JP2009282322A - 振幅型回折格子の製造方法 - Google Patents

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裕昭 上田
Koichi Ishida
耕一 石田
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Abstract

【課題】製造負担を軽減させた振幅型回折格子の製造方法を提供する。
【解決手段】マスクとなるクロム層12で表面11fを覆われるガラス基板11の裏面11rから露光するフォトリソグラフィー法で、クロム層12上のドライフィルム14に溝部DHを形成し、その溝部DHに金15を埋める。さらに、この金15とドライフィルム14の残部から成るパターン含有層PLをマスクとし、ガラス基板11の裏面11rから露光するフォトリソグラフィー法で、このパターン含有層PL上のドライフィルム14に溝部DHを形成し、さらに金15でその溝部DHを埋める。
【選択図】図1

Description

本発明は、振幅型回折格子、例えば、X線タルボ干渉計に用いられる振幅型回折格子の製造方法に関する。
昨今、X線を用いたタルボ干渉計が開発されている(特許文献1等)。このX線タルボ干渉計は、波面のそろう可干渉光(X線)が周期的物体(回折格子)を透過して特定の距離だけ伝播した場合、周期的物体と同じ自己像が形成されるタルボ効果を利用する。
つまり、X線タルボ干渉計は、X線出射光源と回折格子(位相型回折格子)との間に被検体を置き、位相型回折格子の表面からタルボ距離(タルボ効果が現れる距離)離れたところに、被検体の透過位相情報を反映した縞模様の像を出現させる。
ただし、タルボ効果を生じさせるために要する位相型回折格子の格子パターンのピッチは、X線の波長よりも大きくなければならない。しかし、ピッチが大きすぎると、X線タルボ干渉計としての分解能が上がりづらい。そのため、位相型回折格子のピッチは数μm〜数百nm程度である。
また、タルボ効果によって現れる縞模様の像(自己像)のピッチは、位相型回折格子の格子パターンのピッチと同程度になり、簡易なX線画像検出器では検出しにくい。そこで、この自己像の現れるところに、自己像自身のピッチと同程度の格子パターンピッチを有する2枚目の回折格子(振幅型回折格子)が置かれる。
この振幅型回折格子は、自己像のX線を部分的に吸収することで、意図的にモアレ縞を引き起こす。そして、このモアレ縞の周期は、振幅型回折格子の格子パターンのピッチよりも大きくなって現れるので、簡易なX線画像検出器で簡単に検出される。すなわち、X線タルボ干渉計は、意図的に形成された周期の比較的大きなモアレ縞を検出することで、簡易に被検体の内部情報を得られる。
ところで、振幅型回折格子は、自己像にモアレ縞を生じさせるために、確実にX線を吸収しなくてはならない。そのため、振幅型回折格子においてX線を吸収する部分は、原子量の重い金(Au)で形成される。その上、より確実にX線を吸収するために、X線を吸収する部分は、X線の進行方向に対して比較的大きな厚みを有するとよい。
そのため、いわゆるアスペクト比(X線を吸収する部分における厚みを幅で除算した値)の高い振幅型回折格子がX線タルボ干渉計に必要とされる。そして、このようなアスペクト比の高い振幅型回折格子の製造方法の開発も進んでいる。
例えば、特許文献2に記載される製造方法では、図6の断面図に示すように、X線を透過する部分114とX線を吸収する部分115とを含むブロックBKを積み重ねていくことで、アスペクト比の高い振幅型回折格子101を製造する。
WO2004/058070 A1 特開2006−259264号公報
しかしながら、このような特許文献2の製造方法であると、ブロックBK同士の接合の場合に、高精度の位置あわせが必要になる。そのため、この製造方法は極めて煩わしい。
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、製造負担を軽減させた振幅型回折格子の製造方法を提供することにある。
振幅型回折格子は、紫外線およびX線等の光を透過させる透過型基板を含む。また、この透過型基板は、対向する第1面および第2面を含む。そして、振幅型回折格子の製造では、透過型基板の第1面に、第1透過領域および第1遮光領域の混在するパターン層を重ねるとともに、そのパターン層上にネガレジスト材料層を形成する(なお、このネガレジスト材料層は、透過型基板同様に、紫外線およびX線等の光を透過させる)。
