JP2009213113A - 非線形システム逆特性同定装置及びその方法、電力増幅装置及び電力増幅器のプリディストータ - Google Patents

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Abstract

【課題】記憶デバイスや数値算出に対する要求を効果的に低下させる。
【解決手段】逆フィルタ信号xF(n)とフィードバック出力信号yG(n)とによりルックアップテーブル関数Q{・}を算出し、フィードバック出力信号yG(n)とルックアップテーブル関数Q{・}とにより中間予歪付加信号z(n)を生成し、中間予歪付加信号z(n)とオリジナル入力信号x(n)とによりフィルタ関数F{・}を作成し、フィルタ関数F{・}のパラメータを使用して、オリジナル入力信号x(n)に対して逆フィルタリングして逆フィルタ信号xF(n)を生成し、設定された条件を満たすまで、以上を繰り返すことを含み、ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とは、非線形システムの逆特性を表す。
【選択図】図12

Description

本件は、一般に非線形システムに関し、例えば非線形電力増幅器に関し、更に無線通信システムの送信機(例えば基地局と移動局)において使用され得る非線形電力増幅器に関する。
非線形システムの一つとして、電力増幅器は、多くの電子機器における重要な構成要素となり、微小な電気信号を増幅して、遠隔伝送の需要を満たすことができる。ここで、増幅されるエネルギーは、直流電源により供給される。即ち、電力増幅器は、直流エネルギーを交流信号に変換することができる。
電力増幅器の物理的特性によると、電力増幅器における入力信号と出力信号との電圧関係を示す特性グラフは、入力信号の電圧が大きくなるに従って、線形領域、非線形領域及び飽和領域に分けられる。図1は、電力増幅器PAの非線形入出力信号特性を示している。入力信号VINの振幅が小さい領域では、電力増幅器PAの出力VOUTは、ほとんど入力信号VINに対する線形増幅となるが、入力信号VINの振幅が大きくなるに従って、電力増幅器PAの非線形特性が、次第に明らかになり、最後には飽和に到る。この非線形は、周波数領域において、相互変調によって、増幅された信号のスペクトルが帯域外に広がり、帯域内に歪みが生じることで表される。図2には、非線形の電力増幅器によるスペクトルの広がりが模式的に示されている。
理想的には、電力増幅器には、線形増幅の機能だけを発揮すること、すなわち、出力信号が単に入力信号の単純な線形増幅であることが望まれ、そのため電力増幅器を線形領域で動作させる。この場合に、電力増幅器において直流信号を交流信号に変換する効率が非常に低くなると、大量のエネルギーの浪費をもたらし、余計な放熱装置の追加を検討することになるかもしれない。
従って、一方では電力増幅器の効率を高めるため、他方では多くの現代の通信システムにおける信号には大きなダイナミック・レンジ(平均電力とピーク電力の比)があるため、往々にして電力増幅器は非線形領域で動作させられる。これは、出力信号の歪み(周波数領域において、帯域内に歪み、帯域外にスペクトルの広がりが生じる)を引き起こす原因になる。電力増幅器の分野において、このように現在の出力信号が現在の入力信号の影響だけを受ける非線形電力増幅器の歪みを、電力増幅器の無記憶性(メモリレス)非線形特性ということがある。
電力増幅器の非線形特性を改善する方法の一つとして、ベースバンドプリディストーション技術が注目されている。図3には、図1に示す非線形特性と相殺するための電力増幅器のプリディストータの入出力信号の特性の模式図が示されている。ベースバンドプリディストーション技術は、プリディストータPDを用いて電力増幅器PAの逆特性をシミュレートし、オリジナル入力信号VINを電力増幅器に入力する前に予歪付加し、電力増幅器PAの非線形特性を補償して、電力増幅器の出力側において歪みのない増幅された出力信号VOUTを取得するものである。プリディストーションの処理機能を有する電力増幅器の入出力信号の特性は、飽和領域に近接するまで優れた線形特性を表している。図4に、プリディストータを備える電力増幅器の入出力信号の特性の模式図を示す。
動作に優れるプリディストータの多くは、シングルトーン信号又は狭帯域幅信号に対するものである。すなわち、その多くは、上記の電力増幅器のメモリレス非線形の補償に用いられる。しかしながら、信号の帯域幅が広くなるに伴って、電力増幅器は、ある程度のメモリ効果(周波数選択性)を表すことがある。すなわち、現在の出力信号は、現在の入力信号と関係があるだけでなく、その前の入力信号とも関係がある場合がある。図5に、メモリ効果を有する非線形電力増幅器の入出力信号特性の模式図を示す。電力増幅器のメモリ効果は、その出力において、キャリア付近における非対称のスペクトルを表す。図6に、メモリ効果を有する非線形の電力増幅器によって増幅された信号のスペクトルの模式図を示す。すなわち、キャリア(所望の信号)のスペクトルが完全に対称であっても、歪みによる擬似スペクトルは、中心キャリアに関して非対称となる。
従って、上記のメモリ効果を有する電力増幅器の逆特性を正確にシミュレートするために、より複雑な構成と方法により、電力増幅器の逆特性のモデル化とパラメータの推定を行う必要があり、それによってプリディストーションを実現するのである。現在、電力増幅器のメモリレス非線形特性とメモリ効果の両方を同時に補償する技術として、例えば、メモリ多項式モデルと二次元ルックアップテーブルの方法が知られている。
メモリ多項式モデルは、ボルテラモデルを簡単にしたモデルである。ボルテラモデルには、ボルテラ級数を用いて、非線形のシステムに対する正確なモデルをつくり、電力増幅器の逆のボルテラ級数モデルをシミュレートして理論的に電力増幅器のメモリレス非線形特性とメモリ効果とを相殺することができる。ボルテラモデルは、電力増幅器のメモリレス非線形特性とメモリ効果を相殺するのに、有効であるが、複雑な式を使用すると共に、大量の数学的な計算が必要であるため、その物理的な実現は困難である。そのため、簡素化されたボルテラモデルであるメモリ多項式モデルが提出されている。図7に、従来技術による、メモリ多項式モデルを用いた、メモリ効果を有する非線形の電力増幅器の入力信号に対する予歪付加処理の模式図を示す。ここで、メモリ多項式モデルの出力が、現在の入力とその前の入力及び相関する多項式関数により表示されている。電力増幅器の非線形を相殺する機能は、使用される以前の入力の数と多項式の次数とに依存する。電力増幅器の非線形特性を正確に記述するために、高次項を含む多項式を用いる。そのため、条件の数が多いマトリックスに繋がり、数値算出が困難になってしまう。
二次元ルックアップテーブル方式は、電力増幅器の現在の出力とその現在の入力及び直前の入力との関係によって、電力増幅器の逆特性がルックアップテーブルに作成され、入力信号に対する電力増幅を行う前に、ルックアップテーブルから取得された重み係数を利用して、入力信号に対して予歪付加することで、電力増幅器の非線形特性を相殺する。図8に、従来技術により、二次元ルックアップテーブルを使用して、メモリ効果を有する非線形の電力増幅器の入力信号に対して予歪付加処理の模式図を示す。しかしながら、二次元ルックアップテーブルでは、大容量のメモリにより大量のプリディストーションデータを記憶する必要があるだけでなく、それに、メモリ長が制限されているため、往々にして、現在の入力及び直前の入力と出力との関係だけによって、電力増幅器の入力信号に対して予歪付加して、電力増幅器のメモリ効果を相殺することになる。メモリ長を増加すれば、多次元ルックアップテーブルは非常に複雑になり、その実現が困難になってしまう。
非線形の電力増幅器に類似する他の非線形のシステムにおいても、以上のような技術課題が存在する。
そこで、記憶デバイスや数値算出に対する要求を効果的に低下することができるようにしたい。
また、デジタル技術を利用して、ベースバンドにおいてプリディストーションを実現することで、電力増幅器のメモリレス非線形特性とメモリ効果を補償するとともに、記憶デバイスと数値算出に対する要求を効果的に低減する電力増幅器逆特性同定装置とその方法、電力増幅器のプリディストータ、及び電力増幅器の逆特性同定装置とプリディストータを使用する電力増幅装置も提供したい。
本発明の一例によれば、非線形システムのオリジナル入力信号x(n)および相応のフィードバック出力信号y(n)により、非線形システムの逆特性を同定する非線形システム逆特性同定方法を提供し、この非線形システム逆特性同定方法は、逆フィルタ信号x(n)とフィードバック出力信号y(n)とにより、ルックアップテーブル関数Q{・}を算出するルックアップテーブル関数Q{・}生成ステップと、フィードバック出力信号y(n)とルックアップテーブル関数Q{・}とにより中間予歪付加信号z(n)を生成する中間予歪付加信号z(n)生成ステップと、中間予歪付加信号z(n)とオリジナル入力信号x(n)とによりフィルタ関数F{・}を作成するフィルタ関数F{・}作成ステップと、フィルタ関数F{・}のパラメータを使用し、式
Figure 2009213113
に従って、オリジナル入力信号x(n)に対する逆フィルタリングを行って逆フィルタ信号x(n)を生成する逆フィルタステップと、設定された条件を満たすまで、以上の各ステップを繰り返すことを含み、ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とは、非線形システムの逆特性を表す。
本発明の他の一例によれば、非線形システムのオリジナル入力信号x(n)、および相応のフィードバック出力信号y(n)により、非線形システムの逆特性を同定する非線形システム逆特性同定装置を提供し、この非線形システム逆特性同定装置は、非線形システムの逆特性を同定して、非線形システムの逆特性を表すルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを生成するパラメータ算出器と、パラメータ算出器に生成されたルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とが設定条件を満たすか否かを判定し、ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを繰り返し算出するようにパラメータ算出器を制御する収束判断器とを含み、前記パラメータ算出器は、逆フィルタ信号x(n)とフィードバック出力信号y(n)とによりルックアップテーブル関数Q{・}を算出するルックアップテーブル生成器と、フィードバック出力信号y(n)とルックアップテーブル生成器で算出されたルックアップテーブル関数Q{・}とにより中間予歪付加信号z(n)を生成する中間プリディストータと、中間プリディストータで生成された中間予歪付加信号z(n)とオリジナル入力信号x(n)とによりフィルタ関数F{・}を作成するフィルタパラメータ算出器と、フィルタパラメータ算出器で作成されたフィルタ関数F{・}を使用し、式
