JP2009249157A - 人数検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エレベータの乗車人数、降車人数または在場人数を精度良く検出することができる人数検知装置を提供する。
【解決手段】 人数検知装置1の通過人数検出手段によって、光電センサ3の出力結果に基づいて、エレベータのかご6の出入口の通過人数が検出され、人数検知装置1の進行方向検出手段によって、重量センサ2の出力結果に基づいて、エレベータのかご6の出入口を通過した利用者の進行方向が検出される。このようにして検出される出入口の通過人数と、出入口を通過した利用者の進行方向とに基づいて、エレベータのかご6への乗車人数、エレベータのかご6からの降車人数、およびエレベータのかご6内の在場人数が検知される。
【選択図】 図4
【解決手段】 人数検知装置1の通過人数検出手段によって、光電センサ3の出力結果に基づいて、エレベータのかご6の出入口の通過人数が検出され、人数検知装置1の進行方向検出手段によって、重量センサ2の出力結果に基づいて、エレベータのかご6の出入口を通過した利用者の進行方向が検出される。このようにして検出される出入口の通過人数と、出入口を通過した利用者の進行方向とに基づいて、エレベータのかご6への乗車人数、エレベータのかご6からの降車人数、およびエレベータのかご6内の在場人数が検知される。
【選択図】 図4
Description
本発明は、エレベータの乗車人数、降車人数または在場人数を検知するための人数検知装置に関する。
エレベータによる防犯機能の向上を図る上で、エレベータへの乗車人数、エレベータからの降車人数、エレベータ内の在場人数を精度よく検知することは重要である。従来の人数を検知する方法が、たとえば特許文献1に示されている。特許文献1には、エレベータの箱の積載重量を停止中に継続的に計測し、計測データを濾波し、箱の積載重量データに基づきエレベータの箱内の利用者の移送人数を判定する方法であって、停止中に生じる階段状の積載重量の変化を記録し、エレベータの箱に出入りした人数を階段状変化に基づき判定する技術が示されている。
また在場人数を検知する方法が、たとえば特許文献2,3に示されている。特許文献2には、積載重量を平均体重値で割った値を在場人数とすることが示されている。特許文献3には、単数の発受光素子から得られるドア通過検出信号から在場人数をカウントすることが示されている。
エレベータには、エレベータのかごの積載重量を計測する重量センサ、ドア付近の人物の通過を計測するドア光電センサ、またはエレベータ内を撮影するカメラが標準的に装備されていることが多く、これらの計測機器類のデータから人数を求める場合には、2通りの方法がある。第1の方法は、在場人数を直接的に求めて、在場人数の増減によって、各階での乗車人数と降車人数とを間接的に求める方法である。第2の方法は、乗車人数および降車人数を直接的に求めて、各階での乗車人数と降車人数との加減算によって在場人数を間接的に求める方法である。
第1の方法としては、具体的には、特許文献3に示されるように、エレベータ内全体を撮影しているカメラからのデータに基づいて、エレベータ内を俯瞰的に撮影している画像を処理することによって在場人数を検知する方法、および特許文献2に示されるように、エレベータのかご内全体の積載重量を計測する重量センサのデータに基づいて、エレベータのかごの積載重量を平均体重値で割った値を在場人数とする方法がある。
第1の方法では、エレベータの出入口を注力して計測し、乗車人数および降車人数を検知しているわけではないので、たとえば、ある階で利用者2人が降車後、利用者2人が乗車しても、在場人数自体に変化が生じないことがあり、その結果、その階での乗車人数と降車人数とを検知できないことがあるという問題がある。
第2の方法としては、具体的には、特許文献1に示されるように、積載重量の階段状変化を記録し、積載重量の変化の回数と方向とから、乗車人数および降車人数を検知する方法、および特許文献3に示されるように、ドア付近に設置される一対の光電センサのみによって人数を検知する方法がある。
第2の方法では、積載重量の階段状変化を記録し、積載重量の変化の回数と方向とから、乗車人数および降車人数を検知する場合、積載重量の値は時間軸に対して、平行または垂直方向に直線的で階段状の変化でなければならない。しかし、実際に利用者が乗降したときの積載重量の値は、時間軸に対して曲線的な変化を示すので、積載重量の波形を、階段状に濾波する手段と併用しなければ、現実的に乗車、降車といった方向を決めることはできず、乗車人数および降車人数を推定することができないという問題がある。また、ドア付近に設置される一対の光電センサのみによって人数を検知する場合、乗車と降車とを区別することが難しいという問題がある。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、エレベータの乗車人数、降車人数または在場人数を精度良く検出することができる人数検知装置を提供することを目的とする。
本発明の人数検知装置は、エレベータのかごの出入口の通過人数を検出する通過人数検出手段と、前記エレベータのかごの出入口を通過した利用者の進行方向を検出する進行方向検出手段とを備え、前記通過人数検出手段によって検出される前記通過人数と、前記進行方向検出手段によって検出される前記進行方向とに基づいて、前記エレベータのかごへの乗車人数、前記エレベータのかごからの降車人数、および前記エレベータのかご内の在場人数の少なくともいずれか1つを検知することを特徴とする。
本発明の人数検知装置によれば、通過人数検出手段によって、エレベータのかごの出入口の通過人数が検出され、進行方向検出手段によって、エレベータのかごの出入口を通過した利用者の進行方向が検出される。このようにして検出される出入口の通過人数と、出入口を通過した利用者の進行方向とに基づいて、エレベータのかごへの乗車人数、エレベータのかごからの降車人数、およびエレベータのかご内の在場人数が検知される。
このように本発明では、エレベータのかごの出入口の通過人数と、出入口を通過した利用者の進行方向とをそれぞれ別々の手段で検出し、これらの推定結果から、エレベータのかごへの乗車人数、エレベータのかごからの降車人数、およびエレベータのかご内の在場人数の少なくともいずれか1つを検知する。これによって、通過人数を検出する通過人数検出手段では、通過人数を検出することに注力することができるので、通過人数を精度良く検出することができる。また進行方向を検出する進行方向検出手段では、進行方向を検出することに注力することができ、また通過人数検出手段による通過人数の検出結果に基づいてノイズを無視することができるので、進行方向を精度良く検出することができる。これによって、エレベータのかごへの乗車人数、エレベータのかごからの降車人数、およびエレベータのかご内の在場人数を精度良く検出することができる。
<第1の実施の形態>
図1〜図3は、エレベータの積載重量の時系列変化を示すグラフであり、横軸は時刻t(i)を示し、縦軸は時刻t(i)に計測された積載重量W(i)を示している。図1は、エレベータから軽い物体が降車したときの積載重量の時系列変化を示す。図2は、図1に示す時系列変化を直線状に濾波した場合の時系列変化を示す。図3は、図1に示す時系列変化を階段状に濾波した場合の時系列変化を示す。
図1〜図3は、エレベータの積載重量の時系列変化を示すグラフであり、横軸は時刻t(i)を示し、縦軸は時刻t(i)に計測された積載重量W(i)を示している。図1は、エレベータから軽い物体が降車したときの積載重量の時系列変化を示す。図2は、図1に示す時系列変化を直線状に濾波した場合の時系列変化を示す。図3は、図1に示す時系列変化を階段状に濾波した場合の時系列変化を示す。
軽い物体を、たとえば子供と考えると、子供の体重は大人に比べて軽いので、積載重量W(i)の時系列変化は小さい。このとき、前記特許文献1では、積載重量の変化の方向および回数からエレベータの乗車人数および降車人数を算出しているので、図1に示す積載重量W(i)の波形を図2または図3に示すように、直線状または階段状の変化を示す波形へと濾波しなければならない。しかし、図2と図3とでは検知される人数に違いが生じるため、正確に濾波しなければならない。
