JP2009296925A - 茶飲料及びその製造方法並びに通電装置 - Google Patents

茶飲料及びその製造方法並びに通電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】茶飲料に用いられる茶葉抽出物に要求される、アミノ酸類及びカテキン類含量が多く、風味が良好である抽出物を、茶葉から一度の抽出操作により得ることができる茶葉の処理方法、及びその抽出物を使用する茶飲料の提供。
【解決手段】茶葉と液体との混合液を、100℃より低い温度でジュール加熱することにより抽出し、アミノ酸類及びカテキン類含量が、同じ抽出条件での外部加熱による抽出より高濃度であり、風味が良好である抽出物を得ることを特徴とする茶葉の処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、アミノ酸類及びカテキン類含量が、従来の外部加熱による抽出より高濃度である抽出物を得ることを特徴とする茶葉の処理方法、及びその抽出物を使用する茶飲料に関する。更に詳しくは、茶葉と液体との混合液を、100℃より低い温度でジュール加熱することにより、アミノ酸類及びカテキン類含量が、同じ抽出条件での外部加熱による抽出より高濃度であり、風味が良好である抽出物を得ることを特徴とする茶葉の処理方法、及びその抽出物を使用する茶飲料に関する。
茶飲料の分野において、近年茶に含まれる種々の機能性成分の有効性が着目されており、茶成分のテアニン等のアミノ酸類には、リラックス作用、抗ストレス作用があること(日本農芸化学会誌72(2)、19−23(1998)や、カテキン類には、コレステロール上昇抑制作用(特許第1620943号)やα−アミラーゼ活性阻害作用(特開平3−133928号公報)等があることが知られている。
また、アミノ酸類には、テアニンやグルタミン酸など茶の旨味成分として知られているものが多く、茶飲料として、アミノ酸類の含有量が多いものほど高級茶(例えば玉露茶など)とされている。
しかし、アミノ酸類は、従来の茶葉を温水で抽出する方法では、抽出率のピークは50〜60℃であり、それより高温にしても抽出率は向上しない。一方、茶の渋み成分としても知られているカテキン類は、抽出温度が高くなるほど抽出率が向上する。したがって、従来の方法では、一般に抽出温度が低いと、香りや渋みは弱く、旨味やコクが強くなるが、逆に抽出温度が高くなるほど、香りや渋みが強く、旨味やコクは弱くなるといわれている。
さらに、カテキン類が高含量であると渋みが強くなるので、このカテキン類などの渋みを抑制する為にも、アミノ酸類の含有量が多いものが望まれるが、これまでは、アミノ酸類含量を増加させるために、あとからアミノ酸類を添加する方法(特許文献1)や、原料茶葉として特別に栽培されたアミノ酸類高含有量の茶葉を用いる方法(特開2006−87323号公報)などが知られているが、通常の茶葉から一度の抽出操作により、アミノ酸類及びカテキン類含量が多い、すなわち旨味やコクが強く、渋みが少ない風味が良好な抽出物を得る方法は知られていない。
また、茶飲料の原料として用いる抽出物は、抽出される茶成分量が多い、すなわち可溶性固形分が多い(Brix値が大きい)ものが、生産性の上から要請されているが、茶成分の含有量を多くしようとして抽出温度をより高温にすると、カテキン類等の茶成分による好ましくない反応物が生成し、味の変化や析出物を生じることが多くなるなどの問題があった。
このようなことから、今まで、多くの抽出方法が検討され、例えば、溶存酸素を除去した低温の水で抽出する方法(特許文献2)、高温で抽出後、冷水を加えさらに低温で抽出するという二段階で抽出する方法(特許文献3)、逆に、低温で抽出後、抽出残渣を高温で抽出するという二段階で抽出する方法(特許文献4)、抽出時に超音波を照射する方法(特許文献5)などが知られているが、低温抽出は茶葉からの成分が溶出しにくく高温抽出と同等の可溶性固形分を得ようとすると茶葉を多く使用したり抽出時間を長くしたりしなくてはならないという問題があり、二段階抽出法は作業効率に問題があり、工業的に超音波を照射しながら抽出する方法では、満足が得られる茶製品の製造は実現されていない。また、薬草や茶葉の抽出にジュール加熱を用いる方法も知られている(特許文献6)が、そこでは、迅速な抽出を目的に、加圧下100℃以上の高温での抽出が例示されているだけである。
