以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、実施形態に係る通信制御システム10の一例を示す。通信制御システム10は、SAE GW(System Architecture Evolution Gateway)100、第1付加装置120A、第2付加装置120B、第1無線基地局130A、および第2無線基地局130Bを備える。
第1無線基地局130Aは、第1無線送信部およびアンテナを有する。第1無線基地局130Aは、第1基地局エリア135Aに存在する通信端末140Aおよび通信端末140Bと無線通信する。第2無線基地局130Bは、第2無線送信部およびアンテナを有する。第2無線基地局130Bは、第2基地局エリア135Bに存在する通信端末140Bおよび通信端末140Cと無線通信する。第1付加装置120Aは、第1無線送信部に接続されている。第2付加装置120Bは、第2無線送信部に接続されている。
たとえば、通信制御システム10は、LTE(Long Term Evolution)、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を利用する携帯電話用の通信システムを制御する。通信制御システム10は、無線LAN(Local Area Network)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)など、他の通信方式または他の通信規格を利用する通信システムを制御してもよい。
以降の説明においては、第1付加装置120Aおよび第2付加装置120Bをまとめて付加装置120と称する場合がある。また、第1無線基地局130Aおよび第2無線基地局130Bをまとめて無線基地局130と称する場合がある。また、第1基地局エリア135Aおよび第2基地局エリア135Bをまとめて基地局エリア135と称する場合がある。また、通信端末140A、通信端末140B、および通信端末140Cをまとめて通信端末140と称する場合がある。
通信制御システム10においては、付加装置120を除いて、既存の通信制御システムを利用してもよい。たとえば、既存の通信制御システムに対して、SAE GW100と無線基地局130との通信経路上に付加装置120を設けることにより、通信制御システム10を構築してもよい。この場合、付加装置120の入出力インターフェイスの仕様を、SAE GW100と無線基地局130との接続に用いられる入出力インターフェイスの仕様と同一とすることが好ましい。これにより、付加装置120の利用を開始する場合においては、既存の通信制御システムに対して、容易に付加装置120を設けることができる。また、付加装置120の利用を廃止する場合においては、容易に既存の通信制御システムを復元できる。
SAE GW100は、通信端末140に送信されるデータの通信経路を制御する。具体的には、SAE GW100は、データ送信元の通信端末140から送信されたデータを受信する。また、SAE GW100は、データ送信先の通信端末140の現在位置を特定する。たとえば、SAE GW100は、端末移動情報115を参照することにより、データ送信先の通信端末140の現在位置を特定する。そして、SAE GW100は、データ送信先の通信端末140の現在位置に応じた無線基地局130に、受信したデータを送信する。
無線基地局130は、通信端末140を通信ネットワークに無線接続させる。そして、無線基地局130は、通信端末140と無線通信をおこなう。たとえば、無線基地局130は、SAE GW100から送信されたデータを受信する。そして、無線基地局130は、データ送信先の通信端末140に向けて、受信したデータを無線送信する。
通信端末140は、無線式の通信端末であって、無線基地局130を介して通信ネットワークに接続される。通信端末140は、通信ネットワークを介して、他の通信端末140との、データ通信をおこなう。
通信端末140は、通信ネットワークを介して、他の通信端末140からデータを受信する。そして、通信端末140は、受信したデータを再生する。通信端末140の一例として、携帯電話が挙げられる。通信端末140が送受信するデータの一例として、音声データ、テキストデータ、画像データが挙げられる。
付加装置120は、SAE GW100と無線基地局130との通信経路上に設けられる。付加装置120は、SAE GW100と無線基地局130との通信経路上において、無線基地局130による通信端末140へのデータ送信を制御する。
通信端末140が単一の基地局エリア135に存在する場合、付加装置120は、単一の無線基地局130から通信端末140へデータを送信させる。通信端末140が複数の基地局エリア135に重複する重複エリアに存在する場合、付加装置120は、複数の無線基地局130から通信端末140へデータを送信させる。特に、付加装置120は、複数の無線基地局130から通信端末140へデータを同時に送信させる。
たとえば、通信端末140Aは、基地局エリア135Aに存在する。このため、第1付加装置120Aは、第1無線基地局130Aから通信端末140Aへデータを送信させる。また、通信端末140Cは、基地局エリア135Bに存在する。このため、第2付加装置120Bは、第2無線基地局130Bから通信端末140Cへデータを送信させる。
通信端末140Bは、基地局エリア135Aと基地局エリア135Bが重複する重複エリアに存在する。このため、第1付加装置120Aは、第1無線基地局130Aから通信端末140Bへデータを送信させる。同時に、第2付加装置120Bは、第2無線基地局130Bから通信端末140Bへデータを送信させる。
たとえば、第1付加装置120Aは、通信端末140Bへ送信すべきデータの送信時刻を算出する。そして、第1付加装置120Aは、算出した送信時刻を、第2付加装置120Bに対して通知する。
