JP2009239298A - ロール状ウエハ加工用粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】保存安定性、放射線硬化性、及びウエハへの低汚染性に優れるロール状ウエハ加工用粘着シートを提供する。
【解決手段】基材フィルム2、放射線硬化型粘着剤層3、及び離型フィルム4がこの順で積層されている積層フィルムを多重に巻いたロール状ウエハ加工用粘着シートにおいて、前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm以上であり、前記放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤の重量が1000ppm未満であり、かつ前記放射線硬化型粘着剤層の形成材料である放射線硬化型粘着剤は、ヒドロキシル基を有するポリマーと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを触媒存在下で付加反応させて得られる炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーを含有することを特徴とするロール状ウエハ加工用粘着シート。
【選択図】図1
【解決手段】基材フィルム2、放射線硬化型粘着剤層3、及び離型フィルム4がこの順で積層されている積層フィルムを多重に巻いたロール状ウエハ加工用粘着シートにおいて、前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm以上であり、前記放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤の重量が1000ppm未満であり、かつ前記放射線硬化型粘着剤層の形成材料である放射線硬化型粘着剤は、ヒドロキシル基を有するポリマーと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを触媒存在下で付加反応させて得られる炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーを含有することを特徴とするロール状ウエハ加工用粘着シート。
【選択図】図1
Description
本発明はロール状ウエハ加工用粘着シート、ウエハ加工用粘着シート、及び半導体ウエハ付き粘着シートに関する。また本発明は、ウエハ加工用粘着シート又は半導体ウエハ付き粘着シートを用いた半導体素子の製造方法、当該製造方法により得られる半導体素子に関する。本発明のロール状ウエハ加工用粘着シートは、各種半導体の製造工程のうち半導体ウエハの裏面を研削する研削工程においてウエハの表面を保護するために用いる粘着シートや、半導体ウエハを素子小片に切断・分割し、該素子小片をピックアップ方式で自動回収するダイシング工程においてウエハの裏面に貼付する固定支持用粘着シートなどとして有用である。
ウエハ製造工程において、パターンを形成したウエハは通常所定の厚さまでウエハを削るバックグラインド工程を行なうのが一般的である。その際、ウエハを保護する目的等でウエハ表面にはウエハ粘着シートとして粘着シートを貼り合わせ、研削するのが一般的な方法となっている。またウエハ等を個々のチップに切断する際にはウエハ表面にはウエハ保持シートとして粘着シートを貼りあわせダイシングする方法が一般的である。
また、最近の8インチや12インチといったウエハの大型化、ICカード用途などでのウエハの薄型化が進んでいる。これらを加工する際に使用する前記粘着シートとしては、半導体ウエハを加工後に簡単に剥離することができることから、紫外線照射等によって粘着層の粘着力を低下させることができる放射性硬化型粘着層を設けた粘着シートが用いられることが多い。この放射線硬化型の粘着シートは紫外線等の放射線を照射することによって粘着層が硬化、収縮し、被着体である半導体ウエハとの粘着力を低下させるものである。
放射線硬化型粘着剤は、ベースポリマー、重量平均分子量20000以下で分子内に炭素−炭素二重結合を有する放射線重合性化合物(モノマー、オリゴマー)、及び放射線重合開始剤を必須材料とし、さらに架橋剤などの種々の添加剤を適宜加えて調製される。このような粘着剤は、放射線照射後に粘着力を極端に低下させるため、放射線重合性化合物として分子内に炭素−炭素二重結合を2個以上有する多官能化合物が用いられている(特許文献1、2)。
また、ベースポリマーの主鎖あるいは側鎖内に炭素−炭素二重結合を導入して放射線反応性ポリマーとすることにより、炭素−炭素二重結合を2個以上有する放射線重合性化合物を用いない技術も開示されている(特許文献3)。
しかし、これらウエハ加工用粘着シートの粘着剤は、反応性を有するため製造後から使用までの保管中に徐々に反応が進行し、粘着シートの使用時には完全に硬化するという問題があった。このような現象は、粘着剤組成物中に含まれる光重合開始剤や、ベースポリマーを合成した際に使用し、残存した熱重合開始剤などにより徐々にラジカル重合連鎖反応が進行するためである。
このような保管中における重合反応を抑制するために、重合禁止剤や酸化防止剤などのラジカル連鎖反応を失活させる添加剤を粘着剤組成物中に添加する方法が用いられる。
しかし、重合禁止剤や酸化防止剤などは、粘着剤組成物中にある程度以上含有していなければ効果がなく、その反面、含有量が多すぎる場合には粘着シートを使用する際に粘着剤が反応硬化しなかったり、反応不足によりウエハ上に糊残りが発生する。さらに、それら添加剤がブリードアウトすることにより半導体ウエハ自体を汚染してしまう恐れもある。
本発明は、保存安定性、放射線硬化性、及びウエハへの低汚染性に優れるロール状ウエハ加工用粘着シートを提供することを目的とする。また本発明は、該ロール状ウエハ加工用粘着シートを裁断してなるウエハ加工用粘着シート、及び半導体ウエハ付き粘着シートを提供することを目的とする。さらに本発明は、ウエハ加工用粘着シート又は半導体ウエハ付き粘着シートを用いた半導体素子の製造方法、及び該製造方法により得られる半導体素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下に示すウエハ加工用粘着シートにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、基材フィルム、放射線硬化型粘着剤層、及び離型フィルムがこの順で積層されている積層フィルムを多重に巻いたロール状ウエハ加工用粘着シートにおいて、前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm以上であり、前記放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤の重量が1000ppm未満であり、かつ前記放射線硬化型粘着剤層の形成材料である放射線硬化型粘着剤は、ヒドロキシル基を有するポリマーと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを触媒存在下で付加反応させて得られる炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーを含有することを特徴とするロール状ウエハ加工用粘着シート、に関する。
