JP2010111182A - ハイブリッド車およびその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】二次電池などの蓄電装置が過充電されることなく駆動輪の急減速によって生じる発電機の過回転を抑制する。
【解決手段】モータMG1が過回転に至ると判定されると共に所定の条件を満たすときには(S120,S240〜S260)、モータMG1の回転角加速度(ωm1/dt)が値0となる条件とモータMG1で発電される電力とモータMG2で消費される電力との和がバッテリを充電する際の入力制限Winとなる条件とモータMG1,MG2から出力される動力によりリングギヤ軸に作用するトルクの和が要求摩擦制動トルクFBT*未満となる条件とを満たす範囲内でリングギヤ軸32aに動力が出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御する(S280〜S300,S230)。これにより、バッテリ50が過充電されることなくモータMG1の過回転を抑制することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ハイブリッド車およびその制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、エンジンと、エンジンのクランクシャフトにキャリアが接続されると共に駆動輪に連結された車軸側にリングギヤが接続された遊星歯車機構と、遊星歯車機構のサンギヤに接続された発電可能な第1モータと、車軸に動力を出力する第2モータと、第1モータおよび第2モータと電力のやり取りを行なうバッテリとを備え、駆動輪の空転によるスリップが検出されているときには駆動輪のスリップが検出されていないときに比べて第1モータの制御上の許容回転数を小さくするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、駆動輪の空転によるスリップが生じると、駆動輪の回転数が上昇すると共にエンジンの回転数も上昇する。その後、駆動輪のグリップ力が回復すると、駆動輪の回転数が急速に低下する。このとき、エンジンの慣性モーメントは第1モータの慣性モーメントに比べて非常に大きいため、エンジンの回転数は若干低下する一方で第1モータの回転数は急上昇することになる。従って、エンジンの回転数が比較的高い場合には、第1モータの回転数が許容される回転数を超える過回転となることがある。このため、このハイブリッド車では、駆動輪にスリップが生じたときには第1モータの制御上の許容最大回転数を通常に比べて小さい値に設定して、第1モータの回転数が設定された許容最大回転数を超えないよう第1モータから回生トルクを出力し、駆動輪のグリップ力が回復したときに第1モータの回転数が急上昇しても第1モータが過回転しないようにしている。
特開2007−203993号公報
しかしながら、上述のハイブリッド車では、バッテリが満充電に近いときやバッテリの温度が低いときなど第1モータで発電した電力をバッテリに充電することができないときにはバッテリが過充電となることがある。また、バッテリの過充電を避けるために、第1モータから回生トルクを出力しなければ、第1モータが過回転してしまう。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、二次電池などの蓄電装置が過充電されることなく駆動輪の急減速によって生じる発電機の過回転を抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、駆動輪に連結された駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、共線図において順に並ぶ第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有し該第1回転要素が前記発電機の回転軸に接続され該第2回転要素が前記内燃機関の出力軸に接続され該第3回転要素が前記駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、運転者の操作に基づいて車両に制動力を付与する制動手段と、を備えるハイブリッド車であって、
前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸のうち少なくとも2軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記制動手段により車両に付与される制動力を演算する制動力演算手段と、
前記検出された少なくとも2軸の回転数に基づいて前記駆動輪の急減速により前記発電機の回転数が該発電機に許容される最大回転数を超える過回転状態になるのを推定する発電機過回転推定手段と、
前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充電する際の最大許容電力としての入力制限を設定する入力制限設定手段と、
前記発電機過回転推定手段により前記発電機が過回転状態になると推定されると共に前記演算された制動力が所定の制動力以上となる所定回転制動状態のときには、前記発電機の回転数が前記最大回転数のときに該発電機の回転数の増加率が値0となる第1の条件と前記発電機で発電される電力と前記電動機で消費される電力との和が前記設定された入力制限の範囲内となる第2の条件と前記発電機から入出力される動力により前記駆動軸に作用するトルクと前記電動機から入出力される動力により該駆動軸に作用するトルクとの和が前記演算された制動力により該駆動軸に作用するトルク未満となる第3の条件とを満たす範囲内で前記駆動軸に動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する過回転抑制制御を実行する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、発電機過回転推定手段により発電機が過回転状態になると推定されると共に制動手段により車両に付与される制動力が所定の制動力以上となる所定回転制動状態のときには、発電機の回転数が許容される最大回転数のときに発電機の回転数の増加率が値0となる第1の条件と発電機で発電される電力と電動機で消費される電力との和が蓄電手段を充電する際の最大許容電力としての入力制限の範囲内となる第2の条件と発電機から入出力される動力により駆動軸に作用するトルクと電動機から入出力される動力により駆動軸に作用するトルクとの和が制動力により駆動軸に作用するトルク未満となる第3の条件とを満たす範囲内で駆動軸に動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する過回転抑制制御が実行される。