JP2009263006A - 射出成形複合容器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 雌金型の内壁にラベルを配置して第1樹脂材料を射出成形し、得られた第1樹脂材料部上のラベルを完全に内包するように、第1樹脂材料部と金型とで型閉じして第2樹脂材料を射出成形することにより、ラベルが樹脂材料に内包されており、且つ、ラベルの両面が樹脂材料に融着して一体化している複合容器を提供する。
【選択図】図3
Description
このようなラベル付き成形体において、より意匠性を高める目的から、ラベルを成形体の外側ではなく内側に配して、透明または不透明な成形体を介してラベルを視認できるようにする種々の試みが行われた。
しかし特許文献12の発明は、内部に挿入するシートの両面が内側部材、外側部材の各樹脂材に融着して一体化しているものではないので、特許文献5〜8の発明と同様に、容器とラベルとの一体感に乏しいという問題点があった。また特許文献12の発明は、その主旨から、内部に挿入するシートは外側部材を射出成形する場合の射出口と対応する位置に配置すれば足りるものであり、この点からも、市場で受け入れられる程度の外観改良の観点で不十分である。
さらにその製造方法の観点でも、一度内側部材を射出成形した後、この内側部材の背面にシートを取付ける別工程を有するものであり、複雑である。
しかし特許文献13の発明は本来、家電製品や自動車などのメーカー名や商品名などをあらわすエンブレムとして好適な図柄付成形品の製造方法に関するものである。この発明をラベルを内包する容器の製造方法として転用した場合は、まず容器の内側にラベルを配した外側容器を第一の透明樹脂からなる成形品として得、次いで第一の成形品を雌型の一部としてその内側に第二の透明樹脂を射出することによって内側容器とし、第一の透明樹脂と第二の透明樹脂とで図柄を挟み込む容器を製造することになる。
ここで容器の内側にラベルを配した第一の成形品を成形するためには、上記特許文献9〜11に記載の発明のような技術を使用せざるを得ず、実施は困難である。更に外側容器を形成した後に、この内側に射出成形により内側容器を形成する製造方法によれば、外側容器との界面であるラベル部分に浮きが発生してラベルと樹脂材料が一体化した容器が得られないという問題点がある。
[2] 前記第1樹脂材料と前記第2樹脂樹脂材料が、各々独立に、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリルスチレン、ポリアリルサルホン、およびアイオノマーよりなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂よりなる樹脂組成物であることを特徴とする[1]に記載の射出成形複合容器。
[3] 前記第1樹脂材料が、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンタ−1−エン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリルスチレン、およびポリアリルサルホンよりなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂よりなる樹脂組成物であり、且つ、前記第2樹脂材料が、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンタ−1−エン)、エラストマー、アイオノマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、アモルファスポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリブテン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリルスチレン、ポリアリレート、およびポリアリルサルホンよりなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂よりなる樹脂組成物であることを特徴とする[1]または[2]に記載の射出成形複合容器。
[4] 前記射出成形複合容器が第1樹脂材料部と第2樹脂材料部とラベルから構成されており、前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料に同一の樹脂材料よりなる樹脂組成物を用いることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。なかでも、射出成形により形成され蓋との嵌着部を有する容器の形状を有する第1樹脂材料部と、射出成形により形成され前記第1樹脂材料部の外側に位置する第2樹脂材料部と、ラベルから構成される射出成形複合容器であって、前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料は同一の樹脂材料よりなる樹脂組成物を用い、前記ラベルは第1樹脂材料部の側壁に沿って配置されており、且つ前記第1樹脂材料部と前記第2樹脂材料部との間に内包されており、且つ、前記ラベルの両面が前記の各樹脂材料に融着して一体化していることを特徴とする射出成形複合容器。
[5] 前記射出成形複合容器が第1樹脂材料部と第2樹脂材料部とラベルから構成されており、前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とは互いに樹脂の組成が異なることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
[6] 前記第1樹脂材料部が射出成形により形成され、蓋との嵌着部を有する容器の形状を有することを特徴とすることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の射出成形複合容器。
[7] 前記第2樹脂材料部が前記第1樹脂材料部の外側に位置することを特徴とする[6]に記載の射出成形複合容器(外側とは、複合容器の内容物を収容する領域からより遠い側を指す)。
[8] 前記第2樹脂材料部も容器の形状を有することを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の射出成形複合容器。
[9] 前記第1樹脂材料部か前記第2樹脂材料部の少なくとも一方が透明であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