特開2006−42728号公報 特開2000−50799号公報 特開平6−303904号公報 特許第3590027号公報 特開平8−103220号公報 特開平2006−223531号公報
本発明は、茶飲料に用いられる茶葉抽出物に要求される、アミノ酸類及びカテキン類含量が多く、風味が良好である抽出物を、茶葉から一度の抽出操作により得ることができる茶葉の処理方法、及びその抽出物を使用する茶飲料を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、アミノ酸類及びカテキン類含量が多く、風味が良好である、Brix値が大きい抽出物を、茶葉から一度の抽出操作により得ることができる茶葉の処理方法、及びその抽出物を使用する茶飲料、さらには、その抽出物を乾燥、または濃縮後乾燥して得られる粉末茶を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、茶葉と液体との混合液を、100℃より低い温度でジュール加熱することにより抽出すると、アミノ酸類及びカテキン類含量が、同じ抽出条件での外部加熱による抽出より高濃度である抽出物を得ることができ、しかも、アミノ酸の種類として、特に茶の旨味成分として知られているグルタミン酸や甘み成分として知られているセリンなどが比較的高率に抽出できるので、アミノ酸類及びカテキン類含量が多く、風味が良好である抽出物を、茶葉から一度の抽出操作により得ることができることを発見し、本発明を完成した。
また、本発明者は、該ジュール加熱前に、前処理として、茶葉と液体との混合液に電流を断続的に流す通電処理をおこなうと、アミノ酸類及びカテキン類含量がより多く、風味が良好である抽出物を、茶葉から一度の抽出操作により得ることができることを発見し、本発明を完成した。
さらに、本発明者は、ジュール加熱装置の構成(電極体の厚さや配線の態様)によっては通電ユニット内で通電がされない部分ができることを利用し、茶葉と液体との混合液に電流を断続的に流す通電処理ができる装置を発明した。
本発明によれば、アミノ酸類及びカテキン類を多量にかつ簡易に抽出することができ、しかも風味が良好な抽出液を提供することが可能となる。そして、本発明の処理方法により得られた抽出物は、アミノ酸類やカテキン類などの生理活性成分に富んだ茶飲料として用いられ、さらに、抽出される茶成分量が多い(Brix値が大きい)ので、茶成分を乾燥粉末にして茶飲料の原料として使用する工業的茶飲料の製造にも有効に利用できる。
本発明は、茶葉と液体とを混合する調合工程と、該混合液に電流を流してジュール熱により前記混合液を発熱させ混合液を100℃より低い所望の温度まで昇温させるジュール加熱工程と、次いで所望の時間保持する保持工程と、保持後の混合液を抽出液と抽出カスとに分離する濾過工程とを有する、アミノ酸類及びカテキン類含量が、同じ抽出条件での外部加熱による抽出より高濃度であり、風味が良好である抽出物を得ることを特徴とする茶葉の処理方法である。
さらに、本発明は、上記処理方法において、ジュール加熱工程前に、前処理として、茶葉と液体との混合液に電流を断続的に流す通電処理をおこなうことを含む茶葉の処理方法である。
また、本発明は、上記の前処理の無い、又は前処理を有する、それぞれの処理により得られた抽出物を用いた茶飲料に関するものであり、さらに、抽出物をスプレードライなどによる乾燥、又は濃縮後の乾燥により得られる粉末茶に関するものである。
本発明に使用する茶葉としては、不発酵茶(緑茶等)、半発酵茶(烏龍茶等)、発酵茶(紅茶等)が挙げられるが、好ましくは、不発酵茶(緑茶等)である。
本発明に使用する、茶葉と混合する液体は、従来から茶葉抽出に使用されている液体を用いることが出来るが、好ましくは水であり、特に、茶成分の味や香りに悪影響を及ぼす成分である塩素や不純物を含有しない水が好ましく、例えば、蒸留水、イオン交換水、電解生成アルカリ性水などを用いることができる。
