JP2009214580A - ハイブリッド車およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】停車保持の指示に基づく停車時からの発進性能を向上させる。
【解決手段】登坂路などで停車した後にブレーキペダルを戻してもブレーキを保持する停車保持制御を解除して発進する際には(S400,S450)、実行用トルクT*の絶対値が値0を含む所定トルクTref未満の範囲内を変化するときにギヤ機構の歯打ち音などを抑制するために十分に小さく設定された第2レートΔT2より大きくなるように、且つ、通常の走行時に用いる比較的大きな第1レートΔT1以上になるように、第3レートΔT3を設定し(S490,S500)、この第3レートΔT3を用いて要求トルクTr*に向けてレート処理により実行用トルクT*を設定して(S510)、実行用トルクT*が出力されるようモータMG2を制御する。これにより、ブレーキホールドスイッチがオンとされ開始された停車保持制御を解除して発進する際の発進性能を向上させることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、ハイブリッド車およびその制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、駆動源としてエンジンとモータを備え、登坂路で停車する際にエンジンを停止すると共にブレーキペダルの踏み込みによりブレーキ油圧を作用させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、ブレーキペダルの踏み込みが解除されてブレーキ油圧を解除するときに、モータから路面勾配に応じた前進方向のトルクを出力することにより、登坂路での車両後退を防止しようとしている。
特開2005−33866号公報
エンジンからの動力をプラネタリギヤなどのギヤ機構を介して駆動軸に出力すると共にモータからの動力を駆動軸に出力するハイブリッド車では、運転者のブレーキ操作に拘わらずに登坂路などで停車を保持する停車保持制御を解除して発進するときに、迅速に発進することができない場合がある。このようなハイブリッド車では、アクセルペダルの踏み込みに基づく要求駆動力が値0近傍の範囲内ではギヤ機構に歯打ち音などの異音が生じないよう緩やかに実行用駆動力を変化させて、エンジンやモータの駆動制御を行なうものがあり、また、このようなハイブリッド車では、停車保持制御を行なっている最中は、クリープトルクが必要でないために実行用駆動力を値0として駆動制御を行なうものがある。こうしたハイブリッド車において、アクセルペダルの踏み込みにより停車保持制御を解除して発進するときには、実行用駆動力が値0から立ち上がるために駆動力が緩やかにしか変化せず、迅速に発進することができない場合が生じてしまう。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、停車保持の指示に基づく停車時からの発進性能を向上させることを主目的とする。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、少なくとも上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、
動力を入出力する発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
運転者のブレーキ操作に基づいて車両に制動力を付与すると共に運転者のブレーキ操作に拘わらずに車両に制動力を付与可能な制動力付与手段と、
停車の保持を指示する停車保持指示手段と、
運転者のアクセル操作に基づいてアクセル開度を設定するアクセル開度設定手段と、
前記設定されたアクセル開度に基づいて要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記停車保持指示手段により停車の保持の指示がなされたときには前記制動力付与手段による制動力の付与により停車が保持されるよう前記制動力付与手段を制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づいて停車を保持している状態から前記設定されたアクセル開度が所定開度以上となる条件を含む解除条件が成立したときには停車の保持の状態が解除されるよう前記制動力付与手段を制御する停車保持制御手段と、
前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づかない停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクが作用するよう実行用駆動力を設定し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時には前記設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が値0を含む所定範囲外を変化するときには単位時間あたり第1の変化量をもって前記設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に前記設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が前記所定範囲内を変化するときには前記第1の変化量より小さい第2の変化量をもって前記設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には値0の実行用駆動力を設定し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時には前記設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が前記第2の変化量より大きい第3の変化量をもって前記設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定する実行用駆動力設定手段と、
前記設定された実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する駆動制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づかない停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクが作用するよう実行用駆動力を設定し、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時には運転者のアクセル操作によるアクセル開度に基づく要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が値0を含む所定範囲外を変化するときには単位時間あたり第1の変化量をもって要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が所定範囲内を変化するときには第1の変化量より小さい第2の変化量をもって要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定し、設定した実行用駆動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。