JP2011161888A - 自己治癒性転写箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベースフィルム3上に、ベースフィルムとは密着し弾性樹脂層とは離型する離型層5、弾性復元力を有し熱硬化型または紫外線硬化型からなる自己治癒性樹脂層7、アンカー層9、接着層11からなる転写箔を形成する。アンカー層は、ポリ塩化ビニル共重合体樹脂、二液硬化型アクリルウレタン、塩酢ビ、ポリエステル系または熱硬化性樹脂からなる。
【選択図】図1
Description
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、自己治癒性樹脂を転写箔化することに成功した、新規且つ有用な転写箔を提供することを目的とする。
しかも、従来の転写箔と同様に、加飾用のインク等を積層させることができるので、従来の転写箔と同様に用いることができる。
転写箔1は、ベースフィルム3の一面上に、離型層5、自己治癒性樹脂層7、アンカー層9および接着層11が順次積層されてなり、ベースフィルム3の他面上に帯電防止層13が積層されてなる。なお、図1では、視認の便宜のため、各層の厚さは均一に示されている。
ベースフィルム3の厚さは、通常10〜200μm程度である。
離型層5の膜厚は、成膜性と離型し易さを考慮して通常、0.01〜20μm程度、好ましくは0.1〜10μm程度である。
離型層5は、上記樹脂類を溶媒に分散または溶解して、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、マイクログラビアコート、リバースグラビアコート、バーコート、ロッドコート、キスコート、ナイフコート、ダイコート、コンマコート、フローコート、スプレーコート等の印刷法やコーティング法等の公知の方法で、ベースフィルム3上に塗布し、加熱乾燥する。また、硬化タイプによっては電磁放射線を照射することにより形成できる。
自己治癒性樹脂としては、アクリル系、ウレタン系、ポリカーボネート系、ポリスチレン系、ポリエステル系、シリコーン系、フッ素系等の樹脂あるいはその共重合体やブレンドしたもので、比較的柔らかく弾性があり、変形しやすいものが挙げられる。
ナトコ株式会社は、「自己治癒性クリヤー」として種々の自己治癒性樹脂を塗料として製造・販売しているが、その中でも紫外線硬化型と熱硬化型のものが本願発明では好適に使用できることが確認されている。熱硬化型としては、特開平11−228905号公報に示すように、ポリジメチルシロキサン系共重合体を用いたものが典型的なものであり、紫外線硬化型としては、特開2001−2744号公報に示すように、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いたものが典型的なものである。
自己治癒性樹脂層7は、熱硬化型の場合には、離型層5と同様にして形成できる。紫外線硬化型の場合には、更に紫外線に照射することになる。
アンカー層9を構成する材料としては、ポリ塩化ビニル共重合体樹脂、二液硬化型アクリルウレタン、塩酢ビ、ポリエステル系、メラミン系やエポキシ系等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
アンカー層9の膜厚は、密着性を考慮して、通常、1〜2μm程度である。
アンカー層9は、離型層5と同様にして形成できる。
従って、接着層11を構成する材料としては、加飾層を設ける場合には密着する相手側との加飾素材と親和性のあるものを適宜選択して使用し、直接被転写体に載せる場合には、相手側の被転写体に適した相溶性、感熱性、感圧性の樹脂を適宜選択して使用する。
接着層11を構成する材料としては、アクリル系、塩酢ビ系、オレフィン系若しくはそれらの複合樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。
接着層11の膜厚は、密着性を考慮して、通常、0.1〜5.0μm程度である。
接着層11は、離型層5と同様にして形成できる。
帯電防止層13は表面電気抵抗を1010Ω/□以下であることが好ましく、また、転写箔1の製造中の熱処理に耐えられる、通常は170℃程度の高温に5分程度は劣化しないで耐えられるものが推奨される。
帯電防止層13を構成する材料としては、界面活性剤系、金属化合物系、ポリマー系が挙げられる。これらを単一または併用して使用することができる。
帯電防止層13は、離型層5と同様にして形成できる。
なお、帯電防止層13を設ける代わりに、ベースフィルム3に上記成分を含ませて帯電防止機能を付与してもよい。
巻出し側のローラ15には、ベースフィルム3が巻回されている。この巻出し側のローラ15からベースフィルム3が巻出されて、搬送ローラの助けを経て所定の経路ラインにそって搬送され、途中で層の形成処理が行われた後、巻取り側のローラ17に巻き取られるようになっている。ベースフィルム3の搬送経路の上流側には、離型剤5等の塗料の収容された容器19が配置されており、グラビア印刷法により各層が形成されるようになっている。また、その下流側には乾燥炉21(合計6つ)が設けられている。また、電離放射線やUVの照射部23がさらに下流側に設けられている。
このようにして、順次各層が積層されている。
通常は、防塵性を考慮して、ベースフィルム3の両面側のうち帯電防止層13を形成した後に、その反対側に離型層5等が形成され積層されていく。
ベースフィルム3として、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製、商品名:E-5100、厚さ:50μm)を準備し、上記の製造装置14を用いて以下の工程順に各層を形成し積層した。
〈帯電防止層形成工程〉
使用塗料: 界面活性剤系(DIC製グラビア用塗料)