本明細書におけるアミノ酸類とは、アミノ酸の誘導体であるテアニン(グルタミン酸エチルアミド)及び茶葉に含まれることが知られているアミノ酸(例えば、アスパラギン酸(Asp;略号)、セリン(Ser)、アスパラギン(Asn)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、グルタミン(Gln)、ヒスチジン(His)、アルギニン(Arg)、スレオニン(Thr)、アラニン(Ala)、プロリン(Pro)システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、バリン(Val)、メチオニン(Met)、リシン(Lys)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、フェニルアラニン(Phe)など)を指すものである。
本明細書におけるカテキン類とは、非重合カテキンあるいは単量体の茶カテキンのことであり、カテキン(C;略号)、ガロカテキン(GC)、カテキンガレート(Cg)、ガロカテキンガレート(GCg)、エピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)を指すものである。
抽出は、高温での茶成分の好ましくない反応物生成を避けるため、100℃より低い温度でおこなう。抽出温度は、100℃より低い所望の温度であれば良く、例えば0℃〜95℃、好ましくは40〜90℃、更に好ましくは50〜80℃である。
前処理である通電処理は、茶葉が浸漬された混合液に電流を断続的に流す通電処理であり、具体的には、50Hz〜20kHzの交流及び/又は直流を秒間隔(例えば、0.5秒〜4秒間隔)で、例えば数秒ないし数分間、好ましくは数分間(例えば、1分〜4分間)通電する処理が好ましい。
このように、前処理として、電流を断続的に流す通電処理を経ることにより、茶葉層を圧密化せずに均一に膨潤させることができ、茶葉による閉塞もなく、安定した抽出操作で、アミノ酸類及びカテキン類を、より抽出効率よく抽出し、風味のよい茶抽出液を製造することができる。
本発明の茶飲料には、さらに、茶飲料に配合されることが周知の添加成分、例えば、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、苦味調整剤、pH調整剤、品質安定剤等を単独、あるいは併用して配合しても良い。
図3は、本発明の茶葉の処理方法を連続処理するための、前処理用の通電ユニット41の構成の一例を示す要部断面図である。
通電ユニット41は、交互に配置された複数の電極体43と、複数のスペーサ管体44とからなり、図示しないプレートおよびフランジにより固定されている。複数の電極体43と複数のスペーサ管体44の集合体が通電部を構成する。電極体43とスペーサ管体44の内周径は同径となっており、茶葉や水等の混合液を流す前処理流路42が形成されている。
最良の形態の電極体43は、側面が幅広に構成された環状のリング電極である。リング電極の特徴は、配管同様の内面形状であるためサニタリー性に優れている。リング状の電極体43とスペーサ管体44を交互に配置し各電極間を食品が通過して電気的回路が構成される。リング状の電極体43を幅広に構成することの技術的意義については後述する。
電極体43は、良導電性の材料で構成され、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、または白金等の金属を用いることができるが、耐食性等の観点からはチタン、チタン合金、または白金を用いることが好ましい。電極体43のうち、両端の電極体43は漏洩電流阻止のためのアース電極とされ、残りの電極体43は通電加熱用電極とされている。すなわち、アース電極としての両端側の電極体43は電気的に接地されており、残りの電極体43には、電源ユニット3によって交互に高周波電圧が加えられるようになっている。
スペーサ管体44は、電極体43と交互に設けられ、前処理流路となる管路を構成する絶縁材料である。スペーサ管体44は、非導電性のプラスチック、例えば、テトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリサルフォンなどの樹脂によって作製される。
スペーサ管体44の形状は、内周面が円形で外周面が矩形となった筒体を用いてもよく、その場合には、電極体43の断面形状もスペーサ管体44の断面形状に対応させた形状にすることになる。スペーサ管体44と電極体43との間にはシール材が組み込まれて、前処理流路42の外部に混合液が漏出するのを防止している。
スペーサ管体44の長さが電極間の距離となる。電極間の距離Lは、電極体43の内径R(前処理流路42の直径)に対する比(L/R)が2倍以上であることが好ましい。
