JP2009234537A - 乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、衝突側から遠い離隔側座席に着座した離隔側乗員を的確に保護可能な乗員保護装置を提供すること。
【解決手段】本発明の乗員保護装置Mは、作動時、近接側座席PSと離隔側座席DSとの間の離隔側乗員DPに配置される第1受け止め体18と、近接側座席PSの前方に配置される第2受け止め体31と、を備える。第1受け止め体18が、移動当初時の離隔側乗員DPを受け止め可能に、若しくは、さらに移動する離隔側乗員DPを第2受け止め体31側へ案内可能に、作動時に、近接側座席PSと離隔側座席DSとの間の収納部位から突出して、配置される。第2受け止め体31が、第1受け止め体18によって案内された離隔側乗員DPを受け止め可能に、膨張用ガスを流入させて、近接側座席PSの前方の収納部位から後方側へ突出して膨らむ前方側エアバッグ31である。
【選択図】図10

Description

本発明は、左右方向に沿って座席を並設させた車両に搭載されて、走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、衝突側から遠い離隔側座席に着座した離隔側乗員を保護可能な乗員保護装置に関する。
従来、乗員保護装置としては、左右方向に沿って並設される2つの座席の左右両側に、それぞれ、座席の左側と右側とを覆うように前方に向かって突出しつつ膨張するエアバッグを配設させた構成のものがあった(例えば、特許文献1及び2参照)。
特許文献1及び2に記載の乗員保護装置では、走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、各座席において衝突側に配置される衝突側エアバッグを膨張させて、座席に着座した乗員を保護する構成であった。車両が、走行時に前進移動しつつ左右方向の一方側から側面衝突されると、車両は衝突側から離れるように斜め前方に向かって前進し、座席に着座した乗員は、衝突側に向かうように、斜め前方に向かって移動するような慣性力を受けることとなる。通常、乗員は、三点拘束式のシートベルトを着用して、座席に着座しているが、三点拘束式のシートベルトの場合、乗員は、車外側(窓側)に上端を位置させ、車内側に下端を位置させるように斜めがけされるショルダーベルトによって、車外側に位置する肩から車内側の腰部付近にかけてを、拘束されることとなる。衝突側から遠い離隔側座席に着座している離隔側乗員は、三点拘束式のシートベルトのショルダーベルトによって、衝突側から離れた側の肩から衝突側の腰部付近にかけてを拘束されることから、側面衝突時の慣性力を受けた際に、離隔側乗員の衝突側へ向かうような斜め前方への移動を、ショルダーベルトにより防止できない場合があった。
そして、特許文献1及び2に記載の乗員保護装置では、エアバッグは、座席の衝突側を覆うように前方に向かって突出しつつ膨張することとなり、換言すれば、エアバッグは、前端側を自由端として膨張を完了させることから、膨張完了時の前端側が左右にぶれやすく、慣性力を受けて、衝突側に向かうように車室内を斜め前方に移動する離隔側乗員を、的確に拘束する点に課題があった。
また、乗員保護装置として、作動時に座席の車外側を覆うように膨張する側面側エアバッグと、座席の前方に折り畳まれて収納されて作動時に車両後方側に向かって突出しつつ膨張する前側エアバッグと、を備える構成のものがあった(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−267037号公報 特表2006−524161公報 米国特許公開2005/0156411号
しかし、特許文献3に記載の乗員保護装置においても、この乗員保護装置が搭載された座席が、衝突側から遠い離隔側座席であった場合、この離隔側座席に着座した離隔側乗員は、慣性力を受けて、側面側エアバッグから離れた側に移動することとなり、また、この離隔側乗員は、前側エアバッグから離れるように車室内を斜め前方に移動することから、前側エアバッグによって、離隔側乗員を的確に拘束する点に課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、衝突側から遠い離隔側座席に着座した離隔側乗員を的確に保護可能な乗員保護装置を提供することを目的とする。
本発明に係る乗員保護装置は、左右方向に沿って座席を並設させた車両に搭載されて、走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、衝突側から遠い離隔側座席に着座した離隔側乗員を保護可能な乗員保護装置であって、
衝突時の衝突側における左右方向の側方から斜め前方に向かう範囲内の方向への離隔側乗員の移動に対応して、作動時、衝突側に近い近接側座席と離隔側座席との間における離隔側乗員の衝突側から前方側に延びるスペースに配置される第1受け止め体と、近接側座席の前方に配置される第2受け止め体と、を備えて構成され、
第1受け止め体が、移動当初時の離隔側乗員を受け止め可能に、若しくは、さらに移動する離隔側乗員を第2受け止め体側へ案内可能に、作動時に、近接側座席と離隔側座席との間の収納部位から突出して、配置される構成として、
第2受け止め体が、第1受け止め体によって案内された離隔側乗員を受け止め可能に、作動時、膨張用ガスを流入させて、近接側座席の前方の収納部位から後方側へ突出して膨らむ前方側エアバッグとして、構成されていることを特徴とする。