本発明者らは、上記構成の積層フィルムの基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面の算術平均粗さ(Ra)を1μm以上とし、該積層フィルムをロール状に巻いて保存することにより、放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤が極めて少ない場合であっても効果的にラジカル重合連鎖反応を抑制することができ、保存安定性に優れるロール状ウエハ加工用粘着シートが得られることを見出した。また、本発明の粘着シートの粘着剤層は、ラジカル重合禁止剤の含有量が極めて少ないため粘着シートを使用する際に粘着剤が反応硬化しなかったり、反応不足によりウエハ上に糊残りが発生することがない。このような顕著な効果が発現する理由は明らかではないが、基材フィルム、放射線硬化型粘着剤層、及び離型フィルムがこの順で積層されている積層フィルムをロール状に多重に巻いた場合には、通常、基材フィルムと離型フィルムが密着して接触することになる。前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面を粗くすることにより両フィルムの間に空気の層が形成され、この空気中に含まれる酸素が前記フィルムを透過して粘着剤のラジカル重合反応を効果的に阻害すると考えられる。なお、基材フィルムや離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する表面側を粗くしないのは、粘着剤層は非常に柔らかいため、粘着剤層と接触する表面側を粗くしても次第に粘着剤が凹凸を吸収し、空気層の形成を維持できないからである。
前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面の算術平均粗さ(Ra)は1.5μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは2μm以上である。前記フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm未満の場合には、基材フィルムと離型フィルムとの間に空気層が十分に形成されず、空気(酸素)の流入が低下して密封状態になるため、保管中のラジカル重合反応を効果的に阻害することができない。
また、前記放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤の重量は800ppm未満であることが好ましく、さらに好ましくは600ppm未満である。ラジカル重合禁止剤の重量が1000ppm以上になると重合阻害作用が著しくなり、粘着シート使用の際の放射線重合反応を阻害し、放射線硬化型粘着剤層の特性が失われる傾向にある。なお、少なすぎる場合には高温時や長期保存時での安定性に欠ける傾向があるため10ppm以上であることが好ましく、さらに好ましくは50ppm以上である。
本発明においては、さらに、前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面の十点平均粗さ(Rz)が8μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは10μm以上、特に好ましくは12μm以上である。前記フィルム表面の十点平均粗さ(Rz)が8μm以上であれば、さらに保管中のラジカル重合反応を効果的に阻害することができる。
また本発明は、基材フィルム、放射線硬化型粘着剤層、及び離型フィルムがこの順で積層されている積層フィルムを多重に巻いたロール状ウエハ加工用粘着シートにおいて、前記基材フィルム又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側に間紙フィルムが積層されており、該間紙フィルムの片側又は両側表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm以上であり、前記放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤の重量が1000ppm未満であり、かつ前記放射線硬化型粘着剤層の形成材料である放射線硬化型粘着剤は、ヒドロキシル基を有するポリマーと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを触媒存在下で付加反応させて得られる炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーを含有することを特徴とするロール状ウエハ加工用粘着シート、に関する。
上記のように基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面を粗くする代わりに、間紙フィルムを用い、該間紙フィルムの片側又は両側表面を算術平均粗さ(Ra)1μm以上にしてもよい。粘着シートの外観検査、及び粘着シート貼り付け後のウエハ表面検査のためには粘着シートの透明性が必要になるが、基材フィルムや離型フィルムの表面が粗い場合には透明性が得られにくい傾向にある。そこで、間紙フィルムを用いることにより、基材フィルムや離型フィルムの表面を粗くすることなく該フィルム間に空気層を形成することができる。そして、粘着シートの使用の際には、間紙フィルムを剥離することにより外観検査等を良好に行うことができる。
前記間紙フィルムの片側又は両側表面の算術平均粗さ(Ra)は1.5μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは2μm以上である。前記間紙フィルム表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm未満の場合には、基材フィルムと離型フィルムとの間に空気層が十分に形成されず、空気(酸素)の流入が低下して密封状態になるため、保管中のラジカル重合反応を効果的に阻害することができない。
また、前記放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤の重量は、前記と同様に800ppm未満であることが好ましく、さらに好ましくは600ppm未満である。
本発明においては、さらに、前記間紙フィルムの片側又は両側表面の十点平均粗さ(Rz)が8μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは10μm以上、特に好ましくは12μm以上である。前記間紙フィルム表面の十点平均粗さ(Rz)が8μm以上であれば、さらに保管中のラジカル重合反応を効果的に阻害することができる。
前記算術平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)は、JIS B 0601−1994に準じて算出される値であり、詳しくは実施例の記載による。
本発明のウエハ加工用粘着シートは、前記ロール状ウエハ加工用粘着シートを半導体ウエハの形状に合わせて裁断してなるものである。ただし、厳密に半導体ウエハの形状に合わせて裁断する必要はなく、使用目的等に応じて適宜調整することができる。
本発明は、前記ロール状ウエハ加工用粘着シートの放射線硬化型粘着剤層に半導体ウエハを貼り合せる工程、半導体ウエハの形状に合わせて前記粘着シートを裁断する工程を含む半導体ウエハ付き粘着シートの製造方法、及び該方法により製造される半導体ウエハ付き粘着シートに関する。ただし、前記と同様に、厳密に半導体ウエハの形状に合わせて裁断する必要はなく、使用目的等に応じて適宜調整することができる。
また本発明は、前記ウエハ加工用粘着シートの放射線硬化型粘着剤層を半導体ウエハに貼り合わせた状態で半導体ウエハに加工を施すことを特徴とする半導体素子の製造方法、に関する。
また本発明は、前記半導体ウエハ付き粘着シートの半導体ウエハに加工を施すことを特徴とする半導体素子の製造方法、に関する。
さらに本発明は、前記方法により製造される半導体素子、に関する。
