JP2009216339A - 建物の空調設備及びそれを備えた建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な空調性能が得られるだけでなく、空調実施時の快適性を向上させるとともに、要求に応じた放熱量が得られる建物の空調設備を得る。
【解決手段】一階部分と二階部分との間の階間空間Kは空調空間とされ、室内機31から送風ダクト32を通じて送風される空調空気によって空調される。この空調された階間空間Kの熱は、各部屋17,18に設置された放熱板51〜53により室内に向けて放射され、それにより室内が空調される。そして、放熱板51〜53の放熱面上には遮熱板61が移動可能に設置されており、遮熱板61が移動するとその遮熱板61によって放熱面の全部又は一部が覆い隠される。その覆い隠される面積を変更すれば放熱面の放熱面積が変更され、それによって放熱量が調整される。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の空調設備及びそれを備えた建物に関する。
一般に、建物では、居室等の部屋を空調設備によって空調(冷暖房など)することが行われている。この種の空調設備としては、床下や天井裏の空間、一階部分と二階部分との間の階間空間に空調用配管(管状ダクト)が設置され、その空調用配管を通じて部屋に空調空気を送風する構成が一般的である。例えば、特許文献1には、空調室内機、及びその空調室内機と吹出し口とをつなぐダクトが天井裏に設けられ、ダクトを通じて室内に冷温風が吹き出されるようになっている。
特開平10−266351号公報
しかしながら、上記従来技術のように、室内機と吹出し口とを管状のダクトでつなぐ一般的なダクト構造を採用した場合、直管部分における直管抵抗や、曲がり部分における局部抵抗に起因して大きな圧力損失が発生する。このため、その圧力損失に伴って空調性能が低下してしまうという問題が生じる。
そこで、本発明は、良好な空調性能が得られるだけでなく、空調実施時の快適性を向上させるとともに、要求に応じた放熱量が得られる建物の空調設備、及びそれを備えた建物を提供することを主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、第1の発明では、仕切り材によって仕切られた部屋と、前記仕切り材を隔てて前記部屋と隣接し、同仕切り材の面方向に広がる部屋裏空間と、を備えた建物に適用される空調設備であって、前記部屋裏空間に空調空気を供給する空調装置と、前記部屋裏空間の熱を伝導し前記部屋に向けて放射する放熱部材と、前記放熱部材による放熱量を調整する放熱量調整手段と、を備えている。
この第1の発明によれば、空調装置から部屋裏空間に空調空気が供給されることにより、同空間が空調空間となる。その部屋裏空間では、同空間が仕切り材の面方向に広がっているために、空調空気が流通する際の圧力損失が低減される。このため、従来技術のように空調用配管(管状ダクト)だけで送風を実施する場合に比べ、空調設備における圧力損失を低減させて、空調性能を向上させることができる。
また、本発明では、空調空気を部屋内に送風するのではなく、放熱部材によって部屋裏空間の熱が部屋に放射されることによりその部屋が空調(具体的には、冷暖房)される。この場合、風が人に直接当たらないため、それによる不快感を解消して、空調実施時の快適性を向上させることができる。その上、放熱量調整手段により、部屋の熱負荷や建物利用者の嗜好などの要求に応じて放熱部材による放熱量を調整することが可能となり、部屋の空調を好適に実施できる。
第2の発明では、前記放熱部材に対して重ね合わせ可能に設けられる断熱部材を備え、前記放熱量調整手段は、前記放熱部材と前記断熱部材との重ね合わせ部分の大きさを調整することで放熱量調整を行っている。
この第2の発明によれば、放熱部材と断熱部材との重ね合わせ部分の大きさを調整するという簡易な構成により、放熱量の調整を好適に実施できる。
第3の発明では、前記断熱部材は前記放熱部材に沿って移動可能な板状部材である。
この第3の発明によれば、板状部材である断熱部材を放熱部材に沿って移動させると、その断熱部材と放熱部材との重ね合わせ部分の大きさが調整される。それにより、放熱部材の放熱領域の大きさが調整され、放熱量はその放熱領域の大きさに応じて調整される。これにより、例えば断熱部材を任意の位置で停止可能とすれば、細やかな放熱量調整を実施できる。
第4の発明では、前記断熱部材は複数のスラットよりなり、各スラットの角度を前記放熱部材と平行をなす状態から任意の角度に調整可能となっている。
この第4の発明によれば、各スラットが任意の角度に調整されると、放熱部材と断熱部材との重ね合わせ部分の見かけの大きさが調整される。それにより、放熱領域の見かけの大きさが調整され、放熱量はその放熱領域の見かけの大きさに応じて調整される。この場合でも、スラットを任意の角度に調整して、細やかな放熱量調整を実施できる。なお、各スラットは高断熱性材料により形成されている。
第5の発明では、前記放熱量調整手段は、前記放熱部材の熱伝導率を切替可能とする構造よりなる。
この第5の発明によれば、放熱部材の熱伝導率が切り替えられることにより、放熱部材は部屋裏空間の熱を切替前とは異なる熱伝導率で伝えて、部屋に放射することが可能となる。このため、放熱領域の大きさを連続的に変化させるような細やかな調整は困難としても、熱伝導率の異なる部位を増やすことで放熱量調整の幅を広げることができる。