図1の場合は、子供が降車したときの積載重量の時系列変化であるため、図3に示す波形へ濾波することが正解となるが、誰も降車しなくてもエレベータの振動などによって図1に示すような波形となる可能性があるので、場合によっては図2に示す波形へ濾波することが正解となることもある。このように、前記特許文献1の方法では、乗車人数または降車人数を推定するために積載重量の時系列変化を示す波形を正確に濾波することは困難となる。仮に、方向を検知するためだけに濾波するのであれば、誤検知の影響が小さいため、図3に示す波形へ濾波して降車と検知しておけばよいことになるが、前記特許文献1では、積載重量の変化の方向および回数からエレベータの乗車人数および降車人数を算出しているので、安易に図3に示す波形へ濾波することはできない。また仮に、図2に示す波形へ濾波してしまうと、方向を検知することもできなくなる。結果として十分な通過人数検知精度および方向検知精度を得ることが難しく、前記特許文献1に示される技術による濾波後の積載重量の時系列変化を利用することが、本発明で述べる通過人数を検知するための手段、もしくは方向を検知するための手段として適切な方法とは言い難い。そこで、このような問題点を解決するための実施の形態について、以下に説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態である人数検知装置1を含むエレベータ制御装置100の構成を模式的に示す図である。エレベータ制御装置100は、建物に設置されたエレベータ、より詳細にはエレベータのかご6の動作を制御する。エレベータ制御装置100は、人数検知装置1、重量センサ2、光電センサ3およびカメラ4を備えて構成される。かご6は、かご本体7と、かご本体7に形成される開口、すなわちかご本体7に利用者が乗降するための出入口に設けられるドア8とを備えて構成される。人数検知装置1は、重量センサ2、光電センサ3およびカメラ4を含むハードウェア資源と電気的に接続されている。人数検知装置1は、重量センサ2、光電センサ3およびカメラ4から与えられるセンサ情報に基づいて、エレベータのかご本体7への乗車人数およびエレベータのかご本体7からの降車人数を検知するように構成されている。人数検知装置1の機能は、重量センサ2、光電センサ3およびカメラ4と通信可能に構成される不図示のエレベータ制御装置本体の機能の一部として備えられることもある。
かご6は、本実施の形態では略直方体形状に形成される。かご本体7は、有底筒状に形成され、一側部に開口が形成される。ドア8は、本実施の形態では2枚のドア部分8a,8b、すなわち第1および第2のドア部分8a,8bを含んで実現される。各ドア部分8a,8bは、矩形板状に形成され、それぞれ同様な大きさに形成される。第1および第2のドア部分8a,8bは、かご本体7の開口が閉鎖された閉鎖状態において、かご本体7の中央部で互いに接するように設けられる。ドア8は、その開閉方向において第1のドア部分8aが一方から他方に移動し、第2のドア部分8bが他方から一方に移動してかご本体7の開口を開放し、また第1のドア部分8aが開閉方向において他端部から中央部に向かって移動し、第2のドア部分8bが開閉方向において一端部から中央部に向かって移動してかご本体7の開口を閉鎖する。
重量センサ2は、かご6の鉛直方向上方に設けられる。光電センサ3は、エレベータの乗場であるエレベータホール側に位置し、かつ出入口の前記開閉方向に垂直な方向に一直線上に並べて設けられている。カメラ4は、たとえば、かご6内の壁部に設けられる。
図5は、本発明の第1の実施の形態である人数検知装置1の構成を示すブロック図である。人数検知装置1は、通過人数検出手段11および進行方向検出手段12を備えて構成される。通過人数検出手段11および進行方向検出手段12は、互いに電気的に接続されており、マイクロコンピュータ上のソフトウェアによって構成されている。
通過人数検出手段11は、たとえばかご6のドア8に設置される光電センサ3の計測結果に基づいて、ドア8の通過人数を検出する。進行方向検出手段12は、たとえば重量センサ2によるかご6の積載重量の計測結果に基づいて、利用者の進行方向を検出する。人数検知装置1は、通過人数検出手段11の検出結果および進行方向検出手段12の検出結果から、かご本体7への乗車人数とかご本体7からの降車人数とを検出する。
図6は、人数検知装置1の動作の処理手順を示すフローチャートである。図7は、進行方向の推定方法を説明するための図である。図7(a)は、重量センサ2によって計測されたかご6の積載重量の時系列変化を示すグラフであり、図7(b)は、進行方向の時系列変化を示す図である。図8は、通過人数と進行方向とを突合わせる方法を説明するための図である。図8(a)は、通過人数の推定方法の一例を示す図であり、図8(b)は、進行方向の時系列変化を示す図である。図7(a)、図7(b)、図8(a)および図8(b)の横軸は、時刻t(i)を示している。図7(a)の縦軸は時刻t(i)に計測された積載重量W(i)を示している。変数iは重量センサ2のサンプリング番号であり、自然数である。t(i)−t(i−1)は、重量センサ2のサンプリング周期となる。図6に示すフローチャートにおいて、重量センサ2または光電センサ3の予め定められる計測開始条件が満たされると本処理を開始し、ステップa1に移行する。計測開始条件は、たとえば予め定められる時刻である。
ステップa1では、重量センサ2または光電センサ3による計測を開始する。予め定められる計測終了条件が満たされると、ステップa2に移行する。計測終了条件は、たとえば予め定められる時刻である。計測終了条件は、計測開始時刻から予め定められた経過時間としてもよい。
ステップa2では、重量センサ2または光電センサ3による計測を終了する。計測が終了すると、ステップa3に移行する。
ステップa3では、通過人数検出手段11は、重量センサ2または光電センサ3の計測結果に基づいて、ドア8を通過した人数を検出する。ドア8を利用者が通過したとき、通過を感知する光電センサ3の感知回数を通過人数とする。1回の感知時間が短い場合は、ノイズであると判断して通過人数として計数しないように、感知時間による制限を設けてもよい。通過人数検出手段11が前述のような方法で通過人数を検出する方法を、以下「第1の通過人数検出方法」という。ステップa3で通過人数を検出すると、ステップa4に移行する。
ステップa4では、進行方向検出手段12は、重量センサ2の計測結果に基づいて、利用者の進行方向を検出する。ここで、図7に示すグラフの所定の期間[t(i),t(i−x)](xは変数であり、自然数)に着目し、進行方向検出手段12は、W(i)−W(i−x)<Y1を満たすとき、所定の期間[t(i),t(i−x)]はかご本体7から降車中であると検出する。前記Y1は予め定める閾値である。また進行方向検出手段12は、W(i)−W(i−x)>Y2を満たすとき、所定の期間[t(i),t(i−x)]はかご本体7へ乗車中であると検出する。前記Y2は、予め定められ、Y1とは異なる閾値である。前記x,Y1,Y2は、予め進行方向推定手段12によって保持されているものとする。進行方向検出手段12が前述のような方法で進行方向を検出する方法を、以下「第1の進行方向検出方法」という。ステップa4で進行方向を検出すると、ステップa5に移行する。
ステップa5では、進行方向検出手段12は、通過人数結果と進行方向結果とを突合わせて、換言すればマッチングさせてかご本体7への乗車人数と、かご本体7からの降車人数とを出力する。また進行方向検出手段12は、乗車人数と降車人数とから在場人数を算出する。ステップa5の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
ステップa5において、進行方向検出手段12によって通過人数結果と進行方向結果とを突合わせる方法について説明する。進行方向検出手段12は、図8に示すように、降車中であると推定されている期間[t(i),t(i−x)]に通過人数が1人と推定されている場合、前記期間の降車人数を1人と出力する。しかし、通過人数を推定するための光電センサ3と進行方向を推定する重量センサ2とは、センサ系列が異なるので、互いの時系列データに時間差が生じ、降車中であると推定されている期間[t(i),t(i−x)]に通過人数が1人と推定されるとは限らない。
