JP2009239631A - マイクロフォンユニット、接話型の音声入力装置、情報処理システム、及びマイクロフォンユニットの製造方法 - Google Patents

マイクロフォンユニット、接話型の音声入力装置、情報処理システム、及びマイクロフォンユニットの製造方法 Download PDF

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陸男 高野
Kiyoshi Sugiyama
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Toshimi Fukuoka
敏美 福岡
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雅敏 小野
Ryusuke Horibe
隆介 堀邊
Fuminori Tanaka
史記 田中
Hideki Choji
英樹 丁子
Takeshi Inota
岳司 猪田
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Abstract

【課題】外形が小さく、かつ、深い雑音除去が可能な高品質のマイクロフォンユニットを提供すること。
【解決手段】マイクロフォンユニット1は、内部空間100を有する筐体10と、筐体内に設けられた、内部空間を第1の空間102と第2の空間104とに分割する、少なくとも一部が振動膜30で構成された仕切り部材20と、振動膜の振動に基づいて電気信号を出力する電気信号出力回路40と、を含む。筐体10には、第1の空間102と筐体の外部空間とを連通する第1の貫通穴12と、第2の空間104と筐体の外部空間とを連通する第2の貫通穴14とが形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、マイクロフォンユニット、接話型の音声入力装置、情報処理システム、及びマイクロフォンユニットの製造方法に関する。
電話などによる通話や、音声認識、音声録音などに際しては、目的の音声(ユーザの音声)のみを収音することが好ましい。しかし、音声入力装置の使用環境では、背景雑音など目的の音声以外の音が存在することがある。そのため、雑音が存在する環境で使用される場合にもユーザの音声を正確に抽出することが可能にする、雑音を除去する機能を有する音声入力装置の開発が進んでいる。
雑音が存在する使用環境で雑音を除去する技術として、マイクロフォンユニットに鋭い指向性を持たせること、あるいは、音波の到来時刻差を利用して音波の到来方向を識別して信号処理により雑音を除去する方法が知られている。
また、近年では、電子機器の小型化が進んでおり、音声入力装置を小型化する技術が重要になっている。
特開平7−312638号公報 特開平9−331377号公報 特開2001−186241号公報
マイクロフォンユニットに鋭い指向性を持たせるためには、多数の振動膜を並べる必要があり、小型化は困難である。
また、音波の到来時刻差を利用して音波の到来方向を精度よく検出するためには、複数の振動膜を、可聴音波の数波長分の1程度の間隔で設置する必要があるため、小型化は困難である。
本発明の目的は、外形が小さく、かつ、深い雑音除去が可能な高品質のマイクロフォンユニット、接話型音声入力装置、情報処理システム、及びマイクロフォンユニットの製造方法を提供することにある。
(1)本発明に係るマイクロフォンユニットは、
内部空間を有する筐体と、
前記筐体内に設けられた、前記内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する、少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、
前記振動膜の振動に基づいて電気信号を出力する電気信号出力回路と、
を含み、
前記筐体には、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の貫通穴と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の貫通穴とが形成されている。
本発明によると、振動膜の両面に、ユーザ音声及び雑音が入射する。振動膜の両面に入射する音声のうち、雑音成分は、ほぼ同じ音圧になるため、振動膜で打ち消しあう。そのため、振動膜を振動させる音圧は、ユーザ音声を示す音圧であるとみなすことができ、振動膜の振動に基づいて取得された電気信号は、雑音が除去された、ユーザ音声を示す電気信号であるとみなすことができる。
このことから、本発明によると、簡単な構成で、深い雑音除去が可能な高品質のマイクロフォンユニットを提供することができる。
(2)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記仕切り部材は、
音波を伝搬する媒質が、前記筐体の内部で、前記第1及び第2の空間の間を移動しないように設けられていてもよい。
(3)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記筐体の外形は多面体となっており、
前記第1及び第2の貫通穴は、前記多面体の1つの面に形成されていてもよい。
すなわち、このマイクロフォンユニットでは、第1及び第2の貫通穴は、多面体の同じ面に形成されていてもよい。言い換えると、第1及び第2の貫通穴は、同じ方向を向いて形成されていてもよい。これにより、第1及び第2の貫通穴から、筐体内部に入射する雑音の音圧を(ほぼ)等しくすることができるため、雑音を、精度良く除去することが可能になる。
(4)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記振動膜は、
法線が、前記面に平行になるように配置されていてもよい。
(5)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記振動膜は、
法線が、前記面と直交するように配置されていてもよい。
(6)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記振動膜は、
前記第1又は第2の貫通穴と重複しないように配置されていてもよい。
これによると、第1及び第2の貫通穴を介して、内部空間に異物が入り込んだ場合でも、当該異物によって振動膜が直接損傷を受ける可能性を低くすることができる。
(7)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記振動膜は、
前記第1又は第2の貫通穴の側方に配置されていてもよい。
(8)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記振動膜は、
前記第1の貫通穴からの距離と、前記第2の貫通穴からの距離とが等しくならないように配置されていてもよい。
(9)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記仕切り部材は、
前記第1及び第2の空間の容積が同じになるように配置されていてもよい。
(10)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が5.2mm以下であってもよい。
(11)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記電気信号出力回路の少なくとも一部は、前記筐体の内部に形成されていてもよい。
(12)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記筐体は、
前記内部空間と前記筐体の外部空間とを電磁的に遮蔽する遮蔽構造となっていてもよい。
(13)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記振動膜を、SN比が約60デシベル以上の振動子で構成してもよい。
例えばSN比が60デシベル以上の振動子で構成してもよいし、60±αデシベル以上の振動子で構成してもよい。
(14)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が、10kHz以下の周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定されていてもよい。
前記第1及び第2の貫通穴を音源の音(例えば音声)の進行方向に沿って配置して、前記進行方向からの音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が設定されていてもよい。
(15)このマイクロフォンユニットにおいて、
前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が、抽出対象周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が全方位において単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定されていてもよい。
抽出対象周波数は、本マイクロフォンで抽出したい音の周波数である。例えば7kHz以下の周波数を抽出対象周波数として前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が設定されていてもよい。
(16)本発明は、
上記のいずれかに記載のマイクロフォンユニットが実装された、接話型の音声入力装置である。
この音声入力装置によると、雑音が精度よく除去された、ユーザ音声を示す電気信号を取得することができる。そのため、本発明によると、精度の高い音声認識処理や、音声認証処理、あるいは、入力音声に基づくコマンド生成処理などの実現を可能にする音声入力装置を提供することができる。
(17)本発明にかかる音声入力装置は、
前記筐体の外形は多面体となっており、
前記第1及び第2の貫通穴は、前記多面体の1つの面に形成されていてもよい。
(18)本発明にかかる音声入力装置は、
前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が5.2mm以下であってもよい。