本発明の乗員保護装置では、走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、近接側座席と離隔側座席との間における離隔側乗員の衝突側から前方側に延びるスペースに、第1受け止め体が配置され、近接側座席の前方に、第2受け止め体が配置されることとなる。すなわち、本発明の乗員保護装置では、離隔側座席に着座した離隔側乗員の衝突側を、第1受け止め体が覆い、この離隔側乗員が慣性力を受けて移動する際の移動方向の前方側となる衝突側の斜め前方側に、第2受け止め体が、配設されることとなる。そのため、本発明の乗員保護装置では、側面衝突時に、離隔側乗員が衝突側における左右方向の側方若しくは斜め前方側へ移動することとなっても、まず、離隔側乗員の衝突側から前方側に延びるように配置される第1受け止め体により、離隔側乗員を受け止めることができる。また、衝突時の車両の前進速度が速く、第1受け止め体と接触した離隔側乗員がさらに衝突側に向かうように斜め前方に向かって移動する場合には、離隔側乗員は、第1受け止め体によって第2受け止め体側に案内されつつ前方移動することとなる。本発明の乗員保護装置では、第2受け止め体は、作動時、膨張用ガスを流入させて膨らむ前方側エアバッグから構成されていることから、この第2受け止め体により、前進移動してくる離隔側乗員を、確実に受け止めることができる。
したがって、本発明の乗員保護装置では、走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、第1受け止め体と第2受け止め体とによって二段階で受け止めることにより、衝突側から遠い離隔側座席に着座した離隔側乗員を的確に保護することができる。
また、本発明の乗員保護装置において、第1受け止め体を、作動時、膨張用ガスを流入させて、近接側座席と離隔側座席との間の収納部位から膨らんで配置される側方側エアバッグとして、構成すれば、第1受け止め体のクッション性が良好となって、離隔側乗員をソフトに拘束できて、好ましい。
さらに、上記構成の乗員保護装置において、第1受け止め体の作動完了時の後端側を車両側に固定させ、前端側を、離隔側乗員を第2受け止め体側へ案内可能とするように、左右方向に移動可能な自由端として、配設させた構成とすれば、離隔側乗員を受け止めた第1受け止め体が、離隔側乗員に押されて、前端を左側に向けるように移動しつつ、離隔側乗員を第2受け止め体側へ案内する態様となることから、第1受け止め体により、離隔側乗員を確実に第2受け止め体側へ案内することができて、好ましい。
さらにまた、上記構成の乗員保護装置において、第2受け止め体の作動完了時における衝突側で、第2受け止め体を支持可能な支持体を、周囲の収納部位から突出させるように、構成することが好ましい。
本発明の乗員保護装置において、第2受け止め体は、前方側エアバッグから構成されることから、クッション性よく離隔側乗員を受け止めることができるが、この離隔側乗員の受け止め時に、離隔側乗員の押圧力を受けて左右に揺動する虞れがある。しかし、上記構成の乗員保護装置では、離隔側乗員の押圧力を受けて前方側エアバッグが揺動しようとしても、衝突側を、支持体によって支持させることができることから、揺動を抑制された第2受け止め体としての前方側エアバッグにより、クッション効果を確保しつつ、的確に離隔側乗員を受け止めることができる。
さらにまた、上記構成の乗員保護装置において、第1受け止め体と第2受け止め体とが、作動完了時の第1受け止め体の前端と第2受け止め体の後端とを、車両の左右方向の投影状態で、重ねるように、配設される構成することが好ましい。
上記構成の乗員保護装置では、第1受け止め体が移動する離隔側乗員に押されて、前端側を衝突側に向けるように移動した際に、第1受け止め体の前端が第2受け止め体の後端と当接することとなる。そのため、第1受け止め体は、前端側を第2受け止め体に支持された状態の拘束力を向上させた状態で、離隔側乗員を受け止めることができる。勿論、第1受け止め体と接触した離隔側乗員がさらに斜め前方に向かって移動する場合には、第1受け止め体は、前端側の第2受け止め体との当接状態を解除されるように、前端を衝突側に向けるように移動させつつ、離隔側乗員を、第2受け止め体側に案内することとなる。そして、離隔側乗員は、側方側エアバッグにより案内されて、第2受け止め体の後端における衝突側から離れた縁部側と当接することとなり、この第2受け止め体を、後端における衝突側から離れた縁部側から大きく凹ませるようにして、第2受け止め体により受け止められることとなる。その結果、上記構成の乗員保護装置では、斜め前方に向かって移動してくる離隔側乗員を、拘束力を高めた第1受け止め体で受け止めることができ、第1受け止め体で受け止めきれなかった離隔側乗員は、第1受け止め体の案内移動で運動エネルギーを吸収されて、その後に第2受け止め体により受け止められることから、第1受け止め体と第2受け止め体とにより離隔側乗員を的確に受け止めることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、実施形態において、前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両の前後・上下・左右の方向と一致するものである。
実施形態では、車両Vが、走行時に、左側(助手席PS側)から側面衝突された場合を、例に採り説明する。すなわち、実施形態では、左側に位置する助手席PSが衝突側に近い近接側座席とされ、右側に位置する運転席DSが衝突側から遠い離隔側座席とされて、運転席DSに着座した運転者DPを、離隔側乗員として、保護する乗員保護装置Mを、例に採り説明する。
