JP2011047635A - 空調装置 - Google Patents

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Shinji Sekiya
臣二 関家
Yoshie Sekiya
佳重 関家
Daiichiro Takahashi
大一郎 高橋
Teruo Akimoto
輝雄 秋元
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Abstract

【課題】各部屋に空調機をそれぞれ設けることなく、建物内部のすべての部屋を効率良く冷暖房することができ、かつ部屋の内部で生じ易い温度差を抑えられるようにした、換言すれば、低コストで冷暖房時の室内温度を均一に調整することが可能な空調装置を提供する。
【解決手段】建物の室内空間を空調する空調装置1Aであって、基礎12と、床材11との間に形成される床下空間S1に向けて空調された暖気又は冷気を送り込む空調機2と、建物の室内空間S2の温度に応じて空調機2の運転を制御する制御部4と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、空調機で建物の室内空間を効率良く冷暖房することができる空調装置に関するものである。
建物の室内空間を空調するには、通常、空調機の室外機を建物の外部に設置すると共に、室内機を建物内部の室内に臨む部分に取り付け、当該空調機の室内機から暖気又は冷気を吹き出すことによって室内空間を暖房又は冷房することが行われている。通常、このような空調システムの場合は、室外機と室内機とからなる空調機を各部屋にそれぞれ設置しなければならない。また、例えば全館集中空調システムを採用するならば、1か所に設けた空調機から空調された空気を各部屋へダクトなどで供給するような設備が必要である。
上記従来の部屋ごとの空調システムによると、部屋数が多い場合には、空調機の数が増えるため経済的負担が大きくなるとともに、美観も損ねるものであり、しかも部屋ごとに設置スペースが必要である。また、全館集中空調システムの場合には、各部屋まで伸ばすダクトが長くなるので設備工事が複雑になり手間がかかるため、コストが嵩む。
更に、従来の空調システムでは、部屋の壁に取り付けた室内機のファンを用いて暖気又は冷気を吹き出し、且つ上下方向や左右方向に動くフィンを介在させて吹出方向を微調整できるようにしてあるが、それでも部屋の内部で温度差が生じ易いという問題があった。特に、天井が高い室内にあっては、暖房運転の際に天井付近に暖気が集まり、床面側との温度差が大きくなり易い。
このような温度差の問題を解決する技術としては、従来、例えば特許文献1に開示されているように天井放射パネル面を冷却又は加熱して室内の冷暖房を行なうようにした天井放射冷暖房装置が知られている。この場合は、季節や天候、人数などの環境で室内の熱負荷は変動するため、快適な室内環境にするためには運転開始後、安定するまで時間が掛かるという課題を解決するためになされた発明であり、立ち上がり時間の短縮や室内の熱負荷にあわせた温度制御が可能であり、短時間で快適性を向上させることができるようにしたものである。この特許文献1のものでは、冷房の場合には特に問題ないが、暖房の場合には、床側の温度が低く足元が冷えるなど、暖房効率の面で問題がある。
特許文献2には、冷水及び温水の少なくとも一方を熱媒体として流す熱媒体流路と、この熱媒体流路を流れる熱媒体から受熱して放射する放射板とを有する放射パネルを部屋の床に備えている空調システムが開示されている。この場合は、部屋の床全面に放射パネルを敷設する部分と敷設しない部分とを交互に設けるように構成し、エネルギーの無駄を防ぐと共に床下に設けたOA機器の配線等の保守及び点検ができるようにしたものである。ところが、この特許文献2のものでは、初期に設備コストがかかるのと、メンテナンスが比較的短い期間間隔で必要なので長期的に見て問題である。
特開2006−258377 特開2006−214695
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたもので、各部屋に空調機をそれぞれ設けることなく少なくとも1つの空調機を使用することで、建物内部のすべての部屋を効率良く冷暖房することができ、且つ部屋の内部で生じ易い温度差を抑えられるようにした、換言すれば、低コストで冷暖房時の室内冷暖房温度を均一に調整することが可能な空調装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、
(1)本発明の空調装置は、
建物の室内空間を空調する空調装置であって、
基礎又は階下の天井と、床材との間に形成される床下空間に向けて空調された暖気又は冷気を送り込む空調機と、
前記建物の室内空間の温度に応じて前記空調機の運転を制御する制御部と、
を備えた、ことを特徴としている。
この構成によれば、各部屋まで伸ばすダクトが不要で工事が簡単になるので、コストの削減を図ることができる。さらに、この構成によれば、床下空間からの冷気又は暖気が熱伝導されて床材からの輻射冷熱又は輻射温熱による室内冷房又は暖房作用を行うので、室内空間で生じ易い温度差を抑えることができ、室内冷暖房温度を効果的に均一化することが可能となる。
(2)、前記(1)に記載の本発明の空調装置において、
前記床下空間は、基礎と床材との間に形成される密閉された床下全体が、一つの、単一空間から構成されるとともに、前記空調機は単一のものから構成された、ことを特徴とする。
