(発明の説明)
本発明は、構造式VIIおよびVIIIで表される置換ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン化合物、またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを提供し、ここで、種々の部分は上記の通りである。
本発明の実施形態はまた、HCV RNA依存性RNAポリメラーゼの酵素活性を阻害するための化合物および方法も提供する。本発明はまた、HCV感染の予防もしくは処置のための組成物および方法も提供する。本明細書中に参照される特許文献および科学文献は、当業者に役に立つ知識を確証する。本明細書中に引用される発行特許、出願および参考文献は、各々が参考として援用されることが特定的にかつ個々に示されているかのように、同じ程度に本明細書中で参考として援用される。不一致の場合には、本開示が優先される。
上記および本開示にわたって使用される場合、以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有すると理解されるべきである:
「患者」もしくは「被験体」は、ヒトおよび動物の両方を包含する。
「哺乳動物」は、ヒトおよび他の哺乳類の動物を意味する。
用語「HCV RNA依存性RNAポリメラーゼインヒビター」、「HCV RdRpインヒビター」、「HCV RNA依存性ポリメラーゼのインヒビター」および「HCV RdRpのインヒビター」は、本明細書中で定義するような構造を有する化合物を同定するために使用され、これは、HCV RNA依存性RNAポリメラーゼと相互作用をし、そしてその酵素活性を阻害することができる。HCV RNA依存性RNAポリメラーゼの酵素活性を阻害するということは、HCV RdRpの、リボヌクレオチドを成長HCV RNA鎖中に取り込む能力を減退させることを意味する。いくつかの好ましい実施形態において、HCV RdRp活性のこのようは減退は、少なくとも50%であり、さらに好ましくは、少なくとも75%であり、そしてなおさらに好ましくは、少なくとも90%である。他の好ましい実施形態において、HCV RdRp活性は、少なくとも95%は減退され、さらに好ましくは少なくとも99%減退される。
好ましくは、このような阻害は特異的であり、すなわち、HCV RdRpインヒビターは、別の無関係な生物学的作用を出すのに必要なインヒビターの濃度よりも低い濃度でHCV RdRpの、リボヌクレオチドを成長HCV RNA鎖中に取り込む能力を減退させる。好ましくは、HCV RdRp阻害活性に必要なインヒビターの濃度は、無関係な生物学的作用を出すのに必要な濃度よりも少なくとも2倍低く、さらに好ましくは、少なくとも5倍低く、なおさらに好ましくは、少なくとも10倍低く、そして最も好ましくは、少なくとも20倍低い。
用語「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」は、本明細書中で使用される場合、1個、2個もしくは3個の置換基で必要に応じて置換され得る、1〜12個の炭素原子(好ましくは、1〜8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子)を有する直鎖状もしくは分枝状の脂肪族基を意味する。本発明の目的で、脂肪族基を分子の残りに結合させる炭素原子が飽和炭素原子である場合、用語「アルキル」が使用される。しかしながら、アルキル基は、他の炭素原子において不飽和を含み得る。したがって、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、アリル、プロパルギル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニルおよび3−メチル−ブテン−2−イルが挙げられるが、これらに限定されない。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アルキル」はさらに、直鎖状でも分枝状でもよく、約1〜約20個の炭素原子を鎖中に含む脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約12個の炭素原子を含む。さらに好ましいアルキル基は、鎖中に約1〜約6個の炭素原子を含む。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルもしくはプロピル)が直鎖状のアルキル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキル」は、直鎖状でも分枝状でもよい鎖中に約1〜約6個の炭素原子を有する基を意味する。「アルキル」は、非置換であってもよいし、もしくは1つ以上の置換基によって必要に応じて置換されてもよく、この置換基は同じであっても異なっていてもよく、各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アミノ、−NH(アルキル)、−NH(シクロアルキル)、−N(アルキル)2、カルボキシおよび−C(O)O−アルキルからなる群より独立して選択される。適切なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
本発明の目的で、脂肪族基を分子の残りに結合させる炭素原子が、炭素−炭素二重結合の部分を形成する場合、用語「アルケニル」が使用される。アルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニルおよび1−ヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の目的で、脂肪族基を分子の残りに結合させる炭素原子が、炭素−炭素三重結合の部分を形成する場合、用語「アルキニル」が使用される。アルキニル基としては、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、1−ペンチニルおよび1−ヘキシニルが挙げられるが、これらに限定されない。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アルケニル」はさらに、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、ここで、この鎖は直鎖状でも分枝状でもよく、そしてこの基は、鎖中に約2〜約15個の炭素原子を含む。好ましいアルケニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子を有しており;さらに好ましくは、鎖中に約2〜約6個の炭素原子を有する。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルもしくはプロピル)が直鎖状のアルケニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルケニル」は、約2〜約6個の炭素原子が鎖中にあることを意味し、この鎖は、直鎖状でも分枝状でもよい。「アルケニル」は、非置換であってもよいし、もしくは1つ以上の置換基によって必要に応じて置換されてもよく、この置換基は同じであっても異なっていてもよく、各置換基は、ハロ、アルキル、アリール、シクロアルキル、シアノ、アルコキシおよび−S(アルキル)からなる群より独立して選択される。適切なアルケニル基の非限定的な例としては、エテニル、プロペニル、n−ブテニル、3−メチルブト−2−エニル、n−ペンテニル、オクテニルおよびデセニルが挙げられる。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アルキニル」はさらに、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む脂肪族炭化水素基を意味し、ここで、この鎖は、直鎖状でも分枝状でもよく、そしてこの基は、約2〜約15個の炭素原子を鎖中に含む。好ましいアルキニル基は、鎖中に約2〜約12個の炭素原子を含み;さらに好ましくは、鎖中に約2〜約4個の炭素原子を含む。分枝状とは、1つ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルもしくはプロピル)が直鎖状のアルキニル鎖に結合していることを意味する。「低級アルキニル」は、約2個〜約6個の炭素原子が鎖中にあることを意味し、この鎖は、直鎖状でも分枝状でもよい。適切なアルキニル基の非限定的な例としては、エチニル、プロピニル、2−ブチニルおよび3−メチルブチニルが挙げられる。「アルキニル」は、非置換であってもよいし、もしくは1つ以上の置換基によって必要に応じて置換されてもよく、この置換基は同じであっても異なっていてもよく、各置換基は、アルキル、アリールおよびシクロアルキルからなる群より独立して選択される。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アルキニルアルキル」は、アルキニル−アルキル−基を意味し、ここで、アルキニルおよびアルキルは上記のとおりである。好ましいアルキニルアルキルは、低級アルキニル基および低級アルキル基を含む。親部分への結合は、アルキルを介してである。適切なアルキニルアルキル基の非限定的な例としては、プロパルギルメチルが挙げられる。
用語「シクロアルキル」は、本明細書中で使用される場合、3〜12個の炭素(好ましくは、3〜8個の炭素、さらに好ましくは、3〜6個の炭素)を有する飽和したもしくは部分的に不飽和の環式炭化水素基を含み、ここで、このシクロアルキル基は必要に応じてさらに置換され得る。シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが挙げられるが、これらに限定されない。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「シクロアルキル」はさらに、約3〜約10個の炭素原子(好ましくは約5〜約10個の炭素原子)を含む非芳香族の単環式もしくは多環式の環系を意味する。好ましいシクロアルキル環は約5〜約7個の環原子を含む。シクロアルキルは、1つ以上の同じであっても異なっていてもよく、上記で定義したとおりである「環系置換基」で必要に応じて置換され得る。適切な単環式シクロアルキルの非限定的な例として、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適切な多環式シクロアルキルの非限定的な例として、1−デカリニル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「シクロアルキルアルキル」は、アルキル部分(上記で定義した)を経て親核に結合する上記で定義したシクロアルキル部分を意味する。適切なシクロアルキルアルキルの非限定的な例として、シクロヘキシルメチル、アダマンチルメチルなどが挙げられる。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「環系置換基」は、芳香族もしくは非芳香族の環系(例えば、環系上の利用可能な水素にとって代わる)に結合した置換基を意味する。環系置換基は、同じでも異なっていてもよく、各置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、−C(=N−CN)−NH2、−C(=NH)−NH2、−C(=NH)−NH(アルキル)、Y1Y2N−、Y1Y2N−アルキル−、Y1Y2NC(O)−、Y1Y2NSO2−および−SO2NY1Y2からなる群より独立して選択され、ここで、Y1およびY2は、同じでも異なっていてもよく、そして、水素、アルキル、アリール、シクロアルキルおよびアラルキルからなる群より独立して選択される。「環系置換基」はまた、環系上の2つの隣接した炭素原子上の2つの利用可能な水素(各炭素上の1つのH)を同時に置換する単一の部分も意味し得る。このような部分の例としては、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH3)2−などが挙げられ、例えばそれらは:
「アリール」基は、必要に応じて置換され得る1〜3個の芳香族環を有するC6−C14芳香族部分である。好ましくは、アリール基は、C6−C10アリール基である。アリール基としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル(anthracenyl)およびフルオレニルが挙げられるが、これらに限定されない。「アラルキル」もしくは「アリールアルキル」基は、アルキル基に共有結合したアリール基を含み、これらのうちのいずれかは独立して必要に応じて置換され得るか、もしくは非置換であり得る。好ましくは、アラルキル基は、C6−C10アリール(C1−C6)アルキル(ベンジル、フェネチルおよびナフチルメチルが挙げられるが、これらに限定されない)である。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アリール」はさらに、約6〜約14個の炭素原子(好ましくは約6〜約10個の炭素原子)を含む芳香族の単環式もしくは多環式の環系を意味する。アリール基は、1つ以上の同じであっても異なっていてもよく、本明細書中で定義するとおりである「環系置換基」で必要に応じて置換され得る。適切なアリール基の非限定的な例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、約5〜約14個の環原子(好ましくは、5、6、9もしくは10個の環原子)を有し;環式アレイ内に6、10もしくは14個のp電子が共有されており;そして炭素原子に加えて、N、OおよびSからなる群より選択される1〜4個のヘテロ原子を有する基を意味する。ヘテロアリール基としては、チエニル、ベンゾチエニル、フラニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、インドリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、オキサゾリル、チアゾリルおよびイソオキサゾリルが挙げられるが、これらに限定されない。「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアリールアルキル」基は、アルキル基に共有結合したヘテロアリール基を含み、これらのうちのいずれかは独立して必要に応じて置換され得るか、もしくは非置換であり得る。好ましくは、ヘテロアラルキル基は、C6−C14ヘテロアリール(C1−C6)アルキル(ピリジルメチル、チアゾリメチルなどが挙げられるが、これらに限定されない)である。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「ヘテロアリール」はさらに、約5〜約14個の環原子(好ましくは、約5〜約10個の環原子)を含む芳香族の単環式もしくは多環式の環系を意味し、ここで、環原子のうちの1個以上は炭素とは異なる元素(1つもしくは組み合わせ)であり、例えば、窒素、酸素もしくは硫黄であるものを意味する。好ましいヘテロアリールは、約5〜約6個の環原子を含む。「ヘテロアリール」は、1つ以上の同じでも異なっていてもよく、本明細書中で定義するとおりである「環系置換基」によって必要に応じて置換され得る。ヘテロアリールの語幹(root name)の前の接頭辞のアザ、オキサもしくはチアはそれぞれ、少なくとも窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN−酸化物へと必要に応じて酸化され得る。適切なヘテロアリールの非限定的な例としては、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、ピリドン(N−置換ピリドンを含む)、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、オキシンドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリルなどが挙げられる。用語、「ヘテロアリール」はまた、部分的に飽和したヘテロアリール部分(例えば、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリルなど)も意味する。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「ヘテロアリールアルキル」は、アルキル部分(上記で定義した)を経て親核に結合する上記で定義したヘテロアリール部分を意味する。適切なヘテロアリールの非限定的な例として、2−ピリジニルメチル、キノリニルメチルなどが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「複素環式ラジカル」および「ヘテロシクリル」は、安定した5〜7員の単環式もしくは7〜10員の二環式の複素環式部分を意味し、これは、飽和したもしくは部分的に不飽和であり、そして炭素原子に加えて、N、OおよびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子は必要に応じて酸化され得、そして窒素原子は必要に応じて四級化され得、そして任意の二環式基を含み、ここで、上記で定義した複素環式環のうちの任意のものがベンゼン環に縮合する。複素環式環は、任意のヘテロ原子もしくは炭素原子におけるそのペンダント基に結合し得、これによって安定構造を生じる。このような飽和したもしくは部分的に不飽和な複素環式ラジカルとしては、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアセピニル、オキサゼピニル、チアゼピニルおよびモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「ヘテロシクリル」はさらに、約3〜約10個の環原子(好ましくは約5〜約10個の環原子)を含む非芳香族の飽和した単環式もしくは多環式の環系を意味し、ここで、環系内の1つ以上の原子は炭素とは異なる元素であり、例えば、窒素、酸素、もしくは硫黄のどれか1つか、もしくはそれらの組み合わせである。環系内には隣接した酸素原子および/もしくは硫黄原子は存在しない。好ましいヘテロシクリルは、約5〜約6個の環原子を含む。ヘテロシクリルの語幹の前の接頭辞のアザ、オキサもしくはチアはそれぞれ、少なくとも窒素原子、酸素原子もしくは硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロシクリル環内の任意の−NHは、例えば−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基などとして保護されて存在し得;このような保護もまた本発明の一部であるとみなされる。ヘテロシクリルは、1つ以上の同じであっても異なっていてもよく、それらは本明細書中で定義したとおりである「環系置換基」によって必要に応じて置換され得る。ヘテロシクリルの窒素原子もしくは硫黄原子は、対応するN−酸化物、S−酸化物もしくはS,S−二酸化物へと必要に応じて酸化され得る。適切な単環式のヘテロシクリル環の非限定的な例として、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ラクタム、ラクトンなどが挙げられる。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキル部分(上記で定義した)を経て親核に結合する上記で定義したヘテロシクリル部分を意味する。適切なヘテロシクリルアルキルの非限定的な例として、ピペリジニルメチル、ピペラジニルメチルなどが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、用語「部分的に不飽和な」は、少なくとも1つの二重結合もしくは三重結合を環原子間に含む環部分を意味する。用語「部分的に不飽和な」は、複数の不飽和箇所を有する環を包含することが意図されるが、本明細書中で定義するようなアリールもしくはヘテロアリール部分を含むことは意図されない。
用語「部分的に不飽和な複素環式ラジカル」は、安定した5〜7員の単環式もしくは7〜10員の二環式の複素環式環部分を意味し、これは、少なくとも1つの二重結合を環原子間に含む。この用語は、複数の不飽和箇所を有する環を包含することが意図されるが、本明細書中で定義するようなアリールもしくはヘテロアリール部分を含むことは意図されない。炭素原子に加えて、この複素環式環部分は、そしてN、OおよびSからなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を有し、ここで、窒素および硫黄ヘテロ原子は必要に応じて酸化され得、そして窒素原子は必要に応じて四級化され得、そして任意の二環式基を含み、ここで、上記で定義した複素環式環のうちの任意のものがベンゼン環に縮合する。複素環式環は、任意のヘテロ原子もしくは炭素原子におけるそのペンダント基に結合し得、これによって安定構造を生じる。このような部分的に不飽和な複素環式ラジカルの例としては、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロヘンゾチオフェン、テトラヒドロインドールおよびテトラヒドロベンゾフランが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「ヘテロシクレンアルケニル」は、ヘテロシクリル基を意味し、ここで、環炭素およびエキソ炭素が、炭素−炭素二重結合を形成し(例えば、本明細書中の化合物の表中の化合物449において例示されるように)、これは次に、関心のある中心骨格に結合する。−CH(N)HOおよび−CH(N)ORという明示は、炭素原子および窒素原子が二重結合によって結合しており、それにより、オキシムもしくはオキシムアルキルエーテルをそれぞれ形成する基を意味する。
本明細書中で使用する場合、「置換」シクロアルキル アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルもしくはヘテロシクリル基は、1〜4個(好ましくは、1〜3個、さらに好ましくは、1〜2個)の非水素置換基を有するものである。適切な置換基としては、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、ニトロ、フルオロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、(アリール)アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)アルキル、(ヘテロアリール)アルキルオキシ、(ヘテロアリール)アルキルアミノ、(ヘテロアリール)アルキルチオ、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアミノ、ヘテロアリールチオ、飽和したもしくは部分的に不飽和な複素環式ラジカル、(ヘテロシクリル)アルキル、(ヘテロシクリル)オキシ、(ヘテロシクリル)アミノ、(ヘテロシクリル)チオ、(ヘテロシクリル)アルキルオキシ、(ヘテロシクリル)アルキルチオ、フルオロアルキルオキシ、シクロアルキルアルコキシ、シクロアルコキシ、アルコキシアルキル、アルコキシ、(アリール)アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アシルアミノ、カルバモイル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、カルボアルコキシ、カルボアリールオキシ、カルボキシ、アルキルチオ、アリールチオ、アラルキルチオ、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アラルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アラルキルスルホニル、アルキルスルホンアミド、アリールスルホンアミド、アラルキルスルホンアミド、アシル、アシルオキシ、シアノおよびウレイド基が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「置換された」は、本明細書中で使用される場合、示された部分の1つ以上の水素が、記載された群から選択されたもので置き換えられることを意味し、ただし、示された原子の既存の状況下での通常の原子価を超えておらず、そして、この置換が安定した化合物を生じるという条件である。ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、用語「必要に応じて置換された」は、特定の基、ラジカルもしくは部分での必要に応じた置換を意味する。置換基および/もしくは可変物との組み合わせは、このような組み合わせによって安定した化合物を生じる限り、許容可能である。用語「安定した化合物」および「安定した構造」は、有用な程度の純度への単離、および有効な治療剤への処方に耐えるのに十分に頑丈な化合物を意味する。
用語「ハロゲン」もしくは「ハロ」は、本明細書中で使用される場合、塩素、臭素、フッ素もしくはヨウ素を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「アシル」は、アルキルカルボニルもしくはアリールカルボニル置換基を意味する。ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アシル」は、H−C(O)−、アルキル−C(O)−もしくはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、ここで、種々の基は上記のとおりである。親部分への結合はカルボニルを介してである。好ましいアシルは、低級アルキルを含む。適切なアシル基の非限定的な例としては、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが挙げられる。
用語「アシルアミノ」および「アミド」は、窒素原子において結合しているアミド基を意味する。用語「カルバモイル」は、カルボニル炭素原子において結合しているアミド基を意味する。アシルアミノもしくはカルバモイル置換基の窒素原子は、さらに置換され得る。用語「スルホンアミド」は、硫黄原子もしくは窒素原子のいずれかを介して結合するスルホンアミド置換基を意味する。他に明確に限定されていない限り、用語「アミノ」は、NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノおよび環式アミノ基を包含することを意味する。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アルコキシ」は、アルキル−O−基を意味し、ここで、アルキル基は上記のとおりである。適切なアルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、およびn−ブトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アロイル」は、アリール−C(O)−基を意味し、ここで、アリール基は上記のとおりである。親部分への結合は、カルボニルを介してである。適切な基の非限定的な例としては、ベンゾイルおよび1−ナフトイルが挙げられる。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アリールオキシ」は、アリール−O−基を意味し、ここで、アリール基は上記のとおりである。適切なアリールオキシ基の非限定的な例としては、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アラルキルオキシ」は、アラルキル−O−基を意味し、ここで、アラルキル基は上記のとおりである。適切なアラルキルオキシ基の非限定的な例としては、ベンジルオキシおよび1−ナフタレンメトキシもしくは2−ナフタレンメトキシが挙げられる。親部分への結合は、エーテル酸素を介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アルキルチオ」は、アルキル−S−基を意味し、ここで、アルキル基は上記のとおりである。適切なアルキルチオ基の非限定的な例としては、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄を介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アリールチオ」は、アリール−S−基を意味し、ここで、アリール基は上記のとおりである。適切なアリールチオ基の非限定的な例としては、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。親部分への結合は、硫黄を介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アラルキルチオ」は、アラルキル−S−基を意味し、ここで、アラルキル基は上記のとおりである。適切なアラルキルチオ基の非限定的な例は、ベンジルチオである。親部分への結合は、硫黄を介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アルコキシカルボニル」は、アルキル−O−CO−基を意味する。適切なアルコキシカルボニル基の非限定的な例としては、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アリールオキシカルボニル」は、アリール−O−C(O)−基を意味する。適切なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例としては、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。親部分への結合は、カルボニルを介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アラルコキシカルボニル」は、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適切なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例は、ベンジルオキシカルボニルである。親部分への結合は、カルボニルを介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アルキルスルホニル」は、アルキル−S(O2)−基を意味する。好ましい基は、アルキル基が低級アルキルである基である。親部分への結合は、スルホニルを介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「アリールスルホニル」は、アリール−S(O2)−基を意味する。親部分への結合は、スルホニルを介してである。
ここで式VIIおよびVIIIに関して言及すると、「ヒドロキシアルキル」は、HO−アルキル−基を意味し、ここで、アルキルは上記で定義したとおりである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキルを含む。適切なヒドロキシアルキル基の非限定的な例としては、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。用語「ウレイド」は、本明細書中で使用される場合、置換されたもしくは非置換の尿素部分を意味する。
用語「薬学的に受容可能な」は、本明細書中では、生物学的系(例えば、細胞、細胞培養、組織もしくは生体)に適合する非毒性物質を意味するのに使用される。
化合物についての用語「精製された」、「精製された形態」、「単離された」もしくは「単離され、そして精製された形態」は、合成プロセスもしくは天然供給源またはこれらの組み合わせから単離された後のこの化合物の物理的状態をいう。したがって、用語、化合物についての「精製された」、「精製された形態」、「単離された」もしくは「単離され、そして精製された形態」は、本明細書中に記載するか、もしくは当業者に周知の精製プロセスから、本明細書中に記載するか、もしくは当業者に周知の標準的な分析技術によって性質決定されるために十分な純度で得られた後の、この化合物の物理的状態をいう。
本明細書中の本文、スキーム、実施例および表中の原子価が満たされていない任意の炭素およびヘテロ原子は、原子価を満たすために十分な数の水素原子を有するとみなされることもまた注意されるべきである。
化合物中の官能基が「保護された」と称された場合、これは、この化合物が反応に供される場合に、保護された位置における望ましくない副反応を防ぐためにこの基が修飾された形態であることを意味する。適切な保護基は、当業者によって、ならびに標準的な教科書(例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991)、Wiley、New York)を参照することによって認識される。
任意の構成要素中もしくは式I中で、1つより多くの何らかの可変物(例えば、アリール、複素環、R2など)が存在する場合、それぞれの存在箇所におけるその定義は、他の全ての存在箇所におけるその定義とは独立する。
本明細書中で使用される場合、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、ならびに特定の成分の特定の量での組み合わせから直接的にもしくは間接的に生じた任意の生成物を包含することが意図される。
式VIIに関して言及すると、R2は、Cl、Br、FおよびIからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、R3は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニルおよびモルホリニルからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、R4はHである。他の実施形態において、R4は、Cl、Br、−OH、−SH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキルおよびシクロプロピルからなる群より選択される。他の実施形態において、R4は−NH2である。他の実施形態において、R4は−OHである。他の実施形態において、R4はアルコキシである。他の実施形態において、R4はアルキルチオである。さらに、他の実施形態において、R4はハロである。
いくつかの実施形態において、nは1である。
いくつかの実施形態において、pは1である。
式(VII)の化合物の非限定的な例としては、
上の式VIIIに関して言及すると、R2は、Cl、Br、FおよびIからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、R3は、メチルもしくはエチルである。
いくつかの実施形態において、R4はエチルである。他の実施形態において、R4はアルコキシである。
式(VIII)の化合物の非限定的な例としては、
一局面において、本発明の実施形態は、式(I):
のHCV RNA依存性RNAポリメラーゼの新規なインヒビター、もしくはその薬学的に受容可能な塩を提供し、ここで:
G
1は、−OH、シアノ、−C(O)−OH、−C(O)−OR、−C(O)−NR
2R
3、−N(R)−C(O)R、−S(O)
2NR
2R
3、−N(R)−S(O)
2R、ヘテロアリール、および飽和したもしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカルからなる群より選択され、ここで