(19)本発明にかかる音声入力装置は、
前記振動膜を、SN比が約60デシベル以上の振動子で構成してもよい。
(20)本発明にかかる音声入力装置は、
前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が、10kHz以下の周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定されていてもよい。
(21)本発明にかかる音声入力装置は、
前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が、抽出対象周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が全方位において単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定されていてもよい。
(22)本発明は、
上記のいずれかに記載のマイクロフォンユニットと、
前記電気信号に基づいて、前記マイクロフォンユニットに入射した音声の解析処理を行う解析処理部と、を含む情報処理システムである。
この情報処理システムによると、雑音が精度よく除去された、ユーザ音声を示す電気信号を取得することができる。そのため、本発明によると、精度の高い音声認識処理や、音声認証処理、あるいは、入力音声に基づくコマンド生成処理などの実現を可能にする音声入力装置を提供することができる。
(23)本発明に係るマイクロフォンユニットの製造方法は、
内部空間を有する筐体と、前記筐体内に設けられた、前記内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する、少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、前記振動膜の振動に基づいて電気信号を出力する電気信号出力回路と、を含むマイクロフォンユニットの製造方法であって、
前記筐体に、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の貫通穴と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の貫通穴とを形成する貫通穴形成手順を含み、
前記貫通穴形成手順において、
前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離を、10kHz以下の周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定することを特徴とする。
前記第1及び第2の貫通穴を音源の音(例えば音声)の進行方向に沿って配置して、前記進行方向からの音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離を設定してもよい。
(24)本発明に係るマイクロフォンユニットの製造方法は、
内部空間を有する筐体と、前記筐体内に設けられた、前記内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する、少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、前記振動膜の振動に基づいて電気信号を出力する電気信号出力回路と、を含むマイクロフォンユニットの製造方法であって、
前記筐体に、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の貫通穴と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の貫通穴とを形成する貫通穴形成手順を含み、
前記貫通穴形成手順において、
前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離を、抽出対象周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が全方位において単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定することを特徴とする。
抽出対象周波数は、本マイクロフォンで抽出したい音の周波数であり、例えば7kHz以下の周波数としてもよい。
以下、本発明を適用した実施の形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、本発明は、以下の内容を自由に組み合わせたものを含むものとする。
1.マイクロフォンユニット1の構成
はじめに、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1の構成について説明する。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、図1及び図2(A)に示すように、筐体10を含む。筐体10は、マイクロフォンユニット1の外形を構成する部材である。筐体10(マイクロフォンユニット1)の外形は多面体構造となっていてもよい。筐体10の外形は、図1に示すように、六面体(直方体又は立方体)となっていてもよい。ただし、筐体10の外形は六面体以外の多面体構造となっていてもよい。あるいは、筐体10の外形は、球状構造(半球状構造)等の、多面体以外の構造となっていてもよい。
筐体10は、図2(A)に示すように、内部空間100(第1及び第2の空間102,104)を有する。すなわち、筐体10は所定の空間を区画する構造をなしており、内部空間100とは、筐体10によって区画される空間である。筐体10は、内部空間100と、筐体10の外部の空間(外部空間110)とを電気的・磁気的に遮蔽する遮蔽構造(電磁シールド構造)をなしていてもよい。これにより、後述する振動膜30及び電気信号出力回路40が、筐体10の外部(外部空間110)に配置された電子部品の影響を受けにくくすることができるため、精度の高い雑音除去機能を実現することが可能なマイクロフォンユニットを提供することができる。
そして、筐体10には、図1及び図2(A)に示すように、筐体10の内部空間100と外部空間110とを連通させる貫通穴が形成されている。本実施の形態では、筐体10には、第1の貫通穴12と第2の貫通穴14とが形成されている。ここで、第1の貫通穴12は、第1の空間102と外部空間110とを連通する貫通穴である。また、第2の貫通穴14は、第2の空間104と外部空間110とを連通する貫通穴である。なお、第1及び第2の空間102,104については後で詳述する。第1及び第2の貫通穴12,14の外形は特に限定されるものではないが、例えば図1に示すように、円形となっていてもよい。ただし、第1及び第2の貫通穴12,14の外形は、円形以外の形状であってもよく、例えば矩形であってもよい。
本実施の形態では、図1及び図2(A)に示すように、第1及び第2の貫通穴12,14は、六面体構造(多面体構造)をなす筐体10の1つの面15に形成されている。ただし、変形例として、第1及び第2の貫通穴12,14は、それぞれ、多面体の異なる面に形成されていてもよい。例えば、第1及び第2の貫通穴12,14は、六面体の対向する面に形成されていてもよく、六面体の隣り合う面に形成されていてもよい。また、本実施の形態では、筐体10には、1つの第1の貫通穴12と1つの第2の貫通穴14とが形成されている。ただし、本発明はこれに限られず、筐体10には、複数の第1の貫通穴12及び複数の第2の貫通穴14が形成されていてもよい。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、図2(A)及び図2(B)に示すように、仕切り部材20を含む。ここで、図2(B)は、仕切り部材20を正面から観察した図である。仕切り部材20は、筐体10内に、内部空間100を分割するように設けられる。本実施の形態では、仕切り部材20は、内部空間100を、第1の空間102及び第2の空間104に分割するように設けられる。すなわち、第1及び第2の空間102,104は、それぞれ、筐体10及び仕切り部材20で区画された空間であるといえる。
仕切り部材20は、音波を伝搬する媒質が、筐体10の内部で、第1の空間102と第2の空間104との間を移動しないように(移動できないように)設けられていてもよい。例えば、仕切り部材20は、内部空間100(第1及び第2の空間102,104)を筐体10内部で気密に分離する、気密隔壁であってもよい。
仕切り部材20は、図2(A)及び図2(B)に示すように、少なくとも一部が振動膜30で構成されている。振動膜30は、音波が入射すると、法線方向に振動する部材である。そして、マイクロフォンユニット1では、振動膜30の振動に基づいて電気信号を抽出することで、振動膜30に入射した音声を示す電気信号を取得する。すなわち、振動膜30は、マイクロフォン(音響信号を電気信号に変換する電気音響変換器)の振動膜であってもよい。
以下、本実施の形態に適用可能なマイクロフォンの一例として、コンデンサ型マイクロフォン200の構成について説明する。なお、図3は、コンデンサ型マイクロフォン200について説明するための図である。
コンデンサ型マイクロフォン200は、振動膜202を有する。なお、振動膜202が、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1の振動膜30に相当する。振動膜202は、音波を受けて振動する膜(薄膜)で、導電性を有し、電極の一端を形成している。コンデンサ型マイクロフォン200は、また、電極204を有する。電極204は、振動膜202と対向して配置されている。これにより、振動膜202と電極204とは容量を形成する。コンデンサ型マイクロフォン200に音波が入射すると、振動膜202が振動して、振動膜202と電極204との間隔が変化し、振動膜202と電極204との間の静電容量が変化する。この静電容量の変化を、例えば電圧の変化として取り出すことによって、振動膜202の振動に基づく電気信号を取得することができる。すなわち、コンデンサ型マイクロフォン200に入射する音波を、電気信号に変換して出力することができる。なお、コンデンサ型マイクロフォン200では、電極204は、音波の影響を受けない構造をなしていてもよい。例えば、電極204はメッシュ構造をなしていてもよい。