[10] 前記ラベルの基材がポリオレフィン系フィルムまたはポリエステル系フィルムで構成されることを特徴とする[1]〜[9]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
[11] 前記ラベルの基材の表面と裏面が互いに異なる材質で構成されていることを特徴とする[10]に記載の射出成形複合容器。
[12] 前記ラベルが容器の形状を有する前記第1樹脂材料部の外周壁に沿って配置されていることを特徴とする[6]〜[11]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
[13] 前記ラベルが装飾を有することを特徴とする[1]〜[12]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
[14] 前記装飾が印刷よりなるものであることを特徴とする[13]に記載の射出成形複合容器。
[15] 前記装飾が金属箔よりなるものであることを特徴とする[13]または[14]に記載の射出成形複合容器。
[16] 前記ラベルの装飾が前記樹脂材料を通して視認できることを特徴とする[13]〜[15]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
[17] 前記ラベルの装飾が容器内側から視認できる位置に設けられていることを特徴とする[16]に記載の射出成形複合容器(内側とは、複合容器の内容物を収容する領域またはその領域を見込む空間を指す)。
[18] 前記ラベルがその少なくとも片面にヒートシール層を有することを特徴とする[1]〜[17]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
[19] 前記ラベルが貫通孔を有することを特徴とする[1]〜[18]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
[20] 前記射出成形複合容器の外表面が装飾を有することを特徴とする[1]〜[19]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
(1)第1金型の雌金型側の内壁にラベルを配置して固定し、型閉じした後に、前記第1金型内に第1樹脂材料を射出して成形することによりラベルが融着した第1樹脂材料部を形成する工程、および、
(2)前記第1樹脂材料部上のラベルを完全に内包するように、雄型または雄型の一部としての前記第1樹脂材料部と雌型としての第2金型とで型閉じし、第2樹脂材料を射出して成形することにより、前記第1樹脂材料部上のラベルを覆うように第2樹脂材料部を形成する工程
を含むことを特徴とする射出成形複合容器の製造方法。
[22] 前記工程(1)において、前記第1樹脂材料部を蓋との嵌着部を有する容器の形状に成形することを特徴とする[21]に記載の射出成形複合容器の製造方法。
[23] 前記第2樹脂材料部を前記第1樹脂材料部の外側に形成することを特徴とする[21]または[22]に記載の射出成形複合容器の製造方法。
[24] 前記第2樹脂材料部も容器の形状に成形することを特徴とする[22]または[23]に記載の射出成形複合容器の製造方法。
[25] 前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とは互いに樹脂の組成が異なることを特徴とする[21]〜[24]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器の製造方法。
[26] 前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料が同一の樹脂材料よりなる樹脂組成物であることを特徴とする[21]〜[24]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器の製造方法。
[27] 前記ラベルが装飾を有しており、その装飾が前記第1樹脂材料部、前記第2樹脂材料部またはその両方を通して視認できるように、前記第1樹脂材料部と前記第2樹脂材料部の不透明度を決めることを特徴とする[21]〜[26]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器の製造方法。
[28] 前記ラベルがその少なくとも片面にヒートシール層を有することを特徴とする[21]〜[27]のいずれか一項に記載の射出成形複合容器の製造方法。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(第1樹脂材料部)
本発明の複合容器の第1樹脂材料部は、樹脂材料を射出成形することにより形成されるものであり、複合容器の樹脂材料の一部を構成するものである。第1樹脂材料部は、容器の形状を有していることが好ましく、なかでも複合容器の本体となる構造を有していることがより好ましい。第1樹脂材料部は、特に複合容器の内側容器となる構造を有していることが好ましい。ここでいう内側容器は、少なくとも底部と側壁部を有していて、複合容器に入れる内容物に接する容器である。上方が開放した筒状、カップ状、またはボトル状など様々な形状をとることが可能であり、その上端部には蓋を嵌合するための螺合嵌着等の嵌着部が形成されていてもよい。厚みについては特に制限はなく、側壁部において連続的に厚みが変化するようなものであってもよい。
これらの樹脂は耐熱性、強度、光反射性、その他の物性および意匠性を向上させる観点から結晶性を高める処理を施してもよく、またはこれらの樹脂に公知の充填剤や着色剤、添加剤を加えた樹脂組成物を用いることもできる。
本発明の複合容器の第2樹脂材料部は、樹脂材料を射出成形することにより形成されるものであり、複合容器の樹脂材料の一部を構成するものである。第2樹脂材料部は、容器の形状を有していることが好ましく、なかでも複合容器の外側容器となる構造を有していることが好ましい。ここでいう外側容器は、少なくとも底部と側壁部を有していて、複合容器に入れる内容物に直接接することがない容器である。通常は複合容器の外側を構成する容器である。第2樹脂材料部は、上方が開放した筒状、カップ状、またはボトル状など様々な形状をとることが可能であり、第1樹脂材料部の一部または全部と相似形を有していてもよい。