Rはそれぞれの存在箇所において、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルおよび飽和したもしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカルからなる群より選択され;
R
2およびR
3は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルおよび飽和したもしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカルからなる群より独立して選択されるか;または
R
2およびR
3は一緒になって、5員もしくは6員の複素芳香族環、または飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式環を形成するか;または
−NR
2R
3が一緒になって、α−、β−もしくはγ−アミノ酸を形成し、ここで、R
2は、水素もしくはC
1−C
6アルキルであり、そしてR
3は、−CH
2CH(R
6)CO
2H、−CH(R
6)CH
2CO
2H、−CH(R
6)CO
2H、−CH(R
6)CH
2CH
2CO
2H、−CH
2CH(R
6)CH
2CO
2Hおよび−CH
2CH
2CH(R
6)CO
2Hからなる群より選択される式を有し;
ここで、R
6は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、飽和したもしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカルおよび−CH
2R
7からなる群より選択され、ここで、R
7は、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、飽和したもしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオおよびアラルキルチオからなる群より選択され;
G
1は、ピラゾール環のC3もしくはC4のいずれかの位置に結合しており、他の位置は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはシアノで必要に応じて置換され;そして
G
2およびG
3は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、飽和したもしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカルおよび−W−Cyからなる群より独立して選択され;
Wは、O、N(R)、S、C(O)、CH(R)、−O−CH(R)−、−N(R)−CH(R)−、−S−CH(R)−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−S(O)
2−N(R)−、−N(R)−S(O)
2−および−N(R)−C(O)−N(R)−からなる群より選択され、ここで、Rはそれぞれの存在箇所において、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルおよび飽和したもしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカルからなる群より選択され、
Cyは、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルおよび飽和したもしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカルからなる群より選択され、そして
G
2およびG
3は集合的に、ピリミジン環のC7、C8およびC9の位置のうちの任意の二箇所に結合し、残りの位置は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロ、フルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシもしくはシアノで必要に応じて置換され;
ここで、G
1、G
2もしくは
3中のこのシクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルもしくは複素環式ラジカルのうちの任意のものの環部分は必要に応じて置換され得る。
置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくは複素環式基は、好ましくは、ハロ(好ましくは、Cl、BrもしくはF);ヒドロキシ;ニトロ;フルオロアルキル(好ましくは、(フルオロ)1−5(C1−C6)アルキル、さらに好ましくは、(フルオロ)1−5(C1−C6)アルキル(例えば、CH2F、CF3、CH2CH2FおよびCF2CF3が挙げられる));アルキル(好ましくは、C1−C6アルキル、さらに好ましくは、C1−C4アルキル);アルケニル(好ましくは、C2−C8アルケニル、さらに好ましくは、C2−C6アルケニル);アルキニル(好ましくは、C2−C8アルキニル、さらに好ましくは、C2−C6アルキニル);シクロアルキル(好ましくは、C3−C8シクロアルキル、さらに好ましくは、C3−C6シクロアルキル);(シクロアルキル)アルキル(好ましくは、C3−C8シクロアルキル(C1−C6)アルキル、さらに好ましくは、C3−C6シクロアルキル(C1−C6)アルキル);アリール(好ましくは、C6−C14アリール、さらに好ましくは、C6−C10アリール(例えば、フェニルおよびナフチルが挙げられる));(アリール)アルキル(好ましくは、C6−C10アリール(C1−C6)アルキル、さらに好ましくは、C6−C10アリール(C1−C4)アルキル(例えば、ベンジルおよびフェネチルが挙げられる));ヘテロアリール;(ヘテロアリール)アルキル(好ましくは、ヘテロアリール(C1−C6)アルキル、さらに好ましくは、ヘテロアリール(C1−C4)アルキル);(ヘテロアリール)アルキルオキシ、(例えば、(フリル)アルコキシ、(チオフェニル)アルコキシ、(ピリジル)アルコキシなど);(ヘテロアリール)アルキルアミノ(例えば、(フリル)アルキルアミノ、(チオフェニル)アルキルアミノ、(ピリジル)アルキルアミノなど);
(ヘテロアリール)アルキルチオ(例えば、(フリル)アルキルチオ、(チオフェニル)アルキルチオ、(ピリジル)アルキルチオなど);アルキルアミノ(例えば、(C1−C6)アルキルアミノ);ヘテロアリールオキシ(例えば、フリルオキシ、チオフェニルオキシ、ピリジルオキシなど);ヘテロアリールアミノ(例えば、フリルアミノ、チオフェニルアミノ、ピリジルアミノなど);ヘテロアリールチオ(例えば、フリルチオ、チオフェニルチオ、ピリジルチオなど);飽和したもしくは部分的に不飽和な複素環式ラジカル;(ヘテロシクリル)アルキル;(ヘテロシクリル)オキシ;(ヘテロシクリル)アミノ;(ヘテロシクリル)チオ;(ヘテロシクリル)アルキルオキシ;(ヘテロシクリル)アルキルチオ;アルコキシ(好ましくは、C1−C6アルコキシ(例えば、メトキシおよびエトキシが挙げられる));(アリール)アルコキシ(好ましくは、C6−C10アリール(C1−C6)アルコキシ、さらに好ましくは、C6−C10アリール(C1−C4)アルコキシ(例えば、ベンジルオキシが挙げられる));アリールオキシ(好ましくは、C6−C10アリールオキシ(例えば、フェノキシが挙げられる));アミノ(NH2が挙げられる);アルキルアミノ(好ましくは、C1−C6アルキルアミノ、さらに好ましくは、C1−C4アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルアミノおよびプロピルアミノが挙げられる));ジアルキルアミノ(好ましくは、ジ(C1−C6)アルキルアミノ、さらに好ましくは、ジ(C1−C4)アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノおよびジエチルアミノが挙げられる));アリールアミノ(好ましくは、C6−C14アリールアミノ、さらに好ましくは、C6−C10アリールアミノ(例えば、フェニルアミノが挙げられる));ジアリールアミノ(好ましくは、ジ(C6−C14)アリールアミノ、さらに好ましくは、ジ(C6−C10)アリールアミノ(例えば、ジフェニルアミノが挙げられる));(アリール)アルキルアミノ(好ましくは、C6−C10アリール(C1−C6)アルキルアミノ、さらに好ましくは、C6−C10アリール(C1−C4)アルキルアミノ(例えば、ベンジルアミノが挙げられる));およびジ(アリール)アルキルアミノ(好ましくは、ジ(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキルアミノ、さらに好ましくは、ジ(C6−C10)アリール(C1−C4)アルキルアミノ(例えば、ジベンジルアミノが挙げられる));アシルアミノ(アルカンアシルアミノ(好ましくは、C1−C6アルカンアシルアミノ、さらに好ましくは、C1−C4アルカンアシルアミノ(例えば、アセトアミドおよびプロピオンアミドが挙げられる))が挙げられる);アレーンアシルアミノ、(好ましくは、C6−C14アレーンアシルアミノ、さらに好ましくは、C6−C10アレーンアシルアミノ(例えば、ベンズアミドが挙げられる));およびアリールアルカンアシルアミノ(好ましくは、C6−C10アリール(C1−C6)アルカンアシルアミノ、さらに好ましくは、C6−C10アリール(C1−C4)アルカンアシルアミノ(例えば、フェニルアセトアミドが挙げられる));カルバモイル(−C(O)NH2が挙げられる);アルキルカルバモイル(好ましくは、C1−C6アルキルカルバモイルもしくはジ(C1−C6)アルキルカルバモイル(例えば、メチルカルバモイルおよびジメチルカルバモイルが挙げられる);アリールカルバモイル(好ましくは、(C6−C10)アリールカルバモイルもしくはジ(C6−C10)アリールカルバモイル(例えば、フェニルカルバモイルおよびジフェニルカルバモイルが挙げられる));およびアリールアルキルカルバモイル(好ましくは、C6−C10アリール(C1−C6)アルキルカルバモイルもしくはジ(C6−C10)アリール(C1−C6)アルキルカルバモイル(例えば、ベンジルカルバモイルおよびジベンジルカルバモイルが挙げられる));アミノアルキル(好ましくは、アミノ(C1−C6)アルキル);ヒドロキシアルキル(好ましくは、ヒドロキシ(C1−C6)アルキル);カルボアルコキシ(好ましくは、カルボ(C1−C6)アルコキシ(例えば、カルボメトキシおよびカルボエトキシが挙げられる));カルボアリールオキシ(好ましくは、カルボ(C6−C10)アリールオキシ(例えば、カルボフェノキシが挙げられる));カルボアラルコキシ(好ましくは、カルボ(C6−C10)ar(C1−C6)アルコキシ(例えば、カルボベンジルオキシが挙げられる));カルボキシ;アルキルチオ(好ましくは、C1−C6アルキルチオ、さらに好ましくは、C1−C4アルキルチオ(例えば、メチルチオが挙げられる));アリールチオ(好ましくは、C6−C10アリールチオ(例えば、フェニルチオおよびトリルチオが挙げられる));アラルキルチオ(好ましくは、C6−C10ar(C1−C6)アルキルチオ(例えば、ベンジルチオが挙げられる));アルキルスルフィニル(好ましくは、C1−C6アルキルスルフィニル、さらに好ましくは、C1−C4アルキルスルフィニル(例えば、メチルスルフィニルが挙げられる));アリールスルフィニル(好ましくは、C6−C10アリールスルフィニル(例えば、フェニルスルフィニルおよびトリルスルフィニルが挙げられる));アラルキルスルフィニル(好ましくは、C6−C10ar(C1−C6)アルキルスルフィニル(例えば、ベンジルスルフィニルをが挙げられる));アルキルスルホニル(好ましくは、C1−C6アルキルスルホニル、さらに好ましくは、C1−C4アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニルが挙げられる));アリールスルホニル(好ましくは、C6−C10アリールスルホニル(例えば、フェニルスルホニルおよびトリルスルホニルが挙げられる));アラルキルスルホニル(好ましくは、C6−C10ar(C1−C6)アルキルスルホニル(例えば、ベンジルスルホニルが挙げられる));アルキルスルホンアミド(好ましくは、C1−C6アルキルスルホンアミド、さらに好ましくは、C1−C4アルキルスルホンアミド(例えば、メチルスルホンアミドが挙げられる));アリールスルホンアミド(好ましくは、C6−C10アリールスルホンアミド(例えば、フェニルスルホンアミドおよびトリルスルホンアミドが挙げられる));アラルキルスルホンアミド(好ましくは、C6−C10ar(C1−C6)アルキルスルホンアミド(例えば、ベンジルスルホンアミドが挙げられる));アシル(アルカノイルが挙げられる(好ましくは、C1−C6アルカノイル(例えば、アセチルが挙げられる));アロイル(好ましくは、C6−C10アロイル(例えば、ベンゾイルが挙げられる));およびアラルカノイル(aralkanoyl)(好ましくは、C6−C10ar(C1−C6)アルカノイル(例えば、フェニルアセチルが挙げられる));アシルオキシ(例えば、アセトキシが挙げられる);シアノ;およびウレイド基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換される。シクロアルキル基のうちの1つ以上の炭素原子、および複素環式ラジカルの1つ以上の炭素原子もしくはヘテロ原子はまた、オキソ基で必要に応じて置換され得る。「ar」という接頭辞もしくは接尾辞はアリールを意味する。
いくつかの実施形態において、G2およびG3のうちの少なくとも1つは、必要に応じて上記のように置換されたアリールもしくはヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、G2およびG3のうちの少なくとも1つは置換フェニルである。いくつかの実施形態において、G2およびG3のうちの少なくとも1つは、1つもしくは2つの置換基(C1−C6アルキル、C6−C10アリール、C6−C10ar(C1−C6)アルキル、複素環式ラジカル、ハロ、(フルオロ)1−5(C1−C6)アルキル、C1−C6アルコキシ、C6−C10アリールオキシおよびC6−C10ar(C1−C6)アルコキシからなる群より選択される)で置換されたフェニルである。特定の好ましい実施形態において、G2およびG3のそれぞれは、必要に応じて上記のように置換されたアリールもしくはヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、G2およびG3がC7およびC9の位置にある場合は、G2およびG3は、好ましくは両方ともが非置換フェニルであるわけではない。他の実施形態において、G2およびG3がC7およびC9の位置にある場合は、G2もしくはG3のうちの1つが置換フェニルである。他の実施形態において、G2およびG3がC7およびC9の位置にある場合は、G2およびG3の両方が独立して置換フェニルである。
いくつかの実施形態において、G2およびG3のうちの少なくとも1つは−W−Cyであり、ここで、Cyは、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および飽和したもしくは部分的に不飽和な複素環式ラジカルからなる群より選択され、これらのうちのいずれも、上記のように必要に応じて置換され得る。特定の実施形態において、Cyはアリール(好ましくは、C6−C10アリール)であり、これは、非置換であるかもしくは必要に応じて置換され得る。いくつかの好ましい実施形態において、Cyは、非置換フェニルか、もしくはC1−C6アルキル、C6−C10アリール、C6−C10ar(C1−C6)アルキル、複素環式ラジカル、ハロ、(フルオロ)1−5(C1−C6)アルキル、C1−C6アルコキシ、C6−C10アリールオキシおよびC6−C10ar(C1−C6)アルコキシからなる群より選択される1個もしくは2個の置換基で置換されたフェニルである。
特定の実施形態において、Cyは、シクロアルキル(好ましくは、C5−C6シクロアルキル)であり、ここで、このシクロアルキルは、非置換であるか、もしくは必要に応じて置換され得る。いくつかの好ましい実施形態において、Cyは、非置換のC5−C6シクロアルキルか、もしくはC1−C6アルキル、C6−C10アリール、C6−C10ar(C1−C6)アルキル、複素環式ラジカル、ハロ、(フルオロ)1−5(C1−C6)アルキル、C1−C6アルコキシ、C6−C10アリールオキシおよびC6−C10ar(C1−C6)アルコキシからなる群より選択される1個もしくは2個の置換基で置換されたC5−C6シクロアルキルである。
いくつかの実施形態において、G1中のヘテロシクリルは、上記のように必要に応じて置換される。いくつかの実施形態において、G2もしくはG3中のヘテロシクリルは、上記のように必要に応じて置換される。
さらに他の実施形態において、Cyはアラルキル(好ましくは、C6−C10ar(C1−C6)アルキル)であり、ここで、アラルキルのアリール部分は、上記のように必要に応じて置換され得る。いくつかの好ましい実施形態において、Cyは、ベンジルもしくはフェネチル、または置換ベンジルもしくは置換フェネチルであり、ここで、フェニル環は、C1−C6アルキル、C6−C10アリール、C6−C10ar(C1−C6)アルキル、複素環式ラジカル、ハロ、(フルオロ)1−5(C1−C6)アルキル、C1−C6アルコキシ、C6−C10アリールオキシおよびC6−C10ar(C1−C6)アルコキシからなる群より選択される1つもしくは2つの置換基で置換される。
Cyに関して上記で述べた実施形態のそれぞれにおいて、Wは、O、N(R)、S、C(O)、CH(R)、−O−CH(R)−、−N(R)−CH(R)−、−S−CH(R)−、−C(O)−N(R)−、−N(R)−C(O)−、−S(O)2−N(R)−、−N(R)−S(O)2−および−N(R)−C(O)−N(R)−からなる群より選択され、ここで、Rはそれぞれの存在箇所において、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および飽和したもしくは部分的に不飽和な複素環式ラジカルからなる群より独立して選択される。いくつかの好ましい実施形態において、WはN(R)であり、ここでRは水素もしくはC1−C6アルキルである。いくつかの好ましい実施形態において、WはNHもしくはNCH3である。
いくつかの実施形態において、G1は、OH、−C(O)OHおよびヘテロアリールからなる群より選択される。ヘテロアリールは好ましくは、酸性ヘテロアリール(例えば、テトラゾリルが挙げられる)である。
いくつかの他の実施形態において、G1は−C(O)NR2R3であり、ここで−NR2R3が一緒になって、α−、β−もしくはγ−アミノ酸を形成する。これらの実施形態において、R2は水素もしくはC1−C6アルキルであり、そしてR3は、−CH2CH(R6)CO2H、−CH(R6)CH2CO2H、−CH(R6)CO2H、−CH(R6)CH2CH2CO2H、−CH2CH(R6)CH2CO2Hおよび−CH2CH2CH(R6)CO2Hからなる群より選択される式を有し、ここでR6は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、飽和したもしくは部分的に不飽和な複素環式ラジカルおよび−CH2R7からなる群より選択され、そしてR7は、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、飽和したもしくは部分的に不飽和な複素環式ラジカル、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、チオ、アルキルチオ、アリールチオおよびアラルキルチオからなる群より選択される。置換基R6は、(R)もしくは(S)配置のいずれかであり得る。いくつかの実施形態において、−NR2R3が一緒になって、天然のアミノ酸を形成する。いくつかの他の実施形態において、−NR2R3が一緒になって、非天然のアミノ酸を形成する。
環窒素原子に隣接した位置にヒドロキシ置換基を有するヘテロ芳香族環は、ヒドロキシもしくはケトの互変異性体の形態で存在し得るか、またはこの2つの混合物として存在し得ることは理解される。例えば、C3の位置にヒドロキシ置換体を有する式(I)の化合物は、ヒドロキシ互変異性体(1)として、もしくはケト互変異性体(2)として存在し得る。
同様に、C7の位置にヒドロキシ置換体を有する式(I)の化合物は、ヒドロキシ互変異性体(3)として、もしくはケト互変異性体(4)として存在し得る。
式(I)の化合物の全ての互変異性体の形態、ならびにこれらの任意の形態での全ての可能な混合物は、後に述べるように、本発明の範囲内に含まれることは理解されるべきである。
さらに、本発明はまた、式(I)の化合物の全ての水和物、無水物および溶媒和物の形態を包含することは理解されるべきである。
いくつかの実施形態において、G1はC3に結合しており、そしてG2およびG3はそれぞれC9およびC7に結合している。したがって、これらの実施形態の化合物は、式(II):
を有し、ここで、G
1、G
2およびG
3は上記のとおりであり、そしてR
4およびR
5は、水素、アルキル、ハロ、フルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびシアノからなる群より独立して選択される。いくつかの実施形態において、R
4およびR
5は両方とも水素である。
いくつかの他の実施形態において、G1はC3に結合しており、そしてG2およびG3はそれぞれC8およびC7に結合している。したがって、これらの実施形態の化合物は、式(III):
を有し、ここで、G
1、G
2およびG
3は上記のとおりであり、そしてR
4およびR
5は、水素、アルキル、ハロ、フルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびシアノからなる群より独立して選択される。いくつかの好ましい実施形態において、R
4およびR
5は両方とも水素である。
さらに他の実施形態において、G1はC4に結合しており、そしてG2およびG3はそれぞれC9およびC8に結合している。したがって、これらの実施形態の化合物は、式(IV):
を有しており、ここで、G
1、G
2およびG
3は上記のとおりであり、そしてR
4およびR
5は、水素、アルキル、ハロ、フルオロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシおよびシアノからなる群より独立して選択される。いくつかの好ましい実施形態において、R
4およびR
5は両方とも水素である。
式(II)〜式(IV)は、特定の好ましい実施形態を説明する。しかしながら、他の位置異性体もまた可能であり、本発明の範囲に含まれる。
用語「必要に応じて置換された」は、特定の基、ラジカルもしくは部分での必要に応じた置換を意味する。
本明細書中で使用される場合、用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む生成物、ならびに特定の成分の特定の量での組み合わせから直接的にもしくは間接的に生じた任意の生成物を包含することが意図される。
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた本明細書中で企図される。用語「プロドラッグ」は、本明細書中で使用される場合、薬物の前駆物質である化合物を意味し、これは、被験体に投与される際に、代謝プロセスもしくは化学的プロセスによって化学変換を受けて式Iの化合物またはその塩および/もしくは溶媒和物を生じる。プロドラッグに関する議論は、A.C.S. Symposium SeriesのT. Higuchi and V. Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)第14巻中に、およびBioreversible Carriers in Drug Design(1987) Edward B. Roche(編)、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press中に提供されており、この両方とも本明細書中に参考として援用される。
「溶媒和物」は、一つ以上の溶媒分子と本発明の化合物との物理的会合を意味する。この物理的会合は、様々な程度のイオン結合および水素結合を含む共有結合を含む。特定の実例中では、例えば一つ以上の溶媒分子が結晶性の固体の結晶格子内に組み込まれている場合、溶媒和物は単離可能である。「溶媒和物」は、溶液相溶媒和物と単離可能な溶媒和物との両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例としては、エタノレート(ethanolate)、メタノレート(methanolate)などが挙げられる。「水和物」は、溶媒分子がH2Oである溶媒和物である。
式I〜VIIIの化合物は、非溶媒和物および薬学的に受容可能な溶媒(例えば、水、エタノールなど)との溶媒和物の形態で存在し得、本発明は溶媒和物および非溶媒和物の両方の形態を包含することを意図されている。本発明の1つ以上の化合物はまた、溶媒和物として存在し得るか、もしくは必要に応じて溶媒和物に変換され得る。溶媒和物の調製は、一般的に公知である。例えば、M.Cairaら、J.Pharmaceutical Sci.、93(3)、601−611(2004)は、酢酸エチル中のならびに水からの、抗真菌性のフルコナゾールの溶媒和物の調製を記載している。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの同様の調製は、E.C.van Tonderら、AAPS PharmSciTech.、5(1)、記事12(2004);およびA.L.Binghamら、Chem.Commun.、603−604(2001)によって記載されている。典型的な非限定的なプロセスは、本発明の化合物を望ましい量の望ましい溶媒(有機溶媒もしくは水またはこれらの混合物)に、周囲温度より高い温度で溶解し、そしてこの溶液を結晶を形成するに十分な速度で冷却し、この結晶が、次いで、標準的な方法によって単離されることを含む。分析技術(例えば、I.R.分光学)は、溶媒和物(もしくは水和物)としての結晶中のその溶媒(もしくは水)の存在を示す。
「有効量」もしくは「治療上有効な量」は、上記の疾患を阻害し、それによって、所望する治療効果、改善効果、阻害効果もしくは予防効果を生じるのに有効な本発明の化合物もしくは組成物の量を説明すると意味される。
式I〜VIIIの化合物は、塩(例えば、薬学的に受容可能な塩)を形成し、この塩もまた本発明の範囲内にある。他に示されない限り、本明細書中の式I〜VIIIの化合物への言及は、その塩への言及を含むと理解される。用語「塩」は、本明細書中で使用される場合、無機酸および/もしくは有機酸を使って形成される酸性塩、ならびに無機塩基および/もしくは有機塩基を使って形成される塩基性塩を示す。さらに、式I〜VIIIの化合物が塩基性部分(例えば、ピリジンもしくはイミダゾールだが、これらに限定されない)、および酸性部分(例えば、カルボン酸だが、これに限定されない)の両方を含む場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成され得、これは、本明細書中で使用される場合、用語「塩」に含まれる。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で生理学上受容可能な)塩が好ましいが、他の塩もまた有用である。例えば、媒質中(例えば、塩を沈殿させる媒質中もしくはその後凍結乾燥を行う水性媒質中)で式I〜VIIIの化合物とある量(例えば、等量)の酸もしくは塩基とを反応させることにより、式I〜VIIIの化合物の塩が形成され得る。
典型的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモエート(pamoate)(すなわち、1,1−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレート(pivalate)、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩(本明細書中で述べたようなもの)、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシレートとしても公知)、ウンデカン酸塩などが挙げられる。さらに、塩基性の薬学的化合物から一般的に薬学的に有用な塩を形成するために適切であると考えられる酸は、例えば、S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1)1−19;P.Gould、International J.of Pharmaceutics(1986)33 201−217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry (1996)、Academic Press、New Yorkによって;The Orange Book(Food & Drug Administration、Washington,D.C.ウェブサイトにて);およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版 (編)A. Gennaro、Lippincott Williams & Wilkins(2000)中で議論されている。これらの開示は、本明細書中に参考として援用される。
典型的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン)(例えば、ベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、ヒドラバミン(hydrabamine)(N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミンで形成)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グルカミド(N−methyl−D−glucamide)、t−ブチルアミン)との塩、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)との塩などが挙げられる。塩基性の窒素含有基は、薬剤(例えば、ハロゲン化低級アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物、およびヨウ化物)、ハロゲン化アラルキル(例えば、ベンジルおよびフェネチルの臭化物)など)によって、四級化され得る。
このような酸性塩および塩基性塩は全て、本発明の範囲内の薬学的に受容可能な塩であることが意図されており、全ての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のためには、対応する化合物の遊離した形態と等価であるとみなされる。
本発明の化合物の薬学的に受容可能なエステルは、以下の基を含む:(1)ヒドロキシ基のエステル化によって得られるカルボン酸エステル(ここで、エステルグループのカルボン酸部分の非カルボニル部分は、直鎖状もしくは分枝状のアルキル(例えば、アセチル、n−プロピル、t−ブチルもしくはn−ブチル)、アルコキシアルキル(例えば、メトキシメチル)、アラルキル(例えば、ベンジル)、アリールオキシアルキル(例えば、フェノキシメチル)、アリール(例えば、必要に応じて(例えば、ハロゲン、C1−4アルキルもしくはC1−4アルコキシあるいはアミノで)置換されたフェニル)から選択される;(2)スルホネートエステル(例えば、アルキルスルホニルもしくはアラルキルスルホニル(例えば、メタンスルホニル));(3)アミノ酸エステル(例えば、L−バリルもしくはL−イソロイシル);(4)ホスホン酸エステルおよび(5)モノ−、ジ−もしくはトリリン酸エステル。リン酸エステルは、例えば、C1−20アルコールもしくはその反応性誘導体によって、あるいは2,3−ジ(C6−24)アシルグリセロールによってさらにエステル化され得る。
式I〜VIIIの化合物、ならびにその塩、溶媒和物およびプロドラッグは、それらの互変異性体の形態(例えば、アミドもしくはイミノエーテルとして)で存在し得る。このような互変異性体の形態は全て、本明細書中で本発明の一部として企図される。また、例えば、本化合物の全てのケト−エノールおよびイミン−エナミンの形態は、本発明内に包含される。
本化合物(この化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグ、ならびにこのプロドラッグの塩および溶媒和物を含む)の全ての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体など)(例えば、エナンチオマー形態(不斉炭素がなくてさえも存在し得る)、回転異性体の形態、アトロプ異性体、およびジアステレオマーの形態を含む種々の置換基上の不斉炭素ゆえに存在し得るもの)は、本発明の範囲内であることが企図される。本発明の化合物の個々の立体異性体は、例えば他の異性体を実質的に含まなくてもよいし、または例えばラセミ体として、または他の全ての異性体と、もしくは他の選択された異性体と混合されてもよい。本発明のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsによって定義されているようにS配置もしくはR配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体、互変異性体、ラセミ体もしくはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグに等しく適用されることが意図される。
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた本明細書中に企図される。プロドラッグに関する議論は、A.C.S. Symposium SeriesのT.Higuchi and V.Stella、Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987)14およびBioreversible Carriers in Drug Design、(1987) Edward B.Roche(編)、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press内に提供されている。用語「プロドラッグ」は、インビボで変換されて式(I)の化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を生成する化合物(例えば、薬物の前駆物質)を意味する。この変換は、種々のメカニズムによって(例えば、代謝プロセスもしくは化学的プロセスによって(例えば、血液中の加水分解をとおして))起こり得る。プロドラッグの使用に関する議論は、A.C.S. Symposium SeriesのVol.14のT.Higuchi and W.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」によって、ならびにBioreversible Carriers in Drug Design(編)Edward B.Roche、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987内に提供されている。
