JP2009291961A - 化粧シート - Google Patents
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Abstract
【課題】着色基材シート上に透明樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に設けてなる化粧シートであって、前記透明樹脂層が2軸延伸透明ポリエステルフィルムからなり、前記表面保護層が球状硬質粒子を含むシリコーン変性電離放射線硬化型樹脂の提供。
【解決手段】球状硬質粒子が平均粒径3〜5μmのシリカ粒子であり、表面保護層4の表面粗さRaが0.1〜0.3μmである。
【選択図】図1
【解決手段】球状硬質粒子が平均粒径3〜5μmのシリカ粒子であり、表面保護層4の表面粗さRaが0.1〜0.3μmである。
【選択図】図1
Description
本発明は、主にキッチンやドレッシング等の水廻りを中心とした化粧板の表面に使用される化粧シートに関し、特には、高光沢でありながら、干渉縞の発生を防止し、指紋の目立ち抑制・拭き取り性を向上し、防汚、特に拭き取り性を向上した化粧シートに関する。
上記の利用分野における化粧シートの多くは、高光沢で鏡面仕上げのフィルムを積層するか、あるいはコーティングによる表面保護層を最外層に設けたものが知られている。しかしながら、コーティングの場合は表面に干渉縞が発生することがあり、これを嫌う場合には、フィルムを最外層に積層することが多い。
前記フィルムとしては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとする。)が殆どである。しかし、二軸延伸PETを最外層とした場合は、防汚性がないために何らかの汚染物が表面に付いた場合には拭き取ることが困難である。また、拭き取る時の布等の繊維による傷も付き易いといった欠点がある。
表面の耐傷付き性や耐汚染性を向上させたい場合には、最外層に表面保護層を設けることが多い。しかし、前述したように、この場合には表面保護層とその基材フィルムとの屈折率の差から、干渉縞が発生してしまうという問題点があった。
また、どちらの場合にも表面が鏡面,高光沢であるため、指紋が目立ち易く、拭き取るのも困難な場合が多い。
本発明はこのような問題点を解決する為になされたものであり、すなわちその課題とするところは、高光沢でありながら、干渉縞防止、指紋の目立ち抑制・拭き取り性向上、防汚性能の向上(特に拭き取り性)、といった機能に優れた化粧シートを提供することにある。
本発明はこの課題を解決したものであり、すなわちその請求項1記載の発明は、着色基材シート上に透明樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に設けてなる化粧シートであって、前記透明樹脂層が2軸延伸透明ポリエステルフィルムからなり、前記表面保護層が球状硬質粒子を含むシリコーン変性電離放射線硬化型樹脂からなることを特徴とする化粧シートである。
またその請求項2記載の発明は、前記球状硬質粒子が平均粒径3〜5μmのシリカ粒子であり、前記表面保護層の表面粗さRaが0.1〜0.3μmであることを特徴とする請求項1記載の化粧シートである。
本発明はその請求項1記載の発明により、2軸延伸透明ポリエステルフィルムの使用により高光沢性と表面鏡面性を有し、表面保護層にシリコーン変性電離放射線硬化型樹脂の使用によりマジック等の繰り返し拭き取り性が向上するなど防汚性を付与し、さらに球状硬質粒子を添加することにより干渉縞の発生を抑え、指紋の拭き取りを可能とするという作用効果を奏する。
またその請求項2記載の発明により、前記球状硬質粒子としてシリカを用い、適度な大きさと部数のものを添加することにより、コーティング表面に微細な凹凸をつけることで、高光沢を保持しつつ、さらに指紋付着が目立たなくなり、耐汚染性をさらに向上させることを可能とするという作用効果を奏する。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の化粧シートの一実施例の断面の構造を示す。着色基材シート1の上に適宜設ける接着剤層2、透明樹脂層3、表面保護層4からなる。
本発明における着色基材シート1としては、熱可塑性樹脂からなるシート、例えばポリ塩化ビニル樹脂シートが使用可能であるが、廃棄時の焼却性を考慮すれば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等の非ハロゲン系の熱可塑性樹脂からなるシートが好適である。中でもポリプロピレン系またはポリエチレン系等のポリオレフィン系樹脂が、経済性、加工性、機械的強度、耐衝撃性、耐溶剤性等の各面で優れ、最も好適である。
着色基材シート1は、化粧シートを貼り合わせる基材の表面を隠蔽して意匠性を安定させるために、染料、顔料等の着色剤を添加して隠蔽性を持たせるのが一般的である。そのため、着色基材シートの厚さとしては、十分な隠蔽性を持たせるべく、50〜200μmのものが隠蔽性と加工適性を満たす為に使用可能な範囲であり、特には70μm程度が好適である。着色基材シート1には、適宜ベタ印刷層(図示せず)や絵柄模様層(図示せず)をその表面印刷などにより設けてもよい。またその場合、着色基材シート1の表面に印刷インキがよく密着するように、被印刷面にはコロナ放電処理等の表面処理を施すのが好適である。
