JP2009274920A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大口径のシリコン単結晶の引上げにおける生産効率に優れ、結晶品質を安定させることができるシリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】石英ルツボに充填率が40〜60%で初期チャージされたシリコン原料を溶融し、さらに目標の充填量を満たすまでシリコン原料を追加チャージした後、前記石英ルツボ内に形成された融液から単結晶を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、望ましくは、目標の充填量を満たすまで少なくとも2回に亘りシリコン原料を追加チャージする。これにより、使用する石英ルツボの容積を有効に活用でき、初期チャージされるシリコン原料の溶解時間を短縮できるとともに、液面ダメージ部を新たに形成することが可能となる。この製造方法は、直径が450mmのシリコン単結晶を36インチ(914mm)〜44インチ(1118mm)の石英ルツボを用いて引き上げる場合に最適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)による大口径のシリコン単結晶を製造する方法に関し、さらに詳しくは、大口径のシリコン単結晶を引き上げる場合であっても、生産の効率化と結晶品質の安定化を達成することができるシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
現在、半導体デバイス製造における主要な基板材料としてシリコン単結晶が用いられており、この製造方法としてCZ法が広く採用されている。CZ法によってシリコン単結晶を育成させる場合、多結晶のシリコン原料を溶融用ルツボ内に装入し、その中で溶融させる。シリコン原料を完全に溶融させた後、これを結晶原料として種結晶をシリコンの融液に浸しシリコン単結晶を引上げていく。
図1は、CZ法によるシリコン単結晶の製造に適用される引上げ装置の要部構成を示す断面図である。図1に示すように、この引上げ装置はルツボ1内に供給される半導体用のシリコン原料を加熱し、溶融状態に保持するためのヒーター2と断熱材3が内部に配置されたメインチャンバー4と、引き上げられた単結晶を一旦収納するプルチャンバー5と、これら両チャンバー4、5を接続するトップチャンバー6とを有している。
結晶原料を溶融するルツボ1は、二重構造からなり、有底円筒状をなす石英製の内層保持容器(以下、「石英ルツボ」という)1aと、その石英ルツボ1aの外側を保持する黒鉛製の外層保持容器(以下、「黒鉛ルツボ」という)1bとから構成されており、回転および昇降が可能な支持軸7の上端部に固定されている。
ヒーター2と断熱材3はルツボ1の外側に概ね同心円状に配設されており、石英ルツボ1a内に投入された半導体用シリコン原料、すなわち、塊状または粒状の多結晶シリコンは溶融され、結晶原料となる融液8が形成される。
融液8が充填された石英ルツボ1aの中心軸上には、支持軸7と同一軸上で逆方向または同方向に所定の速度で回転する引上げワイヤー9が配設されており、引上げワイヤー9の巻取り部10がプルチャンバー5の上方に取り付けられている。引上げワイヤー9の下端には種結晶11が保持されている。
このように構成された引上げ装置を用いてシリコン単結晶の引き上げを行う際には、石英ルツボ1a内に所定量のシリコン原料を投入し、減圧下の不活性ガス雰囲気中でこのシリコン原料をルツボ1の周囲に配設したヒーター2により加熱、溶融した後、形成された融液8の表面近傍に引上げワイヤー9の下端に保持された種結晶11を浸漬する。続いて、ルツボ1および引上げワイヤー9を回転させつつワイヤー9をリール10aで巻き取って引き上げ、種結晶11の下端面に単結晶12を成長させる。
ところで、近年の半導体デバイスの高集積化、低コスト化および生産性の向上等に対応して、ウェーハも大口径化が要請されており、現行の直径300mmのウェーハに替わる直径400mm〜450mmウェーハに対応できる、大口径のシリコン単結晶の製造技術の開発が急務になっている。
大口径のシリコン単結晶を製造するのに必要な技術として、石英ルツボの大容量化やシリコン原料の充填量アップが大きな課題となる。従来から、大口径のシリコン単結晶の製造技術の開発に直接関連するものではないが、これらの石英ルツボの大容量化やシリコン原料の充填量に関し個別の提案がなされている。