これにより、停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクを作用させることができ、こうした走行時に第1の変化量より小さい第2の変化量を用いるから3軸式動力入出力手段がギヤ機構による場合などに歯打ち音などの異音により運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。また、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には値0の実行用駆動力を設定し、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時には要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が第2の変化量より大きい第3の変化量をもって要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定し、設定した実行用駆動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。これにより、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクを作用させないものとすることができ、こうした停車時からの発進時には第2の変化量より大きい第3の変化量を用いるから、停車保持の指示に基づく停車時からの発進性能を向上させることができる。
こうした本発明のハイブリッド車において、前記実行用駆動力設定手段は、前記設定されたアクセル開度が大きいほど大きくなる変化量を前記第3の変化量として用いて実行用駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、停車保持の指示に基づく停車時から運転者の要求により適正に対応して発進することができる。この場合、前記実行用駆動力設定手段は、前記設定されたアクセル開度が大きいほど大きくなる変化量が前記第1の変化量より小さいときには前記第1の変化量を前記第3の変化量として用いて実行用駆動力を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、停車保持の指示に基づく停車時からの発進性能をより確実に向上させることができる。
本発明のハイブリッド車の制御方法は、
内燃機関と、動力を入出力する発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、運転者のブレーキ操作に基づいて車両に制動力を付与すると共に運転者のブレーキ操作に拘わらずに車両に制動力を付与可能な制動力付与手段と、停車の保持を指示する停車保持指示手段と、を備えるハイブリッド車において、前記停車保持指示手段により停車の保持の指示がなされたときには前記制動力付与手段による制動力の付与により停車が保持されるよう前記制動力付与手段を制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づいて停車を保持している状態から運転者のアクセル操作に基づくアクセル開度が所定開度以上となる条件を含む解除条件が成立したときには停車の保持の状態が解除されるよう前記制動力付与手段を制御する、ハイブリッド車の制御方法であって、
前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づかない停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクが作用するよう実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時に前記アクセル開度に基づく要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が値0を含む所定範囲外を変化するときには単位時間あたり第1の変化量をもって前記要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時に前記要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が前記所定範囲内を変化するときには前記第1の変化量より小さい第2の変化量をもって前記要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には値0の実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時には前記要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が前記第2の変化量より大きい第3の変化量をもって前記要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド車の制御方法では、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づかない停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクが作用するよう実行用駆動力を設定し、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時には運転者のアクセル操作によるアクセル開度に基づく要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が値0を含む所定範囲外を変化するときには単位時間あたり第1の変化量をもって要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が所定範囲内を変化するときには第1の変化量より小さい第2の変化量をもって要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定し、設定した実行用駆動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。これにより、停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクを作用させることができ、こうした走行時に第1の変化量より小さい第2の変化量を用いるから3軸式動力入出力手段がギヤ機構による場合などに歯打ち音などの異音により運転者に違和感を与えるのを抑制することができる。また、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には値0の実行用駆動力を設定し、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時には要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が第2の変化量より大きい第3の変化量をもって要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定し、設定した実行用駆動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。これにより、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクを作用させないものとすることができ、こうした停車時からの発進時には第2の変化量より大きい第3の変化量を用いるから、停車保持の指示に基づく停車時からの発進性能を向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、駆動輪63a,63bや図示しない従動輪のブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ92と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエ
ンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCを演算したり、演算した残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ90の圧力と車速とにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが駆動輪63a,63bや図示しない従動輪に作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧(以下、ブレーキ油圧という)を調整したり、ブレーキペダル85の踏み込みに無関係に、駆動輪63a,63bや従動輪に制動トルクが作用するようブレーキ油圧を調整したりすることができるように構成されている。ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)94により制御されている。ブレーキECU94は、駆動輪63a,63bや従動輪に取り付けられた図示しない車輪速センサからの各車輪速,図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力して、運転者がブレーキペダル85を踏み込んだときに駆動輪63a,63bや従動輪のいずれかがロックによりスリップするのを防止するアンチロックブレーキシステム機能(ABS)や運転者がアクセルペダル83を踏み込んだときに駆動輪63a,63bのいずれかが空転によりスリップするのを防止するトラクションコントロール(TRC),車両が旋回走行しているときに姿勢を保持する姿勢保持制御(VSC)なども行なう。ブレーキECU94は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ92を駆動制御したり、各車輪速に関する信号や必要に応じてブレーキアクチュエータ92の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出してアクセル開度として設定するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,運転席近傍に取り付けられ登坂路などで停車した後にブレーキペダル85を戻してもブレーキを保持する停車保持制御の実行を指示するブレーキホールドスイッチ89からのブレーキホールド信号などが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。ここで、トルク変換運転モードは、充放電運転モードのうちバッテリ50の充放電が行なわれない状態であるから、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。また、エンジン運転モードとモータ運転モードとの切り替えは、エンジン運転モードで走行している最中に要求動力が所定パワー未満となったときなどにモータ運転モードに切り替えられ、モータ運転モードで走行している最中に要求動力が所定パワー以上となったときなどにエンジン運転モードに切り替えられる。所定パワーとしては、エンジン22を比較的効率よく運転することができるパワー領域の下限値近傍の値などを用いることができる。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に登坂路で運転者がブレーキホールドスイッチ89をオンとした後に発進する際の動作について説明する。図2はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停車保持開始制御ルーチンの一例を示すフローチャートであり、図3はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停車保持解除制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。これらのルーチンは、ブレーキホールドスイッチ89がオンとされた以降に所定時間毎(例えば数msec毎など)に繰り返し実行される。以下、停車保持開始制御と停車保持解除制御とを順に説明する。
停車保持開始制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accやブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,停車保持制御フラグFstopなど停車保持制御を開始するのに必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、停車保持制御フラグFstopは、このルーチンにより停車保持制御が開始されたときに値1がセットされ、停車保持解除制御ルーチンにより停車保持制御が解除されたときに初期値としての値0にリセットされるフラグである。
こうしてデータを入力すると、停車保持制御フラグFstopが値0であるか否かと(ステップS110)、アクセル開度Accが値0となるアクセルオフ状態であるか否かと(ステップS120)、車速Vが値0となる停車状態であるか否かと(ステップS130)、ブレーキペダルポジションBPが値0より大きいブレーキオン状態であるか否かと(ステップS140)、を判定する。停車保持制御フラグFstopが値1のときには既に停車保持制御が開始されていると判断し、また、アクセルオンされているときや停車状態でないとき,ブレーキオフされているときには運転者に停車する意思がないと判断して、本ルーチンを終了する。
停車保持制御フラグFstopが値0のときに、アクセルオフされており、停車状態であり、ブレーキオンされているときには、ブレーキ保持を指示する信号をブレーキECU94に送信し(ステップS150)、停車保持制御フラグFstopに値1を設定して(ステップS160)、本ルーチンを終了する。ブレーキ保持の指示信号を受信したブレーキECU94は、駆動輪63a,63bや従動輪のブレーキ油圧が保持されるようブレーキアクチュエータ92を制御する。こうして停車保持制御が開始され、その後にブレーキペダル85が戻されても停車状態が保持される。なお、停車保持制御を開始するときには、アクセル開度Accに基づく要求トルクに対応する要求動力は所定パワー未満となり、エンジン22が運転されている場合にはハイブリッド用電子制御ユニット70からの指示を受けたエンジンECU24によりエンジン22の運転は停止される。