Figure 2009213113
に従って、オリジナル入力信号x(n)に対する逆フィルタリングを行って逆フィルタ信号x(n)を生成する逆フィルタとを含む。
また、本発明の更なる他の一例によれば、電力増幅器のプリディストータを提供し、この電力増幅器のプリディストータは、オリジナル入力信号に対して、絶対値を取り、量子化を行ってから、ルックアップテーブルアドレスに変換するアドレス発生器と、ルックアップテーブル関数Q{・}に従って配置され、アドレス発生器から出力されるルックアップテーブルアドレスにより、補正係数を出力する一次元ルックアップテーブルと、オリジナル入力信号を一次元ルックアップテーブルから出力された補正係数に乗算して、中間予歪付加信号を取得する乗算器と、フィルタ関数F{・}に従って配置され、乗算器から出力された中間予歪付加信号に対するフィルタリングを行って、予歪付加信号を生成するフィルタとを含み、ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とは、上記の非線形システム逆特性同定方法により生成され、又は、上記の非線形システム逆特性同定装置により生成される。
また、本発明の他の一例によれば、電力増幅装置を提供し、この電力増幅装置は、オリジナル入力信号に対してプリディストーションを行って、予歪付加入力信号を出力するプリディストータモジュールと、プリディストータモジュールから出力された予歪付加入力信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器と、デジタル・アナログ変換器から出力されたアナログ信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータと、アップコンバータから出力されたRF信号を電力増幅して、電力増幅された出力信号を出力する電力増幅器とを含み、前記プリディストータモジュールの構成は、上記に限定された電力増幅器のプリディストータの構成と同じである。
また、本発明の他の一例によれば、電力増幅装置を提供し、この電力増幅装置は、上記に限定された電力増幅器のプリディストータと同様に構成され、オリジナル入力信号に対してプリディストーションを行って予歪付加入力信号を出力するプリディストータモジュールと、プリディストータモジュールから出力された予歪付加入力信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器と、デジタル・アナログ変換器から出力されたアナログ信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータと、アップコンバータから出力されたRF信号を電力増幅して、電力増幅された出力信号を出力する電力増幅器と、電力増幅器の出力を二つの信号に分岐して、その一つの信号を出力信号として出力し、他の一つの信号を減衰器にフィードバックする方向性結合器と、方向性結合器からフィードバックされた信号を受信し、当該フィードバック信号を減衰する減衰器と、減衰器から出力された減衰信号をベースバンド信号にダウンコンバーティングするダウンコンバータと、ダウンコンバータから出力されたベースバンド信号をデジタル信号に変換して、フィードバック出力信号とするアナログ・デジタル変換器と、オリジナル入力信号を遅延して、遅延入力信号を生成する遅延器と、アナログ・デジタル変換器から出力されたフィードバック出力信号と遅延器から出力された遅延入力信号とを受信して、受信されたフィードバック出力信号と遅延入力信号とにより、ルックアップテーブル関数とフィルタ係数とをオンラインで更新するプリディストーションデータ更新器とを含む。
また、本発明の他の一例によれば、電力増幅装置のプリディストータモジュールのパラメータをオンラインで更新する方法を提供し、この方法は、以下のステップ:
電力増幅装置のオリジナル入力信号x(n)とフィードバック出力信号を比較して、下記式:
Figure 2009213113
〔ここで、F{・}、Q{・}、P{・}は、それぞれフィルタのフィルタ関数、ルックアップテーブルのルックアップテーブル関数と電力増幅器の増幅関数を表し、ただし、
Figure 2009213113
ルックアップテーブル関数Q{・}は、次式
Figure 2009213113
であり、
フィルタ係数は、次式
Figure 2009213113
であり、
Lは、フィルタの記憶長さを表し、[|・|]は、絶対値取りと量子化とを表す〕
に従って誤差信号を算出すること、
及び、下記式:
Figure 2009213113
〔ここで、
Figure 2009213113
Uとμの両方とも、収束までのステップ数である〕
により、ルックアップテーブル関数とフィルタ係数とをオンラインで更新すること、
を含む。
本発明によれば、マトリックスの高条件数による数値算出の困難を回避することができる。
本件は、非線形システム、例えば非線形電力増幅器の逆特性同定装置及びその方法、電力増幅器のプリディストータ及び非線形システムの逆特性同定装置とプリディストータを備えた電力増幅装置に関し、デジタル技術を利用して、ベースバンドにおいてプリディストーションを実現することで、非線形電力増幅器の無記憶性(メモリレス)非線形特性とメモリ効果とを補償するものである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。図面において、同一又は対応の技術特徴又は構成要素について、同一又は対応の符号で表示させる。
本実施例に係る非線形システムの逆特性の同定は、普通のハマースタインモデルに基いて行われる。ハマースタインモデルは、非線形システムのメモリ効果を考慮して構築された非線形モデルであり、メモリレス非線形モデルと線形時変システムとを直列して構成される。図9は、ハマースタインモデル90を利用して非線形システム94の逆特性を構築する構成の模式図を示している。図9に示すように、ハマースタインモデル90は、アドレス発生器91、ルックアップテーブル(Look-Up Table: LUT)92、FIR(有限インパルス応答)フィルタ93及び乗算器95を含む。アドレス発生器91は、入力信号x(n)によりLUT92を検索するためのアドレスを生成して、当該アドレスによりLUT92から複素で表示された係数を選択する。入力信号x(n)と複素係数とを乗算器95で乗算した積が、FIRフィルタ93によってデジタルフィルタリングされて、最終の予歪付加信号u(n)となる。ここで、kは、LUT92のアドレスを表す。
一次元のLUTは、非線形システムのメモリレス非線形特性を補償するのに用いられ、フィルタは、非線形システムのメモリ効果を補償するのに用いられる。これによって、メモリの大量の占用と高次多項式の使用とを回避でき、また、演算量を低減することができる。ここでは、どのように一次元のLUTとFIRフィルタのパラメータとを確立して、両者の組み合わせによって非線形システムの総合の非線形特性によく適合させるか、を考える。そのため、本実施例は、「間接学習法」を採用する。図10に、本実施例に適用された非線形システムの逆特性を取得するための間接学習法の一例を示す。
一般的に、非線形システムの特性は、時間の経過とともに頻繁に変化するものではないため、学習アルゴリズム及びプリディストーションモデルA同定モジュールは、いくらかの入力と出力データのサンプリングポイント(例えば、n個の入力データサンプリングポイントとn個の出力データササンプリングポイント)とを収集した後、オフラインでデータ処理を行うことができる。同定を行ってから、非線形システムの総合の非線形を補償するように、新たなパラメータを非線形システムのプリディストーションモデルAモジュールに送信する。図10に示すように、この過程には、データをオフラインで更新する際に、収集した入力と出力データとのサンプリングポイントを使用し、誤差信号e(n)を最小化して非線形システムの逆特性(モデルAのパラメータを推定)を取得する。図10において、x(n)は、非線形システムの入力であり、y(n)は、非線形システムの出力であり、Gは、非線形システムの所望の利得係数であり、また、y(n)は、非線形システムのフィードバック出力と呼ばれる。プリディストーションモデルAモジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの各種のプログラマブルデバイスにより実現することができ、非線形システムの時変のパラメータなどの更新を現場で容易に実現することができる。
図11は、間接学習法により非線形システムの逆特性をオフラインで取得する同定装置、すなわち、図10に示す学習アルゴリズム及びプリディストーションモデルA同定モジュールの一例を示す模式図である。この装置は、図10に示した間接学習法を基にしている。同図のデータ収集記憶モジュール301は、収集して記憶した非線形システムの入出力データを同定モジュール300に送り、同定モジュール300は、これらのデータをマッピングして出力した後、加算器306において、データ収集記憶モジュール301に記憶された非線形システムの入力データと比較して、誤差信号e(n)を同定モジュール300のパラメータの修正の根拠とする。
同定モジュール300は、アドレス発生器302、ルックアップテーブル303、乗算器304及びデュアルフィルタ305を含む。ここでのアドレス発生器302、ルックアップテーブル303、乗算器304及びデュアルフィルタ305は、それぞれ図9に示したアドレス発生器91、ルックアップテーブル92、乗算器95及びFIRフィルタ93に対応し、その具体的な動作例は、以下の文で説明する。
図11から分かるように、誤差信号e(n)は、以下のように表示される。
Figure 2009213113
ここで、x(n)は、図10に示す入力信号を表す。図10に示す非線形システムの所望利得がGであり、非線形システムの出力がy(n)である場合、yG(n)は、次式
Figure 2009213113
で表示される。
Figure 2009213113
は、同定信号(入力信号x(n)の推定値)を表し、以下のように表示される。
Figure 2009213113
中間予歪付加信号z(n)は、以下のようである。
Figure 2009213113