その後、パターン層をマスクとし、透過基板の第2面からの露光を用いるフォトリソグラフィー法で、ネガレジスト材料層の残部を第2透過領域とするとともに、そのネガレジスト材料層の溝部に第2遮光領域となる埋込材を埋め込む。すると、第2透過領域および第2遮光領域の混在するパターン含有層がパターン層上に形成される。
さらに、形成された(既成の)パターン含有層上に、新たなネガレジスト材料層を形成する。そして、既成のパターン含有層をマスクとし、透過基板の第2面からの露光を用いるフォトリソグラフィー法で、新たなネガレジスト材料層の残部を第2透過領域とするとともに、その新たなネガレジスト材料層の溝部に第2遮光領域となる埋込材を埋め込む。すると、既成のパターン含有層上に、新たなパターン含有層が重なる。
なお、このようなパターン含有層の積み重ねる工程は、適宜、繰り返される。その結果、積み重なったパターン含有層における第2透過領域および第2遮光領域を格子パターンとする振幅型回折格子が完成する。
以上のような振幅型回折格子の製造方法では、透過型基板の第1面に最も近いパターン含有層(最下層のパターン含有層)の形成に、パターン層をマスクとしたフォトリソグラフィー法が用いられ、さらに、最下層のパターン含有層を除いた他のパターン含層の形成に、直下のパターン含有層をマスクとしたフォトリソグラフィー法が用いられる。すなわち、この振幅型回折格子の製造方法は、自己整合的に、パターン含有層を形成する。そのため、例えばマスクの位置合わせは不要になり、製造負担が軽減される。
なお、パターン含有層の重なる方向を重なり方向、第2透過領域と上記第2遮光領域との並ぶ方向を並び方向とするとともに、パターン含有層の重なりにより重なる埋込材の有する重なり方向に沿う長さをT、並び方向に沿う長さをWとする。すると、以上のような振幅型回折格子の製造方法は、TをWで除算した値であるアスペクト比を、6以上60以下にすると望ましい。
なぜなら、この振幅型回折格子の製造方法は、自己整合的に、格子パターンとなる第2透過領域および第2遮光領域を簡単に積み上げられるので、容易に高いアスペクト比を達成できるためである。つまり、この製造方法は、アスペクト比の高い振幅型回折格子を製造する場合に適している。
また、ネガレジスト材料層は、ドライフィルムであると望ましい。このようなドライフィルムであれば、取り扱いが容易なためである。
なお、埋込材の材質は特に限定されるものではない。例えば、埋込材は、金、鉛、白金、タンタル、またはタングステンであってもよいし、金、鉛、白金、タンタル、またはタングステンを含む化合材料であってもよいし、さらには、金、鉛、白金、タンタル、およびタングステンの少なくとも2つの材料を混ぜた混合材料であってもよい。
また、埋込材をネガレジスト材料層の溝部に埋め込む方法も限定されるものではない。例えば、パターン層の第1遮光領域は導電材であれば、電鋳法によって、ネガレジスト材料層の溝部の底から露出する導電材に、埋込材を析出させてもよい。
また、化学気相成長法によって、埋込材を溝部に堆積させてもよいし、ペースト状の埋込材を溝部に入れ込み、熱によって溶融後に固化させてもよい。
また、溶融状態の埋込材に、第1面を浸漬させることで、溝部に上記埋込材を入れ込み、その後に固化させてもよい。
本発明の振幅型回折格子の製造方法によれば、自己整合的に、振幅型回折格子の格子パターンになる第2透過領域および第2遮光領域が積み重なる。そのため、第2透過領域同士の位置合わせ、および第2遮光領域同士の位置合わせが不要になり、製造負担が軽減する。
[実施の形態1]
実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、便宜上、部材符号・ハッチングを省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。
図5はX線タルボ干渉計9の概略図である。この図5に示すように、X線タルボ干渉計は、X線出射光源2と、位相型回折格子3と、振幅型回折格子1と、X線画像検出器4と、を並べて配置する(ただし、図5は位相型回折格子3・振幅型回折格子1の格子パターンのみ図示)。
そして、これら部材の並列方向をZ方向とすると、X線出射光源2はZ方向に沿うようにしてX線を出射する。また、Z方向を一方向とした3次元直交座標系を規定し、残りの一方向であるX方向を格子パターンの並び方向とし、残りの他方向をY方向とする。なお、このX線タルボ干渉計9では、被検体21は、X線出射光源2と位相型回折格子3との間に位置する。