例えば、式I〜VIIIの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物が、カルボン酸官能基を有する場合、プロドラッグは、酸の基の水素原子を、基(例えば、(C1−C8)アルキル、(C2−C12)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C1−C2)アルキルアミノ(C2−C3)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C1−C2)アルキル、N,N−ジ(C1−C2)アルキルカルバモイル−(C1−C2)アルキルおよびピペリジノ(C2−C3)、ピロリジノ(C2−C3)もしくはモルホリノ(C2−C3)アルキルなど)で置き換えることによって形成されるエステルを含み得る。
同様に、式I〜VIIIの化合物が、アルコール官能基を含む場合、プロドラッグは、アルコール基の水素原子を、基(例えば、(C1−C6)アルカノイルオキシメチル、1−((C1−C6)アルカノイルオキシ)エチル、1−メチル−1−((C1−C6)アルカノイルオキシ)エチル、(C1−C6)アルコキシカルボニルオキシメチル、N−(C1−C6)アルコキシカルボニルアミノメチル、スクシノイル、(C1−C6)アルカノイル、α−アミノ(C1−C4)アルカニル、アリールアシルおよびα−アミノアシルもしくはα−アミノアシル−α−アミノアシル(ここで、各α−アミノアシル基は、天然のL−アミノ酸より独立して選択される)、P(O)(OH)2、−P(O)(O(C1−C6)アルキル)2もしくはグリコシル(炭水化物のヘミアセタール形態のヒドロキシル基を取り除くことで生じるラジカル)など)で置き換えることによって形成され得る。
式I〜VIIIの化合物がアミン官能基を含む場合、プロドラッグは、アミン基中の水素原子を、基(例えば、RおよびR’がそれぞれ独立して(C1−C10)アルキル、(C3−C7)シクロアルキル、ベンジルであるか、あるいはR−カルボニルが天然α−アミノアシルもしくは天然α−アミノアシルである、R−カルボニル、RO−カルボニル、NRR’−カルボニル、Y1がH、(C1−C6)アルキルもしくはベンジルである−C(OH)C(O)OY1、Y2が(C1−C4)アルキルであり、Y3が(C1−C6)アルキル、カルボキシ(C1−C6)アルキル、アミノ(C1−C4)アルキルまたはモノ−N−もしくはジ−N,N−(C1−C6)アルキルアミノアルキルである−C(OY2)Y3、Y4がHもしくはメチルであり、そしてY5がモノ−N−もしくはジ−N,N−(C1−C6)アルキルアミノモルホリノ、ピペリジン−1−イルまたはピロリジン−1−イルである−C(Y4)Y5など)で置き換えることによって形成され得る。
式I〜VIIIの化合物は、不斉中心もしくはキラル中心を含み得て、ゆえに、さまざまな立体異性体の形態で存在し得る。ラセミ混合物を含む、式I〜VIIIの化合物のすべての立体異性体の形態およびそれらの混合物は、本発明の一部となることが意図される。さらに、本発明は、すべての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、式I〜VIIIの化合物が二重結合もしくは縮合環を含む場合、シス形態およびトランス形態の両方ならびにその混合物が、本発明の範囲内に包含される。
ジアステレオマーの混合物は、それらの物理的、化学的相違を基に、当業者に周知の方法によって(例えば、クロマトグラフィー、および/もしくは分別結晶によって)、それらの個々のジアステレオマーに分離され得る。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールもしくはMosherの酸塩化物のようなキラルの補助物)との反応により、そのエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、そのジアステレオマーを分離し、それぞれのジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換する(例えば、加水分解する)ことによって、分離され得る。また、式I〜VIIIの化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であり得、これらは本発明の一部とみなされる。エナンチオマーもまたキラルHPLCカラムの使用によって分離され得る。
本発明はまた、同位体標識された本発明の化合物を包含し、これは、一つ以上の原子が、通常天然で見出される原子質量もしくは質量数と異なる原子質量もしくは質量数を有する原子と置換される事を除いては、本明細書中に詳述した化合物と同一である。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体(例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Cl)が挙げられる。
特定の同位体標識をした式I〜VIIIの化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識をしたもの)は、化合物および/もしくは基質の組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム(すなわち、3H)および炭素−14(すなわち、14C)同位体は、それらの調製の容易さおよび検出のし易さのために、特に好ましい。さらに、重水素(すなわち、2H)のようなより重い同位体を有する置換基は、より高い代謝安定性から生じる特定の治療上の利点(例えば、インビボの半減期を伸ばす、または必要投与量を下げる)を生じ得るので、いくつかの状況においては好ましくなり得る。同位体的標識をした式I〜VIIIの化合物は、一般的に、本明細書の後記のスキームおよび/もしくは実施例において開示される手順と類似した手順にしたがって、同位体的標識をしていない試薬を適切な同位体的標識をした試薬で置換することによって調製され得る。
式I〜VIIIの化合物の多形形態ならびに、式I〜VIIIの化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグの多形形態は、本発明に含まれることが意図される。
他の実施形態において、本化合物(その塩、プロドラッグ、組成物および方法を含む)は、以下の式:
であり、ここで、可変物は本明細書中に定義するとおりである。
別の局面において、本発明の実施形態は、式(I)〜(IV)のうちのいずれかのHCV RNA依存性RNAポリメラーゼのインヒビターと、薬学的に受容可能なキャリア、賦形剤もしくは希釈剤とを含む薬学的組成物を提供する。
G1、G2、G3、W、Cy、R、R2、R3、R4およびR5に関する好ましい相当物は、本発明の第一の局面に関して上記で述べたとおりである。本発明の化合物は、当該分野において周知の任意の方法で処方され得、そして任意の経路(非経口、経口、舌下、経皮、局所もしくは直腸内)が挙げられるが、これらに限定されない)による投与用に調製され得る。いくつかの実施形態において、経口投与が好ましい。
キャリアの特性は、投与の経路に依存する。本発明の組成物は、HCV RdRpインヒビターに加えて、希釈剤、充填剤、塩緩衝剤、安定化剤、可溶化剤および当該分野において周知の他の物質も含み得る(但し、このような物質は、活性成分の生物学的活性の有効性を損なわない)。この組成物は、意図された投与の経路に依存して任意の適切な形態(例えば、経口投与用の錠剤、カプセル剤もしくは液体形態、または非経口投与用の液体もしくは懸濁液の形態)であり得る。薬学的に受容可能な処方物の調製は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、(編)A. Gennaro、Lippincott Williams & Wilkins、2000中に記載されている。
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物はまた、ウイルス性感染の処置のための1つ以上の他の薬剤(例えば、抗ウイルス剤もしくは免疫調節剤が挙げられる)も含む。特定の実施形態において、この他の薬剤は、HCV RdRp、HCVヘリカーゼ、HCVプロテアーゼもしくは別のHCVの標的タンパク質のインヒビターである。特定の他の実施形態において、この他の薬剤は、広範囲の抗ウイルス剤もしくは免疫調節剤(例えば、リバビリン、インターフェロンもしくはこれらの誘導体)である。
さらなる局面において、本発明の実施形態は、細胞内のHCV複製を阻害する方法を提供する。この方法は、HCV感染した細胞と、本発明の化合物もしくは組成物とを接触させる工程を包含する。いくつかの実施形態において、この細胞は肝細胞である。しかしながら、HCVは、肝細胞と異なる細胞タイプにおいては複製可能であり、本発明の方法はまた、このような他の細胞タイプにおいても有効である。
特定の実施形態において、この細胞は、HCVの複製をサポートできる培養細胞である。HCV複製をサポートする細胞培養システムは、初代の細胞培養物もしくは細胞株の感染によって、もしくは慢性的に感染している哺乳動物からの初代細胞の培養によって調製され得る。このようなHCV複製システムの例は、例えば、Lohmannら、Science 285:110−113(1999)、Blightら、Science 290:1972(2000)およびBarenschlager and Lohmann、J. Gen. Virology 81:8631−1648(2000)中の記載によって見出され得る。特定の他の実施形態において、この細胞は、ヒトもしくは動物の被験体中にある。好ましくは、この動物は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、この動物は霊長類である。
さらなる局面において、本発明の実施形態は、HCV感染の予防もしくは処置において使用される薬物の調製のための少なくとも1つの式(I)の化合物の使用を提供する。
さらなる局面において、本発明の実施形態は、HCV感染に関連した疾病もしくは状態を処置もしくは予防するための方法を提供し、この方法は、治療上もしくは予防上有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物もしくは組成物を、HCVに感染しているヒトもしくは動物の被験体に投与する工程を包含する。「HCV感染に関連した疾病もしくは状態」は、HCV感染によって直接的もしくは間接的に起こされる任意の疾病もしくは状態を意味する。好ましくは、この動物は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、この動物は霊長類である。
HCVは、言明されたゲノム変異性によって特性づけられ、そしてHCV複製は、種々の変異体のすばやい産生をもたらす。Hollandら、Current Topics in Microbiology and Immunology 176:1−20(1992)は、HCVは、個々の患者内でも、ミクロバリアント(microvariant)の群(筆者が準種(quasispecies)と述べている現象)として存在することを教示している。したがって、用語「C型肝炎」および「HCV」とは、本明細書中で使用される場合、このようなウイルス変異体のうちの任意のもの、もしくはこれらの混合物をいうことが意図される。
用語「治療上有効な量」は、本明細書中で使用される場合、HCV感染に関連する任意の症状もしくは標識において、被験体に利益をもたらすに十分な量もしくは任意の有益な変化をもたらすに十分な量を意味する。「HCV感染に関連する任意の標識」は、HCV感染に相関しているおよび/もしくは臨床予後の予測的な任意の生物学的測定を意味する。このような標識としては、活性ウイルスおよびウイルス抗原が挙げられるが、これらに限定されない。
用語「予防上有効な量」は、本明細書中で使用される場合、HCVにさらされたもしくは感染したヒトもしくは動物の被験体において、HCV症状の重症度を予防もしくは軽減させるに十分な量を意味する。いくつかの実施形態において、予防的な処置は、本発明の化合物もしくは組成物を、HCVを保持していることは分かっているが、C型肝炎の症状を発症していないヒトもしくは動物の被験体に投与する工程を包含する。予防的な処置はまた、本発明の化合物もしくは組成物を、進行した疾患状態を示すが、まだHCVを保持し、そして症候性疾患の再発の危険性があるヒトもしくは動物の被験体に投与する工程を包含する。
HCV RdRpインヒビターの投与される有効(例えば、治療上もしくは予防上)な量は、経験的に決定され、そして使用される個々のインヒビター、個々の年齢、体重および状態、所望する処置効果、投与経路などといった考慮が基にされる。典型的な用量の範囲は、用量あたり約0.1mg/kg〜約100mg/kgであることが予想され、これは、1日に1回〜数回で投与され得る。
いくつかの実施形態において、本発明のこの局面の方法は、ウイルス感染を処置するための1つ以上の他の薬剤(例えば、抗ウイルス剤もしくは免疫調節剤)の投与をさらに包含する。特定の実施形態において、この他の薬剤は、HCV RdRp、HCVヘリカーゼ、HCVプロテアーゼもしくは別のHCVの標的タンパク質のインヒビターである。特定の他の実施形態において、この他の薬剤は、広範囲の抗ウイルス剤もしくは免疫調節剤(例えば、リバビリン、インターフェロンもしくはこれらの誘導体)である。
他の薬剤(単数/複数)は、HCV RdRpインヒビターと同時に投与され得るか、もしくは異なる時間に投与され得る。逐次的もしくは代替的な治療レジメンもまた本発明の範囲内であることが企図される。
本発明の化合物は、薬学的特性を有し得、特に、式VII〜VIIIの化合物は、プロテインキナーゼのインヒビター、調節因子もしくはモジュレーターであり得る。阻害、調節もしくはモジュレート(modulate)され得るプロテインキナーゼの非限定的な例としては、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)(例えば、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7およびCDK8)、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK/ERK)、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3β)、Chkキナーゼ(例えば、Chk1およびChk2)、Pim−1キナーゼ、チロシンキナーゼ(例えば、HERサブファミリー(例えば、EGFR(HER1)、HER2、HER3およびHER4が挙げられる))、インスリンサブファミリー(例えば、INS−R、IGF−IR、IRおよびIR−Rが挙げられる)、PDGFサブファミリー(例えば、PDGF−αおよびβレセプター、CSFIR、c−kitおよびFLK−IIが挙げられる)、FLKファミリー(例えば、キナーゼインサートドメインレセプター(kinase insert domain receptor)(KDR)、胎児肝キナーゼ−1(FLK−1)、胎児肝キナーゼ−4(FLK−4)およびfms様チロシンキナーゼ−1(flt−1))、非レセプタープロテインチロシンキナーゼ(例えば、LCK、Src、Frk、Btk、Csk、Abl、Zap70、Fes/Fps、Fak、Jak、AckおよびLIMK)、成長因子レセプターチロシンキナーゼ(例えば、VEGF−R2、FGF−R、TEK、Aktキナーゼなど)が挙げられる。
式VII〜VIIIの化合物は、プロテインキナーゼのインヒビター(例えば、チェックポイントキナーゼ(例えば、Chk1、Chk2など)のインヒビター)であり得る。好ましい化合物は、約25μm未満のIC50値(好ましくは、約0.001μm〜約1.0μm、さらに好ましくは、約0.001μm〜約0.1μm)を示し得る。アッセイの方法は、下に述べる実施例中に記載されている。
式VII〜VIIIの化合物は、プロテインキナーゼのインヒビター(例えば、サイクリン依存性キナーゼ(例えば、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7およびCDK8など)のインヒビター)であり得る。下の表1に示す化合物は、約0.0001μM〜>約5μMのCDK2阻害活性(IC50)を示す。アッセイの方法は、下に述べる実施例中に記載されている。
式VII〜VIIIの化合物は、増殖性疾患(例えば、癌)、自己免疫疾患、ウイルス性疾患、真菌性疾患、神経学的/神経変性障害、関節炎、炎症、抗増殖性疾患(例えば、眼の網膜症)、神経疾患、脱毛疾患および心臓血管疾患)の治療において有用であり得る。これらの疾患および障害のうちの多くは、先に引用された米国特許第6,413,974号に列挙されており、これらは、本明細書中に参考として援用される。
さらに具体的に、式VII〜VIIIの化合物は、種々の癌(以下を含むが、これらに限定されない:癌腫(膀胱、乳、結腸、腎臓、肝臓、肺(小細胞肺癌を含む)、非小細胞肺癌、頭部および首、食道、胆嚢、卵巣、膵臓、胃、頚、甲状腺、前立腺、および皮膚(扁平上皮癌を含む)の癌腫を含む);
リンパ系の造血性腫瘍(白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B−細胞リンパ腫、T−細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛様細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、骨髄腫およびバーキットリンパ腫(Burkett’s lymphoma)を含む);
骨髄直系の造血性腫瘍(急性および慢性の骨髄性白血病、骨髄異形成症候群ならびに前骨髄球白血病を含む);
間葉由来の腫瘍(線維肉腫および横紋筋肉腫を含む);
中枢神経系および末梢神経系の腫瘍(神経膠星状細胞腫、神経芽細胞腫、グリオームおよび神経鞘腫を含む);および
他の腫瘍(黒色腫、精上皮腫、奇形癌、骨肉腫、色素性乾皮症(xenoderoma pigmentosum)、角化棘細胞腫(keratoctanthoma)、甲状腺小胞癌およびカポージ肉腫を含む)の処置において有用であり得る。
一般的に、細胞増殖の調節におけるCDKの重要な役割がゆえに、インヒビターは、可逆性の細胞増殖抑制剤として作用し得、これは、異常な細胞増殖の特徴を有するあらゆる疾患のプロセス(例えば、良性前立腺増殖症、家族性腺腫性ポリポーシス、神経線維腫症、アテローム性動脈硬化症、肺線維症、関節炎、乾癬、糸球体腎炎、血管形成術もしくは脈管手術後の再狭窄、肥大性瘢痕形成、炎症性腸疾患、移植拒絶、内毒素性ショックおよび真菌性感染)の処置において有用であり得る。
式VII〜VIIIの化合物はまた、CDK5がタウタンパク質のリン酸化に関与しているという最近の発見(J. Biochem、(1995)117、741−749)によって示唆されているように、アルツハイマー病の処置においても有用であり得る。
式VII〜VIIIの化合物は、アポトーシスを誘発もしくは阻害し得る。アポトーシス応答は、種々のヒト疾患における異常である。式Iの化合物は、アポトーシスのモジュレーターとして、癌(本明細書中上記のタイプの癌が挙げられるが、これらに限定されない)、ウイルス感染(ヘルペスウイルス(herpevirus)、ポックスウイルス、エプスタイン−バーウイルス、シンドビスウイルスおよびアデノウイルスが挙げられるが、これらに限定されない)の処置、HIVに感染した個体のAIDS発症、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、自己免疫媒介性糸球体腎炎、関節リウマチ、乾癬、炎症性腸疾患および自己免疫真性糖尿病が挙げられるが、これらに限定されない)、神経変性障害(アルツハイマー病、AIDSに関連した痴呆、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、色素性網膜炎、脊髄性筋萎縮症および小脳変性が挙げられるが、これらに限定されない)、骨髄異形成症候群、再生不良性貧血、心筋梗塞、脳卒中および再灌流障害に関連した虚血性損傷、不整脈、アテローム性動脈硬化症、毒素誘発性もしくはアルコールに関連した肝臓疾患、血液学的疾患(慢性貧血および再生不良性貧血が挙げられるが、これらに限定されない)、筋骨格系の変性疾患(骨粗しょう症および関節炎が挙げられるが、これらに限定されない)、アスピリン過敏性鼻副鼻腔炎、嚢胞性線維症、多発性硬化症、腎臓疾患および癌の疼痛の予防において有用である。
式VII〜VIIIの化合物は、CDKのインヒビターとして細胞のRNAおよびDNA合成のレベルを調節し得る。したがって、これらの因子は、ウイルス感染(HIV、ヒトパピローマウイルス、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、エプスタイン−バーウイルス、シンドビスウイルスおよびアデノウイルスが挙げられるが、これらに限定されない)の処置において有用である。
式VII〜VIIIの化合物はまた、癌の化学的予防においても有用であり得る。化学的予防は、侵潤性癌の発症を、突然変異の事象の開始をブロックするか、もしくは既に傷害を受けている前悪性細胞の進行をブロックすることのいずれかによって阻害することとして、または腫瘍再発を阻害することとして定義される。
式VII〜VIIIの化合物はまた、腫瘍の新脈管形成および転移を阻害することにおいても有用であり得る。
式VII〜VIIIの化合物はまた、他のプロテインキナーゼ(例えば、プロテインキナーゼC、her2、raf 1、MEK1、MAPキナーゼ、EGFレセプター、PDGFレセプター、IGFレセプター、PI3キナーゼ、wee1キナーゼ、Src、Abl)のインヒビターとしても作用し得、したがって、これは、他のプロテインキナーゼに関連する疾患の処置において有効であり得る。
本発明の別の局面は、CDKに関連した疾患もしくは状態を有する哺乳動物(例えば、ヒト)を、治療上有効な量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグをこの哺乳動物に投与することによって処置する方法である。
好ましい投薬は、1日につき、体重1kgあたり約0.001〜500mgの式VII〜VIIIの化合物である。特に好ましい投薬は、1日につき体重1kgあたり約0.01〜25mgの式VII〜VIIIの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである。
本発明の化合物はまた、1種以上の抗癌治療(例えば、放射線治療)および/もしくは式VII〜VIIIの化合物とは異なる1種以上の抗癌剤と組み合わせて(一緒にもしくは逐次的に投与される)も有用であり得る。本発明の化合物は、この抗癌剤と同じ投薬単位内に存在してもよいし、もしくは別々の投薬単位内に存在してもよい。
本発明の別の局面は、サイクリン依存性キナーゼに関連する1種以上の疾患を処置する方法であって、この方法は、ある量の第一化合物(これは、式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである);およびある量の少なくとも1種の第二化合物(この第二化合物は、式VII〜VIIIの化合物とは異なる抗癌剤である)を、このような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この第一化合物および第二化合物の量は、治療効果をもたらす。
適切な抗癌剤の非限定的な例としては、細胞増殖抑制剤、細胞傷害剤(例えば、DNA相互作用剤(例えば、シスプラチンもしくはドキソルビシン)が挙げられるが、これらに限定されない);タキサン類(例えば、タキソテール、タキソール);トポイソメラーゼIIインヒビター(例えば、エトポシド);トポイソメラーゼIインヒビター(例えば、イリノテカン(もしくはCPT−11)、カンプトスター(camptostar)もしくはトポテカン);チューブリン相互作用剤(例えば、パクリタキセル、ドセタキセルもしくはエポチロン);ホルモン剤(例えば、タモキシフェン);チミジル酸シンターゼインヒビター(例えば、5−フルオロウラシル);代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート(methoxtrexate));アルキル化剤(例えば、テモゾロミド(Schering−Plough Corporation、Kenilworth、New JerseyからのTEMODARTM)、シクロホスファミド);ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター(例えば、SARASARTM(4−[2−[4−[(11R)−3,10−ジブロモ−8−クロロ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル−]−1−ピペリジニル]−2−オキソエチル]−1−ピペリジンカルボキシアミドもしくはSchering−Plough Corporation、Kenilworth、New JerseyからのSCH 66336)、ティピファニブ(tipifanib)(Janssen PharmaceuticalsからのZarnestra(登録商標)もしくはR115777)、L778,123(Merck & Company、Whitehouse Station、New Jerseyからのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター)、BMS 214662(Bristol−Myers Squibb Pharmaceuticals、Princeton、New Jerseyからのファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビター);シグナル伝達インヒビター(例えば、イレッサ(Astra Zeneca Pharmaceuticals、Englandより)、タルセバ(EGFRキナーゼインヒビター)、EGFRに対する抗体(例えば、C225)、GLEEVECTM(Novartis Pharmaceuticals、East Hanover、New JerseyからのC−ablキナーゼインヒビター);インターフェロン(例えば、イントロン(Schering− Plough Corporationより)、Peg−イントロン(Schering− Plough Corporationより));ホルモン療法の組み合わせ;アロマターゼの組み合わせ;ara−C、アドリアマイシン、シトキサン(cytoxan)およびゲムシタビンが挙げられる。
他の抗癌剤(抗腫瘍剤としても公知)としては、ウラシルマスタード、クロルメチン(Chlormethine)、イフォスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン(Streptozocin)、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、ロイコビリン(leucovirin)、オキサリプラチン(Sanofi−Synthelabo Pharmaeuticals、FranceからのELOXATINTM)、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン(Mithramycin)、デオキシコフォルマイシン(Deoxycoformycin)、マイトマイシン−C(Mitomycin−C)、L−アスパラギナーゼ、テニポシド(Teniposide) 17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、シスプラチン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン(Amsacrine)、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン(Mitoxantrone)、レバミゾール、ナベルベン(Navelbene)、アナストラゾール(Anastrazole)、レトラゾール(Letrazole)、カペシタビン、レロキサフィン(Reloxafine)、ドロロキサフィン(Droloxafine)、ヘキサメチルメラミン、アバスチン、ハーセプチン、ベキサール(Bexxar)、ベルケイド、ゼバリン(Zevalin)、トリセノックス(Trisenox)、ゼローダ、ビノレルビン、ポルフィマー(Porfimer)、エルビタックス、リポソマール(Liposomal)、チオテパ、アルトレタミン(Altretamine)、メルファラン、トラスツマブ、レロゾール(Lerozole)、フルベストラント、エキセメスタン、イフォスフォミド(Ifosfomide)、リツキシマブ、C225およびキャンパス(Campath)が挙げられるが、これらに限定されない。
固定用量として処方された場合、このような組み合わせの製品は、本明細書中に記載されている投薬範囲の本発明の化合物と、その投薬範囲の他の薬学的活性剤もしくは治療剤とを使用する。例えば、CDC2インヒビターであるオロムチン(olomucine)は、アポトーシスを誘発する際に、公知の細胞傷害剤と相乗作用することが見出されている(J. Cell Sci、(1995) 108、2897)。式VII〜VIIIの化合物はまた、組み合わせの処方が不適切な場合には、公知の抗癌剤もしくは細胞傷害剤と逐次的にも投与され得る。本発明は、投与の順序に限定されず;式VII〜VIIIの化合物は、この公知の抗癌剤もしくは細胞傷害剤の投与の前もしくは後のいずれにおいて投与されてもよい。例えば、サイクリン依存性キナーゼインヒビターであるフラボピリドールの細胞傷害活性は、抗癌剤との投与の順序によって影響を受ける。Cancer Research、(1997) 57、3375。このような技術は、当業者および担当医の技術の範囲内にある。
したがって、一局面において、本発明は、ある量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグ、およびある量の1つ以上の抗癌治療剤および上に列挙した抗癌剤を含む組み合わせを包含しており、ここで、この化合物/治療剤の量は、所望する治療効果をもたらす。
本発明の別の局面は、1つ以上のチェックポイントキナーゼを阻害する方法が必要な患者において1つ以上のチェックポイントキナーゼを阻害する方法であり、この方法は、治療上有効な量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを、この患者に投与する工程を包含する。
本発明の別の局面は、1つ以上のチェックポイントキナーゼに関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にすることが必要な患者において、1つ以上のチェックポイントキナーゼに関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にする方法であって、この方法は、治療上有効な量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを投与する工程を包含する。
本発明のさらに別の局面は、チェックポイントキナーゼに関連する1つ以上の疾患を処置する方法であって、この方法は、ある量の第一化合物(これは、式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグ);およびある量の少なくとも1つの第二化合物(この第二化合物は抗癌剤である)を、このような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この第一化合物および第二化合物の量は、治療効果をもたらす。
本発明の別の局面は、1つ以上のチェックポイントキナーゼに関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にすることが必要な患者において、1つ以上のチェックポイントキナーゼに関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にする方法であって、この方法は、治療上有効な量の薬学的組成物(これは、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアと、少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグとを組み合わせて含む)を投与する工程を包含する。
上記の方法において、阻害されるべきチェックポイントキナーゼは、Chk1および/もしくはChk2であり得る。
本発明の別の局面は、1つ以上のチロシンキナーゼを阻害することが必要な患者において、1つ以上のチロシンキナーゼを阻害する方法であり、この方法は、治療上有効な量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグをこの患者に投与する工程を包含する。
本発明のさらに別の局面は、Aktキナーゼ、オーロラキナーゼチおよびチロシンキナーゼのうちの1つ以上に関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にすることが必要な患者において、Aktキナーゼ、オーロラキナーゼおよびチロシンキナーゼのうちの1つ以上に関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にする方法であって、この方法は、治療上有効な量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを投与する工程を包含する。
本発明の別の局面は、Aktキナーゼ、オーロラキナーゼおよび/もしくはチロシンキナーゼに関連する1つ以上の疾患を処置する方法であって、この方法は、ある量の第一化合物(これは、式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである);およびある量の少なくとも1つの第二化合物(この第二化合物は抗癌剤である)を、このような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この第一化合物および第二化合物の量は、治療効果をもたらす。
本発明のさらに別の局面は、Aktキナーゼ、オーロラキナーゼおよびチロシンキナーゼのうちの1つ以上に関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にすることが必要な患者において、Aktキナーゼ、オーロラキナーゼおよびチロシンキナーゼのうちの1つ以上に関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にする方法であって、この方法は、治療上有効な量の薬学的組成物(これは、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアと、少なくとも1種の式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグとを組み合わせて含む)を投与する工程を包含する。
上記の方法において、このチロシンキナーゼは、VEGFR、EGFR、HER2、SRC、JAKおよび/もしくはTEKであり得る。