第6の発明では、前記放熱部材は、前記部屋裏空間と接する熱伝導部と、異なる熱伝導率を有する複数の部位からなり、その一の部位が前記熱伝導部と接触するとともに、その接触部を変更可能とした熱伝導調整部と、を備えている。
この第6の発明によれば、部屋裏空間の熱は熱伝導部によって伝わった後、熱伝導部と接触している部位の熱伝導率にしたがって熱伝導調整部を伝わり、その後、部屋に向けて放射される。そして、熱伝導部と接触する部位を変更すればその部位の熱伝導率にしたがって熱伝導されるため、放熱量を調整できる。これにより、熱伝導率を切替可能とする構造を好適に実現できる。
第7の発明では、前記部屋裏空間は前記仕切り材である天井材を隔てて前記部屋と隣接して設けられる天井裏空間であり、前記放熱部材はその一部が前記部屋の天井側に露出して設けられている。
この第7の発明によれば、放熱部材の一部(例えば、放熱面)が部屋に露出しているため、天井材による熱のロスを防止できる。しかも、放熱部材が部屋の天井側に設けられているため、空調設備を利用して部屋を冷房する場合に、その部屋の天井側が冷やされることになる。これにより、自然対流を生じさせて部屋全体に冷気を行き渡らせ、部屋の温度分布を均一化させることができる。
第8の発明では、前記部屋裏空間は前記仕切り材である床材を隔てて前記部屋と隣接して設けれる床下空間であり、前記放熱部材は前記床材を構成する床仕上げ材の下に設けられている。
この第8の発明によれば、放熱部材が床仕上げ材の下に設けられているため、放熱部材の放熱面が床に露出しない。これにより、放熱部材から放射される熱が床仕上げ材によって緩和され、熱放射を好適に実施できる。しかも、空調設備を利用して部屋を暖房する場合に、一般的な床暖房と同様に足元から部屋を暖めることになり、部屋の快適性を向上させることができる。
第9の発明では、前記部屋裏空間は床下空間、天井裏空間、壁内空間等の非居住空間であり、その非居住空間は外部から閉鎖された空間となっている。
この第9の発明によれば、前記部屋裏空間は床、天井裏、壁内部等の非居住空間であるため、当該空間では空調用配管(管状ダクト)を設ける必要がない。これにより、空調設備における圧力損失をより一層低減させることができる。
第10の発明では、前記仕切り材を隔てて前記部屋と隣接する床下空間、天井裏空間、壁内空間等の非居住空間に、同空間が広がる方向に拡張された扁平形状をなす空調用チャンバが設置され、その空調用チャンバの内部空間を前記部屋裏空間とした。
この第10の発明によれば、仕切り材を隔てて部屋と隣接する非居住空間に空調用チャンバが設置され、そのチャンバ内空間が部屋裏空間となっている。非居住空間それ自体を空調する場合には同空間を閉鎖空間とするための作業が必要となるが、この発明ではそのような作業が不要となる。これにより、施工の作業性に優れた空調設備を得ることができる。
第11の発明では、上記いずれかの空調設備を備えた建物であって、空調対象となる部屋ごとに前記放熱部材が設けられ、各放熱部材の放熱量は前記放熱量調整手段により部屋ごとに調整可能となっている。これにより、部屋ごとの熱負荷に応じて放熱量を調整できるという空調性能に優れた建物が得られる。
以下に、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態では、鉄骨ユニット工法にて構築された二階建てユニット式建物に具体化されている。
まず、ユニット式建物の概要を図4に示す。このユニット式建物10は複数の建物ユニット20を結合させてなる建物本体11と、この建物本体11の上方に配設される屋根12とにより構成されている。建物本体11では、一階部分及び二階部分それぞれの屋内空間が内壁16によって複数に区画され、それにより各階に複数の部屋17,18(例えば、居室、廊下、洗面室、トイレ等)が設けられている(後述する図1参照)。
図5は、建物ユニット20の構成を示す斜視図である。建物ユニット20は工場にて予め製造されるもので、工場からトラック等で建築現場に運搬された後、その現場で結合(据付)作業が実施され、前記建物本体11が形成される。
この建物ユニット20において、その四隅には柱21が配され、各柱21の上端部及び下端部がそれぞれ四本の天井大梁22及び床大梁23に連結されている。そして、それら柱21、天井大梁22及び床大梁23により直方体状の骨格(フレーム)が形成されている。柱21は四角筒状の角形鋼よりなる。また、天井大梁22及び床大梁23は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして設置されている。天井大梁22(詳細には、溝形鋼のウエブ)には、複数箇所に直径100mm程度の梁貫通孔22aが設けられている。
建物ユニット20の長辺部の相対向する天井大梁22の間には、所定間隔で複数の天井小梁25が架け渡されている。同じく建物ユニット20の長辺部の相対向する床大梁23の間には、所定間隔で複数の床小梁26が架け渡されている。天井小梁25と床小梁26とはそれぞれ同間隔でかつ各々上下に対応する位置に水平に設けられている。図5では図示されていないが、天井小梁25によって天井材が支持され、床小梁26によって床材が支持されるようになっている。
