JP7278183B2 - 建築物の空調システム - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 〔1〕▲1▼公開日(頒布日) 令和1年7月11日 ▲2▼集会名、頒布場所 全国加盟店工務店大会・優秀工務店表彰式 ▲3▼刊行物 パンフレット 〔2〕▲1▼公開日(発表日) 令和1年7月11日 ▲2▼集会名、開催場所 全国加盟店工務店大会・優秀工務店表彰式 『第二部 エアサイクル本部より』説明発表 〔3〕▲1▼公開日(ウェブサイト掲載日) 令和1年7月17日 ▲2▼ウェブサイトのアドレス https://www.fukuvi.co.jp/news/ir/20190717 https://www.fukuvi.co.jp/download_file/2452/1156 https://www.fukuvi.co.jp/download_file/2453/1156 〔4〕▲1▼公開日(発行日) 令和1年7月16日 ▲2▼刊行物 新建ハウジングDIGITAL(電子版・ウェブサイトのアドレス) https://www.s-housing.jp/archives/170789 〔5〕▲1▼公開日(発行日) 令和1年7月17日 ▲2▼刊行物 日刊木材新聞(電子版・ウェブサイトのアドレス) https://jfpj.jp/mokuzai_news/5642 〔6〕▲1▼公開日(発行日) 令和1年7月18日/令和1年7月19日 ▲2▼刊行物 日本経済新聞(電子版・ウェブサイトのアドレス) https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47500850Y9A710C1LB0000/ 〔7〕▲1▼公開日(発行日) 令和1年7月22日 ▲2▼刊行物 日刊工業新聞(電子版・ウェブサイトのアドレス) https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00524709 〔8〕▲1▼公開日(発行日) 令和1年7月30日 ▲2▼刊行物 新建ハウジング 〔9〕▲1▼公開日(発行日) 令和1年8月8日 ▲2▼刊行物 日経産業新聞 〔10〕▲1▼公開日(発行日) 令和1年8月8日 ▲2▼刊行物 福井新聞(電子版・ウェブサイトのアドレス) https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/910701 〔11〕▲1▼公開日(発行日) 令和1年8月17日 ▲2▼刊行物 月刊建築技術
本発明は、建築物の空調システムに関するものである。
周知のように、例えば、戸建住宅等の建築物において、室内温度を効率的に維持するために、建築物自体の高断熱化、気密化の向上が進められている。
一方、戸建建築物において暖房機器等の空調装置により空気調和する場合、空気調和された居室と、空気調和されていない居室、トイレ、洗面所、ユニットバスとの間の温度差が大きくなってしまうといった問題があった。
そこで、特許文献1には、内部の住空間に内装材によって囲まれる部屋と、住空間を形成する断熱材と部屋を形成する内装材との間に設けられた躯体内空気層と、一階の床下空間に設置された放熱器を有する建築物の暖房システムが開示されている。
特許文献1に開示された建築物の暖房システムにおいては、放熱器によって加温された躯体内空気層の空気は、居室の上部吹出口から吹き出されるとともに、居室の開口から排出される。これにより、特許文献1に開示された建築物においては、居室同士あるいは居室と他の箇所との間の温度差を低減できる。
特開平9-257275号公報
しかしながら、上述したような特許文献1に開示された建築物では、上部吹出口から空気が吹き出されるため居室内が乾燥しやすくなるという問題が生じる。また、特許文献1に開示された建築物では、吹出口から吹き出された空気で生じる風に当たることで不快を感じる可能性がある。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、住空間の快適性を向上できる建築物の空調システムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、建築物に基礎断熱材、外張断熱材及び屋根断熱材によって気密可能に囲まれて住空間が形成され、前記住空間に内装材によって囲まれた部屋が設けられ、前記基礎断熱材、前記外張断熱材及び前記屋根断熱材と、前記内装材との間にそれぞれ隙間が形成されて互いに連通する床下空気層、壁躯体内空気層、天井・屋根裏空気層を含む躯体内空気層が形成され、前記床下空気層には、放熱器が設けられ、前記部屋は、前記躯体内空気層に対して非開口に設けられ、前記建築物の外皮平均熱貫流率は、0.56W/(m・K)以下であり、前記床下空気層は、前記建築物の周囲に立設された立上がり壁部と、床部と、前記立上がり壁部で囲まれた領域に設けられた底盤部とに囲まれて形成され、前記底盤部には、前記建築物の大引を支持する複数の柱状の基礎構造体が設けられている