この構成によれば、床下空間が密閉されているので、室内空間に対する冷暖房効率も高められ、低ランニングコストでの冷暖房が可能である。また、床下空間が密閉されていることにより、塵埃の侵入が抑制でき、環境的にも衛生的にも優れた冷暖房運転が可能となる。しかも、室内空間に対して床下空間が密閉されていることで、逆に、室内に塵埃などがあってもその塵埃などが床下空間に流入することが阻止されているので、空調機に設けてあるフィルタ清掃などのメンテナンスも頻繁に行う必要がなく、手間が大幅に省ける。
(3)、前記(1)に記載の本発明の空調装置において、
前記床下空間の空気を室内空間へ移動させることにより空気の滞留し易い箇所を無くし、前記床下空間全体に暖気又は冷気を均一に行きわたらせ、床下空間の温度を円滑に均一にするために、前記床材に配設した開閉調整が可能な流動調整口と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、建物の床下空間に空調機で空調された暖気又は冷気を流通させても、床材の床下空間に臨む表面部分の全面に、乾燥防止層を形成してある。その結果、その暖気又は冷気の流通によって無垢の天然木質床材内部に含まれる水分が奪われるのを防止できる。これにより、無垢の天然木質床材の反りやひび割れ、ささくれなどの発生を大幅に低減することができる。即ち、空気の滞留し易い箇所を無くすことで床下空間の温度をほぼ均一にすることができる空調装置を設けた建物において、無垢の天然木質床材の反り、ひび割れ、ささくれなどの発生を大幅に低減できるようになる。
(4)、前記(1)又は前記(3)に記載の本発明の空調装置において、
前記建物は、平屋または2階以上からなる構成であって、
2階以上の階層での床下空間は、前記1階部分の床下空間と連通管で連通されているとともに、
1階部分の床下空間において前記空調機の空気吹出口付近と前記連通管との間に開閉手段を備え、かつ、
前記空調機で冷、暖房運転を行う場合には、前記開閉手段を開いて、前記空調機からの冷、暖気を前記2階以上の階層での床下空間にも送り込むように構成した、ことを特徴としている。
この構成によれば、2階建て住宅やマンションなどの集合住宅あるいは事務所などであっても、クリーンで静かな冷暖房が行える。
さらに、この構成によれば、2階以上の階層での室内へ送り込む場合、2階以上の階層での室内の区分状態にもよるが、空調機の空気吹出口の近傍1か所から空調された空気をまとめて送り出すように構成することで送気管の長さは最小限で済む。従って、その分、経済的であるとともに合理的である。
(5)、前記(1)乃至前記(4)のいずれかに記載の本発明の空調装置において、
前記床下空間には、必要に応じて断熱を行うように構成した、ことを特徴としている。
(6)、前記(1)乃至前記(5)のいずれかに記載の空調装置において、
前記空調機からの暖気又は冷気が空気吹き出し口から前記床下空間に送り込まれて床下空間の全面に亘って伝播し、前記空調機の空気吸込口に戻ってくるように前記床下空間を分割させるとともに前記空気吹出口から空気吸込口まで連続した流路を形成するため、前記床下空間に設けた仕切壁を備えた、ことを特徴としている。
この構成によれば、空調機からの暖気又は冷気が、連続した一続きの空間であるが仕切壁で細かく仕切られた床下空間に送り込まれて床下空間の直上の床材に均一化されて伝搬し、室内空間に対して均一な冷暖房を行うことができる。
(7)、前記(6)に記載の空調装置において、
仕切壁は、前記地盤に対して、前記床下空間にシグザグ状に交互に曲折した流路を構成するように隣の流路との間を連通する連通口が互い違いに形成されている、もしくはS字の波形に流路を蛇行させている、ことを特徴としている。
(8)、前記(1)乃至前記(7)のいずれかに記載の空調装置において、
前記床材は、無垢材で構成されているとともに、前記床材の前記床下空間に臨む表面部分の全面に、非通気性シートを取り付けた、ことを特徴としている。
この構成によれば、床材が無垢材で構成されている場合には、非通気性シートで覆われた無垢材が設置される部分の湿度が保たれているので、空調機から吹き出す空気で、床材である無垢材に含まれる水分が過剰に奪われて、ひび割れなどが発生するのを防止できる。
(9)、前記(1)乃至前記(7)のいずれかに記載の空調装置において、
前記床材は、無垢の天然木質床材で構成されているとともに、
前記床材の前記床下空間に臨む表面部分の全面に、乾燥防止層を形成したことを特徴とする。
この構成によれば、建物の床下空間に空調機で空調された暖気又は冷気を流通させても、床材の床下空間に臨む表面部分の全面に、乾燥防止層が形成されているので、その暖気又は冷気の流通によって無垢の天然木質床材内部に含まれる水分が奪われるのを防止できる。その結果、無垢の天然木質床材の反り、ひび割れ、ささくれなどの発生を大幅に低減することができる。即ち、各部屋に空調機をそれぞれ設けることなく少なくとも1つの空調機を使用することで、建物内部のすべての部屋を冷暖房することができる空調装置を設けた建物において、前記床材、すなわち無垢の天然木質床材の変質、例えば反り、ひび割れ、ささくれなどの発生を大幅に低減できるようになる。
(10)、前記(1)乃至前記(9)のいずれかに記載の空調装置において、
前記床材は、杉材、欅材、檜材、花梨材、胡桃材、楢材、樺材、桜材、椛材、楓材、ぶな材、栗材、桐材、チーク材、パイン材、ローズ材、タガヤサン材、ストロングウッド材、タモ材、パープルハート材、イペ材、セランガンバツ材、ピンカド材、及びケンパス材及びこれら床材に匹敵する木質を有する無垢の天然木質素材から選ばれた少なくとも一種類の床材若しくはこれらの組み合わせからなることを特徴とする。