次に、停車保持制御の解除について説明する。図3の停車保持解除制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセル開度Accや停車保持制御フラグFstopなど停車保持制御を解除するのに必要なデータを入力し(ステップS200)、停車保持制御フラグFstopが値1か否かと(ステップS210)、アクセル開度Accが解除判定閾値Aref(例えば7%や9%など)以上であるか否かと(ステップS220)、を判定する処理を実行する。停車保持制御フラグFstopが値0のときには既に停車保持制御は解除されていると判断し、また、アクセル開度Accが解除判定閾値Aref未満のときには運転者に発進の意思がないと判断して、本ルーチンを終了する。
停車保持制御フラグFstopが値1でアクセル開度Accが解除判定閾値Aref以上のときには、ブレーキ解除を指示する信号をブレーキECU94に送信し(ステップS230)、ブレーキ油圧の解除が完了した旨の信号をブレーキECU94から受信するのを待って(ステップS240)、停車保持制御フラグFstopに値0を設定し(ステップS250)、本ルーチンを終了する。ブレーキECU94は、ブレーキ解除の指示信号を受信したときにブレーキ油圧の解除を開始するようブレーキアクチュエータ92を制御する。また、ブレーキECU94は、ブレーキ油圧の解除が完了したときにその旨の信号をハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する。こうして停車保持制御が解除されることになる。
次に、こうして停車保持制御が実行されているときなどエンジン22の運転が停止されているときの駆動制御について説明する。図4はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
エンジン停止時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、アクセル開度Accや車速V,停車保持制御フラグFstop,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力すると共に(ステップS300)、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定し(ステップS310)、設定した要求トルクTr*に基づいて実際の駆動制御に用いる実行用トルクT*を設定する処理を実行する(ステップS320)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図5に要求トルク設定用マップの一例を示す。図示するように、車速Vが値0となる停車時のアクセルオフ時には、所定のクリープトルクTcrpが要求トルクTr*に設定される。また、実行用トルクT*の設定は、図6に例示するフローチャートにより実行される実行用トルク設定処理により行なわれるが、その内容については、説明の都合上、後述する。
続いて、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*に値0を設定すると共に(ステップS330)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定し(ステップS340)、実行用トルクT*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを計算すると共に(ステップS350)、バッテリ50の入出力制限Win,WoutをモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tmin,Tmaxを計算し(ステップS360)、計算したトルク制限Tmin,Tmaxで仮トルクTm2tmpを制限した値としてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS370)。
こうしてエンジン22の目標回転数Ne*や目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*についてはエンジンECU24に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40にそれぞれ送信し(ステップS380)、エンジン停止時駆動制御ルーチンを終了する。値0の目標回転数Ne*および値0の目標トルクTe*を受信したエンジンECU24は、燃料噴射制御や点火制御が行なわれないようエンジン22を制御する。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、値0のトルク指令Tm1*に応じてモータMG1からはトルクが出力されないようにすると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2から要求トルクTr*を出力して走行することができる。図7に、エンジン22を停止してモータMG2からの動力により走行するときの動力分配統合機構30(ギヤ比ρ)の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す。
次に、実行用トルクT*の設定処理について説明する。図6の実行用トルク設定処理が実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、車速Vが値0となる停車状態であるか否かと(ステップS400)、アクセルオフされているか否かと(ステップS410)、停車保持制御フラグFstopが値1であるか否かと(ステップS420)、を判定する。停車状態でアクセルオフされており、停車保持制御フラグFstopが値0のときには、通常の停車時のアクセルオフ時であると判断し、要求トルクTr*を実行用トルクT*にそのまま設定して(ステップS430)、実行用トルク設定処理を終了する。このときは、停車時のアクセルオフ時であるため、クリープトルクTcrpが要求トルクTr*に設定されており、このクリープトルクTcrpが実行用トルクT*として設定されることになる。こうして通常の停車時のアクセルオフ時には、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でリングギヤ軸32aにモータMG2からクリープトルクTcrpが出力される。一方、ステップS420で停車保持制御フラグFstopが値1のときには、クリープトルクTcrpが出力されないよう実行用トルクT*に値0を設定して(ステップS440)、実行用トルク設定処理を終了する。こうして停車保持制御による停車時のアクセルオフ時には、必要でないクリープトルクTcrpをモータMG2から出力しないものとすることができる。
ステップS400,S410で停車状態でないときやアクセルオンされているときには、発進時や走行時であると判断して、停車保持制御フラグFstopが値0であるか否かを判定し(ステップS450)、停車保持制御フラグFstopが値0のときには、通常の発進時を含む走行時であると判断して、前回この実行用トルク設定処理により設定した実行用トルクT*(前回実行用トルクT*)の絶対値が所定トルクTref以上であるか否かを判定する(ステップS460)。所定トルクTrefは、リングギヤ軸32aに作用するトルクの正負が反転するなどにより動力分配統合機構30などのギヤ機構に歯打ち音などの異音が生じ得るか否かを判断するためのものであり、実験等により予め求めたものを用いることができる。
