JP2009235402A - 接着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 高熱伝導性で接着性、信頼性に優れる接着フィルムを提供する。
【解決手段】 高熱伝導性粒子及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなるフィルムであって、前記樹脂組成物のワニスを用いて成形した一次フィルムに厚み方向の圧力をかけることにより得られる接着フィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は接着フィルムに関する。
フィルムタイプの接着剤は、フレキシブルプリント配線板などで用いられており、アクリロニトリルブタジエンゴムを主成分とする系が多く用いられている。
プリント配線板関連材料として耐湿性を向上させたものは、特許文献1に示されるアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート及び無機フィラーを含む接着フィルムがあり、また特許文献2に示されるアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、分子中にウレタン結合を有する両末端が第1級アミン化合物及び無機フィラーを含む接着フィルムがある。前記接着フィルムは、熱伝導性に優れるフィラーなどを含んでおらず、また樹脂の熱伝導率はいずれも低いため、熱伝導率が低かった。そこで、前記接着フィルムに熱伝導性に優れるフィラーなど加えたものは、熱伝導率が高くなると考えられるが、流動性の低下やフィルムの強度、熱応力の緩和の作用、耐熱性や耐湿性の低下などの課題があり、多量に加えることができないため、熱伝導率の向上にも制限があった。
また、樹脂に高熱伝導性の無機粒子を多量に加えた混合物が提案されているが、高熱伝導性の無機粒子間に熱伝導率が低い樹脂が存在するため、多量に加えた割には熱伝導率が低くコスト的に不利であり、成形性にも劣るという問題点があった。
特開昭60−243180号公報 特開昭61−138680号公報
本発明の課題は、高熱伝導性で接着性、信頼性に優れる接着フィルムを提供することである。
本発明は、(1)高熱伝導性粒子及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなるフィルムであって、前記樹脂組成物のワニスを用いて成形した一次フィルムに厚み方向の圧力をかけることにより得られる接着フィルムに関する。
また、本発明は、(2)前記樹脂組成物中の高熱伝導性粒子の含有量が、60〜90体積%である前記(1)記載の接着フィルムに関する。
また、本発明は、(3)前記高熱伝導性粒子が、高熱伝導性の無機粒子又は無機粒子を高熱伝導性樹脂で被覆した被覆粒子である前記(1)又は(2)記載の接着フィルムに関する。
また、本発明は、(4)前記高熱伝導性樹脂が、結晶構造又は液晶構造を有する部分を含むものである前記(3)記載の接着フィルムに関する。
また、本発明は、(5)前記一次フィルムに、プレス加工又はロール加工により加熱下に圧力をかけた後、冷却することを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の接着フィルムに関する。
本発明によれば、高熱伝導性で接着性、信頼性に優れる接着フィルムを得ることができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の接着フィルムは、高熱伝導性粒子及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなるフィルムであって、前記樹脂組成物のワニスを用いて成形した一次フィルムに厚み方向の圧力をかけることにより得られる接着フィルムである。
本発明の接着フィルムは、高熱伝導性粒子及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなるフィルムである。
[高熱伝導性粒子]
本発明で用いられる高熱伝導性粒子(以下(A)と記す)は、高熱伝導性の粒子であれば特に限定されず、例えば、高熱伝導性の無機粒子(以下(a1)と記す);無機粒子を高熱伝導性樹脂で被覆した被覆粒子(以下(a2)と記す);などが挙げられる。ダイヤモンドなどの高価な高熱伝導性粒子の場合は、高熱伝導性樹脂で被覆した被覆粒子(a2)として用いることにより、最小限の使用量で熱伝導性を向上できる点で好ましい。高熱伝導性粒子(A)の形状は、特に制限はなく、例えば、球状、扁平粒状、樹枝状等が挙げられ、なかでも、球状又は扁平粒状が好ましい。また、高熱伝導性粒子(A)の平均粒径は、特に限定されず、通常は0.05〜55μmの範囲内であるが、接着フィルムの厚さが20μm以下の薄型フィルムである場合は、平均粒径は0.5〜5μmとすることが好ましい。