本発明のさらに別の局面は、Pim−1キナーゼに関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にすることが必要な患者において、Pim−1キナーゼに関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にする方法であって、この方法は、治療上有効な量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグを投与する工程を包含する。
本発明の別の局面は、Pim−1キナーゼに関連する1つ以上の疾患を処置する方法であって、この方法は、ある量の第一化合物(これは、式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグである);およびある量の少なくとも1つの第二化合物(この第二化合物は抗癌剤である)を、このような処置の必要な哺乳動物に投与する工程を包含し、ここで、この第一化合物および第二化合物の量は、治療効果をもたらす。
本発明の別の局面は、Pim−1キナーゼに関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にすることが必要な患者において、Pim−1キナーゼに関連する疾患を処置もしくは進行を緩徐にする方法であって、この方法は、治療上有効な量の薬学的組成物(これは、少なくとも1つの薬学的に受容可能なキャリアと、少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物、またはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグとを組み合わせて含む)を投与する工程を包含する。
本発明の化合物の薬理学的特性は、多くの薬理学的アッセイによって確認され得る。本明細書中の後に記載される例示される薬理学的アッセイは、本発明の化合物およびその塩によって実施された。
本発明はまた、少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物またはその化合物の薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと、少なくとも1種の薬学的に受容可能なキャリアとを含む薬学的組成物にも取り組んでいる。
本発明によって記載されている化合物から薬学的組成物を調製するための、不活性の薬学的に受容可能なキャリアは、固体もしくは液体のいずれかであり得る。固体形態の調製物としては、散剤、錠剤、分散可能な顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が挙げられる。散剤および錠剤は、約5〜約95%の活性成分を含み得る。適切な固体キャリアは、当該分野で公知である(例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖もしくはラクトース)。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセル剤は、経口投与に適した固体の投薬形態として使用され得る。薬学的に受容可能なキャリアの例および多種の組成物の製造の方法は、A.Gennaro(編)、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、(1990)、Mack Publishing Co.、Easton、Pennsylvania内で見出され得る。
液体形態の調製物としては、溶液、懸濁液およびエマルジョンが挙げられる。例としては、非経口の注射のための水もしくは水−プロピレングリコール溶液、または経口溶液、懸濁液、およびエマルジョンのための甘味料および乳白剤の添加が挙げられ得る。液体形態の調製物としてはまた、鼻腔内投与のための溶液も挙げられ得る。
吸入に適したエアゾールの調製物としては、薬学的に受容可能なキャリア(例えば、圧縮不活性ガス(例えば、窒素))と組み合わせられ得る、溶液および粉末状の固体が挙げられ得る。
また、経口もしくは非経口いずれかの投与のために使用直前に液体形態の調製物に変換されることが意図された固体形態の調製物も挙げられる。このような液体形態としては、溶液、懸濁液、およびエマルジョンが挙げられる。
本発明の化合物はまた、経皮的にも送達可能であり得る。経皮的な組成物は、クリーム、ローション、エアゾール、および/もしくはエマルジョンの形態をとり得、この目的のために当該分野で従来行なわれるように、マトリックスもしくはレザバタイプの経皮パッチに含まれ得る。
本発明の化合物はまた、皮下送達されてもよい。
好ましくは、本化合物は、経口もしくは静脈内投与される。
好ましくは、本薬学的調製物は、単位投薬形態である。このような形態では、調製物は、適切な量(例えば、所望する目的に達するために有効な量)の活性成分を含む適切なサイズの単位用量に細分される。
調製物の単位用量中の活性化合物の量は、具体的な用途にしたがって、変わり得るか、もしくは約1mg〜約100mg(好ましくは、約1mg〜約50mg、さらに好ましくは、約1mg〜約25mg)に調整され得る。
使用される実際の投薬量は、患者の要求および処置される状態の重症度に依存して変わり得る。特定の状態に対する適切な投薬レジメンの決定は、当該分野の技術範囲内である。便宜上、1日の総投薬量は細分され得、必要であれば、1日の間に少しずつ投与され得る。
本発明の化合物および/もしくはその薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグの投与の量および頻度は、患者の年齢、状態、および大きさ、ならびに処置される症状の重症度といった要素を考慮して、主治医の判断にしたがって調節される。経口投与の一般的に推奨される1日あたりの投薬レジメンは、2〜4分割した用量で、約1mg/日〜約500mg/日(好ましくは、約1mg/日〜約200mg/日)の範囲であり得る。
本発明の別の局面は、治療上有効な量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと、薬学的に受容可能なキャリア、ビヒクルもしくは希釈剤とを含んだキットである。
本発明のさらに別の局面は、ある量の少なくとも1つの式VII〜VIIIの化合物またはこの化合物の薬学的に受容可能な塩、溶媒和物、エステルもしくはプロドラッグと、ある量の少なくとも1つの抗癌治療および/もしくは上に列挙した抗癌剤とを含んだキットであり、ここで、この2つ以上の成分の量は、所望する治療効果をもたらす。
本明細書中に開示されている本発明は、以下の調製例および実施例によって例示されているが、この調製および実施例は、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。代わりの機構的な経路(mechanistic pathway)および類似した構造は、当業者に明白となる。
NMRのデータが示されている場合、1Hスペクトルは、Varian VXR−200(200MHz、1H)、Varian Gemini−300(300MHz)もしくはXL−400(400MHz)のいずれかで得られ、Me4Siからの低磁場側でのppmとして、プロトン数、多重性、および括弧内にヘルツで示されるカップリング定数とともに報告される。LC/MSデータが示されている場合、分析はApplied Biosystems API−100質量分析器およびShimadzu SCL−10A LCカラム(Altech プラチナ C18、3ミクロン、33mm×7mm ID;勾配流動:0分−10%CH3CN、5分−95%CH3CN、7分−95%CH3CN、7.5分−10%CH3CN、9分−停止)を利用して行なわれた。保持時間および観察された親イオンが示される。
以下の溶媒および試薬は、括弧内のそれらの略語によって表され得る:
薄層クロマトグラフィー:TLC
ジクロロメタン:CH2Cl2
酢酸エチル:AcOEtもしくはEtOAc
メタノール:MeOH
トリフルオロ酢酸:TFA
トリエチルアミン:Et3NもしくはTEA
ブトキシカルボニル:n−BocもしくはBoc
核磁気共鳴分光学:NMR
液体クロマトグラフィー質量分析:LCMS
高分解能質量分析:HRMS
ミリリットル:mL
ミリモル:mmol
マイクロリットル:μl
グラム:g
ミリグラム:mg
室温もしくはrt(周囲):約25℃
ジメトキシエタン:DME
概して、本発明の化合物は、下に示されるスキーム1aおよび2a中に記載される一般的な経路をとおして調製され得る。
あるいは、R
3がアミノ置換される場合、マロネート7で出発するスキーム2a中に示されるプロセスが使用され得る。縮合および二塩素化によって、タイプ9の化合物を得る。3位および7位の塩化物の逐次的な置き換え、そしてRa−Ni還元によって、タイプ11の化合物を得る。
(調製実施例および実施例−セットA)
調製実施例1:
AcOH(25mL)中の3−アミノピラゾール(4.80g、57.8mmol)とエチル2−エチルアセトアセテート(10.96g、69.4mmol)との混合物を攪拌し、そしてN
2下で18時間還流した。この混合物を25℃まで冷却し、固体をろ過し、フィルター上でAcOH(20mL)、Et
2O(50mL)で洗浄し、そして真空下で乾燥させた。白色固体(7.70g、35%)を得た。
調製実施例1.5:
PhCH
3(100mL)中の3−アミノピラゾール(8.30g、0.100mol)とアセチルコハク酸ジエチル(23.0g、0.101mol)との混合物を攪拌し、そしてN
2下で18時間還流した。この混合物を25℃まで冷却し、固体をろ過し、フィルター上でPhCH
3(2×100mL)、Et
2O(2×100mL)で洗浄し、そして真空下で乾燥させた。薄い黄色の結晶状固体(18.3g、78%)を得た。LC−MS:236[M+H]。
調製実施例2:
調製実施例1からの生成物(5.95g、33.6mmol)、N,N−ジメチルアニリン(6.09g、50.0mmol)およびPOCl
3(30.0mL)の混合物をN
2下で3時間還流した。この混合物を25℃まで冷却し、500gの粉砕された氷上に注ぎ、そして20:1のEtOAc/CH
2Cl
2(3×100mL)で抽出した。抽出物をH
2O(2×200mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、そして溶媒をエバポレートした。残渣を10:1のCH
2Cl
2/EtOAcを溶出液として使用してシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。薄い黄色の油状物(2.51g、38%)を得た。
調製実施例2.5:
調製実施例1.5の生成物(12.0g、51.0mmol)、N,N−ジメチルアニリン(10.0mL)およびPOCl
3(46mL)の混合物を25℃で3日間攪拌した。過剰なPOCl
3をエバポレートし、そして残渣を飽和した水性NaHCO
3(500mL)中に注いだ。この混合物をCH
2Cl
2(3×200mL)で抽出し、合わせた抽出物をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過し、そして溶媒をエバポレートした。残渣を4:1のCH
2Cl
2/EtOAcを溶出液として使用してシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。薄い黄色の油状物(ゆっくり固体化させる)(10.2g、79%)を得た。
調製実施例3:
NBS(1.82g、10.2mmol)の無水CH
3CN(20mL)中の溶液を、調製実施例2からの生成物(2.00g、10.2mmol)の無水CH
3CN(10mL)中の攪拌溶液にN
2下で加えた。この混合物を18時間攪拌し、溶媒をエバポレートし、そして残渣を30:1のCH
2Cl
2/EtOAcを溶出液として使用してシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。薄い黄色の固体(2.71g、96%)を得た。LC−MS:254[M+]。
調製実施例3.5:
調製実施例3で述べた方法と本質的に同じ方法によって、(調製実施例2.5からの化合物から出発して)下の化合物:
調製実施例4:
調製実施例3からの生成物(1.00g、3.64mmol)とナトリウムチオメトキシド(308mg、4.40mmol)のTHF(10mL)中の混合物を25℃でN
2下で24時間攪拌した。溶媒をエバポレートし、そして残渣を、10:1のヘキサン/EtOAcを溶出液として使用してシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。薄い黄色の固体(890mg、85%)を得た。LC−MS:286[M+]。
調製実施例4.5:
調製実施例3.5からの生成物(3.32g、10.0mmol)とナトリウムメトキシド(800mg、14.8mmol)のMeOH(60mL)中の混合物を、25℃でN
2下で3時間攪拌した。溶媒をエバポレートし、そして残渣を、20:1のヘキサン/EtOAcを溶出液として使用してシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。白色固体(1.95g、62%)を得た。LC−MS:314[M+]。
実施例1:
調製実施例4からの生成物(600mg、2.10mmol)とH
2O中のRaney Niの50%スラリー(2.0g)とのEtOH(10mL)中の混合物を、50℃でN
2下で24時間攪拌した。その後、さらなるRaney Ni(2.0g)を加え、そしてこの混合物を50℃でN
2下でさらに24時間攪拌した。CH
2Cl
2(20mL)を加え、この混合物をセライトをとおしてろ過し、そして溶媒をエバポレートした。残渣を6:1のヘキサン/EtOAcを溶出液として使用してシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。白色固体(36mg、7%)を得た。LC−MS:240[M+]。Mp=120〜122℃。
調製実施例2−3:
THF中の1.0M LiAlH
4(1.60mL、1.60mmol)を、調製実施例4.5からの生成物(1.00g、3.20mmol)の無水THF(20mL)中の攪拌溶液にN
2下で0℃で加えた。この反応物を0℃で45分間攪拌し、その後、MeOH(4mL)でクエンチングした。残渣をEtOAcを溶出液としてシリカゲルの分取用TLCによって精製した。2つの生成物を単離した:第一の生成物を薄い黄色の固体(54mg、6%)として得た。LC−MS:286[M+]。Mp=118〜120℃そして第二の生成物を薄い黄色の固体(55mg、7%)として得た。LC−MS:256[M+]。Mp=131〜133℃。
調製実施例6:
Chem. Pharm. Bull. 1999、47(7)、928−938中に概説されているShiotaの方法にしたがって、表題の化合物を調製した。
調製実施例6.1−6.3:
適切なマロネートを置き換えるだけで、調製実施例6に記載の手順に類似した手順によって、表6.1に示される化合物は調製され得る。
調製実施例6からの二塩化物(3.0g、16.0mmol)のTHF(25mL)中の溶液に、NaSMe(1.1g、16.0mmol)を少しずつ加えた。生じた混合物を室温で12時間攪拌し、そして減圧下で濃縮した。粗製の生成物を、EtOAc(150mL)とH
2O(30mL)とに分配し、そして層を分離させた。有機層を、H
2O(2×30mL)およびブライン(1×30mL)で逐次洗浄した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、そして減圧下で濃縮して、3.0g(収率94%)の黄褐色の固体を得た。LC−MS:200.1[M+H]、純度99%。
調製実施例7.1−7.3:
表7.1のコラム2中に示す化合物を置き換えるだけで、調製実施例7に記載の手順に類似した手順によって、表7.1のコラム3に示される化合物は調製され得る。
NBS(3.56g、20.0mmol)の無水CH
3CN(40mL)中の溶液を、調整実施例6からの生成物(3.74g、20.0mmol)の無水CH
3CN(30mL)中の攪拌溶液にN
2下で加えた。この混合物を20時間攪拌し、溶媒をエバポレートし、そして残渣を、CH
2Cl
2を溶出液として使用してシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。薄い黄色の固体(5.10g、96%)を得た。LC−MS:267[M+]。
調製実施例7.6−7.8:
表7.6のコラム2に示される化合物を置き換えるだけで、調製実施例7.5に記載の手順と類似した手順によって、表7.6のコラム3に示される化合物は調製され得る。
調製実施例7.5からの二塩化物(7.4g、27.7mmol)とNaSMe(2.1g、30.5mmol)で出発することを除いては、調製実施例7に概説されている手順にしたがって、7.4g(収率96%)の表題の化合物を明るいオレンジ色の固体として得た。LC−MS:278.1[M+H]、純度95%。
調製実施例9:
調製実施例8からの生成物(2.00g、7.18mmol)、アミノアルコール(1.21g、9.34mmol)およびDIPEA(5.88mL、35.9mmol)のジオキサン(30mL)中の混合物を100℃でN
2下で3日間攪拌した。溶媒をエバポレートし、そして残渣を1:4のヘキサン/EtOAcを溶出液として使用してシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製した。薄い黄色の固体(0.90g、34%)を得た。LC−MS:371[M+]。
調製実施例9.1−9.5:
表9のコラム2に示される化合物を置き換えるだけで、調製実施例9に記載の手順と類似した手順によって、表9のコラム3に示される化合物が調製され得る。
調製実施例9からの生成物(80mg、0.22mmol)と、H
2O中のRaney Niの50%スラリー(0.20g)とのEtOH(3mL)中の混合物を、25℃でN
2下で24時間攪拌した。CH
2Cl
2(10mL)を加え、この混合物をセライトをとおしてろ過し、そして溶媒をエバポレートした。残渣を、20:1のCH
2Cl
2/MeOHを溶出液として使用してシリカゲルの分取用TLCによって精製した。無色固体(19mg、27%)を得た。LC−MS:325[M+]。Mp=81〜84℃。
実施例5−9:
表10のコラム2に示される化合物を置き換えるだけで、実施例4に記載の手順と類似した手順によって、表10のコラム3に示される化合物が調製され得る。
(アッセイ)
CHK1 SPAアッセイ
バキュロウイルスの発現系において発現される組み換えHis−CHK1を酵素源として、そしてCDC25Cを基にしたビオチン化(biotinylated)ペプチドを基質(ビオチン−RSGLYRSP
SMPENLNRPR)として利用するインビトロのアッセイを開発した。
材料および試薬:
1)CDC25C Ser 216 C−termのビオチン化ペプチド基質(25mg)、−20℃で貯蔵、Research Geneticsによって注文合成:ビオチン−RSGLYRSPSMPENLNRPR 2595.4 MW
2)His−CHK1 In House lot P976、235ug/mL、−80℃で貯蔵
3)D−PBS(CaClおよびMgClを含まない):GIBCO、Cat.# 14190−144
4)SPAビーズ:Amersham、Cat.# SPQ0032:500mg/バイアル 10mlのD−PBSを500mgのSPAビーズに加えて、50mg/mlの希釈標準濃度(working concentration)を作成する。4℃で貯蔵。水和後、2週間以内に使用する。
5)GF/Bフィルターが接合されている96−ウェルのホワイトマイクロプレート:Packard、Cat.# 6005177
6)トップシール−Aの96ウェル粘着フィルム:Perkin Elmer、Cat.# 6005185
7)96−ウェルの非結合型ホワイトポリスチレンプレート:Corning、Cat.# 6005177
8)MgCl2:Sigma、Cat.# M−8266
9)DTT:Promega、Cat.# V3155
10)ATP、4℃で貯蔵:Sigma、Cat.# A−5394
11)Y33P−ATP、1000〜3000Ci/mMol:Amersham、Cat.# AH9968
12)NaCl:Fisher Scientific、Cat.# BP358−212
13)H3PO4 85% Fisher、Cat.#A242−500
14)Tris−HCL pH 8.0:Bio−Whittaker、Cat.# 16−015V
15) スタウロスポリン、100ug:CALBIOCHEM、Cat.# 569397
16) Hypureの細胞培養グレードの水、500mL:HyClone、Cat.# SH30529.02
反応混合物:
1)キナーゼ緩衝液:50mM Tris pH 8.0;10mM MgCl2;1mM DTT
2)His−CHK1、In House Lot P976, MW 約30KDa、−80℃で貯蔵。
約5,000CPMの陽性コントロールを得るには6nMが必要である。1枚のプレート(100rxn)に対して:2mLのキナーゼ緩衝液中に8uLの235μg/mL(7.83uM)を希釈する。これによって、31nM混合物を作成する。1ウェルにつき20uL加える。これによって、最終反応濃度を6nMにする。
3)CDC25Cのビオチン化ペプチド
CDC25Cを、1mg/mL(385uM)ストックまで希釈し、−20℃で貯蔵する。1枚のプレート(100rxn)に対して:10uLの1mg/mLのペプチドストックを2mlのキナーゼ緩衝液中に希釈する。これにより、1.925uMの混合物を得る。1つの反応につき、20uLを加える。これによって、最終反応濃度を385nMにする。
4)ATP混合物
1枚のプレート(100rxn)に対して:10uLの1mM ATP(非標識)ストックおよび2uLの新しいP33−ATP(20uCi)を5mlのキナーゼ緩衝液に希釈する。これによって、2uM ATP(非標識)溶液を得る;1ウェルにつき50ulを加えて、反応を開始する。最終容積は、反応1つにつき100ulであるので、最終反応濃度は、反応1つにつき1uM ATP(非標識)および0.2uCiとなる。
5)停止溶液:
1枚のプレートにつき:10mLの洗浄緩衝液2(2M NaCl 1%H3PO4):1mLのSPAビーズのスラリー(50mg)を加える;1ウェルあたり100uLを加える。
6)洗浄緩衝液1:2M NaCl
7)洗浄緩衝液2:2M NaCl、1%H3PO4
アッセイ手順:
1)化合物を、水/10%DMSO中に所望する濃度まで希釈−これによって、反応物中の最終DMSO濃度が1%となる。1つの反応につき10μlを適切なウェルに分配する。10uLの10%DMSOを陽性コントロール(CHK1+CDC25C+ATP)と陰性コントロール(CHK1+ATPのみ)のウェルに加える。
2)酵素を氷上で解凍−−酵素を、キナーゼ緩衝液中(反応混合物を参照されたい)に適切な濃度に希釈し、そして各ウェルに20μlを分配する。
3)ビオチン化基質を氷上で解凍し、そしてキナーゼ緩衝液(反応混合物を参照されたい)中に希釈する。陰性コントロールのウェル以外は、1ウェルにつき20ul加える。その代わりに陰性コントロールのウェルには20uLのキナーゼ緩衝液を加える。
4)ATP(非標識)およびP33−ATPをキナーゼ緩衝液(反応混合物を参照されたい)中に希釈する。1ウェルにつき50uLを加えて、反応を開始する。
5)この反応を室温で2時間持続させる。
6)100uLのSPAビーズ/停止溶液(反応混合物を参照されたい)を加えて反応を停止させ、そして採取する前に15分間インキュベートする。
7)真空ろ過装置(Parkardプレートハーベスター)内に空のPackard GF/Bフィルタープレートを置き、そしてこのシステムを湿らせるために200mLの水を吸引する。
8)この空のプレートを取り出し、そしてPackard GF/Bフィルタープレート中に入れる。
9)反応物をフィルタープレートを通して吸引する。
10)洗浄:各洗浄につき200ml;2M NaClで1回;2M NaCl/1%H
3PO
4で1回
11)フィルタープレートを15分間乾燥させる。
12)フィルタープレートの上部にトップシール−Aの96ウェル粘着フィルムを置く。
13)Top Count内でフィルタープレートを処理する
設定:データモード:CPM
放射線核種:マニュアルSPA:P33
シンチレーター:液体/プラスチック
エネルギー範囲:低い
CDK2アッセイ:
バキュロウイスル構築:サイクリンAおよびサイクリンEを、アミノ末端にGluTAG配列(EYMPME)を付加して、PCRによってpFASTBAC(Invitrogen)内にクローニングし、抗−GluTAG親和カラムでの精製を可能にした。発現されたタンパク質はおおよそ46kDa(サイクリンE)および50kDa(サイクリンA)の大きさであった。CDK2もまた、カルボキシ末端(YDVPDYAS)に赤血球凝集素(haemaglutinin)エピトープタグを付加し、PCRによってpFASTBAC内にクローニングした。発現されたタンパク質はおおよそ34kDaのサイズであった。
酵素生成:サイクリンA、サイクリンEおよびCDK2を発現する組換えバキュロウイルスを、感染多重度(MOI)5で48時間、SF9細胞に感染させた。1000RPMでの10分間の遠心分離によって細胞を収集した。サイクリン(EもしくはA)含有ペレットを、CDK2含有ペレットと合わせ、そして氷上でこのペレットの容積の5倍の溶解緩衝液(50mM Tris pH 8.0、0.5% NP40、1mM DTTおよびプロテアーゼ/ホスファターゼインヒビター(Roche Diagnostics GmbH、Mannheim、Germany)を含む)中に30分間溶解させた。混合物を30〜60分間攪拌して、サイクリン−CDK2複合体の形成を促進させた。その後、混合した溶解産物を15000RPMで10分間スピンダウンし、そして上澄みを保持した。その後、5mlの抗GluTAGビーズ(1リットルのSF9細胞に対して)を使用して、サイクリン−CDK2複合体を捕捉した。結合したビーズを溶解緩衝液中で3回洗浄した。100〜200ug/mLのGluTAGペプチドを含む溶解緩衝液で、タンパク質を競合的に溶出した。溶出液を、2リットルのキナーゼ緩衝液(50mM Tris pH 8.0、1mM DTT、10mM MgCl2、100uM オルトバナジン酸ナトリムおよび20%グリセロールを含む)中で一晩透析した。酵素をアリコートとして−70℃で貯蔵した。
インビトロキナーゼアッセイ:CDK2キナーゼアッセイ(サイクリンAもしくはサイクリンE依存性のいずれか)をタンパク質結合性の低い96ウェルプレート(Corning Inc、Corning、New York)中で実施した。酵素を、キナーゼ緩衝液(50mM Tris pH 8.0、10mM MgCl2、1mM DTT、および0.1mM オルトバナジン酸ナトリムを含む)中に、最終濃度が50μg/mlになるように希釈した。これらの反応において使用される基質は、Histone H1(Amersham、UKより)から誘導されたビオチン化ペプチドであった。この基質を、氷上で解凍し、そしてキナーゼ緩衝液中に2μMに希釈した。化合物を、10%DMSO中に所望する濃度で希釈した。テストのために、各キナーゼ反応に対して、20μlの50μg/mlの酵素溶液(1μgの酵素)と20μlの1μMの基質溶液とを混合し、そして各ウェル中の10μlの希釈化合物と合わせた。50μlの4μM ATPおよび1μCiの33P−ATP(Amersham、UKより)の添加によって、このキナーゼ反応を開始させた。この反応を、室温で1時間行なわせた。200μlの停止緩衝液(stop buffer)(0.1%Triton X−100、1mM ATP、5mM EDTAおよび5mg/mlのストレプトアビジンコーティングされたSPAビーズ(Amersham、UKより)を含む)を15分間にわたって加えることで、この反応を停止させた。その後、Filtermateユニバーサルハーベスター(universal harvester)(Packard/Perkin Elmer Life Sciences)を使用して、このSPAビーズを96ウェルのGF/Bフィルタープレート(Packard/Perkin Elmer Life Sciences)上に捕捉した。2M NaClで2回、その後1%リン酸含有の2M NaClで2回このビーズを洗浄することによって非特異的なシグナルを除去した。その後、TopCountの96ウェル液体シンチレーションカウンター(Packard/Perkin Elmer Life Sciencesより)を使用して、放射性シグナルを測定した。
IC50決定:用量−応答曲線を、阻害化合物の8回の連続希釈から得た阻害データ(それぞれは、2連で行なった)からプロットした。化合物の濃度を、処理されたサンプルのCPMを処理されていないサンプルのCPMで割ることによって計算されたキナーゼ活性%に対してプロットした。その後、IC50値を算出するために、この用量−応答曲線を、標準S字型曲線にあてはめ、そして非線形回帰分析によってIC50値を得た。これによって得た本発明の選択された化合物のIC50値を、上記の表1に示す。これらのキナーゼ活性は、上記のアッセイを使用して得られた。
アッセイの値によって実証されたように、本発明の化合物は、優れたChk1阻害特性を示し得る。
(実施例−セットB)
化学合成
NMRスペクトルは、CDCl3もしくはDMSO−d6を溶媒として使用するMercuryplus400MHz NMR分光計(Varian)において得た。 Agilent 1100 Series LC/MSD(四重極、API−ES(大気圧インターフェースエレクトロスプレー(Atmospheric Pressure Interface Electrospray)))を使用して、キャピラリーの電圧を3500Vに設定し、そしてポジティブモードで実施して、LC−MSデータを得た。C18逆相カラムを使用した逆相クロマトグラフィー(20mL/分の流速で、水中0.1%トリフルオロ酢酸〜95:5 アセトニトリル:水の勾配で)をとおして、精製を完了させた。UV(Gilson、254nm)もしくは質量スペクトル(Agilent 1100 Series LC/MSD model SL)のシグナルを使用して、サンプルを収集した。KP−SIL 32−63umのカラム、フラッシュカートリッジ 12+Mもしくは25+Mを有する60Aを使用するQuad UV System(P/N 07052)を使用して、Biotage機器で順相シリカゲルクロマトグラフィーを行った。
(実施例中で使用される略語)
AcOH 酢酸
DCM ジクロロメタン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DME ジメトキシエタン
DMF ジメチルホルムアミド
DMFDMA N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール
DMSO ジメチルスルホキシド
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロリン酸塩
Hex ヘキサン
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
mCPBA メタ−クロロ過安息香酸
MeOH メタノール
Pyr ピリジン
RT 室温
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
G1が−C(O)−OHである代表的な式(I)の化合物は、スキーム1に概説している合成経路にしたがって調製された。
実施例1:7−ビフェニル−4−イル−5−(4−クロロフェニル)ピラゾール[1,5a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル
工程1:5−(4−クロロフェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル
メチル4−クロロベンゾイルアセテート(2.13g、10mmol)とエチル5−アミノ−3−ピラゾールカルボキシレート(1.55g、10mmol)との氷酢酸中の混合物を、還流まで20時間加熱した。この反応の間に光沢のある沈殿物が形成された。この反応混合物を冷却し、酢酸エチルで希釈し、そしてろ過した。沈殿物を酢酸エチルで洗浄して、オフホワイト色の光沢のある固体(1.92g、60%)を得た。
C
15H
13ClN
3O
3についてのMS [M+H]
+ 計算値 318.057、実測値 318.0。
工程2:7−クロロ−5−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル
5−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5a]−ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル(1.92g、6.04mmol)とN,N−ジエチルアニリン(2.4mL、15.1mmol)との懸濁液にオキシ塩化リン(6mL)を加えた。この反応混合物を還流まで3時間加熱した。この反応混合物は、冷却の際に固体化した。この反応混合物をジクロロメタンに溶解させ、そして濃縮した。この固体をジクロロメタンに溶解させ、そして冷水(3×100mL)、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液(1×100mL)およびブラインで連続して洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、1%酢酸エチル/ジクロロメタン)による精製から、黄色の固体(1.53g、75%)を得た。
C
15H
12Cl
2N
3O
2についてのMS[M+H]
+ 計算値 336.023、実測値 336.0。
工程3:7−ビフェニル−4−イル−5−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル
7−クロロ−5−(4−クロロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5a]−ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル(50mg、0.15mmol)、4−(フェニル)フェニルボロン酸(36mg、0.18mmol)、炭酸ナトリウム(35mg、0.33mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17mg、0.015mmol)を含む反応チューブに、トルエン(5mL)および水(1mL)を加えた。この反応チューブを空にし、そしてアルゴンで洗った。この反応混合物を還流まで一晩加熱した。冷却した後、この反応混合物を酢酸エチル(10mL)および水(15mL)で希釈した。有機層を分離させ、飽和した塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ジクロロメタン)による精製から、薄い黄色の固体(53mg、78%)を得た。
C
27H
2IClN
3O
2についてのMS[M+H]
+ 計算値 454.12、実測値 454.0。
実施例2:5−(4−クロロフェニル−7−(2−クロロフェニル)ピラゾール[1,5a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル
ジメチルホルムアミド(2mL)中の7−クロロ−5−(4−クロロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル(50mg、0.15mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(17mg、0.015mmol)を含む反応チューブに、THF(0.38mL、0.19mmol)中の0.5M 2−クロロフェニルヨウ化亜鉛を加えた。この反応チューブを排気させ、そしてアルゴンで洗った。この反応混合物を60℃まで一晩加熱した。冷却した後、この反応混合物を、酢酸エチル(10mL)および飽和した塩化アンモニウム溶液(10mL)で希釈した。有機層を分離させ、水および飽和した塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。カラムクロマトグラフィー(SiO
2、ジクロロメタン)による精製から、薄い黄色の固体(51mg、66%)を80%の純度で得た。
C
21H
16Cl
2N
3O
2についてのMS [M+H]
+ 計算値 412.05、実測値 412.0.
実施例3:5−(4−クロロフェニル−7−(2−クロロフェニル)ピラゾール[1,5a]ピリミジン−2−カルボン酸
テトラヒドロフラン(3mL)中の5−(4−クロロ−フェニル−7−(2−クロロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステル(50mg、0.12mmol)に、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(メタノール中2.2M、222μL、0.49mmol)を室温で加えた。この反応混合物を1.5時間攪拌し、その後、p−トルエンスルホン酸樹脂(275mg、約4.5当量)を加えた。この反応混合物を1時間攪拌した。混合物をろ過し、そして濃縮した。HPLCの分取用クロマトグラフィーによる精製から、オフホワイト色の固体(25mg、54%)を得た。この化合物は、表1中のエントリー106に相当する。
C
19H
12Cl
2N
3O
2についてのMS [M+H]
+ 計算値 384.02、実測値 384.0。
実施例4:ピラゾロ[1,5a]ピリミジニルアミノ誘導体の合成
7−クロロピラゾロ[1,5a]ピリミジン(0.05mmol)、アミン(0.05mmol)および炭酸カリウム(0.1mmol)のDMF(1.5mL)中の混合物を60℃で16時間攪拌した。
この反応物を室温まで冷却し、その後、酢酸エチル(10mL)で希釈した。生じた混合物を水(×2)および飽和したブラインで抽出した。酢酸エチルの層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。MS(+、30V) C23H21ClN4O2についてのMS [M+H]+ 計算値 421.14、実測値 421.2。
THF(1.5mL)および水(0.5mL)中のピラゾロ[1,5a]ピリミジンアミノ化合物(0.05mmol)に、1M LiOH(200μl、0.2mmol)を加え、そして室温で16時間攪拌した。この反応物を、酢酸エチル(10mL)で希釈し、そしてpH 2まで酸性化させ、分液漏斗に移し、そして層を分離させた。有機層を飽和したブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。
アミノ基がDL−α−メチルベンジルアミンである上記の場合(エントリー78):MS(+、30V) C21H17ClN4O2についてのMS [M+H]+ 計算値 393.10、実測値 393.0。
実施例5: アミノおよびアニリノピラゾロ[1,5a]ピリミジン誘導体の合成
7−クロロピラゾロ[1,5a]ピリミジン(0.05mmol)、アニリン(0.05mmol)および炭酸カリウム(0.1mmol)のDMF(1.5mL)中の混合物を60℃で16時間攪拌した。
この反応物を室温まで冷却し、その後、酢酸エチル(10mL)で希釈した。生じた混合物を水(×2)および飽和したブラインで抽出した。酢酸エチルの層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。MS(+、30V) C21H17ClN4O2についてのMS [M+H]+ 計算値 393.10、実測値 393.0。
X=H(エントリー76)に関して:MS (+、30V) C
19H
13ClN
4O
2についてのMS [M+H]
+ 計算値 365.07、実測値 365.0。
実施例6:6,7−ジアリールピラゾロ[1,5a]ピリミジンカルボキシレートの合成
ベンジル4−クロロフェニルケトン(230mg、1mmol)の乾燥トルエン(10mL)中の溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMFDMA)(159μl、1.2mmol)をアルゴン下で室温で一滴ずつ加えた。12時間後に、DMFDMA(4μl、0.03mmol)を加え、そしてこの混合物を50℃までさらに24時間加熱した。その後、5日間の間に、DMFDMA(4μl、0.03mmol)を各日に加え、そして温度が毎日約15℃上昇した。5日目に反応が終わった際(TLCモニタリング)に、溶媒を除去して、エナミノケトン(285mg、100%)を赤/茶色の油状物として得た。
MS (+、30V) C
17H
16ClNOについてのMS [M+H]
+ 計算値 286.09、実測値 286.05。
酢酸(10mL)中のエナミノケトン化合物(285mg、1mmol)に、3−アミノ−5−カルボメトキシ−ピラゾール(141mg、1mmol)を加えた。この反応物を118℃まで加熱し、そして118℃で16時間攪拌した。この反応混合物を濃縮した。このピラゾロピリミジン生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、5%酢酸エチル/DCM)によって精製して、白色固体(335mg、89%)を得た。
MS (+、30V) C
20H
14ClN
3O
2についてのMS [M+H]
+ 計算値 364.08、実測値 364.05。
THF(5mL)中の7−(4−クロロ−フェニル)−6−フェニル−ピラゾロ[1,5]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル(98mg、0.27mmol)に、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(メタノール中40wt.%溶液)(491μl、1.1mmol)を加え、そしてこの混合物を室温で16時間攪拌した。TLC(DCM/MeOH/AcOH 90:10:1)は、この反応が完了したことを示した。この反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、そして1N HClでpH 2まで酸性化させた。分液漏斗に移し、層を分離させ、有機層をブライン(×1)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。ピラゾロピリミジン生成物を、分取用LCで精製して、薄い黄色の固体(46mg、49%)を得た。これは、表1のエントリー236に相当する。
MS (+、30V) C
19H
11ClN
3O
2についてのMS [M+H]
+ 計算値 350.08、実測値 350.05。
実施例7:6,7−ジアリールピラゾロ[1,5a]ピリミジンテトラゾールの合成
ベンジル3−フェノキシフェニルケトン(523mg、1.8mmol)の乾燥トルエン(5mL)中の溶液に、tert−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(524μl、2.54mmol)をアルゴン下で室温で一滴ずつ加えた。この反応混合物を60℃まで16時間加熱した。TLCは、この反応が完了したことを示した。溶媒を除去して、エナミノケトン(617mg、100%)を赤/茶色の油状物として得た。
MS (+、30V) C
23H
21NO
2についてのMS [M+H]
+ 計算値 344.16、実測値 344.05。
酢酸(5mL)中のエナミノケトン化合物(150mg、0.44mmol)に、3−アミノピラゾール−4−カルボニトリル(48mg、0.44mmol)を加えた。この反応物を118℃まで加熱し、そして118℃で16時間攪拌した。この反応混合物を濃縮した。ピラゾロピリミジン生成物をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、5%酢酸エチル/DCM)によって精製して、白色固体(117mg、68%)を得た。
MS (+、30V) C
25H
16N
4OについてのMS [M+H]
+ 計算値 389.13、実測値 389.05。
キシレン(5mL)中のピラゾロピリミジンニトリル(102mg、0.26mmol)に、トリブチルスズアジド(144μl、0.52mmol)を加えた。生じた混合物を110℃までアルゴン下で60時間加熱した。60時間後、溶媒をエバポレートし、アセトニトリル(10mL)を加え、そしてこの溶液をヘキサン(8×10mL)で洗浄した。アセトニトリル相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して所望のピラゾロピリミジンスズ保護されたテトラゾールを黄色のゴム状物質(187mg、98%)として得た。
この黄色のゴム状物質をメタノール(5mL)中にとった。この反応溶液に、塩化水素(ジエチルエーテル中1.0M溶液)(1mL、1mmol)を加え、そして室温で3時間攪拌した。この反応混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈し、そして水性の飽和した炭酸水素ナトリウム(×2)およびブライン(×1)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮した。残渣をヘキサンで研和させ、遊離したテトラゾール生成物を黄色の固体(10.7mg、10%)として得た。これは、表1のエントリー250に相当する。
MS (+、30V) C
23H
17N
7OについてのMS [M+H]
+ 計算値 432.15、実測値 432.05。
実施例8:5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステルの合成
25.8g(164mmol)の5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸の250mLの無水メタノール(MeOH)中の溶液に、10.3mL(141mmol)の塩化チオニルを一滴ずつ加え、そして生じた混合物を還流まで一晩加熱し、その後室温まで冷却し、そして濃縮して、27.6g(収率98%)の5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステルを固体として得た。
10.25g(60mmol)の5−ニトロ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステルを75mLの酢酸(AcOH)および75mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた。真空およびアルゴンサイクルの後、2.05g(20重量%)の炭素担持パラジウム(Pd/C 10wt%)を加え、この混合物を再び脱ガスし、バルーンより水素で充填した。この反応混合物を室温で水素雰囲気下で2日間攪拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析は、出発物質の生成物への完全変換を示した。その後、この混合物を濃縮し、生じた紫色の油状物を300mLのエーテル中にとり、この十分に分散した紫色の不純物をろ過し、そしてエーテルろ液をエバポレートして、
1H NMRによって示されるとおりの7.23g(収率85%)の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステルをオフホワイト色の固体として得た;この構造は、
1H NMRを使用することによって確認された。
実施例9:2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−7−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオン酸の合成
10mg(0.023mmol)の5−(4−クロロ−フェニル)−7−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の1mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の溶液に、0.016mL(0.068mmol)のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、6.3mg(0.025mmol)のL−セリン−(tBu)OtBu塩酸塩、ジメチルアミノピリジン(DMAP cat)の少量の結晶、続いて10.3mg(0.027mmol)のHATUを加え、そして生じた混合物を室温で3時間攪拌した。その後、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.1N 水酸化ナトリウム溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、3−tert−ブトキシ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−7−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルを得、これをこれ以上精製せずに次の工程で使用した。
3−tert−ブトキシ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−7−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルのサンプルを、1mLの95:5 トリフルオロ酢酸(TFA):H2Oで処理し、そして生じた溶液を室温で1.5時間攪拌し、その後、2mLの1:1 アセトニトリル:水を加えることによってこれをクエンチングした。その後、この混合物を濃縮し、そして凍結乾燥させて、11.2mg(2工程にわたって収率93%)の所望する2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−7−(4−フェノキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオン酸を固体(この1H NMRスペクトルはこの構造と一致した)として得た。エントリー260に対して:C28H21ClN4O5についてのLC−MS [M+H]+ 計算値:529.12;実測値:529.1。
実施例10:7−オキソ−5−フェニル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸および5−(2−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
0.56mL(3.22mmol)の3−オキソ−3−フェニル−プロピオン酸エチルエステルおよび0.50g(3.22mmol)の5−アミノ−2H−ピラゾール−3−カルボン酸エチルエステルの4mLの酢酸(HOAc)中の溶液を還流で4時間加熱し、この間に沈殿物が形成された。沈殿物をろ過し、酢酸エチルで洗浄し、そして乾燥させて、0.51g(収率56%)の、
1H NMRによって示されるとおりの7−オキソ−5−フェニル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステルを固体として得た。;C
15H
13N
3O
3についてのLC−MS [M+H]
+ 計算値:284.1、実測値:284.1。
50mg(0.18mmol)の7−オキソ−5−フェニル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸エチルエステルの4mLのエタノール(EtOH)中の溶液に、26mg(0.40mmol)の水酸化カリウム(KOH)を加え、そして生じた混合物を還流で60時間加熱した。その後、この反応混合物を、ジオキサン中の4M HClの溶液で酸性化させ、そして酢酸エチルで希釈した。有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、1H NMRによって示されるとおりの所望する7−オキソ−5−フェニル−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸を得た;C13H9N3O3についてのLC−MS [M+H]+ 計算値: 256.06、実測値:256.1。これは、エントリー619に相当する。
同じ合成順序にしたがい、3−(2−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステルから出発して、5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルとの環化を行なって、5−(2−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(エントリー620)を合成した。
実施例11:6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−イソブチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
構造的に類似した化合物に関する本文書中の他の箇所に記載の変換をとおして、上記のように6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−イソブチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(410)の合成を実行した。7位において修飾を有する他の化合物は、同様の方法で合成された。
実施例12:7−イソプロピル−6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
市販されている2−メチル−ペンタン−3−オンから出発して、構造的に類似した化合物に関して先に記載した公知の変換をとおして、上記のとおりに7−イソプロピル−6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(390)の合成を実行した。7−エチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(392)、7−シクロヘキシル−6−メチル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(391)および7−シクロヘキシル−6−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(394)は、同様の合成順序にしたがって調製された。
実施例13:6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
文献の手順(Helv. Chim. Acta 1997年、80、1528)の改変したものにしたがって、2.0g(17.2mmol)のテトラヒドロ−チオピラン−4−オンおよび3.69g(18.9mmol)の1−イソシアノメタンスルホニル−4−メチル−ベンゼンの100mLの1,2−ジメトキシエタン(DME)中の氷***液に、34.4mL(34.4mmol)のカリウムt−ブトキシド(t−ブタノール中1M溶液)を加え、そして生じた混合物を室温で3時間攪拌した。この反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、
1H NMRが示すような2.05g(収率93%)の所望するテトラヒドロ−チオピラン−4−カルボニトリルを得た。
1.97g(15.5mmol)のテトラヒドロ−チオピラン−4−カルボニトリルの5mLのエタノール(EtOH)中の溶液を、6.2g(155mmol)の水酸化ナトリウム(NaOH)の30mLのEtOHおよび15mLの水中の溶液に加え、そして生じた混合物を還流で4時間加熱した。この反応混合物を氷浴内で冷却し、濃塩酸でpH=2まで酸性化させ、その後、濃縮して沈殿物を得、これをろ過して、1H NMRが示すような1.36g(60%)の所望するテトラヒドロ−チオピラン−4−カルボン酸を茶色の結晶状固体として得た。
1.36g(9.32mmol)のテトラヒドロ−チオピラン−4−カルボン酸の25mLのジクロロメタン(DCM)中の氷***液に、1.1mL(12.6mmol)の塩化オキサリルを一滴ずつ加え、そして生じた混合物を0℃で2時間攪拌した。その後、2μLのジメチルホルムアミド(DMF cat)を加え、そしてこの反応混合物を室温で2時間攪拌し、そして濃縮して、1H NMRが示すような1.43g(93%)の所望するテトラヒドロ−チオピラン−4−カルボニル塩化物を茶色の油状物として得た。この生成物をこれ以上精製せずに、次の工程で、6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−(テトラヒドロ−チオピラン−4−イル)−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(以下、エントリー375)の調製に向けて使用した。
実施例14:6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
同じ実験スキームを使用して6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを合成した。
実施例15:6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−モルホリン−4−イル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
15g(90.3mmol)のメチル4−ヒドロキシフェニルアセテートの25mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の溶液に、32.4g(99.3mmol)の炭酸セシウム、続いて13.4mL(112.9mmol)の臭化ベンジル(BnBr)を加え、そして生じた不均一の混合物を室温で72時間攪拌した。この反応混合物をろ過し、固体を酢酸エチルで洗浄し、そして合わせた有機抽出物を濃縮して残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中25%ヘキサン)にかけて、
1H NMRが示すような19.1g(収率83%)の所望する(4−ベンジルオキシ−フェニル)−酢酸メチルエステルを得た;C
16H
16O
3についてのLC−MS [M+H]
+ 計算値:257.11、実測値:257.2。
文献の手順(Wasserman, H. H.;Ives, J. L. J. Org. Chem. 1985年、50、3573−3580)の改変したものにしたがって、1.0g(3.9mmol)の(4−ベンジルオキシ−フェニル)−酢酸メチルエステルの4mLのトルエン中の溶液を、アルゴンで洗った。この溶液に、0.842mL g(5.5mmol)のメトキシビス(ジメチルアミノ)メタンを加え、そして生じた混合物を65℃でアルゴン下で一晩攪拌した。この反応混合物を濃縮して、1H NMR(出発物質の追跡を含む)が示すような1.21gの所望する2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−ジメチルアミノ−アクリル酸メチルエステルを得た。この生成物をこれ以上精製せずに次の工程で使用した。
1.21g(3.9mmol)の2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−ジメチルアミノ−アクリル酸メチルエステルと0.422g(3.9mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボニトリルの5mLの酢酸(HOAc)中の溶液を還流で一晩加熱し、この間に沈殿物が形成された。この反応混合物を室温まで冷却し、ヘキサン中の20%酢酸エチルで希釈し、そしてろ過して、1H NMRによって示されるような0.86g(2工程にわたって65%)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルを茶褐色の固体として得た;C20H14N4O2についてのLC−MS [M+H]+ 計算値:343.11、実測値:343.1。
0.86g(2.5mmol)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、1.0mL(6.3mmol)のN,N−ジエチルアニリンおよび2mL(21.5mmol)のオキシ塩化リン(POCl3)のスラリーを還流で7時間加熱し、この間にこの反応混合物はオリーブ色になった。この混合物を室温まで冷却し、氷上に注ぎ、そしてジクロロメタン/クロロホルムで抽出した。合わせた抽出物を水(3回)、飽和した炭酸水素ナトリム(2回)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン)にかけて、1H NMRによって示されるような0.637(収率70%)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルを得た;C20H13ClN4OについてのLC−MS [M+H]+ 計算値:361.07、実測値:361.1。
5mLのマイクロウェーブ容器中の50mg(0.138mmol)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの2mLのジメチルホルムアミド中の溶液に、25mg(0.18mmol)の炭酸カリウム、続いて15mg(0.166mmol)のモルホリンを加え、そしてこの混合物をマイクロウェーブシンセサイザー(Personal ChemistryからのEmrys system、300W)内で160℃で5分間加熱した。LC−MSによる分析が生成物の形成を示したので、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、ブライン(2回)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて残渣を得、これをGilsonを使用した逆相クロマトグラフィーによって精製して、(凍結乾燥後)1H NMRによって示されるような所望する6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−モルホリン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル(純度90%)を得た;C24H21N5O2についてのLC−MS [M+H]+ 計算値:412.17、実測値:412.1。
文献の手順(Herr, R. J. Bioorg. Med.Chem. 2002年、10、3379−3393)の改変したものにしたがって、35mg(0.085mmol)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−モルホリン−4−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの1.5mLのトルエンおよび0.5mLのジメチルホルムアミド中の溶液に、71mg(0.513mmol)のトリエチルアミン塩酸塩(Et3N−HCl)および33mg(0.513mmol)のアジ化ナトリウムを加え、そして生じた不均一の混合物を還流で72時間攪拌し、この間の24時間後毎に、71mg(0.513mmol)のトリエチルアミン塩酸塩(Et3N−HCl)および33mg(0.513mmol)のアジ化ナトリウムをこの反応混合物に加えた。その後、この混合物を室温まで冷却し、ろ過し、そして残渣まで濃縮し、これを、逆相クロマトグラフィーをとおして精製して、(凍結乾燥後)1H NMRによって示されるような15mg(収率38%)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−モルホリン−4−イル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(370)を固体として得た。(C24H22N8O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:455.18;実測値 455.2。
実施例16:7−シクロヘキシル−6−(4−ヨード−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの合成
5g(19mmol)の(4−ヨード−フェニル)−酢酸の50mLのメタノール(MeOH)中の溶液を、3.5mL(48mmol)の塩化チオニル(SOCl
2)に一滴ずつ加え、そして生じた混合物を室温で36時間攪拌し、その後、薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析は、生成物の形成を示した。この混合物を濃縮して、
1H NMRによって示されるような4.5g(収率86%)の(4−ヨード−フェニル)−酢酸メチルエステルを薄いベージュ色の油状物として得た。
2.88mL(20.5mmol)のジイソプロピルアミン(iPr2NH)の50mLのテトラヒドロフラン(THF)中の溶液をアルゴンで洗い、そして−78℃まで冷却した。この溶液に、8.2mL(20.5mmol)のn−ブチルリチウム(nBuLi)のヘキサン中の2.5M溶液を一滴ずつ加え、そして生じた混合物を−78℃で20分間攪拌し、その後、4.5g(16.3mmol)の(4−ヨード−フェニル)−酢酸メチルエステルの25mLのTHF中の溶液を一滴ずつ加えた。この混合物を40分間室温まで温め、その後、これを−78℃まで再び冷却し、そして2.62mL(19.6mmol)のシクロヘキサンカルボニル塩化物を一滴ずつ加え、そして生じた混合物を室温まで温め、そして室温でアルゴン下で一晩攪拌した。この反応混合物を氷上で、飽和した塩化アンモニウム溶液を加えることによってクエンチングし、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、7gのバーガンディー色の油状物を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;ヘキサン中10%酢酸エチル)にかけて、1H NMRによって示されるような5.06g(収率80%)の所望の3−シクロヘキシル−2−(4−ヨード−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステルを薄い黄色の固体として得た(1:2.6 ケト:エノール比率)。C16H19IO3についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:387.04、実測値:387.0。
文献の手順(Collins, Iら、J. Med. Chem.2002年、45、1887−1900)の改変したものにしたがって、5.06g(13.1mmol)の3−シクロヘキシル−2−(4−ヨード−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステルの80mLのジメチルスルホキシド(DMSO)中の溶液を、1.53g(26.2mmol)の塩化ナトリウム(NaCl)の5.8mLの水(H2O)中の溶液に加え、そして生じた混合物を150℃で3時間加熱し、この間に、白色固体が形成された。この反応混合物を室温まで冷却し、500mLの水中に注ぎ、そして酢酸エチルで完全に抽出した。合わせた有機抽出物を水(3回)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、1H NMR(微量の不純物を含む)によって示されるような4.13g(収率96%)の所望する1−シクロヘキシル−2−(4−ヨード−フェニル)−エタノンを黄色の固体として得た。この生成物をこれ以上精製せずに次の工程で使用した。
文献の手順(Wasserman, H. H.;Ives, J. L. J. Org. Chem.、1985年、50、3573−3580)の改変したものにしたがって、4.13g(12.6mmol)の1−シクロヘキシル−2−(4−ヨード−フェニル)−エタノンの20mLのトルエン中の溶液を、アルゴンで洗った。この溶液に、2.7mL(17.6mmol)のメトキシビス(ジメチルアミノ)メタンを加え、そして生じた混合物を70℃でアルゴン下で一晩攪拌した。この反応混合物を濃縮して、1H NMR(微量の出発物質を含む)によって示されるような5.07gの粗製の1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−2−(4−ヨード−フェニル−プロペノンを得た。この生成物をこれ以上精製せずに次の工程で使用した。
2.55g(最大6.32mmol)の粗製の1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−2−(4−ヨード−フェニル)プロペノンと0.98g(6.32mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルとの30mLの酢酸(HOAc)中の溶液を還流で66時間加熱し、この間に、沈殿物が形成された。この沈殿物をろ過し、そして破棄し、そして酢酸ろ液を固体残渣まで濃縮して、これを1:1 酢酸エチル:ヘキサンで洗浄し、乾燥させて1.67g(収率55%)の7−シクロヘキシル−6−(4−ヨード−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルを薄い黄色の固体として得た。
1.66g(最大4.1mmol)の粗製の1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−2−(4−ヨード−フェニル)−プロペノンと0.44g(4.1mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾロ−4−カルボニトリルとの20mLの酢酸(HOAc)中の溶液を、還流で66時間加熱し、この間に十分に分散された沈殿物が形成された。この沈殿物をろ過するための全ての試みが失敗したので、この反応混合物を茶色の残渣まで濃縮し、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;ジクロロメタン中2%酢酸エチル)にかけて、1.09g(収率62%)の7−シクロヘキシル−6−(4−ヨード−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルを黄色の固体として得た。
実施例17:7−シクロヘキシル−6−(3’−メトキシ−ビフェニル−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸、7−シクロヘキシル−6−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンおよび6−(4−ベンジル−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