通電ユニット41の両端部には流入側と流出側のジョイント部45,46が設けられている。それぞれの電極体43は、食品材料の流れる方向に隣り合って電極体43が相互に逆極性となるように電源ユニット56に接続される。
通電ユニット41に設けられる電極体43の数は加熱温度等に応じて任意に設定される設計事項である。対をなす偶数個の電極体43により通電加熱部を構成してもよい。
なお、前処理流路42の出口部分に設けられた出口温度センサ、および/または、電極温度センサを具備することが好ましい。
図4は、図3の通電ユニット41の要部拡大断面図である。
この電極体43は、側面が幅広に、別の言い方をすれば流れ方向(すなわち半径と直交する方向)に厚みをもって構成されている。このため、電極体43,43間に流れる電流は、それぞれの電極体43の側面の両端部に通電されることになる。すなわち、図4に示すように、通電がなされる最上流および最下流の電極体43により構成される流路においては、通電領域(通電がONとなる部分)と、非通電領域(通電がOFFとなる部分)ができることになる。このように電極体43の側面を幅広に構成することにより、制御装置による通電のON/OFF制御が不要となる。環状電極体43の側面の幅Wは20mm程度とされているのが通常であるが、好ましくは通常の2.5倍以上(例えば50mm以上)、より好ましくは通常の3倍以上5倍以下(例えば60mm以上100mm以下)とする。
図5は、本発明の通電ユニット41の別の構成を示す要部拡大断面図である。
図5では、通電がなされる最上流および最下流の電極体43により構成される流路において、通電領域と非通電領域を設けるために、同電位のペアである電極体43B,43Cを隣接して配置する構成としている。かかる構成においては、同電位の電極体43B,43C間が非通電領域となるため、図3,4の構成と比べ、非通電領域を長く構成することが可能である。同電位の電極体のペアの数は、二つ以上であってもよい。
なお、図5の構成においては、電極体43を側面が幅広に構成しなくてもよいことはいうまでもない。
以下、本発明の詳細を実施例により説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
ジュール加熱による抽出(前処理無し)
A1.サンプルの調整
(本発明;実施例)
茶葉(緑茶)10gに水500gを注ぎ(浴比50)、混合後、すぐジュール加熱抽出装置(100角水槽、電極間100mm×幅100mm×高さ100mm)でジュール加熱(電圧480V)をして、初期温度から目標抽出温度までの昇温を、2分程度を目安に行った。その後保持し、昇温時間と保持時間を合わせて6分になるようにした。目標抽出温度の50℃、60℃、70℃で、それぞれ、(i)撹拌しない場合と(ii)加熱中に撹拌を行う(2分間に1回、計2回)場合の処理をおこなった。その後保持し、昇温時間と保持時間を合わせて6分後にサンプリングを行った。
(比較例)
比較例として、従来の抽出法である、お湯抽出をおこなった。お湯抽出は、茶葉(緑茶)10gに目標抽出温度になるようにお湯500gを注ぎ(浴比50)、その後、保持し、お湯500gを注いでから6分後にサンプリングを行った。
本発明と同様に、目標抽出温度の50℃、60℃、70℃で、それぞれ、(i)撹拌しない場合と(ii)加熱中に撹拌を行う(2分間に1回、計2回)場合の処理をおこなった。
(サンプリング)
本発明、比較例ともに、それぞれの処理後の混合物を一度粗いメッシュの網に通し、その後、80メッシュ次いで100メッシュの網でろ過した後、ピロー袋に採取し、水に漬けて即冷却し、サンプルとした。
本発明及び比較例に用いたそれぞれの加熱抽出装置を図1に、加熱抽出処理の様子を図2に示す。
B2.サンプルの測定法及び結果
各サンプル(抽出液)の可溶性固形分の濃度の指標としてBrix値(%値)を、株式会社アタゴのデジタル屈折計(製品名:RX−DD7α−Tea)で測定し、カテキン類含有量(ppm)及びアミノ酸類含有量(mg/100ml当たり)を株式会社島津製作所の高速液体クロマトグラフィー(製品名:LC−2010)で測定した。
抽出条件の詳細及び各サンプルのBrix値を表1に、カテキン類含有量を表2に、アミノ酸類含有量を表3に示す。
C1.結果について