この構成によれば、床材が、杉材、欅材、檜材、花梨材、胡桃材、楢材、樺材、桜材、椛材、楓材、ぶな材、栗材、桐材、チーク材、パイン材、ローズ材、タガヤサン材、ストロングウッド材、タモ材、パープルハート材、イペ材、セランガンバツ材、ピンカド材、及びケンパス材及びこれら床材に匹敵する木質を有する無垢の天然木質素材から選ばれた少なくとも一種類の床材若しくはこれらの組み合わせからなり、これらの無垢の天然木質床材に反り、ひび割れ、ささくれなどの発生を大幅に低減させることができるので、床面の美観が長期間に亘って保持でき、床材のささくれ等によって居住者が怪我をする危険を回避できる。
(11)、前記(1)乃至前記(10)のいずれかに記載の空調装置において、
前記乾燥防止層は、ポリオレフィン系樹脂シート、塩化ビニル系樹脂シート、塩化ポリビニリデン系樹脂シート、アクリル系樹脂シート、天然または合成ゴムシートから選ばれた少なくとも一つのシートからなることを特徴とする。
この構成によれば、前記乾燥防止層は、ポリオレフィン系樹脂シート、塩化ビニル系樹脂シート、塩化ポリビニリデン系樹脂シート、アクリル系樹脂シート、天然または合成ゴムシートから選ばれた少なくとも一つのシートからなるもので、十分な乾燥防止機構の効果が得られる。
(12)、前記(1)乃至前記(10)のいずれかに記載の空調装置において、
前記乾燥防止層は、エポキシ系やウレタン系などの液状の樹脂や合成ゴムなどを塗布または吹付けして成膜・硬化させてなる膜であることを特徴とする。
この構成によれば、前記乾燥防止層は、エポキシ系やウレタン系などの液状の樹脂や合成ゴムなどを塗布または吹付けして成膜・硬化させてなる膜であるので、十分な乾燥防止機構の効果が得られる。
(13)、前記(1)乃至前記(12)のいずれかに記載の空調装置において、
前記空調機の暖冷気吹き出し口上位を中心とする周辺に位置する床下空間の前記乾燥防止層と共に断熱材が配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、前記空調機の暖冷気吹き出し口上位を中心とする周辺に位置する床下空間の前記乾燥防止層と共に断熱材が配置されているので、空調機の室内機から吹き出される暖気または冷気による熱が床材側に過度に伝わり、前記床材からの水分が気化され、前記床材の変質、例えば反ったり、ひび割れしたりする所謂木質床材の暴れを防ぎ、無垢の天然木質床材の長所を長期にわたり保つことができる。この断熱材によって前記空調機の暖冷気吹き出し口上部の床材が局所的に過度に熱くなったり、冷たくなったりすることを防ぎ、床材温度の均一化を図ることで、快適な空調を実施することができる。また、結果として床材の品質を均一に保ち、天然木質床材のみしか得られない審美性溢れる自然味が満喫できる快適な居住空間を創出することができる。
本発明の空調装置は、基礎及び床材との間に形成される床下空間に空調機から空調された暖気又は冷気が、送り込まれて床下空間の直上の床材に伝搬し、その床材から輻射熱又は輻射冷熱が室内空間に放射される。その結果、各部屋に空調機をそれぞれ設けることなく少なくとも1つの空調機を使用することで、建物内部のすべての部屋を効率良く冷暖房することが可能となる。しかも、輻射による冷暖房であるので室内空間で生じ易い温度差を抑えることも可能である。
従って、低コストで冷暖房時の室内温度を均一に調整することができる。
本発明の第1の実施形態に係る空調装置が適用された住宅を示す断面図である。 図1の断面図である。 図1の空調装置の電気的な構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る空調装置が適用された住宅を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る空調装置の要部を示す概略説明図である。 その空調装置の暖気又は冷気の流量を調節するための開閉部材の一例を示す概略斜視図である。 その空調装置の暖気又は冷気の流量を調節するための開閉部材の他の例を示す概略斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る空調装置の分流手段として、例えば切替弁を用いる例を示す要部の概略断面図である。 その空調装置を備えた住宅を示す概略説明図である。 (A)、(B)は、それぞれ本発明の空調装置の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る、空調装置1Aを設置した建物(以下、住宅10A)を示すものであり、特にこの空調装置1Aでは、ヒートポンプを用いた空調機2と、床下空間S1に設けた仕切壁3と、空調機2の運転を制御する制御部(コントローラ)4と、室内空間S2に設けた温度センサ5と、後述するコンクリートの基礎12と床下空間S1との間に設置された断熱材8と、を備えており、空調機2から床下空間S1に送り込まれる暖気(又は冷気)により床面を温ため(又は冷やし)、その床からの温熱輻射(又は冷熱輻射)を利用して、室内の暖房(又は冷房)を行うように構成されている。
室内空間S2は、床材11、基礎12によって周囲を取り囲まれて密閉状態の空間で構成されている。また、図2に示すように、基礎12には、詳細は後述するが、床下空間S1に臨む壁側と、後述の地盤側の表面とに、断熱材8が取り付けてある。なお、本発明の断熱材の設置場所は、冷暖房させる室内空間がどこかによって適宜変更可能な構成であり、例えばこの第1の実施形態では、床材11の上の室内空間S2を冷暖房させる構成のために、床材11の下面(裏面)には断熱材8を設けていない。