第1付加装置120Aは、上記送信時刻に、第1無線基地局130Aに送信タイミング信号を送信する。同時に、第2付加装置120Bは、第2無線基地局130Bに送信タイミング信号を送信する。これにより、第1無線基地局130Aおよび第1無線基地局130Aは、同時に通信端末140Bへデータを送信する。
このように、本実施形態の通信制御システム10によれば、複数の基地局エリア135に重複する重複エリアに存在する通信端末140Bに対して、複数の無線基地局130から、同時にデータを送信させる。これにより、通信端末140Bへのデータの伝播経路を多重化できる。また、通信端末140Bが受信するデータの電波強度を強めることができる。このため、上記重複エリアにおいて、通信端末140Bによるデータ通信の通信品質および通信速度を向上できる。
図2は、実施形態に係る第1付加装置120Aの機能構成例を示す。第1付加装置120Aは、データ受信部202、データ送信部204、符号化データ生成部206、送信可否判断部208、および送信方法決定部210を備える。また、第1付加装置120Aは、伝送遅延時間計測部212、送信タイミング算出部214、外部クロック受信部216、高精度時間同期部218、および同期制御部220を備える。また、第1付加装置120Aは、ネットワークI/F222、ネットワークI/F224、および同期用I/F226を備える。
なお、第2付加装置120Bは、第1付加装置120Aと同様の構成および機能を有する。このため、第2付加装置120Bの機能構成例の説明を省略する。
データ受信部202は、通信端末140に送信すべきデータを受信する。たとえば、データ受信部202は、通信端末140に送信すべきデータをSAE GW100からネットワークI/F222を介して受信する。
データ送信部204は、通信端末140に送信すべきデータを送信する。たとえば、データ送信部204は、通信端末140に送信すべきデータを第1無線送信部および第2無線送信部の一方に送信する。データ送信部204は、通信端末140に送信すべきデータを第1無線送信部および第2無線送信部の双方に送信してもよい。
符号化データ生成部206は、データ受信部202が受信したデータを符号化して第1符号化データおよび第2符号化データを生成する。たとえば、符号化データ生成部206は、データ受信部202が受信したデータを時空間符号化することにより、第1符号化データおよび第2符号化データを生成してもよい。符号化データ生成部206は、データ受信部202が受信したデータを、MIMO技術を用いて時空間符号化することにより、第1符号化データおよび第2符号化データを生成してもよい。符号化データ生成部206が第1符号化データおよび第2符号化データを生成した場合、データ送信部204は、符号化データ生成部206が生成した第1符号化データを第1無線送信部に送信してもよい。また、データ送信部204は、符号化データ生成部206が生成した第2符号化データを第2無線送信部に送信してもよい。
送信可否判断部208は、第1無線送信部および第2無線送信部のそれぞれが通信端末140にデータ送信可能な状態にあるかを判断する。送信可否判断部208は、通信端末140の現在位置に基づいて、第1無線送信部および第2無線送信部のそれぞれが通信端末140にデータ送信可能な状態にあるかを判断してもよい。たとえば、送信可否判断部208は、ネットワークI/F222を介して端末移動情報115を参照することにより、通信端末140の現在位置を特定してもよい。
送信方法決定部210は、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信するか、第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信するかを決定する。送信方法決定部210は、送信可否判断部208の判断結果に基づいて、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信するか、第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信するかを決定してもよい。
たとえば、第1無線送信部が通信端末140にデータ送信可能な状態にあると送信可否判断部208が判断した場合、送信方法決定部210は、第1無線送信部を用いてデータを通信端末140に送信すると決定してもよい。また、第2無線送信部が通信端末140にデータ送信可能な状態にあると送信可否判断部208が判断した場合、送信方法決定部210は、第2無線送信部を用いてデータを通信端末140に送信すると決定してもよい。また、第1無線送信部および第2無線送信部の双方が通信端末140にデータ送信可能な状態にあると送信可否判断部208が判断した場合、送信方法決定部210は、第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信すると決定してもよい。
送信方法決定部210は、通信端末140のユーザ設定に基づいて、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信するか、第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信するかを決定してもよい。たとえば、第1無線送信部および第2無線送信部の双方が通信端末140にデータ送信可能な状態にあると送信可否判断部208が判断した場合であっても、通信端末140のユーザ設定に、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信する旨が設定されている場合、送信方法決定部210は、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信すると決定してもよい。