停車保持制御フラグFstopが値0で前回実行用トルクT*の絶対値が所定トルクTref以上のときには、要求トルクTr*に向けて第1レートΔT1を用いたレート処理により実行用トルクT*を設定し(ステップS470)、停車保持制御フラグFstopが値0で前回実行用トルクT*の絶対値が所定トルクTref未満のときには、要求トルクTr*に向けて第1レートΔT1より小さい第2レートΔT2を用いたレート処理により実行用トルクT*を設定して(ステップS480)、実行用トルク設定処理を終了する。実施例では、第1レートΔT1は、動力分配統合機構30などのギヤ機構に歯打ち音などの異音が生じ得ないと判断されたときにエンジン22の運転状態やモータMG1,MG2の駆動状態などに基づいて比較的大きな値として設定されるレート値を用いるものとし、第2レートΔT2は、このような歯打ち音などの異音が生じ得ると判断されたときにこの異音が抑制されるよう十分に小さな値として予め設定されたレート値を用いるものとした。また、第1レートΔT1や第2レートΔT2,後述する第3レートΔT3は、図4のエンジン停止時駆動制御ルーチンの起動間隔あたりの実行用トルクT*の変化量として設定するものとした。こうして通常の走行時には、動力分配統合機構30などのギヤ機構に歯打ち音などの異音が生じるのを抑制して運転者に違和感を与えるのを抑制することができ、基本的には、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でリングギヤ軸32aに要求トルクTr*に向けて比較的迅速に変化するトルクを出力することができる。
ステップS450で停車保持フラグFstopが値1のときには、停車保持制御の解除による発進時であると判断して、こうした発進時に実行用トルクT*を設定するためのレート処理に用いる第3レートΔT3の仮の値である仮レートΔT3tmpをアクセル開度Accに基づいて設定し(ステップS490)、設定した仮レートΔT3tmpと前述の第1レートΔT1とのうち大きい方を第3レートΔT3に設定して(ステップS500)、実行用トルク設定処理を終了する。仮レートΔT3tmpは、実施例では、アクセル開度Accと仮レートΔT3tmpとの関係を予め定めて仮レート設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accが与えられると記憶したマップから対応する仮レートΔT3tmpを導出して設定するものとした。図8に仮レート設定用マップの一例を示す。図示するように、仮レートΔT3tmpは、第2レートΔT2より大きな値として、アクセル開度Accが比較的小さい範囲内と比較的大きい範囲内とではそれぞれ所定のレート値が設定され、アクセル開度Accがこの比較的小さい範囲からこの比較的大きい範囲まで大きくなるほど大きなレート値が設定されるものとした。
ここで、停車保持制御を解除して発進する際のアクセル開度Accと停車保持制御フラグFstopとブレーキ油圧と実行用トルクT*と実際の車両の加速度との時間変化の様子の一例を図9に示す。図中、実線は実施例による時間変化の様子を示し、破線はこの実施例と比較するための比較例による時間変化の様子を示す。比較例では、図6の実行用トルク設定処理のステップS450,S490〜S510の処理を行なわない点を除いて、実施例と同様に制御されるものとした。実施例では、停車保持制御による停車時にアクセルペダル83の踏み込みが始まると、通常の走行時に用いる比較的大きな第1レートΔT1以上の第3レートΔT3をもって実行用トルクT*の設定が開始され(時間t1)、アクセル開度Accが解除判定閾値Aref以上になるとブレーキ油圧の解除が開始され(時間t2)、ブレーキ油圧の解除処理中もアクセルペダル83の踏み込みに応じて第3レートΔT3をもって実行用トルクT*が設定され、その後にブレーキ油圧の解除が完了すると停車保持制御フラグFstopが値0にリセットされて第1レートΔT1をもって実行用トルクT*の設定が開始される(時間t3)。こうして、ブレーキ油圧による制動トルクが徐々に小さくなるのに対し、徐々に大きくなる実行用トルクT*に基づくモータMG2からのトルクによって車両は発進する。一方、比較例では、時間t1で停車保持制御による停車時にアクセルペダル83が踏み込まれても、それまでにクリープトルクTcrpが出力されないよう実行用トルクT*には値0が設定されているため、ギヤ機構の歯打ち音などを抑制するために十分に小さく設定された第2レートΔT2をもって実行用トルクT*が設定されるから、実行用トルクT*は値0から緩やかに立ち上がり、車両は緩やかに発進することになる。このように、停車保持制御を解除して発進する際に、実施例では、第3レートΔT3として、実行用トルクT*の絶対値が値0を含む所定トルクTref未満の範囲内を変化するときにギヤ機構の歯打ち音などを抑制するために十分に小さく設定された第2レートΔT2より大きな値を設定すると共に通常の走行時に用いる比較的大きな第1レートΔT1以上の値を設定し、こうして設定された第3レートΔT3を用いて要求トルクTr*に向けてレート処理により実行用トルクT*を設定して実行用トルクT*に相当するトルクが出力されるようモータMG2を制御する。これにより、ブレーキホールドスイッチ89が運転者によりオンとされ開始された停車保持制御を解除して発進する際の発進性能を向上させることができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、停車保持制御を解除して発進する際には、実行用トルクT*の絶対値が値0を含む所定トルクTref未満の範囲内を変化するときに動力分配統合機構30などのギヤ機構の歯打ち音などの異音を抑制するために十分に小さく設定された第2レートΔT2より大きくなるように、且つ、通常の走行時に用いる比較的大きな第1レートΔT1以上になるように、第3レートΔT3を設定し、こうして設定された第3レートΔT3を用いて要求トルクTr*に向けてレート処理により実行用トルクT*を設定して実行用トルクT*が出力されるようモータMG2を制御するから、ブレーキホールドスイッチ89が運転者によりオンとされ開始された停車保持制御を解除して発進する際の発進性能を向上させることができる。また、停車保持制御を解除して発進する際に用いる第3レートΔT3を設定するための仮レートΔT3tmpを、アクセル開度Accが大きいほど大きな値に設定するものとしたから、停車保持制御を解除する際に運転者の要求により適正に対応して発進することができる。さらに、通常の停車時のアクセルオフ時にクリープトルクTcrpを実行用トルクT*に設定するのに対し、停車保持制御による停車時のアクセルオフ時には、値0を実行用トルクT*に設定するから、必要でないクリープトルクTcrpをモータMG2から出力しないものとすることができる。しかも、通常の走行時に、実行用トルクT*の絶対値が値0を含む所定トルクTref未満の範囲内を変化するときには、通常の走行時に用いる比較的大きな第1レートΔT1より十分に小さな第2レートΔT2を用いて実行用トルクT*を設定するから、動力分配統合機構30などのギヤ機構に歯打ち音などの異音が生じるのを抑制して運転者に違和感を与えるのを抑制することができ、実行用トルクT*の絶対値が所定トルクTref未満の範囲外を変化するときには、比較的大きな第1レートΔT1を用いて実行用トルクT*を設定するから、要求トルクTr*に向けて比較的迅速に変化するトルクを出力することができる。