そして、このX線タルボ干渉計9では、X線出射光源2からのX線の波は、被検体21を通過することで位相差を有する。さらに、この位相差を有するX線の波は、位相型回折格子3を通過する。すると、位相型回折格子3から一定距離(タルボ距離)離れた位置に、被検体21における屈折率と透過光路長とから決定される被検体21の透過位相情報を反映した縞模様の像が現れる。
そして、この縞模様の像の現れる位置に振幅型回折格子1が配置されると、縞模様の像を構成するX線の波が、振幅型回折格子1を通過し、モアレ縞の画像(タルボ干渉像)を出現させる。このタルボ干渉像は、通常、位相型回折格子3のピッチとほぼ同じ縞模様であるので、非常に高い空間分解能を有するX線画像検出器が必要になる。
そこで、タルボ干渉像の縞模様の位相を人為的に変化させるべく、振幅型回折格子1の回折パターンが、タルボ干渉像の縞パターンに対して若干傾けられる。このようになっていれば、モアレ縞の位相が、位相型回折格子3のピッチに比べて大きくなる。すると、一般的なX線画像検出器4であっても、タルボ干渉像を検出できる。
以上のようにして、X線タルボ干渉計9は、被検体21の内部情報を示すタルボ干渉像を検出できるが、そのためには、振幅型回折格子1が、X線を十分に吸収しなくてはならない。すると、振幅型回折格子1の斜視図である図1に示すように、X線を吸収する部分(X線吸収部15)が比較的厚い厚みTを有すると望ましいことになる。
そこで、このような望ましい振幅型回折格子1の製造方法について、図2A〜図2F、図3G〜図3J、図4K〜図4Nを用いて説明する。なお、これらの図は、図1のX方向およびZ方向で規定されるXZ面に沿う断面である。また、便宜上、材料自体と層になった材料にも同じ部材番号を付す。
まず、図2Aに示すように、振幅型回折格子1の土台になるガラス基板11の表面(第1面)11fに、導電性材料であるクロム(Cr)12が、蒸着されて層(膜)となる[導電性材料層形成工程]。
続いて、図2Bに示すように、クロム層12を覆うようにして、レジスト(感光性材料)13が塗布され、さらに、レジスト13に含まれる有機溶剤を蒸発させるべく、その塗布されたレジスト13はプリベークされる[レジスト層形成工程]。なお、レジスト13はポジ型またはネガ型のいずれであってもかまわないが、図中のレジスト13はポジ型である。
その後、図2Cに示すように、ピッチPを2μm以上20μm以下にした縞模様のマスク22を介して、紫外線(UV)等の光がレジスト層13に照射される[レジスト層露光工程]。さらに、図2Dに示すように、現像液によって、レジスト層13にて光照射された部分が除去される[レジスト層現像除去工程]。なお、マスク22に合わせてパターン化したレジスト層13は、クロム層12との密着度を高めるべくポストベークされる。
次に、図2Eに示すように、パターン化したレジスト層13をマスクとして、クロム層12に対してエッチングが行われる[導電材料層エッチング工程]。なお、ここでのエッチングは、ドライエッチングであってもウエットエッチングであってもかまわない。そして、エッチングされることでパターン化したクロム層(パターン層)12を覆うレジスト13は、図2Fに示すように、有機溶剤によって溶融除去される[レジスト層除去工程]。
ここまでの工程を経ることで、ガラス基板11の表面に、クロム層12の存在しない第1透過領域PA1と、クロム層12の位置する第1遮光領域SA1とが交互に並ぶ。つまり、縞模様にパターン化された(第1透過領域PA1および第1遮光領域SA1の混在する)クロム層12が形成されることになる。
そして、このパターン化されたクロム層12の上に、図3Gに示すように、ネガ型のドライフィルム14が被せられる[ネガレジスト材料層形成工程]。なお、このドライフィルム(ネガレジスト材料層)14は、レジスト13同様の感光材料であり、X線を透過させる。
ドライフィルム14は、図3Hに示すように、ガラス基板11の裏面(第2面)11rから、紫外線等の光を受ける[ネガレジスト材料層露光工程]。すると、光はガラス基板(透過型基板)11を通過するものの、パターン化したクロム層12によって一部を遮られる。一方で、遮られなかった光はドライフィルム14に到達する。その結果、ドライフィルム14は、図3Hに示すように、クロム層12の間隙を通過してくる光によって露光される(つまり、パターン化したクロム層12がマスクの役割を果たす)。
ドライフィルム14はネガ型である。そのため、図3Iに示すように、露光されなかったドライフィルム14の部分、すなわちクロム層12に重畳するドライフィルム14の部分は、現像液によって除去される[ネガレジスト材料層現像除去工程]。すると、ドライフィルム14には、除去部分(溝部DH)が並列することで、パターンが形成される。