乗員保護装置Mは、図1,9に示すように、運転席DSの衝突側(左側)となる運転席DSと助手席PSとの間に配置される側方側エアバッグ装置A1と、助手席PSの前方に配置される前方側エアバッグ装置A2と、助手席PSの車外側における窓W1,W2の上縁側に配置される窓側エアバッグ装置A3と、を備えて構成されている。
側方側エアバッグ装置A1は、実施形態の場合、図1,2に示すように、運転席DSと助手席PSとの間に配置されるコンソールボックス3の下部に配置されるもので、第1受け止め体としての側方側エアバッグ18と、側方側エアバッグ18に膨張用ガスを供給するインフレーター14と、折り畳まれた側方側エアバッグ18とインフレーター14とを収納する収納部位としてのケース11と、ケース11の開口11aを覆うエアバッグカバー13と、を備えている。
収納部位としてのケース11は、運転席DSと助手席PSとの間に配置されるコンソールボックス3の下部に配設されるもので、車両後方側を開口させた板金製の略箱形状とされている。実施形態の場合、ケース11は、図示しないブラケットを利用してフロアトンネルを補強する補強体等に連結されて、車両Vのボディ1側に、固定されている。
エアバッグカバー13は、合成樹脂製とされて、ケース11の開口11aを覆うように配置されるもので、開口11aを覆うとともに内部に膨張用ガスを流入させて膨張する側方側エアバッグ18によって押し開かれる扉部13aを、備える構成とされている。
インフレーター14は、実施形態の場合、図2に示すように、軸方向を前後方向に沿わせた略円柱状のシリンダタイプとされるもので、後端側に、膨張用ガスを吐出可能なガス吐出口14aが、形成されている。インフレーター14は、ガス吐出口14a付近を含めた後端側を、側方側エアバッグ18の後述するガス流入口部21内に挿入されるもので、インフレーター14は、インフレーター14をケース11に固定させる取付ブラケット15を利用して、側方側エアバッグ18に対して連結されている。取付ブラケット15は、側方側エアバッグ18のガス流入口部21を外装させた状態のインフレーター14に外装されて、ボルト16を利用してケース11の下面側に固定させることにより、ケース11に取り付けられている。また、インフレーター14は、図示しないリード線により、エアバッグ作動回路と電気的に接続されている。
第1受け止め体としての側方側エアバッグ18は、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成される袋状とされている。実施形態の場合、図3,4に示すように、側方側エアバッグ18は、膨張完了時に、運転者DPの衝突側(左側)を覆うように配置される本体部19と、膨張完了時の本体部19の後下端から下方に延びるとともに先端21a側を前方にむけるように屈曲させて構成されるガス流入口部21と、を備える構成とされている。また、実施形態の場合、側方側エアバッグ18は、外形形状を略同一として、膨張完了時に衝突側(助手席PS側)に配置される近接側壁部18aと、膨張完了時に離隔側(運転席DS側)に配置される離隔側壁部18bと、の周縁相互を縫着させて構成される平面バッグとされている。ガス流入口部21は、先端21a(前端)側を開口させて構成されて、インフレーター14に外装されている。このガス流入口部21は、先端21a側からインフレーター14を挿入させた状態で、インフレーター14の外周側に配置されるとともに、インフレーター14をケース11に取り付ける取付ブラケット15を利用して、先端21a付近の部位で、インフレーター14に連結されている。
本体部19は、膨張完了形状を、長手方向を前後方向に略沿わせて構成される略長方形板状として、膨張完了時に、運転者のDPの衝突側(左側)から前方側に延びるスペースを埋めるように、配置される構成である(図9参照)。本体部19は、膨張完了時の上下前後の幅寸法、及び、厚さ寸法を、移動当初の運転者DPを受け止め可能な寸法に設定されている。実施形態の場合、本体部19は、膨張完了時の近接側壁部18aと離隔側壁部18bの離隔距離を規制して膨張完了時の板形状を保持可能に、内部に、近接側壁部18aと離隔側壁部18bとを連結するテザー20を配設させている(図3,4参照)。実施形態の場合、テザー20は、それぞれ、前後方向に沿うとともに、上下方向に沿った2箇所に、並設されている。
詳細には、本体部19は、上下方向の幅寸法を、コンソールボックス3の上面側から運転者DPの肩部付近までの領域を覆い可能な寸法に、設定されている。また、本体部19は、前後方向の幅寸法を、座部Sの上側において、運転席DSの衝突側(左側)を前後の略全域にわたって覆い可能として、膨張完了時の前端19aを、車両の左右方向の投影状態で、膨張完了時の前方側エアバッグ31の後端31aと重なる位置に配置可能な寸法に、設定されている(図5参照)。実施形態の場合、本体部19は、膨張完了時の形状を、上端を運転席DSにおける背もたれ部Bの上端と略一致させ、前端を運転席DSにおける座部Sの前端より若干後方に位置させるように、構成されている(図5参照)。また、実施形態の場合、本体部19は、前端19aを、車両の左右方向の投影状態で、膨張完了時の後述する前方側エアバッグ31の後端31aと重なる位置に、配置させて構成されている(図5参照)。この本体部19における前端19aの、車両の左右方向の投影状態での前方側エアバッグ31の後端31aとの重なる領域(接触時の前方側エアバッグ31との接触面積)は、側方側エアバッグ18と前方側エアバッグ31との膨張完了時において、側方側エアバッグ18が運転者DPを受け止めた際に、前端19a側を前方側エアバッグ31の後端31aにより支持可能であって、かつ、側方側エアバッグ18と接触した運転者DPがさらに左斜め前方に向かって移動する場合には、前方側エアバッグ31の後端31aとの当接状態を解除可能とするような領域に、設定されている。また、実施形態の場合、本体部19は、膨張完了時に、前端19aを、前方側エアバッグ31の後端31aにおける右側面31bと接触させるように、構成されている(図9参照)。