例えば、第2樹脂材料部は第1樹脂材料部の嵌着部の下端部から側壁部(ラベル部)および底部へ渡って融着一体化する構造を有していてもよい。第2樹脂材料部の上端部は、図3に示すように、第1樹脂材料部の嵌着部の下端部へ巻き込み係止するようにして内側に折り曲げた折曲部を形成して第1樹脂材料部と一体化していることが好ましい。第2樹脂材料部の厚みについては特に制限はなく、側壁部において連続的に厚みが変化するようなものでもよい。
またこれらの樹脂は、単独重合体のみならず、共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
梨地の表面とすれば、ぼかしの表現を意図的に付与することができる。またエンボスを付与した場合、該凹凸がレンズとして働き、内部のラベルの装飾と組み合わせることで立体感やホログラムの効果などを付加することができる。
(ラベルの視認性)
本発明の複合容器を構成するラベルは、第1樹脂材料部と第2樹脂材料部の間に完全に内包され一体に融着している。好ましくは、ラベルは内側容器を構成する第1樹脂材料部の外周と外側容器を構成する第2樹脂材料部の内周に一体に融着している。ラベルは、透明または半透明な樹脂材料を介して視認できる。本発明では、透明または半透明の外側容器(第2樹脂材料部)を介して容器の外部からラベルを視認できることが好ましいが、透明または半透明の内側容器(第1樹脂材料部)を介して容器内側より視認できるものであってもよい。更にはこれらを組み合わせたものであってもよい。ラベルの装飾面は、外側容器(第2樹脂材料部)の内周の面並びに内側容器(第1樹脂材料部)の外周の面と界面を同一としているので、容器の光沢等が直接ラベルの装飾に反映して、より高級感を高めることができるものである。
またこれらのラベルは第1樹脂材料部と第2樹脂材料部の間に埋設されるので、容器の内容物と直接触れることはない。このため、内容物がラベルの印刷インキ等により汚染されるなどの安全衛生面での懸念がない。
基材とはラベルの支持体として、ラベルに強度や印刷適性、場合により不透明性等を付与するものである。またラベル成形に際してはヒートシール層を支持して成形しやすくするものであり、原料リサイクルの観点でも有利に機能しうるものである。
ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体またはシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
無機微細粉末は、安定した樹脂混練やフィルム延伸、均一な空孔形成の観点から、平均粒径が通常0.01〜15μm、好ましくは0.02〜8μm、さらに好ましくは0.03〜4μmのものを使用することができる。
有機フィラーは、無機微細粉末同様、分散後の平均粒径が通常0.01〜15μm、好ましくは0.02〜8μm、さらに好ましくは0.03〜4μmのものを使用することができる。
本発明に用いるラベルには、ラベルの最外層にヒートシール剤(一般的にはヒートシール樹脂)の層を設けることで、ヒートシール層を少なくとも片面に設けることが好ましい。本発明において、ヒートシール層とは、ラベルと容器との接着を促進するものであり、常温では固体状であるが、金型内で第1樹脂材料部または第2樹脂材料部を成形する際に溶融した樹脂の熱で活性化し、溶融樹脂と融着して、冷却後は再度固形状となり強固な接着力を発揮しえるものである。
本発明に用いるラベルは、最外層に印刷や金属箔転写等の装飾を施すことができる。この場合ラベルの少なくとも一方の面が装飾面であり、あるいは両面が装飾面である。また、本発明においてラベル上の装飾は、容器と接着して一体となり、容器を介して視認できることが好ましい。
本発明に用いるラベルは、穿孔による貫通孔を有することができる。貫通孔を有することで、第1樹脂材料部および第2樹脂材料部との融着の際に、溶融樹脂が貫通孔に流入して、物理的な嵌合による接着性向上の効果を得て、より一体化しやすくなり、好ましい様態となる。
該突起部は、第1樹脂材料部または第2樹脂材料部の射出成形によりラベルと一体化する際、容器側へ飛び出した錨として、容器/ラベル界面で嵌合した構造を形作り、更に接着力向上に寄与する。
本発明に用いるラベルは、前述のラベル基材が装飾、ヒートシール層の付与、穿孔などの工程を経た後、複合容器に用いられるサイズや形状に打ち抜かれて成り、複合容器の形成に用いられる。
(組み合わせ)
内側容器となる第1樹脂材料部と外側容器となる第2樹脂材料部が共に透明または半透明で、かつ、ラベルが透明または半透明である場合は、複合容器を介して内容物や内容量が確認できる。
外側容器および内側容器が透明または半透明で、かつラベルが不透明である場合は、複合容器の内外からラベルを視認できるので、例えばラベルの表裏に異なる装飾を施して、
内側容器が不透明で、かつ、外側容器およびラベルが透明または半透明である場合は、内側容器の地合を容器外観から視認することにより、実用新案登録第3114093号と同様の奥行きの深い色相を有する容器に、更にラベル情報を付与したものを提供できる。
外側容器が透明または半透明で、内側容器およびラベルが不透明である場合は、ラベル上の情報や装飾を従来の複合容器よりも鮮明に視認することができる。本発明の複合容器は内側容器、外側容器およびラベルが一体化されていて、内側容器または外側容器とラベルの間に空気層が存在しないため、界面での光の反射や回折が抑制できるためである。その結果、ラベルの表面に施された印刷等の装飾は光の拡散によりぼやけることなく、鮮明に視認される。
本発明の製造方法では、ラベルは第1樹脂材料部と第2樹脂材料部との間に内包されており、且つ、ラベルの両面が各樹脂材料に融着して一体化していることを特徴とする。本発明において「融着」とは、互いに接合しようとする2つの面を構成する各部材が熱により溶融・拡散し、2つの面が接した状態で冷却することによって当該2つの面が接合することを意味する。また本発明において「一体化」とは、複数の部材の各接面に浮きや空気溜まりがない状態で密着接合していることを意味する。
(製造方法の説明)
本発明の複合容器の製造方法は、特許請求の範囲に記載される複合容器を提供することができるものであれば特に制限されない。好ましい製造方法は、ラベル付き第1樹脂材料部を射出成形により形成し、次いでラベルを内包するように第2樹脂材料部を射出成形により形成する方法である。特に好ましい製造方法は、以下の2つの工程を含む本発明の製造方法である。
(1)第1金型の雌金型側の内壁にラベルを配置して固定し、型閉じした後に、前記第1金型内に第1樹脂材料を射出して成形することによりラベルが融着した第1樹脂材料部を形成する工程、および、