60mg(0.126mmol)の7−シクロフェニル−6−(4−ヨード−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステル、29mg(0.19mmol、1.5当量)の3−メトキシフェニルボロン酸、5mg(0.0063mmol、5mol%)のPd触媒および80mg(0.378mmol、3当量)のリン酸カリウムの混合物を、回転チューブ(carousel tube)内に入れた。真空およびアルゴンサイクルの後、1,4−ジオキサン(3mL)を加え、そして生じた混合物を80℃でアルゴン下で14時間加熱した。LC−MSの分析が、未反応の出発物質がまだ存在していることを示したので、29mg(0.19mmol、1.5当量)の3−メトキシフェニルボロン酸、10mg(0.012mmol、10mol%)のPd触媒および80mg(0.378mmol、3当量)のリン酸カリウムを加え、そして加熱を24時間続けた。その後、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、小さいセライトのパッドをとおしてろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして茶色の残渣(粗製のカップリング生成物)までエバポレートし、これを、シリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;勾配溶出 ジクロロメタン中2%〜5% 酢酸エチル)にかけて、
1H NMRによって示されるような47mg(収率82%)の所望する7−シクロヘキシル−6−(3’−メトキシ−ビフェニル−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルを得た;C
28H
29N
3O
3についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:456.22、実測値:456.2.
47mg(0.103mmol)の7−シクロヘキシル−6−(3’−メトキシ−ビフェニル−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルの3mLのテトラヒドロフラン中の溶液に、0.62mL(0.62mmol)の1M LiOH溶液を加え、そして生じた混合物を還流で一晩加熱した。その後、この反応混合物を1M HCl溶液でpH=2まで酸性化させ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して残渣を得、これを逆相クロマトグラフィーによって精製して、(凍結乾燥後)
1H NMRによって示されるような15mg(収率34%)の7−シクロヘキシル−6−(3’−メトキシ−ビフェニル−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(446)を固体として得た(純度90%);C
26H
25N
3O
3についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:428.19、実測値:428.2。
65mg(0.15mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−ヨード−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、45mg(0.225mmol、1.5当量)の4−(メタンスルホニル)フェニルボロン酸、6mg(0.0075mmol、5mol%)のPd触媒および95mg(0.45mmol、3当量)のリン酸カリウムの混合物を回転チューブに入れた。真空およびアルゴンサイクルの後、1,4−ジオキサン(3mL)を加え、そして生じた混合物を80℃でアルゴン下で14時間加熱した。LC−MSによる分析が、未反応の出発物質がまだ存在していることを示したので、45mg(0.225mmol、1.5当量)の4−(メタンスルホニル)フェニルボロン酸、12mg(0.015mmol、10mol%)のPd触媒および95mg(0.45mmol、3当量)のリン酸カリウムを加え、そして加熱を24時間続けた。その後、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、小さいセライトのパッドをとおしてろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、茶色の残渣(粗製のカップリング生成物)を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;勾配溶出 ジクロロメタン中2%〜10%酢酸エチル)にかけて、1H NMRによって示されるような42mg(収率62%)の所望する7−シクロヘキシル−6−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルを得た;C26H24N4O2SについてのLC−MS [M++H]+ 計算値:457.16、実測値:457.1。
42mg(0.092mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの1mLのトルエンおよび1.2mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の溶液に、76mg(0.55mmol)のトリエチルアミン塩酸塩(Et3N−HCl)および36mg(0.55mmol)のアジ化ナトリウムを加え、そして生じた不均一の混合物を120℃で72時間加熱し、この間の24時間後毎に、76mg(0.55mmol)のトリエチルアミン塩酸塩(Et3N−HCl)および36mg(0.55mmol)のアジ化ナトリウムをこの反応混合物に加えた。その後、この混合物を室温まで冷却し、ろ過し、そして残渣まで濃縮して、これを逆相クロマトグラフィーにかけて、(凍結乾燥後)1H−NMRによって示されるような7mg(収率15%)の7−シクロヘキシル−6−(4’−メタンスルホニル−ビフェニル−4−イル)−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを白色固体(純度90%、エントリー443)として得た。C26H25N7O2SについてのLC−MS [M++H]+ 計算値 500.18;実測値 500.2。
文献の手順(Suzuki, Aら、Tetrahedron Lett. 1986年、27、6369−6372)の改変したものにしたがって、57mg(0.12mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−ヨード−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルと5mg(0.006mmol、5mol%)のPd触媒との混合物を回転チューブに入れた。真空およびアルゴンサイクルの後、テトラヒドロフラン(THF)(2mL)を加え、続いてTHF中の0.29mL(0.144mmol、1.2当量)のB−ベンジル−9−BBN 0.5M溶液および0.12mL(0.36mmol、3当量)の3N NaOH溶液を加え、そして生じた混合物を還流でアルゴン下で一晩加熱した。LC−MSによる分析が、未反応の出発物質がまだ存在していることを示したので、0.12mL(0.06mmol)のB−ベンジル−9−BBN、5mg(0.006mmol、5mol%)のPd触媒および0.12mL(0.36mmol)の3N NaOH溶液を加え、そして加熱を24時間続けた。その後、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、小さいセライトのパッドをとおし、そしてエバポレートして、茶色の残渣(粗製のカップリング生成物)を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;ジクロロメタン中2%酢酸エチル)にかけて、1H−NMR(微量の不純物を含む)によって示されるような36mg(収率68%)の所望する6−(4−ベンジル−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルを得た;C28H29N3O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:440.23、実測値:440.2。
36mg(0.082mmol)の6−(4−ベンジル−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルの3mLのテトラヒドロフラン中の溶液に、0.5mL(0.5mmol)の1M LiOH溶液を加え、そして生じた混合物を還流で一晩加熱した。その後、この反応混合物を、1M HCl溶液でpH=2まで酸性化させ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して残渣を得、これを、逆相クロマトグラフィーをとおして精製して(凍結乾燥後)1H−NMRによって示されるような7mg(収率21%)の6−(4−ベンジル−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸を固体(純度90%、エントリー444)として得た;C26H25N3O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:412.19、実測値:412.3。
実施例18:7−シクロヘキシル−6−(4−フラン−3−イル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
文献の手順(Savarin C;Liebeskind, L. S. Org. Lett. 2001年、3、2149−2152)の改変したものにしたがって、24mg(0.05mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−ヨード−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステル、7mg(0.06mmol、1.2当量)の3−フリルボロン酸、3mg(0.0025mmol、5mol%)のPd(PPh
3)
4および12mg(0.06mmol、1.2当量)のチオフェン−2−カルボン酸銅(I)(CuTC)の混合物を、Schlenkフラスコに入れた。真空およびアルゴンサイクルの後、テトラヒドロフラン(1.2mL)を加え、そして生じた混合物を室温でアルゴン下で一晩攪拌した。この反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチルの抽出物をブラインで洗浄し、小さいセライトのパッドをとおしてろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、28mgの黄色の油状物(粗製のカップリング生成物)を得、これを次の工程でこれ以上精製せずに使用した;C
25H
25N
3O
3についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:416.19、実測値:416.2。
上記の残渣をテトラヒドロフラン(2mL)中にとり、そして、0.3mL(0.3mmol、5当量)の1M LiOH溶液を加え、そして生じた混合物を還流で一晩加熱した。その後、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1N HCl溶液でpH 2まで酸性化させた。有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして残渣を得、これを逆相クロマトグラフィーをとおして精製して、(凍結乾燥後)1H−NMRによって示されるような4mg(収率20%)の7−シクロヘキシル−6−(4−フラン−3−イル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(445)を白色固体(純度90%)として得た。C23H21N3O3についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:388.16、実測値:388.1。
実施例19:7−シクロヘキシル−6−[4−(3−メトキシ−フェノキシ)−フェニル]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
この順序における出発物質は、関連中間体を調製するために使用された実験手順と同じ手順(ここで、ベンジルオキシ基(OBn)がヨウ素(I)に置き換えられた)にしたがって合成された。
800mg(1.95mmol)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの5mLのジクロロメタン(DCM)中の溶液を−78℃まで冷却した。上記の***液に、2.93mL(2.93mmol)の三塩化ホウ素(BCl3)のDCM中の1M溶液を加え、そして生じた混合物を−78℃で90分間攪拌した。薄層クロマトグラフィ(TLC)による分析が、出発物質がまだ存在していることを示したので、過剰な三塩化ホウ素(BCl3)(3当量)を加え、そしてこの反応を、−78℃で5mLのメタノールでクエンチングした。この混合物を室温まで温め、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液を加え、そしてこの混合物をDCMで抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、754mgのオフホワイト色の固体を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(DCM中5%酢酸エチル)にかけて、560mg(収率90%)の所望する7−シクロヘキシル−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルを白色固体として得た。C19H18N4OについてのLC−MS [M++H]+ 計算値:319.15、実測値:319.1。
50mg(0.157mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリル、43mg(0.235mmol)の酢酸銅(II)(Cu(OAc)
2)、48mg(0.314mmol)の3−メトキシフェニルボロン酸、0.025mL(0.31mmol)のピリジン(pyr)および5mLのDCMのアクアグリーン色の混合物を、空気にさらした状態で室温で68時間攪拌した。この反応混合物をセライトをとおしてろ過し、その間、このセライトパッドを酢酸エチルおよびクロロホルムでリンスした。合わせた有機ろ液を、緑色固体の残渣まで濃縮し、これを酢酸エチルと水とに分配し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水(3回)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、74mgの茶色の残渣を得、これを、シリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;DCM)にかけて、
1H−NMRによって示されるような38mg(収率58%)の所望する7−シクロヘキシル−6−[4−(3−メトキシ−フェノキシ)−フェニル]−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルを無色の油状物として得た。;C
26H
24N
4O
2についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:425.19、実測値:425.1。
7−シクロヘキシル−6−[4−(3−メトキシ−フェノキシ)−フェニル]−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの対応するテトラゾール7−シクロヘキシル−6−[4−(3−メトキシ−フェノキシ)−フェニル]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(301)への変換を、本文書中の他の箇所に記載の実験記載をとおして行なった。
実施例20:7−シクロヘキシル−6−[4−(2,4−ジメチル−チアゾール−5−イルメトキシ)−フェニル]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
40mg(0.13mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの3mLのテトラヒドロフラン(THF)中の氷冷混合物に、74mg(0.52mmol)の(2,4−ジメチル−チアゾール−5−イル)−メタノール、136mg(0.52mmol)のトリフェニルホスフィン(PPh
3)、続いて0.102mL(0.52mmol)のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)を加え、そしてこの混合物を室温まで温め、そして室温で一晩攪拌した。その後、この反応混合物を濃縮し、そして残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;DCM中10%酢酸エチル)にかけて、
1H−NMRによって示されるような所望する7−シクロヘキシル−6−[4−(2,4−ジメチル−チアゾール−5−イルメトキシ)フェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルを得た;C
25H
25N
5OSについてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:444.18、実測値:444.2。
7−シクロヘキシル−6−[4−(2,4−ジメチル−チアゾール−5−イルメトキシ)フェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの対応するテトラゾール7−シクロヘキシル−6−[4−(2,4−ジメチル−チアゾール−5−イルメトキシ)−フェニル]−3−(1H−テトラゾール−5−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(358)への変換は、他の箇所に記載の手順をとおして行なった。
実施例21:7−シクロヘキシル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−6−[4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−フェニル]−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの合成
53mg(0.17mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの3mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の溶液に、72mg(0.22mmol)の炭酸セシウム(Cs
2CO
3)、続いて、0.034mL(0.22mmol)の3−(トリフルオロメチル)−ベンジル臭化物を加え、そして生じた不均一の混合物を、室温で一晩攪拌した。この反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機抽出物を濃縮して残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;DCM)にかけて、
1H−NMRによって示されるような65mg(収率80%)の所望する7−シクロヘキシル−6−[4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−フェニル]−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルを得た;C
27H
23F
3N
4OについてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:477.18、実測値:477.1。
7−シクロヘキシル−6−[4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−フェニル]−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの対応するテトラゾール7−シクロヘキシル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−6−[4−(3−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)フェニル]−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(331)への変換を、本文書中の他の箇所に記載の手順をとおして行なった。
実施例22:6−ブロモ−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルの合成
3.0g(23.8mmol)のシクロヘキシルメチルケトンと4.56g(26.2mmol)のt−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(Bredereck試薬)との混合物を60℃で一晩攪拌した。その後、この反応混合物を濃縮して、
1H−NMRによって示されるような4.0g(収率93%)の1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−プロペノンをオレンジ色の油状物として得た。この生成物を、これ以上精製せずに次の工程で使用した。
1.18g(6.51mmol)の1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−プロペノンの8mLのジクロロメタン中の氷***液に、1.04g(6.51mmol)の臭素を添加漏斗をとおして一滴ずつ加えた。この反応混合物を、0℃で0.5時間攪拌し、そして10mLのエーテル中の0.9mL(6.51mmol)のトリエチルアミンを一滴ずつ加えた。この混合物を0℃で1時間攪拌し、そして室温まで温めた。この溶液から明るい黄色の固体が沈殿し、そしてこれをろ過により分離させた。その後、ろ液を濃縮して、1H−NMRによって示されるような1.69gの2−ブロモ−1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−プロペノンを茶色の固体として得た。この生成物を、これ以上精製せずに次の工程で使用した。
1.69g(6.50mmol)の2−ブロモ−1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−プロペノンと1.01g(6.50mmol)の3−アミノ−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルの6mLのエタノール中の混合物に、酢酸溶液中の1.0mLの30%臭化水素を加え、そして生じた混合物を還流で1時間加熱した。その後、この反応混合物を室温まで冷却し、そして濃縮して残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン〜ジクロロメタン中25%酢酸エチルでの勾配溶出)にかけて、1H−NMRによって示されるような620mg(2工程にわたって27%)の6−ブロモ−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−α]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルを得た;
C
15H
18BrN
3O
2についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:352.06、実測値:352.0。
実施例23:7−シクロヘキシル−6−(4−メタンスルファニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸および7−シクロヘキシル−6−フラン−3−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
14mg(0.085mmol)の4−メチルスルファニル−フェニルボロン酸、2mg(0.0028mmol)のPd触媒および45mg(0.213mmol)のリン酸カリウムの混合物を、4mLのバイアルに入れた。この混合物に、1.5mLの1,4−ジオキサン中の25mg(0.077mmol)の6−ブロモ−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−α]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルを加え、生じた混合物をアルゴンで洗い、そして80℃(油浴)で一晩攪拌した。その後、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、セライトをとおしてろ過し、そしてエバポレートして(碩学(savant))、残渣(粗製のカップリング生成物)を得た。この残渣を1mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、そして0.5mL(0.5mmol)の1M LiOH溶液で処理し、そして生じた混合物を室温で一晩攪拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析が、この反応が終了していないことを示したので、この混合物を55℃(砂浴)で15分間振とうした。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして1M HCl溶液でpH=2まで酸性化させた。有機層を分離させ、そして濃縮して(碩学)、残渣を得、これを逆相クロマトグラフィー(Gilsonを使用)をとおして精製して、(凍結乾燥後)
1H−NMRによって示されるような14mg(全体収率56%)の7−シクロヘキシル−6−(4−メチルスルファニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(472)を固体として得た;C
20H
21N
3O
2SについてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:368.14、実測値:368.2。
同じ実験手順を使用して、7−シクロヘキシル−6−フラン−3−イル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(465)を合成し、これを、1H−NMRによって示されるような固体として得た;C17H17N3O3についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:312.13、実測値:312.1。
実施例24:7−シクロヘキシル−6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸および7−シクロヘキシル−6−(4−メタンスルフィニル−フェニル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸の合成
14mg(0.038mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−メチルスルファニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸の2mLのクロロホルム中の濁った溶液に、9mg(1.5当量)のm−クロロ過安息香酸(mCPBA)を加え、そしてこの濁った溶液が透明になった。室温で5分間の攪拌の後、TLCが出発物質の消滅を示したので、この混合物を残渣まで濃縮し、これを逆相クロマトグラフィー(Gilsonを使用)をとおして精製して、(凍結乾燥後)10mg(収率69%)の7−シクロヘキシル−6−(4−メタンスルフィニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(491)をLC−MSが示すような(C
20H
21N
3O
3Sについての[M
++H]
+ 計算値:384.13、実測値:384.2)固体として得た。
2.2当量のmCPBAで同じ実験手順を行った場合、7−シクロヘキシル−6−(4−メタンスルホニル−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(493)が得られたことに注意されたい。
実施例25:2−{[7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオン酸
別のセクションで先に記載したSuzuki反応をとおして7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(461)を得た。この化合物に関する分析データを以下に示す。
C
19H
18FN
3O
2についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:340.15;実測値: 340.1。
15.0mg(0.044mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−α]ピリミジン−3−カルボン酸の2mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の溶液に、0.019mL(0.132mmol)のジイソプロピルエチルアミン(DlEA)、ジメチルアミノピリジン(DMAP cat)の少量の結晶、17.4mg(0.053mmol)のH−Tyr(tBu)−OtBu.HCl、続いて、20mg(0.053mmol)のHATUを加え、生じた混合物を室温で一晩攪拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.1N水酸化ナトリウム溶液(2回)およびブラインで洗浄した。分離させた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、3−(4−tert−ブトキシ−フェニル)−2−{[7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルを得、これを次の工程でこれ以上精製せずに使用した。
粗製の3−(4−tert−ブトキシ−フェニル)−2{[7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−α]ピリミジン−3−カルボニル]−アミノ}−プロピオン酸tert−ブチルエステルを、1mLの95:5のトリフルオロ酢酸(TFA):H2Oで処理し、そして生じた溶液を室温で1時間攪拌した。その後、この反応混合物を、2mLの1:1のアセトニトリル:水でクエンチングし、濃縮し、そして残渣を、逆相クロマトグラフィーをとおして精製して、(凍結乾燥後)1H NMRによって示されるような10mg(2工程にわたって収率45%)の所望する2−{[7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオン酸(505)を固体として得た;C28H27FN4O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:503.2;実測値:503.2。
メチルもしくはエチルエステルが使用された場合、必要なカルボン酸を生成するために第二の脱保護の工程である典型的な水性LiOH媒介の鹸化が使用されたことに注意されたい。
実施例26:N−[7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル]−C−フェニル−メタンスルホンアミドの合成
20mg(0.059mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−α]ピリミジン−3−カルボン酸の2mLのジクロロメタン(DCM)中の溶液に、DMAP(cat)の少量の結晶、12mg(0.071mmol)のトルエンスルホンアミド、続いて0.071mL(0.071mmol)の1M ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)のDCM中の溶液を加えた。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、濃縮し、そして生じた残渣を逆相クロマトグラフィー(Gilson)によって精製して、(凍結乾燥後)
1H NMRによって示されるような15mg(収率51%)の所望するN−[7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−α]ピリミジン−3−カルボニル]−C−フェニル−メタンスルホンアミド(533)を固体として得た;C
26H
25FN
4O
3SについてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:493.16;実測値:493.1。
実施例27:6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−ブロモ−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の合成
0.718g(1.97mmol)の2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−プロペノンと0.28g(1.97mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステルとの20mLの酢酸(HOAc)中の溶液を、還流で一晩加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして濃縮して残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の5%酢酸エチル)にかけて、
1H NMRによって示されるような0.643g(収率74%)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルをベージュ色の固体として得た。
50mg(0.113mmol)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルの2mLのジクロロメタン(DCM)中の氷***液に、21mg(0.118mmol)のN− ブロモスクシンイミド(NBS)の1mLのDCM中の溶液を加え、そして生じた混合物を室温まで温め、そして室温で一晩攪拌した。この反応混合物を濃縮して残渣を得、これを、シリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中5%酢酸エチル)にかけて、1H NMRによって示されるような7mg(収率11%)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−ブロモ−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルを無色の油状物として得た(純度90%);C27H26BrN3O3についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:520.12、実測値:520.0。