もとより、停車保持制御の実行を伴って、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2から実行用トルクT*を出力して走行することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、停車保持制御を解除する際に、仮レートΔT3tmpと第1レートΔT1とのうち大きい方を第3レートΔT3に設定して実行用トルクT*を設定するものとしたが、仮レートΔT3tmpをそのまま第3レートΔT3に設定して実行用トルクT*を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、停車保持制御を解除する際に設定する仮レートΔT3tmpとして、第2レートΔT2より大きな値としてアクセル開度Accが比較的小さい範囲内と比較的大きい範囲内とではそれぞれ所定のレート値を設定すると共にアクセル開度Accがこの比較的小さい範囲からこの比較的大きい範囲まで大きくなるほど大きなレート値を設定するものとしたが、アクセル開度Accが比較的小さい範囲内や比較的大きい範囲内にあるか否かに拘わらずにアクセル開度Accが大きくなるほど大きなレート値を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、停車保持制御を解除する際に、アクセル開度Accが大きいほど大きくなる仮レートΔT3tmpを設定して第3レートΔT3を設定するものとしたが、第2レートΔT2より大きくなるよう第3レートΔT3を設定するものであれば、アクセル開度Accに拘わらずに第2レートΔT2より大きい所定の仮レートΔT3tmpを設定して第3レートΔT3を設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、第1レートΔT1,第1レートΔT1より小さな第2レートΔT2,第2レートΔT2より大きく第1レートΔT1以上の第3レートΔT3を用いて要求トルクTr*に向けてレート処理を用いて実行用トルクT*を設定するものとしたが、レート処理とは異なる緩変化処理(例えば、なまし処理など)を要求トルクTr*に施して実行用トルクT*を設定するものとしてもよい。例えば、なまし処理を用いる場合、第1レートΔT1,第2レートΔT2,第3レートΔT3によるレート処理に代えて、時定数T1,時定数T1より大きな時定数T2,時定数T2より小さく時定数T1以下の時定数T3によるなまし処理を要求トルクTr*に施して実行用トルクT*を設定するものとすればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、アクセルペダル83の踏み込み量を検出してアクセル開度Accとして設定するアクセルペダルポジションセンサ84を用いるものとしたが、アクセルペダル83の踏み込み量をアクセルペダルポジションセンサ84により検出すると共に、ハイブリッド用電子制御ユニット70によって、検出されたアクセルペダル83の踏み込み量がアクセルオンと判断される所定量より大きいときにはアクセル開度Accを値0より大きく設定すると共に所定量以下のときにはアクセル開度Accを値0に設定するものとしてもよい。この場合、所定量には、停車保持制御を解除する解除判定閾値Arefやこれより小さい値を用いることができ、このときの解除判定閾値Arefはアクセルペダルポジションセンサ84により検出されたアクセルペダル83の踏み込み量に基づいて判定することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、停車保持制御を開始するときにエンジン22の運転は停止されてエンジン22を運転停止した状態で停車保持制御を解除して発進するときの処理として説明したが、停車保持制御を開始するときや解除して発進するときにエンジン22を運転(例えば自立運転)しているときの処理としても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、リングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるものとしてもよいし、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図10における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の列車などのハイブリッド車の形態としてもよいし、ハイブリッド車の制御方法の形態としても構わない。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、ブレーキマスターシリンダ90とブレーキアクチュエータ92とブレーキホイールシリンダ96a〜96dとにより構成されるものが「制動力付与手段」に相当し、ブレーキホールドスイッチ89が「停車保持指示手段」に相当し、アクセルペダルポジションセンサ84が「アクセル開度設定手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図4のエンジン停止時駆動制御ルーチンのステップS310の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、ブレーキホールドスイッチ89がオンとされたときに所定の条件の成立に応じてブレーキ保持の指示信号をブレーキECU94に送信する図2の停車保持開始ルーチンと停車保持制御フラグFstopが値1でアクセル開度Accが解除判定閾値Aref以上となったときにブレーキ解除の指示信号をブレーキECU94に送信する図3の停車保持解除制御ルーチンとを実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とブレーキ保持の指示信号を受信して駆動輪63a,63bや従動輪のブレーキ油圧を保持すると共にブレーキ解除の指示信号を受信して駆動輪63a,63bや従動輪のブレーキ油圧を解除するようブレーキアクチュエータ92を制御するブレーキECU94とが「停車保持制御手段」に相当し、通常の停車時のアクセルオフ時には要求トルクTr*即ちクリープトルクTcrpを実行用トルクT*に設定し通常の走行時には前回実行用トルクT*の絶対値が所定トルクTref以上か未満かに応じて要求トルクTr*に向けて第1レートΔT1又はこれより小さい第2レートΔT2を用いたレート処理により実行用トルクT*を設定し停車保持制御による停車時のアクセルオフ時には実行用トルクT*に値0を設定し停車保持制御による停車時からの発進時には第2レートΔT2より大きなレート値としてアクセル開度Accが大きいほど大きく設定される仮レートΔT3tmpと第1レートΔT1とのうち大きい方を第3レートΔT3に設定して要求トルクTr*に向けて第3レートΔT3を用いたレート処理により実行用トルクT*を設定する図6の実行用トルク設定処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「実行用駆動力設定手段」に相当し、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに実行用駆動力T*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに値0を設定すると共にモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