高熱伝導性粒子(A)として高熱伝導性の無機粒子(a1)を用いる場合、その熱伝導率は好ましくは30W/mK以上、より好ましくは100W/mK以上、特に好ましくは200W/mK以上である。前記熱伝導率が30W/mK未満では、放熱性が不十分であり、半導体素子や基板の温度が上昇する可能性がある。なお、熱伝導率の上限は特に制限はないが、通常、1100W/mK以下である。高熱伝導性の無機粒子(a1)の具体例としては、窒化アルミニウム、6方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、窒化珪素、ダイヤモンド、アルミナ等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。高熱伝導性の無機粒子(a1)の平均粒径は、0.05〜50μmであることが好ましい。
一方、高熱伝導性粒子として被覆粒子(a2)を用いる場合、平均粒径は特に限定されず、通常は0.06〜55μmの範囲内であり、無機粒子の平均粒径は、0.05〜50μmであることが好ましく、高熱伝導性樹脂の被覆層の厚さは、0.01〜5μmであることが好ましい。
被覆される無機粒子の熱伝導率は特に限定されず、無機粒子は低熱伝導性でも高熱伝導性でもよい。低熱伝導性の無機粒子の具体例としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ホウ酸アルミウイスカ、結晶性シリカ、非晶性シリカ、アンチモン酸化物などが挙げられる。高熱伝導性の無機粒子の具体例としては、前述と同様のものが挙げられる。
無機粒子を被覆する高熱伝導性樹脂は、熱伝導率が0.3〜100W/mKの範囲にあり、一次フィルムに厚み方向の圧力をかけた際に変形する材料であれば特に制限はない。かかる高熱伝導性樹脂としては、例えば、結晶性又は液晶性を有するエポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン、ポリイミド樹脂等のそのもの自体が高熱伝導性を有する樹脂;エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂に前記高熱伝導性粒子を配合して高熱伝導性を付与してなる樹脂組成物;等が用いられる。これらの中でも、熱伝導性の観点からエポキシ樹脂にアルミナのような高熱伝導性粒子を配合してなる樹脂組成物が好ましい。また、高熱伝導性樹脂は硬化剤や硬化促進剤と併用してもよい。
無機粒子を高熱伝導性樹脂で被覆する方法としては、例えば、無機粒子表面に高熱伝導性樹脂の蒸着重合膜を形成する方法;無機粒子表面に高熱伝導性樹脂ワニスを噴霧後、粒子同士の凝着を防ぐため、攪拌混合しながら加熱乾燥する方法;高熱伝導性樹脂ワニスと無機粒子を撹拌混合し、加熱乾燥し、凝着した粒子を粉砕する方法;などが挙げられる。
樹脂組成物中の高熱伝導性粒子(A)の含有量は、好ましくは60〜90体積%である。前記高熱伝導性粒子(A)の含有量が60体積%未満では接着フィルムの熱伝導率が不十分となる可能性があり、90体積%を超えると接着フィルムの可撓性や接着性が悪化する可能性がある。接着フィルムの熱伝導性をより向上する目的で、高熱伝導性粒子(A)同士を接し易くするためには、前記高熱伝導性粒子(A)の含有量を65〜75体積%とすることがより好ましい。
[熱硬化性樹脂]
本発明で用いられる熱硬化性樹脂は、熱により硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されず、通常、エポキシ樹脂が用いられる。エポキシ樹脂としては、硬化して接着作用を呈するものであれば特に限定されず、1分子中にエポキシ基を2個以上含有する二官能以上のエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂の重量平均分子量は、接着フィルムの可撓性を良好に保つために、好ましくは300以上5000未満、より好ましくは300以上3000未満である。本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって、標準ポリスチレンの検量線を用いて測定したものである。
1分子中にエポキシ基を2個含有する二官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型又はビスフェノールF型エポキシ樹脂等が例示される。ビスフェノールA型又はビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品は、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807、エピコート827、エピコート828、ダウケミカル日本株式会社製、商品名:D.E.R.330、D.E.R.331、D.E.R.361、東都化成株式会社製、商品名:YD8125、YDF8170などがある。