また、本発明では、前記立上がり壁部には、スペーサーを介して土台が設置され、前記立上がり壁部と前記土台との間に前記床下空気層と前記壁躯体内空気層との連通部が形成される構成であってもよい。
また、本発明では、前記放熱器は、放熱器本体と、前記放熱器本体を前記底盤部から離間した状態で支持する支持部とを有する構成であってもよい。
また、本発明では、隣り合う前記部屋同士の隔壁内に、前記躯体内空気層の一部を形成するダクト内空気層が設けられている構成であってもよい。
また、本発明では、前記床下空気層と外部空間とを連通させる第1通気部と、前記第1通気部を開閉する第1開閉部と、前記屋根裏空気層と外部空間とを連通させる第2通気部と、前記第2通気部を開閉する第2開閉部とを有する構成であってもよい。
本発明では、住空間の快適性を向上することが可能になる。
本発明の実施形態に係る建築物の空調システムの概略構成を説明する縦断面図である。 建築物の空調システムの床下空間における概略構成を説明する斜視図である。 立上がり壁部21に設けられた第1通気部51の断面斜視図である。 外壁断熱材23の一部を内側から視た斜視図である。 屋根裏空気層36に露出して設けられた棟換気ボックス53の断面斜視図である。 底盤部11に設置された放熱器110の外観斜視図である。
以下、本発明の建築物の空調システムの実施の形態を、図1ないし図6を参照して説明する。
なお、以下の実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
図1は、本発明の実施形態に係る建築物の空調システムの概略構成を説明する縦断面図である。図2は、建築物の空調システムの床下空間における概略構成を説明する斜視図である。図において、符号10は建築物(戸建建築物)を、符号100は空調システムを示している。
建築物10は、図1に示すように、例えば、底盤部11と、底盤部11に立設された複数のコラム基礎(柱状基礎構造体)12と、コラム基礎12上に配置される大引14と、建築物10の周囲に立設される立上がり壁部21と、立上がり壁部21の上部にスペーサー(土台パッキン)15を介して配置される土台13と、立上がり壁部21に設けられる基礎断熱材22と、外張断熱材23と、屋根断熱材24と、外壁26と、部屋30とを備えている。
底盤部11は、立上がり壁部21で囲まれたエリアに設けられていて、底盤部11の内部には地中梁11Aが形成されている。
また、立上がり壁部21で囲まれ、底盤部11の上方に位置するとともに、後述する床材31を含む1階床板部(床部)40の下方に位置する空間は床下空気層(床下空間)34とされている。
図2に示すように、コラム基礎12は、円柱形状に形成され地中梁11Aの上に点在した状態で配置されている。そして、コラム基礎12の上部には大引14が配置され、コラム基礎12は大引14を下方から支持するように構成されている。床下空気層34に複数の柱状のコラム基礎12が点在して設けられているため、布基礎構造を採る場合と比較して床下空気層34において暖められた空気が小さい抵抗で広範囲に流動することが可能となる。
立上がり壁部21は、底盤部11に立設されたコンクリート製の壁部であり、建築物10の周囲を囲むように形成されている。立上がり壁部21の上部には、スペーサー15を介して土台13が配置されるとともに柱17が立設され、土台13には大引14及び柱17が連結されている。柱17の上部には桁16及び梁(不図示)が連結されている。土台13がスペーサー15を介して立上がり壁部21の上部に配置されることにより、土台13と立上がり壁部21との間に隙間(空気層)が形成される。
基礎断熱材22は、立上がり壁部21の外側及び内側のそれぞれに設けられている。立上がり壁部21の外側及び内側は、複数の基礎断熱材22によってそれぞれ全周に亘って覆われている。基礎断熱材22は、立上がり壁部21を打設する際の型枠として機能する。基礎断熱材22が立上がり壁部21の外側及び内側のそれぞれに設けられることにより、建築物10の外部に対する床下空気層34の断熱性を確保できるとともに、立上がり壁部21を打設した後の型枠を撤去する作業が不要になり作業効率が向上する。なお、建築物10を建築する地域や建築条件に応じて、立上がり壁部21の外側または内側のいずれかにのみ基礎断熱材22を設けてもよい。