床材11は、できるだけ熱伝導効率の高い材質のもので構成するのが好ましい。同時に、この床材11は、床下空間S1からの湿気や塵埃などが室内空間S2へ侵入するのをできるだけ回避させるため、床下空間S1と室内空間S2との間で空気の流通性ができるだけ少ない材料(空気遮断性の高い材料)で形成することが好ましい。また、基礎12は、床下部分の全面に亘って防水シートを介してコンクリートが打設してある。なお、本実施形態では、木製の床材11を床面に敷き詰める構成としたが、床下空間に密閉性を付与できるのであれば、合板フローリングなどでもよいし、床板の上に畳やカーペットなどを敷き詰めてあっても、勿論、適用可能である。
空調機2は、住宅10Aの床材11及び基礎12によって周囲を取り囲まれて密閉状態の空間が形成された床下空間S1に向けて空調された暖気又は冷気を送り込むものである。
本実施形態の空調機2は、ヒートポンプを用いたエアコン(特に、このヒートポンプ方式に限定されるものではない。)で構成されており、連通管及び排水管(まとめて符号21で示す)で連通された室内機2A及び室外機2Bで構成されている。なお、本実施形態の空調機2は、制御部4と一体に設けてある温度センサ5の設置高さでの室内温度が設定温度に達するまで、その設定温度に関係なくそれよりも高温の風(暖房時)又は低温の風(冷房時)が吹き出すような構成となっており、冷暖房効果が迅速に得られるようになっている。なお、本実施形態では空調機を1台だけ設置してあるが、勿論、この1台に限定されるものではなく、室内空間(床上空間)S2の容積や空調機のパワーによっては2台(あるいはそれ以上でもよい)設置してもよい。
仕切壁3は、床下空間S1を複数の空間に分割させるようになっており、床下空間S1に向けて送り込まれた暖気又は冷気を利用して、室内空間S2(床上空間)をできるだけ局所的な温度むらなどのない、均一な状態で暖房又は冷房させるものである。なお、本発明の場合、例えば床下空間S1があまり広くない場合や、床下空間S1の広さに対して空調機2のパワーが大きい場合であれば、この仕切壁3については必ずしも必要とするものではない。
本実施形態の仕切壁3は、床下空間S1にシグザグ状に交互に曲折した空気の通路(流路)を構成するように隣の通路(流路)との間の連通口3Aが互い違いに形成されている。即ち、本実施形態の仕切壁3は、空調機2の室内機2Aの空気吹出口22から空調機2の室内機2Aの空気吸込口23まで、連続した(ひと筆書きの要領で)一続きの流路を形成するようになっており、空調機2の室内機2Aで形成された暖気又は冷気が室内機2Aの空気吹出口22から床下空間S1内に向けて送り込まれ、床下空間S1の全面に亘って隅々まで効果的に伝搬していくとともに、空調機2の室内機2Aの空気吸込口23に戻ってくる。
なお、本発明の仕切壁についても、勿論、上記のような形状に限定されるものではない。例えば、S字の波形に流路を蛇行させることで、床下空間での温度均一性をさらに高めるように構成してもよい。また、本実施形態の仕切壁3については、特に本発明では必須のものではない。
また、本実施形態の空調装置1Aには、通常設置する断熱材とは別に、コンクリートで形成された基礎12のうち床下空間S1に臨む地盤側のコンクリート部分(これを基礎(地盤側)33とよぶ。)のうち上面(表面)と、基礎12の壁面(これを基礎(壁側)32とよぶ。)のうち特に床下空間S1に臨む内壁面とに、断熱材8が設置されている。
さらに、図1に示すように床材11などに使用している木部として無垢の自然木が用いられている場合には、その無垢材が使用されている部分、例えば本実施形態では無垢材を用いた床材11において床下空間S1に臨む下面11Aの全面に亘って、通気性のないPEなどの当業者により用いられている乾燥防止作用をもつ非通気性シート9を取付けてある。床材が無垢材で構成されている場合には、この非通気性シート9を取付けることによって、非通気性シートで覆われた無垢材が設置される部分の湿度が保たれるので、空調機から吹き出す空気で、床材である無垢材に含まれる水分が過剰に奪われて、ひび割れなどが発生するのを防止できるわけである。
制御部4は、住宅10Aの室内空間S2の温度に応じて空調機2の運転を制御するためのものであり、図1及び図3に示すように、操作部41によって空調装置1Aの運転動作を操作するようになっている。本実施形態の制御部4は、図3に示すように、入力が温度センサ5の出力に接続されているとともに、出力がヒートポンプを用いたエアコン(前述したように、この方式には限定されない)を構成する空調機2の入力に接続されている。
また、この制御部4には、図示しない、運転スイッチ、冷房/暖房の切り替えスイッチ、温度設定スイッチなどで構成された操作部41が設けられている。この操作部41では、例えば、冷房/暖房の切替スイッチでの操作によって、空調機2の運転動作が冷房/暖房のいずれかに切替えられる。また、温度設定スイッチによって、冷房/暖房運転の際の室温を自由に設定変更させることができるようにするため、図示外のメモリが制御部4の内部に備えられている。
温度センサ5は、夏季及び冬季などの季節に応じて制御部4において設定されている室内空間S2での快適な温度を実現させるため、具体的には、室内温度を検知して空調機2での運転制御のために、制御部4へその検知データを出力するようになっている。本実施形態の温度センサ5は、外気温の影響を受けない領域であって、かつ、室内空間S2の最適な高さの部分に設置されている。