例えば、特許文献1では、石英ルツボの大容量化にともない、ルツボ内の原料を加熱、溶融するヒーターも必然的に大型になり、自重によるヒーター自身の撓み(変形)や、それによる破損が生じるという問題があり、これらを解消するため、従来からの電極によるヒーター支持部位に加え、別の部位でヒーターを支持するヒーター支持具を備えたCZ結晶製造装置が提案されている。
また、シリコン原料の充填量の増量に関し、特許文献2では、シリコン単結晶を製造する過程で、多結晶原料をルツボに追加充填する工程と、ルツボに追加充填した多結晶原料を溶融して原料融液とする工程とを繰り返すことにより、充填量の増量を図る方法が提案されている。ただし、提案の方法は、シリコン単結晶の育成後にルツボに多結晶原料を追加充填することで、1つのルツボから複数本の単結晶棒を製造するマルチプーリング法に限定されるものである。
大口径のシリコン単結晶を製造するに際し、石英ルツボの大容量化について解決すべき課題は、前記ヒーターの撓み(変形)と、それに起因するヒーターの破損等の問題に留まるものではない。また、充填量の増量に関する課題を解決するために、マルチプーリング法で採用されるシリコン原料の充填技術をそのまま適用するのは困難である。このため、大口径のシリコン単結晶の製造技術の開発には、新たな観点から石英ルツボの大容量化やシリコン原料の充填量アップに関する課題に取り組む必要がある。
特開平10−167876号公報 特開20004−315256号公報 最新シリコンデバイスと結晶技術、リアライズ理工センター発行、238〜256頁 「7.次世代大口径ウェーハ結晶成長・加工・エピタキシャル」、2005年12月
大口径のシリコン単結晶の製造技術に関連して、石英ルツボの大容量化から大型ルツボの製作が必須となる。育成する結晶と石英ルツボの径の比は、経験則より1:3程度であるが、経済性を考慮し、直径200mmの単結晶に対しては22インチ(56cm)、直径300mmの単結晶に対しては32インチ(81cm)の石英ルツボが多用されている。このことから、非特許文献1では、単結晶の直径と石英ルツボとの関係をこれまでの推移と今後採用されるであろう予想サイズについて、表1に示すように報告している。
Figure 2009274920
ところが、大口径のシリコン単結晶を製造するに際し、大型石英ルツボを導入すると、それにともない引上げ装置を構成する各パーツが大型になり、且つ重量が増大することになる。このため、石英ルツボの大型化により作業性や取り扱い性が大幅に低下することが予測される。したがって、上記表1に示されるルツボサイズに拘泥されることなく、シリコン単結晶の操業過程における作業効率、さらに生産効率の観点から適正なルツボサイズを検討する必要がある。
また、シリコン単結晶の大口径化にともない石英ルツボが大型になり、多量のシリコン原料を溶融するようになると、その溶解時間も長時間になる。シリコン原料の溶解時間が長くなると、石英ルツボの内表面は融液によって長時間に亘り高温に晒され、特に融液の表面に接するルツボ表面が劣化し易くなる。ルツボ表面に劣化が生じると、石英ルツボに含まれる不純物が融液中に溶出し、また、石英(Si酸化物)剥離が起こるおそれがある。これらが融液から結晶中に取り込まれると、育成される単結晶を有転位化させることになる。
本発明は、このような大口径のシリコン単結晶の製造技術の開発における新たな課題に鑑みなされたものであり、シリコン単結晶の操業過程における作業効率および生産効率に優れるとともに、引き上がられるシリコン単結晶の品質を安定させることができるシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明者らは、大型石英ルツボを用いた大口径のシリコン単結晶の引上げ挙動について、数値シミュレーションによる検証を行った。従来から、育成する結晶と石英ルツボの径の比は、経験則より1:3程度であるとされていたが、検証の結果、直径が450mmのシリコン単結晶を引き上げる場合には、前記表1に示されるルツボサイズより小さな36インチ(914mm)〜44インチ(1118mm)の石英ルツボを用いるのが有効であることを見出した。
すなわち、大サイズの石英ルツボを用いると、融液内の対流が一段と激しくなり、結晶の育成に支障が生じるようになる。また、前述の通り、大サイズの石英ルツボを用いて多量のシリコン原料を溶融するようになると、溶解時間が長くなり易く、ルツボ表面の劣化が顕著になる。
図2は、石英ルツボ内でのシリコン原料の溶融状態を説明する図であり、(a)は初期チャージの状態を示し、(b)は溶融の中期乃至後期の状態を示している。石英ルツボ1aに充填されたシリコン原料13は、ルツボの外側に配置されたヒーターによって溶融されることから、石英ルツボ1aの内表面に近い箇所、すなわち、シリコン原料13の側方および下方から溶融していく。