図3は、立上がり壁部21に設けられた第1通気部51の断面斜視図である。
第1通気部51は、立上がり壁部21及び基礎断熱材22を同軸で貫通して設けられている。第1通気部51は、床下空気層34と外部空間との間を連通可能とする。第1通気部51は、図2に示すように、床下空気層34を介して対向する立上がり壁部21及び基礎断熱材22にそれぞれ設けられている。第1通気部51は、立上がり壁部21及び基礎断熱材22は、例えば、夏期において多い風向きの風上側及び風下側に配置された立上がり壁部21及び基礎断熱材22に設けられることが好ましい。第1通気部51の数としては特に限定されず、対向する立上がり壁部21及び基礎断熱材22にそれぞれ一つずつ以上であればよい。
各第1通気部51は、当該第1通気部51を開閉する第1開閉部52を有している(図3では、第1開閉部52が第1通気部51を開放している状態が示されている)。第1開閉部52による第1通気部51の開閉操作は、手動または自動のいずれであってもよい。
外張断熱材23は、立上がり壁部21の上部における土台13及び桁16よりも外側に設けられている。外張断熱材23の外側には、隙間を介して外壁26が設けられている。
図4は、外張断熱材23の一部を内側から視た斜視図である。図4に示されるように、外張断熱材23の内側の面には、複数の通気溝23aが形成されている。通気溝23aは、間隔をあけて互いに平行に、且つ、上下方向に対して斜めに傾いて配置された溝群が互いに交差して二群設けられている。外張断熱材23の内側の空気は、外張断熱材23と柱17とが接合された領域も含めて通気溝23aを上下左右方向に通気可能である。通気溝23aを含む外張断熱材23と部屋30との間の隙間、及び外張断熱材23と柱17との間の通気溝23aは、壁躯体内空気層35を形成する。
屋根断熱材24は、垂木18に沿って設けられている。一例として、屋根断熱材24は、幅方向両側を垂木18に係合し、建築物10の内側に露出して設けられている。屋根断熱材24と部屋30との間の空間(隙間)は、天井・屋根裏空気層(2階天井上空気層)36を形成する。
図5は、天井・屋根裏空気層36に露出して設けられた棟換気ボックス53の断面斜視図である。
棟換気ボックス53には、天井・屋根裏空気層36と外部空間とを連通させる第2通気部54が設けられている。第2通気部54は、当該第2通気部54を開閉する第2開閉部55を有している(図5では、第2開閉部55が第2通気部54を開放している状態が示されている)。第2開閉部55による第2通気部54の開閉操作は、手動または自動のいずれであってもよいが自動であることが作業性の観点から好ましい。
図1に示すように、建築物10には、基礎断熱材22、外張断熱材23、屋根断熱材24によって前後左右及び上下を囲まれて、床下空気層34、壁躯体内空気層35、天井・屋根裏空気層36、ダクト内空気層37(後述)、階間空気層38に対して気密可能な住空間25が形成されている。住空間25の内部には、複数の部屋30が、床材31、内壁材32及び天井材33等の内装材によって囲まれて画成されている。本実施形態においては、部屋30が上下二段に設けられる2階建て構造になっている。
各階において隣り合う部屋30同士の隔壁(内壁材32、間仕切り)内には、上下方向に延びて住空間25における空気が上下方向に流動可能なダクト内空気層37が形成されている。
基礎断熱材22、外張断熱材23及び屋根断熱材24で区画された住空間25は、立上がり壁部21、基礎断熱材22、底盤部11及び1階床板部40に囲まれた床下空気層34と、通気溝23aを含む外張断熱材23及び部屋30の内壁材32に囲まれた壁躯体内空気層35と、屋根断熱材24及び部屋30の天井材33に囲まれた天井・屋根裏空気層36と、1階の部屋30の天井材33及び2階の部屋30の床材31に囲まれた階間空気層38とを有する。
上記基礎断熱材22、外張断熱材23、屋根断熱材24及び外壁26を有する本実施形態における建築物10は、外皮平均熱貫流率(UA値)が、0.56W/(m・K)以下であり、HEAT20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)により設定された断熱性能推奨水準のG1グレードを満足している。なお、より詳細には、HEAT20 G1グレードを満足する外皮平均熱貫流率は地域によって異なり、断熱地域において7地域及び6地域は0.56W/(m・K)、5地域は0.48W/(m・K)、4地域は0.46W/(m・K)、3地域は0.38W/(m・K)、1地域及び2地域は0.34W/(m・K)である。本実施形態における建築物10の外皮平均熱貫流率(UA値)が、0.56W/(m・K)以下であることから、特に3地域~6地域において活用可能である。