(1)Brix値(表1)
本発明であるジュール加熱による抽出処理での抽出物のBrix値は、同一条件でのお湯抽出(外部加熱による抽出;比較例)の場合に対し、いずれも高い値であり、外見上の液の色(茶の色)も濃かった。
そして、本発明による抽出物は、低温(50℃)でもBrix値が0.4(%)もあり、これは、お湯抽出での70℃での撹拌のない場合の値より高く、お湯抽出での70℃で撹拌を伴う場合と同等の値である。このように、本発明は低温でも高濃度の可溶性固形分(茶成分)を抽出でき、温度による悪影響の少ない抽出物を得ることができる。
(2)カテキン類含有量(表2)
本発明であるジュール加熱による抽出処理では、抽出物のカテキン類含有量は、同一条件でのお湯抽出(外部加熱による抽出;比較例)に対し、いずれも高い値であった。
本発明、比較例のいずれの方法でも、撹拌処理を伴う場合のほうがカテキン類の抽出量が向上するが、本発明と比較例でのカテキン類含有量の対比として、本発明/比較例の値を計算すると、
50℃・・・撹拌無し;1.45 撹拌あり;1.12
60℃・・・撹拌無し;1.63 撹拌あり;1.38
70℃・・・撹拌無し;1.79 撹拌あり;1.32
となり、いずれも本発明による抽出効果が優れている。しかも、本発明によれば、撹拌操作がなくとも、カテキン類を効率よく抽出できる。
(3)アミノ酸類含有量(表3)
抽出物のアミノ酸類含有量も、撹拌処理を伴う場合のほうが、本発明、比較例のいずれも含有量(抽出量)が向上するが、同一条件でみれば、本発明であるジュール加熱による抽出処理の場合のほうが、お湯抽出(外部加熱による抽出;比較例)に対し、いずれも高い値であった。
抽出温度との関係をみると、お湯抽出では、低温、高温による含有量(抽出量)はあまり差がない(むしろ50〜60℃が高い)が、本発明では、高温にいくほど含有量(抽出量)が向上し、しかも、アミノ酸のうち、茶の旨味成分として知られているグルタミン酸や甘み成分として知られているセリンなどが比較的高率に抽出される。
例えば、70℃でのアミノ酸類抽出量(テアニンも含めた全アミノ酸の量)の本発明/比較例の値を表3に基づいて計算すると
全アミノ酸類 撹拌無し;1.23 撹拌あり;1.11
であり、ジュール加熱による抽出処理の場合のほうが抽出量が向上している。
さらに、
セリン(Ser) 撹拌無し;1.40 撹拌あり;1.23
グルタミン酸(Glu) 撹拌無し;1.33 撹拌あり;1.17
であり、特定のアミノ酸の抽出量がより高い。
このように、本発明は、アミノ酸類を効率よく抽出でき、特に、旨味に係るアミノ酸を高率に抽出できる。
前処理を有するジュール加熱による抽出
A2.サンプルの調整
(本発明)
茶葉(緑茶)50gに水500gを注ぎ(浴比10)、混合後、前処理として、下記の表4及び表5に示す条件で、電流を断続的に流す通電処理をおこい、次いでジュール加熱装置(実施例1で使用したものと同じ)でジュール加熱(120V)をして、80℃で抽出し、その後サンプリングを行った。
また、前処理の効果を見るために、電流を断続的に流す通電処理を行わない、ジュール加熱による80℃による抽出(試験例3、試験例5)を、下記の表4及び表5に示す条件で行った。なお、試験例5は、ジュール加熱前に浸透時間を5分間とってから加熱をおこなったものである。
B2.サンプルの測定法及び結果
試験例1〜8に対応する各サンプル(お茶1〜8)のBrix値(%値)、カテキン類含有量(ppm)の測定法は実施例1と同様である。
実施例2の各サンプルのBrix値を表6に、カテキン類含有量を表7に示す。
C2.結果について
前処理として、電流を断続的に流す通電処理を行ったものは、通電終了の状態で、茶葉が膨潤しているようであったが、通電処理を行わないものに関しては、ほとんど膨潤しておらず、通電処理を行ったものとは異なった性状であった。
試験例5は、ジュール加熱前に浸透時間を5分間とったものであるが、茶葉の性状に変化は見られなかった。
なお、通電処理での、交流、直流の差は感じられなかった。
そして、この実施例2は、実施例1より茶葉量を多くし(5倍)、より高温(80℃)で抽出したので、Brix値、カテキン類含有量とも、実施例1の場合よりかなり大きな値になった。
(1)Brix値(表6)