そこで本実施の形態では、図8(b)に示すように、通過人数の出力時刻の進行方向が仮に不明(以下「不」という)である場合、通過人数の出力時刻を±Z(Zは自然数)の範囲でずらすことによって、進行方向結果がかご本体7への乗車方向(以下「乗」という)、またはかご本体7からの降車方向(以下「降」という)と一致するか否かを探索する。探索した結果、「降」と一致した場合は、降車人数が1人と出力する。
仮に、通過人数の出力時刻を±Zの範囲でずらしても、進行方向結果が「乗」または「降」と一致しない場合は、予め進行方向検出手段12に保持されているルールに沿って、乗車人数をN(Nは自然数)人、降車人数をM(Mは自然数)人と出力する。本実施の形態では、図8において、通過人数の出力時刻の進行方向が仮に「不」である場合、通過人数の出力時刻を±Zの範囲でずらす例を説明したが、進行方向結果の出力期間[t(i),t(i−x)]を±Zの範囲でずらしても同様の効果が得られる。変数Zは、進行方向検出手段12によって保持されているものとする。
乗車人数と降車人数とが得られると、進行方向検出手段12は、乗車人数と降車人数とから以下の式(1)によって在場人数を算出する。
在場人数=前回の在場人数+乗車人数−降車人数 …(1)
ステップa3において、通過人数検出手段12は、前記第1の通過人数検出方法とは異なる第2の通過人数検出方法で通過人数を検出してもよい。図9は、ドア8の近傍に複数個並べて設けられる光電センサ3を示す図である。図10は、第2の通過人数推定方法を説明するための図である。図10(a)は、光電センサ3の設置位置の時系列変化を示すグラフであり、図10(b)は光電センサ3の感知結果累積数の時系列変化を示すグラフである。図10(a)および図10(b)の横軸は、時刻を示している。図10(a)の縦軸は、光電センサ3の設置位置を示しており、図10(b)の縦軸は光電センサ3の感知結果累積数を示している。図10では、光電センサ3が感知した位置を黒点で示している。
ドア8を、たとえば人が通過すると、図10(a)に示すような感知結果が得られる。ここで、光電センサ3の設置位置に予め定める範囲Pn(nは自然数)を設ける。たとえば予め定める範囲P1において、N1(N1は自然数)個以上の光電センサ3が、M1(M1は自然数)回連続して感知した場合を通過開始条件S1とする。また、たとえば予め定める範囲P2において、N2(N2は自然数)個以上の光電センサ3が、M2(M2は自然数)回連続して感知しなかった場合を通過終了条件E1とする。前記予め定める範囲P1およびP2は、必ずしも同一の範囲である必要はない。通過開始条件S1が満たされてから、通過終了条件E1が満たされるまでの間に利用者が通過したと判断し、通過人数を1人と検出する。
また、図10(a)に示す光電センサ3の感知数を累積した感知結果累積数にも予め定める範囲Qn(nは自然数)を設ける。たとえば予め定める範囲Q1において、N3(N3は自然数)個以上の光電センサ3が、M3(M3は自然数)回連続して感知した場合を通過開始条件S2とする。また、たとえば予め定める範囲Q2において、N4(N4は自然数)個以上のセンサがM4(M4は自然数)回連続して感知しなかった場合を通過終了条件E2とする。前記予め定める範囲Q1およびQ2は、必ずしも同一の範囲である必要はない。通過開始条件S2が満たされてから、通過終了条件E2が満たされるまでの間に利用者が通過したと判断し、通過人数を1人と推定する。
2つの通過開始条件S1,S2のいずれか一方を適用してもよいし、両方適用してもよい。また2つの通過終了条件E1,E2のいずれか一方を適用してもよいし、両方適用してもよい。Pn,Qn,Nn(nは自然数),Mn(nは自然数)は、通過人数検出手段11によって保持されているものとする。
また図6のステップa3において、通過人数検出手段11は、前記第1および第2の通過人数検出方法とは異なる第3の通過人数検出方法で通過人数を検出してもよい。第3の通過人数検出方法は、カメラ4による画像処理によって通過人数を求める方法である。たとえば、カメラ4の撮影範囲フレーム内に入ってきた回数を画像処理によってカウントし、その数を通過人数とする。または、撮影範囲フレームから出ていった回数を画像処理によってカウントし、その数を通過人数とする。撮影範囲フレームに入ってきた回数と、出ていった回数とを画像処理によってカウントし、入ってきた回数1回と、出ていった回数1回とを組合わせて通過人数2人とカウントしてもよい。ただし、第3の通過人数検出方法の場合、エレベータのかご6内を俯瞰的に撮影している画像では、精度良く通過人数を検出できない可能性があり、エレベータの出入口付近に別途カメラを装着してもよい。
また図6のステップa3において、通過人数検出手段11は、前記第1〜第3の通過人数検出方法とは異なる第4の通過人数検出方法で通過人数を検出してもよい。図11は、エレベータのかご本体7に2人が乗車後、2人が降車したときのかご6の積載重量の時系列変化を示すグラフである。図12は、図11に示すかご6の積載重量の時系列変化から演算される時間差分データの時系列変化を示すグラフである。図13は、モデル波形W_m(i)の時系列変化を示すグラフである。図11〜図13の横軸は時刻t(i)を示している。図11の縦軸は、時刻t(i)に計測された積載重量W(i)を示しており、図12の縦軸は、時間差分データW_diff(i)を示しており、図13の縦軸は、モデル波形W_m(i)を示している。変数iは重量センサ2のサンプリング番号であり、自然数である。t(i)−t(i−1)は、重量センサ2のサンプリング周期となる。たとえば、通過人数検出手段11は、図11に示される積載重量W(i)を重量センサ2から受信する。通過人数検出手段11は、重量センサ2から受信した積載重量W(i)から、以下の式(2)を用いて、時間差分データW_diff(i)を算出する。
W_diff(i)=(W(i+Δi)−W(i))/(Δi) …(2)
式(2)におけるΔiは差分間隔を表す。通過人数検出手段11は、予め保存されている図13に示されるようなモデル波形W_m(i)を時間軸方向に走査して、時間差分データW_diff(i)の波形とモデル波形W_m(i)との形状の類似度を表す以下の式(3)に示されるような正規化相互相関関数z(τ)を算出する。
相互相関関数z(τ)の値が予め定める閾値S_overlap以上となった回数を通過人数とする。また、モデル波形W_m(i)が下方向に凸の場合も同様に走査し、正規化相互相関関数z(τ)を算出し、通過人数を求める。閾値S_overlapは、通過人数検出手段11に予め保存されているものとする。
また図6のステップa3において、通過人数検出手段11は、前記第1〜第4の通過人数検出方法とは異なる第5の通過人数検出方法で通過人数を検出してもよい。通過人数検出手段11は、たとえば、図12の時間差分データW_diff(i)の0以上の値において、図12のCの位置に閾値を設定する。そして、時間差分データW_diff(i)が閾値以上になった回数を通過人数とする。図12のCの位置に閾値を設定した場合、通過人数は2人と推定される。閾値を時間差分データW_diff(i)の0以下の値に設定する場合は、時間差分データW_diff(i)が閾値以下になった回数を通過人数とする。第5の通過人数検出方法では、前述の第4の通過人数検出方法のように、モデル波形W_m(i)を予め保存しておく必要がなくなり、モデル波形W_m(i)との類似度を演算する必要がないので、使用する演算リソース量を少なくすることができる。
また図6のステップa3において、通過人数検出手段11は、前記第1〜第5の通過人数検出方法とは異なる第6の通過人数検出方法で通過人数を検出してもよい。図14は、閾値以上になった回数と通過人数との関係を示す図である。通過人数検出手段11は、たとえば、図12の時間差分データW_diff(i)の0以上の値において、図12のように閾値を複数、本実施の形態では6つの閾値A〜Fを設定する。そして、時間差分データW_diff(i)が閾値以上になった回数を各閾値毎に数える。すると、図14に示されるような表が完成する。このとき、乗車人数が2人と推定されたのは閾値6個中4個と最も多いので、2人を通過人数とする。時間差分データW_diff(i)の0以下の値において、閾値を複数設定した場合も同様である。このように、第6の通過人数検出方法では、前述の第4の通過人数検出方法のようにモデル波形W_m(i)を予め保存しておく必要がなくなり、モデル波形W_m(i)との類似度を演算する必要がないので、使用する演算リソース量を少なくすることができる。また、第5の通過人数検出方法では、1つの閾値の設定次第で、通過人数検知結果が変わるが、第6の通過人数検出方法では、第5の通過人数検出方法よりも精度良く通過人数を検出することができる。