図1に示すように、本発明のロール状ウエハ加工用粘着シート1は、基材フィルム2、放射線硬化型粘着剤層3、及び離型フィルム4がこの順で積層されている積層フィルムを多重に巻いてテープ状にしたものである。使用時の利便性から、数十又は数百メートル程度の粘着シートの長尺を円形の筒に巻きつけたものが好ましい。
基材フィルムの材料は、ウエハ加工用粘着シートに使用される各種の材料を特に制限なく使用することができるが、粘着剤層を放射線硬化させるためにX線、紫外線、電子線等の放射線を少なくとも一部透過するものを用いる。例えばその材料として、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの架橋体などのポリマーがあげられる。前記各基材フィルムは、同種または異種のものを適宜に選択して使用することができ、必要に応じて数種をブレンドしたものを用いることができる。
基材フィルムは、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。基材フィルムの表面には、必要に応じてマット処理、コロナ放電処理、プライマー処理、架橋処理(化学架橋(シラン))などの慣用の物理的または化学的処理を施すことができる。また前記基材フィルムの厚みは、通常10〜400μm、好ましくは30〜250μm程度である。
放射線硬化型粘着剤層の形成に用いる放射線硬化型粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の一般的な感圧性粘着剤に、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合した添加型の粘着剤(ブレンドタイプ)が挙げられる。なかでも、半導体ウエハや各基材フィルムへの接着性、分子設計の容易さなどの点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。また、放射線硬化型粘着剤としては、特に紫外線の照射によって粘着力が低下するものが望ましい。
前記アクリル系ポリマーを形成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステルなどのアルキル基の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステルなど)及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルなど)などがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。
前記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性などの改質を目的として、必要に応じ、前記モノマー成分と共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリルなどがあげられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の40重量%以下が好ましい。
さらに、前記アクリル系ポリマーは、架橋させるため、多官能性モノマーなども、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。このような多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30重量%以下が好ましい。
前記アクリル系ポリマーは、単一のモノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合することにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の何れの方式で行うこともできる。粘着剤層は半導体ウエハ等の汚染防止等の点から、前述の通り、低分子量成分の含有量が小さいのが好ましい。この点から、アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10万〜200万、さらに好ましくは30万〜120万程度である。
前記ベースポリマーは1種であっても、2種以上を混合したものであってもよいが、2種以上を混合する場合にも、分子量10万以下の低分子量成分の含有量が、15重量%以下になるように調整するのが好ましい。
また、前記粘着剤には、外部架橋剤を加えることもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤などのいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法があげられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、さらには、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。一般的には、上記ベースポリマー100重量部に対して、1〜5重量部程度配合するのが好ましい。さらに、粘着剤には、必要により、前記成分のほかに、従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤などの添加剤を用いてもよい。
粘着剤に配合する放射線硬化性のモノマー成分としては、たとえば、ウレタンオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。また放射線硬化性のオリゴマー成分としては、たとえば、ウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系など種々のオリゴマーがあげられ、その分子量が100〜30000程度の範囲のものが適当である。放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、前記粘着剤層の種類に応じて、粘着剤層の粘着力を低下できる量を、適宜に決定することができる。一般的には、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、0.1〜200重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜150重量部である。
また、放射線硬化型粘着剤としては、上記説明した添加型の放射線硬化型粘着剤のほかに、ベースポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在型の放射線硬化型粘着剤(アダクトタイプ)があげられる。内在型の放射線硬化型粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がなく、または多くは含まないため、経時的にオリゴマー成分等が粘着剤在中を移動することなく、安定した層構造の粘着剤層を形成することができるため好ましい。
前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有するものを特に制限なく使用できる。このようなベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格としては、前記例示したアクリル系ポリマーがあげられる。
前記アクリル系ポリマーへの炭素−炭素二重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用できるが、炭素−炭素二重結合はポリマー側鎖に導入するのが分子設計が容易である。たとえば、予め、アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応しうる官能基および炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化性を維持したまま縮合または付加反応させる方法があげられる。