1分子中にエポキシ基を3個以上含有する三官能以上のエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が例示される。フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品は、日本化薬株式会社製、商品名:EPPN−201がある。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品は、住友化学工業株式会社製、商品名:ESCN−190、ESCN−195、日本化薬株式会社製、商品名:EOCN1012、EOCN1025、EOCN1027、東都化成株式会社製、商品名:YDCN701、YDCN702、YDCN703、YDCN704がある。
エポキシ樹脂として、二官能エポキシ樹脂と三官能以上のエポキシ樹脂を併用する場合、それらの合計100重量部に対して、二官能エポキシ樹脂50〜100重量%と三官能以上のエポキシ樹脂0〜50重量%を用いることが好ましい。特に、高Tg化のためには二官能エポキシ樹脂50〜90重量%と三官能以上のエポキシ樹脂10〜50重量%を用いることが好ましい。
[その他の成分]
本発明の樹脂組成物は、その他の成分として、硬化剤、硬化促進剤、フィラー、高分子量成分、カップリング剤、イオン補足剤などを含有することができる。
(硬化剤)
本発明で用いられる硬化剤は、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合は、通常用いられている公知のエポキシ樹脂硬化剤であれば特に限定されず、例えば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三弗化硼素及びフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、変性フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂またはクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂などが挙げられる。特に、吸湿時の耐電食性に優れる点で、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂が好ましい。
フェノール樹脂の市販品としては、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:バーカムTD−2090、バーカムTD−2131、プライオーフェンLF2882、プライオーフェンVH4150、プライオーフェンVH4170、フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、三井化学株式会社製、商品名:ミレックスXLCシリーズ、XLシリーズなどがある。
フェノール樹脂の重量平均分子量は、300〜2000であることが好ましく、500〜1500であることがより好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、硬化剤中の反応活性基の総量が、好ましくは0.6〜1.4当量、より好ましくは0.8〜1.2当量となるよう配合する。硬化剤の配合が0.6当量未満であっても、1.4当量を越えても耐熱性が低下する傾向がある。
(硬化促進剤)
本発明で用いられる硬化促進剤は、例えば、4級ホスホニウム塩系、4級アンモニウム塩系、イミダゾール系、DBU脂肪酸塩系、金属キレート系、金属塩系、トリフェニルフォスフィン系等を用いることができる。イミダゾール系の硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられ、市販品としては、四国化成工業株式会社製、商品名:キュアゾール2E4MZ、キュアゾール2PZ−CN、キュアゾール2PZ−CNSがある。また、接着フィルムの可使期間が長くなる点で、潜在性硬化促進剤も好適に用いられ、その代表例としてはジシアンジミド、アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、グアナミン酸、メラミン酸、エポキシ化合物とイミダゾール化合物との付加化合物、エポキシ化合物とジアルキルアミン類との付加化合物、アミンとチオ尿素との付加化合物、アミンとイソシアネートとの付加化合物等が挙げられるが、これらに限られるものではない。室温での活性を低減できる点でアダクト型の構造をとっているものが特に好ましい。アダクト型硬化促進剤の代表的な例を以下に示すが、これらに制限されるものではない。アミン−エポキシアダクト型硬化促進剤の市販品としては、味の素株式会社製、商品名:アミキュアPN−23、アミキュアMY−24、アミキュアMY−D、アミキュアMY−H等、エー・シー・アール株式会社製、商品名:ハードナーX−3615S、ハードナーX−3293S等、旭化成株式会社製、商品名:ノバキュアHX−3748、ノバキュアHX−3088等、パシフィック アンカー ケミカル製、商品名:Ancamine2014AS、Ancamine2014FG等がある。また、アミン−尿素アダクト型硬化促進剤の市販品としては、富士化成株式会社製、商品名:フジキュアFXE−1000、フジキュアFXR−1030などがある。