(2)前記第1樹脂材料部上のラベルを完全に内包するように、雄型または雄型の一部としての前記第1樹脂材料部と雌型としての第2金型とで型閉じし、第2樹脂材料を射出して成形することにより、前記第1樹脂材料部上のラベルを覆うように第2樹脂材料部を形成する工程
工程(2)の実施に際して、第2金型(雌型)内壁に新たなラベルを固定して射出成形を行うこともできる。これによって、第1樹脂材料部と第2樹脂材料部との間に内包されたラベルの他に、第2樹脂材料部の外表面に融着された第2のラベルも有する複合容器を製造することができる。
同様にして、第4樹脂材料部を形成したり、その表面にラベルを融着させたりすることもできる。これらの応用や改変は当業者により容易に行うことができる。
上記の本発明の製造方法を実施するための具体的な製造態様例について以下に説明する。ただし、以下に記載する製造態様は一例に過ぎず、本発明の製造方法はこの製造態様によって限定的に解釈されるべきものではない。
本製造態様では、第1樹脂材料部と第2樹脂材料部がともに容器の形状を有しており、内側の第1樹脂材料部と外側の第2樹脂材料部の間にラベルが内包されている複合容器を製造する。ここでは、第1樹脂材料部を内側容器といい、第2樹脂材料部を外側容器という。
次いで内側容器取り出しロボット2によって、ラベルが融着した内側容器が金型から取り出され、引き続き内側容器取り出しロボット2によって内側容器は走行機4上のジグに装填される。内側容器が装填されたジグは走行機4によって後段の成形機1b側に送られる。この走行機4上で、内側容器への更なる装飾、例えばレーザーによる印字(刻印)など、を追加で行うこともできる。
次いで雌金型と型閉じして金型内部に第2樹脂材料の溶融樹脂を射出することで、内周にラベルが融着し一体化した外側容器を成形でき、最終的に内側容器、外側容器、及びラベルがそれぞれ融着した複合容器が成形される。射出成形機1bの大きさは、容器の大きさ、取数、金型の大きさにより選択する。
外側容器の射出成形機1bにより複合容器の成形が終わると、内側容器挿入兼複合容器取り出しロボット5は複合容器を金型より取り出し、次のバッチの内側容器を金型内に再装填し、複合容器を複合容器搬送用コンベアー3上に置き、更に次のバッチの内側容器が走行機4のジグにより搬送されてくるまで待機する。上記作業の繰り返しにより複合容器は成形できる。
(ラベル基材の製造例1)
プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA8Q」、日本ポリプロ(株)製)88重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HJ580」、日本ポリエチレン(株)製)10重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末2重量%よりなる樹脂組成物(A)を、押出機を用いて250℃で溶融混練したのち、ダイよりフィルム状に押し出し、約50℃の温度となるまでフィルムを冷却した。このフィルムを約153℃に再度加熱したのち、ロール群の周速度を利用して縦方向に4倍延伸して、コア層となる一軸延伸フィルムを得た。
一方、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA3AQ」、日本ポリプロ(株)製)85重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HJ580」、日本ポリエチレン(株)製)5重量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末10重量%よりなる樹脂組成物(B)を別の押出機を用いて240℃で溶融混練し、これを前記一軸延伸フィルムの表面にダイよりフィルム状に押し出し、積層して、表面層/コア層(B/A)の積層体を得た。
プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA8Q」、日本ポリプロ(株)製)67重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HJ580」、日本ポリエチレン(株)製)10重量%および平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末23重量%よりなる樹脂組成物(A)を、押出機を用いて250℃で溶融混練したのち、ダイよりフィルム状に押し出し、約50℃の温度となるまでフィルムを冷却した。このフィルムを約150℃に再度加熱したのち、ロール群の周速度を利用して縦方向に4倍延伸して、コア層となる一軸延伸フィルムを得た。
一方、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA3AQ」、日本ポリプロ(株)製)51.5重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HJ580」、日本ポリエチレン(株)製)3.5重量%、平均粒径1.5μmの炭酸カルシウム粉末42重量%、平均粒径0.8μmの酸化チタン粉末3重量%よりなる樹脂組成物(B)を別の押出機を用いて240℃で溶融混練し、これを前記一軸延伸フィルムの表面にダイよりフィルム状に押し出し、積層して、表面層/コア層(B/A)の積層体を得た。
プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA8Q」、日本ポリプロ(株)製)81重量%、高密度ポリエチレン(商品名「ノバテックHD HJ360」、日本ポリエチレン(株)製)3重量%、及び炭酸カルシウム16重量%を混合した樹脂組成物(A)を、250℃の温度に設定した押出機にて溶融混練した後、これをダイよりシート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延伸シートを得た。次いで、このシートを150℃の温度にまで再度加熱した後、周速の異なるロール群を用いて縦方向5倍の延伸を行い、5倍縦延伸フィルム(コア層)を得た。