シリコン原料13の溶融が進展し中期乃至後期に至ると、図2(b)に示すように、未溶解のシリコン原料13が融液8中に浮遊する状態になる。このとき、融液の表面8aは、ルツボ表面と一定の高さ位置で接触し、未溶解のシリコン原料13がなくなるまでその高さ位置が維持される。
以下の説明で、ルツボ表面が融液の表面8aと一定の高さ位置で接触して損傷を受ける現象を「液面ダメージ」とし、融液の表面8aと接触するルツボ表面の部位を「液面ダメージ部」という。
ルツボ表面が融液の表面8aと接触し、液面ダメージ部の形成が長時間に亘り継続されると、融液の表面8aに接するルツボ表面での液面ダメージによる損傷が著しくなり、不純物の溶出や石英(Si酸化物)剥離を生じ易くなる。これらが引上げ過程で結晶中に取り込まれることにより、単結晶の有転位化の要因となる。
初期チャージとしてルツボ内に投入されるシリコン原料13は、ロッド状、塊状、または粒状等の各種形状の多結晶シリコンが用いられ、それぞれが単独、または複合して供給され、シリコン単結晶を育成する融液8の原料となる。前記図2(a)に示す初期チャージは、複合して供給された状態を示す。
通常、シリコン単結晶の育成では、使用するシリコン原料は多種多様な形をしているため、ルツボ内にチャージ可能な固形原料量には制限があり、初期チャージでは目標の充填量(最終チャージ量)を投入することができない。大口径のシリコン単結晶の製造においては、その傾向がより顕著なものとなる。
一方、初期チャージ量が増加すると、前記図2(b)に示すような、未溶解のシリコン原料が融液中に浮遊する状態が継続し、長時間に亘り液面ダメージ部を形成する。
このような問題を解消し、結晶原料となる融液の不足分を補充して所望の融液量を確保するとともに、長時間に亘る液面ダメージ部の形成を回避するため、石英ルツボへの初期チャージ後に、固形原料を追加供給する「追加チャージ」を適用することができる。
図3は、追加チャージによる融液面の挙動を説明する図であり、(a)は追加チャージの操作を示し、(b)は追加チャージによる融液面の挙動を示している。図3(a)に示すように、追加チャージでは、ルツボ内に初期チャージされたシリコン原料を溶融した後、形成された融液8にシリコン原料13をさらに追加投入することによって、石英ルツボ1a内の融液量8を増加させる。
図3(b)に示すように、追加チャージされたシリコン原料13は、未溶解のまま融液8中に浮遊する状態になるが、直ちに、融液の表面8aの高さ位置を上昇させ、初期チャージと異なった位置に液面ダメージ部を形成する。新たに形成された液面ダメージ部は、未溶解のシリコン原料13が溶融するまで継続する。
すなわち、図3に示す追加チャージを適用することによって、使用する石英ルツボ1aの容積を有効に活用でき、初期チャージされるシリコン原料13の溶解時間を短縮できるとともに、液面ダメージ部を新たに形成することができる。これにより、シリコン単結晶の製造における作業効率および生産効率の向上が図れ、同時に液面ダメージ部の形成時間に依存する石英ルツボ1aの表面劣化を抑制することができる。
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、下記(1)〜(3)のシリコン単結晶の製造方法を要旨としている。
(1)CZ法により大口径のシリコン単結晶を製造する方法であって、石英ルツボに充填率が40〜60%で初期チャージされたシリコン原料を溶融し、さらに目標の充填量を満たすまでシリコン原料を追加チャージした後、前記石英ルツボ内に形成された融液から単結晶を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法である。ただし、充填率は(初期チャージ量/目標の充填量)×100(%)で示す。
(2)上記(1)のシリコン単結晶の製造方法では、前記石英ルツボに初期チャージされたシリコン原料を溶融し、さらに目標の充填量を満たすまで少なくとも2回に亘りシリコン原料を追加チャージした後、前記石英ルツボ内に形成された融液から単結晶を引き上げるのが望ましい。
(3)さらに、上記(1)、(2)のシリコン単結晶の製造方法は、直径が450mmのシリコン単結晶を36インチ(914mm)〜44インチ(1118mm)の石英ルツボを用いて引き上げる場合に最適な製造方法である。
本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、結晶直径が400mm、450mmという、大口径のシリコン単結晶の製造技術に適用することにより、シリコン単結晶の操業過程における作業効率および生産効率の向上が図れ、初期チャージされるシリコン原料の溶解時間を短縮し、液面ダメージ部でのルツボ表面での劣化を抑制し、不純物の溶出や石英(Si酸化物)剥離に起因する有転位化を防止できる。