先に記載した手順を使用して6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−ブロモ−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルのカルボン酸(477)への鹸化を行った。
実施例28:[6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−メタノールの合成
4.37g(12mmol)の2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−プロペノンと1.0g(12mmol)の1H−ピラゾール−3−イルアミンの40mLの酢酸(HOAc)中の溶液を還流で一晩攪拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして濃縮してベージュ色の固体残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%酢酸エチル)にかけて、
1H NMRによって示されるような3.38g(収率74%)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを白色固体として得た。
300mg(0.78mmol)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの2mLのジメチルホルムアミド(DMF)および1mLのジクロロメタン(DCM)中の氷***液に、0.085mL(0.9 mmol)のオキシ塩化リン(POCl3)を加え、そして生じた混合物を室温まで温め、そして室温で4時間攪拌し、この時、薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析は、出発物質の生成物への完全変換を示した。この反応混合物を氷水中に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、1H NMRによって示されるような335mgの6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルバルデヒド(436)をベージュ色の固体として得た;C26H25N3O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:412.19、実測値:412.1。
4.4mg(0.115mmol)の水素化ほう素ナトリウム(NaBH4)の2mLのメタノール(MeOH)中の攪拌溶液に、35mg(0.104mmol)の6−(4− ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルバルデヒドの3mLのテトラヒドロフラン(THF)中の溶液を加え、そして生じた混合物を室温で30分間攪拌し、この時、TLCによる分析は、出発物質の生成物への完全変換を示した。飽和した塩化アンモニウム溶液を加えることによって、この反応混合物をクエンチングし、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、(凍結乾燥後)1H NMR(微量の出発物質を含む)によって示されるような20mg(収率47%)の[6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−メタノール(479)を白色固体として得た(収率85%);C26H27N3O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:414.21、実測値:414.2。
実施例29:シクロプロパンカルボン酸[6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−アミドおよびエタンスルホン酸[6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−アミドの合成
25mg(0.109mmol)の硝酸銅(II)二水和物(Cu(NO
3)
2−2.5 H
2O)の1.5mLの酢酸および3mLの無水酢酸中の混合物に、40mg(0.104mmolの6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを35℃で少しずつ加え(15分にわたって)、そして生じた混合物を35℃で一晩攪拌した。この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、そして0.1N水酸化ナトリウム溶液、水およびブラインで洗浄した。有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、43mgの紫色の残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;ジクロロメタン)にかけて、
1H NMRによって示されるような18mg(41%)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンをオフホワイト色の固体として得た(純度90%);C
25H
24N
4O
3についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:429.18、実測値:429.2。
18mg(0.042mmol)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−3−ニトロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンの3mLの酢酸エチル(EtOAc)中の溶液に、40mg(0.21mmol)の塩化スズ(II)(SnCl2)を加え、そして生じた混合物を80℃でアルゴン下で8時間攪拌し、この時、TLCによる分析は、75%のみの出発物質の生成物への変換を示した。したがって、40mg(0.21mmol)の塩化スズ(II)(SnCl2)を加え、この反応混合物を80℃で8時間加熱し、この時、TLCによる分析は、出発物質の生成物への完全変換を示した。この混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和した炭酸水素ナトリウム溶液、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、(凍結乾燥後)1H NMRによって示されるような6mg(収率36%)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミンを黄色の固体として得た;C25H26N4OについてのLC−MS [M++H]+ 計算値:399.21、実測値:399.2。
30mg(0.075mmol)の6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イルアミンの2mLのアセトニトリル(CH3CN)中の溶液に、0.018mL(0.225mmol)のピリジン(pyr)、続いて16mg(0.2mmol)のシクロプロピルカルボニル塩化物もしくは19mg(0.15mmol)のエタンスルホニル塩化物、および1mgのジメチルアミノピリジン(DMAP)を加え、そして生じた混合物を60℃で一晩攪拌した。LC−MSによる分析が、生成物の形成を示したので、この反応混合物を濃縮して残渣を得、これを逆相クロマトグラフィーをとおして精製して、(凍結乾燥後)17mg(収率49%)のシクロプロパンカルボン酸[6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−イル]−アミド(415)を黄色の固体として、もしくは17mg(収率46%)のエタンスルホン酸[6(4−ベンジルオキシ−フェニル−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]−ピリミジン−3−イル]−アミド(421)を黄色の固体として得た。C29H30N4O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:467.24、実測値:467.2;C27H30N4O3SについてのLC−MS [M++H]+ 計算値:491.2、実測値:491.2。
実施例30:2−{[7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオン酸の合成
1.04(4mmol)の2−ブロモ−1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−プロペノンと0.676g(4mmol)の5−アミノ−3−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸エチルエステルの10mLのエタノール中の溶液に、酢酸溶液中の0.65mLの30%臭化水素を加え、そして生じた混合物を還流で1時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして濃縮して、茶色の残渣を得、これを、ヘキサン中30%酢酸エチルとともに音波破砕して、沈殿物を得、これをろ過し、その後、酢酸エチルで2回洗浄した。合わせた有機抽出物をエバポレートして、1.32gのオレンジ色の固体を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン、続いてジクロロメタン中2%〜10%酢酸エチルでの勾配溶出)にかけて、
1H NMRによって示されるような0.756g(52%)の6−ブロモ−7−シクロヘキシル−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルを黄色の固体として得た;C
16H
20BrN
3O
2についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:366.07、実測値:366.1。
187mg(0.5mmol)の6−ブロモ−7−シクロヘキシル−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステル、105mg(0.75mmol、1.5当量)の4−フルオロフェニルボロン酸、20mg(0.025mmol、5mol%)のPd触媒および318mg(1.5mmol、3当量)のリン酸カリウムの混合物を回転チューブ内に入れた。真空およびアルゴンサイクルの後、1,4−ジオキサン(7mL)を加え、そして生じた混合物を80℃でアルゴン下で14時間加熱した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、小さいセライトのパッドをとおしてろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして茶色の残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2%、5%〜10%酢酸エチルでの勾配溶出)にかけて、1H NMRによって示されるような0.178g(94%)の7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルを、オフホワイト色の固体として得た;C22H24FN3O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:382.19、実測値:382.1.
178mg(0.46mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸エチルエステルの9mLのテトラヒドロフラン中の溶液に、2.8mL(2.8mmol)の1M LiOH溶液を加え、そしてこの混合物を還流で15時間加熱した。TLCによる分析が、出発物質がまだ存在していることを示したので、2.8mL(2.8mmol)の1M LiOH溶液を加え、そして還流を60時間続けた。その後、この反応混合物を室温まで冷却し、濃縮し、そして水で希釈し、10%HCl溶液でpH=2まで酸性化させ、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、1H NMRによって示されるような156mg(収率96%、純度90%)の7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸(515)をベージュ色の固体として得た;C20H20FN3O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:354.15、実測値:354.2。
36mg(0.1mmol)の7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボン酸の2mLのジメチルホルムアミド中の溶液を0℃まで冷却した。上記の冷却溶液に、0.053mL(0.3mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、続いて38mg(0.1mmol)のHATU、および37mg(0.11mmol)の2−アミノ−3−(4−tert−ブトキシ−フェニル)−プロピオン酸tert−ブチルエステルおよび4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)の少量の結晶を加え、そして生じた混合物を室温まで温め、そして室温で一晩攪拌した。その後、この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.1N NaOH溶液、水、およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして残渣を得、これを、2mLの95:5 トリフルオロ酢酸(TFA):水で処理し、そして室温で2.5時間攪拌した。10mLの1:1アセトニトリル:水の溶液を加えることによってこの混合物をクエンチングし、そして濃縮して残渣を得、これを逆相クロマトグラフィー(Gilsonを使用)によって精製して、(凍結乾燥後)1H NMRによって示されるような8mg(2工程にわたって16%)の2−{[7−シクロヘキシル−6−(4−フルオロ−フェニル)−2−メチル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオン酸を白色固体として得た(純度92%、エントリー517)(C29H29FN4O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:517.22;実測値:517.2)。
実施例31:4’−クロロ−2−{4−[7−シクロヘキシル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル]−フェノキシメチル}−ビフェニル−4−カルボン酸の合成
250mg(1.09mmol)の4−ブロモ−3−メチル−安息香酸メチルエステル、204mg(1.31mmol)の4−クロロフェニルボロン酸、1.06g(3.27mmol)の炭酸セシウム(Cs
2CO
3)およびPdCl
2(dppf)触媒(5mol%)の混合物をアルゴンで洗った。この混合物に、3mLの1,4−ジオキサンを加え、そしてこの反応混合物を80℃で一晩加熱した。その後、この混合物を室温まで冷却し、そしてセライトのパッドをとおしてろ過した(この間、このパッドを酢酸エチルでリンスする)。ろ液をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ヘキサン中5%酢酸エチル)にかけて、
1H NMRによって示されるような191mg(67%)の所望する4’−クロロ−2−メチル−ビフェニル−4−カルボン酸メチルエステルを油状物として得た;C
15H
13ClO
2についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:261.07、実測値:261.1。
191mg(0.73mmol)の4’−クロロ−2−メチル−ビフェニル−4−カルボン酸メチルエステルの4mLの四塩化炭素(CCl4)中の溶液に、9.7mg(0.04mmol)の過酸化ベンゾイル、続いて124mg(0.696mmol)のN−ブロモスクシンイミド(NBS)を加え、そしてこの反応混合物を還流で6時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、ジクロロメタンで希釈し、そして水およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、132mg(53%)の2−ブロモメチル−4’−クロロ−ビフェニル−4−カルボン酸メチルエステルを油状物として得、これを次の工程でこれ以上精製せずに使用した。
7−シクロヘキシル−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−3−カルボニトリルの2−ブロモエチル−4’−クロロ−ビフェニル−4−カルボン酸メチルエステルでのアルキル化を、炭酸セシウムを使用し、先に記載した実験手順に従って、ジメチルホルムアミド(DMF)中で行なって、4’−クロロ−2−[4−(3−シアノ−7−シクロヘキシル−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−フェノキシメチル]−ビフェニル−4−カルボン酸メチルエステルを得た。先に記載した手順をとおして、この化合物をその対応するテトラゾール4’−クロロ−2−{4−[7−シクロヘキシル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル]−フェノキシメチル}−ビフェニル−4−カルボン酸メチルエステル(475)へ変換した。最終的に、標準的なLiOH鹸化のプロトコルにしたがって、4’−クロロ−2−{4−[7−シクロヘキシル−3−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル]−フェノキシメチル}−ビフェニル−4−カルボン酸(490)を得た。
実施例32:5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の合成
5.0g(21.9mmol)の4−ベンジルオキシ−安息香酸の25mLのジクロロメタン(DCM)中の混合物に、10mL(114mmol)の塩化オキサリル、続いて5μLのジメチルホルムアミド(DMF cat)を一滴ずつ加え、そしてこの反応混合物を還流で3時間加熱し、そして濃縮して、
1H NMRによって示されるような5.32g(98%)の所望する4−ベンジルオキシ−塩化ベンゾイルを黄色の固体として得た。この生成物を、これ以上精製せずに次の工程で使用した。
0.35mL(2.5mmol)のジイソプロピルアミン(iPr2NH)の7mLのテトラヒドロフラン(THF)中の溶液を、アルゴンで洗い、そして−78℃まで冷却した。この溶液に、ヘキサン中の1mL(2.5mmol)のn−ブチルリチウム(nBuLi)の2.5M溶液を一滴ずつ加え、そして生じた混合物を−78℃で20分間攪拌し、その後、0.33mL(2mmol)の酢酸シクロヘキシルメチルを一滴ずつ加えた。この混合物を室温まで40分にわたって温め、その後、これを再び−78℃まで冷却し、そして0.592g(2.4mmol)の4−ベンジルオキシ−塩化ベンゾイルの8mLのTHF中の溶液を一滴ずつ加え、そして生じた混合物を室温まで温め、そしてアルゴン下で室温で一晩攪拌した。氷上で飽和した塩化アンモニウム溶液を加えることによって、この反応混合物をクエンチングし、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して、0.83gの黄色の固体残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;ジクロロメタン中25%ヘキサン)にかけて、1H NMRによって示されるような0.306g(収率42%)の所望する3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−シクロヘキシル−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステルを白色固体として得た;C23H26O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値367.18、実測値:367.2。
274mg(0.747mmol)の3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−シクロヘキシル−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステル、106mg(0.747mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル、15mg(10mol%)のp−トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)および10mLのトルエンの混合物を還流で88時間加熱した。その後、この反応混合物を残渣まで濃縮し、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;勾配溶出 ジクロロメタン中2%〜20%酢酸エチル)にかけて、1H NMRによって示されるような55mg(収率16%)の所望する5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルを固体として得た;C27H27N3O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:458.2、実測値:458.2。
その後、周知のLiOH鹸化のプロトコルをとおして、この物質を5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸に変換した(収率55%、エントリー538);C26H25N3O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:444.18、実測値:444.2。
実施例33:5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オンの合成
封をしたチューブ内の1.0g(7mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステルの10mLのメタノール(MeOH)中の溶液を、アンモニア(NH
3)で飽和させ、そしてこの封をしたチューブの混合物を室温で一晩攪拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析が、この反応がまだ完了していないことを示したので、この混合物を80℃で1日加熱した。その後、この反応混合物を冷却し、封をしたチューブを開封し、溶媒をエバポレートして、
1H NMRによって示されるような0.9gの所望する5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸アミドを得た;C
4H
6N
4OについてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:127.05、実測値:127.2。
3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−シクロヘキシル−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステルの調製は、本文書の他の箇所に記載されている。
1.0g(2.7mmol)の3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−2−シクロヘキシル−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステル、340mg(2.7mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸アミド、51mg(10mol%)のp−トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)および15mLのトルエンの混合物を還流で72時間加熱した。その後、この反応混合物を残渣まで濃縮し、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;勾配溶出 ジクロロメタン中15%酢酸エチル〜ジクロロメタン中6%メタノール)にかけて残渣を得、これを逆相クロマトグラフィー(Gilson)をとおしてさらに精製して、(凍結乾燥後)1H NMRによって示されるような22mg(収率2%)の所望する5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸アミドを得た;C26H26N4O3についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:443.2、実測値:443.2。
22mg(0.05mmol)の5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸アミドの1mLのジクロロメタン(DCM)中の混合物に、0.04mL(0.3mmol)のトリエチルアミン(Et3N)を加え、そして生じた混合物を氷浴中で冷却した。その後、0.021mL(0.15mmol)のトリフルオロ無水酢酸((CF3CO)2O)を加え、この間、この混合物は均一になり、そして2.5時間攪拌した。水を加えることによってこの反応混合物をクエンチングし、残渣まで濃縮して、これを逆相クロマトグラフィーをとおして精製して、(凍結乾燥後)3mg(収率14%)の所望する5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニトリルを得た。C26H24N4O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:425.19、実測値:425.2。
その後、先に記載した(アジ化ナトリウム、トリエチルアミン塩酸塩)実験手順をとおして、この物質を対応するテトラゾール5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−オン(551)に変換した(収率54%);C26H25N7O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:468.21、実測値:468.2。
実施例34:5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−メトキシ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の合成
22mg(0.048mmol)の5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルの3mLのテトラヒドロフラン(THF)中の氷冷混合物に、0.008mL(0.192mmol)のメタノール(MeOH)、50mg(0.192mmol)のトリフェニルホスフィン(PPh
3)、続いて0.038mL(0.192mmol)のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)を加え、そしてこの混合物を室温まで温め、そして室温で2時間攪拌し、この時、薄層クロマトグラフィー(TLC)による分析が、出発物質の完全消費を示した。その後、この反応混合物を濃縮し、そして残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;勾配溶出 ジクロロメタン(DCM)〜DCM中10%酢酸エチル)にかけて、
1H NMR(微量の不純物を含む)によって示されるような24mgの所望する5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−メトキシ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルを得た。
アルキル化の手順(アセトニトリルを溶媒として硫酸ジメチル)を使用することによって、5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−メトキシ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルもまた得られたことに注意されたい。
周知のLiOH鹸化のプロトコルをとおして、5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−メトキシ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルの対応する酸5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−メトキシ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(329)への変換を行なった;C27H27N3O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:458.2、実測値:458.2。
実施例35:2−{[5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル]アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオン酸の合成
71mg(0.16mmol)の5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の4mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の溶液に、0.053mL(0.48mmol)の4−メチル−モルホリン、14mg(0.164mmol)の5−アミノテトラゾールを加え、続いてこの溶液が黄色に変わった時に100mg(0.192mmol)のPYBOPを加え、そして生じた混合物を室温で41時間攪拌した。この反応混合物を濃縮して残渣を得、これを逆相クロマトグラフィーをとおして精製して、
1H NMRによって示されるような29mg(収率35%)の所望する5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド(540)を固体として得た;C
27H
26N
8O
3についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:511.21;実測値:511.1。
67mg(0.15mmol)の5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の3mLのDMF中の溶液に、0.13mL(0.75mmol)のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、ジメチルアミノピリジン(DMAP cat)の少量の結晶、50mg(0.195mmol)の2−アミノ−3−tert−ブトキシ−プロピオン酸tert−ブチルエステル塩酸塩、続いて74mg(0.195mmol)のHATUを加え、そして生じた混合物を室温で一晩攪拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.1N 水酸化ナトリウム溶液(2回)およびブラインで洗浄した。分離した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して残渣を得、これを3mLの95:5 トリフルオロ酢酸(TFA):水で処理し、室温で2時間攪拌し、そして1:1 アセトニトリル:水を加えることでクエンチングした。生じた混合物を濃縮して残渣を得、これを逆相クロマトグラフィーをとおして精製して、(凍結乾燥後)1H NMRによって示されるような14mg(17%)の所望する2−{[5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル]−アミノ}−3−ヒドロキシ−プロピオン酸(544)を白色固体として得た;C29H30N4O6についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:531.22;実測値:531.2。
実施例36:5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−(2−シクロヘキシル−エチル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸および6−(2−シクロヘキシル−エチル)−5−フラン−3−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の合成
7.0g(175mmol)の水素化ナトリウム(NaH 鉱油中60%分散液)と10.45g(88.5mmol)の炭酸ジエチル(CO(OEt)
2)との100mLのトルエン中の還流混合物に、10g(44.3mmol)の1−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−エタノンの20mLのトルエン中の混合物を添加漏斗をとおして一滴ずつ加え、そして生じた混合物を還流でアルゴン下で1時間加熱した。その後、この反応混合物を0℃まで冷却し、40mLの酢酸を加えることでクエンチングし、この間に黄色の沈殿物が形成され、そしてこれを水を加えて溶解させた。分離された有機層を飽和した炭酸水素ナトリム溶液、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して残渣を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10%へキサン)にかけて、
1H NMRによって示されるような9.2g(収率70%)の所望する3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステルを得た。
2g(6.7mmol)の3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステルの12mLのエタノール中の溶液(完全溶解させるために少し加熱する)に、7mL(7mmol)のカリウムt−ブトキシド(t−ブタノール中KOtBu 1M溶液)を一滴ずつ加え、この間に、沈殿物が形成された。この反応混合物を、室温で20分間攪拌し、その後、ジエチルエーテルを加え、そして沈殿物をろ過によって収集し、エーテルで洗浄し、そして乾燥させて、1H NMRによって示されるような2.2g(収率98%)の所望する3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステルのカリウム塩を得た。