実施形態では、側方側エアバッグ18は、本体部19の後下端側から下方に延びるガス流入口部21を利用して、ケース11に固定されたインフレーター14に連結されている。すなわち、側方側エアバッグ18の本体部19は、膨張完了時に、後端19b側を、インフレーター14及びケース11を介して車両のボディ1側に固定され、前端19a側を、左右方向に移動可能な自由端として、配置されることとなる。
前方側エアバッグ装置A2は、実施形態の場合、助手席PS前方のインストルメントパネル(以下「インパネ」と省略する)5の上面5aの内部に配置されるもので、図6に示すように、第2受け止め体としての前方側エアバッグ31と、前方側エアバッグ31に膨張用ガスを供給するインフレーター27と、折り畳まれた前方側エアバッグ31及びインフレーター27を収納保持するケース28と、折り畳まれた前方側エアバッグ31を覆うエアバッグカバー26と、を備えて構成されている。なお、この前方側エアバッグ装置A2は、助手席の前方に搭載されて、膨張完了時に助手席に着座した乗員を保護するための助手席用エアバッグ装置を応用したもので、使用するエアバッグを、第1受け止め体としての側方側エアバッグ18を支持可能に、車両後方側に大きく突出させるように変更して、前方側エアバッグ31として構成したものである。
エアバッグカバー26は、合成樹脂製のインパネ5と一体的に形成されて、前方側エアバッグ31の展開膨張時に、前後二枚の扉部26a,26bを前方側エアバッグ31に押されて開くように構成されている。また、エアバッグカバー26における扉部26a,26bの周囲には、ケース28に連結される連結壁部26cが、形成されている。
インフレーター27は、複数のガス吐出口27bを有した略円柱状の本体部27aと、インフレーター27をケース28に取り付けるためのフランジ部27cと、を備えて構成されている。インフレーター27は、図示しないリード線により、エアバッグ作動回路と電気的に接続されている。ケース28は、上端側に長方形状の開口28cを有した板金製の略直方体形状に形成され、インフレーター27を下方から挿入させて取り付ける略長方形板状の底壁部28aと、底壁部28aの外周縁から上方に延びてエアバッグカバー26の連結壁部26cを係止する周壁部28bと、を備えて構成されている。ケース28には、底壁部28aの部位に、車両のボディ側に連結される図示しないブラケットが、配設されている。なお、前方側エアバッグ31とインフレーター27とは、前方側エアバッグ31内に配設される円環状のリテーナ29を利用して、ケース28の底壁部28aに取り付けられている。
第2受け止め体としての前方側エアバッグ31は、内部に膨張用ガスを流入させて膨らむ袋状として、前述の側方側エアバッグ18と同様に、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されている。前方側エアバッグ31は、膨張完了時の前端側下面に、内部に膨張用ガスを流入させるための流入用開口32を備えて、流入用開口32の周縁をリテーナ29によりケース28の底壁部28aに取り付けられる構成として、実施形態の場合、膨張完了形状を、図6の二点鎖線及び図9に示すように、インパネ5と、インパネ5の上方のフロントウィンドシールドFWと、の間に充満されるような略四角錐形状とされている。実施形態の場合、前方側エアバッグ31は、膨張完了時の後端31aを、インパネ5より後方に突出させるようにして、車両の左右方向の投影状態で、膨張完了時の側方側エアバッグ18における本体部19の前端19aと重なる位置に、配置させて構成されている(図5参照)。さらに詳細には、実施形態の場合、前方側エアバッグ31は、膨張完了時の後端31aにおける右側面31bを、膨張を完了させた側方側エアバッグ18における本体部19の前端19aと接触させるように、構成されている(図9参照)。
窓側エアバッグ装置A3は、図7に示すように、車両Vの窓W1,W2の上縁側となるフロントピラー部FPやルーフサイドレール部RRに、搭載されている。窓側エアバッグ装置A3は、フロントピラー部FP及びルーフサイドレール部RRに折り畳まれて収納される窓側エアバッグ41と、窓側エアバッグ41に膨張用ガスを供給するインフレーター36と、折り畳まれた窓側エアバッグ41の車内側を覆うエアバッグカバー35と、を、備えている。なお、この窓側エアバッグ装置A3は、助手席の側方に搭載されて、膨張完了時に助手席に着座した乗員の頭部を保護するための頭部保護エアバッグ装置を応用したもので、使用するエアバッグを、前方側エアバッグ31を支持可能に変更して、窓側エアバッグ41として構成したものである。
エアバッグカバー35は、図7,8に示すように、フロントピラー部FPに配設されるピラーガーニッシュ7と、ルーフサイドレール部RRに配設されるルーフヘッドライニング8と、のそれぞれの下縁側から、構成されている。このエアバッグカバー35は、折り畳まれて収納された窓側エアバッグ41の車内側を覆うとともに、展開膨張時の窓側エアバッグ41を車内側へ突出可能に、車内側へ開き可能な構成とされている。