ここで、F{・}は、フィルタ305のフィルタ関数を表し、Q{・}は、ルックアップテーブル303のルックアップテーブル関数を表す。
[|・|]は、アドレス発生器302による絶対値取りと量子化とを表す。すなわち、
Figure 2009213113
kは、ルックアップテーブルのアドレス(例えば0〜255)に対応する。
従って、非線形システムの逆特性の同定は、フィルタ305とルックアップテーブル303のパラメータとを設計して誤差信号e(n)を最小化することになる。e(n)は時系列であるので、この同定は、以下のように記述される。
Figure 2009213113
ここで、
Figure 2009213113
である。
関数Eを効果的に最小化するために、好適あるいは最適な方法の一例として、F{・}とQ{・}とを合せて最適化する。本実施例では、交互にF{・}とQ{・}との最適化計算を行ってEを最小化し、最適化されたF{・}とQ{・}(フィルタ305とルックアップテーブル303)とにより非線形システムの逆特性に近づく算出方法を提案している。
まず、関数Q{・}を解析し算出する。ルックアップテーブルの内容は、各サンプリングポイントの利得を解析して取得される。ここで、各サンプリングポイントの利得は、以下のように表示される。
Figure 2009213113
すなわち、各
Figure 2009213113
のそれぞれは、一つの
Figure 2009213113
に対応し、すなわち、一つのルックアップテーブルのアドレスkに対応する。同じアドレスkを有する
Figure 2009213113
を1カテゴリに分類(1グループに分類)し、以下のように表示する。
Figure 2009213113
各グループ毎の
Figure 2009213113
に対して、それぞれ、その絶対値と位相の平均を取ることで、折衷の利得特性を取得することができる。すなわち、
Figure 2009213113
Figure 2009213113
である。
そして、ルックアップテーブル関数Q{・}
Figure 2009213113
を取得することができる。
ここで、
Figure 2009213113
Figure 2009213113
である。
また、
Figure 2009213113
は、Hadamard積を表し、上付き文字Tは、マトリックスの転置を表す。
式(12)によりルックアップテーブル関数Q{・}を取得した後、式(4)により中間予歪付加信号z(n)を算出することができる。
上記のように折衷の利得特性を算出する際に、選択されるのは、各グループ毎の
Figure 2009213113
の絶対値と位相それぞれの平均値である。他のアルゴリズム、例えば、メジアン法、最小二乗法などを使用して当該折衷の利得特性を取得してもよい。ここでは、その具体的な説明を省略する。
次に、フィルタ関数F{・}を解析し算出する。これは、最小二乗法により取得することができる。中間予歪付加信号z(n)を取得した後、最適のフィルタ関数F{・}を取得して入力信号x(n)に近づけるために、最小二乗法によりフィルタ係数
Figure 2009213113
を取得する。
ここで、
Figure 2009213113
Figure 2009213113
であり、ここで、Nは、収集されたデータの長さであり、Lは、FIRフィルタの階数(メモリ深度)である。
式(15)によりフィルタのパラメータWを算出して取得した後、フィルタ関数F{・}は、マトリックスとベクトルの形式で、以下のように表示される。
Figure 2009213113
そして、式(3)と式(18)とにより、入力信号x(n)の推定値
Figure 2009213113
を取得して、式(1)により誤差信号e(n)を算出することができる。誤差信号e(n)が設定された条件を満たす場合、入力信号x(n)の推定値
Figure 2009213113
が要求を満たすと考えられる。これは、現在に使用されるルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とが、非線形システムの特性によく適合し、図10に示すプリディストーションモデルAのパラメータに適用することができることを意味する。
一方、誤差信号e(n)が設定された条件を満していない場合、入力信号x(n)の推定値
Figure 2009213113
が要求を満すことができないため、さらにルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを修正する必要がある。この場合、フィルタ305を利用して、次式(19)に従って入力信号x(n)に対する逆フィルタリングを行って、逆フィルタ信号
Figure 2009213113
を得る。
Figure 2009213113
そして、非線形システムのフィードバック出力信号
Figure 2009213113
とともに、式(8)中のオリジナル入力信号x(n)の代わりに当該逆フィルタ信号
Figure 2009213113
を用いて、式(4)、式(5)及び式(12)〜式(18)を利用して、改めてルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを算出する。そして、設定された条件を満たすまで、さらに、式(1)により誤差信号e(n)を算出する。
ここで、設定された条件は、誤差信号e(n)を取得した後、次式(20)の正規化平均二乗誤差NMSEが収束するか否かを検査すること、又は、繰り返し数がある閾値より大きくなるか否かを判断することとすることができる。
Figure 2009213113
もちろん、当業者であれば、設定された条件は、上記に言及した正規化平均二乗誤差NMSEのみに限定されず、他の判定標準、例えば平均二乗誤差MSE、ピーク平均二乗誤差PMSEなどでもよいことが理解できるはずである。
図12は、図11に示す同定モジュール300により実行される最適化処理の過程のフローチャートを示しており、すなわち、非線形システムの入力信号x(n)と出力信号y(n)とによりどのように非線形システムの逆特性を記述するルックアップテーブル303の関数Q{・}とフィルタ305の関数F{・}とを取得するかを示している。
図12に示すように、まず、ステップS1201において、非線形システムのオリジナル入力信号x(n)と、非線形システムの処理を経てフィードバックし減衰され、同定モジュール300で処理された出力信号
Figure 2009213113
とを取得する。
次に、ステップS1202において、サンプリングポイントごとに、出力信号yG(n)に対する絶対値を取り、量子化操作を行い、式(5)により各サンプリングポイントの出力信号yG(n)に対応するアドレス番号kを取得する。そして、ステップS1203において、最初の正規化平均二乗誤差NMSE0を設定し、繰り返し変数iを0とする。
次に、ステップS1204において、式(8)〜式(14)により、グループ化し平均化して、ルックアップテーブル関数Q{・}を取得する。まず、式(8)により、各サンプリングポイント毎の利得
Figure 2009213113
を取得し、式(9)により、各サンプリングポイントの利得を、対応の出力信号アドレスに応じていくつかのグループに分ける。次に、式(10)〜式(14)により、ルックアップテーブル関数Q{・}を取得する。
ルックアップテーブル関数Q{・}を算出して取得した後、ステップS1205において、式(4)により中間予歪付加信号z(n)を算出する。その後、ステップS1206において、繰り返し変数iを1加算する。すなわち、i=i+1とする。
そして、ステップS1207において、フィルタの設計を行って、フィルタ関数F{・}を取得し、正規化平均二乗誤差NMSEiを算出する。まず、式(17)によりフィルタマトリックスZMを作成して、式(15)によりフィルタ関数F{・}を取得する。そして、式(3)と式(18)とにより入力信号x(n)の推定値
Figure 2009213113
を算出して、式(20)により正規化平均二乗誤差NMSEiを算出する。
正規化平均二乗誤差NMSEiを取得した後、ステップS1208において、正規化平均二乗誤差NMSEiが収束するか否か、又は、繰り返し数がある閾値より大きくなるか否かを判断する。大きいならば、処理はステップS1209に進み、ハードウェアでプリディストータを実現するように、現在のルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とをフィールドプログラマブルゲートアレイFPGAに出力する。
ステップS1208による判断結果は、正規化平均二乗誤差NMSEiが収束せず、且つ繰り返し数がある閾値より大きくない場合、処理はステップS1210に進み、フィルタを利用して、入力信号x(n)に対する逆フィルタを行って
Figure 2009213113
を取得する。
そして、処理は、ステップS1204に戻り、ステップS1204〜S1208を繰り返して実行する。非線形システムのフィードバック出力信号yG(n)とともに、式(8)中のオリジナル入力信号x(n)の代わりに当該逆フィルタ信号
Figure 2009213113
を用い、式(4)、式(5)及び式(12)〜式(18)を利用して、改めてルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを算出する。続いて、正規化平均二乗誤差NMSEiが収束し又は繰り返し数がある閾値より大きくなるまで、式(20)により、正規化平均二乗誤差NMSEiを算出する。
以下に、上記同定方法を実現する好適な非線形システム逆特性同定装置の構成を詳細に説明する。図13は、本実施例に係る非線形システム逆特性同定装置のブロック図を示している。
図13に示されているデータ記憶デバイス810には、オリジナル入力信号x(n)と減衰されたフィードバック出力信号yG(n)とが記憶されており、これら信号は、パラメータ算出器800に送信される。パラメータ算出器800には、アドレス発生器801、ルックアップテーブル生成器802、フィルタパラメータ算出器803、中間プリディストータ804、フィルタ805、逆フィルタ806及びセレクタ807などが含まれる。
フィードバック出力信号yG(n) はパラメータ算出器800に入力された後、アドレス発生器801で式(5)に従ってアドレスkに変換される。変換されたアドレスkは、フィードバック出力信号yG(n) とともにルックアップテーブル生成器802に入力される。また、ルックアップテーブル生成器802には、セレクタ807からの信号x(n)又は逆フィルタ信号
Figure 2009213113
が入力され、式(8)〜式(14)によりルックアップテーブル関数Q{・}を生成し、生成されたルックアップテーブル関数Q{・}は中間プリディストータ804に出力される。