硬化促進剤の配合量は、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部である。硬化促進剤の配合量が0.1重量部未満であると硬化速度が遅くなる傾向があり、また20重量部を超えると可使期間が短くなる傾向がある。
(フィラー)
本発明においては、樹脂組成物の取り扱い性の向上、熱伝導性の向上、溶融粘度の調整、チクソトロピック性の付与、耐湿性の向上などを目的として、前記高熱伝導性粒子(A)以外の各種フィラーを配合してもよく、これらは熱伝導率が30W/mK以上である必要はない。このようなフィラーとしては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ホウ酸アルミウイスカ、結晶性シリカ、非晶性シリカ、アンチモン酸化物等が挙げられる。これらのなかでも、熱伝導性向上のためには、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。溶融粘度の調整やチクソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。耐湿性を向上させるためには、シリカ、水酸化アルミニウム、アンチモン酸化物が好ましい。これらフィラーの含有量は、高熱伝導性粒子100重量部あたり、好ましくは0〜50重量部、より好ましくは0〜20重量部、特に好ましくは0〜10重量部である。
(高分子量成分)
本発明で用いられる高分子量成分の重量平均分子量は、1万以上であることが好ましく、10万以上であることがより好ましい。前記重量平均分子量が1万未満であると、樹脂組成物をフィルム状としたときの強度や可撓性が低下したり、タック性が高くなる傾向がある。また、重量平均分子量が大きくなるにつれ、樹脂組成物のフロー性が小さくなり、配線回路の充填性が低下してくる傾向にあるので、高分子量成分の重量平均分子量は、200万以下であることが好ましく、100万以下であることがより好ましい。なお、重量平均分子量はゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
また、高分子量成分のガラス転移温度(Tg)は、接着フィルムの可撓性を保つために、50℃未満であることが好ましい。前記ガラス転移温度は、−50℃以上0℃以下であることがより好ましく、−30℃以上−5℃以下であることが特に好ましい。前記ガラス転移温度が−50℃未満では、Bステージ状態での接着フィルムのタック性が大きくなり取り扱い性が悪化する傾向にあり、0℃を超えると、フィルムを室温で取り扱う際に破断しやすくなる。
前記高分子量成分は、架橋反応が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、Bステージ状態での硬化度の上昇により接着力が低下し易くなるという点で、官能基を有する高分子量成分であることが好ましい。該官能基はポリマー鎖中に有していても、ポリマー鎖末端に有していてもよい。官能基としては、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、アミノ基、アミド基等が挙げられる。これらのなかでも、エポキシ基が好ましい。
高分子量成分における官能基含有モノマーの量は、全モノマー量を規準として、0.5〜6.0重量%であることが好ましく、1.0〜4.0重量%であることがより好ましい。前記官能基含有モノマーの量が0.5重量%未満では、耐熱性が低下する傾向にあり、6.0重量%を越えると、ワニスの粘度が上昇する傾向がある。ワニスの粘度が上昇するとフィルム化が困難になるため、粘度低下を目的に適量の溶剤で希釈する必要があり、ワニスの固形分が低下し、ワニス作製量が増大して製造の効率が低下する傾向がある。
前記官能基を有する高分子量成分の製造方法としては、例えば、官能基を有する重合性モノマーを単独で重合する方法、官能基を有する重合性モノマー及びこれと共重合可能な他の重合性モノマーとを共重合する方法などにより得ることができる。重合方法は特に制限されず、例えば、パール重合、溶液重合等の方法を使用することができる。
官能基を有する高分子量成分の好ましい例としては、グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有モノマーと、エチル(メタ)アクリレートやブチル(メタ)アクリレートなどのエチレン性不飽和結合を有するモノマーとを共重合させたものであり、市販品としては、帝国化学産業株式会社製、商品名:HTR−860P−3を使用することができる。