ライン速度:15m/min
塗工膜厚: 表面電気抵抗が1010Ω/□以下になるもの
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 100℃
第3乾燥炉 100℃
第4乾燥炉 100℃
第5乾燥炉 100℃
第6乾燥炉 100℃
使用塗料: ポリエーテル変性シリコーン樹脂
電離放射線硬化性樹脂(ラボ製 Y−70、2成分混合品)
ライン速度:20m/min
塗工膜厚: 0.5μm
乾燥温度: 第1乾燥炉 60℃
第2乾燥炉 70℃
第3乾燥炉 70℃
第4乾燥炉 70℃
第5乾燥炉 80℃
第6乾燥炉 80℃
使用塗料: 熱硬化型(ナトコ製 NT―32)
ライン速度:5m/min
塗工膜厚: 17μm
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 130℃
第3乾燥炉 130℃
第4乾燥炉 150℃
第5乾燥炉 150℃
第6乾燥炉 175℃
使用塗料: 二液硬化型アクリルウレタン系(昭和インク製 HCアンカー、イソシアネート系硬化剤)
ライン速度:12m/min
塗工膜厚: 1μm
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 100℃
第3乾燥炉 120℃
第4乾燥炉 120℃
第5乾燥炉 120℃
第6乾燥炉 120℃
使用塗料: アクリル系(昭和インク製 BCT−2)
ライン速度:12m/min
塗工膜厚: 1.5μm
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 130℃
第3乾燥炉 130℃
第4乾燥炉 130℃
第5乾燥炉 130℃
第6乾燥炉 130℃
ベースフィルム3として、ポリエチレンテレフタレート(東洋紡製、商品名:E-5100、厚さ:50μm)を準備し、上記の製造装置14を用いて以下の工程順に各層を形成し積層した。
〈帯電防止層形成工程〉
使用塗料: 界面活性剤系(DIC製グラビア用塗料)
ライン速度:15m/min
塗工膜厚: 表面電気抵抗が1010Ω/□以下になるもの
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 100℃
第3乾燥炉 100℃
第4乾燥炉 100℃
第5乾燥炉 100℃
第6乾燥炉 100℃
使用塗料: ビニル系樹脂(ラボ製 PNT−124)
ライン速度:20m/min
塗工膜厚: 0.5μm
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 100℃
第3乾燥炉 100℃
第4乾燥炉 100℃
第5乾燥炉 100℃
第6乾燥炉 100℃
使用塗料: UV硬化型(ナトコ製 NT―12)
ライン速度:5m/min
塗工膜厚: 17μm
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 130℃
第3乾燥炉 130℃
第4乾燥炉 130℃
第5乾燥炉 150℃
第6乾燥炉 150℃
UV照射条件:300mj
使用塗料: 塩酢ビ/ウレタン/ポリエステル系(DIC製 81113)
ライン速度:12m/min
塗工膜厚: 1μm
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 100℃
第3乾燥炉 130℃
第4乾燥炉 130℃
第5乾燥炉 130℃
第6乾燥炉 130℃
使用塗料: 塩酢ビ系(DIC製 81118)
ライン速度:12m/min
塗工膜厚: 1.5μm
乾燥温度: 第1乾燥炉 100℃
第2乾燥炉 130℃
第3乾燥炉 130℃
第4乾燥炉 130℃
第5乾燥炉 130℃
第6乾燥炉 130℃
3…ベースフィルム 5…離型層
7…自己治癒性樹脂層 9…アンカー層
11…接着層 13…帯電防止層
14…転写箔の製造装置 15、17…ローラ
19…塗料の収容容器 21…乾燥炉
23…電離放射線等の照射部
Claims (3)
- ベースフィルム上に、離型層、弾性的形状回復性能を有する自己治癒性樹脂層、アンカー層および接着層が順次積層されている転写箔であって、
前記離型層は、転写移行せず、前記ベースフィルムに密着し、前記弾性樹脂層とは離型する性能を有し、
前記アンカー層は、ポリ塩化ビニル共重合体樹脂、二液硬化型アクリルウレタン、塩酢ビ、ポリエステル系または熱硬化性樹脂からなることを特徴とする自己治癒性転写箔。 - 請求項1に記載した自己治癒性転写箔において、
自己治癒性樹脂層は熱硬化型またはUV硬化型からなり、
接着層はアクリル系、塩酢ビ系、オレフィン系若しくはそれらの複合樹脂、または熱硬化性樹脂からなることを特徴とする自己治癒性転写箔。 - 請求項1または2に記載した自己治癒性転写箔において、
ベースフィルム上において離型層等の積層側と反対側には界面活性剤系、金属化合物系若しくはポリマー系の帯電防止層が積層され、またはベースフィルムが帯電防止剤を混入した帯電防止機能を備えていることを特徴とする自己治癒性転写箔。
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JP2010029949A JP2011161888A (ja) | 2010-02-15 | 2010-02-15 | 自己治癒性転写箔 |
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JP2010029949A JP2011161888A (ja) | 2010-02-15 | 2010-02-15 | 自己治癒性転写箔 |
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