中間プリディストータ804は、ルックアップテーブル生成器802からのルックアップテーブル関数Q{・}とフィードバック出力信号yG(n)とを受信して、式(4)により中間予歪付加信号z(n)を生成し、生成された中間予歪付加信号z(n)をフィルタパラメータ算出器803とフィルタ805とにそれぞれ出力する。
フィルタパラメータ算出器803は、中間プリディストータ804からの中間予歪付加信号z(n)とオリジナル入力信号x(n)とを受信し、式(15)〜式(18)によりフィルタ関数F{・}を生成する。生成されたフィルタ関数F{・}は、フィルタ805と逆フィルタ806とにそれぞれ出力される。
フィルタ805は、フィルタパラメータ算出器803によって生成されたフィルタ関数F{・}により、式(3)に従って中間プリディストータ804で生成された中間予歪付加信号z(n)を処理して、オリジナル入力信号の推定値
Figure 2009213113
を生成し、生成されたオリジナル入力信号の推定値
Figure 2009213113
をNMSE算出器808に出力する。
NMSE算出器808は、フィルタ805で生成されたオリジナル入力信号の推定値
Figure 2009213113
とオリジナル入力信号x(n)とを受信し、式(20)により正規化平均二乗誤差NMSEを算出して、収束判断器811に出力する。
フィルタ805と対称に設置された逆フィルタ806も、フィルタパラメータ算出器803からのフィルタ関数F{・}を受信して、当該フィルタ関数F{・}を使用してオリジナル入力信号x(n)に対する逆フィルタリングを行って、逆フィルタ信号
Figure 2009213113
をセレクタ807に出力する。
セレクタ807は、オリジナル入力信号x(n)と逆フィルタ信号
Figure 2009213113
を選択し、必要に応じてその両者の何れかをルックアップテーブル生成器802に出力する。具体的には、セレクタ807は、通常、第一回目にルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを算出する場合、オリジナル入力信号x(n)をルックアップテーブル生成器802に出力するが、その後の繰り返し算出において逆フィルタ806によって生成された逆フィルタ信号
Figure 2009213113
を選択してルックアップテーブル生成器802に出力する。
収束判断器811は、正規化平均二乗誤差NMSEと繰り返しステップ数とを記録し、正規化平均二乗誤差NMSE又は繰り返しステップ数を判定条件とする。判定条件を満たしていない場合、すなわち、正規化平均二乗誤差NMSEが収束しない又は繰り返しステップ数が所定の閾値を越えない場合、収束判断器811は、上記の過程を繰り返して実行するように、パラメータ算出器800を制御する。判定条件を満たす場合、すなわち、正規化平均二乗誤差NMSEが収束する、又は、繰り返しステップ数が所定の閾値を越えた場合、収束判断器811は、最新算出して取得されたフィルタ関数F{・}とルックアップテーブル関数Q{・}とを出力するようにパラメータ算出器800を制御する。
以下に、非線形電力増幅器を例として、上記のような非線形システム逆特性同定方法と同定装置をどのように利用して電力増幅器のメモリレス非線形特性とメモリ効果とを補償し、その線形増幅領域を拡大するかについて詳しく説明する。すなわち、上記のような非線形システム逆特性同定方法と同定装置をどのように利用して非線形電力増幅器に対してプリディストーションを行うのかを説明する。
まず、非線形電力増幅器の逆特性を同定するために、非線形電力増幅器の入出力データを収集する必要がある。図14に、電力増幅器の入出力データを収集するための装置のブロック図を示す。ここで、電力増幅器は、通信システムにおける基地局と移動局の送信機に使用される電力増幅器を例とするが、もちろん、当該電力増幅器は、他の場合にも適用することができる。
図14に示すように、電力増幅器の入出力データを収集するための装置は、デジタル入力信号x(n)をアナログ信号(ベースバンド信号)に変換するデジタル・アナログ変換器101、デジタル・アナログ変換器101から出力されたベースバンド信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータ102、アップコンバータ102から出力されたRF信号を電力増幅する電力増幅器103、電力増幅器103の出力を二つの信号に分岐して、その一つの信号を出力信号y(n)として出力し、他の一つの信号を減衰器105にフィードバックする方向性結合器104、方向性結合器104からフィードバックされた電力増幅器103の出力を受信して、当該フィードバック信号を減衰する減衰器105、減衰器105から出力された減衰信号をベースバンド信号にダウンコンバーティングするダウンコンバータ106、ダウンコンバータ106によりダウンコンバーティングして取得されたベースバンド信号をデジタル信号、すなわちフィードバック出力信号yG(n)に変換するアナログ・デジタル変換器107、オリジナル入力信号x(n)とフィードバック出力信号yG(n)とを収集して記憶するデータ収集記憶モジュール100を含む。データ収集記憶モジュール100に記憶されているオリジナル入力信号x(n)及びフィードバック出力信号yG(n)は、ベクトルで以下のように表示される。
Figure 2009213113
Figure 2009213113
図14に示す装置を使用して電力増幅器のオリジナル入力信号x(n)とフィードバック出力信号yG(n)とを収集した後、図12に示す非線形システム逆特性同定方法又は図13に示す非線形システム逆特性同定装置を使用して、電力増幅器の逆特性を同定して、フィルタ関数F{・}とルックアップテーブル関数Q{・}とを取得することができる。
フィルタ関数F{・}とルックアップテーブル関数Q{・}とを取得すると、電力増幅器のプリディストータモジュールを構築して電力増幅器の入力信号x(n)に対してプリディストーションを行って、電力増幅器に優れた線形出力を取得させることができる。図15に、本実施例によるプリディストーションを実現可能な非線形電力増幅装置のブロック図を示す。
図15に示すように、当該プリディストーションを実現可能な非線形電力増幅装置は、入力信号x(n)に対してプリディストーションを行って、予歪付加信号を出力するプリディストータモジュール400、プリディストータモジュール400から出力された予歪付加信号をアナログ信号(ベースバンド信号)に変換するデジタル・アナログ変換器405、デジタル・アナログ変換器405から出力されたベースバンド信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータ406、アップコンバータ406から出力されたRF信号を電力増幅して、電力増幅された出力信号y(n)を出力する電力増幅器407を含む。この場合、電力増幅装置から出力される信号y(n)は、電力増幅器のメモリレス非線形特性とメモリ効果が除去されて、優れた線形特性を有する。
図15に示すプリディストータモジュール400は、入力信号x(n)に対して、絶対値を取り、量子化を行ってから、ルックアップテーブルアドレスに変換するアドレス発生器401、上記のような同定方法又は同定装置により取得されたルックアップテーブル関数Q{・}に応じて配置され、アドレス発生器401から出力されたルックアップテーブルアドレスに基づいて補正係数を出力する一次元ルックアップテーブル402、オリジナル入力信号x(n)を一次元ルックアップテーブル402から出力された補正係数に乗算して中間予歪付加信号を取得する乗算器403、上記のような同定方法又は同定装置を利用して取得されたフィルタ関数F{・}に従って配置され、乗算器403から出力された中間予歪付加信号に対するフィルタリングを行って、プリディストーションを達成し、予歪付加信号をデジタル・アナログ変換器405に出力するフィルタ404を含む。
また、データの収集記憶の機能とプリディストーション機能の両方を有する電力増幅器を構成するため、図14に示す電力増幅器の入出力データを収集するための装置における方向性結合器104、減衰器105、ダウンコンバータ106、アナログ・デジタル変換器107及びデータ収集記憶モジュール100を図15に示す電力増幅装置に組み込んでもよい。
上記のように配置されたプリディストータモジュールを備える非線形電力増幅装置によれば、デジタル技術を利用してベースバンドにおいてプリディストーションを実現し、電力増幅器のメモリレス非線形特性とメモリ効果とを補償するだけでなく、記憶デバイスの容量に対する要求を効果的に低減し、数値算出に対する要求を大きく低下させることができる。
以上、予め収集して記憶された電力増幅器の入力信号x(n)とフィードバック出力信号yG(n)とを利用して、オフラインで電力増幅器の逆特性を同定して、同定結果により電力増幅器のプリディストータモジュールを配置するものを説明した。
しかしながら、前記に言及したように、非線形電力増幅器は、非線形システムの一つとして、その出力特性が時間の変化に従って変化する。このような変化は、短い時間内では明らかでないが、時間の経過に従って、その特性が必ず変化するため、その出力が常に優れた線形形態を表すように電力増幅器の逆特性を定期的に同定することが望ましい。
電力増幅器の逆特性を定期的に同定してそのプリディストータモジュールのパラメータを定期的に更新することに伴う繁雑な操作を回避するため、本実施例は、さらに、オンラインでプリディストータモジュールのパラメータを更新しアップグレードする電力増幅方法と装置を提供する。図16は、本実施例によるプリディストータモジュールのパラメータをオンラインで更新しアップグレードできる電力増幅装置の構成図を示している。
図16に示す電力増幅装置は、プリディストータモジュール400、デジタル・アナログ変換器405、アップコンバータ406、電力増幅器407、方向性結合器104、減衰器105、ダウンコンバータ106、アナログ・デジタル変換器107、プリディストーションデータ更新器600、及び遅延器601を含む。プリディストーションデータ更新器600と遅延器601以外の各ユニットは、それぞれ図14と図15において相応するユニットの構成と同じ、同様の符号で表記し、その具体的な説明は省略する。