図6のステップa4において、進行方向検出手段12は、前記第1の進行方向検出方法とは異なる第2の進行方向検出方法で進行方向を検出してもよい。図15は、第2の進行方向検出方法を説明するための図である。図15(a)は、重量センサ2によって計測されたかご6の積載重量の時系列変化を示すグラフであり、図15(b)は、かご6の積載重量の時系列変化から演算される時間差分データの時系列変化を示すグラフである。図15(a)および図15(b)の横軸は、時刻t(i)を示している。図15(a)の縦軸は、かご6の積載重量W(i)を示しており、図15(b)の縦軸は、時間差分データW_diff(i)を示している。
図15(b)に示す時間差分データW_diff(i)は、かご6の積載重量が減少するとマイナスの値を示し、かご6の積載重量が増加するとプラスの値を示し、かご6の積載重量に変化がないと零の値を示す特性がある。そこで、時間差分データW_diff(i)がマイナスの値を示してから再び零の値を示すまでの期間[t(i),t(i−x)]を降車中と検出する。また、時間差分データW_diff(i)がプラスの値を示してから再び零の値を示すまでの期間を乗車中と検出する。
また図6のステップa4において、進行方向検出手段12は、前記第1および第2の進行方向検出方法とは異なる第3の進行方向検出方法で進行方向を検出してもよい。図16は、二対の光電センサ3A,3Bを進行方向に対して前後に設置した場合を示す平面図である。第1の光電センサ3Aを時刻t(i−x)に感知した後に、第2の光電センサ3Bを時刻t(i)に感知した場合、利用者は期間[t(i),t(i−x)]に、図16の紙面に向かって左から右へと進行したと検出する。同様に、第2の光電センサ3Bを感知した後に、第1の光電センサ3Aを感知した場合、利用者は図16の紙面に向かって右から左へと進行したと検出する。ただし、第3の進行方向検出方法によって進行方向を検出する場合、光電センサ3を進行方向に対して前後に複数個設置する必要がある。
また図6のステップa4において、進行方向検出手段12は、前記第1〜第3の進行方向検出方法とは異なる第4の進行方向検出方法で進行方向を検出してもよい。第4の進行方向検出方法は、カメラ4による画像処理によって進行方向を求める方法である。たとえば、カメラ4の撮影範囲フレーム内に右から入ってきて左に抜けた場合は、乗車とし、左から入ってきて右から抜けた場合は、降車と判断する。左右方向ではなく、上下方向であってもよい。ただし、第4の通過人数検出方法の場合、エレベータのかご6内を俯瞰的に撮影している画像では、精度良く進行方向を検出できない可能性があるので、エレベータの出入口付近に別途カメラを装着してもよい。
また本実施の形態では、図6のステップa3において通過人数検出、ステップa4において進行方向検出を行うように構成されているが、両者の動作順序は特に限定されない。
また本実施の形態では、図6のステップa2において、計測を終了した後に、ステップa3において通過人数を検出し、ステップa4において進行方向を検出し、ステップa5において乗車人数、降車人数、在場人数を出力するように構成されているが、人数の出力は、計測終了後に限定されない。すなわち計測を開始した後に、取得したデータから通過人数を検出し、進行方向を検出し、乗車人数、降車人数、在場人数を通過直後に出力してもよい。仮に、その時点で計測データ量が十分でなく、図6のステップa3〜ステップa5において人数出力ができない場合は、まだ計測期間中であるため、次の計測結果が入力されるのを待てばよい。
また本実施の形態では、ドア8は、2枚のドア部分すなわち第1のドア部分8aと第2のドア部分8bとで構成され、第1および第2のドア部分8a,8bが、図4のドア中央部から各両端部へ移動することで、ドア8が開くものとしているが、このようなドアに限定されない。例えば、ドア8は、1枚のドア部分によって構成され、この1枚のドア部分が出入口の一端部から他端部へ移動することで、ドア8を開くようにしてもよい。
また、2枚のドア部分すなわち第1および第2のドア部分8a,8bは、必ずしもそれぞれ1枚の矩形板状部材で構成されていなくてもよい。例えば、第1および第2のドア部分8a,8bは、それぞれ2枚以上の複数枚の矩形板状部材によって多段に構成され、第1のドア部分8aと第2のドア部分8bとがドア中央部から各両端部へ移動するときは、複数枚の矩形板状部材が重なり合いながら、移動するようにドア8を開くものであってもよい。同様に、ドア8が1枚のドア部分によって構成される場合、1枚のドア部分は、必ずしも1枚の矩形板状部材で構成されていなくてもよく、例えば、2枚以上の複数枚の矩形板状部材によって多段に構成され、1枚のドア部分が一端部から他端部へ移動するときは、複数枚の矩形板状部材が重なり合いながら、移動するようにドア8を開くものであってもよい。
また本実施の形態では、重量センサ2は、かご6の鉛直方向上方に設けられるとしているが、このような重量センサに限定しない。重量センサ2の計測結果は、乗車人数および降車人数といった乗車した物体の検出に利用されるため、かご6に乗車した物体の重さを計測できれば良い。そのため、重量センサ2をかご6の底辺に設けても良い。重量センサ2をかご6の底辺に設けることによって、かご6に乗車した物体の重さを直接計測することができる。本実施の形態のように重量センサ2をかご6の鉛直方向上方に設けると、重量センサ2の計測量には、かご6に乗車した物体の重さに加え、かご6自体の重さおよびロープの重さが加算されることになるが、かご6およびロープ分の重さを差し引けば、重量センサ2をかご6の底辺に設けた場合と同等の計測結果が得られる。
また本実施の形態では、図9に、ドア8の近傍に複数個並べて設けられる光電センサ3を示しているが、図9は、説明を簡易にするために、模式的に示した図であって、光電センサ3は乗場側またはかご6側のどちらに設置されていてもよい。また光電センサ3は、必ずしも乗場側またはかご6側の目視可能な位置に設置する必要はない。例えば、一般的には、エレベータのドア8は、乗場側のドアと、かご6側のドアとによって構成されるが、この場合、光電センサ3は、乗場側のドアとかご6側のドアとの間に設置されていてもよい。また、光電センサ3は、必ずしも各乗場に1つずつ設置する必要はなく、かご6側のドアに装着され、かご6の移動と共に、光電センサ3も移動し、各階で計測できるようにしてもよい。
また、光電センサ3は、一般的に、発光端子と受光端子とによって構成されるが、発光および受光の各端子は、必ずしも1対1に対応している必要はない。発光側がビームを広角に発射することで、1つの発光端子と、複数の受光端子とで、複数の計測結果を測定することも可能であり、そのような光電センサ3を用いても、本発明を実施することは可能である。
また、乗車および降車の人数ではなく、乗車および降車の事実を検出できれば良い場合もある。これは、乗車人数が1人以上検出されれば、乗車を検出したことと等価であり、降車人数が1人以上検出されれば、降車を検出したことと等価である。そのため、本実施の形態の人数検知装置1を、乗車および降車の検出装置として利用することも可能である。
以上のように本実施の形態によれば、乗車人数および降車人数を検知するにあたって、エレベータのかご6の出入口の通過人数と、出入口を通過した物体の方向、すなわち出入口を通過した利用者の進行方向とをそれぞれ別の方法で検知し、通過人数検知結果と方向検知結果とを突き合わせて、乗車人数および降車人数を検知する方法を採用している。これによって、通過人数を検知する場合には、通過人数検出手段11によって、通過人数を検知することにのみ注力してデータを処理すればよく、通過人数検知精度を向上できる。進行方向を検知する場合には、進行方向検出手段12によって、進行方向を検知することにのみ注力してデータを処理すればよく、仮に物体が出入口を通過していないにも拘わらず、進行方向のみを検知したとしても、検知された進行方向をノイズ信号として無視すれば、結果として乗車人数および降車人数の検知精度を保つことができる。
したがって、進行方向検知に関しては、ノイズ信号による誤検知の影響を小さくすることができるので、積極的に進行方向を検知する方法を採ることができ、進行方向を検知できない可能性の低減となり、進行方向検知精度も向上できる。