これら官能基の組合せの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基などがあげられる。これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さから、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせにより、上記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生成するような組合せであれば、官能基はアクリル系ポリマーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記の好ましい組み合わせでは、アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物としては、たとえば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどがあげられる。また、アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロキシ基含有モノマーや2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングルコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物などを共重合したものが用いられる。
前記内在型の放射線硬化型粘着剤は、前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー(特にアクリル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特性を悪化させない程度に前記放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合することもできる。放射線硬化性のオリゴマー成分等は、通常ベースポリマー100重量部に対して200重量部以下、好ましくは100重量部以下である。
前記放射線硬化型粘着剤には、紫外線線等により硬化させるために光重合開始剤を含有させる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物;べンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソンなどのチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナートなどがあげられる。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば1〜10重量部、好ましくは3〜5重量部程度である。
前記放射線硬化型粘着剤に添加するラジカル重合禁止剤としては、フェノール系、アミン系、リン系、イオウ系など効果が発揮できるものであれば特に制限されないが、フェノール系が好ましく用いられる。例えば、ハイドロキノン、メトキノン(MEHQ:ハイドロキノンモノメチルエーテル)、p−ベンゾキノン、フェノチアジン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、カテコール、p−t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、アンスラキノン、2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)などが挙げられる。
なお、前記架橋剤、光重合開始剤、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分等の各種添加剤は、低分子量成分ではあるがポリマーと反応しうる材料であり、反応後はそのポリマー鎖の一部として取り込まれるため転写汚染物源とはならない。
放射線硬化型粘着剤層の厚みは特に制限されないが、通常1〜300μm、好ましくは3〜200μm、さらに好ましくは5〜100μmである。
離型フィルムの形成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等があげられる。離型フィルムの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の離型処理が施されていても良い。離型フィルムの厚みは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接着する面の他面側表面の算術平均粗さ(Ra)を1μm以上、さらには十点平均粗さ(Rz)を8μm以上にする方法としては、例えば、該フィルムを加熱押し出し成型した直後に、微小な凹凸が形成された金属ロールなどに接触させる方法、成型したフィルムに砂を噴霧・接触させる(サンドブラスト法)方法、又は成型したフィルムをアルカリ溶液でエッチングする方法などが挙げられる。
本発明のロール状ウエハ加工用粘着シートの作製は、例えば、基材フィルムに粘着剤層を形成し、該粘着剤層上に離型フィルムを貼り合わせることにより行うことができる。また、粘着剤層の形成方法は、特に制限されず、基材フィルムに粘着剤を直接塗布して形成する方法、別途、離型フィルムに粘着剤層を形成した後、それらを基材フィルムに貼り合せる方法等を採用することができる。このようにして作製した粘着シートの長尺を円形の筒に多重に巻きつけてロール状にすることにより作製することができる。巻きつける際には、基材フィルムを内側に巻きつけてもよく、又は離型フィルムを内側に巻きつけてもよい。
また、図2に示すように、本発明のロール状ウエハ加工用粘着シート1は、少なくとも基材フィルム2、放射線硬化型粘着剤層3、及び離型フィルム4がこの順で積層されている積層フィルムであって、前記基材フィルム2又は離型フィルム4の放射線硬化型粘着剤層3と接触する面の他面側に間紙フィルム5が積層されたものを多重に巻いてテープ状にしたものであってもよい。
間紙フィルムの形成材料は特に制限されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系フィルム、2軸延伸ポリプロピレン、低密度ポリエチレンなどのポリオレフィン系フィルム、及び該フィルムを含む多層フィルムなどが挙げられる。厚さは8〜100μmが好ましく、さらに好ましくは10〜40μmである。厚さが8μm未満の場合には、前記積層フィルムを巻きつける工程において、間紙フィルムを巻きつけ部分に挿入する際にしわが入りやすくなってテープ外観が悪くなる傾向にある。一方、厚さが100μmを超える場合には、ロール状ウエハ加工用粘着シートのロールサイズが大きくなり、運搬費や廃棄物処理の面でコスト高となる。
前記間紙フィルムの片側又は両側表面の算術平均粗さ(Ra)を1μm以上、さらには十点平均粗さ(Rz)を8μm以上にする方法としては、前記記載の方法を採用することができる。なお、前記間紙フィルムと接触する基材フィルム及び/又は離型フィルムの表面は、平滑な状態でもよく、粗い状態でもよい。