図16に示すプリディストータモジュールをオンラインで更新するモジュールを備える電力増幅装置において、まず、オリジナルデジタル入力信号x(n)はプリディストータモジュール400に入力され、アドレス発生器401により絶対値が取られ、量子化された後、ルックアップテーブルアドレスに変換される。このルックアップテーブルアドレスにより、一次元ルックアップテーブル402から補正係数を読み取り、当該補正係数とオリジナルデジタル入力信号x(n)とを乗算器403で乗算する。乗算の結果が、さらにフィルタ404によってフィルタリングされて、プリディストーション処理が完了し、予歪付加信号が生成される。そして、予歪付加信号は、デジタル・アナログ変換器405とアップコンバータ406によって無線周波数アナログ信号に変換され、電力増幅器407に送信されて電力増幅され、電力増幅された信号y(n)が出力される。
電力増幅された信号y(n)は、方向性結合器104によってフィードバックされ、減衰器105によって減衰され、その後、ダウンコンバータ106により信号がベースバンドにダウンコンバーティングされ、そして、アナログ・デジタル変換器107により、ベースバンド信号がデジタル信号に変換されて、プリディストーションデータ更新器600に入力される。
オリジナルデジタル入力信号x(n)の分岐の一つも遅延器601によって遅延されてから、プリディストーションデータ更新器600に入力される。プリディストーションデータ更新器600は、図11に示す同定モジュール300に相当し、下記のアルゴリズムによりプリディストータモジュール400のフィルタ関数F{・}とルックアップテーブル関数Q{・}とを更新する。
図16から分かるように、オリジナルデジタル入力信号x(n)とフィードバックされたデジタル出力信号とを比較して、以下のような誤差信号が取得される。
Figure 2009213113
ここで、P{・}は電力増幅器関数を表し、また、
Figure 2009213113
であり、ルックアップテーブル関数Q{・}は、以下のように表示される。
Figure 2009213113
フィルタ係数は、以下のように整理される。
Figure 2009213113
Lは、メモリ深度を表す。
そして、ルックアップテーブル関数及びフィルタ係数は、次式により更新することができるようになる。
Figure 2009213113
ここで、
Figure 2009213113
であり、Uとμの両方とも、収束ステップ長さである。
プリディストーションデータ更新器600は、前記のような非線形逆特性同定方法により、最新取得されたオリジナル入力信号x(n)とフィードバック出力信号yG(n)とを利用して電力増幅器の逆特性をオンラインで同定することで、リアルタイムのルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを取得するようにしてもよい。
新たなルックアップテーブル関数とフィルタ関数とを取得すると、プリディストータモジュール400における相応パラメータを修正することができる。ここでは、図16に示すプリディストータモジュール400とプリディストーションデータ更新器600とにより実行される処理方法のフローの詳細説明を省略する。
本実施例に開示された同定装置及び同定方法によれば、記憶デバイスと数値算出に対する要求を同時に低下させることができる。また、プリディストータモジュールのパラメータのオンライン更新を実現でき、ひいては、電力増幅器の線形特性をリアルタイムに確保することもできるようになる。
以上、非線形電力増幅器を例として、どのようにオフラインやオンラインで時変非線形システムの逆特性同定を行い、同定結果により非線形システムに対してプリディストーションを行うかを詳しく説明した。
以上のように、本実施例は、有限インパルス応答(FIR)フィルタと一つの一次元ルックアップテーブルとを直列して電力増幅器の非線形特性を記述することで、メモリ多項式モデルに使用される多くの高次項で電力増幅器の非線形特性を正確に記述することを回避する。これは、高次項の使用によって、相応のマトリックスの条件数が高くなり、メモリ多項式パラメータの正確取得とプリディストーションとに困難をもたらすからである。また、本実施例に係る電力増幅器のプリディストータ、及び電力増幅器逆特性同定装置とプリディストータを使用する電力増幅装置が採用するのは、一次元ルックアップテーブルであり、メモリ容量の要求を大幅に低減させる。
また、上記の一連の処理と装置は、ソフトウェア及び/又はファームウェアで実現してもよい。ソフトウェア及び/又はファームウェアで実現する場合、記憶媒体又はネットワークから、専用のハードウェア構成を有するコンピュータ、例えば図17に示す汎用パーソナルコンピュータ700に、当該ソフトウェアを構成するプログラムをインストールし、当該コンピュータに各種のプログラムがインストールされると、各種の機能などを実行できる。
図17において、中央処理装置(CPU)701は、リードオンリーメモリ(ROM)702に記憶されるプログラム又は記憶部708からランダムアクセスメモリ(RAM)703にロードされたプログラムにより、各種の処理を実行する。RAM703において、必要に応じて、CPU701の各種の処理などを実行に必要なデータを記憶している。
CPU701、ROM702及びRAM703はバス704を介して互いに接続されている。バス704には入力/出力インターフェース705も接続されている。
入力/出力インターフェース705には、キーボードやマウスなどを含む入力部706と、例えば、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などのようなディスプレイやスピーカーなどを含む出力部707と、ハードディスクなどを含む記憶部708と、例えばLANカードや変復調装置などを含むネットワークインターフェースカードを含む通信部709とが接続されている。通信部709は、例えばインターネットのようなネットワークを介して通信処理を実行する。
必要に応じて、入力/出力インターフェース705にはドライバ710も接続されている。例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどのような取り外し可能な媒体711は、必要に応じてドライバ710に取り付けられており、その中から読み出されるコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部708にインストールされる。
ソフトウェアで上記の一連の処理を実現する場合、例えばインターネットのようなネットワーク又は取り外し可能な媒体711のような記憶媒体から、ソフトウェアを構成するプログラムをインストールする。
このような記憶媒体は図17に示した、その中にプログラムが記憶されており、デバイスから離れて配送することでユーザにプログラムを提供する取り外し可能な媒体711に限定されない。取り外し可能な媒体711の例として、磁気ディスク(フロッピーディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)やディジタルヴァーサタイルディスク(DVD)を含む)、光磁気ディスク(ミニディスク(MD)(登録商標)を含む)、及び半導体メモリを含む。又は、記憶媒体は、ROM702、記憶部708に含まれるハードディスクなどでもよい。そのハードディスクの中には、プログラムが記憶されており、これらを含むデバイスと一緒にユーザに配送される。
また、上記の一連の処理を実行するステップは、説明の順に従って時間順に実行してもよいが、必ずしも時間順に実行しなくてもよい。あるステップは、並列又は互いに個別に実行されてもよい。
本実施例及びその利点を詳細に説明したが、特許請求の範囲に記載された事項の趣旨及び範囲を離れない限り、各種の変更、取替や変換を行うことができることは、理解すべきことである。そして、“有する”、“含む”又は如何なる他の変形も、非排他的な「含む」をカバーする意味である。従って、一連の要素を含む過程、方法、物品又はデバイスは、それらの要素を含むだけではなく、明確に記載されていないその他の要素も含み、或いは、このような過程、方法、物品又はデバイスに固有の要素も含む。より多くの制限がない場合に、「一つの……を含む」の言葉で限定される要素は、前記の要素を含む過程、方法、物品又はデバイスに、更にその他の同様な要素が存在することを排除しないものである。
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
非線形システムのオリジナル入力信号x(n)、および相応のフィードバック出力信号y(n)により、非線形システムの逆特性を同定する非線形システム逆特性同定方法であって、
逆フィルタ信号xF(n)とフィードバック出力信号yG(n)とによりルックアップテーブル関数Q{・}を算出するルックアップテーブル関数Q{・}生成ステップと、
フィードバック出力信号yG(n)とルックアップテーブル関数Q{・}とにより中間予歪付加信号z(n)を生成する中間予歪付加信号z(n)生成ステップと、
中間予歪付加信号z(n)とオリジナル入力信号x(n)とによりフィルタ関数F{・}を作成するフィルタ関数F{・}作成ステップと、
フィルタ関数F{・}を使用し、式
Figure 2009213113
に従って、オリジナル入力信号x(n)に対する逆フィルタリングを行って逆フィルタ信号xF(n)を生成する逆フィルタステップと、
設定された条件を満たすまで、以上の各ステップを繰り返すことを含み、
ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とは、非線形システムの逆特性を表す、ことを特徴とする、非線形システム逆特性同定方法。
(付記2)
第一回目にルックアップテーブル関数Q{・}を生成する際に、フィードバック出力信号yG(n)とともに、オリジナル入力信号x(n)を逆フィルタ信号xF(n)として、ルックアップテーブル関数Q{・}を算出する、ことを特徴とする、付記1に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記3)
前記設定された条件は、次式
Figure 2009213113
〔ここで、式における
Figure 2009213113
は、次式
Figure 2009213113
によりフィルタ関数F{・}と中間予歪付加信号z(n)とを使用して生成された、オリジナル入力信号x(n)の推定値
Figure 2009213113
である〕
に示す正規化平均二乗誤差NMSEが収束すること、又は繰り返し数が規定の閾値より大きいこと、を確定することである、ことを特徴とする、付記2に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記4)
次式
Figure 2009213113
〔ここで、[|・|]は、絶対値取りと量子化とを表す〕