送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いて通信端末140にデータを送信することが決定された場合、データ送信部204は、第1無線送信部および第2無線送信部の双方にデータ受信部202が受信したデータを送信してもよい。送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いて通信端末140にデータを送信することが決定された場合、データ送信部204は、第1無線送信部および第2無線送信部の一方にデータ受信部202が受信したデータを送信してもよい。送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いて通信端末140にデータを送信することが決定された場合、符号化データ生成部206は、に、データ受信部202が受信したデータを符号化して第1符号化データおよび第2符号化データを生成してもよい。
外部クロック受信部216は、外部クロック信号を受信する。たとえば、外部クロック受信部216は、GPS衛星から発せられたGPS信号に基づいて現在時刻を算出するGPSユニットから、外部クロック信号を受信してもよい。また、外部クロック受信部216は、ネットワークI/F222を介して、外部クロック信号を受信してもよい。
たとえば、外部クロック受信部216は、NTP(Network Time Protocol)サーバから、外部クロック信号を受信してもよい。また、外部クロック受信部216は、外部クロック信号としてJJY信号を受信してもよい。
高精度時間同期部218は、外部クロック受信部216が受信した外部クロック信号に同期して内部クロックを高精度化する。たとえば、高精度時間同期部218は、外部クロック受信部216が受信したナノsec精度の外部クロック信号に同期し、内部クロック信号を高精度化する。
伝送遅延時間計測部212は、第1付加装置120Aから第2付加装置120Bまでの伝送遅延時間を測定する。たとえば、伝送遅延時間計測部212は、ネットワーク疎通確認用のパケットをネットワークI/F222を介して第2付加装置120Bに送信することにより、第1付加装置120Aから第2付加装置120Bまでの伝送遅延時間を測定してもよい。
送信タイミング算出部214は、第1無線送信部および第2無線送信部が、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を同時に送信可能な送信タイミングを算出する。たとえば、送信タイミング算出部214は、伝送遅延時間計測部212が測定した伝送遅延時間に基づいて、第1無線送信部および第2無線送信部が、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を同時に送信可能な送信タイミングを算出する。送信タイミング算出部214は、外部クロック受信部216が受信した外部クロック信号を参照して送信タイミングを算出してもよい。送信タイミング算出部214は、高精度時間同期部218によって高精度化された内部クロック信号を参照して送信タイミングを算出してもよい。
同期制御部220は、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させる。同期制御部220は、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、送信タイミング信号を送信することにより、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。
同期制御部220は、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、符号化データ生成部206が生成した第1符号化データおよび符号化データ生成部206が生成した第2符号化データを送信させてもよい。たとえば、同期制御部220は、第1無線送信部から通信端末140に対して符号化データ生成部206が生成した第1符号化データを送信させると同時に、第2無線送信部から通信端末140に対して符号化データ生成部206が生成した第2符号化データを送信させてもよい。
同期制御部220は、送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信することが決定された場合に、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。同期制御部220は、送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信することが決定された場合に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を第1無線送信部および第2付加装置120Bに送信して、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。
同期制御部220は、外部クロック受信部216が受信した外部クロック信号を参照して、第1無線送信部または第2無線送信部から通信端末140に対して、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。また、同期制御部220は、高精度時間同期部218が高精度化した内部クロック信号を参照して、第1無線送信部または第2無線送信部から通信端末140に対して、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。
このように、本実施形態の第1付加装置120Aによれば、複数の基地局エリア135に重複する重複エリアに存在する通信端末140Bに対して、複数の無線基地局130から、同時にデータを送信させることができる。これにより、通信端末140Bへのデータの伝播経路を多重化できる。また、通信端末140Bが受信するデータの電波強度を高めることができる。このため、上記重複エリアにおいて、通信端末140Bによるデータ通信の通信品質および通信速度を向上できる。