本実施形態のユニット式建物10では、全館空調システムが採用されている。この空調システムの空調設備では、一階部分と二階部分との間の階間空間や、部屋を区画する内壁の壁内空間が空調空間とされ、その階間空間や壁内空間の熱が放熱板によってそれらの空間と隣接する部屋に放射されるようになっている。以下、その空調設備について詳しく説明する。
まず、本空調システムにおいて、階間空間や壁内空間を空調するための構成を、図1に基づいて説明する。なお、図1はユニット式建物10の概略縦断面図である。図1では、上下階それぞれ、同一サイズを有する一組の建物ユニットU1,U2と、それより小さいサイズの建物ユニットU3とが連結され、隣接する天井大梁22同士、及び床大梁23同士がそれぞれ向かい合わせとなっている。そして、図示の構成では、中央の建物ユニットU2に二つの部屋17,18が設定され、左右の建物ユニットU1,U3にそれぞれ一つの部屋17,18が設定されている。
この図1に示されているように、空調空気を生成する空調室内機31は二階部分の天井裏空間Tに設置され、その室内機31には空調空気を送風する送風ダクト32及び、空気を吸い込む一対の吸込ダクト33,34の一端が接続されている。送風ダクト32の他端である吹出し口36と第1吸込ダクト33の他端である吸込み口37は、下階(一階)側の天井材27と直上階(二階)側の床材28との間に形成された階間空間Kに設けられている。なお、階間空間Kはその一階部分の部屋17の天井裏空間と、二階部分の部屋18の床下空間が合わさった空間である。
その階間空間Kの構成について詳しくは次の通りである。階間空間Kには、一階側ユニットの天井大梁22及び天井小梁25(図1では略す)と、二階側ユニットの床大梁23及び床小梁26(図1では略す)とが設置されている。一階側ユニットの天井大梁22と二階側ユニットの床大梁23によって階間空間Kはユニットごと複数(図1ではK1〜K3の3つ)に区画されている。そのように区画されてなる各階間空間部K1〜K3は、天井大梁22と床大梁23との間の隙間41や天井大梁22に形成された梁貫通孔22aを介して連通している。
この階間空間Kでは、その外縁となる天井大梁22及び床大梁23、すなわち建物10の外壁に沿って設けられる天井大梁22及び床大梁23について、両者間の隙間41が閉塞部材42によって閉塞されている。また、図示は省略されているが、天井大梁22の梁貫通孔22aも同様に閉塞されている。これにより、階間空間Kはその全体が閉鎖空間とされ、同空間Kから他の空間へ空調空気の流出が抑制されている。なお、同一階に設けられた全ての部屋のうち、一の又は複数の特定された部屋が空調対象となっている場合、その空調対象となる部屋に合わせた領域が閉鎖領域とされ、その領域内が空調空間とされる。この場合も、設定された閉鎖領域の外縁で隙間41を閉塞するなどして空気流出が抑制される。
各階間空間部K1〜K3のうち一の階間空間部K1に、前記送風ダクト32の吹出し口36が設けられ、それとは別の階間空間部K3に第1吸込ダクト33の吸込み口37が設けられている。このため、室内機31から送風ダクト32を通じて一の階間空間部K1に空調空気が導入されると、その空気は隙間41を通じて他の階間空間部K2,K3を流通した後、第1吸込ダクト33を通じて室内機31に戻される。このように、室内機31、送風ダクト32、各階間空間部K1〜K3、第1吸込ダクト33、室内機31という一連の空気循環経路が形成されており、これにより階間空間Kの全体が空調されるようになっている。
また、図示の構成では、二階部分の一の部屋18aを区画する内壁16の壁内空間Wに前記送風ダクト32が設置されている。なお、以下でこの部屋18aを特定して説明する場合には、便宜上、第1居室18aとして説明する。
送風ダクト32が設置された壁内空間Wでは、壁材29等に対して隙間を塞ぐなどの措置が施されており、壁内空間Wからの空気流出が抑制されている。そして、壁内空間Wでは送風ダクト32が分岐して空間W内で開口するとともに、第2吸込ダクト34の他端が空間W内で開口している。このため、壁内空間Wにも空調空気が導入されるとともに、その内部の空気が第2吸込ダクト34を通じて室内機31に戻されるという、空気の循環経路が形成されている。これにより、送風ダクト32が設置された壁内空間Wも空調されるようになっている。
次に、このように空調された階間空間Kや壁内空間Wの熱を部屋17,18に放射する放熱部材としての放熱板に関する構成を、図2及び図3を参照しつつ説明する。
ここで、図1に示されているように、本実施形態の放熱板は3種類ある。すなわち、階間空間Kの熱を一階部分の部屋17に向けて天井側から放射する放熱板51、同じく階間空間Kの熱を二階部分の部屋18に向けて床側から放射する放熱板52、及び壁内空間Wの熱を第1居室18aに向けて壁側から放射する放熱板53である。これら各放熱板51〜53は概ね同じ構成を有している。そこで、まずは一階天井側の放熱板51に関する構成を説明する。なお、図2(a)は放熱板51を見上げた場合の平面図であり、図2(b)はそのA−A線断面図である。図2(b)では、放熱板51の周囲の構成も併せ示している。
なお、床面積、吹き抜けの有無、窓等の開口部の有無やその占有面積などの各種要因によって熱負荷は部屋17ごとで異なる。このため、部屋17の熱負荷に応じて放熱板51の平面サイズを変更することが可能である。前述した図1では、部屋17の床面積に応じて異なる平面サイズの放熱板51が図示されている。
図示の如く、一階部分の部屋17の天井には、天井材27に形成された開口部56に放熱板51が設けられている。放熱板51は例えば平面視において四角形状をなし、銅、アルミニウムの金属材料等、熱伝導性が比較的高い材料からなる板材により形成されている。この放熱板51はその下面が天井面と面一となるようにして、開口部56を形成する天井材内面や天井小梁25と接着、ネジ固定、溶接等によって接合され、その下面を室内に露出させている。そして、放熱板51は、同放熱板51が設置された部屋17と対応する階間空間部K1〜K3に上面が接しており、階間空間部K1〜K3の熱が放熱板51の上面から下面に伝導される。そして、その下面に伝導した熱が部屋17にその天井側から放射される。このため、放熱板51の下面が放熱面となっている。
ところで、この放熱板51には放熱量調整機構が設けられ、この放熱量調整機構により放熱板51の下面(放熱面)による放熱量が調整可能となっている。そこで次に、放熱量調整手段としての放熱量調整機構の構成を、前記図2(a)及び(b)を参照しつつ説明する。
図示の如く、放熱量調整機構は、放熱板51に対して重ね合わせ可能に設けられる断熱部材としての遮熱板61と、その遮熱板61の移動を案内する案内装置62と、遮熱板61を移動させる駆動装置63とを備えている。
遮熱板61は放熱板51よりも大きい平面面積を有する平面視四角形状をなし、高密度グラスウール等の高断熱性材料を主体とする板状部材である。なお、真空断熱材、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム(発泡系断熱材)、ポリエチレン等からなる板材を用いることも可能である。遮熱板61は放熱板51の放熱面と接しながら一方向へ移動可能に設けられており、放熱面全域が露出した第1位置から、その放熱面全域が覆い隠される第2位置までが移動範囲となっている。
前記案内装置62は天井材27の天井面において、放熱板51の両側(遮熱板61の前記移動方向と直行する方向の両側)にそれぞれ設けられている。両案内装置62は遮熱板61の移動方向に沿ったレール状をなし、両者が互いに平行をなすように配置されている。この案内装置62には、モータ等からなる前記駆動装置63と連結された移動機構(例えば、歯車機構や牽引機構等)が内蔵されており、駆動装置63の駆動とその移動機構とによって遮熱板61はその移動範囲内で移動可能となっている。そして、駆動装置63の駆動を停止させれば、遮熱板61の移動も停止されるため、任意の位置で停止させることが可能である。なお、駆動装置63の駆動及び停止は、通常、コントローラ(図示略)の指示によって実行される。この場合、コントローラによる指示は、例えば、建物利用者等による人為的な操作や、各種センサ装置からの情報に基づく自動制御処理に基づいて実行される。
次に、他の放熱板52,53、すなわち二階床側の放熱板52、及び第1居室18aの壁側の放熱板53に関する構成について説明する。これらの放熱板52,53の構成は、前述したように上記一階天井側の放熱板51と概ね同一であるため、それとは異なる部分を中心に説明する。なお、図3は二階床側の放熱板52の断面図である。
図3に示されているように、二階床側の放熱板52は、前記一階天井側の放熱板51とは上下を逆にした構成となっており、放熱板52の上面が放熱面となっている。また、天井材27ではなくパーティクルボード等の床下地材28aに放熱板52を設置する開口部57が設けられ、その開口部57に放熱板52が設置されている。そして、床下地材28aの上に遮熱板61及び案内装置62が設けられ、その上にフローリング材等の床仕上げ材28bが設置されている。このため、二階部分の部屋18では、放熱板52の放熱面から放射される熱は、その放熱面と床仕上げ材28bとの間の空間部58と、床仕上げ材28bとを介して間接的に部屋18に放射されることになる。
一方、第1居室18aの壁側の放熱板53は、前記一階天井側の放熱板51を鉛直方向に立てた構成となっている。この場合、壁面と平行をなす面が放熱面となっており、その面が室内に露出している。その平面図は図2(a)の図示と同じとなる。断面図の図示については省略するが、この場合、天井材27ではなく壁材29に放熱板53を設置する開口部が設けられている。かかる放熱板53によると、壁内空間Wの熱が第1居室18aに壁面側から放射されることになる。
以上のように構成された放熱板51〜53により、空調された階間空間Kや壁内空間Wの熱が各部屋17,18に向けて放射される。それとともに、各放熱板51〜53には、前述した構成を有する放熱量調整機構が設けられている。これにより、遮熱板61が第1位置に配置されると、放熱板51〜53の放熱面全域が露出してその全域が放熱領域となるため、階間空間部K1〜K3や壁内空間Wの熱が最大限に放射される。また、遮熱板61が第2位置に配置されると、放熱板51〜53の放熱面全域が覆い隠されて放熱領域がなくなり、階間空間部K1〜K3や壁内空間Wの熱の放射は最小限に抑えられる。そして、両位置の間の任意の位置に遮熱板61が配置されると、放熱板51〜53の放熱面の一部が覆い隠されるため、残りの部分が放熱領域となる。その場合、放熱領域の大きさ(放熱面積)に応じた熱放射がなされる。
