JP3562465B2 - 接着剤組成物、接着フィルム及び半導体搭載用配線基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤組成物、接着フィルム及び半導体搭載用配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から配線板や半導体パッケージ用の接着剤には、アクリロニトリルブタジエンゴムを主成分とする系が多く用いられている。プリント配線板関連材料として耐湿性を向上させたものとしては、特開昭60−243180号公報に示されるアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネート及び無機フィラーを含む接着剤が有り、また特開昭61−138680号公報に示されるアクリル系樹脂、エポキシ樹脂、分子中にウレタン結合を有する両末端が第1級アミン化合物及び無機フィラーを含む接着剤がある。これらの接着剤には流動性と低いタック性、硬化前後のフィルムの強度が求められている。流動性を高くするためには低分子量の成分を多く添加することが有効であるが、タック性が高くなるという問題があった。また、フィルムの強度を向上させるためにフィラーを添加することが行われている。ところがフィラーを添加した場合には、溶融粘度が上昇し、接着工程での流動性、ぬれ性が低下するほか、段差埋め込み性が悪化するなどの問題が発生していた。以上のように流動性と低いタック性、硬化前後のフィルムの強度の両立は難しく、十分になされてはいなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、流動性と強度、適度なタック性を両立した、フィルム状接着剤を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはBステージ状態で流動性の高い相分離成分がCステージでは硬化し、補強材として作用するため、Bステージ状態は高い流動性を示し、Cステージでは強度が得られることを見出した。
【0005】
本発明は下記(1)〜(4)の事項に関する。
(1)Bステージ状態で相分離する2種類の樹脂A,Bの混合物を必須成分とする接着剤組成物であり、樹脂Aは未硬化状態での重量平均分子量が1万以下で、Bステージにおいて内部に分散相として不連続に分散し、樹脂Bは未硬化状態での重量平均分子量が10万以上で、Bステージにおいて連続相として連続的に存在し、Bステージ状態での分散相と連続相との体積比率が1:0.5〜5であることを特徴とする接着剤組成物。
(2)樹脂Aがエポキシ樹脂及び硬化剤であり、樹脂Bがアクリルゴムであることを特徴とする(1)記載の接着剤組成物。
(3)(1)又は(2)に記載の接着剤組成物をフィルム状に形成して得られる接着フィルム。
(4)配線基板のチップ搭載面に(3)記載の接着フィルムを備えた半導体搭載用配線基板。
【0006】
【発明の実施の形態】
分散相を形成する樹脂Aの重量平均分子量は1万以下である必要がある。重量平均分子量が1万超であると流動性が不足するため好ましくない。さらに好ましくは重量平均分子量3000以下である。Bステージで液状成分は島として内部にあるため、タック性が小さく、流動性が良い。なお本発明でいうBステージとは接着フィルムをDSCを用いて、硬化発熱量を測定した値が、未硬化状態での接着フィルムの硬化発熱量の10〜40%である状態である。Cステージとは80%〜100%である状態である。
【0007】
分散相を形成する成分としてはエポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、シアネート樹脂、アクリル共重合体などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。硬化後の耐熱性が良い点で特にエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は硬化して接着作用を呈するものであればよい。二官能基以上で平均分子量が5000未満が好ましく、平均分子量3000未満のエポキシ樹脂がより好ましい。二官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂などが例示される。ビスフェノールA型またはビスフェノールF型液状樹脂は、油化シェルエポキシ株式会社から、エピコート807、エピコート827、エピコート828という商品名で市販されている。また、ダウケミカル日本株式会社からは、D.E.R.330、D.E.R.331、D.E.R.361という商品名で市販されている。さらに、東都化成株式会社から、YD8125、YDF8170という商品名で市販されている。
【0008】
エポキシ樹脂としては、高Tg(ガラス転移温度)化を目的に多官能エポキシ樹脂を加えてもよく、多官能エポキシ樹脂としてはフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが例示される。フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、日本化薬株式会社から、EPPN−201という商品名で市販されている。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂は、住友化学工業株式会社から、ESCN−190、CN−195という商品名で市販されている。また、日本化薬株式会社から、EOCN1012、EOCN1025、EOCN1027という商品名で市販されている。さらに、東都化成株式会社から、YDCN701、YDCN702、YDCN703、YDCN704という商品名で市販されている。