ただし、本発明に適用可能なマイクロフォン(振動膜30)は、コンデンサ型マイクロフォンに限られるものではなく、既に公知となっているいずれかのマイクロフォンを適用することができる。例えば、振動膜30は、動電型(ダイナミック型)、電磁型(マグネティック型)、圧電型(クリスタル型)等の、種々のマイクロフォンの振動膜であってもよい。
あるいは、振動膜30は、半導体膜(例えばシリコン膜)であってもよい。すなわち、振動膜30は、シリコンマイク(Siマイク)の振動膜であってもよい。シリコンマイクを利用することで、マイクロフォンユニット1の小型化、及び、高性能化を実現することができる。
振動膜30の外形は特に限定されるものではない。図2(B)に示すように、振動膜30の外形は円形をなしていてもよい。このとき、振動膜30と第1及び第2の貫通穴12,14とは、径が(ほぼ)同じ円形であってもよい。ただし、振動膜30は、第1及び第2の貫通穴12,14よりも大きくてもよく、小さくてもよい。また、振動膜30は、第1及び第2の面35,37を有する。第1の面35は第1の空間102を向く面であり、第2の面37は第2の空間104を向く面である。
なお、本実施の形態では、振動膜30は、図2(A)に示すように、法線が筐体10の面15に平行に延びるように設けられていてもよい。言い換えると、振動膜30は、面15と直交するように設けられていてもよい。そして、振動膜30は、第2の貫通穴14の側方(近傍)に配置されていてもよい。すなわち、振動膜30は、第1の貫通穴12からの距離と、第2の貫通穴14からの距離とが等しくならないように配置されていてもよい。ただし、変形例として、振動膜30は、第1及び第2の貫通穴12,14の中間に配置されていてもよい(図示せず)。
本実施の形態では、仕切り部材20は、図2(A)及び図2(B)に示すように、振動膜30を保持する保持部32を含んでいてもよい。そして、保持部32は、筐体10の内壁面に密着していてもよい。保持部32を筐体10の内壁面に密着させることで、第1及び第2の空間102,104を気密に分離することができる。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、振動膜30の振動に基づいて電気信号を出力する電気信号出力回路40を含む。電気信号出力回路40は、少なくとも一部が、筐体10の内部空間100内に形成されてもよい。電気信号出力回路40は、例えば、筐体10の内壁面に形成されてもよい。すなわち、本実施の形態では、筐体10を電気回路の回路基板として利用してもよい。
図4には、本実施の形態に適用可能な電気信号出力回路40の一例を示す。電気信号出力回路40は、コンデンサ42(振動膜30を有するコンデンサ型マイクロフォン)の静電容量の変化に基づく電気信号を、信号増幅回路44で増幅して出力するように構成されていてもよい。コンデンサ42は、例えば、振動膜ユニット41の一部を構成していてもよい。なお、電気信号出力回路40は、チャージポンプ回路46と、オペアンプ48とを含んで構成されていてもよい。これにより、コンデンサ42の静電容量の変化を精密に取得することが可能になる。本実施の形態では、例えば、コンデンサ42、信号増幅回路44、チャージポンプ回路46、オペアンプ48は、筐体10の内壁面に形成されていてもよい。また、電気信号出力回路40は、ゲイン調整回路45を含んでいてもよい。ゲイン調整回路45は、信号増幅回路44の増幅率(ゲイン)を調整する役割を果たす。ゲイン調整回路45は、筐体10の内部に設けられていてもよいが、筐体10の外部に設けられていてもよい。
ただし、振動膜30としてシリコンマイクを適用する場合には、電気信号出力回路40は、シリコンマイクの半導体基板に形成された集積回路によって実現してもよい。
また、電気信号出力回路40は、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換回路や、デジタル信号を圧縮(符号化)する圧縮回路などをさらに含んでいてもよい。
前記振動膜を、SN(Signal to Noise)比が約60デシベル以上の振動子で構成してもよい。振動子を差動マイクとして機能させる場合には単体マイクとして機能させる場合に比べてSN比が低下する。従ってSN比に優れた振動子(例えばSN比が60デシベル以上のMEMS振動子)を用いて前記振動膜を構成することで、感度のよいマイクロフォンユニットを実現することができる。
例えば話者とマイク間の距離を約2.5cm程度(接話型のマイクロフォンユニット)として、単体マイクを差動マイクとして使用する場合には、単体マイクとし使用する場合にくらべ感度が10数デシベル程度低下する。しかしSN比が約60デシベル以上の振動子で前記振動膜を構成することにより、前記感度の低下による影響を鑑みてもマイクとしての機能の必要レベルを満たしたマイクロフォンユニットを実現することができる。
本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、以上のように構成されていてもよい。マイクロフォンユニット1によると、簡単な構成で、精度の高い雑音除去機能を実現することができる。以下、マイクロフォンユニット1の雑音除去原理について説明する。
2.マイクロフォンユニット1の雑音除去原理
(1)マイクロフォンユニット1の構成と、振動膜30の振動原理
はじめに、マイクロフォンユニット1の構成から導き出される、振動膜30の振動原理について説明する。
本実施の形態では、振動膜30は、両側(第1及び第2の35,37)から音圧を受ける。そのため、振動膜30の両側に、同時に、同じ大きさの音圧がかかると、当該2つの音圧は振動膜30で打ち消しあい、振動膜30を振動させる力とはならない。逆に言うと、振動膜30は、両側に受ける音圧に差があるときに、その音圧の差によって振動する。
また、第1及び第2の貫通穴12,14に入射した音波の音圧は、第1及び第2の空間102,104の内壁面に均等に伝達される(パスカルの原理)。そのため、振動膜30の第1の空間102を向く面(第1の面35)は、第1の貫通穴12に入射した音圧と等しい音圧を受け、振動膜30の第2の空間104を向く面(第2の面37)は、第2の貫通穴14に入射した音圧と等しい音圧を受ける。
すなわち、第1及び第2の面35,37が受ける音圧は、それぞれ、第1及び第2の貫通穴12,14に入射した音の音圧であり、振動膜30は、第1及び第2の面35,37(第1及び第2の貫通穴12,14)に入射した音波の音圧の差によって振動する。
(2)音波の性質
音波は、媒質中を進行するにつれ減衰し、音圧(音波の強度・振幅)が低下する。音圧は、音源からの距離に反比例するため、音圧Pは、音源からの距離rとの関係において、
Figure 2009239631
と表すことができる。なお、式(1)中、kは比例定数である。図5には、式(1)を表すグラフを示すが、本図からもわかるように、音圧(音波の振幅)は、音源に近い位置(グラフの左側)では急激に減衰し、音源から離れるほどなだらかに減衰する。
マイクロフォンユニット1を接話型の音声入力装置に適用する場合、ユーザの音声は、マイクロフォンユニット1(第1及び第2の貫通穴12,14)の近傍から発生する。そのため、ユーザの音声は、第1及び第2の貫通穴12,14の間で大きく減衰し、第1及び第2の貫通穴12,14に入射するユーザ音声の音圧、すなわち、第1及び第2の面35,37に入射するユーザ音声の音圧には、大きな差が現れる。
これに対して雑音成分は、ユーザの音声に比べて、音源が、マイクロフォンユニット1(第1及び第2の貫通穴12,14)から遠い位置に存在する。そのため、雑音の音圧は、第1及び第2の貫通穴12,14の間でほとんど減衰せず、第1及び第2の貫通穴12,14に入射する雑音の音圧には、ほとんど差が現れない。
(3)雑音除去原理
上述したように、振動膜30は、第1及び第2の面35,37に同時に入射する音波の音圧の差によって振動する。そして、第1及び第2の面35,37に入射する雑音の音圧の差は非常に小さいため、振動膜30で打ち消される。これに対して、第1及び第2の面35,37に入射するユーザ音声の音圧の差は大きいため、ユーザ音声は振動膜30で打ち消されず、振動膜30を振動させる。
このことから、マイクロフォンユニット1によると、振動膜30は、ユーザの音声のみによって振動しているとみなすことができる。そのため、マイクロフォンユニット1(電気信号出力回路40)から出力される電気信号は、雑音が除去された、ユーザ音声のみを示す信号とみなすことができる。
すなわち、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1によると、簡易な構成で、雑音が除去されたユーザ音声を示す電気信号を取得することが可能な音声入力装置を提供することができる。
3.マイクロフォンユニット1で、より精度の高い雑音除去機能を実現するための条件 上述したように、マイクロフォンユニット1によると、雑音が除去された、ユーザ音声のみを示す電気信号を取得することが可能になる。ただし、音波は位相成分を含んでいる。そのため、第1及び第2の貫通穴12,14(振動膜30の第1及び第2の面35,37)に入射する音波の位相差を考慮すれば、より精度の高い雑音除去機能を実現することが可能な条件(マイクロフォンユニット1の設計条件)を導出することができる。以下、より精度の高い雑音除去機能を実現するために、マイクロフォンユニット1が満たすべき条件について説明する。