このようなパターン化されたドライフィルム14では、溝部DHの底にクロム層12が位置する。そこで、このクロム層12を電極とする電鋳法が可能になる。例えば、図3Iに示すような、ガラス基板11、クロム層12、およびドライフィルム14の積層するユニットが、金メッキ液に浸されて電鋳法が行われると、図3Jに示すように、溝部DHの底に位置するクロム層12上に、金(埋込材)15が析出する[溝部埋め工程]。そして、そのまま金(Au)が析出していくと、溝部DHが金で埋まる。
すると、クロム層12上に、紫外線やX線を透過させるドライフィルム14の一片(第2透過領域PA2)と、逆に紫外線やX線を吸収する金15の一片(第2遮光領域SA2)とが交互に並ぶ。特に、これらの一片同士が線状になっていると、このようなドライフィルム14の一片と金15の一片との混在する層は縞模様のパターンになる。そこで、この層を以降では、パターン含有層PLと称する。
このようなパターン含有層PLは、比較的薄い層である。そこで、以降のような工程が行われることで、パターン含有層PLが積み重なっていく。まず、図4Kに示すように、パターン含有層PL上に、新たなドライフィルム14が被せられる[ネガレジスト材料層形成工程]。その後、図4Lに示すように、ガラス基板11の裏面11rから紫外線等の光が照射される[ネガレジスト材料層露光工程]。
すると、光はガラス基板11を通過するものの、パターン含有層PLの金15によって一部を遮られる。一方で、遮られなかった光はパターン含有層PL上のドライフィルム14に到達する。つまり、このドライフィルム14は、パターン含有層PLに含まれるドライフィルム14を通過してくる光によって露光される(つまり、パターン含有層PLがマスクの役割を果たす)。
そして、パターン含有層PL上のドライフィルム14にて、露光されなかった部分、すなわち金15に重畳するドライフィルム14の部分は、図4Mに示すように、現像液によって除去される[ネガレジスト材料層現像除去工程]。すると、パターン含有層PL上のドライフィルム14に、溝部DHが並列する。その上、その溝部DHの底には、金15が位置する。
ここで、この金15によって覆われるクロム層12を電極とする電鋳法が可能になる。例えば、ガラス基板11、クロム層12、パターン含有層PL、および、ドライフィルム14の積層するユニットが、金メッキ液に浸されて電鋳法が行われると、図4Nに示すように、溝部DHの底に位置する金15の上に、さらに金15が析出する[溝部埋め工程]。そして、そのまま金15が析出していくと、溝部DHが金で埋まる。すると、新たなパターン含有層PLが、最初のパターン含有層PLに積み重なる。
このパターン含有層PLを積み重ねる工程は、適宜、繰り返される。すると、図1に示すように、多層化したパターン含有層PLを含む振幅型回折格子1が製造される。特に、パターン含有層PLが積み重なっていくことで、振幅型回折格子1における金15部分のアスペクト比は比較的高くなり、例えば、6以上60以下のアスペクト比が容易に確保される。
なお、ここでのアスペクト比は、パターン含有層PLの重なる方向を重なり方向、振幅型回折格子1における格子パターンの並び方向第2透過領域と第2遮光領域との並ぶ方向を並び方向とし、パターン含有層PLの重なりにより積み重なる金15の有する重なり方向に沿う長さをT(高さT)を、金15の有する並び方向に沿う長さをW(幅W)で除算することで求められる値(T/W)である。
以上のよう振幅型回折格子1の製造方法では、以下のようなことがいえる。すなわち、あるパターン含有層PLに新たなパターン含有層PLが積み重なっていく過程で、あるパターン含有層PLに含まれる金15およびドライフィルム14と、新たなパターン含有層PLに含まれる金15およびドライフィルム14とが、ずれることなく積み重なる。
なぜなら、新たなパターン含有層PLが形成される場合、その新たなパターン含有層PLの直下のパターン含有層PLがマスクとなるので、新たなパターン含有層PLに含まれるドライフィルム14(現像除去によって残存するドライフィルム14)は、直下のパターン含有層PLに含まれるドライフィルム14に重畳するためである。そして、このように新たなパターン含有層PLに含まれるドライフィルム14と、直下のパターン含有層PLに含まれるドライフィルム14とが重畳すれば、新たなパターン含有層PLに含まれる金15も、直下のパターン含有層PLに含まれる金に重畳する。