【0009】
エポキシ樹脂の硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられているものを使用でき、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三弗化硼素及びフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物であるビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどが挙げられる。特に吸湿時の耐電食性に優れるためフェノール樹脂であるフェノールノボラック樹脂やビスフェノールノボラック樹脂等を用いるのが好ましい。フェノールノボラック樹脂は、大日本インキ化学工業株式会社からバーカムTD−2090、バーカムTD−2131、ビスフェノールノボラック樹脂は大日本インキ化学工業株式会社からフェノライトLF2882、フェノライトLF2822という商品名で市販されている。硬化剤の使用量としては、エポキシ樹脂の化学当量の0.8〜1.2倍の官能基を含む量が好ましい。
【0010】
硬化剤とともに硬化促進剤を用いることが、硬化のための熱処理の時間を短縮できる点で好ましい。硬化促進剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテートといった各種イミダゾール類等の塩基が使用できる。イミダゾール類は、四国化成工業株式会社から、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名で市販されている。また、フィルムの可使期間が長くなる点で、潜在性硬化促進剤が好ましく、その代表例としてはジシアンジミド、アジピン酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物、グアナミン酸、メラミン酸、エポキシ化合物とジアルキルアミン類との付加化合物、アミンとチオ尿素との付加化合物、アミンとイソシアネートとの付加化合物が挙げられる。硬化促進剤の配合量は好ましくは、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計100重量部に対して0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部未満であると硬化速度が遅くなる傾向にあり、また20重量部を超えると可使期間が短くなる傾向がある。
【0011】
連続相を形成する成分としてはアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル及びアクリロニトリルなどの共重合体であるアクリルゴム、スチレンやアクリロニトリルなどと共重合したブタジエンゴム、シリコーン樹脂、シリコーン変性ポリアミドイミドなどが挙げられ、重量平均分子量が10万以上である必要がある。重量平均分子量が10万未満の場合、フィルムの強度が不足する点で好ましくない。また、重量平均分子量が80万以上の場合はフィルム強度が高い点で特に好ましい。
【0012】
分散相と連続相の比率は1:0.3〜1:5の間である必要がある。分散相の割合がこの比率よりも高い場合、島が連続化し、流動性が高くなりすぎる点で好ましくない。また、連続相の割合が高い場合、流動性が小さくなる点で好ましくない。
【0013】
接着性が高い点でアクリルゴムの使用が好ましく、また、グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート2〜6重量%を含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるアクリル系共重合体は接着性、耐熱性が高い点で特に好ましい。
【0014】
グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート2〜6重量%を含むTgが−10℃以上でかつ重量平均分子量が80万以上であるアクリル系共重合体は、帝国化学産業株式会社から市販されている商品名HTR−860P−3を使用することができる。官能基モノマーが、カルボン酸タイプのアクリル酸や、水酸基タイプのヒドロキシメチルメタクリレートなどを用いると、架橋反応が進行しやすく、ワニス状態でのゲル化、Bステージ状態での硬化度の上昇による接着力の低下などの問題があるため好ましくない。また、官能基モノマーとして用いるグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートの量は、2〜6重量%の共重合体比が好ましい。より高い接着力が得られるため、2重量%以上が好ましく、ゴムのゲル化が低減されるため、6重量%以下が好ましい。残部はメチルアクリレート、メチルメタクリレートなどの、炭素数1〜8のアルキル基をもつアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、およびスチレンやアクリロニトリルなどの混合物を用いることができる。混合比率は、共重合体のTgを考慮して調整することが好ましい。Tgが−10℃未満であるとBステージ状態での接着フィルムのタック性が大きくなる傾向がある。重合方法の例としてはパール重合、溶液重合等が挙げられ、これらにより共重合体を得ることができる。