本実施の形態によれば、通過人数検出手段11は、エレベータのかご6の出入口に設けられる光電センサ3の出力結果に基づいて、エレベータのかご6の出入口の通過人数を検出する。これによって、たとえば重量センサの出力結果に基づいて検出する場合に比べて、エレベータのかご6の出入口の通過人数を正確に検出することができる。したがって乗車人数および降車人数をより確実に検知することができる。
本実施の形態によれば、進行方向検出手段12は、エレベータの積載重量を計測する重量センサ2の出力結果に基づいて、エレベータのかご6の出入口を通過した利用者の進行方向を検出する。これによって、たとえば光電センサの出力結果に基づいて検出する場合に比べて、エレベータのかご6の出入口を通過した利用者の進行方向を正確に検出することができる。したがって乗車人数および降車人数をより確実に検知することができる。
また本実施の形態によれば、在場人数ではなく乗車人数および降車人数を検出しているので、在場人数自体に変化が生じていないことによって、その階での乗車人数と降車人数とを検出できないということは無く、精度良く乗車人数、降車人数、在場人数を求めることができる。
本実施の形態で述べた人数検知装置1の用途として、たとえば、「共連れ」という現象を検知、防止するシステムに利用できる。「共連れ」とは、たとえば、入退室管理システムにおいて、認証者によってドアが開き、認証者が入場中に非認証者も入場できてしまうというセキュリティホールである。共連れを検知するためには、認証者の数と、実際に入場した人数とを比較する必要があり、実際に入場した人数、すなわち本実施の形態における乗車人数を検知するための装置として、本実施の形態の人数検知装置1を利用できる。
本実施の形態では、センサとして、主として既設のエレベータの重量センサ2、光電センサ3およびカメラ4を例に説明しているが、出入口の確保された閉空間において、その閉空間の積載重量を計測できる人数検知装置1の専用の重量センサ、その閉空間および閉空間の出入口を感知する光電センサ、ならびにその閉空間および閉空間の出入口を撮影する人数検知装置1の専用のカメラをセンサとしても、本実施の形態の方法によって閉空間への入場人数、退場人数および在場人数を検出することができる。
また本実施の形態では、計測手段である重量センサによって所定のサンプリング周期でエレベータの積載重量を計測し、重量センサによって計測された積載重量の差分間隔毎の変化を演算して、差分間隔毎の変化量を表す時間差分値である時間差分データを作成し、時間差分データの時系列変化と所定の標準モデルの時間差分データの時系列変化または所定の閾値とを比較して、エレベータのかご8への乗車人数、かご8からの降車人数およびかご8内の在場人数を検知する。これによって、エレベータのかご8への乗車人数、かご8からの降車人数およびかご8内の在場人数を、総積載重量を平均体重で割る方法によって求める場合よりも精度良く検知することができる。また積載重量の変化が階段状でなくても推定することができる。
<第2の実施の形態>
次に本発明の第2の実施の形態である人数検知装置1Aについて説明する。前述の第1の実施の形態では、乗車人数と降車人数とから、在場人数を算出している。しかし、乗車人数および降車人数の検出を1度でも間違うと、その後の在場人数がなかなか正解数に戻らない。本実施の形態では、在場人数も精度良く検出する方法について説明する。
次に本発明の第2の実施の形態である人数検知装置1Aについて説明する。前述の第1の実施の形態では、乗車人数と降車人数とから、在場人数を算出している。しかし、乗車人数および降車人数の検出を1度でも間違うと、その後の在場人数がなかなか正解数に戻らない。本実施の形態では、在場人数も精度良く検出する方法について説明する。
図17は、本発明の第2の実施の形態の人数検知装置1Aの構成を示すブロック図である。本実施の形態の人数検知装置1Aは、前述の第1の実施の形態の人数検知装置1と構成が類似しているので、構成が異なる部分についてのみ説明し、対応する箇所には同一の参照符を付して、第1の実施の形態と共通する説明を省略する。
人数検知装置1Aは、通過人数検出手段11、進行方向検出手段12および利用者有無検出手段13を備えて構成される。通過人数検出手段11、進行方向検出手段12および利用者有無検出手段13は、互いに電気的に接続されており、マイクロコンピュータ上のソフトウェアによって構成されている。利用者有無検出手段13は、エレベータのかご6内の利用者の有無を検出する。
図18は、人数検知装置1Aの動作の処理手順を示すフローチャートである。図18に示すフローチャートにおいて、重量センサ2または光電センサ3の予め定められる計測開始条件が満たされると本処理を開始し、ステップb1に移行する。図18に示すフローチャートのステップb1〜ステップb5の処理は、前述の図6に示すフローチャートのステップa1〜ステップa5の処理と同一であるので、ステップb1〜ステップb5の処理の説明を省略する。
ステップb5の処理後、ステップb6に移行する。ステップb6では、利用者有無検出手段13は、エレベータのかご6内の利用者の有無を検出し、その後全ての処理手順を終了する。
図18のステップb6において、利用者有無検出手段13がエレベータのかご6内の利用者の有無を検出する方法について説明する。たとえば、重量センサ2から積載重量の計測結果を受信し、計測結果を閾値と比較して、計測結果が閾値未満ならば、利用者がいないと検出し、在場人数を0人とする。また、計測結果が閾値以上ならば、利用者がいると検出し、図18のステップb5において算出された在場人数に手を加えない。積載重量の計測精度が良くない場合は、計測結果を補正した上で閾値と比較してもよい。また、計測結果が敏感に振動する場合は、予め定める期間の平均値と閾値とを比較してもよい。閾値は、利用者有無検出手段13が保持しているものとする。利用者有無検出手段13が前述のような方法で利用者の有無を検出する方法を、以下「第1の利用者有無検出方法」とする。
図18のテップb6において、利用者有無検出手段13は、前記第1の利用者有無検出方法とは異なる第2の利用者有無検出方法で利用者の有無を検出してもよい。たとえば、エレベータのかご6内に人がいるかどうかを感知するために、光電センサ3を設置し、光電センサ3が感知していない場合には、利用者がいないと検出し、在場人数を0人とする。ただし、第2の利用者有無検出方法の場合、ドア8付近に設置された光電センサ3とは別に、エレベータのかご6内に光電センサ3を設置する必要がある。また利用者の有無を精度良く検出する場合には、複数個の光電センサ3を設置する必要がある。
また図18のステップb6において、利用者有無検出手段13は、前記第1および第2の利用者有無検出方法とは異なる第3の利用者有無検出方法で利用者の有無を検出してもよい。第3の利用者有無検出方法は、エレベータのかご6内を俯瞰的に撮影しているカメラの画像処理によって利用者の有無を検出するものである。たとえば、利用者がいないときのエレベータのかご6内の画像を予め記憶しておき、利用者がいないときのエレベータのかご6内の画像と、現在の画像との差分を求めることによって、現在のエレベータのかご6内の利用者の有無を検出してもよい。
また図18では、ステップb2において計測を終了した後に、ステップb3において通過人数を検出し、ステップb4において進行方向を検出し、ステップb5において乗車人数、降車人数、在場人数を算出し、ステップb6において利用者の有無を検出しているが、人数の出力は、必ずしも計測終了後に限定されない。したがって計測を開始した後に、取得したデータから通過人数を検出し、進行方向を検出し、乗車人数、降車人数、在場人数を通過直後に算出し、利用者の有無を検出するようにしてもよい。仮に、その時点で計測データ量が十分でなく、ステップb3〜ステップb5において人数の出力ができない場合は、まだ計測期間中であるため、次の計測結果が入力されるのを待てばよい。また、図18において、ステップb3において通過人数の検出、ステップb4およびステップb5において進行方向の検出、ステップb6において利用者の有無の検出を行うように構成されているが、これらの動作順序は必ずしもこのような順序に限定されない。
以上のように本実施の形態によれば、乗車人数、降車人数の検出結果によらず、利用者がいないときには、在場人数が0人となるので、乗車人数、降車人数の検出結果が間違っていたとしても在場人数が正解数に戻り、精度良く検出することができる。