マイクロフォンユニット1によると、先に説明したように、振動膜30を振動させる音圧(第1及び第2面35,37が受ける音圧の差:以下、適宜、「差分音圧」と称する)に基づいて出力される信号を、ユーザ音声を示す信号とみなす。このマイクロフォンユニットによると、振動膜30を振動させる音圧(差分音圧)に含まれる雑音成分が、第1又は第2の面35,37に入射する音圧に含まれる雑音成分よりも小さくなったことをもって、雑音除去機能が実現されたと評価することができる。詳しくは、差分音圧に含まれる雑音成分の強度の、第1又は第2の面35,37に入射する音圧に含まれる雑音成分の強度に対する比を示す雑音強度比が、差分音圧に含まれるユーザ音声成分の強度の、第1又は第2の面35,37に入射する音圧に含まれるユーザ音声成分の強度に対する比を示すユーザ音声強度比よりも小さくなれば、この雑音除去機能が実現されたと評価することができる。
以下、この雑音除去機能を実現するために、マイクロフォンユニット1(筐体10)が満たすべき具体的な条件について説明する。
はじめに、振動膜30の第1及び第2の面35,37(第1及び第2の貫通穴12,14)に入射する音声の音圧について検討する。ユーザ音声の音源から第1の貫通穴12までの距離をR、第1及び第2の貫通穴12,14の中心間距離をΔrとすると、位相差を無視すれば、第1及び第2の貫通穴12,14に入射する、ユーザ音声の音圧(強度)P(S1)及びP(S2)は、
Figure 2009239631
と表すことができる。
そのため、ユーザ音声の位相差を無視したときの、第1の面35(第1の貫通穴12)に入射するユーザ音声の音圧の強度に対する、差分音圧に含まれるユーザ音声成分の強度の比率を示すユーザ音声強度比ρ(P)は、
Figure 2009239631
と表される。
ここで、マイクロフォンユニット1が接話型の音声入力装置に利用される場合、ΔrはRに比べて充分小さいとみなすことができる。
そのため、上述の式(4)は、
Figure 2009239631
と変形することができる。
すなわち、ユーザ音声の位相差を無視した場合のユーザ音声強度比は、式(A)と表されることがわかる。
ところで、ユーザ音声の位相差を考慮すると、ユーザ音声の音圧Q(S1)及びQ(S2)は、
Figure 2009239631
と表すことができる。なお、式中、αは位相差である。
このとき、ユーザ音声強度比ρ(S)は、
Figure 2009239631
と表される。式(7)を考慮すると、ユーザ音声強度比ρ(S)の大きさは、
Figure 2009239631
と表すことができる。
ところで、式(8)のうち、sinωt−sin(ωt−α)項は位相成分の強度比を示し、Δr/Rsinωt項は振幅成分の強度比を示す。ユーザ音声成分であっても、位相差成分は、振幅成分に対するノイズとなるため、ユーザ音声を精度よく抽出するためには、位相成分の強度比が、振幅成分の強度比よりも充分に小さいことが必要である。すなわち、sinωt−sin(ωt−α)と、Δr/Rsinωtとは、
Figure 2009239631
の関係を満たしていることが重要である。
ここで、
Figure 2009239631
と表すことができるため、上述の式(B)は、
Figure 2009239631
と表すことができる。
式(10)の振幅成分を考慮すると、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、
Figure 2009239631
を満たす必要があることがわかる。
なお、上述したように、ΔrはRに比べて充分小さいとみなすことができるため、sin(α/2)は充分小さいとみなすことができ、
Figure 2009239631
と近似することができる。
そのため、式(C)は、
Figure 2009239631
と変形することができる。
また、位相差であるαとΔrとの関係を、
Figure 2009239631
と表せば、式(D)は、
Figure 2009239631
と変形することができる。
すなわち、本実施の形態では、マイクロフォンユニット1が式(E)に示す関係を満たしていれば、ユーザ音声を精度よく抽出することができる。
次に、第1及び第2の面35,37(第1及び第2の貫通穴12,14)に入射する雑音の音圧について検討する。
第1及び第2の面35,37に入射する雑音成分の振幅を、A,A´とすると、位相差成分を考慮した雑音の音圧Q(N1)及びQ(N2)は、
Figure 2009239631
と表すことができ、第1の面35(第1の貫通穴12)に入射する雑音成分の音圧の強度に対する、差分音圧に含まれる雑音成分の強度の比率を示す雑音強度比ρ(N)は、
Figure 2009239631
と表すことができる。
なお、先に説明したように、第1及び第2の面35,37(第1及び第2の貫通穴12,14)に入射する雑音成分の振幅(強度)はほぼ同じであり、A=A´と扱うことができる。そのため、上記の式(15)は、
Figure 2009239631
と変形することができる。
そして、雑音強度比の大きさは、
Figure 2009239631
と表すことができる。
ここで、上述の式(9)を考慮すると、式(17)は、
Figure 2009239631
と変形することができる。
そして、式(11)を考慮すると、式(18)は、
Figure 2009239631
と変形することができる。
ここで、式(D)を参照すれば、雑音強度比の大きさは、
Figure 2009239631
と表すことができる。なお、Δr/Rとは、式(A)に示すように、ユーザ音声の振幅成分の強度比である。式(F)から、このマイクロフォンユニット1では、雑音強度比がユーザ音声の強度比Δr/Rよりも小さくなることがわかる。
以上のことから、ユーザ音声の位相成分の強度比が振幅成分の強度比よりも小さくなるマイクロフォンユニット1によれば(式(B)参照)、雑音強度比がユーザ音声強度比よりも小さくなる(式(F)参照)。逆に言うと、雑音強度比がユーザ音声強度比よりも小さくなるように設計されたマイクロフォンユニット1によると、精度の高い雑音除去機能を実現することができる。
4.マイクロフォンユニット1の製造方法
以下、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1の製造方法について説明する。本実施の形態では、第1及び第2の貫通穴12,14の中心間距離Δrと雑音の波長λとの比率を示すΔr/λの値と、雑音強度比(雑音の位相成分に基づく強度比)との対応関係を示すデータを利用して、マイクロフォンユニット1を製造してもよい。
雑音の位相成分に基づく強度比は、上述した式(18)で表される。そのため、雑音の位相成分に基づく強度比のデシベル値は、
Figure 2009239631
と表すことができる。
そして、式(20)のαに各値を代入すれば、位相差αと、雑音の位相成分に基づく強度比との対応関係を明らかにすることができる。図6には、横軸をα/2πとし、縦軸に雑音の位相成分に基づく強度比(デシベル値)を取った時の、位相差と強度比との対応関係を表すデータの一例を示す。
なお、位相差αは、式(12)に示すように、距離Δrと波長λとの比であるΔr/λの関数で表すことができ、図6の横軸は、Δr/λとみなすことができる。すなわち、図6は、雑音の位相成分に基づく強度比と、Δr/λとの対応関係を示すデータであるといえる。
本実施の形態では、このデータを利用して、マイクロフォンユニット1を製造する。図7は、このデータを利用してマイクロフォンユニット1を製造する手順について説明するためのフローチャート図である。
はじめに、雑音の強度比(雑音の位相成分に基づく強度比)と、Δr/λとの対応関係を示すデータ(図6参照)を用意する(ステップS10)。
次に、用途に応じて、雑音の強度比を設定する(ステップS12)。なお、本実施の形態では、雑音の強度が低下するように雑音の強度比を設定する必要がある。そのため、本ステップでは、雑音の強度比を、0dB以下に設定する。
次に、当該データに基づいて、雑音の強度比に対応するΔr/λの値を導出する(ステップS14)。
そして、λに主要な雑音の波長を代入することによって、Δrが満たすべき条件を導出する(ステップS16)。
具体例として、主要な雑音が1KHzであり、その波長が0.347mとなる環境下で、雑音の強度が20dB低下するマイクロフォンユニット1を製造する場合について考える。
はじめに、雑音の強度比が0dB以下になるための条件について検討する。図6を参照すると、雑音の強度比を0dB以下とするためには、Δr/λの値を0.16以下とすればよいことがわかる。すなわち、Δrの値が55.46mm以下とすればよいことがわかり、これが、マイクロフォンユニット1(筐体10)の必要条件となる。
次に、1KHzの雑音の強度を20dB低下させるための条件について考える。図6を参照すると、雑音の強度を20dB低下させるためには、Δr/λの値を0.015とすればよいことがわかる。そして、λ=0.347mとすると、Δrの値が5.199mm以下のときに、この条件を満たすことがわかる。すなわち、Δrを約5.2mm以下に設定すれば、雑音除去機能を有するマイクロフォンユニットを製造することが可能になる。
なお、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1を接話型の音声入力装置に利用する場合、ユーザ音声の音源とマイクロフォンユニット1(第1及び第2の貫通穴12,14)との間隔は、通常5cm以下である。また、ユーザ音声の音源とマイクロフォンユニット1(第1及び第2の貫通穴12,14)との間隔は、マイクロフォンユニット1が収納される筐体の設計によって設定することが可能である。そのため、ユーザの音声の強度比であるΔr/Rの値は、0.1(雑音の強度比)よりも大きくなり、雑音除去機能が実現されることがわかる。
なお、通常、雑音は単一の周波数に限定されるものではない。しかし、主要な雑音として想定された雑音よりも周波数の低い雑音は、当該主要な雑音よりも波長が長くなるため、Δr/λの値は小さくなり、このマイクロフォンユニット1で除去される。また、音波は、周波数が高いほどエネルギーの減衰が早い。そのため、主要な雑音として想定された雑音よりも周波数の高い雑音は、当該主要な雑音よりも早く減衰するため、マイクロフォンユニット1(振動膜30)に与える影響を無視することができる。このことから、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、主要な雑音として想定された雑音とは異なる周波数の雑音が存在する環境下でも、優れた雑音除去機能を発揮することができる。