インフレーター36は、窓側エアバッグ41に膨張用ガスを供給するもので、略円柱状とされて、先端側に、膨張用ガスを吐出可能な図示しないガス吐出口を、配設させている。インフレーター36は、ガス吐出口付近を含めた先端側を、窓側エアバッグ41の後述するガス流入口部43内に挿入させ、ガス流入口部43の先端43a側に外装されるクランプ39を利用して、窓側エアバッグ41に対して連結されている。また、インフレーター36は、インフレーター36を保持する取付ブラケット37と、取付ブラケット37をボディ1側のインナパネル2に固定するためのボルト38と、を利用して、実施形態の場合、インナパネル2における窓W2の上方となる位置に、取り付けられている。インフレーター36は、図示しないリード線により、エアバッグ作動回路と電気的に接続されている。
窓側エアバッグ41は、膨張完了時に、衝突側(左側)で、第2受け止め体としての前方側エアバッグ31を支持可能な支持体を構成するもので、車両Vの車内側における窓W1,W2の上縁側となるフロントピラー部FPの下縁側からルーフサイドレール部RRの下縁側にわたって、折り畳まれて収納されるとともに、インフレーター36からの膨張用ガスを流入させて、折り畳み状態から展開して、下方に突出しつつ、窓W1,W2の車内側を覆うように、展開膨張する構成である(図8参照)。実施形態の場合、窓側エアバッグ41は、膨張完了形状を、略長方形板状として、窓W1,W2の車内側を覆い可能に構成される遮蔽膨張部42と、遮蔽膨張部42の前後の中央から上方に突出するとともに先端を後方に向けるように屈曲して構成されるガス流入口部43と、を備えている。ガス流入口部43は、インフレーター36からの膨張用ガスを、遮蔽膨張部42側に案内するもので、先端43a側からインフレーター36を挿入させた状態で、外周側に配置されるクランプ39を利用して、先端43a付近の部位で、インフレーター36に連結されている。
遮蔽膨張部42は、領域内に複数の区画部(図符号省略)を配設させて、膨張完了形状を略板状とされるもので、膨張完了時に、膨張を完了させた前方側エアバッグ31の左側(衝突側)に配置されるとともに、窓W1,W2の車内側を略全域にわたって覆い可能な構成とされている。実施形態の場合、遮蔽膨張部42は、膨張完了時の前端42a側を、車両の左右方向の投影状態で、膨張完了時の前方側エアバッグ31の後端31aと重なる位置に、配置させて構成されている(図8参照)。さらに詳細には、窓側エアバッグ41の遮蔽膨張部42は、図9に示すように、膨張を完了させた前方側エアバッグ31の後端31aにおける左側面31cと接近若しくは接触させる状態で、膨張を完了させる構成である。そして、実施形態では、前方側エアバッグ31が左斜め前方に向かって移動する運転者DPを受け止めた際に、遮蔽膨張部42の前端42aが、前方側エアバッグ31の後端31aにおける左側面31cと当接して、前方側エアバッグ31を支持することとなる(図10の二点鎖線参照)。
窓側エアバッグ41は、実施形態の場合、遮蔽膨張部42の上縁の前後の全域にわたって複数個配設される取付部44を、取付ブラケット45とボルト46とを利用して、インナパネル2における窓W1,W2の上縁側(実施形態では、フロントピラー部FPからルーフサイドレール部RRにわたる上縁側)に固定させることにより、ボディ1側に取り付けられている。
実施形態の乗員保護装置Mでは、車両Vの走行時において左側から衝突物Fが衝突した側面衝突時に、エアバッグ作動回路からの作動信号を受けて、側方側エアバッグ装置A1,前方側エアバッグ装置A2,窓側エアバッグ装置A3の各インフレーター14,27,36が、作動されることとなる。そして、側方側エアバッグ18が、内部に膨張用ガスを流入させて膨張して、エアバッグカバー13の扉部13aを押し開き、ケース11の開口11aから後方へ突出しつつ、上方に向かって突出するように展開膨張し、助手席PSと運転席DSとの間において、運転者のDPの衝突側から前方側に延びるスペースを埋めるように膨張を完了させることとなる(図5,9参照)。前方側エアバッグ31は、内部に膨張用ガスを流入させて膨張して、エアバッグカバー26の扉部26a,26bを押し開き、ケース28の開口28cから上方へ突出しつつ後方側に向かって突出するように展開膨張し、インパネ5とフロントウィンドシールドFWとの間に充満されるように膨張を完了させることとなる(図6の二点鎖線及び図9参照)。窓側エアバッグ41は、内部に膨張用ガスを流入させて膨張し、エアバッグカバー35を押し開いて、収納部位から下方へ突出し、窓W1,W2の車内側を覆うように膨張を完了させることとなる(図8,9参照)。
そして、実施形態の乗員保護装置Mでは、走行時の左右方向の一方側からである左側からの側面衝突時に、近接側座席としての助手席PSと離隔側座席としての運転席DSとの間における離隔側乗員としての運転者DPの衝突側から前方側に延びるスペースに、第1受け止め体としての側方側エアバッグ18が配置され、助手席PSの前方に、第2受け止め体としての前方側エアバッグ31が配置されることとなる。すなわち、実施形態の乗員保護装置Mでは、運転席DSに着座した運転者DPの衝突側(左側)を、側方側エアバッグ18が覆い、この運転者DPが慣性力を受けて移動する際の移動方向の前方側となる衝突側の斜め前方側(実施形態の場合、左斜め前方側)に、前方側エアバッグ31が、配設されることとなる。そのため、実施形態の乗員保護装置Mでは、左側からの側面衝突時に、図10に示すごとく、運転者DPが衝突側における左右方向の側方(左側)若しくは左斜め前方側へ移動することとなっても、運転者DPの左側から前方側に延びるように配置される側方側エアバッグ18により、運転者DPを受け止めることができる。また、衝突時の車両Vの前進速度が速く、側方側エアバッグ18と接触した離隔側乗員がさらに左斜め前方に向かって移動する場合には、運転者DPは、図10の二点鎖線に示すように、側方側エアバッグ18によって前方側エアバッグ31側に案内されつつ前方移動することとなる。実施形態の乗員保護装置Mでは、作動時、膨張用ガスを流入させて膨らむ前方側エアバッグ31が、第2受け止め体として助手席PSの前方に配置されていることから、膨張を完了させた前方側エアバッグ31により、前進移動してくる運転者DPを、確実に受け止めることができる。