前処理として、電流を断続的に流す通電処理をおこなったジュール加熱による抽出での抽出物のBrix値は、前処理を行わないジュール加熱による抽出の場合に対し、いずれも高い値であった。このように、前処理により、茶成分の溶出量が増加した。
(2)カテキン類含有量(表7)
前処理として、電流を断続的に流す通電処理をおこなったジュール加熱による抽出による場合のほうが、前処理をおこなわずに、すぐにジュール加熱したもの(試験例3)又は加熱前に浸透時間を5分間とったもの(試験例5)による抽出の場合に比べて、いずれも抽出物のカテキン類含有量が高かった。このように、前処理として、電流を断続的に流す通電処理をおこなうと、カテキン類がより効果的に抽出される。
本発明によれば、アミノ酸類及びカテキン類を多量にかつ一度の抽出操作で簡易に抽出することができ、しかも風味が良好な抽出液を提供することが可能となる。
そして、本発明の処理方法により得られた抽出物は、アミノ酸類やカテキン類などの生理活性成分に富んだ茶飲料として用いられ、さらに、抽出される茶成分量が多い(Brix値が大きい)ので、茶成分を乾燥粉末にして茶飲料の原料として使用する工業的茶飲料の製造にも有効に利用できる。
また、従来の抽出法に比べ、アミノ酸類を多く抽出できるので、茶葉自体のアミノ酸類含有量がそう高くない原料茶葉を用いても、アミノ酸類含有量の高い高級茶飲料を生産することができ、工業的茶飲料の製造に有効に利用できる。
実施例1のジュール加熱抽出装置、及び比較例に用いたお湯抽出装置とそれらの説明図である。 実施例1に係る本発明及び比較例の温度変化を示すグラフである。 本発明の茶葉の処理方法を連続処理するための、前処理用通電ユニットの要部断面構成図である。 図3の要部拡大断面図である。 別の態様の前処理用通電ユニットの要部拡大断面図である。
符号の説明
1 容器
2 電極板
3 電源
4 緑茶
5 ガラスビーカー
6 保温用熱媒(ウォーターバス)
7 ステンレス台
11〜13,21〜23 温度センサ
41 通電ユニット
42 前処理流路
43 電極体(リング状電極)
44 スペーサ管体

Claims (11)

  1. 茶葉と液体との混合液を、100℃より低い温度でジュール加熱することにより抽出し、アミノ酸類及びカテキン類含量が、同じ抽出条件での外部加熱による抽出より高濃度であり、風味が良好である抽出物を得ることを特徴とする茶葉の処理方法。
  2. ジュール加熱による抽出物のBrix値が、同じ抽出条件での外部加熱による抽出より大きい値である抽出物を得ることを特徴とする請求項1記載の茶葉の処理方法。
  3. ジュール加熱前に、前処理として、茶葉と液体との混合液に電流を断続的に流す通電処理をおこなうことを含む請求項1又は2記載の茶葉の処理方法。
  4. 断続的に流す通電処理が、交流及び/又は直流を秒間隔で通電させること特徴とする請求項3記載の茶葉の処理方法。
  5. 断続的に流す通電処理を、数秒〜数分間おこなうことを特徴とする請求項3または4記載の茶葉の処理方法。
  6. ジュール加熱による抽出物を、さらに濃縮及び/又は乾燥する処理を含む請求項1ないし5のいずれか記載の茶葉の処理方法。
  7. 茶葉と液体との混合液を、100℃より低い温度でジュール加熱することを特徴とする抽出により得られた、アミノ酸類及びカテキン類含量が、同じ抽出条件での外部加熱による抽出より高濃度であり、風味が良好である抽出物を使用することを特徴とする茶飲料。
  8. 茶葉と液体との混合液を、100℃より低い温度でジュール加熱することを特徴とする抽出により得られた、アミノ酸類及びカテキン類含量が、同じ抽出条件での外部加熱による抽出より高濃度であり、風味が良好である抽出物を、乾燥又は濃縮後乾燥して粉末とすることを特徴とする粉末茶。
  9. 複数の電極体および複数のスペーサ管体からなる前処理流路内で茶葉と液体との混合液を流動移送しながら100℃より低い温度で通電加熱する前処理用の通電装置であって、
    前処理流路内に、通電領域と非通電領域とを設けたことを特徴とする通電装置。
  10. 前記電極体の側周面の幅を50mm以上としたことを特徴とする請求項9記載の通電装置。
  11. 隣接して配置された同電位の電極体のペアを一つ以上備えることを特徴とする請求項9記載の通電装置。
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