即ち、第3回転要素に接続された駆動軸が急減速すると、第2回転要素に接続された内燃機関の出力軸における慣性モーメントは第1回転要素に接続された発電機の出力軸における慣性モーメントに比べて非常に大きいことと共線図において第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とが順に並ぶことから、内燃機関の回転数は若干低下する一方で発電機の回転数は急上昇する。このとき、内燃機関の回転数によっては発電機に許容される最大回転数を超える過回転状態になるおそれがある。こうした過回転状態が推定されると共に制動手段により車両に付与する制動力が所定の制動力以上となる所定回転制動力状態のときには、第1の条件として発電機の回転数が最大回転数を超えない条件と第2の条件として蓄電手段が過充電されない条件と第3の条件として発電機から遊星歯車機構を介して駆動軸に出力されるトルクと電動機から駆動軸に出力されるトルクと制動手段によって車両に付与される制動力により駆動軸に作用するトルクとの和のトルクによって車両が加速しない条件とを満たす範囲内で駆動軸に動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とが制御される。即ち、発電機から発電機の回転数を下げようとするトルクを出力して発電された電力を車両が加速しない条件を満たす範囲内で電動機で消費するのである。これにより、蓄電手段が過充電されることなく駆動輪の急減速によって生じる発電機の過回転を抑制することができる。
こうした本発明のハイブリッド車において、車両の衝突を検知または予測する衝突検知予測手段を備え、前記制御手段は、前記衝突検知予測手段により車両の衝突が検知または予測されたときには、前記所定回転制動状態のときでも前記過回転抑制制御を実行しない手段である、ものとすることもできる。即ち、車両の衝突の前後においては、過回転抑制制御の実行により駆動軸に出力される動力により車両の制動力が低下しないようにするのである。これにより、車両の減速を優先して衝突時の被害を低減することができる。
また、本発明のハイブリッド車において、前記第1条件として前記発電機の回転数の増加率が値0となる条件を満たすよう制御する手段であるものとすることもできる。これにより、発電機の回転数が最大回転数に至る前から回転数の増加率が値0以上にならないようにすることができる。
さらに、本発明のハイブリッド車において、前記回転数検出手段は、前記内燃機関の出力軸および前記駆動軸の回転数を検出する手段であり、前記発電機過回転推定手段は、前記検出された出力軸の回転数および駆動軸の回転数により示される前記遊星歯車機構の回転状態が、前記駆動軸の回転数が急減速して値0になると前記発電機の回転数が前記最大回転数を超えると推定される回転状態として予め設定された範囲内にあるときに前記発電機が過回転状態になると推定する手段である、ものとすることもできる。
本発明のハイブリッド車の制御方法は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、駆動輪に連結された駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、共線図において順に並ぶ第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有し該第1回転要素が前記発電機の回転軸に接続され該第2回転要素が前記内燃機関の出力軸に接続され該第3回転要素が前記駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、運転者の操作に基づいて車両に制動力を付与する制動手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸のうち少なくとも2軸の回転数に基づいて前記駆動輪の急減速により前記発電機の回転数が該発電機に許容される最大回転数を超える過回転状態になると推定されると共に前記制動手段により車両に付与される制動力が所定の制動力以上となる所定回転制動状態のときには、前記発電機の回転数が前記最大回転数のときに該発電機の回転数の増加率が値0となる第1の条件と前記発電機で発電される電力と前記電動機で消費される電力との和が前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充電する際の最大許容電力として設定される入力制限の範囲内となる第2の条件と前記発電機から入出力される動力により前記駆動軸に作用するトルクと前記電動機から入出力される動力により該駆動軸に作用するトルクとの和が前記制動手段により車両に付与される制動力により該駆動軸に作用するトルク未満となる第3の条件とを満たす範囲内で前記駆動軸に動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
ことを要旨とする。
この、本発明のハイブリッド車の制御方法では、発電機が過回転状態になると推定されると共に制動手段により車両に付与される制動力が所定の制動力以上となる所定回転制動状態のときには、発電機の回転数が許容される最大回転数のときに発電機の回転数の増加率が値0となる第1の条件と発電機で発電される電力と電動機で消費される電力との和が蓄電手段を充電する際の最大許容電力としての入力制限の範囲内となる第2の条件と発電機から入出力される動力により駆動軸に作用するトルクと電動機から入出力される動力により駆動軸に作用するトルクとの和が制動力により駆動軸に作用するトルク未満となる第3の条件とを満たす範囲内で駆動軸に動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とを制御する。即ち、第3回転要素に接続された駆動軸が急減速すると、第2回転要素に接続された内燃機関の出力軸における慣性モーメントは第1回転要素に接続された発電機の出力軸における慣性モーメントに比べて非常に大きいことと共線図において第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とが順に並ぶことから、内燃機関の回転数は若干低下する一方で発電機の回転数は急上昇する。このとき、内燃機関の回転数によっては発電機に許容される最大回転数を超える過回転状態になるおそれがある。こうした過回転状態が推定されると共に制動手段により車両に付与する制動力が所定の制動力以上となる所定回転制動力状態のときには、第1の条件として発電機の回転数が常用最大回転数を超えない条件と第2の条件として蓄電手段が過充電されない条件と第3の条件として発電機から遊星歯車機構を介して駆動軸に出力されるトルクと電動機から駆動軸に出力されるトルクと制動手段によって車両に付与される制動力により駆動軸に作用するトルクとの和のトルクによって車両が加速しない条件とを満たす範囲内で駆動軸に動力が出力されるよう内燃機関と発電機と電動機とが制御される。