さらに表面層として、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA3AQ」、日本ポリプロ(株)製)54重量%と、炭酸カルシウム46重量%を混合した樹脂組成物(B)を別の押出機にて250℃で溶融混練した後、これをダイよりシート状に押出し、上記工程で得た5倍縦延伸フィルムの両面に積層して、3層構造の積層フィルムを得た。次いで、この3層構造の積層フィルムを60℃の温度にまで冷却した後、オーブンにより155℃の温度にまで再加熱し、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸し(面積延伸倍率:37.5倍)、165℃の温度でアニーリング処理し、60℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして、3層構造(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の厚み60μm(B/A/B=15μm/30μm/15μm)の熱可塑性樹脂延伸フィルムで、不透明度95%の、本発明のラベルに用いる不透明なポリオレフィン系フィルムを得た。
プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA3U」、日本ポリプロ(株)製)100重量%よりなる樹脂組成物(A)、エチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名「カーネル KF360T」、日本ポリエチレン(株)製)100重量部に、添加剤として帯電防止剤(商品名「ノバテックLL LX−AS」、日本ポリエチレン(株)製)を5重量部、ブロッキング防止剤(商品名「カーネル KMB32F」、日本ポリエチレン(株)製)を5重量部配合した樹脂組成物(B)、およびプロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MA3U」、日本ポリプロ(株)製)50重量%と、プロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP FB3C」、日本ポリプロ(株)製)20重量%と、マレイン酸変性エチレン・酢酸ビニル共重合体(商品名「モディックAP A515」、日本ポリエチレン(株)製)30重量%の混合物100重量部に、ブロッキング防止剤(商品名「ノバテックPP FMB1650B」、日本ポリプロ(株)製)を2重量部配合した樹脂組成物(C)をそれぞれ別々の押出機を用いて240℃で溶融混練し、これらを1台の共押出T−ダイに供給し、T−ダイ内でB/A/Cの順で3層に積層し、次いで240℃でT−ダイよりシート状に押し出し、これをセミミラー調チルロールと、マット調ゴムロールとの間に導き、挟圧(線圧約1.5kg/cm)しながら冷却し、耳部をスリットして、本発明のラベルに用いる透明で無延伸のポリオレフィン系フィルムを得た。このものの厚みは80μm、不透明度は13%であった。
市販のポリエステルフィルム(商品名「O300E」、三菱樹脂(株)製、厚さ100μm)の片面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系のヒートシール剤(商品名「アドコート AD1790−15」、東洋モートン(株)製)を固形分量で3g/m2となるようにグラビア塗工し、乾燥させて、本発明のラベルに用いる透明なポリエステル系フィルムを得た。このものの不透明度は10%であった。
(ラベルの製造例1)
ラベル基材の製造例1で得た透明なポリオレフィン系フィルムを菊半サイズに断裁した後、表面層(B層)側の表面を装飾面とし、これに枚葉オフセット印刷機およびUVオフセットプロセスインキを用いてロゴ及び幾何学模様を印刷した。印刷後に幾何学模様を施した印刷面側にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系のヒートシール剤(商品名「アドコート AD1790−15」、東洋モートン(株)製)を固形分量で2g/m2となるようにメイヤーバー塗工し、乾燥させてヒートシール層を設け、容器形状に合わせて扇形状に打ち抜き、本発明の複合容器に用いるラベルを得た。
ラベル基材の製造例2で得た不透明なポリオレフィン系フィルムを菊半サイズに断裁した後、表面層(B層)側の表面を装飾面とし、これに枚葉オフセット印刷機および油性オフセットプロセスインキを用いてロゴ及び幾何学模様を印刷した。更にこの印刷物の印刷面上にホットスタンプにて箔押しを施した。同基材より印刷後に容器形状に合わせて扇形状に打ち抜き、抜きと同プロセスにて抜き刃を利用した機械的穿孔にて穿孔間のピッチ10mm、穿孔径0.6mmの貫通孔を施して、本発明の複合容器に用いるラベルを得た。
ラベル基材の製造例3で得た不透明なポリオレフィン系フィルムを菊半サイズに断裁した後、その両面を装飾面とし、これに枚葉オフセット印刷機およびUVオフセットプロセスインキを用いて片面には商品名やバーコードなどの情報、もう片面には幾何学模様を印刷した。印刷後に幾何学模様を施した表面側にポリオレフィン系のホットメルト接着剤(商品名「Fコート」、日本化工塗料(株)製)をメイヤーバー塗工し乾燥させて、容器形状に合わせて扇形状に打ち抜き、本発明の複合容器に用いるラベルを得た。
ラベル基材の製造例4で得た透明なポリオレフィン系フィルムのC層側の表面を装飾面とし、これにレタープレス印刷機およびUVオフセットプロセスインキを用いてロゴ及び幾何学模様を印刷した。印刷後に容器形状に合わせて扇形状に打ち抜き、本発明の複合容器に用いるラベルを得た。
ラベル基材の製造例5で得た透明なポリエステル系フィルムのヒートシール剤非塗工面に、RI転色試験器およびUV硬化型インキ(商品名「UV161藍」、(株)T&K TOKA製)を用いてベタ印刷した。硬化後の印刷面側にエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂系のヒートシール剤(商品名「アドコート AD1790−15」、東洋モートン(株)製)を固形分量で2g/m2となるようにメイヤーバー塗工し、40℃に設定したオーブン中で2分間乾燥させて印刷面側にもヒートシール層を設け、容器形状に合わせて扇形状に打ち抜き、本発明の複合容器に用いるラベルを得た。
ラベル基材の製造例1で得た透明なポリオレフィン系フィルムのB層側の表面を装飾面とし、グラビア印刷機およびリーフィングタイプメタリックインキを用いてロゴ及び幾何学模様を印刷し、更に印刷面上にラミネートフィルム(商品名「ルミラー P025」、東レ(株)製、厚さ12μm)および接着剤(商品名「TM595/CAT56」、東洋モートン(株)製、2液型)を用いて、PETフィルムをドライラミネートした。同基材より容器形状に合わせて扇形状に打ち抜き、抜きと同プロセスにて抜き刃を利用した機械的穿孔にて穿孔間のピッチ10mm、穿孔径0.6mmの貫通孔を施して、本発明の複合容器に用いるラベルを得た。