【0015】
耐熱性の向上や流動性の調節を目的にフィラーを添加しても良い。このようなフィラーとしてはシリカ、アルミナ、アンチモン酸化物などがある。
【0016】
接着剤には、異種材料間の界面結合をよくするために、カップリング剤を配合することもできる。カップリング剤としてはシランカップリング剤が好ましい。
【0017】
シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。前記したシランカップリング剤は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランがNUC A−187、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランがNUC A−189、γ−アミノプロピルトリエトキシシランがNUC A−1100、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシランがNUC A−1160、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランがNUC A−1120という商品名で、いずれも日本ユニカ−株式会社から市販されている。カップリング剤の配合量は、添加による効果や耐熱性およびコストから、分散相と連続相のそれぞれを形成する組成物の合計100重量部に対し0.1〜10重量部を添加するのが好ましい。
【0018】
さらに、イオン性不純物を付着して、吸湿時の絶縁信頼性をよくするために、イオン補足剤を配合することができる。
【0019】
本発明における接着フィルムは、接着剤の各成分を溶剤に溶解ないし分散してワニスとし、キャリアフィルム上に塗布、加熱し溶剤を除去することにより、接着剤層をキャリアフィルム上に形成して得られる。接着フィルムを2層以上に分けて塗工した後、貼りあわせることによって得ることも可能であるが、工程が複雑になりコスト高になる傾向がある。1層塗工で表面に樹脂相Bを多く析出する方法としては、各樹脂を樹脂Aの水との接触角より樹脂Bの水との接触角が5度以上大きくなるように選択し、水との接触角130度以上のフィルムを使用することが有効である。キャリアフィルムとしては、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、また、離型処理した各種フィルム、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルムなどが使用できる。本発明で用いるフィルムの例としては、離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムが東レ、デュポン株式会社からルミラーという商品名で、帝人株式会社からピューレックスという商品名で市販されている。
【0020】
ワニス化の溶剤は、比較的低沸点の、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−エトキシエタノール、トルエン、ブチルセロソルブ、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノールなどを用いるのが好ましい。また、塗膜性を向上するなどの目的で、高沸点溶剤を加えても良い。高沸点溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0021】
ワニスの製造はらいかい機、3本ロール及びビーズミル等により、またこれらを組み合わせて行なうことができる。また、ワニスとした後、真空脱気によりワニス中の気泡を除去することが好ましい。
【0022】
【実施例】
実施例1
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210、平均分子量1200 東都化成株式会社製のYDCN−703を使用)60重量部、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製のプライオーフェンLF2882を使用 平均分子量1000)40重量部、シランカップリング剤としてγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(日本ユニカー株式会社製のNUC A−187を使用)0.7重量部、グリシジルメタクリレート又はグリシジルアクリレート2〜6重量%を含むアクリルゴム(平均分子量15万)150重量部、硬化促進剤として1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製のキュアゾール2PZ−CNを使用)0.5重量部を添加し、攪拌モーターで30分混合し、ワニスを得た。ワニスを厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、膜厚が75μmのBステージ状態の塗膜を形成し、キャリアフィルムを備えた接着フィルムを作製した。なお、DSCを用いて硬化発熱量を測定した値は未硬化状態での接着フィルムの硬化発熱量の15%であった。
【0023】
実施例2