即ち、発電機から発電機の回転数を下げようとするトルクを出力して発電された電力を車両が加速しない条件を満たす範囲内で電動機で消費するのである。これにより、蓄電手段が過充電されることなく駆動輪の急減速によって生じる発電機の過回転を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70と、摩擦制動力を出力可能な電子制御式油圧ブレーキユニット(以下、単に「ブレーキユニット」という)90等とを備えるものである。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCを演算したり、演算した残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度に基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量SOCに基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
ブレーキユニット90は、ブレーキマスタシリンダ91や油圧式(流体圧式)のブレーキアクチュエータ92、駆動輪63a,63bや図示しない従動輪にそれぞれ取り付けられてブレーキディスクを挟持して対応する車輪に摩擦制動力を付与可能なブレーキパッドを駆動するブレーキホイールシリンダ93a〜93d、ブレーキホイールシリンダ93a〜93dごとに設けられて対応するブレーキホイールシリンダの油圧(ブレーキホイールシリンダ圧)を検出するブレーキホイールシリンダ圧センサ94a〜94d、ブレーキアクチュエータ92を制御するブレーキ用電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という)95等を含む。ブレーキアクチュエータ92は、図示しない油圧発生源としてのポンプやアキュムレータ、ブレーキマスタシリンダ91とブレーキホイールシリンダ93a〜93dとの連通状態を制御するマスタシリンダカットソレノイドバルブ、ブレーキペダル85の踏み込み量に応じてペダル踏力に対する反力を創出するストロークシミュレータ等を有し、駆動輪63a,63bや他の従動輪に摩擦制動力を作用させることが可能なものである。また、ブレーキECU95は、図示しない信号ラインを介して、マスタシリンダ圧を検出する図示しないマスタシリンダ圧センサからのブレーキマスタシリンダ圧や、ブレーキホイールシリンダ圧センサ94a〜94dからのブレーキホイールシリンダ圧、車速センサ88からの車速V、ブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBS、図示しない車輪速センサからの車輪速、図示しない操舵角センサからの操舵角等を入力すると共に、ハイブリッドECU70等との間で通信により各種信号のやり取りを行う。
ブレーキECU95は、運転者によりブレーキペダル85が踏み込まれると、ブレーキペダルストロークセンサ86からのブレーキペダルストロークBSと所定の踏力設定用マップとを用いて運転者によりブレーキペダル85に加えられたペダル踏力Fpdを計算し、計算したペダル踏力Fpdに基づいて運転者により要求される要求制動力BF*を設定する。更に、ブレーキECU95は、設定した要求制動力BF*と車速センサ88からの車速Vと所定の分配比設定用マップとを用いてモータMG2およびエンジン22に対する要求駆動系制動力RBF*(=d×BF*)とブレーキユニット90(ブレーキアクチュエータ92)に対する要求摩擦制動力FBF*(=(1−d)×BF*)とを設定する。そして、ブレーキECU95は、要求駆動系制動力RBF*に所定の換算係数を乗じて得られる要求駆動系制動トルクRBT*および要求摩擦制動力FBF*に所定の換算係数を乗じて得られる要求摩擦制動トルクFBT*をハイブリッドECU70に送信すると共に、ハイブリッドECU70からの信号に基づいて得られるモータMG2やエンジン22により出力される駆動系制動トルクと要求摩擦制動力FBF*とに基づいてハイブリッド自動車20に作用させるべき制動力のうちのブレーキユニット90による分担分に応じた摩擦制動力が駆動輪63a,63bや図示しない従動輪に作用するようにブレーキアクチュエータ92を制御する。なお、実施例において、要求制動力設定用マップは、運転者によるペダル踏力Fpdと要求制動力BF*との関係を規定するように予め定められてブレーキECU95のROMに記憶されている。図2に要求制動力設定用マップの一例を示す。また、実施例において、分配比設定用マップは、要求制動力BF*に対するモータMG2やエンジン22による駆動系制動力とブレーキユニット90による摩擦制動力との分配比dと車速Vとの関係を規定するように予め作成されてブレーキECU95のROMに記憶されている。図3に分配比設定用マップの一例を示す。
また、本実施例のハイブリッド自動車20には、車両の衝突および衝突の可能性を検知するための衝突検知ユニット100が備えられている。衝突検知ユニット100は、車両に生じる加速度を検出するGセンサや車両前方に存在する物体を認識するレーダセンサやカメラ等を含み、これらのセンサやカメラからの信号をハイブリッド用電子制御ユニット70に送信している。こうした信号を受信したハイブリッド用電子制御ユニット70は、Gセンサからの加速度に基づいて車両の衝突を判定したり、レーダセンサやカメラからの信号を処理して車両前方に存在する物体との衝突の可能性があるか否かを判定する処理を実行している。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特にエンジン22の運転を伴って走行している最中にアクセルペダル83の踏み込みが解除されると共にブレーキペダル85が踏み込まれたときの動作について説明する。図4はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、アクセルオフ且つブレーキオン時に所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
制動時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,要求駆動系制動トルクRBT*,要求摩擦制動トルクFBT*,衝突検知フラグFなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neはクランクポジションセンサ140からの信号に基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。要求駆動系制動トルクRBT*および要求摩擦制動トルクFBT*は、ブレーキECU95により設定されたものを通信により入力するものとした。衝突検知フラグFは、衝突検知ユニット100からの信号に基づいてハイブリッド用電子制御ユニット70により衝突または衝突の可能性を判定したときに値1が設定され、これ以外の通常時には値0が設定されるフラグである。