このように遮熱板61を第1位置と第2位置との間で移動させることにより、遮熱板61によって放熱面が覆い隠される面積(両者の重ね合わせ部分の大きさ)が変更され、それにより放熱面における放熱領域が変更される。そして、放熱領域が変更されれば放熱量も変更されることになる。したがって、遮熱板61の移動により、放熱量を変更することができる。
そして、放熱量調整機構による放熱量の調整は、その放熱量調整機構が有するコントローラ(図示略)の制御により、部屋ごとで個別に実施される。この場合、放熱板51〜53に設置された全ての放熱量調整機構が、集中コントローラ(図示略)により集中制御されるようにしてもよい。
以上の構成により、本実施の形態によれば、以下に示す有利な効果が得られる。
天井材27や床材28の面方向に広がる階間空間K、及び壁材29の面方向に広がる壁内空間Wが空調空間とされている。そして、これら各空間は管状ダクトやチャンバ等に比べて広範囲に広がる空間であり、その中でも複数の部屋にまたがって広がる階間空間Kは特に範囲が広い。このような空間が空調空間とされるため、送風の際の圧力損失が大きく低減される。このため、従来技術のように管状ダクトだけで送風を実施する場合に比べ、空調設備における圧力損失を低減させて、空調性能を大きく向上させることができる。
階間空間Kや壁内空間Wの空調空気が部屋に送風されるのではなく、放熱板51〜53により、それら各空間の熱が空調対象となる部屋の室内に放射され、それにより室内が空調(具体的には、冷暖房)される。このため、風が室内の人に直接当たらず、それによる不快感を解消して、空調実施時の快適性を向上させることができる。
遮熱板61を放熱板51〜53の放熱面に沿って移動させると、その遮熱板61によって放熱面が覆い隠される面積は変更される。すると、放熱面の放熱領域も変更されるため、それによって放熱面から放射される放熱量が調整される。この場合、放熱板51〜53が設置された部屋の熱負荷や建物利用者の嗜好など、要求に応じて放熱板51〜53からの放熱量を調整することが可能となり、部屋の空調を好適に実施できる。そして、放熱量調整は、放熱面に対して遮熱板61を重ね合わせてその重ね合わせ部分の大きさを変更するという簡易な構成により行われる点で好適であるし、遮熱板61は任意の位置で停止可能なっているため、細やかな放熱量調整を実施することもできる。
一階部分の部屋17ではその天井側に放熱板51が設けられているため、部屋17を冷房する場合に、その部屋17の天井側が冷やされることになる。これにより、自然対流を生じさせて部屋17全体に冷気を行き渡らせ、部屋17の温度分布を均一化させることができる。しかも、放熱板51の放熱面が部屋に露出しているため、天井材27による熱のロスを防止できる。
二階部分の部屋18では床仕上げ材28bの下に放熱板52が設けられているため、放熱板52の放熱面が床に露出しない。これにより、放熱板52から放射される熱が床仕上げ材28bによって緩和され、熱放射を好適に実施できる。しかも、部屋18を暖房する場合に、一般的な床暖房と同様に足元から部屋18を暖めることになり、部屋18の快適性を向上させることができる。
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示す形態によって実施することもできる。
(放熱量調整機構の別例)
上記実施形態の放熱量調整機構は、遮熱板61が一方向に移動することで放熱領域の大きさが変更される構成であるが、放熱量調整機構としてその他の構成を採用してもよい。その構成例を図6及び図7を参照しながら説明する。なお、これら各図は天井側の放熱板が図示されており、天井小梁25等の周辺構成は省略されている。
第1の例は、図6に示されているように、放熱部材としての放熱板71上に放熱量調整機構としてのシャッタ装置72が設置された構成である。なお、図6(a)はシャッタ装置72を見上げた場合の平面図、図6(b)はそのB−B線断面図である。
図示されたように、シャッタ装置72は、平面視において放熱板71の放熱面よりも面積の大きい四角板状をなすシャッタカーテン73を有している。断熱部材としてのシャッタカーテン73は放熱面上で同放熱面を覆うとともに、同放熱面と面接触するように設置されている。シャッタカーテン73は前述した遮熱板61と同じく高断熱性材料により形成されており、このシャッタカーテン73により放熱板71の放熱面からの熱放射を最小限に抑えることが可能となっている。
このシャッタカーテン73は長尺状をなす多数のスラット74により構成されている。すなわち、各スラット74はスラット表面が放熱面と平行に配置された状態で、長辺側同士を突き合わせて並設されることによりシャッタカーテン73が構成されている。天井材27の天井面には、シャッタカーテン73のスラット短辺側の両側に各スラット74を支持するスラット支持装置75が設けられている。
スラット支持装置75の一方にはスラット74ごとに角度調整軸76が設けられており、角度調整軸76によって各スラット74の角度(放熱面に対する角度)が調整可能となっている。各角度調整軸76は、モータ等からなるスラット駆動部77によって統一的に回転駆動されるように構成されている。このため、スラット駆動部77の駆動により、すべての角度調整軸76が同一方向かつ同一角度で回転し、各スラット74は放熱面と平行をなす状態から任意の角度に一斉に調整されるようになっている。