4mLバイアル中の100mg(0.3mmol)の3−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステルのカリウム塩、86mg(0.45mmol)の2−シクロヘキシルエチル臭化物および17mg(0.1mmol)のヨウ化カリウム(KI)の1mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の混合物を、砂浴中で80℃で一晩振とうした。その後、この混合物を濃縮して残渣を得、これを逆相クロマトグラフィー(Gilson)をとおして精製して、(凍結乾燥後)85mg(収率70%)の2−(4−ベンジルオキシ−ベンゾイル)−4−シクロヘキシル−酪酸エチルエステルを固体として得た;C26H32O2についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:409.23、実測値:409.2。
71mg(0.171mmol)の2−(4−ベンジルオキシ−ベンゾイル)−4−シクロヘキシル−酪酸エチルエステル、24mg(0.171mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル、7mg(20mol%)のp−トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)および3mLのクロロベンゼンの混合物を120℃で一晩加熱した。その後、この反応混合物を残渣まで濃縮し、これを逆相クロマトグラフィー(Gilson)をとおして精製して、(凍結乾燥後)所望する5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−(2−シクロヘキシル−エチル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルを固体として得た;C29H31N3O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:486.23、実測値:486.2。その後、周知のLiOH鹸化のプロトコルをとおして、この物質を、5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−(2−シクロヘキシル−エチル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(559)に変換した(2工程にわたって収率10%);C28H29N3O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:472.22、実測値:472.2。
上記のように、同じ合成順序を、市販されている3−フラン−3−イル−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステルから実施して、6−(2−シクロヘキシル−エチル)−5−フラン−3−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(612)を得たことに注意されたい。
実施例37:4−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−安息香酸の合成
文献の手順(J. Org. Chem. 2002年、67、1699−1702)の改変したものにしたがって、2.74g(18mmol)の4−ヒドロキシ−安息香酸メチルエステル、4.9g(27mmol)の酢酸銅(II)(Cu(OAc)
2)、6.84g(36mmol)の3−トリフルオロメチル−フェノキシ−ボロン酸、2.92mL(36mmol)のピリジン(pyr)および120mLのDCMのアクアグリーン色の混合物を、空気にさらした状態で室温で68時間攪拌した。この反応混合物をセライトをとおしてろ過し、その間、このセライトパッドを酢酸エチルおよびクロロホルムでリンスした。合わせた有機ろ液を、緑色固体の残渣まで濃縮し、これを酢酸エチルと水とに分配し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を水(3回)、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして、4.6gの茶色の残渣を得、これを、シリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;1:1 ヘキサン:DCM)にかけて、
1H−NMRおよび
19F−NMRによって示されるような3.56(収率67%)の所望する4−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−安息香酸メチルエステルを薄い黄色の油状物として得た;C
15H
11F
3O
3についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:297.07、実測値:297.1。
3.56g(12mmol)の4−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−安息香酸メチルエステルおよび15mL(60mmol)の45mLのテトラヒドロフラン中の4N水酸化ナトリウム(NaOH)溶液および15mLのメタノール(MeOH)の混合物を50℃で25時間加熱し、この時、薄層クロマトグラフィーによる分析は、出発物質の生成物への完全変換を示した。この反応混合物を濃縮し、そしてフラスコを氷浴中に入れたままで2N HCl溶液で酸性化させ、この時、白色沈殿物が形成された。固体をろ過し、そして乾燥させて、1H NMRおよび19F−NMRによって示されるような3.02g(89%)の所望する4−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−安息香酸を白色固体として得た。
上記のスキームに記載のように、4−(3−トルフルオロメチル−フェノキシ)−安息香酸から出発して、5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(538)の合成について記載した変換を介して6−シクロヘキシル−7−オキソ−5−[4−(3−トリフルオロメチル−フェノキシ)−フェニル]4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(543)の合成を行なった。エントリー543に関して:C26H22F3N3O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:498.16、実測値:498.1。
実施例38:6−シクロヘキシル−7−オキソ−5−[4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−フェニル]−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の合成
2.28g(15mmol)の4−ヒドロキシ−安息香酸メチルエステルの30mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の溶液に、5.38g(16.5mmol)の炭酸セシウム(Cs
2CO
3)、続いて2.75mL(18mmol)の3−(トリフルオロメチル)−ベンジルブロミドを加え、そして生じた不均一の混合物を室温で一晩攪拌した。この反応混合物をろ過し、そして濃縮し、水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機抽出物を水およびブラインで洗浄し、そして濃縮して、
1H NMRおよび
19F−NMR(微量の3−(トリフルオロメチル)−ベンジルブロミド残渣を含む)によって示されるような4.75gの所望する4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−安息香酸メチルエステルを得た。
この生成物を、6−シクロヘキシル−7−オキソ−5−[4−(3−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−フェニル]−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(545)の合成の際にこれ以上精製せずに使用し、これは上記のスキームに記載のように、5−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の合成に関して先に記載された標準的な変換を介して行なった。
実施例39:6−シクロヘキシル−5−[4−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−イル)−フェニル]−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸、5−(4−ベンジル−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸および5−(4−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の合成
上記の順序の生成物を、4−ブロモ−フェニル基が2−フリル基によって置き換えられた関連中間体を調製するために使用された手順と同じ実験手順にしたがって合成した。このアリールブロミド化合物を、合成中間体として使用し、これは、以下の代表的な反応のいくつかを使用して変換された。
42mg(0.1mmol)の5−(4−ブロモ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル、21mg(0.15mmol)の3,5−ジメチル−イソキサゾールボロン酸、7.3mg(0.01mmol)のPd触媒および63mg(0.3mmol)のリン酸カリウムの1mLの1,4−ジオキサン中の混合物を、砂浴中で95℃で一晩振とうした。その後、この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、小さいセライトのパッドをとおしてろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして残渣を得、これを逆相クロマトグラフィー(Gilson)をとおして精製して、LC−MSによって示されるような所望する6−シクロヘキシル−5−[4−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−イル]−フェニル]−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルを固体として得た;C
25H
26N
4O
4についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:447.19、実測値:447.3。その後、この物質を、周知のLiOH鹸化のプロトコルをとおして6−シクロヘキシル−5−[4−(3,5−ジメチル−イソキサゾール−4−イル)−フェニル]−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(591)に変換した(2工程にわたって収率37%);C
24H
24N
4O
4についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:433.18、実測値:433.1。
文献の手順(Suzuki, A.ら、Tetrahedron Lett. 1986年、27、6369−6372)の改変したものにしたがって、43mg(0.1mmol)の5−(4−ブロモ−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステル、7.3mg(0.01mmol)のPd触媒、THF中の0.4mL(0.2mmol)のB−ベンジル−9−BBNの0.5M溶液および63mg(0.3mmol)のリン酸カリウムの混合物をアルゴンで浄化し、1mLの1,4−ジオキサンを加え、そして生じた混合物を、砂浴中で80℃で一晩振とうした。その後、この反応混合物をジクロロメタンで希釈し、小さいセライトのパッドをとおしてろ過し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして残渣を得、これを逆相クロマトグラフィー(Gilson)をとおして精製して、LC−MSによって示されるような所望する5−(4−ベンジル−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルを固体として得た;C27H27N3O3についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:442.21、実測値:442.2。この物質を、LiOH鹸化をとおして5−(4−ベンジル−フェニル)−6−シクロヘキシル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(581)に変換した。(2工程にわたって収率33%);C26H25N3O3についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:428.19、実測値:428.2。
実施例40:6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸および6−シクロヘキシル−5−(3−フルオロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の合成
0.92g(23mmol)の水素化ナトリウム(鉱油中NaH60%分散液)(前もってヘキサンで洗浄し、そして真空下で乾燥させた)の25mLの1,2−ジメトキシエタン(DME)中の氷冷懸濁液に、0.9g(5.76mmol)のメチルシクロヘキシルアセテートを加え、そして生じた混合物を0℃で20分間攪拌した。その後、1.2g(8.56mmol)のエチル2−フロエートを加え、そしてこの反応混合物を還流で一晩加熱した。その後、この混合物を0℃まで冷却し、1M HCl溶液を加えることによってpH=3までクエンチングし、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して茶色の油状物を得、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(Biotage;ジクロロメタン中10%ヘキサン)にかけて、
1H NMRによって示されるような1.1g(収率76%)の所望する2−シクロヘキシル−3−フラン−2−イル−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステルを得た。
1.1g(4.4mmol)の2−シクロヘキシル−3−フラン−2−イル−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステル、0.592g(4.2mmol)の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル、76mg(0.4mmol、10mol%)のp−トルエンスルホン酸一水和物(PTSA)および50mLのクロロベンゼンの混合物を120℃で一晩加熱した。その後、この反応混合物を残渣まで濃縮し、これをシリカゲルのクロマトグラフィー(ジクロロメタン中7%メタノール)にかけて、1H NMRによって示されるような0.46g(収率32%)の所望する6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルを得た;C18H19N3O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:342.14、実測値:342.3。
周知のLiOH鹸化のプロトコルをとおして、6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸メチルエステルの6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(595)への変換を行ない、ここで収率は77%であった。C17H17N3O4についてのLC−MS [M++H]+ 計算値:328.13、実測値:328.1。
6−シクロヘキシル−5−(3−フルオロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(598)を得るために3−フルオロ−安息香酸メチルエステルについて上で述べた合成スキームと同じ合成スキームを行なったことに注意されたい;環化収率は僅かに向上した(54%)。
実施例41:2−[(6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(1H−インドール−2−イル)−プロピオン酸の合成
8.2mg(0.025mmol)の6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の2mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の溶液に、0.009mL(0.05mmol)のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、ジメチルアミノピリジン(DMAP cat)の少量の結晶、7mg(0.027mmol)のL−トリプトファンメチルエステル塩酸塩、続いて11mg(0.03mmol)のHATUを加え、そして生じた混合物を室温で一晩攪拌した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、0.1N水酸化ナトリウム溶液(2回)およびブラインで洗浄した。分離させた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして濃縮して残渣を得、これを逆相クロマトグラフィー(Gilson)によって精製して、所望する2−[(6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(1H−インドール−2−イル)−プロピオン酸メチルエステル(606)を得た。その後、周知のLiOH鹸化のプロトコルをとおして、この化合物を2−[(6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル)−アミノ]−3−(1H−インドール−2−イル)−プロピオン酸(599)に変換した(2工程にわたって収率39%);C
28H
27N
5O
5についてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:514.2;実測値:514.2。
この一連のほとんどのアミドに関してこのプロトコルを使用したが、しかしながら、いくつかの場合においての便宜上、以下のような異なるアミド化のプロトコルが使用されたことに注意されたい:酸のテトラヒドロフラン(THF)中の溶液に、4当量のアミン(R−NH2)、続いて2当量の1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)および4当量のPS−カルボジイミド樹脂を加え、そして生じた混合物を、室温で一晩攪拌した。その後、この反応混合物を、4当量のMP−カルボネート樹脂および4.8当量のPS−TsOHで処理し、そして室温での攪拌を4時間続けた。その後、この混合物をろ過し、そしてTHFで洗浄し、そして合わせたTHF抽出物を濃縮して粗製のカップリング生成物を得た。
第二(脱保護)工程において、メチルもしくはエチルエステル含有するアミン構造のブロックのために典型的な水性LiOH媒介の鹸化を使用し、そしてt−ブチルエステルもしくはエーテルを含有するアミン構造のブロックのために、典型的な95:5 TFA:水の脱保護プロトコルをおこなった。
実施例42:N−(6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル)−C−フェニル−メタンスルホンアミドの合成
20mg(0.06mmol)の6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の2mLのジクロロメタン(DCM)中の溶液に、DMAP(cat)の少量の結晶、12mg(0.071mmol)のトルエンスルホンアミド、続いてDCM中の0.071mL(0.071mmol)の1Mジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)溶液を加えた。この反応混合物を室温で一晩攪拌し、濃縮し、そして生じた残渣を逆相クロマトグラフィー(Gilson)によって精製して、(凍結乾燥後)LC−MSによって示されるような5mg(収率17%)の所望するN−(6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル)−C−フェニル−メタンスルホンアミド(616)を固体として得た。C
24H
24N
4O
5SについてのLC−MS [M
++H]
+ 計算値:481.15、実測値:481.1。N−(6−シクロヘキシル−5−フラン−2−イル−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボニル)−C,C,C−トリフルオロ−メタンスルホンアミド(617)もまたこのプロトコルを使用して合成されたことに注意されたい。
実施例43:HCV RNA−依存性RNAポリメラーゼ活性のアッセイ
概略
ビオチン化オリゴG12プライマーと複合したRNAホモポリマー(polyC)を使用して、シンチレーション近接アッセイ(SPA)によって、HCV RNA−依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)をアッセイした。このプライマーは、変性およびアニーリングプロセスを伴わずに、テンプレートに直接加えられ得る。このアッセイは、[3H]標識されたGTPのPolyGへの取り込みを特異的に測定する。ビオチン化G12は、ストレプトアビジンコーティングされたSPAビーズによる[3H]標識された生成物の捕捉を可能にする。
このアッセイにおいて使用されたHCV NS5B RdRpを、C−末端(これは、21個のアミノ酸の疎水性ドメインを含む)からの55個のアミノ酸部分の除去によって改変した。このHCV NS5B RdRpタンパク質を、E. coli内で発現されるポリヒスチジン(His6)融合タンパク質のように精製し、その後、このHis−タグを特異的タンパク分解によって除去した。
このアッセイを、室温(約22℃)で96ウェルプレート中で50分間行なった。あらかじめインキュベートする必要はなかった。酵素を、テスト化合物の存在下または非存在下で、RNA基質に加えることによってこの反応を開始させた。この反応を停止させるために、100mM EDTAで補充された50μlの10mg/mLのストレプトアビジンコーティングされたSPAビーズを各ウェルに加え、そしてこのプレートを室温で15分間振とうすることによってインキュベートした。採取およびろ過による洗浄の後、TopCountのシンチレーション/蛍光カウンターを使用して各ウェルの放射能を測定した。
このアッセイの条件は: 20mM Hepes pH 7.3、7.5mM DTT、20ユニット/mL RNasin、0.5ug/mLオリゴ(G)12、5μg/mL Poly(C)、0.5μM GTP、1μCi/mL 3H−GTP、10mM MgCl2、60mM NaCl、100μg/mL BSA、6nM NS5B CT55酵素中で室温で50分間インキュベートされた50μlの反応容積である。
材料
RNAテンプレート:
5mg/mLのストック溶液を、20mM Hepes pH 7.3中に調製した。緩衝液(4mL)を、5mgのポリシチジル酸[Sigma、#P4903]に加え、そしてこの溶液について、OD
260における吸光度をチェックし、そして1のOD
260=40μg/mLの変換を使用して定量した。その後、この溶液を緩衝液中に5mg/mLで収集し、アリコートにし、そして−80℃で貯蔵した。
RNAプライマー:
0.5mg/mLのプライマーのストック溶液を、20mM Hepes pH 7.3中に調製した。この溶液について、OD260における吸光度をチェックし、そして1のOD26=32μg/mLの変換を使用して定量し、その後、アリコートにし、そして−80℃で貯蔵した。
GTP基質:
ストック溶液(2mM)を、20mM Hepes pH 7.3中に調製し、その後、アリコートにし、そして−80℃で貯蔵した。
NS5BΔCT55 RdRp:
HCV NS5BΔCT55(1b BK株より)を、E.coli内で発現されるポリヒスチジン(His6)融合タンパク質のように精製した。このタンパク質を、C−末端(これは、21個のアミノ酸の疎水性ドメインを含む)からの55個のアミノ酸部分の除去によって改変し、そしてHis6−タグをタンパク質にC−末端において融合させた。精製の後、このHis−タグを特異的タンパク分解によって除去した。このタンパク質のM.W.は60323である。希釈標準ストック(working stock)のために、酵素を、1:10の53μMから5.4μMまで希釈し、その後アリコートにし、そして−80℃で貯蔵した。6nMの酵素が各反応に必要であった。
酵素貯蔵緩衝液:
25mM Hepes(pH7.5)、5mM DTT、0.6M NaCl、15%グリセロール、0.1%オクチルグルコシド、2mg/Lロイペプチン、100μM PMSF。
この緩衝液を−20℃で貯蔵した。
酢酸亜鉛コントロールインヒビター:
酢酸亜鉛の50×のストック溶液を、16、8、4および2mMで100%DMSO中に作成した。このストックを4℃で貯蔵した。
フィルタープレート洗浄緩衝液:
200mLの20×SSC緩衝液および80mLの1M Hepes pH 7.3を、milli−QR水(milli−QR water)中で4リットルまでにした。この溶液を室温で貯蔵した。
アッセイ手順
テスト化合物の希釈
100%DMSO中に1mg/mLの濃度でストック溶液を調製した。96ウェルのポリプロピレンのマイクロプレート[Nunc]中に、マルチチャンネルピペッターを使用して化合物を以下のように連続希釈した:
(1)列B、EおよびHには、15μl DMSOを入れ;列C、D、FおよびGには、20μl DMSOを入れた。12種の化合物を希釈していない状態で列Aに入れ、その後、5μlの各化合物を、列Aから列Bに移し、10〜12回粉砕して混合した。その後、さらに5μlを列Bから列C、そして同じようにして列Hまで移動させて、ストックの7種の連続希釈物を生成した。
(2)1μlの各希釈物(50×)を、以下に記載のようにアッセイプレート中に移して、最終濃度を20μg/mL、5μg/mL、1μg/mL、0.2μg/mL、0.05μg/mL、0.01μg/mL、0.002μg/mLおよび0.0005μg/mLにした。
アッセイのセットアップ:1枚のプレート
酵素/RNA混合物(総計700μl、5μl/反応)
660μlの1×緩衝液
7μlの5mg/mL テンプレート polyC
7μlの0.5mg/mL プライマー オリゴG12
3.5μlの40U/μl RNAsin
10μlの1M DTT
8μlの5.3μM 酵素(6nMの最終に対して10×)
ヌクレオチド混合物(総計2mL、20μl/反応):
2.0mLの1×緩衝液
30μlの1M DTT
5μlの1mCi/mL [3H]−GTP
1.3μlの2mM 非標識GTP
反応混合物:
24μlの1×緩衝液
20μlのヌクレオチド混合物
1μlの化合物
5μlの酵素
プロトコル
(1) 24μlの1×緩衝液を、96ウェルプレート(FalconからのマイクロテストU底組織培養プレート(Microtest U Bottom Tissue Culture Plate))の各ウェルに入れた。
(2) 添加のために、1×緩衝液、DTT、非標識のGTPおよび3H−GTPを混合した。1×緩衝液中の20μlのこのヌクレオチド混合物を各ウェルに加えた。
(3) 酵素/RNAおよびRNA単独のコントロールウェル以外の各ウェルに、1μlの各テスト化合物の希釈物を3連で加えた。このコントロールウェルに、1μlの100%DMSOを加えた。
(4) 酢酸亜鉛コントロールインヒビターの1μlの各ストック溶液を、各ウェルに2連で加えた。使用した50×酢酸亜鉛のストック溶液は、320μM、160μM、80μMおよび40μMの最終濃度に対して16mM、8mM、4mMおよび2mMであった。
(5) 添加のために、1×緩衝液、DTT、RNasin、ビオチン−オリゴ(G)12およびpolyCを混合し、そしてし室温で15分間インキュベートした。酵素を加え、混合し、そして5μlの酵素/RNA/緩衝液混合物を、RNA単一のコントロールウェルを除いた各ウェルに加えた。5μlのRNA/1×緩衝液混合物を、RNA単一のコントロールウェルに加えた。
(6) プレートを小軌道型シェーカー(mini−orbital shaker)(Bellco)上で1分間振とうして、この反応成分を完全に混合させた。プレートを室温(約22℃)で50分間インキュベートした。
(7) 50μlのストレプトアビジンSPAビーズ(100mM EDTAで補充されたMg++およびCa++を有しないPBS中に10mg/mL)を各ウェルに加えることによってこの反応を停止させた。その後、このプレートを(5)のように室温で15分間再び振とうして、ビーズを混合させた。
(8) その後、プレートを採取し、そしてフィルタープレート(PackardからのUnifilter−96 GF/Bホワイトマイクロプレート)に移し、ハーベスター(Tomtec)を使用して、フィルタープレート洗浄緩衝液で洗浄した。プレートを37℃で30分間乾燥させた。乾燥後、粘着性のバッキングテープ(backing tape)(製造業者から提供される)をこのUnifilterプレートの底に塗付した。上部には、TopSealのマイクロプレートシールフィルムで覆った。
(9) TopCountのシンチレーション/蛍光カウンターを使用して各ウェルの放射能を測定した。
本発明のHCV RdRpインヒビターの代表的なデータを表1に示す。
実施例43:HCV NS5B RNA−依存性RNAポリメラーゼに関するハイスループットアッセイ
本発明者らが開発したHCV NS5B RdRpに関するシンチレーション近接アッセイ(SPA)は、ビオチン化オリゴG12プライマーと複合したRNAホモポリマー(polyC)を使用する。このプライマーは、変性およびアニーリングプロセスを伴わずに、テンプレートに直接加えられ得る。このアッセイは、[3H]標識されたGMPのPolyGへの取り込みを特異的に測定する。ビオチン化G12は、ストレプトアビジンコーティングされたSPAビーズによって[3H]標識された生成物の捕捉ができる。
このアッセイにおいて使用されたNS5B酵素である、NS5BCT21−HisおよびNS5BCT55を、E.coli内で発現されるポリヒスチジン(HiS6)融合タンパク質のように精製した。C−末端から21個のアミノ酸疎水性ドメインを除去することによって、このNS5BCT21−Hisタンパク質を改変した。削除した疎水性ドメインを置き換えて、His6−タグをC末端において融合させた。21個のアミノ酸の疎水性ドメインを含むC末端から55個のアミノ酸部分を除去し、そしてN末端においてこのタンパク質にHis6−タグを融合させることによって、NS5BCT55タンパク質を改変した。精製の後、このHis−タグを特異的タンパク分解によって除去した。
このアッセイの基質は、ビオチン化プライマー(オリゴG12)と複合化したRNAホモポリマーテンプレート(polyC)である。[3H]−GTPを、PolyCテンプレートを補足するPolyGに重合する。
このアッセイを、室温(約22℃)で96ウェルプレート中で3時間行なう。あらかじめインキュベートする必要はない。テスト化合物の存在下または非存在下でRNA基質と酵素を混合することによってこの反応を開始させる。EDTAを加えて50mMの最終濃度にして、この反応を停止させる。その後、ストレプトアビジンコーティングされたSPAビーズ(0.5mg)を各ウェルに加える。採取およびろ過による洗浄の後、TopCountのシンチレーション/蛍光カウンターを使用して各ウェルの放射能を測定する。
このアッセイの条件は:20mM Hepes(pH 7.3)、7.5mM DTT、10mM MgCl2、121mM NaCl、100μg/mL BSA、2%DMSO、0.05%グリセロール、5μM GTP、1.0μCi[3H]−GTP、0.25μg poly(C)/0.025μg オリゴ(G)12、1単位のRNaseINおよび0.05μM NS5BDCT21−HisもしくはNS5BDCT55中で、室温で3時間の50μlの反応容積であった。
緩衝液を4℃で貯蔵する。
基質および酵素を−80℃で貯蔵する。
NS5BCT21−His酵素貯蔵緩衝液:
50mM Hepes(pH7.3)、5mM DTT、0.5M NaCl、20%グリセロール、200ng/mlアンチパイン、100ng/mlロイペプチン、50μM PMSF。
緩衝液を−20℃で貯蔵する。
NS5BCT55酵素貯蔵緩衝液:
25mM Hepes(pH7.5)、10mM β−メルカプトエタノール、0.6M NaCl、15%グリセロール、0.1%オクチル−グルコシド(octyl−glucaside)、2mg/Lロイペプチン、100μM PMSF。
緩衝液を−20℃で貯蔵する。
アッセイ手順
(1) 96ウェルプレート(FalconからのマイクロテストU底組織培養プレート)の各ウェルに、9μlのRnaseフリーの水を入れる。
(2) 添加のために、RnaseフリーH2O、5×反応緩衝液(BSAを有する)、DTT、非標識のGTPおよび3H−GTPを混合する。1.25×反応緩衝液中の20μlのこのヌクレオチド混合物を各ウェルに加える。
(3) 添加のために、Rnase−フリーH2O、5×酵素緩衝液(NaClを有する)、DTT、RNaselN、オリゴ(G)12およびpolyCを混合し、そして室温で15分間インキュベートする。酵素を加え、混合し、そして1.25×酵素緩衝液中の20μlの酵素/RNA混合物を、RNA単独のコントロールウェル以外の各ウェルに加える。1.25×酵素緩衝液中の20ulの酵素貯蔵緩衝液/RNA混合物を、RNA単独のコントロールウェルに加える。
(4) 1μlの各テスト化合物[100% DMSO、100μg/ml]を、酵素/RNAおよびRNA単独のコントロールウェル以外の各ウェルに加える。このコントロールウェルには、1μlの100%DMSOを加える。
(5) このプレートを小軌道型シェーカー(Bellco)で1分間緩やかに振とうして反応成分を完全に混合させ、その後、室温で3時間インキュベートした。
(6) 50μlのストレプトアビジンSPAビーズ(0.5mg、100mM EDTAを補充した、Mg++およびCa++を含まない10mg/mL PBS中に再懸濁)を各ウェルに加えて、この反応を停止させる。このプレートを、再び上記のように振とうして、ビーズを混合させ、そして室温で15分間インキュベートする。
(7) その後、このプレートを採取し、洗浄し、そしてハーベスター(Tomtec)を使用してフィルタープレートに移動する。TopCountシンチレーション/蛍光カウンターを使用して各ウェルの放射能を測定する。
前述の発明は、明白さおよび理解の目的のためにある程度詳細に記載されているが、これらの個々の実施形態は、説明的なものであって限定的なものではないとみなされるべきである。本発明および添付する特許請求の範囲の正確な範囲から逸脱することなく形態および詳細において種々の変更がなされ得ることは、当業者によって本開示をよむことで理解される。