こうしてデータを入力すると、モータMG2の回転数Nm2の変化量としてのモータ回転変化量ΔNm2を本ルーチンの前回実行時に入力したモータ回転数Nm2から今回入力したモータ回転数Nm2を減じて計算し(ステップS110)、計算したモータ回転変化量ΔNm2と予め定められた負の値の閾値ΔNrefとを比較する(ステップS120)。ここで、モータ回転変化量ΔNm2は、車両の減速中には基本的に負の値となり、モータ回転変化量ΔNm2が閾値ΔNrefより小さいときには駆動輪63a,63bがロックするおそれがあると判定することができる。
モータ回転変化量ΔNm2が閾値ΔNrefより大きいときは、駆動輪63a,63bのロックは生じないと判断して、入力した車速Vに基づいて、アクセルオフ(Acc=0%)された制動時に車軸としてのリングギヤ軸32aに常時出力すべき駆動力としてのベーストルクTbを設定すると共に設定したベーストルクTbにステップS100にて入力した要求駆動系制動トルクRBT*を加算することにより車軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルク(要求制動トルク)Tr*を設定する(ステップS130)。ここで、ベーストルクTbは、実施例では、車速VとベーストルクTbとの関係が予め定められてベーストルク設定用マップとしてROM74に記憶されており、与えられた車速Vに対応したベーストルクTbが当該マップから導出・設定される。図5にベーストルク設定用マップの一例を示す。
要求トルクTr*を設定すると、エンジン22の目標回転数Ne*を車速Vに基づいて設定し(ステップS140)、車速Vを所定車速Vfcと比較する(ステップS150)。ここで、実施例では、車速Vと目標回転数Ne*との関係を予め定めて目標回転数設定用マップとしてROM74に記憶しておき、車速Vが与えられると記憶したマップから対応する目標回転数Ne*を導出して設定するものとした。そして、目標回転数Ne*は、車速Vが比較的大きいときには、燃料カットした状態のエンジン22をモータMG1によりモータリングすることでエンジン22からリングギヤ軸32aにエンジンブレーキによる制動トルク(フリクショントルク)が出力されるように、車速Vが大きいほど大きくなるよう定められており、車速Vが比較的小さいときには車速Vに関係なくエンジン22を安定して自立運転可能な回転数であるアイドル回転数Nidle(例えば、800rpmや1200rpmなど)となるよう定められている。図6に目標回転数設定用マップの一例を示す。また、所定車速Vfcは、エンジン22からのエンジンブレーキの出力を中止してエンジン22へ燃料を供給する車速として設定されるものであり、例えば20〜30km/h程度の比較的低い車速に定められている。
こうして、車速Vを所定車速Vfcと比較して、車速Vが所定車速Vfc未満と判定されたときには、エンジンECU24にエンジン22を自立運転するための自立運転指令を送信し(ステップS160)、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する(ステップS170)。ここで、自立運転指令を受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*(実施例の場合にはアイドル回転数Nidle)で自立運転するよう吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。
一方、車速Vが所定車速Vfc以上と判定されたときには(ステップS150)、エンジンECU24にエンジン22の燃料供給を停止するための燃料カット指令を送信し(ステップS180)、目標回転数Ne*とリングギヤ軸32aの回転数(Nm2/Gr)と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と現在の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS190)。ここで、燃料カット指令を受信したエンジンECU24はエンジン22における燃料噴射制御等を停止する。また、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。図7に車速Vが所定車速Vfc以上のときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2に減速ギヤ35のギヤ比Grを乗じたリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。ここで、モータMG1から出力されるトルクTm1は、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*に維持されるようモータリングするためにモータMG1から出力されるトルクであり、モータMG1から出力されて動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに伝達されるトルク(−Tm1/ρ)は、エンジン22からのエンジンブレーキによる制動トルクに相当する。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ−Nm2/(Gr・ρ) …(1)
Tm1*=前回Tm1*+k1(Nm1*−Nm1)+k2∫(Nm1*−Nm1)dt …(2)
続いて、要求トルクTr*にトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを次式(3)により計算し(ステップS200)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutとトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(4)および式(5)により計算すると共に(ステップS210)、設定した仮モータトルクTm2tmpを次式(6)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS220)。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (6)
こうして設定されたモータMG1のトルク指令Tm1*とモータMG2のトルク指令Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS230)、制動時駆動制御ルーチンを一旦終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22を目標回転数Ne*でモータリングまたは自立運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行することができる。