によりフィードバック出力信号yG(n)をルックアップテーブルにおける一つのアドレスkに量子化する絶対値取りと量子化ステップをさらに含む、ことを特徴とする、付記3に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記5)
ルックアップテーブル関数Q{・}生成ステップは、

Figure 2009213113
に従って、各サンプリングポイント毎の利得を算出すること、
同じアドレスを有する
Figure 2009213113
を、次式
Figure 2009213113
に従って1グループに分類することで、ルックアップテーブルの1アドレスkに対応するようにすること、及び
各グループ毎の利得を取得して、ルックアップテーブル関数Q{・}を生成すること、
を含む、ことを特徴とする、付記4に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記6)
各グループ毎の利得を取得するステップは、
次式
Figure 2009213113
Figure 2009213113
により各グループ毎の
Figure 2009213113
に対して、それぞれ、その絶対値と位相の平均を取って、ルックアップテーブル関数Q{・}
Figure 2009213113
〔ここで、
Figure 2009213113
Figure 2009213113
であり、
Figure 2009213113
は、ハダマード(Hadamard)積を表し、上付き文字Tは、マトリックスの転置を表す〕
を取得する、ことを特徴とする、付記5に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記7)
中間予歪付加信号z(n)生成ステップにおいて、次式
Figure 2009213113
によりフィードバック出力信号yG(n)とルックアップテーブル関数Q{・}とを使用して中間予歪付加信号z(n)を生成する、ことを特徴とする、付記6に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記8)
フィルタ関数F{・}作成ステップにおいて、
次式
Figure 2009213113
〔ここで、
Figure 2009213113
Figure 2009213113
であり、Nは、収集されたデータの長さであり、Lは、フィルタの階数である〕
により、中間予歪付加信号z(n)とオリジナル入力信号x(n)とを使用して、フィルタ係数を作成し、
これによって、フィルタ関数F{・}は、マトリックスとベクトルの形式で次式
Figure 2009213113
のように表示される、ことを特徴とする、付記7に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記9)
設定された条件を満たす場合、ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを非線形システムの逆特性として出力する、ことを特徴とする、付記8に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記10)
フィードバック出力信号yG(n)は、次式
Figure 2009213113
により生成され、Gは、非線形システムの所望利得であり、y(n)は、非線形システムの出力である、ことを特徴とする、付記1〜9の何れか一項に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記11)
非線形システムに特定のオリジナル入力信号x(n)を入力し、相応の出力信号y(n)を取得するデータ収集ステップをさらに含む、ことを特徴とする、付記10に記載の非線形システム逆特性同定方法。
(付記12)
非線形システムのオリジナル入力信号x(n)、および相応のフィードバック出力信号yG(n)により、非線形システムの逆特性を同定する非線形システム逆特性同定装置であって、
非線形システムの逆特性を同定して、非線形システムの逆特性を表すルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを生成するパラメータ算出器と、
パラメータ算出器で生成されたルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とが設定条件を満たすか否かを判定し、ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを繰り返し算出するようにパラメータ算出器を制御する収束判断器とを含み、
前記パラメータ算出器は、
逆フィルタ信号xF(n)とフィードバック出力信号yG(n)とによりルックアップテーブル関数Q{・}を算出するルックアップテーブル生成器と、
フィードバック出力信号yG(n)とルックアップテーブル生成器で算出されたルックアップテーブル関数Q{・}とにより中間予歪付加信号z(n)を生成する中間プリディストータと、
中間プリディストータで生成された中間予歪付加信号z(n)とオリジナル入力信号x(n)とによりフィルタ関数F{・}を作成するフィルタパラメータ算出器と、
フィルタパラメータ算出器で作成されたフィルタ関数F{・}を使用し、式
Figure 2009213113
に従って、オリジナル入力信号x(n)に対する逆フィルタリングを行って逆フィルタ信号xF(n)を生成する逆フィルタとを含む、ことを特徴とする、非線形システム逆特性同定装置。
(付記13)
さらにセレクタを含み、このセレクタは、第一回目にルックアップテーブル関数Q{・}を生成する際に、オリジナル入力信号x(n)を逆フィルタ信号xF(n)として選択し、ルックアップテーブル生成器に入力して、ルックアップテーブル生成器にオリジナル入力信号x(n)とフィードバック出力信号yG(n)とによりルックアップテーブル関数Q{・}を算出させるようにし、その後にルックアップテーブル関数Q{・}を生成する際に、逆フィルタで生成された逆フィルタ信号xF(n)を選択し、ルックアップテーブル生成器に入力して、ルックアップテーブル生成器に逆フィルタ信号xF(n)とフィードバック出力信号yG(n)とに基づいてルックアップテーブル関数Q{・}を算出させるのに用いられる、ことを特徴とする、付記12に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記14)

Figure 2009213113
により、フィルタパラメータ算出器で作成されたフィルタ関数F{・}と中間予歪付加信号z(n)を使用してオリジナル入力信号x(n)の推定値
Figure 2009213113
を生成するフィルタと、
次式
Figure 2009213113
に従って正規化平均二乗誤差NMSEを算出する正規化平均二乗誤差NMSE算出器とをさらに含み、ここで、収束判断器は、正規化平均二乗誤差NMSEが収束するか否か又は繰り返し数が規定の閾値より大きいか否かによって、設定された条件を満たすか否かを判定する、ことを特徴とする、付記13に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記15)
次式
Figure 2009213113
〔ここで、[|・|]は、絶対値取りと量子化とを表す〕
により、フィードバック出力信号yG(n)をルックアップテーブル生成器で生成されたルックアップテーブルにおける一つのアドレスkに量子化するアドレス発生器をさらに含む、ことを特徴とする、付記14に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記16)
そのルックアップテーブル生成器は、

Figure 2009213113
に従って各サンプリングポイント毎の利得を算出し、
同じアドレスを有する
Figure 2009213113
を、次式
Figure 2009213113
により1グループに分類することで、ルックアップテーブルの1アドレスkに対応するようにし、各グループ毎の利得を取得して、ルックアップテーブル関数Q{・}を生成するように構成される、ことを特徴とする、付記15に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記17)
そのルックアップテーブル生成器は、
次式
Figure 2009213113
Figure 2009213113
により、各グループ毎の
Figure 2009213113
に対して、それぞれ、その絶対値と位相の平均を取って、ルックアップテーブル関数Q{・}
Figure 2009213113
〔ここで、
Figure 2009213113
Figure 2009213113
Figure 2009213113
は、Hadamard積を表し、上付き文字Tは、マトリックスの転置を表す〕
を取得するように構成される、ことを特徴とする、付記16に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記18)
中間プリディストータは、次式
Figure 2009213113
により、フィードバック出力信号yG(n)とルックアップテーブル生成器で算出されたルックアップテーブル関数Q{・}とを使用して、中間予歪付加信号z(n)を生成する、ことを特徴とする、付記17に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記19)
フィルタパラメータ算出器は、次式
Figure 2009213113
〔ここで、
Figure 2009213113
Figure 2009213113
Nは、収集されたデータの長さであり、Lは、フィルタの階数である〕
により、中間プリディストータで生成された中間予歪付加信号z(n)とオリジナル入力信号x(n)とを使用して、フィルタ係数を作成し、これによって、フィルタ関数F{・}は、マトリックスとベクトルの形式で次式
Figure 2009213113
のように表示される、ことを特徴とする、付記18に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記20)
設定された条件を満たす場合、ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを非線形システムの逆特性として出力する、ことを特徴とする、付記19に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記21)
そのフィードバック出力信号yG(n)は、次式
Figure 2009213113
〔Gは、非線形システムの所望利得であり、y(n)は、非線形システムの出力である〕