適宜設ける接着剤層2は、着色基材シート1と後述する透明樹脂層3となる2軸延伸ポリエステル樹脂シートとの接着性を向上させるために適宜設けられる。2液硬化型ウレタン系接着剤などが好適に用いられるが、特にこれに限定されるものではなく、接着性を高めることのできるものであれば適宜使用可能である。
本発明における透明樹脂層3には2軸延伸ポリエステル樹脂シートが用いられる。具体的には2軸延伸PETもしくは易接着処理が施された2軸延伸PETであるが、特にこれに限定されるものではなく、透明なポリエステル樹脂シートで表面の高光沢性と鏡面性が得られるものなら使用可能である。これにより化粧シート表面を高光沢で鏡面仕上げとすることが可能となる。厚みとしては50〜200μmが好適であり、100μm程度が最適であるが、特にこれに限定するものではなく、他の層との兼ね合いにより適宜変更可能である。
本発明における表面保護層4としては、化粧シート表面の耐性を向上させるために3〜10μmの範囲で塗布、硬化して設けるものであり、球状硬質粒子を含むシリコーン変性電離放射線硬化型樹脂からなるものが用いられる。前記球状硬質粒子としては平均粒径3〜5μmのシリカ粒子が好適であり、前記表面保護層の表面粗さRaが0.1〜0.3μmとなることが好ましい。これにより、干渉縞防止、指紋の目立ち抑制・拭き取り性向上、防汚性能の向上(特に拭き取り性)、といった機能に優れたものとなる。表面粗さは主にシリカ粒子の添加量により調整可能であるが、特にこれに限定せずに、他の成分や製造方法などにより適宜調整可能である。
また、本発明の化粧シートを製造工程上ロール状に巻き取り、巻きだすために表面側の層との相関関係を見て、着色樹脂シート1の裏面に適宜プライマー層(図示せず)を設けても良い。プライマー層は、貼り合せる三次元表面の材質との安定した密着を想定して好適な樹脂、層厚で設けられるものであって、特に限定するものではない。
着色基材シート1として、厚み120μmの黒色に着色されたポリオレフィン樹脂シート(リケンテクノス(株)製「リベストTPO」)を用い、その上に接着剤層2としてポリエステルポリオールを主剤としイソホロンジイソシアネートを硬化剤とする2液ウレタン樹脂系接着剤を用い、乾燥後の塗布量が10g/m2になるように塗工し、その上に透明樹脂層3として2軸延伸透明ポリエステル樹脂シート(厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(東レ(株)製「ルミラーT60」))を用い、予めその表面にコロナ処理を施してからドライラミネートした。
その上に表面保護層として、シリコーン変性紫外線硬化型樹脂中に平均粒径4μmのシリカを0.1%添加したものを希釈溶剤で適切な粘度に希釈した後、バーコーター方式による塗工により乾燥後の塗布量約3.5g/m2塗布し、高照度の高圧水銀ランプを照射し硬化させ、化粧シートを得た。
シリカの添加量を0.2%とした以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
シリカの添加量を0.43%とした以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
シリカの添加量を0.63%とした以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
<比較例1>
シリカを添加しなかった以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
上記の様に作製した実施例、比較例の化粧シートの干渉縞、光沢値、表面粗さ(Ra)、指紋の目立ち、マジック拭き取り性を測定した。結果を表1に示す。
シリカを添加しなかった以外は実施例1と同様にして化粧シートを得た。
上記の様に作製した実施例、比較例の化粧シートの干渉縞、光沢値、表面粗さ(Ra)、指紋の目立ち、マジック拭き取り性を測定した。結果を表1に示す。
本発明は、主にキッチンやドレッシング等の水廻りを中心とした化粧板の表面に使用される化粧シートとして利用可能である。
1…着色基材シート
2…接着剤層
3…透明樹脂層
4…表面保護層
2…接着剤層
3…透明樹脂層
4…表面保護層
Claims (2)
- 着色基材シート上に透明樹脂層、表面保護層を少なくともこの順に設けてなる化粧シートであって、前記透明樹脂層が2軸延伸透明ポリエステルフィルムからなり、前記表面保護層が球状硬質粒子を含むシリコーン変性電離放射線硬化型樹脂からなることを特徴とする化粧シート。
- 前記球状硬質粒子が平均粒径3〜5μmのシリカ粒子であり、前記表面保護層の表面粗さRaが0.1〜0.3μmであることを特徴とする請求項1記載の化粧シート。
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2008
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