従って、本実施形態の空調装置1Aによれば、夏季などや暑い日には、操作部の運転スイッチをオンするとともに、操作部41によって冷房に設定する。ここで、この冷房を設定する場合、これ以外に何も操作しない限り、このまま自動運転が開始する。そして、自動運転が開始されると、冷房目標温度が予め設定されている所定の標準温度(例えば23℃)が適用され、空調機2が作動を開始する。即ち、室内空間S2での室温が低下して温度センサ5からこの標準温度に対応する検出信号が制御部4に出力されるまで、空調機2であるヒートポンプを用いたエアコンが冷房運転を行う。なお、操作者が、操作部に設けた設定温度を変更すると、その温度を冷房目標温度として、同様の冷房運転が行われる。
即ち、空調機2であるヒートポンプを用いたエアコンでは、室内機2Aの空気吹出口22から冷却された空気が床下空間S1内に向けて送り込まれる。そして、シグザグ状に交互に曲折し、細かく分割された床下空間S1内の空間、つまり空気の通路(流路)を冷気が通過していく際に、冷熱がその直上の床材11に伝搬し、床材11が冷却されるとともに、この冷却された床材11から輻射冷熱が室内空間S2に放出される。このように、床下空間S1内が仕切壁3で細かく分割されているので、室内空間S2に対して冷却動作が均一化された、冷房動作が行える。
また、この標準温度に到達してこの温度に対応する信号が温度センサ5から出力されると、運転が一時的に停止するが、その後、例えば標準温度よりも所定の温度(例えば摂氏2度)だけ室温が上昇したことが、温度センサ5からの検出信号で検知すると、冷房運転を再開する。
なお、冬季や寒い日には、操作部41の操作により暖房運転についても、制御部4の制御によって空調機2であるヒートポンプを用いたエアコンの運転動作が制御され、同様に、室内空間S2に対して暖房却動作が均一化された、暖房運転が行われる。即ち、空調機2が暖房運転を行うと、床下空間S1内に向けて送り込まれる暖気が伝搬されて暖められた床材11から輻射熱が室内空間S2に輻射される。
本実施形態によれば、各部屋まで伸ばしてダクトを設置しなくとも全室の集中冷暖房を実現でき、コスト(イニシャルコスト及びランニングコスト)の削減を図ることが可能になる。特に、基礎と床材との間に形成される床下空間S1が、密閉された単一空間から構成されるとともに、空調機2を単一のもの(勿論、床面積が広ければ2台以上でもよいが)で構成可能になるので、空調装置1Aとしてのコストを削減可能になる。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図4は、本発明の第2の実施形態に係る、空調装置1Bを設置した二階建住宅10Bを示すものであり、この空調装置1Bが第1の実施形態の空調装置1Aと異なる点は、2階部分の床下(1階部分の天井裏)が密閉された床下空間S3が形成されているとともに、その床下空間S3と1階部分の床下空間S1との間が送気管24で連通されており、かつ、コンクリートの基礎12と床下空間S1との間に設置された断熱材8(詳細は第1の実施形態を参照)の他に、床下空間S3内の周囲の壁面にも断熱材8が設置されている。
また、図4では省略しているが、各室内空間S2、S4の壁面や天井などにも断熱材が敷設してある。
また、この実施形態では、1階部分の床下空間S1において、空調機2の空気吹出口22(図2参照)付近の送気管24の入口に開閉手段である、電磁式(勿論、手動式でもよい)の開閉弁25を付設してあり、制御部4により電磁的な開閉操作が行われるようになっている。この開閉弁25は、2階の室内空間S4で冷暖房運転を行う場合、特に2階での冷房運転を行う場合(勿論、暖房運転を行うでも開放してもよい)、操作部41に設けた図示外の開閉スイッチを操作すると、制御部4からの制御により開閉弁25が開弁されて冷気が2階部分の床下空間S3へ送り込まれる。このように、制御部4によって開閉弁25の制御を行うことで、所望の階に対する冷暖房が選択的にあるいは各階で同時に実施可能となっている。
従って、本実施形態によれば、2階建住宅10Bであっても、開閉弁25を開くことで、1階部分の床下空間S1に設けた空調機2を、空気吹出口22(図2参照)付近の送気管24から取り込んで、2階部分の床下空間S3へも送り込ませることができる。これにより、2階の室内空間S4でも静かでクリーンな冷房が実現できる。なお、送気管24には、壁の一部を利用した構成でもよいが、その周囲にも図示しないが断熱材が設置されている。
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態において、第1、第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図5は、本発明の第3の実施形態に係る空調装置を設置した住宅10Cの要部を示す概略説明図である。図中、33は基礎、52は外壁であり、床材53(又は床材53を張って形成した床)と基礎33(12)とにより挟まれた領域に床下空間S1が設けられ、内壁54又は間仕切りにより複数(図示の例では3つ)の部屋A、B、Cが形成されている。又、床下空間S1の底部の上面には断熱材8が敷設されると共に、側部の内面にも断熱材8が取り付けられ、更にほぼ居住空間全体が断熱材57により囲まれている。さらに、床材53の、床下空間S1に臨む下面には、全面に亘って乾燥防止層50が形成されているとともに、後述する空調機2の室内機2Aと乾燥防止層50との間には、断熱材60が介装されている。
尚、各部屋A、B、Cの天井材や床材53の支持構造、屋根等は図示されていない。
前記床材53は、無垢の天然木質床材で構成されており、この無垢の天然木質床材としては、杉材、欅材、檜材、花梨材、胡桃材、楢材、樺材、桜材、椛材、楓材、ぶな材、タモ材、パープルハート材、イペ材、セランガンバツ材、ピンカド材、ケンパス材の何れか、若しくはこれらの組み合わせからなるものであるが、特にこの発明では、前記床材と同等の品質をもつ無垢の天然木質床材であればよく、前記列記した床材に限定されるものではない。