これにより、大口径のシリコン単結晶を引き上げる場合であっても、高い生産性を確保できるとともに、得られるシリコン単結晶の品質を安定させることができる。
本発明のシリコン単結晶の製造方法は、CZ法により大口径のシリコン単結晶を製造する方法であって、石英ルツボに充填率が40〜60%で初期チャージされたシリコン原料を溶融し、さらに目標の充填量を満たすまでシリコン原料を追加チャージした後、前記石英ルツボ内に形成された融液から単結晶を引き上げることを特徴とする。
本発明の製造方法では、引上げ直径を450mmとするシリコン単結晶を対象とできる。直径が450mmのシリコン単結晶を引き上げる場合に、直胴部(ボディ部)長さを1800mm〜2500mmで育成すると想定すれば、引上げ総重量は800kg〜1100kg程度になる。
直径が450mmのシリコン単結晶を引き上げるため、シリコン原料を溶融する石英ルツボは、36インチ(914mm)〜44インチ(1118mm)とするのが有効である。石英ルツボ内での融液の対流を適正に制御できるとともに、後述するように、シリコン原料の投入および溶融を効率的に実施することができる。
本発明の製造方法では、追加チャージを適用する。具体的には、初期チャージされたシリコン原料を溶融し、さらに目標の充填量を満たすまでシリコン原料を追加チャージした後、石英ルツボ内に形成された融液から単結晶を引き上げる。
追加チャージを適用することによって、初期チャージされるシリコン原料を制限でき、溶解時間を短縮できるとともに、直ちに融液の表面を上昇させ、ルツボ表面の異なった位置に液面ダメージ部を形成することができる。これにより、シリコン単結晶の製造における作業効率および生産効率の向上が図れ、同時に石英ルツボの表面劣化を抑制することができる。
石英ルツボへの初期チャージに際しては、その充填率を40〜60%とする。ただし、本発明で規定する充填率は、(初期チャージ量/目標の充填量)×100(%)で示す。
通常、30インチ(762mm)以下の石英ルツボを用いてシリコン単結晶を引き上げる場合には、充填率は60〜70%とされる。しかし、この充填率を36インチ以上の大口径の石英ルツボに適用すると、シリコン原料の溶解時間が著しく長時間になる。このため、充填率の上限を60%とする。
一方、充填率が40%未満であると、初期チャージ量が過小となり追加チャージ回数の増加にともない生産効率が低下するおそれがある。また、初期チャージ量が過小な状態で石英ルツボを高温に晒すことから、石英ルツボの撓み(変形)が懸念される。このため、充填率の下限を40%とする。
本発明の製造方法では、前記石英ルツボに初期チャージされたシリコン原料を溶融し、さらに目標の充填量を満たすまで少なくとも2回の追加チャージを行うのが望ましい。2回以上の追加チャージを行うことにより、36インチ以上の大口径の石英ルツボを用いる場合であっても、目標の充填量を達成するためのシリコン原料の投入および溶融を効率的に実施できる。特に、初期チャージされたシリコン原料の溶解時間を短縮でき、生産性の確保が図れるとともに、石英ルツボの表面劣化の抑制に有効である。
本発明の製造方法では、追加チャージの上限となる回数は定めないが、追加チャージの回数が過度に多くなると生産効率が低下することから、追加チャージは5回以下とするのが目安となる。
本発明の内容を、前記図1に示す引上げ装置構成であり、使用する石英ルツボに応じて36インチおよび44インチのホットゾーン構成を前提として、数値シミュレーションによる検証結果に基づいて説明する。
(実施例1:直径450mm×重量800kg単結晶引上げ)
直径が450mmで直胴部の長さを1800mmとし、引上げ後の総重量が約800kgとなるシリコン単結晶を育成した。使用した石英ルツボは36インチ(口径が914mm、ルツボ高さが600mm)とした。36インチの石英ルツボでは高さ590mmまで融液を形成すると、結晶原料の重量は約800kgとなる。
初期チャージの充填率を40%、50%、60%および70%と変動させた。それぞれ準備した石英ルツボに、初期チャージとしてロッド状、塊状、または粒状の多結晶シリコンを複合して投入した。石英ルツボに充填されたシリコン原料は、ヒーターによって加熱され、シリコン原料の側方および下方から溶融し、未溶解のシリコン原料が融液中に浮遊する状態から、未溶解のシリコン原料がなくなるまで溶解した。このときの溶解時間を表2に示す。