により生成される、ことを特徴とする、付記12〜20のいずれか一項に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記22)
非線形システムに特定の入力信号x(n)を入力し、相応の出力信号y(n)を取得するデータ収集記憶装置をさらに含む、ことを特徴とする、付記21に記載の非線形システム逆特性同定装置。
(付記23)
電力増幅器のプリディストータであって、
オリジナル入力信号に対して、絶対値を取り、量子化を行ってから、ルックアップテーブルアドレスに変換するアドレス発生器と、
ルックアップテーブル関数Q{・}に従って配置され、アドレス発生器から出力されたルックアップテーブルアドレスにより、補正係数を出力する一次元ルックアップテーブルと、
オリジナル入力信号を一次元ルックアップテーブルから出力された補正係数に乗算して、中間予歪付加信号を取得する乗算器と、
フィルタ関数F{・}に従って配置され、乗算器から出力された中間予歪付加信号に対するフィルタリングを行って、予歪付加信号を生成するフィルタとを含み、
ルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とは、付記1〜9のいずれか一項に記載の非線形システム逆特性同定方法により生成され、又は、付記12〜20のいずれか一項に記載の非線形システム逆特性同定装置により生成される、ことを特徴とする、電力増幅器のプリディストータ。
(付記24)
電力増幅器のオリジナル入力信号とフィードバック出力信号とを収集するデータ収集記憶装置をさらに含み、
当該データ収集メモリ装置は、
オリジナル入力信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器と、
デジタル・アナログ変換器から出力されるアナログ信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータと、
アップコンバータから出力されるRF信号を電力増幅する電力増幅器と、
電力増幅器の出力を二つ分岐の信号に分岐して、その一つの信号を出力信号として出力し、他の一つの信号を減衰器にフィードバックする方向性結合器と、
方向性結合器からフィードバックされる信号を受信し、当該フィードバック信号を減衰する減衰器と、
減衰器から出力された減衰信号をベースバンド信号にダウンコンバーティングするダウンコンバータと、
ダウンコンバータから出力されたベースバンド信号をデジタル信号に変換して、フィードバック出力信号とするアナログ・デジタル変換器と、
オリジナル入力信号とフィードバック出力信号を収集して記憶するデータ収集記憶モジュールとを含む、ことを特徴とする、付記23に記載の電力増幅器のプリディストータ。
(付記25)
電力増幅装置であって、
オリジナル入力信号に対してプリディストーションを行って、予歪付加信号を出力するプリディストータモジュールと、
プリディストータモジュールから出力された予歪付加信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器と、
デジタル・アナログ変換器から出力されたアナログ信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータと、
アップコンバータから出力されたRF信号を電力増幅して、電力増幅された信号を出力する電力増幅器とを含み、
前記プリディストータモジュールの構成は、付記23に記載の電力増幅器のプリディストータの構成と同じである、ことを特徴とする、電力増幅装置。
(付記26)
電力増幅器の出力を二つの信号に分岐して、その一つの信号を出力信号として出力し、他の一つの信号を減衰器にフィードバックする方向性結合器と、
方向性結合器からフィードバックされた信号を受信し、当該フィードバック信号を減衰する減衰器と、
減衰器から出力された減衰信号をベースバンド信号にダウンコンバーティングするダウンコンバータと、
ダウンコンバータから出力されたベースバンド信号をデジタル信号に変換して、フィードバック出力信号とするアナログ・デジタル変換器と、
オリジナル入力信号とフィードバック出力信号を収集して記憶するデータ収集記憶モジュールとを含む、ことを特徴とする、付記25に記載の電力増幅装置。
(付記27)
電力増幅装置であって、
付記23に記載の電力増幅器のプリディストータと同じ構成を有し、オリジナル入力信号に対してプリディストーションを行って予歪付加入力信号を出力するのに用いられるプリディストータモジュールと、
プリディストータモジュールから出力される予歪付加信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器と、
デジタル・アナログ変換器から出力されるアナログ信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータと、
アップコンバータから出力されたRF信号を電力増幅して、電力増幅された信号を出力する電力増幅器と、
電力増幅器の出力を二つの信号に分岐して、その一つの信号を出力信号として出力し、他の一つの信号を減衰器にフィードバックする方向性結合器と、
方向性結合器からフィードバックされた信号を受信し、当該フィードバック信号を減衰する減衰器と、
減衰器から出力された減衰信号をベースバンド信号にダウンコンバーティングするダウンコンバータと、
ダウンコンバータから出力されたベースバンド信号をデジタル信号に変換して、フィードバック出力信号とするアナログ・デジタル変換器と、
オリジナル入力信号を遅延して、遅延入力信号を生成する遅延器と、
アナログ・デジタル変換器から出力されたフィードバック出力信号と遅延器から出力された遅延入力信号とを受信し、受信されたフィードバック出力信号と遅延入力信号とにより、ルックアップテーブル関数とフィルタ係数とをオンラインで更新するプリディストーションデータ更新器とを含む、ことを特徴とする、電力増幅装置。
(付記28)
プリディストーションデータ更新器は、付記1〜9のいずれか一項に記載の非線形システム逆特性同定方法により、プリディストータモジュールのルックアップテーブル関数とフィルタ関数とをオンラインで更新するように構成される、ことを特徴とする、付記27に記載の電力増幅装置。
(付記29)
プリディストーションデータ更新器は、下記のような方式により、プリディストータモジュールのルックアップテーブル関数とフィルタ関数とをオンラインで更新するように構成され、すなわち、
オリジナル入力信号x(n)とフィードバック出力信号とを比較して、次式
Figure 2009213113
〔ここで、F{・}、Q{・}、P{・}は、それぞれフィルタ関数、ルックアップテーブル関数、電力増幅器関数を表し、
Figure 2009213113
であり、ルックアップテーブル関数Q{・}は、次式
Figure 2009213113
であり、
フィルタ係数は、次式
Figure 2009213113
であり、
Lは、フィルタの記憶長さを表し、[|・|]は、絶対値取りと量子化とを表す〕
に従って誤差信号を算出し、次式
Figure 2009213113
〔ここで、
Figure 2009213113
であり、Uとμの両方とも、収束までのステップ数である〕
により、ルックアップテーブル関数とフィルタ係数とをオンラインで更新する、ことを特徴とする、付記27に記載の電力増幅装置。
(付記30)
電力増幅装置のプリディストータモジュールのパラメータをオンラインで更新する方法であって、
電力増幅装置のオリジナル入力信号x(n)とフィードバック出力信号とを比較して、次式
Figure 2009213113
〔ここで、F{・}、Q{・}、P{・}は、それぞれフィルタのフィルタ関数、ルックアップテーブルのルックアップテーブル関数、電力増幅器の増幅関数を表し、ただし
Figure 2009213113
であり、ルックアップテーブル関数Q{・}は、次式
Figure 2009213113
であり、
フィルタ係数は、次式
Figure 2009213113
であり、
Lは、フィルタの記憶長さを表し、[|・|]は、絶対値取りと量子化とを表す〕
に従って誤差信号を算出し、次式
Figure 2009213113
〔ここで、
Figure 2009213113
であり、Uとμの両方とも、収束までのステップ数である〕
により、ルックアップテーブル関数とフィルタ係数とをオンラインで更新することを含む、ことを特徴とする、電力増幅装置のプリディストータモジュールのパラメータをオンラインで更新する方法。
電力増幅器の入出力信号の非線形特性を示す模式図である。 非線形電力増幅器により増幅された信号のスペクトルを示す模式図である。 図1に示す非線形特性を相殺する電力増幅器のプリディストータの入出力信号の特性を示す模式図である。 プリディストータを備える電力増幅器の入出力信号の特性を示す模式図である。 メモリ効果を有する非線形電力増幅器の入出力信号の特性を示す模式図である。 メモリ効果を有する非線形電力増幅器によって増幅された信号のスペクトルを示す模式図である。 従来技術によって、メモリ多項式モデルを用いて、メモリ効果を有する非線形電力増幅器の入力信号に対して、プリディストーション処理を行うことを示す模式図である。 従来技術によって、二次元ルックアップテーブルを使用して、メモリ効果を有する非線形電力増幅器の入力信号に対して、プリディストーション処理を行うことを示す模式図である。 ハマースタインモデルを利用して非線形システムの逆特性を作成する構成の模式図である。 本実施例が採用する非線形システムの逆特性を取得するための間接学習法の一例を示す模式図である。 本実施例の間接学習法により非線形システムの逆特性をオフラインで取得する同定装置の一例を示す模式図である。 本実施例の間接学習法により非線形システムの逆特性をオフラインで取得する同定方法の最適化処理過程のフローを示す図である。 本実施例に係る非線形システム逆特性同定装置を示すブロック図である。 電力増幅器の入出力データを収集する装置の構成を示すブロック図である。 本実施例によるプリディストーションを実現できる非線形電力増幅装置の構成を示すブロック図である。 本実施例によるプリディストータモジュールのパラメータをオンラインで更新しアップグレードできる電力増幅装置の構成を示すブロック図である。 パーソナルコンピュータの例示的な構成を示すブロック図である。

Claims (10)

  1. 非線形システムのオリジナル入力信号x(n)、および相応のフィードバック出力信号y(n)により、非線形システムの逆特性を同定する非線形システム逆特性同定方法であって、
    逆フィルタ信号xF(n)と前記フィードバック出力信号yG(n)とによりルックアップテーブル関数Q{・}を算出するルックアップテーブル関数Q{・}生成ステップと、