つまり、この振幅型回折格子1の製造方法では、積み重なるパターン含有層PLにて、自己整合的に、振幅型回折格子1のX線吸収部となる金15同士が積み重なるとともに、X線透過部となるドライフィルム14の残部同士も積み重なっていく。そのため、例えば、マスクの位置合わせは不要になり、製造負荷は軽くなる。
また、この振幅型回折格子1の製造方法では、ドライフィルム14でも比較的薄いものしか用いない。そのため、そのドライフィルム14に溝部DHが形成されたとしても、スティッキング(溝部DHにて対向する壁面同士が接触する現象)は起きづらい。その上、溝部DHの深さが浅いため、溝部DHにて金15が析出する過程で、ボイド(気泡)が発生しにくい。したがって、この製造方法は、安定して、振幅型回折格子1を製造できる。
さらに、この振幅型回折格子1の製造方法では、一般的に使用されるフォトリソグラフィープロセスが使用可能であるために、製造負担は軽く、さらにコストも安い。例えば、この振幅型回折格子1の製造方法は、X線を用いないため、LIGA(Lithographie,Galvanoformung,Abformung)のような製造方法に比べて、簡単かつ安価である。
また、この振幅型回折格子1の製造方法では、高価なシリコン(Si)基板を用いず、安価なガラス基板11が使用可能である。シリコン基板が使用される場合に、高価かつ材料の特性ゆえに、例えば径300mm程度のシリコンウエハしか使えない場合もある。かかる場合、振幅型回折格子1もシリコンウエハと似通ったサイズにならざるをえない。しかしながら、安価であるガラス基板11であれば、大サイズ(例えば、A4サイズ程度)の振幅型回折格子1が簡単かつ安価に製造できる。
ところで、以上の振幅型回折格子1の製造方法では、振幅型回折格子1におけるX線透過部に、ドライフィルム14を用いていた。しかし、これに限定されるものではない。例えば、パターン化されたクロム層12上に、液状のネガ型感光材料がスピンナー等で塗布されることで、層状になっていてもよい。ただし、ドライフィルム14のほうが、取り扱いの面で簡易といえる。
また、X線を吸収する材料は、金に限定されるものではなく、例えば、鉛(Pb)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、またはタングステン(W)であってもよい。あるいは、X線を吸収する材料は、金、鉛、白金、タンタル、またはタングステンを含む化合材料(化合物)であってもよいし、金、鉛、白金、タンタル、およびタングステンの少なくとも2つの材料を混ぜた混合材料であってもよい。要は、X線を吸収する材料であればよい。
ただし、金、鉛、白金、タンタル、およびタングステンの中では、金が最も効率よくX線を吸収する。そのため、金であれば、厚みが比較的薄くても十分にX線を吸収する振幅型回折格子1が製造される。
[その他の実施の形態]
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
例えば、実施の形態1では、振幅型回折格子1にて、金15から成るX線吸収部は、電鋳法によって形成されていた。しかし、この電柱法に限定されるものではない。
一例をあげるとすると、化学気相成長法(CVD法)が挙げられる。すなわち、ドライフィルム14に生じた溝部DHに、化学気相成長法を用いて、金15が堆積してもよい。また、ペースト状の金15が、ドライフィルム14に生じた溝部DHに入れ込まれ、熱によって溶融後に固化してもよい(金15がリフローしてもよい)。また、あらかじめ溶融状態にある金15に、溝部DHを含むドライフィルム14に覆われたガラス基板11を漬けることで(浸漬させることで)、金15が溝部DHに入れ込まれ、その後に固化してもよい。なお、浸漬とは、ガラス基板11全体を溶融状態の金15に漬ける、または、ガラス基板11にて処理したい表面11fのみを溶融状態15の金15に接触させることである。
以上のいずれも場合であっても、ドライフィルム14の溝部DHは、直下のパターン含有層PLをマスクとした露光・現像によって生じる。そのため、あるパターン含有層PLに含まれる金15およびドライフィルム14と、あるパターン含有層PLに重なるパターン含有層PLに含まれる金15およびドライフィルム14とが、ずれることなく積み重なる。したがって、いずれも場合であっても、実施の形態1同様に、製造負荷は軽いといえる。