壁躯体内空気層35は、上側で天井・屋根裏空気層36と連通している。壁躯体内空気層35は、下側で土台13がスペーサー15を介して立上がり壁部21の上部に配置されることにより、土台13と立上がり壁部21との間に形成された隙間を介して床下空気層34と連通している。壁躯体内空気層35は、上下方向の中途で階間空気層38と連通している。また、1階のダクト内空気層37は、上側で階間空気層38と連通し、下側で床下空気層34と連通している。2階のダクト内空気層37は、上側で天井・屋根裏空気層36と連通し、下側で階間空気層38と連通している。
上記の床下空気層34、壁躯体内空気層35、天井・屋根裏空気層36、階間空気層38、及びダクト内空気層37は、住空間25において相互に空気が流動(通気)可能な躯体内空気層39を構成する。本実施形態における部屋30のそれぞれは、躯体内空気層39に対して非開口(遮蔽した状態)に設けられている。
図1に示されるように、空調システム100は、室外機60、図2に示すヘッダー61、62、放熱器110及び温度計80を有している。ヘッダー61、62は、床下空気層34に設置されている。
室外機60は、建築物10の外側に配置されている。室外機60は、温度調節した熱媒体としての温水を供給用ヘッダー61により分配し供給用配管71を介して各放熱器110に供給する。各放熱器110に供給された温水は、戻り用配管72及び戻り用ヘッダー62を介して収集されて室外機60に戻る。
放熱器110は、床下空気層34内の底盤部11に複数(図2では5つ)設置されている。図6は、底盤部11に設置された放熱器110の外観斜視図である。放熱器110は、長尺の放熱器本体110Aと、放熱器本体110Aの両端にそれぞれ設けられ放熱器本体110Aを底盤部11から離間した状態で支持する支持部110Bとを有する。支持部110Bによって放熱器本体110Aを底盤部11から離間した状態で支持させることにより、床下空気層34における放熱器本体110Aよりも下側(底盤部11側)の空気に対しても効果的に放熱することが可能になる。
放熱器110が配置される位置としては、例えば、台所や壁躯体内空気層35またはダクト内空気層37に近い位置が選択される。
複数の放熱器110は、直並列的に配管71、72に接続されている。複数の放熱器110毎に配管71、72の開閉を制御することにより、任意の放熱器110に対する温水の供給及び供給停止を個別に選択することができる。図2においては、3つの放熱器110が並列接続され、2つの放熱器110が直列接続されている。放熱器110を並列接続した場合には、放熱器110毎に温水の供給及び供給停止を任意のタイミングで制御することが可能となる。また、放熱器110を直列接続した場合には、配管71を減らすことができ配管71の接続作業の効率化を図ることができる。
温度計80は、住空間25の温度、具体的には一例として部屋30の温度を測定して室外機60に出力する。温度計80は、各部屋30に設けられている。室外機60は、温度計80で測定された部屋30の温度に基づいて温度調節した熱媒体としての温水を供給する。複数の温度計80からの温度情報は、例えば平均温度を算出し平均温度が目標とする温度に達するまで温水の供給を継続する方法や、部屋30毎に目標温度と、当該部屋30の空調に寄与する放熱器110の組みを対応付けしておき、温度計80で測定された各部屋30の温度に応じて、各部屋30が目標温度に達するまで当該部屋30対応する放熱器110の組みに対して温水の供給を継続する方法等を採用できる。なお、上述したように、温度計80を用いて測定した住空間25の温度をフィーバックして室外機60から放熱器110に供給する温水の温度を制御するクローズド制御の他に、温度計80を用いずに所定温度の温水を室外機60から放熱器110に供給するオープン制御であってもよい。
また、温度計80を住空間25の他に、床下空気層34、壁躯体内空気層35、天井・屋根裏空気層36、階間空気層38の少なくとも一つに設置し、温度計80が測定した上記空気層の温度をフィードバックして放熱器110に供給する温水の温度を制御する構成としてもよい。