初期チャージのシリコン原料を溶解したのち、粒状の多結晶シリコンを主体に2回から3回に亘り追加チャージを実施した。このときの追加チャージの投入状況を表2に示す。
Figure 2009274920
表2の結果から、初期チャージの充填率が60%を超え70%になると、シリコン原料の溶解時間が著しく長時間となり、融液表面(液面ダメージ部)での石英ルツボの表面損傷が著しくなり、引き上げられる単結晶に有転位化が発生することが予測される。
(実施例2:直径450mm×重量1100kg単結晶引上げ)
直径が450mmで直胴部の長さを2500mmとし、引上げ後の総重量が約1100kgとなるシリコン単結晶を育成した。使用した石英ルツボは44インチ(口径が1118mm、ルツボ高さが625mm)とした。44インチの石英ルツボでは高さ563mmまで融液を形成すると、結晶原料の重量は約1100kgとなる。
実施例1と同様に、初期チャージの充填率を40%、50%、60%および70%と変動させ、それぞれ準備した石英ルツボに、初期チャージとして多結晶シリコンを投入した。石英ルツボに充填されたシリコン原料は、ヒーターによって加熱され、未溶解のシリコン原料がなくなるまで溶解し、溶解時間を表3に示す。
初期チャージのシリコン原料を溶解したのち、粒状の多結晶シリコンを主体に2回から3回に亘り追加チャージを実施した。このときの追加チャージの投入状況を表3に示す。
Figure 2009274920
表3の結果から、初期チャージの充填率が60%を超え70%になると、シリコン原料の溶解時間が著しく長時間となり、融液表面で石英ルツボの表面損傷が著しくなり、引き上げられる単結晶に有転位化が発生することが予測される。
本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、結晶直径が400mm、450mmという、大口径のシリコン単結晶の製造技術に適用することにより、シリコン単結晶の操業過程における作業効率および生産効率の向上が図れ、初期チャージされるシリコン原料の溶解時間を短縮し、融液表面(液面ダメージ部)によるルツボ表面での劣化を抑制し、不純物の溶出や石英(Si酸化物)剥離に起因する有転位化を防止できる。
これにより、大口径のシリコン単結晶を引き上げる場合であっても、高い生産性を確保でき、同時に得られるシリコン単結晶の品質を安定させることができることから、直径が450mmのシリコン単結晶の引上げに際し好適に利用することができる。
CZ法によるシリコン単結晶の製造に適用される引上げ装置の要部構成を示す断面図である。 石英ルツボ内でのシリコン原料の溶融状態を説明する図であり、(a)は初期チャージの状態を示し、(b)は溶融の中期乃至後期の状態を示している。 追加チャージによる融液面の挙動を説明する図であり、(a)は追加チャージの操作を示し、(b)は追加チャージによる融液面の挙動を示している。
符号の説明
1:石英ルツボ、 1a:石英ルツボ
1b:黒鉛ルツボ、 2:ヒーター
3:断熱材、 4:メインチャンバー
5:プルチャンバー、 6:トップチャンバー
7:支持軸、 8:融液
8a:融液表面、 9:引上げワイヤー
10:巻取り部、 10a:リール
11:種結晶、 12:シリコン単結晶
13:シリコン原料

Claims (3)

  1. チョクラルスキー法により大口径のシリコン単結晶を製造する方法であって、
    石英ルツボに充填率が40〜60%で初期チャージされたシリコン原料を溶融し、さらに目標の充填量を満たすまでシリコン原料を追加チャージした後、前記石英ルツボ内に形成された融液から単結晶を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
    ここで、充填率は(初期チャージ量/目標の充填量)×100(%)で示す
  2. 前記石英ルツボに初期チャージされたシリコン原料を溶融し、さらに目標の充填量を満たすまで少なくとも2回に亘りシリコン原料を追加チャージした後、前記石英ルツボ内に形成された融液から単結晶を引き上げることを特徴とする請求項1に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  3. 直径が450mmのシリコン単結晶を引き上げる際に、36インチ(914mm)〜44インチ(1118mm)の石英ルツボを用いることを特徴とする請求項1または2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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