ラベル基材の製造例2で得た不透明なポリオレフィン系フィルムを菊半サイズに断裁した後、表面層(B層)側の表面を装飾面とし、これに枚葉オフセット印刷機および油性オフセットプロセスインキを用いてロゴ、会社名、連絡先、幾何学模様を印刷した。印刷後の幾何学模様を施した表面側にポリオレフィン系ホットメルト型接着剤(製品名「ZAP−426」、(株)三羽研究所製、試作品)を固形分量で1g/m2となるようにメイヤーバー塗工し乾燥させて印刷面側にもヒートシール層を設け、同基材より印刷後に容器形状に合わせて扇形状に打ち抜き、本発明の複合容器に用いるラベルを得た。
(実施例1)
樹脂押出機と型締め装置よりなる射出成形機(商品名「ES3000 ELJECT」、日精樹脂工業(株)製)に、図2の断面形状を有する内径55mm、内容積約60mlの内側容器を1度に4個形成できる金型を取り付けた。同金型の雌金型内にラベルの製造例1で得たラベルを手で印刷面が金型表面に接する様に挿入し、約150tの型締力にて型締めした後、内側容器の樹脂材料としてプロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MG2T」、日本ポリプロ(株)製)を用い、これを押出機にて溶融混練した後に約2tの射出圧力で金型内に射出した。冷却後に金型内より、外周にラベルの融着した内側容器を取り出して得た。次いで樹脂押出機と型締め装置よりなる別の射出成形機(商品名「ES3000ELJECT」、日精樹脂工業(株)製)に、外側容器を1度に4個形成できる金型を取り付け、同金型の雄金型側に得られた内側容器を手で挿入し、吸引により固定した後、約150tの型締力にて型締めし、外側容器の樹脂材料としてプロピレン単独重合体(商品名「プライムポリプロ J850NA」、(株)プライムポリマー製)を用い、押出機にて溶融混練した後に約2tの射出圧力でこれを金型内に射出して外側容器を形成し、冷却後にこれを取り出し、図3に示すように内側容器21、外側容器22、ラベル23が融着し一体化した複合容器20を得た(図3)。この複合容器は内側容器が透明、外側容器が透明、ラベルが透明であり、容器を介してラベル上の印刷を視認でき、ラベルと容器が一体化しているのでラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
ラベルの製造例2で得たラベルを用い、内側容器の樹脂材料としてプロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MG2T」、日本ポリプロ(株)製)にチタンマスターバッチを混合して二酸化チタン濃度が2重量%となるように調整した樹脂組成物を用いる以外は、実施例1と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が白色不透明、外側容器が透明、ラベルが不透明であり、外側容器を介してラベル上の印刷を視認でき、ラベルと外側容器が一体化しているのでラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
ラベルの製造例3で得たラベルを用い、内側容器成形時に、ラベルの商品名やバーコードなどの情報を印刷した面が金型に接する様に挿入する以外は、実施例1と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が透明、外側容器が透明、ラベルが不透明であり、ラベルの両面に施された装飾を外側容器および内側容器を介してそれぞれ個別に情報および模様として視認でき、ラベルと容器が一体化しているのでラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
ラベルの製造例4で得たラベルを用いる以外は、実施例1と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が透明、外側容器が透明、ラベルが透明であり、容器外部より外側容器を介してラベル上の印刷を視認でき、更には容器内容物まで確認することもできるものであった。また容器の内側からもラベル上の印刷を視認できるものでもあった。ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
ラベルの製造例5で得たラベルを用い、内側容器および外側容器の樹脂材料としてポリエチレンテレフタレート(商品名「IP 142B」、(株)ベルポリエステルプロダクツ製)を用いる以外は、実施例1と同様の装置、金型、手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が透明、外側容器が透明、ラベルが透明であり、容器外部より外側容器を介してラベル上の印刷を視認でき、更には内容物まで確認することもできるものであった。また容器の内側からもラベル上の印刷を視認できるものでもあった。ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
ラベルの製造例6で得たラベルを用い、外側容器の樹脂材料としてポリエチレンテレフタレート(商品名「IP 142B」、(株)ベルポリエステルプロダクツ製)を用いる以外は、実施例1と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が透明、外側容器が透明、ラベルが不透明であり、外側容器を介してラベル上の印刷を視認できるものであった。さらに、ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
ラベルの製造例2で得たラベルを用い、前段の内側容器の成形時に実施例1とはラベルの表裏を逆に印刷面が金型表面に接しない(キャビティ側)向きに金型内に挿入する以外は、実施例1と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。次いでこの複合容器の外側容器表面のみにアルミニウム蒸着による金属光沢の装飾を施し、さらにその上にスクリーン印刷にて直接印刷を施した。この複合容器は内側容器が透明、外側容器は金属蒸着により不透明、ラベルが不透明であり、外側容器を介してラベルの視認はできないが、内側容器を介してラベル上の印刷を視認できるものであった。ラベルと容器は一体化して、複合容器の内側からラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