    前記フィードバック出力信号yG(n)と前記ルックアップテーブル関数Q{・}とにより中間予歪付加信号z(n)を生成する中間予歪付加信号z(n)生成ステップと、
    前記中間予歪付加信号z(n)と前記オリジナル入力信号x(n)とによりフィルタ関数F{・}を作成するフィルタ関数F{・}作成ステップと、
    前記フィルタ関数F{・}を使用し、式
    Figure 2009213113
    に従って、前記オリジナル入力信号x(n)に対する逆フィルタリングを行って前記逆フィルタ信号xF(n)を生成する逆フィルタステップと、をそなえ、
    設定された条件を満たすまで、以上の各ステップを繰り返すことを含み、
    前記ルックアップテーブル関数Q{・}と前記フィルタ関数F{・}とは、非線形システムの逆特性を表す、ことを特徴とする、非線形システム逆特性同定方法。
  2. 第一回目に前記ルックアップテーブル関数Q{・}を生成する際に、前記フィードバック出力信号yG(n)とともに、前記オリジナル入力信号x(n)を前記逆フィルタ信号xF(n)として、前記ルックアップテーブル関数Q{・}を算出する、ことを特徴とする、請求項1に記載の非線形システム逆特性同定方法。
  3. 前記設定された条件は、次式
    Figure 2009213113
    〔ここで、式における
    Figure 2009213113
    は、次式
    Figure 2009213113
    により前記フィルタ関数F{・}と前記中間予歪付加信号z(n)とを使用して生成された、前記オリジナル入力信号x(n)の推定値
    Figure 2009213113
    である〕
    に示す正規化平均二乗誤差NMSEが収束すること、又は繰り返し数が規定の閾値より大きいこと、を確定することである、ことを特徴とする、請求項2に記載の非線形システム逆特性同定方法。
  4. 次式
    Figure 2009213113
    〔ここで、[|・|]は、絶対値取りと量子化とを表す〕
    により前記フィードバック出力信号yG(n)をルックアップテーブルにおける一つのアドレスkに量子化する絶対値取りと量子化ステップとをさらに含む、ことを特徴とする、請求項3に記載の非線形システム逆特性同定方法。
  5. 非線形システムのオリジナル入力信号x(n)、および相応のフィードバック出力信号yG(n)により、非線形システムの逆特性を同定する非線形システム逆特性同定装置であって、
    前記非線形システムの逆特性を同定して、前記非線形システムの逆特性を表すルックアップテーブル関数Q{・}とフィルタ関数F{・}とを生成するパラメータ算出器と、
    前記パラメータ算出器で生成された前記ルックアップテーブル関数Q{・}と前記フィルタ関数F{・}とが設定された条件を満たすか否かを判定し、前記ルックアップテーブル関数Q{・}と前記フィルタ関数F{・}とを繰り返し算出するように前記パラメータ算出器を制御する収束判断器とを含み、
    前記パラメータ算出器は、
    逆フィルタ信号xF(n)と前記フィードバック出力信号yG(n)とにより前記ルックアップテーブル関数Q{・}を算出するルックアップテーブル生成器と、
    前記フィードバック出力信号yG(n)と前記ルックアップテーブル生成器で算出された前記ルックアップテーブル関数Q{・}とにより中間予歪付加信号z(n)を生成する中間プリディストータと、
    前記中間プリディストータで生成された前記中間予歪付加信号z(n)と前記オリジナル入力信号x(n)とにより前記フィルタ関数F{・}を作成するフィルタパラメータ算出器と、
    前記フィルタパラメータ算出器で作成された前記フィルタ関数F{・}を使用し、式
    Figure 2009213113
    に従って、前記オリジナル入力信号x(n)に対する逆フィルタリングを行って前記逆フィルタ信号xF(n)を生成する逆フィルタとを含む、ことを特徴とする、非線形システム逆特性同定装置。
  6. 電力増幅器のプリディストータであって、
    オリジナル入力信号に対して、絶対値を取り、量子化を行ってから、ルックアップテーブルアドレスに変換するアドレス発生器と、
    ルックアップテーブル関数Q{・}に従って配置され、前記アドレス発生器から出力された前記ルックアップテーブルアドレスにより、補正係数を出力する一次元ルックアップテーブルと、
    前記オリジナル入力信号を前記一次元ルックアップテーブルから出力された前記補正係数に乗算して、中間予歪付加信号を取得する乗算器と、
    フィルタ関数F{・}に従って配置され、前記乗算器から出力された前記中間予歪付加信号に対するフィルタリングを行って、予歪付加信号を生成するフィルタとを含み、
    前記ルックアップテーブル関数Q{・}と前記フィルタ関数F{・}とは、請求項1〜4のいずれか一項に記載の非線形システム逆特性同定方法により生成され、又は、請求項5に記載の非線形システム逆特性同定装置により生成される、ことを特徴とする、電力増幅器のプリディストータ。
  7. 前記電力増幅器のオリジナル入力信号とフィードバック出力信号とを収集するデータ収集記憶装置をさらに含み、
    当該データ収集記憶装置は、
    前記オリジナル入力信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器と、
    前記デジタル・アナログ変換器から出力される前記アナログ信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータと、
    前記アップコンバータから出力される前記RF信号を電力増幅する前記電力増幅器と、
    前記電力増幅器の出力を二つ分岐の信号に分岐して、その一つの信号を出力信号として出力し、他の一つの信号を減衰器にフィードバックする方向性結合器と、
    前記方向性結合器からフィードバックされる信号を受信し、当該フィードバック信号を減衰する前記減衰器と、
    前記減衰器から出力された減衰信号をベースバンド信号にダウンコンバーティングするダウンコンバータと、
    前記ダウンコンバータから出力された前記ベースバンド信号をデジタル信号に変換して、前記フィードバック出力信号とするアナログ・デジタル変換器と、
    前記オリジナル入力信号と前記フィードバック出力信号とを収集して記憶するデータ収集記憶モジュールとを含む、ことを特徴とする、請求項6に記載の電力増幅器のプリディストータ。
  8. 電力増幅装置であって、
    オリジナル入力信号に対してプリディストーションを行って、予歪付加信号を出力するプリディストータモジュールと、
    前記プリディストータモジュールから出力された前記予歪付加信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器と、
    前記デジタル・アナログ変換器から出力された前記アナログ信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータと、
    前記アップコンバータから出力された前記RF信号を電力増幅して、電力増幅された信号を出力する電力増幅器とを含み、
    前記プリディストータモジュールの構成は、請求項6に記載の電力増幅器のプリディストータの構成と同じである、ことを特徴とする、電力増幅装置。
  9. 電力増幅装置であって、
    請求項6に記載の電力増幅器のプリディストータと同じ構成を有し、オリジナル入力信号に対してプリディストーションを行って予歪付加信号を出力するのに用いられるプリディストータモジュールと、
    前記プリディストータモジュールから出力される前記予歪付加信号をアナログ信号に変換するデジタル・アナログ変換器と、
    前記デジタル・アナログ変換器から出力される前記アナログ信号をRF信号にアップコンバーティングするアップコンバータと、
    前記アップコンバータから出力された前記RF信号を電力増幅して、電力増幅された信号を出力する電力増幅器と、
    前記電力増幅器の出力を二つの信号に分岐して、その一つの信号を出力信号として出力し、他の一つの信号を減衰器にフィードバックする方向性結合器と、
    前記方向性結合器からフィードバックされた信号を受信し、当該フィードバック信号を減衰する前記減衰器と、
    前記減衰器から出力された減衰信号をベースバンド信号にダウンコンバーティングするダウンコンバータと、
    前記ダウンコンバータから出力された前記ベースバンド信号をデジタル信号に変換して、前記フィードバック出力信号とするアナログ・デジタル変換器と、
    前記オリジナル入力信号を遅延して、遅延入力信号を生成する遅延器と、
    前記アナログ・デジタル変換器から出力された前記フィードバック出力信号と前記遅延器から出力された前記遅延入力信号とを受信し、受信された前記フィードバック出力信号と前記遅延入力信号とにより、ルックアップテーブル関数とフィルタ係数とをオンラインで更新するプリディストーションデータ更新器とを含む、ことを特徴とする、電力増幅装置。
  10. 電力増幅装置のプリディストータモジュールのパラメータをオンラインで更新する方法であって、
    前記電力増幅装置のオリジナル入力信号x(n)とフィードバック出力信号とを比較して、次式
    Figure 2009213113
    〔ここで、F{・}、Q{・}、P{・}は、それぞれフィルタのフィルタ関数と、ルックアップテーブルのルックアップテーブル関数と、電力増幅器の増幅関数とを表し、ただし
    Figure 2009213113
    であり、ルックアップテーブル関数Q{・}は、次式
    Figure 2009213113
    であり、
    フィルタ係数は、次式
    Figure 2009213113
    であり、
    Lは、フィルタの記憶長さを表し、[|・|]は、絶対値取りと量子化とを表す〕
    に従って誤差信号を算出し、次式
    Figure 2009213113
    〔ここで、
    Figure 2009213113
    であり、Uとμの両方とも、収束までのステップ数である〕
    により、前記ルックアップテーブル関数と前記フィルタ係数とをオンラインで更新することを含む、ことを特徴とする、電力増幅装置のプリディストータモジュールのパラメータをオンラインで更新する方法。
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