<第3の実施の形態>
次に本発明の第3の実施の形態である人数検知装置1Bについて説明する。前述の第1および第2の実施の形態では、乗車人数と降車人数とを検出している。しかし、利用者が横に並んで乗降すると、乗車人数および降車人数の検出精度が劣化する可能性がある。そこで本実施の形態では、乗車人数および降車人数を精度良く検出する方法について説明する。
次に本発明の第3の実施の形態である人数検知装置1Bについて説明する。前述の第1および第2の実施の形態では、乗車人数と降車人数とを検出している。しかし、利用者が横に並んで乗降すると、乗車人数および降車人数の検出精度が劣化する可能性がある。そこで本実施の形態では、乗車人数および降車人数を精度良く検出する方法について説明する。
図19は、本発明の第3の実施の形態の人数検知装置1Bの構成を示すブロック図である。本実施の形態の人数検知装置1Bは、前述の第2の実施の形態の人数検知装置1Aと構成が類似しているので、構成が異なる部分についてのみ説明し、対応する箇所には同一の参照符を付して、第2の実施の形態と共通する説明を省略する。
人数検知装置1Bは、通過人数検出手段11、進行方向検出手段12、利用者有無検出手段13およびドア制御手段14を備えて構成される。通過人数検出手段11、進行方向検出手段12、利用者有無検出手段13およびドア制御手段14は、互いに電気的に接続されており、マイクロコンピュータ上のソフトウェアによって構成されている。ドア制御手段14は、エレベータのかご6のドア8の開閉動作を制御する。
図20は、人数検知装置1Bの動作の処理手順を示すフローチャートである。図20に示すフローチャートにおいて、重量センサ2または光電センサ3の予め定められる計測開始条件が満たされると本処理を開始し、ステップc1に移行する。図20に示すフローチャートのステップc1の処理は、図6に示すフローチャートのステップa1の処理と同一であるので、ステップc1の処理の説明を省略する。
ステップc1の処理後、ステップc2に移行する。ステップc2では、ドア制御手段14は、エレベータのかご6のドア8を開ける。図21は、ドア制御手段14によるかご6のドア8の開き方を示す図である。図22は、遮蔽物8cを出現させたときのドア制御手段14によるかご6のドア8の開き方を示す図である。
図20に示すフローチャートのステップc2において、ドア制御手段14は、かご6のドア8を開くときに、図21に示すように、利用者が1人ずつしか通過できない幅Wnまでしかドア8が開かないように、ドア8の開き方を制御する。またドア8に、利用者が1人ずつしか通過できないようにするための一対の遮蔽物8cを備えておき、ドア制御手段14によって、ドア8を開くときに、図22に示すように、利用者が1人ずつしか通過できない幅Wnをあけて、一対の遮蔽物8cを出現させることとしてもよい。利用者が1人ずつしか通過できない幅Wnのデータは、予めドア制御手段14によって保持されているものとする。このようなドア8の制御方法を、以下「第1のドア制御方法」という。
図20のステップc2の処理後、ステップc3に移行する。ステップc3の処理は、図6に示すフローチャートのステップa2の処理と同一であるので、ステップc3の処理の説明を省略する。ステップc3の処理後、ステップc4に移行する。
ステップc4では、ドア制御手段14がエレベータのかご6のドア8を閉める。ステップc4の処理後、ステップc5に移行する。図20のステップc5〜ステップc8の処理は、それぞれ図18のステップb3〜ステップb6の処理と同一であるので、ステップc5〜ステップc8の処理の説明を省略する。ステップc8の処理後、全ての処理手順を終了する。
図20のステップc1における計測開始条件として、ドア8のドア開信号を用いてもよい。この場合、ステップc2のドア8を開く動作と、ステップc1の計測開始動作の順番とは入れ替わる。そして、順番が入れ替わったステップc1では、ドア制御手段14からドア開信号を受信して計測を開始する。
また図20のステップc3における計測終了条件として、ドア8のドア閉信号を用いてもよい。この場合、ステップc4のドア8を閉める動作と、ステップc3の計測終了動作の順番とは入れ替わる。そして、順番が入れ替わったステップc3では、ドア制御手段14からドア閉信号を受信して計測を終了する。
また図20のステップc2において、ドア制御手段14は、前述の第1のドア制御方法とは異なる第2のドア制御方法でドア8の開き方を制御してもよい。図20のステップc2において、ドア制御手段14は、かご6のドア8を開くときに、図21に示すように、ドア8の開口部分の幅が、利用者が1人ずつしか通過できない幅Wnになるまで予め定める第1の速度で開くようにし、その後は、第1の速度よりも遅い第2の速度でドア8を全開になるまで開くように制御する。
また図20のステップc2において、ドア制御手段14は、かご6のドア8を開くときに、図22に示すように、利用者が1人ずつしか通過できない幅となるように一対の遮蔽物8cを、予め定める第1の速度で出現させ、その後は、第1の速度よりも遅い第2の速度で一対の遮蔽物8cを退避させるように制御してもよい。第1の速度と第2の速度とは、予めドア制御手段14によって保持されているものとする。1人ずつしか通過できない幅までしかドア8を開かないと、大きな荷物を抱えているなどの理由で、ドア8を通過することができなかった人も、第2のドア制御方法では、予め定める時間の経過後にドア8を通過することができるようになる。
ドア制御手段14は、前述の第1および第2のドア制御方法とは異なる第3のドア制御方法で、ドア8の開き方を制御するようにしてもよい。すなわち、図20のステップc2において、ドア制御手段14は、かご6のドア8を開くときに、図21に示すように、利用者が1人ずつしか通過できない幅Wnまで開き、予め定める時間の経過後にドア8を全開まで開くように、ドア8の開き方を制御する。または、図20のステップc2において、ドア制御手段14は、かご6のドア8を開くときに、図22に示すように、利用者が1人ずつしか通過できない幅となるように一対の遮蔽物8cを出現させ、予め定める時間の経過後に一対の遮蔽物8cを退避させるように、ドア8の開き方を制御してもよい。
1人ずつしか通過できない幅Wnまでしかドア8が開かないと、大きな荷物を抱えているなどの理由で、ドア8を通過することができない人も、前述の第3のドア制御方法では、予め定める時間の経過後にドア8を通過することができるようになる。
またドア8の近傍にドア開登録手段を設けておき、図20のステップc2において、ドア制御手段14が前述の第2または第3のドア制御方法によってドア8を制御している場合に、利用者がドア開登録手段を操作したとき、ドア制御手段14によって、直ぐにドア8が全開まで開くようにドア8を制御するようにしてもよいし、直ぐに遮蔽物8cを退避するように制御してもよい。ここで、「ドア開登録手段」とは、たとえば、エレベータのかご6のドア8を開くためのボタンである。このような制御方法を採用することによって、利用者はドア8が全開するまで待つことなく、ドア8を通過することができるようになる。
またドア8の近傍にドア閉ボタンを設けておき、図20のステップc2において、ドア制御手段14が前述の第2または第3のドア制御方法によってドア8を制御している場合に、利用者がドア閉ボタンを操作すると、ドア制御手段14によって、ドア8が反転して閉まるようにドア8を制御してもよいし、遮蔽物8cを出現させて通過できなくなるように制御してもよい。これによって、外気が寒いなどの理由でドア8を即座に閉めたり、または遮蔽物8cで外気を即座に遮断したりすることができる。またドア8を即座に閉めることによって、エレベータを迅速に出発させることが可能となる。
また本実施の形態では、利用者有無検出手段13と、図20のステップc8における利用者有無検出手段の処理とは無くてもよい。人数検知装置1Bに利用者有無検出手段13を備えることによって、前述の第2の実施の形態と同様に、在場人数を精度良く検出することができる。
また本実施の形態では、ドア制御手段14として、既設のエレベータのドア制御器を用いてもよいし、既設のエレベータ制御装置内に備えられているドア制御機能を用いてもよいし、人数検知装置の専用のドア制御器を用いてもよい。