したがって、実施形態の乗員保護装置Mでは、走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、第1受け止め体としての側方側エアバッグ18と第2受け止め体としての前方側エアバッグ31とによって二段階で受け止めることにより、衝突側(衝突物F)から遠い運転席DS(離隔側座席)に着座した運転者DP(離隔側乗員)を的確に保護することができる。
また、実施形態の乗員保護装置Mでは、作動時、第1受け止め体として、膨張用ガスを流入させて、助手席PSと運転席DSとの間に配置されるケース11(収納部位)から膨らんで配置される側方側エアバッグ18を使用していることから、第1受け止め体のクッション性が良好であり、運転者DPをソフトに拘束することができる。
このような点をしなければ、第1受け止め体を、エアバッグから構成しなくともよく、例えば、図11〜13に示すように、運転席DSの背もたれ部Bと座部Sとの衝突側となる左側面側に、可撓性を有したシート材からなる遮蔽材49を折り畳んで収納させ、作動時に、この遮蔽材49を収納部位から突出させて、運転席DSの左側を覆うように展開させるような構成として、遮蔽材49から第1受け止め体を構成してもよい。第1受け止め体を構成する遮蔽材49は、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる織布から構成されるもので、図12,13に示すように、展開完了時に、運転席DSの左側を覆い可能に、上端49aを背もたれ部Bの上端付近に配置させ、前端49bを、座部Sの前端付近に配置させて、斜辺49cを前縁側に配置させた略直角三角形状とされるもので、実施形態の場合、上端49aを起点として放射状の複数の折目を付けて、斜辺49cを上下方向に沿って配設される後辺49dに接近させるようにして、図12の括弧内に示すごとく、蛇腹状に折り畳まれることとなる。そして、遮蔽材49は、上端49a,下端49e,前端49bを、それぞれ、運転席DS側に固定させるようにして、運転席DSの左側における背もたれ部Bから座部Sの後側にかけて、収納されている(図11参照)。そして、この遮蔽材49は、折り畳まれて収納される前端49b付近を、座部Sの前端付近に配置されるプリテンショナー50に、紐状の牽引材51を介して連結されており、プリテンショナー50が、牽引材51を引き込むように作動して、遮蔽材49を収納部位から突出させ、遮蔽材49が、図13に示すように、運転席DSの左側を覆うように、展開されることとなる。なお、実施形態の場合、遮蔽材49によって、離隔側乗員としての運転者を第2受け止め体(前方側エアバッグ)側に案内可能とするように、遮蔽材49の斜辺49cの長さ寸法は、展開完了時に、上端49aと前端49bとの間にたるみを持たせるような長さ寸法に、設定されている。なお、この遮蔽材49は、可撓性を有したシート材であれば、織布に限られるものではなく、例えば、合成樹脂製のフィルム材や、あるいは、網等から構成してもよい。
なお、実施形態では、側方側エアバッグ18(第1受け止め体)は、コンソールボックス3の下方に収納されて、コンソールボックス3の下方から一旦後方に向かって突出された後、上方に向かって展開するように膨張する構成であるが、側方側エアバッグの収納位置や、側方側エアバッグの突出方向は、これに限られるものではない。例えば、図14に示すごとく、運転席自体や助手席の右側に側方側エアバッグ18A,18Bを収納させることもできる。このような場合、側方側エアバッグ18A,18Bは、作動時に、前方側に突出されることとなる。さらには、図15に示すように、側方側エアバッグ18Cを、天井R内に収納させ、作動時に、下方に向かって突出するように膨張させる構成としてもよい。さらにまた、図示しないが、側方側エアバッグは、コンソールボックスから上方へ突出するように、コンソールボックス内に収納させてもよい。
さらに、実施形態の乗員保護装置Mでは、側方側エアバッグ18が、作動完了時の後端19b側をケース11側に固定させて車両のボディ1側に固定させ、前端19a側を、運転者DPを前方側エアバッグ31側へ案内可能とするように、左右方向に移動可能な自由端として、配設させていることから、運転者DPを受け止めた側方側エアバッグ18が、運転者DPに押されて前端19aを左側に向けるように移動しつつ、運転者DPを前方側エアバッグ31側へ案内する態様となる。そのため、第1受け止め体としての側方側エアバッグ18により、運転者DPを確実に前方側エアバッグ31側へ案内することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、第1受け止め体としての側方側エアバッグ18を、膨張完了時の前端側を自由端として配設させなくともよく、例えば、助手席と運転席との前方に配置されるインパネの下部側付近に側方側エアバッグを収納させ、作動時に、前方側から後方側に向かって突出させつつ、さらに、上方に向かって突出させて、助手席と運転席との間に配置されるように、膨張させる構成としてもよい。