また、本実施の形態では、式(12)からもわかるように、第1及び第2の貫通穴12,14を結ぶ直線上から入射する雑音を想定した。この雑音は、第1及び第2の貫通穴12,14の見かけ上の間隔が最も大きくなる雑音であり、現実の使用環境において、位相差が最も大きくなる雑音である。すなわち、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1は、位相差が最も大きくなる雑音を除去することが可能に構成されている。そのため、本実施の形態に係るマイクロフォンユニット1によると、すべての方向から入射する雑音を除去することができる。
5.効果
以下、マイクロフォンユニット1が奏する効果についてまとめる。
先に説明したように、マイクロフォンユニット1によると、振動膜30の振動を示す電気信号(振動膜30の振動に基づく電気信号)取得するだけで、雑音成分が除去された音声を示す電気信号を取得することができる。すなわち、マイクロフォンユニット1では、複雑な解析演算処理を行うことなく雑音除去機能を実現することができる。そのため、簡単な構成で、深い雑音除去が可能な高品質のマイクロフォンユニットを提供することができる。特に、第1及び第2の貫通穴12,14の中心間距離Δrを5.2mm以下に設定することで、より精度の高い雑音除去機能を実現することが可能なマイクロフォンユニットを提供することができる。
また前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離を、10kHz以下の周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定してもよい。
前記第1及び第2の貫通穴を音源の音(例えば音声)の進行方向に沿って配置して、前記進行方向からの音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離を設定されていてもよい。
図22から図24はマイク間距離と音声強度比ρの関係について説明するための図である。図22から図24は横軸はΔr/λであり、縦軸は音声強度比ρである。音声強度比ρとは差動マイクと単体マイクの音圧比であり、差動マイクを構成するマイクを単体マイクとして使用した場合の音圧が差動音圧と同じになるところを0デシベルとしている。
すなわち図22から図24のグラフは、Δr/λに対応した差動音圧の遷移を示しており、縦軸が0デシベル以上のエリアは、遅延ひずみ(ノイズ)が大きいと考えることができる。
現行の電話回線は3.4kHzの音声周波数帯域で設計されているが、より高品質な音声通信を実現しようとした場合、7kHz以上、好ましくは10kHzの音声周波数帯域が必要とされる。以下、10kHzの音声周波数帯域を想定した場合における、遅延による音声歪みの影響について考察する。
図22はマイク間距離(Δr)が5mmである場合の、1kHz、7kHz、10kHzの周波数の音を差動マイクでとらえた場合の音声強度比ρの分布を示している。
マイク間距離が5mmの場合には、図22に示すように1kHz、7kHz、10kHzのいずれの周波数の音についても音声強度比ρは0デシベル以下である。
また図23はマイク間距離(Δr)が10mmである場合の、1kHz、7kHz、10kHzの周波数の音を差動マイクでとらえた場合の音声強度比ρの分布を示している。
マイク間距離が10mmになると、図23に示すように1kHz、7kHzの周波数の音については音声強度比ρは0デシベル以下であるが、10kHzの周波数の音については音声強度比ρが0デシベル以上となり遅延ひずみ(ノイズ)が大きくなっている。
また図24はマイク間距離(Δr)が20mmである場合の、1kHz、7kHz、10kHzの周波数の音を差動マイクでとらえた場合の音声強度比ρの分布を示している。
マイク間距離が20mmになると、図24に示すように1kHzの周波数の音については音声強度比ρは0デシベル以下であるが、7kHz、10kHzの音については音声強度比ρが0デシベル以上となり遅延ひずみ(ノイズ)が大きくなっている。
従ってマイク間距離を約5mm〜6mm程度(より具体的には5.2mm以下)にすることで、周波数が10kHz帯域まで話者音声を忠実に抽出し、かつ遠方雑音の抑制効果の高いマイクロフォンを実現することができる。
本実施の形態では第1及び第2の貫通穴12,14の中心間距離を約5mm〜6mm程度(より具体的には5.2mm以下)にすることで、10kHz帯域まで話者音声を忠実に抽出し、かつ遠方雑音の抑制効果の高いマイクロフォンユニットを実現することができる。
また、マイクロフォンユニット1では、位相差に基づく雑音強度比が最も大きくなるように入射する雑音を除去することができるように、筐体10(第1及び第2の貫通穴12,14の位置)を設計することが可能になる。そのため、このマイクロフォンユニット1によると、全方位から入射する雑音を除去することができる。すなわち、本発明によると、全方位から入射する雑音を除去することが可能なマイクロフォンユニットを提供することができる。
図25(A)(B)から図31(A)(B)は周波数帯域とマイク間距離とマイク−音源間の距離毎の差動マイクの指向性について説明するための図である。
図25(A)(B)は音源の周波数帯域が1kHz、マイク間距離が5mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm(接話型の話者の口元からマイクまでの距離に相当)、1m(遠方雑音に相当)の場合の差動マイクの指向性を示す図である。
1110は差動マイクの全方位に対する感度(差動音圧)を示すグラフであり、差動マイクの指向特性を示している。また1112は差動マイクを単体マイクとして使用した場合の全方位に対する感度(音圧)を示すグラフであり、単体マイクの指向特性を示している。
1114はマイクを2つ用いて差動マイクを構成する場合の両マイクを結ぶ直線の方向又はマイクを1つで差動マイクを実現する場合にマイクの両面に音波を到達させるための第1の貫通穴と第2の貫通穴を結ぶ直線の方向(0度−180度、差動マイクを構成する2つのマイクM1、M2又は第1の貫通穴と第2の貫通穴はこの直線上に置かれている)を示している。この直線の方向を0度、180度とし、この直線の方向と直角な方向を90度、270度とする。
1112、1122に示すように単体マイクは全方位から均一に音を取っており指向性を有していない。また音源が遠くなるほど取得する音圧は減衰している。
1110、1120に示すように差動マイクは90度、270度方向で多少感度が落ちるが全方位にほぼ均一な指向性を有している。また単体マイクより取得する音圧が減衰しており、単体マイクと同様に音源が遠くなるほど取得する音圧は減衰している。
図25(B)に示すように音源の周波数帯域が1kHz、マイク間距離が5mmの場合には、差動マイクの指向性を示す差動音圧のグラフ1120の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1122の示す領域に内包されており、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえる。
図26(A)(B)は音源の周波数帯域が1kHz、マイク間距離が10mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性を説明する図である。かかる場合にも、図26(B)に示すように、差動マイクの指向性を示すグラフ1140の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1422の示す領域に内包されており、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえる。
図27(A)(B)は音源の周波数帯域が1kHz、マイク間距離が20mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性を示す図である。かかる場合にも、図27(B)に示すように、差動マイクの指向性を示すグラフ1160の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1462の示す領域に内包されており、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえる。
図28(A)(B)は音源の周波数帯域が7kHz、マイク間距離が5mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性を示す図である。かかる場合にも、図28(B)に示すように、差動マイクの指向性を示すグラフ1180の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1182の示す領域に内包されており、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえる。
図29(A)(B)は音源の周波数帯域が7kHz、マイク間距離が10mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性を示す図である。かかる場合には、図29(B)に示すように、差動マイクの指向性を示すグラフ1200の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1202の示す領域に内包されておらず、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているとはいえない。
図30(A)(B)は音源の周波数帯域が7kHz、マイク間距離が20mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性を示す図である。かかる場合にも、図30(B)に示すように、差動マイクの指向性を示すグラフ1220の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1222の示す領域に内包されておらず、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているとはいえない。