以上の如く構成されたシャッタ装置72により、各スラット74が放熱面と平行に配置された状態では(図6(a)及び(b)の左図参照)、放熱面の全域が各スラット74によって覆い隠される。このため、階間空間部K1〜K3や壁内空間Wの熱の放射は最小限に抑えられる。一方、各スラット74のスラット角度が調整されると、平面視において放熱面の一部が露出する(図6(a)及び(b)の右図参照)。そして、各スラット74のスラット角度により、見かけの放熱領域(すなわち、放熱板71とシャッタカーテン73との重ね合わせ部分の見かけの大きさ)は変更される。これにより、見かけの放熱領域の大きさに応じた熱放射がなされる。
第2の例は、図7に示されているように、放熱部材としての放熱板81が、階間空間Kに接する熱伝導板82と、熱伝導板82上に設置された熱伝導調整板83とを備えた構成である。なお、図7(a)は放熱板81を見上げた場合の平面図であり、図7(b)はそのC−C線断面図である。
図示されたように、熱伝導部としての熱伝導板82は、平面視において四分円形状をなすその下面が天井面と面一となるようにして天井材27に設置されている。そして、熱伝導調整部としての熱伝導調整板83は円板状をなし、平面視において熱伝導板82の下面よりも面積の大きい四分円形状をなす四つの調整板部83a〜83dが接着等の接合により組み合わされてなる。熱伝導調整板83は一の調整板部(図示では調整板部83a)が熱伝導板82の下面を覆い隠し、かつその下面と面接触するように設置されている。各調整板部83a〜83dは、それぞれ異なる熱伝導率を有する材料により形成されている。この場合、前述した遮熱板61と同じ高断熱性材料により一の調整板部が形成されるようにしてもよい。
熱伝導調整板83は円板駆動部84により回転可能に支持されている。詳しくは、円板駆動部84は天井材27を挟んで部屋の反対側(階間空間側)に設けられたモータ等からなり、その回転出力軸85が熱伝導調整板83の中心部に取り付けられている。この回転出力軸85は鉛直方向を中心軸としており、円板駆動部84の駆動により熱伝導調整板83はその中心軸を中心として回転駆動される。そして、熱伝導調整板83の回転により、放熱面上に配置される調整板部83a〜83dが変更される。
以上の如く構成された放熱板81により、熱伝導板82の下面に伝わった熱はその下面上に配置された調整板部83aが有する熱伝導率で熱伝導され、当該調整板部83aの非接触面から放射される。そして、熱伝導調整板83を回転駆動させて別の調整板部(調整板部83b〜83dのいずれか)を下面上に配置させれば、調整板部での熱伝導率が異なるため、非接触面から放射される放熱量を調整することができる。
なお、この第2の例では四分円形状をなす熱伝導板82及び調整板部83a〜83bが用いられているが、両者の形状は特に限定されるものではなく、例えば半円形状や四角形状であってもよい。四角形状をなす調整板部が用いられた場合には、各調整板部を一方向に並べた状態で接合し、調整板部が並ぶ方向に沿って熱伝導調整板83を移動させるように構成してもよい。その他、放熱板81を熱伝導板82と熱伝導調整板83とで構成するのではなく、異なる熱伝導率を有する複数の部位から構成された円板状の放熱板を設け、それを天井材27に設置した構成を採用してもよい。
(空調空間の別例)
上記実施の形態では、階間空間Kや壁内空間Wが空調空間とされているが、階間空間Kや壁内空間Wの非居住空間に、それらの空間が広がる方向に拡張された扁平状をなす空調用チャンバが設置された構成を採用してもよい。その構成例を、図8に示した建物の概略縦断面図を用いて次に説明する。
図示の構成では、天井大梁22及び床大梁23によって建物ユニット20ごとに区画形成された各階間空間部K1〜K3、及び第1居室18aを区画する内壁16の壁内空間Wに、それぞれ空調用チャンバ91が設置されている。
各空調用チャンバ91はいずれも基本構造が同じであり、高断熱性・高気密性材料からなる複数の板材を扁平な直方体状に結合させて構成されている。各空調用チャンバ91は接続ダクト92により互いに接続され、この接続ダクト92を通じてチャンバ間の空調空気の流通が可能となっている。階間空間部K1〜K3に設置された空調用チャンバ91の間を接続する接続ダクト92は、天井大梁22に形成された梁貫通孔22a(図5参照)を貫通させて設置されている。階間空間K等の適宜の空間に設置された室内機93から一の又は複数の空調用チャンバ91に空調空気が導入され、それにより各空調用チャンバ91内が空調される。この場合、空調用チャンバ91の内部空間が空調される部屋裏空間となる。なお、チャンバ間での空調状態の均一化を促進させるため、チャンバ91の内部や接続ダクトに空気搬送用のファン装置(図示略)が設置されるとよい。
各空調用チャンバ91には、空調されたチャンバ内部の熱を空調対象となる部屋の室内に向けて放射する構成を備えている。次にその構成について詳しく説明する。