図3は、実施形態に係る通信制御システムの他の一例を示す。図3に示す通信制御システム10は、協調送信制御装置110を備える点で、図1に示した通信制御システム10と相違する。なお、以下では、図1に示した通信制御システム10との相違点について説明する。
通信制御システム10においては、付加装置120および協調送信制御装置110を除いて、既存の通信制御システムを利用してもよい。たとえば、既存の通信制御システムに対して、SAE GW100と無線基地局130との通信経路上に付加装置120を設けたうえに、付加装置120と協調送信制御装置110とを接続することにより、通信制御システム10を構築してもよい。この場合、付加装置120の入出力インターフェイスの仕様を、SAE GW100と無線基地局130との接続に用いられる入出力インターフェイスの仕様と同一とすることが好ましい。これにより、付加装置120および協調送信制御装置110の利用を開始する場合においては、既存の通信制御システムに対して、容易に付加装置120および協調送信制御装置110を設けることができる。また、付加装置120および協調送信制御装置110の利用を廃止した場合においては、容易に既存の通信制御システムを復元できる。
協調送信制御装置110は、付加装置120と協調することにより、無線基地局130による通信端末140へのデータ送信を制御する。具体的には、通信端末140が単一の基地局エリア135に存在する場合、協調送信制御装置110は、単一の無線基地局130から通信端末140へデータを送信させる。通信端末140が複数の基地局エリア135に重複する重複エリアに存在する場合、協調送信制御装置110は、複数の無線基地局130から通信端末140へデータを送信させる。特に、協調送信制御装置110は、複数の無線基地局130から通信端末140へデータを同時に送信させる。
たとえば、通信端末140Aは、基地局エリア135Aに存在する。このため、協調送信制御装置110は、第1無線基地局130Aから通信端末140Aへデータを送信させる。また、通信端末140Cは、基地局エリア135Bに存在する。このため、協調送信制御装置110は、第2無線基地局130Bから通信端末140Cへデータを送信させる。
通信端末140Bは、基地局エリア135Aと基地局エリア135Bが重複する重複エリアに存在する。このため、協調送信制御装置110は、第1無線基地局130Aから通信端末140Bへデータを送信させる。同時に、協調送信制御装置110は、第2無線基地局130Bから通信端末140Bへデータを送信させる。
たとえば、協調送信制御装置110は、無線基地局130Aから通信端末140Bへデータを送信すべき送信時刻を算出する。そして、協調送信制御装置110は、算出した送信時刻を、第1付加装置120Aおよび第2付加装置120Bの双方に対して通知する。
第1付加装置120Aは、上記送信時刻に、第1無線基地局130Aに送信タイミング信号を送信する。同時に、第2付加装置120Bは、第2無線基地局130Bに送信タイミング信号を送信する。これにより、第1無線基地局130Aおよび第1無線基地局130は、同時に通信端末140Bへデータを送信する。
このように、本実施形態の通信制御システム10によれば、複数の基地局エリア135に重複する重複エリアに存在する通信端末140Bに対して、複数の無線基地局130から、同時にデータを送信させる。これにより、通信端末140Bへのデータの伝播経路を多重化できる。また、通信端末140Bが受信するデータの電波強度を高めることができる。このため、上記重複エリアにおいて、通信端末140Bによるデータ通信の通信品質および通信速度を向上できる。
図4は、実施形態に係る第1付加装置120Aの他の機能構成例を示す。第1付加装置120Aは、データ受信部202、データ送信部204、符号化データ生成部206、送信可否判断部208、および送信方法決定部210を備える。また、第1付加装置120Aは、外部クロック受信部216、高精度時間同期部218、および送信タイミング供給部402を備える。また、第1付加装置120Aは、ネットワークI/F222、ネットワークI/F224、および同期用I/F226を備える。
なお、第2付加装置120Bは、第1付加装置120Aと同様の構成および機能を有する。このため、第2付加装置120Bの機能構成例の説明を省略する。
データ受信部202は、通信端末140に送信すべきデータを受信する。たとえば、データ受信部202は、通信端末140に送信すべきデータをSAE GW100からネットワークI/F222を介して受信する。
データ送信部204は、通信端末140に送信すべきデータを送信する。たとえば、データ送信部204は、通信端末140に送信すべきデータを第1無線送信部および第2無線送信部の一方に送信する。データ送信部204は、通信端末140に送信すべきデータを第1無線送信部および第2無線送信部の双方に送信してもよい。
符号化データ生成部206は、データ受信部202が受信したデータを符号化して第1符号化データおよび第2符号化データを生成する。たとえば、符号化データ生成部206は、データ受信部202が受信したデータを時空間符号化することにより、第1符号化データおよび第2符号化データを生成してもよい。符号化データ生成部206が第1符号化データおよび第2符号化データを生成した場合、データ送信部204は、符号化データ生成部206が生成した第1符号化データを第1無線送信部に送信してもよい。また、データ送信部204は、符号化データ生成部206が生成した第2符号化データを第2無線送信部に送信してもよい。
