化炭酸ランタンが含まれる場合に、前記炭酸ランタンを精製して(ii)の段階を繰り返すことを特徴とする炭酸ランタンの調製方法。
  15. 2シータ約17.7°と、約24.4°と、約30.3°とにピークを有するX線粉末回折パターンにより特徴付けられる(I)型の水酸化炭酸ランタンからなり、組成物中の前記水酸化炭酸ランタン含有量は少なくとも96%の(I)型の水酸化炭酸ランタンを含むことを特徴とする医薬品組成物。
  16. 前記組成物中の前記水酸化炭酸ランタン含有量は少なくとも98%の(I)型の水酸化炭酸ランタンを含むことを特徴とする請求項16に記載の医薬品組成物。
  17. 組成物中の前記水酸化炭酸ランタン含有量は少なくとも99%の(I)型の水酸化炭酸ランタンを含むことを特徴とする請求項17に記載の医薬品組成物。
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