上記の構成の建築物10において、例えば、冬期の場合は、第1開閉部52により第1通気部51を閉じるとともに、第2開閉部55により第2通気部54を閉じて住空間25を封止する。
次に、室外機60から放熱器110にヘッダー61及び配管71を介して温水を供給する。なお、直列に接続された放熱器110については、上流側の放熱器110に配管71を介して温水が供給され、上流側の放熱器110から下流側の放熱器110に配管73を介して温水が供給される(図2参照)。温水が供給された放熱器110が放熱することにより、床下空気層34内の空気は暖められる(加温される)。また、暖められた床下空気層34内の空気及び放熱器110からの輻射熱で1階の部屋30の1階床板部40(床材31)が暖められる。
また、暖められた床下空気層34内の空気は比重が小さくなるため、床下空気層34と連通する壁躯体内空気層35及び1階のダクト内空気層37を通って上昇する。壁躯体内空気層35を上昇する空気の輻射熱により、壁躯体内空気層35に臨む1階及び2階の部屋30の内壁材32が暖められる。
ダクト内空気層37を上昇する空気の輻射熱により、ダクト内空気層37に臨む1階及び2階の部屋30の内壁材32が暖められる。また、ダクト内空気層37を通った後に階間空気層38を流動する空気の輻射熱により、階間空気層38に臨む1階の部屋30の天井材33及び階間空気層38に臨む2階の部屋30の床材31が暖められる。また、階間空気層38と連通する2階のダクト内空気層37を上昇する空気の輻射熱により、2階のダクト内空気層37に臨む2階の部屋30の内壁材32が暖められる。
さらに、壁躯体内空気層35を通った後に天井・屋根裏空気層36を流動する空気、及び2階のダクト内空気層37を通った後に天井・屋根裏空気層36を流動する空気の輻射熱により、天井・屋根裏空気層36に臨む2階の部屋30の天井材33が暖められる。
床下空気層34から上昇する空気に対して、相対的に温度が低い壁躯体内空気層35、ダクト内空気層37、階間空気層38及び天井・屋根裏空気層36の空気は比重が大きいため、床下空気層34に下降して放熱器110が放熱する熱で暖められる。このように、躯体内空気層39においては、放熱器110が放熱する熱で暖められた空気が対流により循環することにより、部屋30は暖められた空気からの輻射熱で暖められて空調される。
ここで、各部屋30は、躯体内空気層39に対して非開口であるため、各部屋30は、放熱器110が放熱する熱で暖められた空気が内部空間を流動することなく、放熱器110が放熱する熱で暖められた空気の輻射熱により、床材31、天井材33及び内壁材32の六面で暖められることになる。
上記の構成の建築物10において、例えば、夏期に空調する場合は、室外機60からの温水供給を停止した状態で第1開閉部52により第1通気部51を開放するとともに、第2開閉部55により第2通気部54を開放する。
床下空気層34には、第1通気部51を介して外部からの涼しい(低温の)空気が流入するともに、外部からの空気よりも高温である躯体内空気層39における空気は、第2通気部54から排出される。また、第2通気部54から空気が排出される煙突効果により、第1通気部51を介して外部から床下空気層34への空気の流入が促進されるため、躯体内空気層39に対して外部からの涼しい空気を継続的に流動させることができ、夏期においても部屋30を空調することが可能になる。さらに、室外機60から放熱器110に配管71を介して冷水を供給することで、空調効率をさらに向上することができる。
以上説明したように、本実施形態の建築物10の空調システムでは、冬期において放熱器110が放熱する熱で暖められた空気が内部空間を流動することなく各部屋30を六面で暖められることができる。特に、本実施形態では、建築物10の外皮平均熱貫流率が、0.56W/(m・K)以下であり、高い断熱性能を有しているため、放熱器110が放熱する熱で部屋30を効率的に暖めて空調することができる。
従って、本実施形態の建築物10の空調システムでは、部屋30において空調用の空気が吹き出されることで生じる居室内が乾燥しやすくなったり、風に当たることで不快を感じることを抑制することができる。床下には、防蟻処理の薬剤や建設中のほこりなどがあるため、床下空気層34の空気を部屋30へ吹き出すことは体調への影響が懸念される。本実施形態の建築物10の空調システムでは、床下空気層34の空気は、部屋30に噴出されないため、それらの懸念も防止することができる。