図31(A)(B)は音源の周波数帯域が300Hz、マイク間距離が5mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性を示す図である。かかる場合には、図31(B)に示すように、差動マイクの指向性を示すグラフ1240の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1242の示す領域に内包されており、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえる。
図32(A)(B)は音源の周波数帯域が300Hz、マイク間距離が10mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性を示す図である。かかる場合にも、図32(B)に示すように、差動マイクの指向性を示すグラフ1260の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1262の示す領域に内包されており、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえる。
図33(A)(B)は音源の周波数帯域が300Hz、マイク間距離が20mm、マイク−音源間距離がそれぞれ2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性を示す図である。かかる場合にも、図33(B)に示すように、差動マイクの指向性を示すグラフ1280の示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフ1282の示す領域に内包されており、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえる。
マイク間距離が5mmである場合には、図25(B)、図28(B)、図31(B)に示すよう音の周波数帯域が1kHz、7kHz、300Hzのいずれの場合についても、差動マイクの指向性を示すグラフの示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフの示す領域に内包されている。すなわちマイク間距離が5mmである場合については音の周波数帯域が7kHz以下の帯域では、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえる。
ところがマイク間距離が10mmである場合には、図26(B)、図29(B)、図32(B)に示すように音の周波数帯域が7kHzの場合には、差動マイクの指向性を示すグラフの示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフの示す領域に内包されていない。すなわちマイク間距離が10mmである場合については音の周波数帯域が7kHz付近では、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえない。
またマイク間距離が20mmである場合には、図27(B)、図30(B)、図33(B)に示すように音の周波数帯域が7kHzの場合には、差動マイクの指向性を示すグラフの示す領域は単体マイクの指向性を示すグラフの示す領域に内包されていない。すなわちマイク間距離が20mmである場合については音の周波数帯域が7kHz付近では、差動マイクは単体マイクに比べ遠方雑音の抑制効果に優れているといえない。
従って差動マイクのマイク間距離を約5mm〜6mm程度(より具体的には5.2mm以下)にすることで、7kHz帯域以下の音については指向性によらず全方位の遠方雑音の抑圧効果が単体マイクに比べ高いといえる。
なおマイク1つで差動マイクを実現する場合には、マイクの両面に音波を到達させるための第1の貫通穴と第2の貫通穴の距離について上記と同様のことがいえる。従って本実施の形態では第1及び第2の貫通穴12,14の中心間距離を約5mm〜6mm程度(より具体的には5.2mm以下)にすることで、7kHz帯域以下の音については指向性によらず全方位の遠方雑音を抑圧することが可能なマイクロフォンユニットを実現することができる。
なお、マイクロフォンユニット1によると、壁などで反射した後に振動膜30(第1及び第2の面35,37)に入射したユーザ音声成分も除去することができる。詳しくは、壁などで反射したユーザ音声は、長距離を伝搬した後にマイクロフォンユニット1に入射するため、通常のユーザ音声よりも遠くに存在する音源から発生した音声であるとみなすことができ、かつ、反射により大きくエネルギーを消失しているため、雑音成分と同様に、第1及び第2の貫通穴12,14の間で音圧が大きく減衰することがない。そのため、このマイクロフォンユニット1によると、壁などで反射した後に入射するユーザ音声成分も、雑音と同様に(雑音の一種として)除去される。
そして、マイクロフォンユニット1を利用すれば、雑音を含まない、ユーザ音声を示す信号を取得することができる。そのため、マイクロフォンユニット1を利用することで、精度の高い音声認識や音声認証、コマンド生成処理を実現することができる。
6.音声入力装置
次に、マイクロフォンユニット1を有する音声入力装置2について説明する。
(1)音声入力装置2の構成
はじめに、音声入力装置2の構成について説明する。図8及び図9は、音声入力装置2の構成について説明するための図である。なお、以下に説明する音声入力装置2は、接話型の音声入力装置であって、例えば、携帯電話やトランシーバー等の音声通信機器や、入力された音声を解析する技術を利用した情報処理システム(音声認証システム、音声認識システム、コマンド生成システム、電子辞書、翻訳機や、音声入力方式のリモートコントローラなど)、あるいは、録音機器やアンプシステム(拡声器)、マイクシステムなどに適用することができる。
図8は、音声入力装置2の構造を説明するための図である。
音声入力装置2は、筐体50を有する。筐体50は、音声入力装置2の外形を構成する部材である。筐体50には基本姿勢が設定されていてもよく、これにより、ユーザ音声の進行径路を規制することができる。筐体50には、ユーザの音声を受け付けるための開口52が形成されていてもよい。
音声入力装置2では、マイクロフォンユニット1は、筐体50内部に設置される。マイクロフォンユニット1は、第1及び第2の貫通穴12,14が開口52に連通(重複)するように、筐体50に設置されていてもよい。マイクロフォンユニット1は、弾性体54を介して、筐体50に設置されていてもよい。これにより、筐体50の振動がマイクロフォンユニット1(筐体10)に伝わりにくくなるため、マイクロフォンユニット1を精度よく動作させることができる。
マイクロフォンユニット1は、第1及び第2の貫通穴12,14がユーザ音声の進行方向に沿ってずれて配置されるように、筐体50に設置されていてもよい。そして、ユーザ音声の進行径路の上流側に配置される貫通穴を第1の貫通穴12とし、下流側に配置される貫通穴を第2の貫通穴14としてもよい。振動膜30が第2の貫通穴14の側方に配置されたマイクロフォンユニット1を、上記のように配置すると、ユーザ音声を、振動膜30の両面(第1及び第2の面35,37)に同時に入射させることができる。詳しくは、マイクロフォンユニット1では、第1の貫通穴12の中心から第1の面35までの距離が、第1の貫通穴12から第2の貫通穴14までの距離とほぼ等しくなるため、第1の貫通穴12を通過したユーザ音声が第1の面35に入射するまでに必要な時間は、第1の貫通穴12上を通過したユーザ音波が第2の貫通穴14を介して第2の面37に入射するまでに必要な時間と、ほぼ等しくなる。すなわち、ユーザが発声した音声が、第1の面35に入射するまでにかかる時間と、第2の面37に入射するまでにかかる時間とが等しくなる。そのため、ユーザ音声を、第1及び第2の面35,37に同時に入射させることができ、位相ずれによるノイズが発生しないように、振動膜30を振動させることができる。言い換えると、先に説明した式(8)においてα=0となり、sinωt−sin(ωt−α)=0となることから、Δr/Rsinωt項(振幅成分のみ)が抽出されることがわかる。そのため、人の音声としては高周波帯域である7KHz程度のユーザ音声が入力された場合でも、第1の面35に入射する音圧と第2の面37に入射する音圧との位相ひずみの影響を無視することができ、ユーザ音声を正確に示す電気信号を取得することが可能になる。
(2)音声入力装置2の機能
次に、図9を参照して、音声入力装置2の機能について説明する。なお、図9は、音声入力装置2の機能を説明するためのブロック図である。
音声入力装置2は、マイクロフォンユニット1を有する。マイクロフォンユニット1は、振動膜30の振動に基づいて生成された電気信号を出力する。なお、マイクロフォンユニット1から出力される電気信号は、雑音成分が除去された、ユーザ音声を示す電気信号である。
音声入力装置2は、演算処理部60を有していてもよい。演算処理部60は、マイクロフォンユニット1(電気信号出力回路40)から出力された電気信号に基づいて各種の演算処理を行う。演算処理部60は、電気信号に対する解析処理を行ってもよい。演算処理部60は、マイクロフォンユニット1からの出力信号を解析することにより、ユーザ音声を発した人物を特定する処理(いわゆる音声認証処理)を行ってもよい。あるいは、演算処理部60は、マイクロフォンユニット1の出力信号を解析処理することにより、ユーザ音声の内容を特定する処理(いわゆる音声認識処理)を行ってもよい。演算処理部60は、マイクロフォンユニット1からの出力信号に基づいて、各種のコマンドを作成する処理を行ってもよい。演算処理部60は、マイクロフォンユニット1からの出力信号を増幅する処理を行ってもよい。また、演算処理部60は、後述する通信処理部70の動作を制御してもよい。なお、演算処理部60は、上記各機能を、CPUやメモリによる信号処理によって実現してもよい。あるいは、演算処理部60は、上記各機能を、専用のハードウエアによって実現してもよい。