外側容器の樹脂材料としてオレフィン系熱可塑性アイオノマー(商品名「サーリン PC2000」、デュポン製)を用いる以外は、実施例1と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が透明、外側容器が透明、ラベルが透明であり、容器を介してラベル上の印刷を視認できるものであった。さらに、ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
外側容器の樹脂材料としてオレフィン系熱可塑性アイオノマー(商品名「ハイミラン 1705」、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を用いる以外は、実施例2と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が不透明、外側容器が透明、ラベルが不透明であり、外側容器を介してラベル上の印刷を視認できるものであった。さらに、ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
外側容器の樹脂材料としてオレフィン系熱可塑性エラストマー(商品名「ゼラス MC717」、三菱化学(株)製)を用いる以外は、実施例1と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が透明、外側容器が透明、ラベルが透明であり、容器を介してラベル上の印刷を視認できるものであった。さらに、ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
ラベルの製造例7で得たラベルを用いる以外は、実施例2と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が不透明、外側容器が透明、ラベルが不透明であり、外側容器を介してラベル上の印刷を視認できるものであった。さらに、ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
ラベルの製造例7で得たラベルを用い、且つ外側容器の樹脂材料としてオレフィン系熱可塑性アイオノマー(商品名「ハイミラン 1705」、三井・デュポンポリケミカル(株)製)を用いる以外は、実施例2と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが融着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が不透明、外側容器が透明、ラベルが不透明であり、外側容器を介してラベル上の印刷を視認できるものであった。さらに、ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
外側容器の樹脂材料としてオレフィン系熱可塑性アイオノマー(商品名「サーリン PC2000」、デュポン製)を用いる以外は、実施例5と同様の手順で外側容器、内側容器、ラベルが接着し一体化した複合容器を得た。この複合容器は内側容器が透明、外側容器が透明、ラベルが透明であり、容器外部より外側容器を介してラベル上の印刷を視認でき、更には容器内容物まで確認することもできるものであった。また容器の内側からもラベル上の印刷を視認できるものでもあった。ラベルと容器は一体化してラベル上の印刷がぼやけずに鮮明に見えるものであった。
樹脂押出機と型締め装置よりなる射出成形機(商品名「ES3000 ELJECT」、日精樹脂工業(株)製)に、断面がテーパー形状を有する外側容器を成形できる金型を取り付けた。同金型は雄金型のコア部を吸引によりラベルを固定できる様に加工し、雌金型側にゲート部を設けて樹脂を射出出来るように作成した。同金型の雄金型のコア部に製造例1で得たラベルを印刷面がキャビティ側に向くように手で巻き付け、吸引により固定した。約150tの型締力にて型締めした後、内側容器の樹脂材料としてプロピレン単独重合体(商品名「プライムポリプロ J850NA」、(株)プライムポリマー製)を用い、これを押出機にて溶融混練した後に約2tの射出圧力で金型内に射出した。冷却後に金型内より、内面周壁にラベルの融着した外側容器を取り出して得た。次いで樹脂押出機と型締め装置よりなる別の射出成形機(商品名「ES3000ELJECT」、日精樹脂工業(株)製)に、内側容器を形成できる別の金型を取り付けた。同金型は、前段の金型よりも小さなコア部を有する雄金型であって、これにゲート部を設けて樹脂を射出出来るように作成した。同金型の雌金型側に得られた外側容器を手で挿入し、約150tの型締力にて型締めし、内側容器の樹脂材料としてプロピレン単独重合体(商品名「ノバテックPP MG2T」、日本ポリプロ(株)製)を用い、押出機にて溶融混練した後に約2tの射出圧力でこれを金型内に射出して内側容器を形成し、冷却後にこれを取り出し、内側容器、外側容器、ラベルを有する複合容器を得た。しかしこの複合容器は、非常に生産性が悪いものであり、また品質面でも内側容器の成形後に、内側容器の型収縮によって、一旦接着したラベルの界面剥離によりラベルの浮きが発生した。結果的に、容器を介してラベル上の印刷を視認できるものの、ラベル上の印刷がぼやけて鮮明には見えず、ラベルと容器が一体化していないものであった。
この結果は、他の製造例で得られたラベルを用いた場合や、実施例で用いた他の樹脂を用いた場合も同様であり、ラベルと容器が一体化した二重容器は得られない。
1b 第2樹脂材料部(外側容器)射出成形機
2 内側容器取り出しロボット
3 複合容器搬送用コンベアー
4 走行機
5 内側容器挿入兼複合容器取り出しロボット
11 第1樹脂材料部(内側容器)の底部の角
12 第1樹脂材料部(内側容器)の肩部
20 複合容器
21 第1樹脂材料部(内側容器)
22 第2樹脂材料部(外側容器)
23 ラベル
Claims (28)
- 第1樹脂材料部と第2樹脂材料部とラベルから構成される射出成形複合容器であって、前記ラベルは前記第1樹脂材料部と前記第2樹脂材料部との間に内包されており、且つ、前記ラベルの両面が前記の各樹脂材料に融着して一体化していることを特徴とする射出成形複合容器。
- 前記第1樹脂および前記第2樹脂材料が、各々独立に、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、スチレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリルスチレン、ポリアリルサルホン、およびアイオノマーよりなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂よりなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形複合容器。