前記高分子量成分の配合量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量100重量部に対して、好ましくは10〜500重量部、より好ましくは10〜400重量、特に好ましくは40〜80重量部である。前記配合量は、弾性率の低減や成形時のフロー性付与のため10重量部以上であることが好ましい。前記配合量が500重量部を超えると、貼付荷重が少ない場合に流動性が低下し、回路充填性が低下する可能性がある。
(カップリング剤)
本発明の樹脂組成物は、異種材料間の界面結合をよくするためにカップリング剤を含有することができる。カップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられ、これらのなかでもシランカップリング剤が好ましい。カップリング剤の配合量は、添加による効果や耐熱性及びコストの点から、樹脂組成物の総量100重量部に対し、0.1〜10重量部であることが好ましい。
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。前記シランカップリング剤の市販品としては、日本ユニカ−株式会社製、商品名:NUC A−187(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、商品名:NUC A−189(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、商品名:NUC A−1100(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)、商品名:NUC A−1160(γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)、商品名:NUC A−1120(N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)などがある。
(イオン捕捉剤)
本発明の樹脂組成物は、イオン性不純物を吸着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、イオン捕捉剤を含有することができる。イオン捕捉剤の配合量は、添加による効果や耐熱性、コストの点から、樹脂組成物の総量100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましい。
イオン捕捉剤としては、銅がイオン化して溶け出すのを防止するため銅害防止剤として知られる化合物、例えば、トリアジンチオール化合物、ビスフェノール系還元剤、無機イオン吸着剤などを用いることができる。トリアジンチオール化合物を成分とする銅害防止剤は、三協製薬株式会社製、商品名:ジスネットDBが市販されている。ビスフェノール系還元剤としては、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−第3−ブチルフェノール)、4,4’−チオ−ビス−(3−メチル−6−第3−ブチルフェノール)等が挙げられ、吉富製薬株式会社製、商品名:ヨシノックスBBが市販されている。無機イオン吸着剤としては、ジルコニウム系化合物、アンチモンビスマス系化合物、マグネシウムアルミニウム系化合物等が挙げられ、東亜合成化学工業株式会社製、商品名:IXEが市販されている。
本発明における樹脂組成物の硬化物は、動的粘弾性測定装置で測定した25℃での貯蔵弾性率が、好ましくは20〜2000MPa、より好ましくは100〜2000MPaであり、260℃での貯蔵弾性率が、好ましくは3〜50MPa、より好ましくは3〜40MPa、特に好ましくは3〜20MPaである。25℃での貯蔵弾性率が2000MPaを超えるものと260℃の貯蔵弾性率が50MPaを超えるものでは、半導体チップとリードフレーム又はインターポーザとの熱膨張係数の差によって発生する熱応力を緩和させる効果が小さくなる傾向があり、剥離やクラックを発生する恐れがある。また、25℃での貯蔵弾性率が20MPa未満では接着剤の取り扱い性や接着剤層の厚み精度が悪くなる傾向があり、260℃での貯蔵弾性率が3MPa未満ではリフロークラックが発生しやすい傾向がある。樹脂組成物の硬化物は、例えば、樹脂組成物を130〜200℃で、0.5〜5時間加熱することにより得られる。貯蔵弾性率の測定は、例えば、動的粘弾性測定装置(レオロジー社製、DVE−V4)を使用し、硬化物に引張り荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5〜10℃/分で−50℃から300℃まで測定する、温度依存性測定モードによって測定できる。
本発明の接着フィルムは、高熱伝導性粒子及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のワニスを用いて成形した一次フィルムに厚み方向の圧力をかけることにより得られるものである。
ここで一次フィルムとは、厚み方向の圧力をかける前の状態にあるフィルムのことを指し、高熱伝導性粒子及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物のワニスをキャリアフィルム上に塗布し、加熱により溶剤を除去することにより、キャリアフィルム上にフィルムを形成させて作製することができる。