各空調用チャンバ91にはその空調対象となる部屋側を向く平面に、チャンバを構成する材料と同じ材料(高断熱性・高気密性材料)によって形成された放熱突部が設けられている。なお、階間空間部K1〜K3に設置された空調用チャンバ91では、一階二階の各部屋17,18側を向く下面及び上面がその平面にあたり、壁内空間Wに設置された空調用チャンバ91では、第1居室18a側を向く側面(図示の右側面)がその平面にあたる。各放熱突部はチャンバ内と連通して空調空気が導入される内部空間を備えており、その内部空間と接する放熱板97〜99が放熱突部の突出端に設けられている。
各放熱板97〜99は、それぞれが設置される位置に応じ、上記実施形態における各放熱板51〜53と概ね同じ構成を備えている。すなわち、一階部分の部屋17の天井側放熱板97、及び第1居室18aの壁側放熱板99は、その放熱面が室内に露出して設置され、その上に放熱量調整機構(例えば、上記遮熱板61を有する機構)が設置されている。また、二階部分の部屋18の床側放熱板98は、その上に放熱量調整機構が設置され、さらにその上に床仕上げ材28bが設置されている。
かかる構成では、チャンバ内の熱が放熱板97〜99に伝わり、その放熱面から直接又は間接的に室内に熱が放射される。それとともに、放熱量調整機構により、放熱面から放射される熱の放熱量を変更することも可能である。このため、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。それに加え、階間空間Kを空調空間とする場合、前述したように同階間空間Kを閉鎖空間とするための作業が必要となるが、この空調用チャンバ91が設置される構成ではそのような作業が不要となる。これにより、施工の作業性に優れた空調設備を得ることができる。
なお、このように空調用チャンバ91を設置する構成を採用した場合、放熱板97〜99に接するチャンバ91内の空間を複数に分割し、その分割チャンバ同士を制御弁等の流通調整部材(図示略)を介して連通させた構成を採用してもよい。これにより、空調用チャンバ91は放熱量調整機構を兼ね備えたものとなる。つまり、空調空気が導入される分割チャンバの数が流通調整部材の操作によって任意に変更されると、放熱板97〜99が空調空気に接する領域も変更されるため、それにより放熱量を調整することができる。この場合、一枚の放熱板97〜99において空調空気が接する領域を変更する構成としてもよいし、複数の放熱板97〜99が設けられてそれぞれに分割チャンバが設定されるようにしてもよい。
(その他の別例)
上記実施の形態では、壁側からの放熱対象となる部屋が第1居室18aに限定されていたが、第1居室18aだけでなく、その他の部屋17,18ついても、壁側からの放熱対象としてもよい。この場合、放熱対象となった部屋を区画する内壁16の壁内空間が空調される必要があるが、送風ダクトや吸込ダクトを増設したり、ダクトの取回し構成を工夫したりするなどによって対処することができる。
上記実施の形態では、第1居室18aを区画する内壁16に放熱板53が設けられているが、これを省略してもよい。また、壁側の放熱板53を設置する代わりに、天井側の放熱板51又は床側の放熱板52を省略してもよい。要は、空調対象となる部屋17,18に対し、天井側の放熱板51、床側の放熱板52及び壁側の放熱板53うち少なくともいずれかが設置されれば足りる。
上記実施の形態では、非居住空間である階間空間Kが空調空間とされ、前述した別例でもその階間空間Kに空調用チャンバ91が設置されているが、例えば、最下階(一階)の床下空間や最上階の天井裏空間T等、他の非居住空間を空調空間としたり、空調用チャンバ91が設置された構成としてもよい。
上記実施の形態では、室内機31が二階部分の天井裏空間Tに設置されているが、階間空間Kや床下空間等の他の空間に設置されるようにしてもよい。例えば、階間空間Kに設置されると送風ダクトや吸込ダクトを不要にすることも可能となり、その場合には空調設備における圧力損失を大きく低減させることができる。
上記実施の形態では、ユニット式建物10への適用例を説明したが、鉄骨軸組工法により構築される建物や、在来木造工法により構築される建物など、他の構造の建物にも適用することができる。
上記実施の形態では、放熱板51〜53が固定された構成を採用しているが、例えば可動式の放熱部材から熱放射される構成を採用してもよい。その構成例を図9の概略縦断面図に示す。なお、図9(a)及び(b)はそれぞれ放熱部材101の可動方式が異なる場合を示している。
図示の構成では、放熱部材101はその内部に空気流通部(図示略)を有する中空棒状体であり、部屋の天井側において長手方向が水平方向を向いた状態でその基端部が天井面に設置された回転支持体102に連結されている。この回転支持体102により、放熱部材101は回動可能に支持されている。なお、回転方向については後述する。回転支持体102にはモータ等の駆動装置(図示略)が内蔵されており、回転支持体102の駆動により放熱部材101は回転駆動する。そして、回転支持体102は壁で仕切られていないが種類の異なる二つの部屋(例えば、図示されたダイニングとキッチン等)の境界部に設置されている。
また、回転支持体102はその内部に階間空間Kの空調空気が導入されるとともに、その空調空気がさらに放熱部材101内の前記空気流通部に送られるように構成されている。放熱部材101は放熱板51〜53と同じく熱伝導性が比較的高い材料により形成されており、放熱部材101内に導入された空調空気の熱が放熱部材101の外周部から放射されるようになっている。
ここで、図9(a)に示された第1の可動方式では、回転支持体102により、放熱部材101が鉛直方向を中心軸として旋回可能に支持されている。このため、放熱部材101を旋回させることにより、二つの部屋のいずれかの天井側から熱放射して、その部屋を空調できる。
一方、図9(b)に示された第2の可動方式では、回転支持体102により、放熱部材101は平面視において長手方向と直交する方向(紙面に対する直交方向)を中心軸として回転可能に支持されている。この場合、各部屋の天井側で放熱部材101が水平方向を向いた状態に配置可能となるだけでなく、二つの部屋の境界部分で放熱部材101が鉛直方向を向いた状態に配置することも可能となる。これにより、前者の配置状態では第1の可動方式と同じく二つの部屋のいずれかの天井側から熱放射できるし、後者の配置状態では二つの部屋に対して同時に熱放射できる。
なお、上記構成では、放熱部材101は中空棒状体であるとしたが、これに代えて、中空でない棒状態又は板状体であってもよい。
ユニット式建物の概略縦断面図。 (a)は天井側放熱板を見上げた場合の平面図、(b)はそのA−A線断面図。 床側放熱板の断面図。 ユニット式建物の概要を示す斜視図。 建物ユニットの構成を示す斜視図。 (a)は放熱量調整機構の別例であるシャッタ装置を見上げた場合の平面図、(b)はそのB−B線断面図。 (a)は放熱量調整機構の別例である放熱板を見上げた場合の平面図、(b)はそのC−C線断面図。 階間空間に空調用チャンバが設置された別例を示す建物の概略縦断面図。 可動式の放熱部材が設置された別例を示す概略縦断面図。
符号の説明
10…ユニット式建物、17,18…部屋、27…天井材(仕切り材)、28…床材(仕切り材)、28b…床仕上げ材、29…壁材(仕切り材)、51〜53…放熱板(放熱部材)、61…遮熱板(断熱部材)、73…シャッタカーテン(断熱部材)、74…スラット、81…放熱板(放熱部材)、82…熱伝導板(熱伝導部)、83…熱伝導調整板(熱伝導調整部)、91…空調用チャンバ、K…階間空間(部屋裏空間)、W…壁内空間(部屋裏空間)。

Claims (11)

  1. 仕切り材によって仕切られた部屋と、
    前記仕切り材を隔てて前記部屋と隣接し、同仕切り材の面方向に広がる部屋裏空間と、
    を備えた建物に適用され、
    前記部屋裏空間に空調空気を供給する空調装置と、
    前記部屋裏空間の熱を伝導し前記部屋に向けて放射する放熱部材と、
    前記放熱部材による放熱量を調整する放熱量調整手段と、
    を備えていることを特徴とする建物の空調設備。
  2. 前記放熱部材に対して重ね合わせ可能に設けられる断熱部材を備え、
    前記放熱量調整手段は、前記放熱部材と前記断熱部材との重ね合わせ部分の大きさを調整することで放熱量調整を行う請求項1に記載の建物の空調設備。
  3. 前記断熱部材は、前記放熱部材に沿って移動可能な板状部材である請求項2に記載の建物の空調設備。
  4. 前記断熱部材は複数のスラットよりなり、各スラットの角度を前記放熱部材と平行をなす状態から任意の角度に調整可能となっている請求項2に記載の空調設備。
  5. 前記放熱量調整手段は、前記放熱部材の熱伝導率を切替可能とする構造よりなる請求項1に記載の建物の空調設備。
  6. 前記放熱部材は、
    前記部屋裏空間に接する熱伝導部と、
    異なる熱伝導率を有する複数の部位からなり、その一の部位が前記熱伝導部と接触するとともに、その接触部位を変更可能とした熱伝導調整部と、
    を備えている請求項5に記載の建物の空調設備。
  7. 前記部屋裏空間は前記仕切り材である天井材を隔てて前記部屋と隣接して設けられる天井裏空間であり、前記放熱部材はその一部が前記部屋の天井側に露出して設けられている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物の空調設備。
  8. 前記部屋裏空間は前記仕切り材である床材を隔てて前記部屋と隣接して設けられる床下空間であり、前記放熱部材は前記床材を構成する床仕上げ材の下に設けられている請求項1乃至6のいずれか1項に記載の建物の空調設備。
  9. 前記部屋裏空間は床下空間、天井裏空間、壁内空間等の非居住空間であり、その非居住空間は外部から閉鎖された空間となっている請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物の空調設備。
  10. 前記仕切り材を隔てて前記部屋と隣接する床下空間、天井裏空間、壁内空間等の非居住空間に、同空間が広がる方向に拡張された扁平形状をなす空調用チャンバが設置され、
    その空調用チャンバの内部空間を前記部屋裏空間とした請求項1乃至8のいずれか1項に記載の建物の空調設備。
  11. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の空調設備を備え、
    空調対象となる部屋ごとに前記放熱部材が設けられ、各放熱部材の放熱量は前記放熱量調整手段により部屋ごとに調整可能となっていることを特徴とする建物。
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