また、本実施形態の建築物10の空調システムでは、立上がり壁部21にスペーサー15を介して土台13を設置しているため、床下空気層34と壁躯体内空気層35との連通部を容易に形成できるとともに、土台13の腐食も抑制することが可能になる。
さらに、本実施形態の建築物10の空調システムでは、放熱器本体110Aの両端にそれぞれ設けられた支持部110Bにより、放熱器本体110Aを底盤部11から離間した状態で支持するため、床下空気層34における放熱器本体110Aよりも下側(底盤部11側)の空気に対しても効果的に放熱することが可能になる。
また、本実施形態の建築物10の空調システムでは、隣り合う部屋30同士の隔壁内に、躯体内空気層39の一部を形成するダクト内空気層37が設けられているため、隣り合う部屋30同士の隔壁を介して効果的に部屋30を暖めることができる。
また、本実施形態の建築物10の空調システムでは、床下空気層34に複数の柱状のコラム基礎12が点在して設けられているため、布基礎構造を採る場合と比較して床下空気層34において暖められた空気が小さい抵抗で広範囲に流動することが可能となる。その結果、本実施形態の建築物10の空調システムでは、より短時間で効果的に部屋30を暖めることが可能である。
さらに、本実施形態の建築物10の空調システムでは、立上がり壁部21の外側及び内側に基礎型枠としての基礎断熱材22が設けられているため、立上がり壁部21を打設した後に型枠を撤去する必要がなく、また別途断熱材を設置する必要が無く、作業性の向上を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態で例示した放熱器110及び温度計80の数や配置は一例であり、建築物10の大きさや部屋30の数等に応じて任意に変更可能である。
10…建築物、 11…底盤部、 12…コラム基礎(柱状基礎構造体)、 13…土台、 14…大引、 21…立上がり壁部、 22…基礎断熱材(基礎型枠)、 23…外張断熱材、 24…屋根断熱材、 25…住空間、 31…床材(内装材)、 32…内壁材(内装材)、 33…天井材(内装材)、 34…床下空気層、 35…壁躯体内空気層、 36…天井・屋根裏空気層(2階天井上空気層)、 37…ダクト内空気層、 38…階間空気層、 39…躯体内空気層、 40…1階床板部(床部)、 51…第1通気部、 52…第1開閉部、 54…第2通気部、 55…第2開閉部

Claims (5)

  1. 建築物に基礎断熱材、外張断熱材及び屋根断熱材によって気密可能に囲まれて住空間が形成され、
    前記住空間に内装材によって囲まれた部屋が設けられ、
    前記基礎断熱材、前記外張断熱材及び前記屋根断熱材と、前記内装材との間にそれぞれ隙間が形成されて互いに連通する床下空気層、壁躯体内空気層、天井・屋根裏空気層を含む躯体内空気層が形成され、
    前記床下空気層には、放熱器が設けられ、
    前記部屋は、前記躯体内空気層に対して非開口に設けられ、
    前記建築物の外皮平均熱貫流率は、0.56W/(m・K)以下であり、
    前記床下空気層は、前記建築物の周囲に立設された立上がり壁部と、床部と、前記立上がり壁部で囲まれた領域に設けられた底盤部とに囲まれて形成され、
    前記底盤部には、前記建築物の大引を支持する複数の柱状の基礎構造体が設けられていることを特徴とする建築物の空調システム。
  2. 前記立上がり壁部には、スペーサーを介して土台が設置され、
    前記立上がり壁部と前記土台との間に前記床下空気層と前記壁躯体内空気層との連通部が形成されることを特徴とする請求項に記載の建築物の空調システム。
  3. 前記放熱器は、放熱器本体と、前記放熱器本体を前記底盤部から離間した状態で支持する支持部とを有することを特徴とする請求項またはに記載の建築物の空調システム。
  4. 隣り合う前記部屋同士の隔壁内に、前記躯体内空気層の一部を形成するダクト内空気層が設けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の建築物の空調システム。
  5. 前記床下空気層と外部空間とを連通させる第1通気部と、
    前記第1通気部を開閉する第1開閉部と、
    前記天井・屋根裏空気層と外部空間とを連通させる第2通気部と、
    前記第2通気部を開閉する第2開閉部とを有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の建築物の空調システム。
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