音声入力装置2は、通信処理部70をさらに含んでいてもよい。通信処理部70は、音声入力装置2と、他の端末(携帯電話端末や、ホストコンピュータなど)との通信を制御する。通信処理部70は、ネットワークを介して、他の端末に信号(マイクロフォンユニット1からの出力信号)を送信する機能を有していてもよい。通信処理部70は、また、ネットワークを介して、他の端末から信号を受信する機能を有していてもよい。そして、例えばホストコンピュータで、通信処理部70を介して取得した出力信号を解析処理して、音声認識処理や音声認証処理、コマンド生成処理や、データ蓄積処理など、種々の情報処理を行ってもよい。すなわち、音声入力装置2は、他の端末と協働して、情報処理システムを構成していてもよい。言い換えると、音声入力装置2は、情報処理システムを構築する情報入力端末であるとみなしてもよい。ただし、音声入力装置2は、通信処理部70を有しない構成となっていてもよい。
なお、上述した演算処理部60及び通信処理部70は、パッケージングされた半導体装置(集積回路装置)として、筐体50内に配置されていてもよい。ただし、本発明はこれに限られるものではない。例えば、演算処理部60は、筐体50の外部に配置されていてもよい。演算処理部60が筐体50の外部に配置されている場合、演算処理部60は、通信処理部70を介して、差分信号を取得してもよい。
なお、音声入力装置2は、表示パネルなどの表示装置や、スピーカ等の音声出力装置をさらに含んでいてもよい。また、音声入力装置2は、操作情報を入力するための操作キーをさらに含んでいてもよい。
音声入力装置2は、以上の構成をなしていてもよい。この音声入力装置2は、マイクロフォンユニット1を利用する。そのため、この音声入力装置2は、雑音を含まない、入力音声を示す信号を取得することができ、精度の高い音声認識や音声認証、コマンド生成処理を実現することができる。
また、音声入力装置2をマイクシステムに適用すれば、スピーカから出力されるユーザの声も、雑音として除去される。そのため、ハウリングが起こりにくいマイクシステムを提供することができる。
図10〜図12には、音声入力装置2の例として、携帯電話300、マイク(マイクシステム)400、及び、リモートコントローラ500を、それぞれ示す。また、図13には、情報入力端末としての音声入力装置602と、ホストコンピュータ604とを含む、情報処理システム600の概略図を示す。
7.変形例
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
以下、具体的な変形例を示す。
(1)第1の変形例
図14には、本発明を適用した実施の形態の第1の変形例に係るマイクロフォンユニット3を示す。
マイクロフォンユニット3は、振動膜80を含む。振動膜80は、筐体10の内部空間100を第1の空間112と、第2の空間114とに分割する仕切り部材の一部を構成する。振動膜80は、法線が面15と直交するように(すなわち、面15と平行になるように)設けられている。振動膜80は、第2の貫通穴14の側方に、第1及び第2の貫通穴12,14と重複しないように設けられていてもよい。また、振動膜80は、筐体10の内壁面と間隔をあけて配置されていてもよい。
(2)第2の変形例
図15には、本発明を適用した実施の形態の第2の変形例に係るマイクロフォンユニット4を示す。
マイクロフォンユニット4は、振動膜90を含む。振動膜90は、筐体10の内部空間100を第1の空間122と、第2の空間124とに分割する仕切り部材の一部を構成する。振動膜90は、法線が面15と直交するように設けられている。振動膜90は、筐体10の内壁面(面15とは反対側の面)と面一になるように設けられていてもよい。振動膜90は、筐体10の内側(内部空間100)から、第2の貫通穴14をふさぐように設けられていてもよい。すなわち、マイクロフォンユニット3では、第2の貫通穴14の内部空間のみを第2の空間124とし、内部空間100のうち、第2の空間124以外の空間を第1の空間122としてもよい。これによると、筐体10を薄く設計することが可能になる。
(3)第3の変形例
図16には、本発明を適用した実施の形態の第3の変形例に係るマイクロフォンユニット5を示す。
マイクロフォンユニット5は、筐体11を含む。筐体11は、内部空間101を有する。そして、内部空間101は、仕切り部材20によって、第1の領域132と第2の領域134とに分割されている。マイクロフォンユニット5では、仕切り部材20は、第2の貫通穴14の側方に配置される。また、マイクロフォンユニット5では、仕切り部材20は、内部空間101を、第1及び第2の空間132,134の容積が等しくなるように分割する。
(4)第4の変形例
図17には、本発明を適用した実施の形態の第4の変形例に係るマイクロフォンユニット6を示す。
マイクロフォンユニット6は、図17に示すように、仕切り部材21を有する。そして、仕切り部材21は、振動膜31を有する。振動膜31は、筐体10内部で、法線が面15と斜めに交差するように保持されている。
(5)第5の変形例
図18には、本発明を適用した実施の形態の第5の変形例に係るマイクロフォンユニット7を示す。
マイクロフォンユニット7では、図18に示すように、仕切り部材20が、第1及び第2の貫通穴12,14の中間に配置されている。すなわち、第1の貫通穴12と仕切り部材20との距離が、第2の貫通穴14と仕切り部材20との距離と等しくなっている。なお、マイクロフォンユニット7では、仕切り部材20は、筐体10の内部空間100を均等に分割するように配置されていてもよい。
(6)第6の変形例
図19には、本発明を適用した実施の形態の第6の変形例に係るマイクロフォンユニット8を示す。
マイクロフォンユニット8では、図19に示すように、筐体が、凸曲面16を有する構造となっている。そして、第1及び第2の貫通穴12,14は、凸曲面16に形成されている。
(7)第7の変形例
図20には、本発明を適用した実施の形態の第7の変形例に係るマイクロフォンユニット9を示す。
マイクロフォンユニット9では、図20に示すように、筐体が、凹曲面17を有する構造となっている。そして、第1及び第2の貫通穴12,14は、凹曲面17の両側に配置されていてもよい。ただし、第1及び第2の貫通穴12,14は、凹曲面17に形成されていてもよい。
(8)第8の変形例
図21には、本発明を適用した実施の形態の第8の変形例に係るマイクロフォンユニット13を示す。
マイクロフォンユニット13では、図21に示すように、筐体が、球面18を有する構造となっている。なお、球面18の底面は円形であってもよいが、これに限られるものではなく、底面は楕円形となっていてもよい。そして、第1及び第2の貫通穴12,14は、球面18に形成されている。
これらのマイクロフォンユニットによっても、上述と同様の効果を奏することができる。そのため、振動膜の振動に基づいて電気信号を取得することで、雑音成分を含まない、ユーザ音声のみを示す電気信号を取得することができる。
マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイクロフォンユニットについて説明するための図。 音波の減衰特性について説明するための図。 位相差と強度比との対応関係を表すデータの一例を示す図。 マイクロフォンユニットを製造する手順を示すフローチャート図。 音声入力装置について説明するための図。 音声入力装置について説明するための図。 音声入力装置の一例としての携帯電話を示す図。 音声入力装置の一例としてのマイクを示す図。 音声入力装置の一例としてのリモートコントローラを示す図。 情報処理システムの概略図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 変形例に係るマイクロフォンユニットについて説明するための図。 マイク間距離が5mmの場合の音声強度比ρの分布の関係について説明するための図。 マイク間距離が10mmの場合の音声強度比ρの分布について説明するための図。 マイク間距離が20mmの場合の音声強度比ρの分布について説明するための図。 マイク間距離5mm、周波数帯域1kHz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。 マイク間距離10mm、周波数帯域1kHz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。 マイク間距離20mm、周波数帯域1kHz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。 マイク間距離5mm、周波数帯域7kHz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。 マイク間距離10mm、周波数帯域7kHz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。 マイク間距離20mm、周波数帯域7kHz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。 マイク間距離5mm、周波数帯域300Hz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。 マイク間距離10mm、周波数帯域300Hz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。 マイク間距離20mm、周波数帯域300Hz、マイク−音源間の距離2.5cm、1mの場合の差動マイクの指向性について説明するための図。
符号の説明