図4のエンジン停止時駆動制御ルーチンのステップS330〜S380の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいて燃料噴射制御や点火制御が行なわれないようエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「駆動制御手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力するものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、車軸に連結された駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力するものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機および電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「制動力付与手段」としては、ブレーキマスターシリンダ90とブレーキアクチュエータ92とブレーキホイールシリンダ96a〜96dとにより構成されるものに限定されるものではなく、運転者のブレーキ操作に基づいて車両に制動力を付与すると共に運転者のブレーキ操作に拘わらずに車両に制動力を付与可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「停車保持指示手段」としては、ブレーキホールドスイッチ89に限定されるものではなく、電子制御ユニットによるものなど、停車の保持を指示するものであれば如何なるものとしても構わない。「アクセル開度設定手段」としては、アクセルペダルポジションセンサ84に限定されるものではなく、センサと電子制御ユニットとの組み合わせによるものなど、運転者のアクセル操作に基づいてアクセル開度を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものなど、設定されたアクセル開度に基づいて要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「停車保持制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とブレーキECU94とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「停車保持制御手段」としては、ブレーキホールドスイッチ89がオンとされたときに所定の条件の成立に応じて駆動輪63a,63bや従動輪のブレーキ油圧を保持するようブレーキアクチュエータ92を制御し停車保持制御フラグFstopが値1でアクセル開度Accが解除判定閾値Aref以上となったときに駆動輪63a,63bや従動輪のブレーキ油圧を解除するようブレーキアクチュエータ92を制御するものに限定されるものではなく、停車保持指示手段により停車の保持の指示がなされたときには制動力付与手段による制動力の付与により停車が保持されるよう制動力付与手段を制御し、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づいて停車を保持している状態から設定されたアクセル開度が所定開度以上となる条件を含む解除条件が成立したときには停車の保持の状態が解除されるよう制動力付与手段を制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
さらに、「実行用駆動力設定手段」としては、通常の停車時のアクセルオフ時には要求トルクTr*即ちクリープトルクTcrpを実行用トルクT*に設定し通常の走行時には前回実行用トルクT*の絶対値が所定トルクTref以上か未満かに応じて要求トルクTr*に向けて第1レートΔT1又はこれより小さい第2レートΔT2を用いたレート処理により実行用トルクT*を設定し停車保持制御による停車時のアクセルオフ時には実行用トルクT*に値0を設定し停車保持制御による停車時からの発進時には第2レートΔT2より大きなレート値としてアクセル開度Accが大きいほど大きく設定される仮レートΔT3tmpと第1レートΔT1とのうち大きい方を第3レートΔT3に設定して要求トルクTr*に向けて第3レートΔT3を用いたレート処理により実行用トルクT*を設定するハイブリッド用電子制御ユニット70に限定されるものではなく、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づかない停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクが作用するよう実行用駆動力を設定し、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時には設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が値0を含む所定範囲外を変化するときには単位時間あたり第1の変化量をもって設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が所定範囲内を変化するときには第1の変化量より小さい第2の変化量をもって設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定し、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には値0の実行用駆動力を設定し、停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時には設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が第2の変化量より大きい第3の変化量をもって設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「駆動制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「駆動制御手段」としては、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに実行用駆動力T*を出力して走行するようにエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを値0に設定すると共にモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものに限定されるものではなく、設定された実行用駆動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停車保持開始制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停車保持解除制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 実行用トルク設定処理の一例を示すフローチャートである。 エンジン22を停止してモータMG2からの動力により走行するときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 仮レート設定用マップの一例を示す説明図である。 停車保持制御を解除して発進する際のアクセル開度Accと停車保持制御フラグFstopとブレーキ油圧と実行用トルクT*と実際の車両の加速度との時間変化の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、89 ブレーキホールドスイッチ、90 ブレーキマスターシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、94 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、96a〜96d ブレーキホイールシリンダ、MG1,MG2 モータ。