本発明の間紙フィルムを有するロール状ウエハ加工用粘着シートの作製方法としては、例えば、粘着剤層を基材フィルム又は離型フィルム上に形成したのちに、離型フィルム又は基材フィルムを粘着剤層上にラミネートして積層フィルムを作製する。その後、1)基材フィルム又は離型フィルムの他面側に間紙フィルムを積層し、作製した粘着シートの長尺を円形の筒に多重に巻きつけてロール状にする方法、2)前記積層フィルムをロール状に巻きつける際に、基材フィルムと離型フィルムの間に間紙フィルムを挿入して巻きつける方法、3)積層フィルムをロール状に巻きつけた後、巻き戻しながら間紙フィルムを基材フィルムと離型フィルムとの間に挿入して巻きつける方法、4)前記積層フィルムを製品サイズに切断し、切断後に間紙フィルムを挟みながら巻きつける方法などが挙げられる。ロール状ウエハ加工用粘着シート中の異物を検査するためには、4)の方法が好ましい。巻きつける際には、間紙フィルムを内側に巻きつけてもよく、又は間紙フィルムが外側になるように巻きつけてもよい。
本発明のロール状ウエハ加工用粘着シートは使用時の作業性の観点から、好ましくは1〜500m、さらに好ましくは10〜200m、特に好ましくは20〜100mの長尺をロール状に連続して巻き取った形態である。上記のように、特定フィルムに表面粗さ処理を施すことで、ロール状に連続して巻き取った際に基材フィルムと離型フィルムとの間に空気(酸素)が浸入する。浸入した酸素はさらに基材フィルムや離型フィルムを透過して粘着剤層中に浸透してラジカル重合反応を抑制するため、重合禁止剤の量が微量であっても、輸送・保管時の重合反応を効果的に抑制することができる。
本発明のロール状ウエハ加工用粘着シートは、用途に応じた形状に裁断する(打ち抜く)ことによりラベル状のウエハ加工用粘着シートとすることができる。例えば、各種半導体の製造工程のうち、半導体ウエハの裏面を研削する研削工程においてウエハの表面を保護するために用いる粘着シートや、半導体ウエハを素子小片に切断・分割し、該素子小片をピックアップ方式で自動回収するダイシング工程において、ウエハの裏面に貼付する固定支持用粘着シートなどとして用いることができる。
また、前記ロール状ウエハ加工用粘着シートを巻き戻し、巻き戻した粘着シートの放射線硬化型粘着剤層上に半導体ウエハを貼り合せ、その後、半導体ウエハの形状に合わせて前記粘着シートを裁断して半導体ウエハ付き粘着シートとしてもよい。
なお、粘着剤層の粘着力は使用目的等に応じて適宜に決定してよいが、一般には半導体ウエハに対する密着維持性やウエハからの剥離性などの点より決定される。ウエハを固定して保護する際には、放射線照射前の180°ピール(23℃,引張り速度300mm/min)粘着力が1N/20mmテープ幅以上であることが好ましい。一方、粘着シートをウエハから剥離する際には、剥離しやすいものが好ましい。例えば、放射線照射後の粘着剤層の180°ピール粘着力が、0.5N/20mm以下になるように調整されていることが好ましい。
本発明のウエハ加工用粘着シートは常法に従って用いられる。半導体ウエハのパターン面への粘着シートの貼り付けは、テーブル上にパターン面が上になるように半導体ウエハを載置し、その上に粘着シートの粘着剤層をパターン面に重ね、圧着ロールなどの押圧手段により、押圧しながら貼り付ける。また、加圧可能な容器(例えばオートクレーブなど)中で、半導体ウエハと粘着シートを上記のように重ね、容器内を加圧するによりウエハに貼り付けることも出きる。この際、押圧手段により押圧しながら貼り付けてもよい。また、真空チャンバー内で、上記と同様に貼り付けることもできる。貼付け方法はこれら限定されるものではなく、貼り付ける際に、基材フィルムの融点以下に加熱することもできる。
例えば、薄型加工は常法を採用できる。薄型加工機としては、研削機(バックグラインド)、CMPパッド等があげられる。薄型加工は、半導体ウエハが所望の厚さになるまで行われる。薄型加工後に半導体ウエハから粘着シートを剥離するが、放射線硬化型粘着剤層に放射線を照射して粘着力を低下させてから剥離する。放射線照射の手段は特に制限されないが、たとえば、紫外線照射等により行われる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<算術平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)の測定>
JIS B 0601−1994に準拠し、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製、VK−8510型)を用いて下記の条件で測定した。
倍率:1000倍
測定MODE:カラー超深度測定
測定(スキャン)距離:13〜20μm
スキャンピッチ:0.02μm
レーザーゲイン:オート
レーザー感度:Gamma1
<粘着力の測定>
作製した保存前のロール状ウエハ加工用粘着シートをシリコンミラーウエハの大きさに合わせて裁断してラベル状のウエハ加工用粘着シートを作製した。該ウエハ加工用粘着シートから離型フィルム(場合によっては間紙フィルムも)を剥離し、粘着剤層をシリコンミラーウエハに貼り付けた。そして、オリエンテック社製のTENSILON:RTM−100型を用いて下記の条件で、放射線硬化前の粘着剤層の粘着力を測定した。さらに、該粘着剤層に紫外線を下記の条件で照射し、放射線硬化後の粘着剤層の粘着力を前記と同様に測定をした。
JIS B 0601−1994に準拠し、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製、VK−8510型)を用いて下記の条件で測定した。
倍率:1000倍
測定MODE:カラー超深度測定
測定(スキャン)距離:13〜20μm
スキャンピッチ:0.02μm
レーザーゲイン:オート
レーザー感度:Gamma1
<粘着力の測定>
作製した保存前のロール状ウエハ加工用粘着シートをシリコンミラーウエハの大きさに合わせて裁断してラベル状のウエハ加工用粘着シートを作製した。該ウエハ加工用粘着シートから離型フィルム(場合によっては間紙フィルムも)を剥離し、粘着剤層をシリコンミラーウエハに貼り付けた。そして、オリエンテック社製のTENSILON:RTM−100型を用いて下記の条件で、放射線硬化前の粘着剤層の粘着力を測定した。さらに、該粘着剤層に紫外線を下記の条件で照射し、放射線硬化後の粘着剤層の粘着力を前記と同様に測定をした。
また、作製したロール状ウエハ加工用粘着シートを50℃、湿度60%の条件下で300時間保存した後、該ロール状ウエハ加工用粘着シートの始端から50m内側部分の粘着シートを切り出した。そして、前記と同様に粘着剤層をシリコンミラーウエハに貼り付け、放射線硬化前の粘着剤層の粘着力を測定した。さらに、該粘着剤層に紫外線を下記の条件で照射し、放射線硬化後の粘着剤層の粘着力を前記と同様に測定をした。
測定温度、湿度:23℃、60%
剥離角度:180°
剥離速度:300mm/min
紫外線(UV)照射装置:日東精機(株)製、NEL UM−810
紫外線照射積算光量:500mJ/cm2
測定温度、湿度:23℃、60%
剥離角度:180°
剥離速度:300mm/min
紫外線(UV)照射装置:日東精機(株)製、NEL UM−810
紫外線照射積算光量:500mJ/cm2
実施例1
(積層フィルムの作製)