床材53には、1つ又は複数の流動調整口51が設けられる。図示の例では、床下空間S1における室内機2Aと反対側の隅部に位置させて、前記部屋Cの床材部分に流動調整口51が1つ設けられているがこれに限定されない。この流動調整口51は、床下空間S1内の暖気又は冷気の一部を室内側(ここでは部屋C)に移動させることにより、床下空間S1内の暖気又は冷気に流動を生じさせて床下空間S1の隅部まで十分に行き渡らせるためのものである。これにより、床下空間S1の温度をほぼ均一にすることができる。尚、図5の部屋Bの床材53のように、このような流動調整口51を設けないで実施する場合もある。
又、流動調整口51は、暖気又は冷気の流量を調節するための開閉部材を取り付けることが好ましい。この開閉部材としては、例えば図6に示すように枠体55Aと、この枠体55Aの内側に回転可能に並設された複数のルーバー板55Bからなる開閉部材55を用いることができるが、これに限定されない。
上記開閉部材としては、例えば図7に示すように開閉部材56を用いることもできる。当該開閉部材56は、下側の固定円板56Aの円周方向に複数個形成された扇形孔56Cに対して、上側の回転円板56Bの円周方向に複数個形成された扇形孔56Dの位置を変えることで、固定円板56Aの扇形孔56Cを全閉〜全開の範囲内で自由に調節することができる。
また、床材53の下面である、床下空間に臨む下面には、図5に示すように、全面に乾燥防止層50を形成してある。この乾燥防止層50は、この乾燥防止層50で覆われた無垢の天然木質床材が設置される部分の湿度を保持することによって、床材53を構成する無垢の天然木質床材が室内機2Aから吹き出す空気の流れなどでその内部に含まれる水分が過剰に奪われて、反り、ひび割れ、ささくれなどが発生するのを大幅に低減するものである。
前記乾燥防止層50には、ポリオレフィン系樹脂シート、塩化ビニル系樹脂シート、塩化ポリビニリデン系樹脂シート、アクリル系樹脂シート、天然または合成ゴムシートなどから選ばれた少なくとも一つのシートなどが用いられているが、この発明においては特にこれらのものに限定されるものではない。すなわち、前記乾燥防止層50は、エポキシ系やウレタン系などの液状の樹脂や合成ゴムなどを刷毛やローラーで塗布するか、吹付機により吹付けて成膜・硬化させることによってなる膜であってもよい。この場合にはウレタンゴム系、アクリルゴム系、クロロプレン系、ゴムアスファルト系、FRP系などから選ばれた少なくとも一つの塗料が用いられるが、この発明においては特にこれらのものに限定されるものではない。
前記乾燥防止層50は、前記のように無垢の天然木質床材と床下空間との間に形成する必要があるが、下地材や断熱材の有無によっては、下記のような構造となる。
Figure 2011047635
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さらに、室内機2Aと、床材53の下面に取り付けられた乾燥防止層50との間には、断熱材60が敷設されている。この断熱材60には、発泡材、例えばポリウレタン系の発泡体などが用いられている。従って、この断熱材60により、室内機2Aの暖冷気吹き出し口付近の床材が局所的に過度に熱くなったり冷たくなったりすることを防ぎ、床材温度の均一化を図り、快適な居住空間を提供することができる。
(第4の実施形態)
次に、本発明に係る第4の実施形態について説明する。なお、本実施形態においても、第1乃至第3の実施形態と同一部分には同一符号を付して重複説明を避ける。
図8及び図9は、本発明の第4の実施形態に係る空調装置を設置した戸建ての住宅(2階建て)10D(図9参照)を示すものであって、前述したように、S1は1階の床下空間であり、床材53(詳しくは床材53を張って形成した床)と基礎33とにより挟まれた領域によって形成され、当該領域の下方の基礎33の上面には断熱材8が敷設されている。
前記床材53の要所には複数の流動調整口51が設けられ、図示は省略したがこれらの流動調整口51には前記開閉部材55(又は開閉部材56)がそれぞれ取り付けられている。前記と同様に外壁52の内側には断熱材(図略)が取り付けられている。尚、58は1階の天井材である。
S3は2階の床下空間であり、床材53(又は床材53を張って形成した床)と前記1階の天井材58とにより挟まれた領域によって形成され、当該領域の下方の1階の天井裏には断熱材57が敷設されている。
この戸建ての住宅10Dでも、1階部分の床材53が無垢の天然木質床材で構成されている。なお、この床材53の、床下空間S1に臨む下面の全面にも、乾燥防止層50が取り付けられている。
さらに、この戸建ての住宅10Dの2階部分でも、図9に示すように、床材53にも、分流手段63を介して空調機2からの暖気又は冷気が送り込まれる2階の床下空間S3に臨む下面に、一階の床材53と同様の乾燥防止層50が取り付けられている。
前記2階の床材53においても要所に複数の流動調整口51が設けられ、図示は省略したがこれらの流動調整口51には前記開閉部材55(又は開閉部材56)がそれぞれ取り付けられている。
図9において、室内機2Aの空気吹出口22から吹き出される暖気又は冷気は、建物内に設けられた送気路61により1階の床下空間S1と、2階の床下空間S3とに吹き込まれる。この場合、空調機2を制御する制御部(コントローラ)は図示されていない。尚、送気路61は階段に形成される空間を利用することができる。
63は分流手段であり、前記送気路61内の下端部に設けて空気吹出口22に対向させてある。この分流手段63としては、例えば図8に示すように切替弁を用いることができるが、これに限定されない。