前記加熱の条件は、樹脂組成物を完全に硬化させることなく、溶剤を除去することができる条件であれば特に制限はなく、樹脂組成物の成分や溶剤の種類によって異なるが、一般的には、80〜140℃で5〜60分間加熱する。加熱より、樹脂組成物はBステージ程度まで硬化していることが好ましい。一次フィルム中の残存溶媒量は、3重量%以下であることが好ましく、1.5重量%以下であることがより好ましい。
前記キャリアフィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルアミドフィルム、ポリエーテルアミドイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム等のプラスチックフィルムが使用できる。また、必要に応じて、プライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理、離型処理等の表面処理を行っても良い。キャリアフィルムの市販品としては、例えば、東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン(ポリイミドフィルム)、鐘淵化学工業株式会社製、商品名:アピカル(ポリイミドフィルム)、東レ・デュポン株式会社製、商品名:ルミラー(ポリエチレンテレフタレートフィルム)、帝人株式会社製、商品名:ピューレックス(ポリエチレンテレフタレートフィルム)などがある。
ワニスを作製する際に使用する溶剤は特に制限が無く、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセルソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロヘキサノン等を用いることができる。これらのなかでも、塗膜性を向上するなどの目的で、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロヘキサノン等の高沸点溶剤が好ましい。これら溶剤は単独で又は2種類以上組み合わせて使用することができる。
溶剤の配合量は特に制限が無いが、ワニスを作製した際の不揮発分が40〜90重量%であることが好ましく、50〜80重量%であることがより好ましい。前記不揮発分が40重量%未満だと、ワニス作製時に揮発する溶剤の量が多く乾燥時の熱量が多量に必要になりコスト面で不利となる傾向があり、90重量%を超えると、ワニスの粘度が高すぎるため塗膜に欠陥が生じる可能性がある。
ワニスの製造は、高熱伝導性粒子を含むフィラー成分の分散性を考慮した場合には、らいかい機、3本ロール、ビーズミル等により、またこれらを組み合わせて行なうことができる。フィラー成分と低分子量物をあらかじめ混合した後、高分子量物を配合することにより、混合に要する時間を短縮することも可能となる。またワニスとした後、真空脱気によりワニス中の気泡を除去することが好ましい。
一次フィルムの厚さは特に制限されないが、25〜250μmの範囲にあることが好ましい。前記厚さが25μm未満であると応力緩和効果が乏しくなる傾向があり、250μmを超えるとコスト高になりやすい。また、一次フィルムの厚さが回路の厚さよりも薄い場合、埋め込み性が落ちる傾向がある。
接着フィルムに含まれる高熱伝導性粒子間の間隔が大きいと、高熱伝導性粒子間に熱伝導性の低い樹脂が多く存在するため、接着フィルムの熱伝導率が低下してしまう。本発明では、一次フィルムに厚み方向の圧力をかけることによって、高熱伝導性粒子間の間隔を狭くし、接着フィルムの熱伝導率を向上することができる。また、一次フィルムに厚み方向の圧力をかけることによって、接着フィルム表面への樹脂のしみだしを助長し、平滑化を図れる効果があるため、80℃程度の加熱でラミネート性が向上するほか、ボイドを低減し、信頼性を向上することができる。
一次フィルムに厚み方向の圧力をかける方法は、まず、キャリアフィルム上に形成された一次フィルムの上に必要に応じて付着防止のための保護フィルムを積層する(キャリアフィルム/一次フィルム/保護フィルム)又はキャリアフィルム上に形成された一次フィルムを2枚用いて、一次フィルム同士が接するよう積層する(キャリアフィルム/一次フィルム/一次フィルム/キャリアフィルム)。保護フィルムとしては、前記キャリアフィルムと同様のものを用いることができる。
次いで、プレス機、カレンダーロールやゴムロールのロールを用いて、一次フィルムの厚み方向に圧力をかける。ロールを用いる方法は、プレス機を用いる方法に比べて、圧力が集中する点で好ましく、又、圧力が集中している部分の近傍に無加圧の部分があり樹脂が流動変形しやすい点で好ましい。連続的に加圧処理でき、線圧が高い鉄、銅、その他合金類からなる金属ロールによるカレンダーロールを用いる方法がより好ましい。またロールに傷が付きにくい点で、ゴムなどで被覆したロールを用いることもより好ましい。ロールの本数は2本以上であれば特に限定されないが、通常は2本ロールが用いられる。