エチルアクリレート(MEHQ濃度:100ppm)100重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(MEHQ濃度:300ppm)25重量部、および重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.2重量部からなる配合組成物をトルエン中で40重量%となるよう配合し、窒素雰囲気下60℃で6時間共重合させてアクリル系共重合ポリマー溶液を得た。次に、このアクリル系共重合ポリマー100重量部に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(BHT濃度:400ppm)20重量部を有機スズ触媒(ジブチルチンジラウレート)0.1重量部の存在下、50℃で12時間付加反応させ、ポリマー分子内側鎖に炭素−炭素二重結合を導入して放射線硬化性ポリマー溶液を得た。放射線硬化性ポリマー(固形分)中の重合禁止剤(BHT+MEHQ)の残存総濃度は50ppmであった(これら重合禁止剤は、原料であるモノマーに含まれていたものである)。そして、該ポリマー(固形分)100重量部に対して、ポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)1重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.5重量部を溶液中に混合して粘着剤組成物を得た。そして、粘着剤組成物中の固形分における重合禁止剤の総濃度が100ppmとなるように2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加して放射線硬化型粘着剤を得た。
(積層フィルムの作製)
エチルアクリレート(MEHQ濃度:100ppm)100重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート(MEHQ濃度:300ppm)25重量部、および重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.2重量部からなる配合組成物をトルエン中で40重量%となるよう配合し、窒素雰囲気下60℃で6時間共重合させてアクリル系共重合ポリマー溶液を得た。次に、このアクリル系共重合ポリマー100重量部に対して、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(BHT濃度:400ppm)20重量部を有機スズ触媒(ジブチルチンジラウレート)0.1重量部の存在下、50℃で12時間付加反応させ、ポリマー分子内側鎖に炭素−炭素二重結合を導入して放射線硬化性ポリマー溶液を得た。放射線硬化性ポリマー(固形分)中の重合禁止剤(BHT+MEHQ)の残存総濃度は50ppmであった(これら重合禁止剤は、原料であるモノマーに含まれていたものである)。そして、該ポリマー(固形分)100重量部に対して、ポリイソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン工業(株)製、コロネートL)1重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.5重量部を溶液中に混合して粘着剤組成物を得た。そして、粘着剤組成物中の固形分における重合禁止剤の総濃度が100ppmとなるように2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加して放射線硬化型粘着剤を得た。
予めサンドブラスト処理することにより片面側の算術平均粗さ(Ra)を1.6μm、及び十点平均粗さ(Rz)を15.0μmに調整した基材フィルム(PET、厚さ50μm)の他面側に前記放射線硬化型粘着剤を塗布し、乾燥して放射線硬化型粘着剤層(厚さ30μm)を形成した。さらに、片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの離型フィルム(PET、厚さ38μm)の他面側(剥離処理済)を前記粘着剤層に貼り合わせることにより積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
300mm幅の前記積層フィルムに幅230mmとなるように切断刃を挿入し、直径75mmのABS樹脂製の巻き取り芯に巻き取りながら積層フィルムの両端部を切断し、ロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
300mm幅の前記積層フィルムに幅230mmとなるように切断刃を挿入し、直径75mmのABS樹脂製の巻き取り芯に巻き取りながら積層フィルムの両端部を切断し、ロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
実施例2
(積層フィルムの作製)
エチルアクリレート(MEHQ濃度:100ppm)30重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(MEHQ濃度:100ppm)70重量部、アクリル酸10重量部、および重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.2重量部からなる配合組成物を酢酸エチル中で35重量%となるよう配合し、窒素雰囲気下60℃で6時間共重合させてアクリル系共重合ポリマー溶液を得た。次に、アクリル系共重合ポリマー100重量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(MEHQ濃度:500ppm)100重量部を溶液中に添加した。該溶液中の固形分における重合禁止剤(MEHQ)の濃度は270ppmであった。そして、アクリル系共重合ポリマー100重量部に対して、エポキシ系架橋剤(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)0.1重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.5重量部を溶液中に混合して粘着剤組成物を得た。そして、粘着剤組成物中の固形分における重合禁止剤の総濃度が500ppmとなるように2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加して放射線硬化型粘着剤を得た。
(積層フィルムの作製)
エチルアクリレート(MEHQ濃度:100ppm)30重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(MEHQ濃度:100ppm)70重量部、アクリル酸10重量部、および重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.2重量部からなる配合組成物を酢酸エチル中で35重量%となるよう配合し、窒素雰囲気下60℃で6時間共重合させてアクリル系共重合ポリマー溶液を得た。次に、アクリル系共重合ポリマー100重量部に対して、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(MEHQ濃度:500ppm)100重量部を溶液中に添加した。該溶液中の固形分における重合禁止剤(MEHQ)の濃度は270ppmであった。そして、アクリル系共重合ポリマー100重量部に対して、エポキシ系架橋剤(三菱瓦斯化学社製、テトラッドC)0.1重量部、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)2.5重量部を溶液中に混合して粘着剤組成物を得た。そして、粘着剤組成物中の固形分における重合禁止剤の総濃度が500ppmとなるように2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加して放射線硬化型粘着剤を得た。
予めサンドブラスト処理することにより片面側の算術平均粗さ(Ra)を2.6μm、及び十点平均粗さ(Rz)を16.0μmに調整した基材フィルム(PET、厚さ50μm)の他面側に前記放射線硬化型粘着剤を塗布し、乾燥して粘着剤層(厚さ30μm)を形成した。さらに、片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、及び十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの離型フィルム(PET、厚さ38μm)の他面側(剥離処理済)を前記粘着剤層に貼り合わせることにより積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例3