一方、ステップS120において、モータ回転変化量ΔNm2が閾値ΔNref以下のときには、駆動輪63a,63bのロックが生じるおそれがあると判断して、モータMG1の回転数Nm1がモータMG1に許容される常用最大回転数を超える過回転に至るか否かを判定する(ステップS240)。ここで、モータMG1が過回転に至るか否かの判断は、実施例では、エンジン回転数Neとモータ回転数Nm2とにより示される動力分配統合機構30のキャリア34とリングギヤ32との回転状態のうちモータMG1の回転数Nm1がモータMG1に許容される常用最大回転数を超えるおそれがあると推定される回転状態の範囲を過回転推定領域として予め定めておき、キャリア34の回転数(=Ne)とリングギヤ32の回転数(=Nm2/Gr)とが過回転推定領域の範囲内にあるときにモータMG1が過回転に至ると判断するものとした。ここで、図8にリングギヤ32の回転数が急減速して値0になるとき(駆動輪63a,63bのロック時)にモータMG1の回転数Nm1が過回転に至る様子を説明するための動力分配統合機構30の共線図の一例を示す。図中、実線はリングギヤ32の回転数が急減速する前の状態を示し、点線はリングギヤ32の回転数が急減速して値0に至ったときの状態を示す。図示するように、リングギヤ32の回転数が急減速したときにキャリア34の回転数の低下量に比べサンギヤ31の回転数の増加量が非常に大きくなる。このように回転数が変化するのは、サンギヤ31に接続されたモータMG1の慣性モーメントに比べてキャリア34に接続されたエンジン22の慣性モーメントが非常に大きいため、キャリア34の回転数は変化しにくい一方でサンギヤ31の回転数は変化しやすいからである。そして、サンギヤ31の回転数が急上昇してモータMG1の回転数Nm1が過回転に至るおそれがあるのは、エンジン22の回転数Neに一致するキャリア34の回転数とモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除して得られるリングギヤ32の回転数とが比較的大きい値のときである。実施例では、図9に示すように、サンギヤ31(モータMG1)に許容される回転数の上下限(正側および負側の常用最大回転数)、ピニオンギヤ33に許容される回転数の上下限(正側および負側の常用最大回転数)、およびキャリア34(エンジン22)に許容される回転数の上下限(値0から常用最大回転数までの範囲)から定まる動力分配統合機構30(リングギヤ32およびキャリア34)に許容される動作領域の中で、リングギヤ軸32aが急減速(ロック)したときにモータMG1が常用最大回転数を超えるおそれがある領域(図9のハッチングを付した領域)を実験・解析により求めておき、エンジン22の回転数NeおよびモータMG2の回転数Nm2の一方に基づいて他方についての判定閾値を設定すると共に、回転数Neおよび回転数Nm2の他方と当該判定閾値とを比較することにより、モータMG1が過回転に至るおそれがあるか否かを判定している。
モータMG1が過回転に至るおそれがあると判定したときには(ステップS240)、要求摩擦制動トルクFBT*を所定トルクTrefと比較し(ステップS250)、要求摩擦制動トルクFBT*が所定トルクTref以上のときには、衝突検知フラグFの値を調べる(ステップS260)。そして、モータMG1が過回転には至らないと判定されたときや(ステップS240)、要求摩擦制動トルクFBT*が所定トルクTref未満のとき(ステップS250)、車両の衝突や衝突の可能性が判定されて衝突検知フラグFが値1に設定されているときには(ステップS260)、エンジン22を目標回転数Ne*でモータリングまたは自立運転しながらバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行するよう制動時駆動制御ルーチンのステップS130〜S230の処理を行なって制動時駆動制御ルーチンを一旦終了する。なお、所定トルクTrefとしては、後述するステップS270〜S300,S230の処理を実行するのに十分大きい値を用いることができる。
また、モータMG1が過回転に至るおそれがあり要求摩擦制動トルクFBT*が所定トルクTref以上且つ衝突検知フラグFが値0のときには(ステップS240〜S260)、エンジンECU24にエンジン22の燃料供給を停止するための燃料カット指令を送信し(ステップS270)、動力分配統合機構30のサンギヤ31についての運動方程式に基づいて得られるモータMG1の回転角加速度(ωm1/dt)が値0となる条件を示す次式(7)(ただし、式(7)において”κ”は次式(8)に示すとおりである。)およびモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Winに等しくなる条件を示す次式(9)を共に満たすモータトルクTm1,Tm2をモータ仮トルクTm1tmp,Tm2tmpとして設定する(ステップS270)。ここで、式(7)において、ωm2はモータMG2の回転軸の回転角速度であり、Ieは動力分配統合機構30よりクランクシャフト26側の慣性モーメントであり、Im1は動力分配統合機構30よりモータMG1側の慣性モーメントであり、Im2は動力分配統合機構30よりモータMG2側の慣性モーメントである。式(7)におけるエンジン22からのトルクTeとしては、実施例では、エンジン22の回転数Neに基づいて推定されるエンジン22のフリクショントルクを予め実験などにより求めて記憶しておき、回転数Neが与えられると対応するフリクショントルクの値を導出してトルクTeとして用いることとした。また、摩擦制動トルクFBTについては、要求摩擦制動トルクFBT*を用いることができる。これにより、モータ仮トルクTm1tmp,Tm2tmpをモータMG1の回転数Nm1が上昇することなく、且つ、モータMG1により発電される電力とモータMG2による消費電力との和が入力制限Winの範囲内になるように定めることができる。
Figure 2010111182
こうして、モータMG1,MG2のモータ仮トルクTm1tmp,Tm2tmpを設定すると、要求摩擦制動トルクFBT*とモータ仮トルクTm1tmpと動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いてモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tm2maxを次式(10)により計算し(ステップS290)、モータ仮トルクTm1tmpをモータMG1のトルク指令Tm1*に設定すると共に設定したモータ仮トルクTm2tmpを次式(11)によりトルク制限Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS290)。これにより、モータMG1から動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに出力されるトルクとモータMG2からリングギヤ軸32aに出力されるトルクとの和のトルクを要求摩擦制動トルクFBT*未満のトルクとしてハイブリッド自動車20が加速しないようにトルク指令Tm2*を設定することができる。