- 前記第1樹脂材料が、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンタ−1−エン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリルスチレン、およびポリアリルサルホンよりなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂よりなる樹脂組成物であり、且つ、前記第2樹脂材料が、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4−メチルペンタ−1−エン)、エラストマー、アイオノマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、アモルファスポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリブテン、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリルスチレン、ポリアリレート、およびポリアリルサルホンよりなる群より選ばれた少なくとも1種の熱可塑性樹脂よりなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形複合容器。
- 前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料に同一の樹脂材料よりなる樹脂組成物を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とは互いに樹脂の組成が異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記第1樹脂材料部が射出成形により形成され、蓋との嵌着部を有する容器の形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記第2樹脂材料部が前記第1樹脂材料部の外側に位置することを特徴とする請求項6に記載の射出成形複合容器。
- 前記第2樹脂材料部が射出成形により形成され、容器の形状を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の射出成形複合容器。
- 前記第1樹脂材料部か前記第2樹脂材料部の少なくとも一方が透明であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記ラベルの基材がポリオレフィン系フィルムまたはポリエステル系フィルムで構成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記ラベルの基材の表面と裏面が互いに異なる材質で構成されていることを特徴とする請求項10に記載の射出成形複合容器。
- 前記ラベルが容器の形状を有する前記第1樹脂材料部の外周壁に沿って配置されていることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記ラベルが装飾を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記装飾が印刷よりなるものであることを特徴とする請求項13に記載の射出成形複合容器。
- 前記装飾が金属箔よりなるものであることを特徴とする請求項13または14に記載の射出成形複合容器。
- 前記ラベルの装飾が前記樹脂材料を通して視認できることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記ラベルの装飾が容器内側から視認できる位置に設けられていることを特徴とする請求項16に記載の射出成形複合容器。
- 前記ラベルがその少なくとも片面にヒートシール層を有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記ラベルが貫通孔を有することを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 前記射出成形複合容器の外表面が装飾を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の射出成形複合容器。
- 第1樹脂材料部と第2樹脂材料部とラベルから構成される射出成形複合容器の製造方法であって、
(1)第1金型の雌金型側の内壁にラベルを配置して固定し、型閉じした後に、前記第1金型内に第1樹脂材料を射出して成形することによりラベルが融着した第1樹脂材料部を形成する工程、および、
(2)前記第1樹脂材料部上のラベルを完全に内包するように、雄型または雄型の一部としての前記第1樹脂材料部と雌型としての第2金型とで型閉じし、第2樹脂材料を射出して成形することにより、前記第1樹脂材料部上のラベルを覆うように第2樹脂材料部を形成する工程
を含むことを特徴とする射出成形複合容器の製造方法。 - 前記工程(1)において、前記第1樹脂材料部を蓋との嵌着部を有する容器の形状に成形することを特徴とする請求項21に記載の射出成形複合容器の製造方法。
- 前記第2樹脂材料部を前記第1樹脂材料部の外側に形成することを特徴とする請求項21または22に記載の射出成形複合容器の製造方法。
- 前記第2樹脂材料部も容器の形状に成形することを特徴とする請求項22または23に記載の射出成形複合容器の製造方法。
- 前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料とは互いに樹脂の組成が異なることを特徴とする請求項21〜24のいずれか一項に記載の射出成形複合容器の製造方法。
- 前記第1樹脂材料と前記第2樹脂材料が同一の樹脂材料よりなる樹脂組成物であることを特徴とする請求項21〜24のいずれか一項に記載の射出成形複合容器の製造方法。
- 前記ラベルが装飾を有しており、その装飾が前記第1樹脂材料部、前記第2樹脂材料部またはその両方を通して視認できるように、前記第1樹脂材料部と前記第2樹脂材料部の不透明度を決めることを特徴とする請求項21〜26のいずれか一項に記載の射出成形複合容器の製造方法。
- 前記ラベルがその少なくとも片面にヒートシール層を有することを特徴とする請求項21〜27のいずれか一項に記載の射出成形複合容器の製造方法。
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