(積層フィルムの作製)
加熱・溶融させたエチレン−酢酸ビニル共重合体をダイスから押出し、フィルム状に成型した。成型直後に、算術平均粗さ(Ra)3.5μm、及び十点平均粗さ(Rz)12μmのシリコンゴムロールに該フィルムを接触させ、同時に冷却させて、片面側の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm、及び十点平均粗さ(Rz)が8.3μmの基材フィルム(エチレン−酢酸ビニル共重合体、厚さ115μm)を作製した。
(積層フィルムの作製)
加熱・溶融させたエチレン−酢酸ビニル共重合体をダイスから押出し、フィルム状に成型した。成型直後に、算術平均粗さ(Ra)3.5μm、及び十点平均粗さ(Rz)12μmのシリコンゴムロールに該フィルムを接触させ、同時に冷却させて、片面側の算術平均粗さ(Ra)が1.5μm、及び十点平均粗さ(Rz)が8.3μmの基材フィルム(エチレン−酢酸ビニル共重合体、厚さ115μm)を作製した。
そして、前記作製した基材フィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例4
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、及び十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)、及び予めサンドブラスト処理することにより片面側の算術平均粗さ(Ra)を1.6μm、十点平均粗さ(Rz)を15.0μmに調整した離型フィルム(PET、厚さ38μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、及び十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)、及び予めサンドブラスト処理することにより片面側の算術平均粗さ(Ra)を1.6μm、十点平均粗さ(Rz)を15.0μmに調整した離型フィルム(PET、厚さ38μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例5
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)、及び片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの離型フィルム(PET、厚さ38μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)、及び片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの離型フィルム(PET、厚さ38μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
巻き取り時に幅230mmの間紙フィルム(PET、厚さ25μm、基材フィルム側及び離型フィルム側共にRa=1.6μm、Rz=15μm)を基材フィルムと離型フィルムとの間に挿入した以外は実施例1と同様の方法によりロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
巻き取り時に幅230mmの間紙フィルム(PET、厚さ25μm、基材フィルム側及び離型フィルム側共にRa=1.6μm、Rz=15μm)を基材フィルムと離型フィルムとの間に挿入した以外は実施例1と同様の方法によりロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
実施例6
(積層フィルムの作製)
実施例5と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
実施例5と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
幅230mmの間紙フィルム(PET、厚さ25μm、基材フィルム側Ra=1.6μm、Rz=15μm、離型フィルム側Ra=0.3μm、Rz=5.0μm)を用いた以外は実施例5と同様の方法によりロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
幅230mmの間紙フィルム(PET、厚さ25μm、基材フィルム側Ra=1.6μm、Rz=15μm、離型フィルム側Ra=0.3μm、Rz=5.0μm)を用いた以外は実施例5と同様の方法によりロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
実施例7
(積層フィルムの作製)
実施例5と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
実施例5と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
幅230mmの間紙フィルム(PET、厚さ25μm、基材フィルム側Ra=0.3μm、Rz=5.0μm、離型フィルム側Ra=1.6μm、Rz=15μm)を用いた以外は実施例5と同様の方法によりロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
幅230mmの間紙フィルム(PET、厚さ25μm、基材フィルム側Ra=0.3μm、Rz=5.0μm、離型フィルム側Ra=1.6μm、Rz=15μm)を用いた以外は実施例5と同様の方法によりロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
比較例1
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、及び十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、及び十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
比較例2
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm、及び十点平均粗さ(Rz)が6.5μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)を用いた以外は実施例2と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.5μm、及び十点平均粗さ(Rz)が6.5μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)を用いた以外は実施例2と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
比較例3
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.4μm、及び十点平均粗さ(Rz)が7.8μmの基材フィルム(エチレン−酢酸ビニル共重合体、厚さ115μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.4μm、及び十点平均粗さ(Rz)が7.8μmの基材フィルム(エチレン−酢酸ビニル共重合体、厚さ115μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
比較例4
(積層フィルムの作製)