送信可否判断部208は、第1無線送信部および第2無線送信部のそれぞれが通信端末140にデータ送信可能な状態にあるかを判断する。送信可否判断部208は、通信端末140の現在位置に基づいて、第1無線送信部および第2無線送信部のそれぞれが通信端末140にデータ送信可能な状態にあるかを判断してもよい。たとえば、送信可否判断部208は、ネットワークI/F222を介して端末移動情報115を参照することにより、通信端末140の現在位置を特定してもよい。
送信方法決定部210は、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信するか、第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信するかを決定する。送信方法決定部210は、送信可否判断部208の判断結果に基づいて、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信するか、第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信するかを決定してもよい。
たとえば、第1無線送信部が通信端末140にデータ送信可能な状態にあると送信可否判断部208が判断した場合、送信方法決定部210は、第1無線送信部を用いてデータを通信端末140に送信すると決定してもよい。また、第2無線送信部が通信端末140にデータ送信可能な状態にあると送信可否判断部208が判断した場合、送信方法決定部210は、第2無線送信部を用いてデータを通信端末140に送信すると決定してもよい。また、第1無線送信部および第2無線送信部の双方が通信端末140にデータ送信可能な状態にあると送信可否判断部208が判断した場合、送信方法決定部210は、第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信すると決定してもよい。
送信方法決定部210は、通信端末140のユーザ設定に基づいて、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信するか、第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信するかを決定してもよい。たとえば、第1無線送信部および第2無線送信部の双方が通信端末140にデータ送信可能な状態にあると送信可否判断部208が判断した場合であっても、通信端末140のユーザ設定に、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信する旨が設定されている場合、送信方法決定部210は、第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いてデータを通信端末140に送信すると決定してもよい。
送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いて通信端末140にデータを送信することが決定された場合、データ送信部204は、第1無線送信部および第2無線送信部の双方にデータ受信部202が受信したデータを送信してもよい。送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の一方を用いて通信端末140にデータを送信することが決定された場合、データ送信部204は、第1無線送信部および第2無線送信部の一方にデータ受信部202が受信したデータを送信してもよい。送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いて通信端末140にデータを送信することが決定された場合、符号化データ生成部206は、に、データ受信部202が受信したデータを符号化して第1符号化データおよび第2符号化データを生成してもよい。
外部クロック受信部216は、外部クロック信号を受信する。たとえば、外部クロック受信部216は、GPS衛星から発せられたGPS信号に基づいて現在時刻を算出するGPSユニットから、外部クロック信号を受信してもよい。また、外部クロック受信部216は、ネットワークI/F222を介して、外部クロック信号を受信してもよい。たとえば、外部クロック受信部216は、NTPサーバから、外部クロック信号を受信してもよい。また、外部クロック受信部216は、外部クロック信号としてJJY信号を受信してもよい。
高精度時間同期部218は、外部クロック受信部216が受信した外部クロック信号に同期して内部クロックを高精度化する。たとえば、高精度時間同期部218は、外部クロック受信部216が受信したナノsec精度の外部クロック信号に同期し、内部クロック信号を高精度化する。
送信タイミング供給部402は、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報の送信タイミングを第1無線送信部に供給する。送信タイミング供給部402は、協調送信制御装置110から送信された、端末装置140へ送信すべきデータの送信タイミングを示す制御信号に基づいて、上記送信タイミングを第1無線送信部に供給してもよい。また、送信タイミング供給部402は、上記送信タイミングを示す送信タイミング信号を、同期用I/F226を介して第1無線送信部に供給してもよい。
送信タイミング供給部402は、外部クロック受信部216が受信した外部クロック信号を参照して、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報の送信タイミングを第1無線送信部に供給してもよい。また、送信タイミング供給部402は、高精度時間同期部218が高精度化した内部クロック信号を参照して、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報の送信タイミングを第1無線送信部に供給してもよい。