さらにまた、実施形態の乗員保護装置Mでは、作動時に、前方側エアバッグ31の作動完了時における衝突側(左側)に、前方側エアバッグ31を支持可能な支持体を構成する窓側エアバッグ41が、膨張を完了させて配設されることから、窓側エアバッグ41によって、前方側エアバッグ31を支持させることができる。実施形態の乗員保護装置Mでは、第2受け止め体が前方側エアバッグ31から構成されていることから、クッション性よく運転者DPを受け止めることができるが、この運転者DPの受け止め時に、運転者DPの押圧力を受けて左右に揺動する虞れがある(図10の二点鎖線参照)。しかしながら、実施形態の乗員保護装置Mでは、膨張を完了させた前方側エアバッグ31が運転者DPの押圧力を受けて揺動しようとしても、衝突側(左側)を、支持体としての窓側エアバッグ41によって支持させることができることから、揺動を抑制された前方側エアバッグ31により、クッション効果を確保しつつ、的確に運転者DPを受け止めることができる。勿論、このような点を考慮しなければ、支持体を構成する窓側エアバッグ41(窓側エアバッグ装置A3)を配設させない構成としてもよい。
なお、支持体としては、窓側エアバッグ41を使用しなくともよく、例えば、側方側エアバッグ装置A1と同様の構成のエアバッグ装置を、助手席PSの左側(衝突側)に配置させ、作動時に、助手席PSの左側を覆うように膨張するこのエアバッグ装置のエアバッグを、支持体とする構成としてもよい。さらには、通常、助手席に着座した乗員の車外側を保護するように、助手席の背もたれ部に折り畳まれて収納される側突用エアバッグ装置のエアバッグを、支持体として使用する構成としてもよい。このように側突用のエアバッグを使用する場合、側突用のエアバッグの容量を衝突形態に応じて可変可能に構成して、通常の助手席に着座した乗員を保護する場合には小容量で膨張させる構成とし、離隔側乗員である運転者を保護する場合には大容量で膨張させ支持体とするように、構成することもできる。さらにまた、支持体として、窓側エアバッグを使用する場合にも、通常の頭部保護用のエアバッグとは異なり、実施形態のごとく窓W1,W2の全域を覆う構成ではなく、窓W1のみを覆う構成の窓側エアバッグを使用してもよい。さらにまた、支持体はエアバッグに限られるものではなく、例えば、作動時に、第2受け止め体を構成する前方側エアバッグの左側を覆うように、インパネの上面に突出して前方側エアバッグの左側を支持するような板状の部材等から、支持体を構成してもよい。
さらにまた、実施形態の乗員保護装置Mでは、側方側エアバッグ18と前方側エアバッグ31とが、作動完了時の側方側エアバッグ18の前端19aと前方側エアバッグ31の後端31aとを、車両の左右方向の投影状態で、重ねるように、配設される構成である。すなわち、実施形態の乗員保護装置Mでは、側方側エアバッグ18が移動する運転者DPに押されて、前端19a側を衝突側(左側)に向けるように移動した際に、側方側エアバッグ18の前端19aが前方側エアバッグ31の後端31aにおける右側面31bと当接することとなる。そのため、側方側エアバッグ18は、前端19a側を前方側エアバッグ31に支持された状態の拘束力を向上させた状態で、運転者DPを受け止めることができる。勿論、側方側エアバッグ18と接触した運転者DPがさらに左斜め前方に向かって移動する場合には、側方側エアバッグ18は、図10の二点鎖線に示すように、前端19a側の前方側エアバッグ31との当接状態を解除されるように、前端19aを衝突側(左側)に向けるように移動させつつ、運転者DPを、前方側エアバッグ31側に案内することとなる。そして、運転者DPは、側方側エアバッグ18により案内されて、前方側エアバッグ31の後端31aにおける右側面31b(後右角のエリア)と当接することとなり、この前方側エアバッグ31を後右角側から大きく凹ませるようにして、前方側エアバッグ31により受け止められることとなる。その結果、実施形態の乗員保護装置Mでは、左斜め前方に向かって移動してくる運転者DPを、拘束力を高めた側方側エアバッグ18で受け止めることができ、側方側エアバッグ18で受け止めきれなかった運転者DPは、側方側エアバッグ18の案内移動で運動エネルギーを吸収されて、その後に前方側エアバッグ31により受け止められることから、側方側エアバッグ18と前方側エアバッグ31とにより運転者DPを的確に受け止めることができる。
なお、実施形態では、側方側エアバッグ18は、前端19aを、前方側エアバッグ31の後端31aにおける右側面31bと接触させるようにして、膨張を完了させる構成であるが、勿論、図16に示すように、側方側エアバッグ18Cの前端19aと、前方側エアバッグ31Aの後端31aと、が、膨張完了時に、車両の左右方向の投影状態で、重ねるように、配設されるものの、相互に当接しない状態で、配設される構成としてもよい。さらには、図17に示すように、側方側エアバッグ18Dの前端19aと、前方側エアバッグ31Bの後端31aと、は、膨張完了時に相互に接触されるものの、車両の左右方向の投影状態で、相互に重ならないように、構成してもよい。さらにまた、上記点を考慮しなければ、側方側エアバッグの前端と前方側エアバッグの後端とは、車両の左右方向の投影状態で重ならず、かつ、左右方向で隙間を有した状態で、膨張完了時に相互に接触しない位置に配置される構成としてもよい。