1…マイクロフォンユニット、 2…音声入力装置、 3…マイクロフォンユニット、 4…マイクロフォンユニット、 5…マイクロフォンユニット、 6…マイクロフォンユニット、 7…マイクロフォンユニット、 8…マイクロフォンユニット、 9…マイクロフォンユニット、 10…筐体、 11…筐体、 12…第1の貫通穴、 13…マイクロフォンユニット、 14…第2の貫通穴、 16…凸曲面、 17…凹曲面、 18…球面、 20…仕切り部材、 21…仕切り部材、 30…振動膜、 31…振動膜、 32…保持部、 40…電気信号出力回路、 41…振動膜ユニット、 42…コンデンサ、 44…信号増幅回路、 45…ゲイン調整回路、 46…チャージポンプ回路、 48…オペアンプ、 50…筐体、 52…開口、 54…弾性体、 60…演算処理部、 70…通信処理部、 80…振動膜、 100…内部空間、 101…内部空間、 102…第1の空間、 104…第2の空間、 112…第1の空間、 114…第2の空間、 110…外部空間、 112…第1の空間、 114…第2の空間、 122…第1の空間、 124…第2の空間、 132…第1の空間、 134…第2の空間、 200…コンデンサ型マイクロフォン、 202…振動膜、 204…電極、 300…携帯電話、 400…マイク、 500…リモートコントローラ、 600…情報処理システム、 602…音声入力装置、 604…ホストコンピュータ

Claims (24)

  1. 内部空間を有する筐体と、
    前記筐体内に設けられた、前記内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する、少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、
    前記振動膜の振動に基づいて電気信号を出力する電気信号出力回路と、
    を含み、
    前記筐体には、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の貫通穴と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の貫通穴とが形成されているマイクロフォンユニット。
  2. 請求項1記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記仕切り部材は、
    音波を伝搬する媒質が、前記筐体の内部で、前記第1及び第2の空間の間を移動しないように設けられているマイクロフォンユニット。
  3. 請求項1又は請求項2記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記筐体の外形は多面体となっており、
    前記第1及び第2の貫通穴は、前記多面体の1つの面に形成されているマイクロフォンユニット。
  4. 請求項3記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記振動膜は、
    法線が、前記面に平行になるように配置されているマイクロフォンユニット。
  5. 請求項3記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記振動膜は、
    法線が、前記面と直交するように配置されているマイクロフォンユニット。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記振動膜は、
    前記第1又は第2の貫通穴と重複しないように配置されているマイクロフォンユニット。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記振動膜は、
    前記第1又は第2の貫通穴の側方に配置されているマイクロフォンユニット。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記振動膜は、
    前記第1の貫通穴からの距離と、前記第2の貫通穴からの距離とが等しくならないように配置されているマイクロフォンユニット。
  9. 請求項1から請求項8のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記仕切り部材は、
    前記第1及び第2の空間の容積が同じになるように配置されているマイクロフォンユニット。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が5.2mm以下であるマイクロフォンユニット。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記電気信号出力回路の少なくとも一部は、前記筐体の内部に形成されているマイクロフォンユニット。
  12. 請求項1から請求項11のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記筐体は、
    前記内部空間と前記筐体の外部空間とを電磁的に遮蔽する遮蔽構造となっているマイクロフォンユニット。
  13. 請求項1から請求項12のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記振動膜を、SN比が約60デシベル以上の振動子で構成することを特徴とするマイクロフォンユニット。
  14. 請求項1から請求項13のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が、10kHz以下の周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定されていることを特徴とするマイクロフォンユニット。
  15. 請求項1から請求項14のいずれかに記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が、抽出対象周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が全方位において単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定されていることを特徴とするマイクロフォンユニット。
  16. 請求項1から請求項15のいずれかに記載のマイクロフォンユニットが実装された、接話型の音声入力装置。
  17. 請求項16に記載のマイクロフォンユニットにおいて、
    前記筐体の外形は多面体となっており、
    前記第1及び第2の貫通穴は、前記多面体の1つの面に形成されている音声入力装置。
  18. 請求項16から請求項17のいずれかに記載の音声入力装置において、
    前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が5.2mm以下である音声入力装置。
  19. 請求項16から請求項18のいずれかに記載の音声入力装置において、
    前記振動膜を、SN比が約60デシベル以上の振動子で構成することを特徴とする音声入力装置。
  20. 請求項16から請求項19のいずれかに記載の音声入力装置において、
    前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が、10kHz以下の周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定されていることを特徴とする音声入力装置。
  21. 請求項16から請求項20のいずれかに記載の音声入力装置において、
    前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離が、抽出対象周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が全方位において単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定されていることを特徴とする音声入力装置。
  22. 請求項1から請求項15のいずれかに記載のマイクロフォンユニットと、
    前記電気信号に基づいて、前記マイクロフォンユニットに入射した音声の解析処理を行う解析処理部と、を含む情報処理システム。
  23. 内部空間を有する筐体と、前記筐体内に設けられた、前記内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する、少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、前記振動膜の振動に基づいて電気信号を出力する電気信号出力回路と、を含むマイクロフォンユニットの製造方法であって、
    前記筐体に、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の貫通穴と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の貫通穴とを形成する貫通穴形成手順を含み、
    前記貫通穴形成手順において、
    前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離を、10kHz以下の周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定することを特徴とするマイクロフォンユニットの製造方法。
  24. 内部空間を有する筐体と、前記筐体内に設けられた、前記内部空間を第1の空間と第2の空間とに分割する、少なくとも一部が振動膜で構成された仕切り部材と、前記振動膜の振動に基づいて電気信号を出力する電気信号出力回路と、を含むマイクロフォンユニットの製造方法であって、
    前記筐体に、前記第1の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第1の貫通穴と、前記第2の空間と前記筐体の外部空間とを連通する第2の貫通穴とを形成する貫通穴形成手順を含み、
    前記貫通穴形成手順において、
    前記第1及び第2の貫通穴の中心間距離を、抽出対象周波数帯域の音に対して、前記振動膜を差動マイクとして使用した場合の音圧が全方位において単体マイクとして使用した場合の音圧を上回らない範囲の距離に設定することを特徴とするマイクロフォンユニットの製造方法。
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