加圧の際、必要に応じて樹脂が完全硬化しない条件で加熱することが好ましい。加熱することにより樹脂の流動性が向上し、フィルムを平滑化し、高熱伝導性粒子間の間隔を低減し易くなる。加熱は、加圧に用いる装置のロールや金型を所定の温度に加熱すればよい。加熱温度は樹脂の種類や加圧方法などにより適宜選択されるが、好ましくは40〜260℃、より好ましくは100〜200℃である。
加圧は、一次フィルムの加圧後の厚さが、加圧前の厚さに比べて1〜30%減少するような圧力で行うことが好ましい。前記減少率が1%未満の場合は、フィルムを平滑化し難く、高熱伝導性粒子間の間隔を低減し難くなり、30%を超える場合は、フィルムの幅が大きく変形し、また高熱伝導性粒子間の間隔低減にもあまり効果がないので好ましくない。
また、加圧をした後、樹脂内の残留応力による反発や変形などにより、一旦狭まった高熱伝導性粒子間の間隔が増加してしまうことがある。それを防ぐには、加熱により樹脂の流動性を高めて加圧加工を行い、その後、冷却することが好ましい。加熱温度と冷却温度は樹脂の種類や加圧方法により適宜選択されるが、通常は40〜260℃に加熱してプレス加工又はロール加工を行い、その後、60℃以下の温度に冷却することが好ましい。それにより、加圧加工により狭まった高熱伝導性粒子間の間隔を再び増大することなく、安定して保持できるため、熱伝導率を向上することが出来る。加圧後、冷却するまでの間は時間を空けずに速やかに行うことが好ましく、30秒以内に行うことがより好ましい。加熱下に加圧加工したフィルムを冷却する方法としては、例えば、該フィルムに冷風を当てる方法、該フィルムを冷却したロール間に通す方法などが挙げられる。
次いで、キャリアフィルムと保護フィルムを剥離することにより本発明の接着フィルムを得ることが出来る。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に制限するものではない。
(実施例1)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂、エポキシ当量:156、東都化成株式会社製、商品名:YDF−8170C)45重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂、東都化成株式会社製、商品名:YDCN−703)15重量部、フェノール樹脂(硬化剤、三井化学株式会社製、商品名:XLC−LL)50重量部、エポキシ基含有アクリルゴム(高分子量成分、帝国化学産業株式会社製、商品名:HTR−860P−3、重量平均分子量:80万、Tg:−7℃)12重量部、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(硬化促進剤、四国化成工業株式会社製、商品名:キュアゾール2PZ−CN)0.1重量部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(カップリング剤、日本ユニカー株式会社製、商品名:A−189)0.3重量部及びγ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(カップリング剤、日本ユニカー株式会社製、商品名:A−1160)0.7重量部からなる組成物にシクロヘキサノンを加え、さらにアルミナ(高熱伝導性粒子、株式会社龍森製、商品名:TS−AP7(LV)、比重:3.9、平均粒径:5.3μm、熱伝導率:32W/mK)1000重量部を加えた。
これをビーズミルで混合し、さらにシクロヘキサノンを加えて粘度を調整し、真空脱気して、不揮発分75重量%のワニスを得た。キャリアフィルムとして厚さ50μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にワニスを塗布し、110℃で30分間加熱乾燥して、厚さが80μmの一次フィルムをキャリアフィルム上に形成して作製した。
前記一次フィルム上に厚さ50μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した。これを120℃に加熱した鉄製ロール(φ250mm)2本の間(距離を170μmに設定、回転速度は共に毎分2回転)を1回通した後、10℃に冷却した金属ロール間を通した。その30秒後にポリエチレンテレフタレートフィルムをはく離して接着フィルムを得た。接着フィルムは厚さ76μm(膜圧減少率は5.0%)であり、表面温度が40℃であった。
(実施例2)