重量平均分子量1万以下の成分としてアクリル重合体(ゲル パーミエーション クロマトグラフィーによる重量平均分子量2000、Tgは5℃、アクリロニトリル40モル%、グリシジルメタクリレート10モル%、エチルアクリレート50GMAゴムモル%を重合させたもの)、重量平均分子量3万以上の成分としてアクリルゴム(ゲル パーミエーション クロマトグラフィーによる重量平均分子量20万、Tgは−7℃、帝国化学産業株式会社製商品名HTR−860を使用)66重量部、硬化促進剤としてイミダゾール系硬化促進剤(四国化成工業株式会社製キュアゾール2PZ−CNを使用)0.5重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えて撹拌混合し、真空脱気した。この接着剤ワニスを、厚さ75μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、90℃20分間、さらに120℃で5分間加熱乾燥して膜厚が30μmの塗膜とした。接着剤フィルムを作製した。DSCを用いて測定した硬化度は5%であった。この接着剤フィルムを170℃で1時間加熱硬化させてその貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を用いて測定(サンプルサイズ:長さ20mm、幅4mm、膜厚60μm、昇温速度5℃/分、引張りモード、10Hz、自動静荷重)した結果、25℃で600MPa、260℃で5MPaであった。
【0024】
比較例1
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量210、東都化成株式会社製のYDCN−703を使用)60重量部の代わりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190、油化シェルエポキシ株式会社製のエピコート828を使用)60重量部を使用した他は実施例1と同様にフィルムを作製した。
【0025】
フィルムの表面をSEMで観察したところ、実施例1及び実施例2は明確に海島の相分離が見られたのに対して、比較例1は相分離が見られなかった。また、動的粘弾性測定の結果などから、実施例1の島はエポキシ樹脂及びその硬化剤からなっており、その島の平均分子量は1200以下であった。実施例2のアクリル共重合体からなっており、その島の平均分子量は3000以下であった。また、島と海の面積比は3:1であった。得られた接着フィルムの両面に厚み50μmのポリイミドフィルムを、温度80℃、圧力0.3MPa、速度0.3m/分の条件でホットロールラミネーターを用いて貼りあわせた。
【0026】
タック性の評価:プローブタック方によるタック荷重を測定した。タック荷重が80gf以下をタック性良好、80gf超をタック性過剰とした。
【0027】
流動性の評価:直径10mmの円形に切り抜いた接着フィルムをPETフィルムで挟んだものをサンプルとした。これを170℃、3分、1MPaの荷重をかけ、樹脂が侵みだした量を測定した。侵みだし量が0.3以上1.5mm以下を良好な範囲とした。侵みだし量が0.3未満を侵みだし不足、1.5mm超を侵みだし箇条とした。その後170℃で1時間硬化した。このサンプルについて、耐熱性、耐湿性を調べた。耐熱性の評価方法には、吸湿はんだ耐熱試験(85℃/相対湿度85%の環境下に48時間放置したサンプルを240℃のはんだ槽中に浮かべ、40秒未満で膨れが発生したものを×、40秒以上120秒未満で膨れが発生したものを○、120秒以上膨れが発生しなかったっものを◎とした。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1、実施例2は本発明の条件を満たしており、Bステージで相分離しているため、タック性が小さく、流動性が大きい。比較例1はBステージで相分離していないため、タック性が大きく、保護フィルムがはがれにくいなど、作業性が悪化した。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の接着剤組成物を用いることで、流動性が大きく、タック性が小さい接着部剤を製造することができる。この接着部剤はタック性が小さいため、加工がしやすい。また、流動性が高いため、ボイドなどが発生しにくく、信頼性が高い。また、請求項2記載の接着剤組成物から製造可能な接着部剤は、請求項1の発明の効果に加えてさらに耐熱性がよく、かつ接着性が高い点で優れる。よって、請求項3記載の接着フィルム及び、これを用いてなる請求項4記載の半導体搭載用基板は取り扱い性に優れて、接着後のボイドも発生しにくい。
Claims (3)
- 配線基板にチップを搭載するための熱硬化性接着剤組成物であって、Bステージ状態で相分離する2種類の樹脂A,Bの混合物を必須成分とし、樹脂Aがエポキシ樹脂を主成分とする樹脂であり、樹脂Bがアクリルゴムを主成分とする樹脂であり、エポキシ樹脂は未硬化状態での重量平均分子量が1万以下であるとともに、Bステージにおいてアクリルゴムの内部に分散相として不連続に分散しうる以上の重量平均分子量を有し、アクリルゴムは未硬化状態での重量平均分子量が10万以上で、Bステージにおいて連続相として連続的に存在し、Bステージ状態での分散相と連続相との体積比率が1:0.5〜5であることを特徴とする熱硬化性接着剤組成物(ただし、エポキシ樹脂と相溶性でありかつ重量平均分子量が3万以上の高分子量樹脂を含むものを除く。)。
- 請求項1に記載の熱硬化性接着剤組成物をフィルム状に形成して得られる接着フィルム。
- 配線基板のチップ搭載面に請求項2記載の接着フィルムを備えた半導体搭載用配線基板。
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