図5は、実施形態に係る協調送信制御装置110の機能構成例を示す。協調送信制御装置110は、伝送遅延時間計測部506、外部クロック受信部508、高精度時間同期部510、送信タイミング算出部512、同期制御部514、およびネットワークI/F516を備える。
伝送遅延時間計測部506は、協調送信制御装置110から第1付加装置120Aまでの第1伝送遅延時間、および協調送信制御装置110からから第2付加装置120Bまでの第2伝送遅延時間を測定する。たとえば、伝送遅延時間計測部506は、ネットワーク疎通確認用のパケットをネットワークI/F516を介して第1付加装置120Aに送信することにより、第1伝送遅延時間を測定してもよい。また、伝送遅延時間計測部506は、ネットワーク疎通確認用のパケットをネットワークI/F516を介して第2付加装置120Bに送信することにより、第2伝送遅延時間を測定してもよい。
外部クロック受信部508は、外部クロック信号を受信する。たとえば、外部クロック受信部508は、GPS衛星から発せられたGPS信号に基づいて現在時刻を算出するGPSユニットから、外部クロック信号を受信してもよい。また、外部クロック受信部508は、ネットワークI/F222を介して、外部クロック信号を受信してもよい。
たとえば、外部クロック受信部508は、NTPサーバから、外部クロック信号を受信してもよい。また、外部クロック受信部508は、ネットワークI/F222を介して、外部クロック信号としてJJY信号を受信してもよい。外部クロック受信部508が外部クロック信号を受信した場合、伝送遅延時間計測部506は、外部クロック受信部508が受信した外部クロック信号を参照して、第1伝送遅延時間および第2伝送遅延時間を測定してもよい。
高精度時間同期部510は、外部クロック受信部508が受信した外部クロック信号に同期して内部クロックを高精度化する。たとえば、高精度時間同期部510は、外部クロック受信部508が受信したナノsec精度の外部クロック信号に同期し、内部クロックを高精度化する。高精度時間同期部510が外部クロック信号に同期し、内部クロックを高精度化した場合、伝送遅延時間計測部506は、高精度時間同期部510が高精度化した内部クロック信号を参照して、第1伝送遅延時間および第2伝送遅延時間を測定してもよい。
送信タイミング算出部512は、伝送遅延時間計測部506が測定した第1伝送遅延時間および第2伝送遅延時間に基づいて、第1無線送信部および第2無線送信部が、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を同時に送信可能な送信タイミングを算出する。送信タイミング算出部512は、外部クロック受信部508が受信した外部クロック信号を参照して送信タイミングを算出してもよい。また、送信タイミング算出部512は、高精度時間同期部510によって高精度化された内部クロック信号を参照して送信タイミングを算出してもよい。
同期制御部514は、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させる。同期制御部514は、第1付加装置120Aの送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信することが決定された場合に、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。
同期制御部514は、端末装置140へ送信すべきデータの送信タイミングを示す制御信号を第1付加装置120Aおよび第2付加装置120Bのそれぞれの送信タイミング供給部402に送信してもよい。これにより、同期制御部514は、第1無線送信部および第2無線送信部の双方から通信端末140に対して同時に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。
同期制御部514は、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、第1付加装置120Aの符号化データ生成部206が生成した第1符号化データおよび第2符号化データを送信させてもよい。たとえば、同期制御部514は、第1無線送信部から通信端末140に対して第1付加装置120Aの符号化データ生成部206が生成した第1符号化データを送信させると同時に、第2無線送信部から通信端末140に対して第1付加装置120Aの符号化データ生成部206が生成した第2符号化データを送信させてもよい。
同期制御部514は、第1付加装置120Aの送信方法決定部210によって第1無線送信部および第2無線送信部の双方を用いてデータを通信端末140に送信することが決定された場合に、第1無線送信部および第2無線送信部から通信端末140に対して同時に、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。同期制御部514は、外部クロック受信部216が受信した外部クロック信号を参照して、第1無線送信部または第2無線送信部から通信端末140に対して、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。また、同期制御部514は、高精度時間同期部510が高精度化した内部クロック信号を参照して、第1無線送信部または第2無線送信部から通信端末140に対して、通信端末140へ送信すべきデータを示す情報を送信させてもよい。
このように、本実施形態の第1付加装置120Aおよび協調送信制御装置110によれば、複数の基地局エリア135に重複する重複エリアに存在する通信端末140Bに対して、複数の無線基地局130から、同時にデータを送信させることができる。これにより、通信端末140Bへのデータの伝播経路を多重化できる。また、通信端末140Bが受信するデータの電波強度を高めることができる。このため、上記重複エリアにおいて、通信端末140Bによるデータ通信の通信品質および通信速度を向上できる。