Tm2max=(FBT*+Tm1tmp/ρ)/Gr (10)
Tm2*=min(Tm2tmp,Tm2max) (11)
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS230)、制動時駆動制御ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。
図10に、ハイブリッド自動車20が比較的高い車速で走行している最中に運転者によりブレーキペダル85が強く踏み込まれた急制動の前後における動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す。図中点線は、急制動前における動力分配統合機構30の各回転要素の回転数を示し、図中実線は、急制動時における動力分配統合機構30の各回転要素の回転数を示す。また、R軸上の2つの上向きの太線矢印は、急制動に伴ってモータMG1から出力されて動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに作用するトルク(−Tm1/ρ)と、モータMG2から出力されて減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルク(Tm2・Gr)とを示し、R軸上の下向きの太線矢印は、急制動に伴ってブレーキユニット90から出力される摩擦制動力によりリングギヤ軸32aに作用する摩擦制動トルクFBTを示す。ハイブリッド自動車20が比較的高い車速で走行している最中に運転者によりブレーキペダル85が強く踏み込まれ、上述の制動時駆動制御ルーチンにおいて、モータ回転変化量ΔNm2が閾値ΔNref以下であり、モータMG1が過回転に至るおそれがあり、要求摩擦制動トルクFBT*が所定トルクTref以上であると共に衝突検知フラグFが値0であると判定されると(ステップS120,S240〜S260)、ステップS270〜S300の処理を経て、モータMG1の回転角速度(ωm1/dt)が値0となる条件とモータMG1,MG2により入出力される電力がバッテリ50の入力制限Winと等しくなる条件とモータMG1,MG2から出力されてリングギヤ軸32aに作用するトルクが要求摩擦制動トルクFBT*未満となる条件とを満たすように設定されたトルク指令Tm1*,Tm2*に従ってモータMG1,MG2が駆動制御される。この結果、図示するように、モータMG1から負のトルク(図中下向きのトルク)が出力されることになるので回転数Nm1の上昇が抑制される。また、モータMG2は、バッテリ50の充電に供される電力が入力制限Winに等しくなると共にリングギヤ軸32aに作用するトルクによりハイブリッド自動車20が加速しない範囲内でモータMG1により発電された電力を消費して正のトルク(図中上向きのトルク)を出力する。そして、こうした制御は、モータMG2のモータ回転変化量ΔNm2が閾値ΔNrefより大きくなるか、モータMG1の過回転のおそれが無くなるまで繰り返し実行される。これにより、実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1の過回転が発生するおそれが生じても、バッテリ50を過充電することなく、モータMG1の過回転の発生を抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG1が過回転に至ると判定されると共に要求摩擦制動トルクFBT*が所定トルクTrefより大きいときには、モータMG1の回転角加速度(ωm1/dt)が値0となる条件とモータMG1で発電される電力とモータMG2で消費される電力との和の電力がバッテリ50を充電する際の入力制限Winと等しくなる条件とモータMG1から出力される動力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクとモータMG2から出力される動力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクとの和が要求摩擦制動トルクFBT*未満となる条件とを満たす範囲内でリングギヤ軸32aにトルクが出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するから、バッテリ50が過充電されることなく駆動輪63a,63bの急減速によって生じるモータMG1の過回転を抑制することができる。
また、実施例のハイブリッド自動車20は、車両の衝突や衝突の可能性を検知する衝突検知ユニット100を備え、衝突検知ユニット100により車両の衝突または衝突の可能性が検知されたときには、モータMG1が過回転に至ると判定されると共に要求摩擦制動トルクFBT*が所定トルクTrefより大きいときでもモータMG1の過回転を抑制する制御を実行しないから、車両の衝突の前後にモータMG1,MG2から出力される動力によりリングギヤ軸32aに作用するトルクで車両の制動力が低下しないようにすることができ、車両の減速を優先して衝突時の被害を低減することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1が過回転に至ると判定されると共に要求摩擦制動トルクFBT*が所定トルクTrefより大きいときには、モータMG1の回転角加速度(ωm1/dt)が値0となる条件を満たすようにするものとしたが、モータMG1の回転数Nm1がモータMG1に許容される常用最大回転数またはこれより若干小さい値に至った後にモータMG1の回転角加速度(ωm1/dt)が値0となる条件を満たすものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG1で発電される電力とモータMG2で消費される電力との和の電力がバッテリ50を充電する際の入力制限Winと等しくなる条件を満たすようにするものとしたが、モータMG1で発電される電力とモータMG2で消費される電力との和がバッテリ50を充電する際の入力制限Winよりも若干小さい値や値0となる条件を満たすようにしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図11に例示する変形例のハイブリッド自動車120のように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図11における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2が「電動機」に相当し、サンギヤ31にモータMG1が接続されキャリア34にエンジン22のクランクシャフト26が接続されリングギヤ32にリングギヤ軸32aが接続された動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当し、モータMG1,MG2と電力のやり取りを行なうバッテリ50が「蓄電手段」に相当し、ブレーキユニット90が「制動手段」に相当し、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44と回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算するモータECU40や、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてエンジン22の回転数Neを演算するエンジンECU24が「回転数検出手段」に相当し、ブレーキユニット90から車両に付与する要求摩擦制動力FBF*を設定すると共に設定された要求摩擦制動力FBF*に基づいて要求摩擦制動トルクFBT*を計算するブレーキECU95が「制動力演算手段」に相当し、モータMG2の回転数Nm2とエンジン22の回転数Neと図9の過回転推定領域とに基づいてモータMG1の過回転を推定する図4の制動時駆動制御ルーチンのステップS240の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「発電機過回転推定手段」に相当し、残容量SOCと電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充電してもよい最大許容電力である入力制限Winを演算するバッテリECU52「入力制限設定手段」に相当し、モータMG1が過回転になるのが推定されると共に要求摩擦制動トルクFBT*が所定トルクTref以上、且つ、衝突検知フラグFが値0のときには、モータMG1の回転角加速度(ωm1/dt)が値0となる条件とモータMG1とモータMG2とにより入出力される電力の総和が入出力制限Winに等しくなる条件とを満たすと共に車両を加速させることがないようモータMG2から出力するトルクをトルク制限Tm2maxで制限してトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してモータECU40に送信する図4の制動時駆動制御ルーチンのステップS270〜S300,S230の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジン燃料カット指令に基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。また、車両の衝突および衝突の可能性を検知するための衝突検知ユニット100と衝突検知ユニット100からの信号を処理して車両前方に存在する物体との衝突の可能性があるか否かを判定する処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とが「衝突検知予測手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力するものであれば如何なるタイプの発電機であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なる電動機であっても構わない。「遊星歯車機構」としては、サンギヤ31にモータMG1が接続されキャリア34にエンジン22のクランクシャフト26が接続されリングギヤ32にリングギヤ軸32aが接続された動力分配統合機構30に限定されるものではなく、共線図において順に並ぶ第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有し該第1回転要素が前記発電機の回転軸に接続され該第2回転要素が前記内燃機関の出力軸に接続され該第3回転要素が前記駆動軸に接続されたものであれば如何なるものとしても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機および電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「制動手段」としては、ブレーキシステム90に限定されるものではなく、運転者の操作に基づいて車両に制動力を付与するものであれば如何なるものとしても構わない。「回転数検出手段」としては、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算するモータECU40や、クランクポジションセンサからの信号に基づいてエンジン22の回転数Neを演算するエンジンECU24に限定されるものではなく、遊星歯車機構の各回転要素に接続された内燃機関の出力軸と発電機の回転軸と駆動軸との3軸のうち少なくとも2軸の回転数を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「制動力演算手段」としては、ブレーキユニット90から車両に付与する要求摩擦制動力FBF*を設定すると共に設定された要求摩擦制動力FBF*に基づいて要求摩擦制動トルクFBT*を計算するものに限定されるものではなく、動力分配統合機構30のリングギヤ32の運動方程式から要求摩擦制動トルクFBT*を計算するなど、制動手段により車両に付与される制動力を演算するものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機過回転推定手段」としては、モータMG2の回転数Nm2とエンジン22の回転数Neと図9の過回転推定領域とに基づいてモータMG1の過回転を推定するものに限定されるものではなく、回転数検出手段により検出された少なくとも2軸の回転数に基づいて駆動輪の急減速により発電機が過回転状態になるのを推定するものであれば如何なるものとしても構わない。「入力制限設定手段」としては、残容量SOCと電池温度Tbとに基づいて入力制限Winを演算するものに限定されるものではなく、残容量(SOC)や電池温度Tbの他に例えばバッテリ50の内部抵抗などに基づいて演算するものなど、蓄電手段の状態に基づいて入力制限を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく、所定回転制動状態のときには過回転抑制制御を実行するものであれば、単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。「衝突検知予測手段」としては、衝突検知ユニット100とハイブリッド用電子制御ユニット70とからなる組み合わせに限定されるものではなく、車両の衝突を検知または予測するものであれば、如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 要求制動力設定用マップの一例を示す説明図である。 