なお、実施形態では、助手席の側方(左側)からの側面衝突時に、離隔側座席としての運転席に着座した運転者を離隔側乗員として保護する装置を例に採り説明したが、勿論、運転席の側方(右側)からの側面衝突時に、離隔側座席としての助手席に着座した乗員を、離隔側乗員として保護する装置に、本発明を適用してもよい。助手席に着座した乗員を離隔側乗員として保護する乗員保護装置の場合、第2受け止め体は、近接側座席としての運転席の前方に配置されるステアリングホイール用のエアバッグ装置のエアバッグを応用して、第1受け止め体を支持可能な構成に変更したエアバッグSA(図9の二点鎖線参照)から、構成されることとなる。勿論、助手席に着座した乗員を保護する乗員保護装置の場合にも、運転席の側方に、支持体を構成する窓側エアバッグ装置を配設させる構成とすることが好ましい。さらには、このような乗員保護装置は、車両の前席に着座した乗員を保護する装置に限られるものではなく、車両の後席に着座した乗員を保護するように、構成してもよい。
本発明の一実施形態である乗員保護装置が搭載される車両を上方から見た概略部分拡大平面図である。 実施形態の乗員保護装置に使用される側方側エアバッグ装置を示す衝突側から見た状態の概略縦断面図である。 図2の側方側エアバッグ装置に使用される側方側エアバッグを単体で膨張させた状態を示す衝突側から見た側面図である。 図3のIV−IV部位の断面図である。 図2の側方側エアバッグ装置において、側方側エアバッグが膨張を完了させた状態を示す衝突側から見た側面図である。 実施形態の乗員保護装置に使用される前方側エアバッグ装置を示す衝突側から見た状態の概略縦断面図である。 実施形態の乗員保護装置に使用される窓側エアバッグ装置を示す車内側から見た概略側面図である。 図7の窓側エアバッグ装置において、窓側エアバッグが膨張を完了させた状態を示す側面図である。 実施形態の乗員保護装置が搭載される車両において、側面衝突時に、側方側エアバッグと、前方側エアバッグと、窓側エアバッグと、が、膨張を完了させた状態を示す上方から見た概略部分拡大平面図である。 実施形態の乗員保護装置が搭載される車両において、側面衝突時に、運転者の移動状態を示す概略部分拡大平面図である。 第1受け止め体の変形例として、遮蔽材を搭載させた運転席の衝突側から見た側面図である。 図11の遮蔽材を単体で平らに展開した状態と折り畳んだ状態とを示す衝突側から見た図である。 図11の遮蔽材の展開完了状態を示す運転席の衝突側から見た側面図である。 側方側エアバッグの変形例を示す上方から見た概略部分拡大平面図である。 側方側エアバッグの更なる変形例を示す運転席の衝突側から見た側面図である。 側方側エアバッグと前方側エアバッグとの変形例を示す上方側から見た概略部分拡大平面図である。 側方側エアバッグと前方側エアバッグとのさらなる変形例を示す上方側から見た概略部分拡大平面図である。
符号の説明
18…側方側エアバッグ(第1受け止め体)、
19a…前端、
31…前方側エアバッグ(第2受け止め体)、
31a…後端、
41…窓側エアバッグ(支持体)、
49…遮蔽材(第1受け止め体)、
A1…側方側エアバッグ装置、
A2…前方側エアバッグ装置、
A3…窓側エアバッグ装置、
DS…運転席(離隔側座席)、
DP…運転者(離隔側乗員)、
PS…助手席(近接側座席)、
M…乗員保護装置。

Claims (5)

  1. 左右方向に沿って座席を並設させた車両に搭載されて、走行時の左右方向の一方側からの側面衝突時に、衝突側から遠い離隔側座席に着座した離隔側乗員を保護可能な乗員保護装置であって、
    衝突時の衝突側における左右方向の側方から斜め前方に向かう範囲内の方向への前記離隔側乗員の移動に対応して、作動時、衝突側に近い近接側座席と前記離隔側座席との間における前記離隔側乗員の衝突側から前方側に延びるスペースに配置される第1受け止め体と、前記近接側座席の前方に配置される第2受け止め体と、を備えて構成され、
    前記第1受け止め体が、移動当初時の前記離隔側乗員を受け止め可能に、若しくは、さらに移動する前記離隔側乗員を前記第2受け止め体側へ案内可能に、作動時に、前記近接側座席と前記離隔側座席との間の収納部位から突出して、配置される構成として、
    前記第2受け止め体が、前記第1受け止め体によって案内された前記離隔側乗員を受け止め可能に、作動時、膨張用ガスを流入させて、前記近接側座席の前方の収納部位から後方側へ突出して膨らむ前方側エアバッグとして、構成されていることを特徴とする乗員保護装置。
  2. 前記第1受け止め体が、作動時、膨張用ガスを流入させて、前記近接側座席と前記離隔側座席との間の収納部位から膨らんで配置される側方側エアバッグとして、構成されていることを特徴とする請求項1に記載の乗員保護装置。
  3. 前記第1受け止め体が、作動完了時の後端側を車両側に固定され、前端側を、前記離隔側乗員を前記第2受け止め体側へ案内可能とするように、左右方向に移動可能な自由端として、配設されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の乗員保護装置。
  4. 前記第2受け止め体の作動完了時における衝突側で、前記第2受け止め体を支持可能な支持体が、周囲の収納部位から突出するように、構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
  5. 前記第1受け止め体と前記2受け止め体とが、作動完了時の前記第1受け止め体の前端と前記第2受け止め体の後端とを、車両の左右方向の投影状態で、重ねるように、配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の乗員保護装置。
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