また本実施の形態では、図22において、一対の遮蔽物8cを出現させることとしているが、必ずしも、一対である必要はない。ドア8を1人ずつしか通過できない幅となるように、片側のみから遮蔽物8cを出現させてもよい。
以上のように本実施の形態によれば、ドア制御手段14がエレベータのドア8の開き方を利用者が1人づつ通過するように制御する構成にすることによって、複数の利用者が横に並んで同時にエレベータのかご本体7に乗降車することを防止し、乗車人数、降車人数および在場人数の検出精度をさらに向上することができる。
<第4の実施の形態>
次に本発明の第4の実施の形態である人数検知装置1Cについて説明する。本実施の形態では、子供、ペット、老人などの特定の属性の利用者の乗車人数および降車人数の検出方法について説明する。「乗車人数」は、「人」に限らず、エレベータのかご6に乗車した物体の数を意味する。同様に「降車人数」は、「人」に限らず、エレベータのかご6から降車した物体の数を意味する。したがってペットの数は、乗車人数および降車人数に含まれる。
次に本発明の第4の実施の形態である人数検知装置1Cについて説明する。本実施の形態では、子供、ペット、老人などの特定の属性の利用者の乗車人数および降車人数の検出方法について説明する。「乗車人数」は、「人」に限らず、エレベータのかご6に乗車した物体の数を意味する。同様に「降車人数」は、「人」に限らず、エレベータのかご6から降車した物体の数を意味する。したがってペットの数は、乗車人数および降車人数に含まれる。
図23は、本発明の第4の実施の形態の人数検知装置1Cの構成を示すブロック図である。本実施の形態の人数検知装置1Cは、前述の第3の実施の形態の人数検知装置1Bと構成が類似しているので、構成が異なる部分についてのみ説明し、対応する箇所には同一の参照符を付して、第3の実施の形態と共通する説明を省略する。
人数検知装置1Cは、通過人数検出手段11、進行方向検出手段12、利用者有無検出手段13、ドア制御手段14および属性推定手段15を備えて構成される。通過人数検出手段11、進行方向検出手段12、利用者有無検出手段13、ドア制御手段14および属性推定手段15は、互いに電気的に接続されており、マイクロコンピュータ上のソフトウェアによって構成されている。属性推定手段15は、エレベータのかご6の出入口、具体的にはドア8を通過した利用者の属性を推定する。より詳細には、属性推定手段15は、ドア8を通過した利用者の属性が、予め定めるドア開放属性、および予め定めるドア開調整属性のいずれかであるか否かを推定する。本実施の形態では、ドア開放属性には、高さの低い利用者、たとえば子供およびペットが含まれ、ドア開調整属性には、歩行の速度が比較的遅い利用者、たとえば老人が含まれる。具体的には、属性推定手段15は、子供、ペットおよび老人のいずれかであるか否かを推定する。
図24は、人数検知装置1Cの動作の処理手順を示すフローチャートである。図24に示すフローチャートにおいて、重量センサ2または光電センサ3の予め定められる計測開始条件が満たされると本処理を開始し、ステップd1に移行する。図24に示すフローチャートのステップd1〜ステップd5の処理は、前述の図20に示すフローチャートのステップc1〜ステップc5の処理と同一であるので、ステップd1〜ステップd5の処理の説明を省略する。
ステップd5の処理後、ステップd6に移行する。ステップd6では、属性推定手段15は、ドア8を通過した利用者が、子供、ペットおよび老人であるか否かを推定する。図24のステップd6において、属性推定手段15が、ドア8を通過した利用者が、子供、ペットおよび老人であるか否かを推定する方法について説明する。
図25は、属性推定手段15による属性の推定方法を説明するための図である。光電センサ3が、図9に示すようにドア8の近傍に複数個並べて設けられると、利用者がドア8を通過したときに、たとえば図25のような感知結果が得られる。ここで、特定の高さの閾値を設定し、これをHで表す。感知結果の塊、すなわち通過物体の塊の最高到達点が、高さの閾値H以下であった場合、属性推定手段15は、高さの低い利用者、たとえば子供またはペットがドア8を通過したと推定する。つまり属性推定手段15は、ドア8を通過した利用者の属性が、ドア開放属性であると推定する。また、光電センサ3が利用者の通過を感知し始めてから、感知し終えるまでの時間(以下「感知時間」という)の長さ、あるいは、第1の実施の形態で述べた通過開始条件(S1,S2)と通過終了条件(E1,E2)の間の時間の長さ(以下「感知時間」という)に対して、特定の長さの閾値を設定し、これをLで表す。感知時間、すなわち、通過物体がドア8を通過するのに要した時間が長さの閾値L以上であった場合、歩行のゆっくりとした利用者、換言すれば歩行の速度が比較的遅い利用者、たとえば老人がドアを通過したと推定する。つまり属性推定手段15は、ドア8を通過した利用者の属性が、ドア開調整属性であると推定する。なお、閾値H,Lはパラメータであり、属性推定手段15によって予め保持されているものとする。
図24のステップd6の処理後、ステップd7に移行する。図24のステップd7の処理は、図20のステップc6の処理と同一であるので、ステップd7の処理の説明を省略する。図24のステップd7の処理後、ステップd8に移行する。
ステップd8では、進行方向検出手段12は、通過人数結果と進行方向結果とを突合わせて、換言すればマッチングさせてかご本体7への乗車人数と、かご本体7からの降車人数とを出力する。マッチングさせる方法については、前述の第1の実施の形態と同様であるので、ここでの説明は省略する。なお、本実施の形態では、属性推定手段15によって、通過人数検出手段11によって検出された利用者が、子供、ペットまたは老人であるということも推定されているため、単にかご本体7への乗車人数およびかご本体7からの降車人数だけでなく、乗車人数のうち、何人が子供およびペットで、何人が老人であるかも出力できる。同様に、降車人数のうち、何人が子供およびペットで、何人が老人であるかも出力できる。つまり、本実施の形態では、エレベータのかご本体7への乗車人数および降車人数だけでなく、属性毎の乗車人数および降車人数の内訳を得ることができ、これを出力することができる。
図24のステップd8の処理後、ステップd9に移行する。図24のステップd9の処理は、図20のステップc8の処理と同一であるので、ステップd9の処理の説明を省略する。ステップd9の処理を終了した後は、全ての処理手順を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、通過人数検出手段11によって検出される通過人数と、属性推定手段15によって推定される利用者の属性と、進行方向検出手段12によって検出される進行方向とに基づいて、子供、ペットおよび老人などの属性毎の乗車人数および降車人数が検知される。このように属性推定手段15が、子供、ペットおよび老人などの利用者の属性を推定することによって、乗車人数および降車人数のうち、何人が子供、ペットおよび老人であるかを検出することができる。つまり本実施の形態では、エレベータのかご本体7への乗車人数および降車人数だけでなく、属性毎の乗車人数および降車人数の内訳を得ることができる。
これによって、属性に応じてエレベータを制御することができるので、人数検知装置1Cを、たとえばエレベータ制御装置として用いることができる。本実施の形態では、各属性について、乗車人数および降車人数を検知する構成としているが、乗車人数および降車人数のいずれか一方を検知する構成にしても同様の効果を得ることができる。
また、子供、ペットおよび老人の乗車および降車の人数ではなく、子供、ペットおよび老人の乗車および降車の事実を検出できれば良い場合もある。これは、子供、ペットおよび老人の乗車人数が1人以上検出されれば、乗車を検出したことと等価であり、子供、ペットおよび老人の降車人数が1人以上検出されれば、降車を検出したことと等価であるためである。このように属性毎の乗車および降車を検知するように人数検知装置1Cを構成することによって、人数検知装置1Cを、子供、ペットおよび老人などの属性毎の乗車および降車の検知装置として利用することができる。この場合、人数検知装置1Cは、各属性について、乗車および降車の両方を検知するように構成してもよく、乗車および降車のいずれか一方を検知するように構成してもよい。