粘着剤組成物中の固形分における重合禁止剤の総濃度が1000ppmとなるように2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し、片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、及び十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
粘着剤組成物中の固形分における重合禁止剤の総濃度が1000ppmとなるように2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し、片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、及び十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
比較例5
(積層フィルムの作製)
粘着剤組成物中の固形分における重合禁止剤の総濃度が10000ppmとなるように2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し、片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
粘着剤組成物中の固形分における重合禁止剤の総濃度が10000ppmとなるように2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を添加し、片面側の算術平均粗さ(Ra)が0.3μm、十点平均粗さ(Rz)が5.0μmの基材フィルム(PET、厚さ50μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
実施例1と同様の方法でロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。
比較例6
(積層フィルムの作製)
実施例5と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(積層フィルムの作製)
実施例5と同様の方法で積層フィルムを作製した。
(ロール状ウエハ加工用粘着シートの作製)
幅230mmの間紙フィルム(PET、厚さ25μm、基材フィルム側及び離型フィルム側共にRa=0.3μm、Rz=5.0μm)を用いた以外は実施例5と同様の方法によりロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
幅230mmの間紙フィルム(PET、厚さ25μm、基材フィルム側及び離型フィルム側共にRa=0.3μm、Rz=5.0μm)を用いた以外は実施例5と同様の方法によりロール状ウエハ加工用粘着シートを作製した。粘着シートの巻き取り長さは100mとした。
表1から明らかなように、基材フィルム又は離型フィルムの表面が粗い場合(実施例1〜4)には保管後の粘着力の低下が小さいことがわかる。これは、粘着剤層のラジカル重合反応が抑制されているためである。そして、紫外線照射後には十分に粘着力が低下している。一方、基材フィルム及び離型フィルムの表面が粗くない場合(比較例1〜3)には保管後の粘着力の低下が大きいことがわかる。これは、粘着剤層のラジカル重合反応が保管中に進行しているためである。粘着剤層中の重合禁止剤の量が多い場合(比較例4、5)には、保管後の粘着力の低下は抑制されているが、紫外線照射による粘着力の低下を著しく阻害する。
また、間紙フィルムの表面が粗い場合(実施例5〜7)にも、保管後に粘着力がほとんど低下しないことがわかる。これは、粘着剤層のラジカル重合反応が抑制されているためである。そして、紫外線照射後には十分に粘着力が低下している。一方、間紙フィルムの表面が粗くない場合(比較例6)には保管後の粘着力の低下が大きいことがわかる。これは、粘着剤層のラジカル重合反応が保管中に進行しているためである。
1:ロール状ウエハ加工用粘着シート
2:基材フィルム
3:放射線硬化型粘着剤層
4:離型フィルム
5:間紙フィルム
2:基材フィルム
3:放射線硬化型粘着剤層
4:離型フィルム
5:間紙フィルム
Claims (10)
- 基材フィルム、放射線硬化型粘着剤層、及び離型フィルムがこの順で積層されている積層フィルムを多重に巻いたロール状ウエハ加工用粘着シートにおいて、前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm以上であり、前記放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤の重量が1000ppm未満であり、かつ前記放射線硬化型粘着剤層の形成材料である放射線硬化型粘着剤は、ヒドロキシル基を有するポリマーと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを触媒存在下で付加反応させて得られる炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーを含有することを特徴とするロール状ウエハ加工用粘着シート。
- さらに、前記基材フィルム及び/又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側表面の十点平均粗さ(Rz)が8μm以上である請求項1記載のロール状ウエハ加工用粘着シート。
- 基材フィルム、放射線硬化型粘着剤層、及び離型フィルムがこの順で積層されている積層フィルムを多重に巻いたロール状ウエハ加工用粘着シートにおいて、前記基材フィルム又は離型フィルムの放射線硬化型粘着剤層と接触する面の他面側に間紙フィルムが積層されており、該間紙フィルムの片側又は両側表面の算術平均粗さ(Ra)が1μm以上であり、前記放射線硬化型粘着剤層中に含まれるラジカル重合禁止剤の重量が1000ppm未満であり、かつ前記放射線硬化型粘着剤層の形成材料である放射線硬化型粘着剤は、ヒドロキシル基を有するポリマーと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを触媒存在下で付加反応させて得られる炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーを含有することを特徴とするロール状ウエハ加工用粘着シート。
- さらに、前記間紙フィルムの片側又は両側表面の十点平均粗さ(Rz)が8μm以上である請求項3記載のロール状ウエハ加工用粘着シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のロール状ウエハ加工用粘着シートを半導体ウエハの形状に合わせて裁断してなるウエハ加工用粘着シート。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のロール状ウエハ加工用粘着シートの放射線硬化型粘着剤層に半導体ウエハを貼り合せる工程、半導体ウエハの形状に合わせて前記粘着シートを裁断する工程を含む半導体ウエハ付き粘着シートの製造方法。
- 請求項6記載の方法により製造される半導体ウエハ付き粘着シート。
- 請求項5記載のウエハ加工用粘着シートの放射線硬化型粘着剤層を半導体ウエハに貼り合わせた状態で半導体ウエハに加工を施すことを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項7記載の半導体ウエハ付き粘着シートの半導体ウエハに加工を施すことを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項8又は9記載の方法により製造される半導体素子。
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