Claims (4)

  1. 内燃機関と、
    動力を入出力する発電機と、
    車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
    前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
    前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、
    運転者のブレーキ操作に基づいて車両に制動力を付与すると共に運転者のブレーキ操作に拘わらずに車両に制動力を付与可能な制動力付与手段と、
    停車の保持を指示する停車保持指示手段と、
    運転者のアクセル操作に基づいてアクセル開度を設定するアクセル開度設定手段と、
    前記設定されたアクセル開度に基づいて要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記停車保持指示手段により停車の保持の指示がなされたときには前記制動力付与手段による制動力の付与により停車が保持されるよう前記制動力付与手段を制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づいて停車を保持している状態から前記設定されたアクセル開度が所定開度以上となる条件を含む解除条件が成立したときには停車の保持の状態が解除されるよう前記制動力付与手段を制御する停車保持制御手段と、
    前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づかない停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクが作用するよう実行用駆動力を設定し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時には前記設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が値0を含む所定範囲外を変化するときには単位時間あたり第1の変化量をもって前記設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に前記設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が前記所定範囲内を変化するときには前記第1の変化量より小さい第2の変化量をもって前記設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には値0の実行用駆動力を設定し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時には前記設定された要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が前記第2の変化量より大きい第3の変化量をもって前記設定された要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定する実行用駆動力設定手段と、
    前記設定された実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する駆動制御手段と、
    を備えるハイブリッド車。
  2. 前記実行用駆動力設定手段は、前記設定されたアクセル開度が大きいほど大きくなる変化量を前記第3の変化量として用いて実行用駆動力を設定する手段である請求項1記載のハイブリッド車。
  3. 前記実行用駆動力設定手段は、前記設定されたアクセル開度が大きいほど大きくなる変化量が前記第1の変化量より小さいときには前記第1の変化量を前記第3の変化量として用いて実行用駆動力を設定する手段である請求項2記載のハイブリッド車。
  4. 内燃機関と、動力を入出力する発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸の3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、運転者のブレーキ操作に基づいて車両に制動力を付与すると共に運転者のブレーキ操作に拘わらずに車両に制動力を付与可能な制動力付与手段と、停車の保持を指示する停車保持指示手段と、を備えるハイブリッド車において、前記停車保持指示手段により停車の保持の指示がなされたときには前記制動力付与手段による制動力の付与により停車が保持されるよう前記制動力付与手段を制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づいて停車を保持している状態から運転者のアクセル操作に基づくアクセル開度が所定開度以上となる条件を含む解除条件が成立したときには停車の保持の状態が解除されるよう前記制動力付与手段を制御する、ハイブリッド車の制御方法であって、
    前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づかない停車時のアクセルオフ時には所定のクリープトルクが作用するよう実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時に前記アクセル開度に基づく要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が値0を含む所定範囲外を変化するときには単位時間あたり第1の変化量をもって前記要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時以外の走行時に前記要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が前記所定範囲内を変化するときには前記第1の変化量より小さい第2の変化量をもって前記要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時のアクセルオフ時には値0の実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御し、前記停車保持指示手段による停車の保持の指示に基づく停車時からの発進時には前記要求駆動力の変化に伴って実行用駆動力が前記第2の変化量より大きい第3の変化量をもって前記要求駆動力に至るように実行用駆動力を設定すると共に該設定した実行用駆動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
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