図8、図9において、62は住宅の内部に設けられた換気路であり、下端部は前記室内機2Bの空気吸込口23に連通し、上端部は前記2階の部屋Gに開口する流入口62Aが設けられている。
2階の床下空間S3に吹き込まれた暖気により、2階の床下空間S3内の空気は徐々に加温されて温度が上昇すると共に、床材53に伝熱して当該床材53の温度を上昇させる。この時、前記開閉部材55(又は開閉部材56)を僅かに開くと、2階の床下空間S3内の暖気の一部が流動調整口51を通過して部屋G、H、Iにそれぞれ流動する。このため、2階の床下空間S3内で緩やかに暖気の流動が生じ、隅部にまで暖気が十分に到達する。これにより、2階の床下空間S3内の温度をほぼ均一にすることができる。
以上は暖房モードの場合に付いての説明であるが、冷房モードの場合も同様の要領で実施することが可能である。又、上記第4の実施形態は2階建ての場合であるが、本発明はそれに限定されずに3階以上の建物や地下階のある建物にも適用することが可能である。
3階以上の建物の場合には、図示は省略したが1階の床下空間からn階(n≧2)の床下空間まで連通する送気路に分流手段を配設し、この分流手段によりn階までの任意の階の床下空間に暖気又は冷気を送り込めるように構成する。このような構成により、たとえビル等の建物であっても階数に関係なく十分適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係る空調装置1Aを設けた大小2種類の住宅において、冷暖房効果を確認するための実験を行ってみた。なお、この実験に用いた2種類の住宅には、最大室内高がおよそ7mの高い吹き抜け空間を有する床面積120坪(約396m)の大型住宅と、最大室内高がおよそ3.8mであって床面積33坪(約109m)の平均的な住宅と用いた。また、前者の大型住宅では床面積が広いので6HPの空調機を2台、後者の小型住宅では床面積が狭いので1.5HPの空調機を1台用いてある。
その結果、それぞれ、下記の表3、表4に示すような、顕著な冷暖房効果が得られることが確認された(但し、ここでは冷房実験でのデータを掲載)。
Figure 2011047635
Figure 2011047635
本発明の空調装置1Aを用いた上の実験結果から、1つの空調機2を使用するだけで、建物内部のすべての室内空間S2を効率良くほぼ均一温度に冷房できることが確認できるとともに、室内で生じ易い温度差も抑えられることも確認できた。換言すれば、冷房時の室内温度を低コストで均一に調整できる、との知見を得ることができた。なお、表3において、運転を始めて60分後の天井部分の近傍が若干温度上昇しているが、西向きの壁面に設けた大きな窓の部分から差し込む西日の影響によるものと思われる。
しかも、この冷暖房効果は、床下空間S1に直接臨む床面を構成する床材11から最初に効いてくるので、この床材11に直接触れる足の部分にはその冷たい状態や暖かい状態を最初に体感できる。また、通常一般に、足の部分は冷たさや温かさを最も感じ易い部分の一つであることから、設定温度を冷房時には若干高め、暖房時には若干低めに設定してあっても、冷暖房効果が迅速にかつ効果的に得られ、エネルギー的にも経済的にも好都合であるとともに、環境保護の立場からも好ましい。
また、上記した大小2種類の住宅では、トイレの床下部分が居室側の床下空間S1と連通しており、また風呂場についても居室側の床下空間S1と連通している構成のためか、特に小型の住宅の方(33坪の方)の風呂場及びトイレ室内については、連通する床下空間S1からの暖気によって、冬季や寒い気温の日などには、いずれも効果的に暖められることが確認された。従って、老人などにとっても、冬場に安全で快適な風呂場及びトイレが実現可能になる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
即ち、本発明では、例えば図10(A)に示すような単純な仕切壁を直線的に1本形成したものや、同図(B)に示すような、全く仕切壁を設けていない構成のものであってもよい。
また、本実施形態では、床材を通してその上の室内空間を冷暖房させる構成について説明してきたが、特にこの構成に限定されるものではなく、例えば2階の床下空間(1階から見れば天井裏空間に相当)に冷暖気を送り込んで、1階の室内空間を冷暖房させる構成としてもよい。つまり、床下空間の上の室内空間か階下の室内空間の片方、もしくは両方を選択的に空調することが可能である。この場合、床下空間は、空調を行うべき室内空間と接する面以外を断熱構造(断熱材を設置)とすることで選択的な空調が実施できる。
なお、本発明の空調装置を上記の実施形態では平屋または2階建ての住宅に適用したが、勿論、3階以上の住宅に適用してもよいし、住宅以外の工場や2階建て以上の商業ビルやマンションなどの集合住宅へも適用可能である。さらに、地階を付設する建物などであってもよい。ここで、本発明の空調装置を2階建て以上の建物や地階を付設する建物に設置する場合、どこのフロアに設置するにしても、そのフロアの床下空間は、そのフロアの床材に面した部分以外に放熱してしまわないように、適宜の断熱材を適所に設置するのが効率が良く、好ましい。但し、空調効率が多少低下することはあっても、本発明の効果を実質的に奏することができるものであるならば、断熱材の敷設を省略しても構わない。
本発明の空調装置は、空調機から、床材と基礎との間に形成される床下空間に向けて、空調された暖気又は冷気が送り込まれて床下空間の直上の床材に均一に伝搬し、その暖められた又は冷却された床材から輻射熱又は輻射冷熱が建物の室内空間に均一に放射されるので、室内空間に対して均一で、静かな冷暖房を行うことができ、民間の住宅だけでなく、例えば病院、老人ホームなどにおける空調装置などとしても便宜である。