アルミナ(高熱伝導性粒子、アドマテックス株式会社製、商品名:アドマファインAE2050、平均粒径:0.5μm)900重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂、エポキシ当量:156、東都化成株式会社製、商品名:YDF−8170C)45重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂、東都化成株式会社製、商品名:YDCN−703)15重量部、フェノール樹脂(硬化剤、三井化学株式会社製、商品名:XLC−LL)50重量部及び1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(硬化促進剤、四国化成工業株式会社製、商品名:キュアゾール2PZ−CN)0.1重量部をメチルエチルケトン1000重量部に混合分散してワニスを作製し、さらにアルミナ(株式会社龍森製、商品名:TS−AP7(LV)、比重3.9、平均粒径5.3μm)10000重量部を加えて撹拌した。
攪拌後、100℃で1時間乾燥し、攪拌羽根で凝着したアルミナ粒子を30分間粉砕し、樹脂で被覆されてなるアルミナ粒子(被覆粒子)を得た。
実施例1におけるアルミナ(商品名:TS−AP7(LV))1000重量部の代わりに、上記の樹脂で被覆されてなるアルミナ粒子(被覆粒子)1009部を用いること以外は実施例1と同様に操作して、接着フィルムを作製した。
接着フィルムは厚さ77μm(膜圧減少率は3.8%)であり、表面温度が45℃であった。
(比較例1)
加圧を行わないこと以外は実施例1と同様の方法で接着フィルムを作製した。すなわち、実施例1における厚さが80μmの一次フィルムである。
(比較例2)
加圧を行わないこと以外は実施例2と同様の方法で接着フィルムを作製した。すなわち、実施例2における厚さが80μmの一次フィルムである。
[評価項目]
(1)硬化物の貯蔵弾性率
Cステージ状態の接着フィルム硬化物の170℃での貯蔵弾性率を、動的粘弾性測定装置(レオロジー社製、DVE−V4)を用いて、長さ20mm、幅4mmの硬化物に、引張りモードで、自動静荷重をかけて、周波数10Hz、昇温速度5℃/分の条件で、−30から200℃まで測定する、温度依存性測定モードにより170℃での貯蔵弾性率を測定した。
(2)接着力
120℃のホットプレート上で、半導体チップ(5mm角)を金めっき基板(銅箔付フレキ基板電解金めっき(Ni:5μm、Au:0.3μm))上に接着フィルムを用いて接着し、130℃で30分、170℃で1時間硬化して試料を得た。この試料について85℃/85%RH、48時間吸湿後の260℃での剪断強度を万能ボンドテスター(Dage社製、シリーズ4000)を用いて測定した。
(3)ラミネート性
ホットロールラミネータ(80℃、0.3m/分、0.3MPa)で幅10mmの接着フィルムと厚さ300μmのシリコンウエハを貼り合わせ、その後、接着フィルムを、TOYOBALWIN製、UTM−4−100型テンシロンを用いて、25℃の雰囲気中で、90°の角度で、50mm/分の引張り速度で剥がしたときの90°ピール強度を求めた。90°ピール強度が20N/m以上の場合は、ラミネート性良好(○)、90°ピール強度が20N/m未満の場合はラミネート性不良(×)とした。
(4)熱伝導率
接着フィルムの厚さ方向についてレーザーフラッシュ法(NETZSCH製、LFA447Nanoflash)を用いて、25℃で熱伝導率を測定した。測定用サンプルは、貼り合わせによって厚みを400μm以上800μm未満に調整した接着フィルムを170℃で1時間硬化させ、その硬化物を10mm角に切断したものを用いた。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2009235402
表1に示されるように、実施例1〜2の接着フィルムは、熱伝導率が高く、かつ、80℃でウエハにラミネート可能であるため、キュア後の接着性も良好であることが明らかである。これに対し、加圧工程を経ない比較例1〜2の接着フィルムは、熱伝導率が低く、かつ、80℃でウエハにラミネートすることが出来ず、キュア後の接着性にも劣ることが分る。

Claims (5)

  1. 高熱伝導性粒子及び熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物からなるフィルムであって、前記樹脂組成物のワニスを用いて成形した一次フィルムに厚み方向の圧力をかけることにより得られる接着フィルム。
  2. 前記樹脂組成物中の高熱伝導性粒子の含有量が、60〜90体積%である請求項1記載の接着フィルム。
  3. 前記高熱伝導性粒子が、高熱伝導性の無機粒子又は無機粒子を高熱伝導性樹脂で被覆した被覆粒子である請求項1又は2記載の接着フィルム。
  4. 前記高熱伝導性樹脂が、結晶構造又は液晶構造を有する部分を含むものである請求項3記載の接着フィルム。
  5. 前記一次フィルムに、プレス加工又はロール加工により加熱下に圧力をかけた後、冷却することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着フィルム。
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