は、振幅型回折格子の斜視図である。 では、(A)は導電性材料層形成工程を示す断面図であり、(B)はレジスト層形成工程を示す断面図であり、(C)はレジスト層露光工程を示す断面図であり、(D)はレジスト層現像除去工程を示す断面図であり、(E)は導電材料層エッチング工程を示す断面図であり、(F)はレジスト層除去工程を示す断面図である。 では、(G)は1回目のネガレジスト材料層形成工程を示す断面図であり、(H)は1回目のネガレジスト材料層露光工程を示す断面図であり、(I)は1回目のネガレジスト材料層現像除去工程を示す断面図であり、(J)は1回目の溝部埋め工程を示す断面図である。 では、(K)は2回目のネガレジスト材料層形成工程を示す断面図であり、(L)は2回目のネガレジスト材料層露光工程を示す断面図であり、(M)は2回目のネガレジスト材料層現像除去工程を示す断面図であり、(N)は2回目の溝部埋め工程を示す断面図である。 は、X線タルボ干渉計の概略斜視図である。 は、従来の振幅型回折格子の製造方法を示す断面図である。
符号の説明
1 振幅型回折格子
2 X線出射光源
3 位相型回折格子
4 X線画像検出器
9 X線タルボ干渉計
11 ガラス基板(透過型基板)
11f ガラス基板の表面(第1面)
11r ガラス基板の裏面(第2面)
12 クロム層(パターン層)
13 レジスト層
14 ドライフィルム(ネガレジスト材料層)
DH 溝部
15 金(埋込材)
PL パターン含有層
PA1 第1透過領域
SA1 第1遮光領域
PA2 第2透過領域
SA2 第2遮光領域

Claims (8)

  1. 透過型基板にて対向する第1面および第2面の一方である上記第1面上に、
    (1) 第1透過領域および第1遮光領域の混在するパターン層を重ねるとともに、
    上記パターン層上にネガレジスト材料層を形成し、
    (2) 上記透過基板の第2面からの露光を用いるフォトリソグラフィー法で、上記 ネガレジスト材料層の残部を第2透過領域とするとともに、上記ネガレジスト
    材料層の溝部に第2遮光領域となる埋込材を埋め込むことで、上記の第2透過
    領域および第2遮光領域の混在するパターン含有層を形成し、
    (3) 形成された上記パターン含有層上に、新たなネガレジスト材料層を形成し、 そのネガレジスト材料に対して、上記(2)の工程をさらに行うことで、形成 されたパターン含有層上に、新たなパターン含有層を重ねていく、
    振幅型回折格子の製造方法。
  2. 上記パターン含有層の重なる方向を重なり方向、上記第2透過領域と上記第2遮光領域との並ぶ方向を並び方向とするとともに、上記パターン含有層の重なりにより重なる上記埋込材の有する上記重なり方向に沿う長さをT、上記並び方向に沿う長さをWとすると、
    TをWで除算した値であるアスペクト比を、6以上60以下にする請求項1に記載の振幅型回折格子の製造方法。
  3. 上記ネガレジスト材料層は、ドライフィルムである請求項1または2に記載の振幅型回折格子の製造方法。
  4. 上記埋込材は、
    金、鉛、白金、タンタル、またはタングステン、
    あるいは、
    金、鉛、白金、タンタル、またはタングステンを含む化合材料、
    あるいは、
    金、鉛、白金、タンタル、およびタングステンの少なくとも2つの材料を混ぜた混合材料、
    である請求項1〜3のいずれか1項に記載の振幅型回折格子の製造方法。
  5. 上記パターン層の第1遮光領域は導電材であり、電鋳法によって、上記ネガレジスト材料層の溝部の底から露出する上記導電材に、上記埋込材を析出させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の振幅型回折格子の製造方法。
  6. 化学気相成長法によって、上記埋込材を上記溝部に堆積させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の振幅型回折格子の製造方法。
  7. ペースト状の上記埋込材を上記溝部に入れ込み、熱によって溶融後に固化させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の振幅型回折格子の製造方法。
  8. 溶融状態の上記埋込材に、上記第1面を浸漬させることで、上記溝部に上記埋込材を入れ込み、その後に固化させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の振幅型回折格子の製造方法。
JP2008134625A 2008-05-22 2008-05-22 振幅型回折格子の製造方法 Withdrawn JP2009282322A (ja)

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