1A,1B 空調装置
10A,10B,10C,10D 住宅
11,53 床材
12 基礎
2 ヒートポンプを用いた空調機
2A 室内機
2B 室外機
21 連通管(排水管)
22 空気吹出口
23 空気吸込口
24 送気管
25 開閉弁
3 仕切壁
32 基礎(壁側)
33 基礎(地盤側)
4 制御部
5 温度センサ
50 乾燥防止層
51 流動調整口
55,56 開閉部材
61 送気路
62 換気路
63 分流手段
8,57,60 断熱材
9 非通気性シート
S1、S3 床下空間
S2、S4 室内空間

Claims (13)

  1. 建物の室内空間を空調する空調装置であって、
    基礎又は階下の天井と、床材との間に形成される床下空間に向けて空調された暖気又は冷気を送り込む空調機と、
    前記建物の室内空間の温度に応じて前記空調機の運転を制御する制御部と、
    を備えた、ことを特徴とする空調装置。
  2. 前記床下空間は、基礎と床材との間に形成される密閉された床下全体が、一つの、単一空間から構成されるとともに、
    前記空調機は単一のものから構成された、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空調装置。
  3. 前記床下空間の空気を室内空間へ移動させることにより空気の滞留し易い箇所を無くし、前記床下空間全体に暖気又は冷気を均一に行きわたらせ、床下空間の温度を円滑に均一にするために、前記床材に配設した開閉調整が可能な流動調整口と、を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の建物の空調装置。
  4. 前記建物は、平屋または2階以上からなる構成であって、
    2階以上の階層での床下空間は、前記1階部分の床下空間と連通管で連通されているとともに、
    1階部分の床下空間において前記空調機の空気吹出口付近と前記連通管との間に開閉手段を備え、かつ、
    前記空調機で冷、暖房運転を行う場合には、前記開閉手段を開いて、前記空調機からの冷、暖気を前記2階以上の階層での床下空間にも送り込むように構成した、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の空調装置。
  5. 前記床下空間には、必要に応じて断熱を行うように構成した、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の空調装置。
  6. 前記空調機からの暖気又は冷気が空気吹き出し口から前記床下空間に送り込まれて床下空間の全面に亘って伝搬し、前記空調機の空気吸込口に戻ってくるように前記床下空間を分割させるとともに前記空気吹出口から空気吸込口まで連続した流路を形成するため、前記床下空間に設けた仕切壁を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の空調装置。
  7. 仕切壁は、前記地盤に対して、前記床下空間にシグザグ状に交互に曲折した流路を構成するように隣の流路との間を連通する連通口が互い違いに形成されている、もしくはS字の波形に流路を蛇行させている、ことを特徴とする請求項6に記載の空調装置。
  8. 前記床材は、無垢材で構成されているとともに、
    前記床材の前記床下空間に臨む表面部分の全面に、乾燥防止作用をもつ非通気性シートを取り付けた、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空調装置。
  9. 前記床材は、無垢の天然木質床材で構成されているとともに、
    前記床材の前記床下空間に臨む表面部分の全面に、乾燥防止層を形成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の空調装置。
  10. 前記床材は、杉材、欅材、檜材、花梨材、胡桃材、楢材、樺材、桜材、椛材、楓材、ぶな材、栗材、桐材、チーク材、パイン材、ローズ材、タガヤサン材、ストロングウッド材、タモ材、パープルハート材、イペ材、セランガンバツ材、ピンカド材、及びケンパス材及びこれら床材に匹敵する木質を有する無垢の天然木質素材から選ばれた少なくとも一種類の床材若しくはこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の空調装置。
  11. 前記乾燥防止層は、ポリオレフィン系樹脂シート、塩化ビニル系樹脂シート、塩化ポリビニリデン系樹脂シート、アクリル系樹脂シート、天然または合成ゴムシートから選ばれた少なくとも一つのシートからなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の空調装置。
  12. 前記乾燥防止層は、エポキシ系やウレタン系などの液状の樹脂や合成ゴムなどを塗布または吹付けして成膜・硬化させてなる膜であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の空調装置。
  13. 前記空調機の暖冷気吹き出し口上位を中心とする周辺に位置する床下空間の前記乾燥防止層と共に断熱材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の建物の空調装置。
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