また本実施の形態では、エレベータのかご6の出入口を通過した利用者の属性が予め定めるドア開放属性、具体的には子供およびペットなどの高さの低い利用者であることが属性推定手段15によって推定された場合、予め定めるドア閉鎖条件を満足すると、エレベータのかご6のドア8を閉鎖し、予め定めるドア閉鎖条件を満足しないと、エレベータのかご6のドア8を開放状態に保持するように、ドア制御手段14によって制御している。
利用者が子供およびペットの場合、エレベータのかご6内の行先階ボタンおよびドア閉ボタンを押すことができずに、エレベータのかご6内に閉じ込められる可能性がある。本実施の形態のように、ドア閉鎖条件が満足するまでは、エレベータのかご6のドア8の開放状態を保持してドア8が閉鎖しないようにドア制御手段14によって制御することによって、子供およびペットなどの利用者がエレベータのかご6内に閉じ込められる事故を低減することができる。ドア閉鎖条件は、たとえば、行先階ボタンが登録済みまたは新規に登録されること、ドア閉ボタンが押されること、および他の階で乗場呼びが登録されることのうち、少なくともいずれか1つである。
また本実施の形態では、エレベータのかご6の出入口を通過した利用者の属性が予め定めるドア開調整属性、具体的には老人などの歩行の速度が比較的遅い利用者であることが属性推定手段15によって推定された場合、ドア制御手段14は、少なくともドア開調整属性の利用者の行先階において、ドア8の開閉速度を他の行先階におけるドア8の開閉速度よりも遅くする低速開閉処理、およびドア8の開放時間を他の行先階におけるドア8の開放時間よりも延長する開延長処理のうち少なくともいずれか一方の処理をする。
これによって、エレベータのかご6のドア8に利用者、特に老人が挟まれる事故を低減することができる。老人以外の利用者も老人と共にエレベータ内にいて、老人の行先階を特定できない場合は、登録されている全ての行先階まで移動し終えてエレベータのかご6が停止するまでの間、または登録されている全ての行先階まで移動し終えてエレベータのかご6の進行方向が反転するまでの間に、各停止階でのドア8の開閉速度を遅くする処理をしたり、ドア8の開放時間を延長する処理をすることによって、エレベータのかご6のドア8に老人が挟まれる事故を低減することができる。
以上のように本実施の形態の人数検知装置1Cは、子供、ペットおよび老人の乗車人数および降車人数を利用して、エレベータのかご6のドア8による利用者の挟まれ事故、およびエレベータのかご6内の利用者の閉じ込め事故を低減することができるので、たとえば、エレベータのかご6のドア8による利用者の挟まれ事故およびエレベータ内の利用者の閉じ込め事故を防止するシステムに利用できる。
また本実施の形態によれば、属性推定手段15は、エレベータのかご6の出入口に設けられる光電センサ3の出力結果に基づいて、エレベータのかご6の出入口を通過した利用者の属性を推定する。これによって、たとえば重量センサの出力結果に基づいて推定する場合に比べて、利用者の属性をより確実に推定することができる。
以上の本実施の形態では、利用者有無検出手段13を設けて、図24のステップd9における処理を行う。利用者有無検出手段13と、図24のステップd9における利用者有無検出手段の処理とは無くてもよいが、人数検知装置1Cに利用者有無検出手段13を備えることによって、前述の第2の実施の形態と同様に、在場人数を精度良く検出することができる。
また本実施の形態では、ドア制御手段14を設けて、図24のステップd2およびステップd4における処理を行う。ドア制御手段14と、図24のステップd2およびステップd4におけるドア制御手段14の処理とは無くてもよいが、人数検知装置1Cにドア制御手段14を備えることによって、前述の第3の実施の形態と同様に、乗車人数、降車人数または在場人数を精度良く検出することができる。
1 人数検知装置、11 通過人数検出手段、12 進行方向検出手段、13 利用者有無検出手段、14 ドア制御手段、15 属性推定手段。
Claims (10)
- エレベータのかごの出入口の通過人数を検出する通過人数検出手段と、
前記エレベータのかごの出入口を通過した利用者の進行方向を検出する進行方向検出手段とを備え、
前記通過人数検出手段によって検出される前記通過人数と、前記進行方向検出手段によって検出される前記進行方向とに基づいて、エレベータのかごへの乗車人数、エレベータのかごからの降車人数、およびエレベータのかご内の在場人数の少なくともいずれか1つを検知することを特徴とする人数検知装置。 - 前記通過人数検出手段は、前記エレベータのかごの出入口に設けられる光電センサの出力結果に基づいて、前記エレベータのかごの出入口の通過人数を検出することを特徴とする請求項1に記載の人数検知装置。
- 前記進行方向検出手段は、前記エレベータの積載重量を計測する重量センサの出力結果に基づいて、前記エレベータのかごの出入口を通過した利用者の進行方向を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の人数検知装置。
- 前記進行方向検出手段は、重量センサによって計測される前記エレベータの積載重量の差分間隔毎の変化量を表す時間差分値に基づいて、前記進行方向を検出することを特徴とする請求項3に記載の人数検知装置。
- 前記エレベータの積載重量を計測する重量センサの出力結果に基づいて、前記エレベータのかご内の利用者の有無を検出する利用者有無検出手段をさらに備え、
前記利用者有無検出手段によって前記エレベータのかご内に利用者がいないことが検出されると、前記エレベータ内の在場人数を0人と検知し、前記利用者有無検出手段によって前記エレベータのかご内に利用者がいることが検出されると、検出前のエレベータ内の在場人数と、前記通過人数および前記進行方向から検知される前記乗車人数との合計人数から、前記通過人数および前記進行方向から検知される降車人数を差し引いた人数を、在場人数として求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の人数検知装置。 - 前記エレベータのかごのドアの開閉を制御するドア制御手段をさらに備え、
前記ドア制御手段は、前記エレベータのかごのドアを、利用者が1人ずつ通過するように開くように制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の人数検知装置。 - 前記エレベータのかごの出入口を通過した利用者の属性を推定する属性推定手段をさらに備え、
前記通過人数検出手段によって検出される前記通過人数と、前記属性推定手段によって推定される前記属性と、前記進行方向検出手段によって検出される前記進行方向とに基づいて、属性毎の乗車人数および降車人数、ならびに属性毎の乗車および降車の少なくともいずれか1つを検知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の人数検知装置。 - 前記エレベータのかごのドアの開閉を制御するドア制御手段をさらに備え、
前記エレベータのかごの出入口を通過した利用者の属性が予め定めるドア開放属性であることが前記属性推定手段によって推定された場合、前記ドア制御手段は、予め定めるドア閉鎖条件を満足すると、前記エレベータのかごのドアを閉鎖し、予め定めるドア閉鎖条件を満足しないと、前記エレベータのかごのドアを開放状態に保持することを特徴とする請求項7に記載の人数検知装置。 - 前記エレベータのかごのドアの開閉を制御するドア制御手段をさらに備え、
前記エレベータのかごの出入口を通過した利用者の属性が予め定めるドア開調整属性であることが前記属性推定手段によって推定された場合、前記ドア制御手段は、少なくとも前記ドア開調整属性の利用者の行先階において、ドアの開閉速度を他の行先階におけるドアの開閉速度よりも遅くする低速開閉処理、およびドアの開放時間を他の行先階におけるドアの開放時間よりも延長する開延長処理のうち少なくともいずれか一方の処理をすることを特徴とする請求項7に記載の人数検知装置。 - 前記属性推定手段は、前記エレベータのかごの出入口に設けられる光電センサの出力結果に基づいて、前記エレベータのかごの出入口を通過した利用者の属性を推定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1つに記載の人数検知装置。
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