分配比設定用マップの一例を示す説明図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 ベーストルク設定用マップの一例を示す説明図である。 目標回転数設定用マップの一例を示す説明図である。 動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 リングギヤ32の回転数が急減速して値0になるときにモータMG1の回転数Nm1が過回転になる様子を説明するための動力分配統合機構30の共線図の一例を示す説明図である。 過回転推定領域の一例を示す説明図である。 ハイブリッド自動車20が比較的高い車速で走行している最中に運転者によりブレーキペダル85が強く踏み込まれた急制動の前後における動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルストロークセンサ、88 車速センサ、90 電子制御式油圧ブレーキユニット(ブレーキユニット)、91 ブレーキマスターシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、93a〜93d ブレーキホイールシリンダ、94a〜94d ブレーキホイールシリンダ圧センサ、95 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、駆動輪に連結された駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、共線図において順に並ぶ第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有し該第1回転要素が前記発電機の回転軸に接続され該第2回転要素が前記内燃機関の出力軸に接続され該第3回転要素が前記駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、運転者の操作に基づいて車両に制動力を付与する制動手段と、を備えるハイブリッド車であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸のうち少なくとも2軸の回転数を検出する回転数検出手段と、
    前記制動手段により車両に付与される制動力を演算する制動力演算手段と、
    前記検出された少なくとも2軸の回転数に基づいて前記駆動輪の急減速により前記発電機の回転数が該発電機に許容される最大回転数を超える過回転状態になるのを推定する発電機過回転推定手段と、
    前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充電する際の最大許容電力としての入力制限を設定する入力制限設定手段と、
    前記発電機過回転推定手段により前記発電機が過回転状態になると推定されると共に前記演算された制動力が所定の制動力以上となる所定回転制動状態のときには、前記発電機の回転数が前記最大回転数のときに該発電機の回転数の増加率が値0となる第1の条件と前記発電機で発電される電力と前記電動機で消費される電力との和が前記設定された入力制限の範囲内となる第2の条件と前記発電機から入出力される動力により前記駆動軸に作用するトルクと前記電動機から入出力される動力により該駆動軸に作用するトルクとの和が前記演算された制動力により該駆動軸に作用するトルク未満となる第3の条件とを満たす範囲内で前記駆動軸に動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する過回転抑制制御を実行する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車であって、
    車両の衝突を検知または予測する衝突検知予測手段を備え、
    前記制御手段は、前記衝突検知予測手段により車両の衝突が検知または予測されたときには、前記所定回転制動状態のときでも前記過回転抑制制御を実行しない手段である、
    ハイブリッド車。
  3. 前記制御手段は、前記第1条件として前記発電機の回転数の増加率が値0となる条件を満たすよう制御する手段である請求項1または2記載のハイブリッド車。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド車であって、
    前記回転数検出手段は、前記内燃機関の出力軸および前記駆動軸の回転数を検出する手段であり、
    前記発電機過回転推定手段は、前記検出された出力軸の回転数および駆動軸の回転数により示される前記遊星歯車機構の回転状態が、前記駆動軸の回転数が急減速して値0になると前記発電機の回転数が前記最大回転数を超えると推定される回転状態として予め設定された範囲内にあるときに前記発電機が過回転状態になると推定する手段である、
    ハイブリッド車。
  5. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、駆動輪に連結された駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、共線図において順に並ぶ第1回転要素と第2回転要素と第3回転要素とを有し該第1回転要素が前記発電機の回転軸に接続され該第2回転要素が前記内燃機関の出力軸に接続され該第3回転要素が前記駆動軸に接続された遊星歯車機構と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、運転者の操作に基づいて車両に制動力を付与する制動手段と、を備えるハイブリッド車の制御方法であって、
    前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸と前記駆動軸との3軸のうち少なくとも2軸の回転数に基づいて前記駆動輪の急減速により前記発電機の回転数が該発電機に許容される最大回転数を超える過回転状態になると推定されると共に前記制動手段により車両に付与される制動力が所定の制動力以上となる所定回転制動状態のときには、前記発電機の回転数が前記最大回転数のときに該発電機の回転数の増加率が値0となる第1の条件と前記発電機で発電される電力と前記電動機で消費される電力との和が前記蓄電手段の状態に基づいて該蓄電手段を充電する際の最大許容電力として設定される入力制限の範囲内となる第2の条件と前記発電機から入出力される動力により前記駆動軸に作用するトルクと前記電動機から入出力される動力により該駆動軸に作用するトルクとの和が前記制動手段により車両に付与される制動力により該駆動軸に作用するトルク未満となる第3の条件とを満たす範囲内で前記駆動軸に動力が出力されるよう前記内燃機関と前記発電機と前記電動機とを制御する、
    ハイブリッド車の制御方法。
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