図6は、通信制御システム10による処理の一例を示す。第1基地局エリア135Aに存在する通信端末140Bは、第1基地局エリア135Aから、第1基地局エリア135Aと第2基地局エリア135Bとが重複する重複エリアに移動する。図6に示すt1は、通信端末140Bが第1基地局エリア135Aから上記重複エリアに移動したタイミングを示す。
通信端末140Bが第1基地局エリア135Aに存在するとき、SAE GW100は、通信端末140Bが第1無線基地局130Aからデータを受信できることを検出する。これによりSAE GW100は、通信端末140Bに送信すべきデータB1−B3を、第1無線基地局130Aに向けて送信する。
SAE GW100と第1無線基地局130Aとの通信経路上に設けられた第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB1−B3を受信する。第1付加装置120Aは、通信端末140Bが第1無線基地局130Aからデータを受信できることを検出する。これにより、第1付加装置120Aは、データB1−B3および送信タイミング信号を第1無線基地局130Aに送信する。第1無線基地局130Aは、送信タイミング信号を受信したタイミングで、データB1−B3を通信端末140Bに送信する。通信端末140Bは、第1無線基地局130Aから受信したデータB1−B3を再生する。
通信端末140Bが第1基地局エリア135Aから上記重複エリアに移動することにより、SAE GW100は、通信端末140Bが第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方からデータを受信できることを検出する。SAE GW100は、第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとのうち、第1無線基地局130Aを、通信端末140Bに対して強い電波を発することができる無線基地局として特定する。これにより、SAE GW100は、通信端末140Bに送信すべきデータB4、B5を、第1無線基地局130Aに向けて送信する。
第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を受信する。第1付加装置120Aは、通信端末140Bが第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方からデータを受信できることを検出する。
これにより、第1付加装置120Aは、データB´4、B´5を第1無線基地局130Aに送信する。第1付加装置120Aは、データB´´4、B´´5を第2付加装置120Bに送信する。
第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、そのままデータB´4、B´5として、第1無線基地局130Aに送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、そのままデータB´´4、B´´5として、第2付加装置120Bに送信してもよい。
また、第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、符号化することにより、符号化されたデータB´4、B´5および符号化されたデータB´´4、B´´5を生成してもよい。そして、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´4、B´5を、第1無線基地局130Aに送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´´4、B´´5を、第2付加装置120Bに送信してもよい。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達するまでに、第1付加装置120Aは、データB´4、B´5を第1無線基地局130Aに送信する。また、第2付加装置120Bは、データB´´4、B´´5を第2無線基地局130Bに送信する。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達したタイミングで、第1付加装置120Aは、タイミング信号を第1無線基地局130Aに送信する。同時に、第2付加装置120Bは、タイミング信号を第2無線基地局130Bに送信する。
これにより、第1無線基地局130Aは、データB´4、B´5を通信端末140Bに送信する。同時に、第2無線基地局130Bは、データB´´4、B´´5を通信端末140Bに送信する。
通信端末140Bは、第1無線基地局130Aおよび第2無線基地局130BからデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5を受信する。通信端末140Bは、受信したデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5をデータB4、B5として再生する。通信端末140Bは、受信したデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5から、データB4、B5を復号してもよい。そして、データB4、B5は、復号されたデータB4、B5を再生してもよい。
このように、本実施形態の通信制御システム10によれば、複数の基地局エリア135に重複する重複エリアに存在する通信端末140Bに対して、複数の無線基地局130から、同時にデータを送信させることができる。通信制御システム10は、複数の無線基地局130から通信端末140Bへ送信させる複数のデータの周波数を同一とすることにより、通信端末140Bが受信するデータの電波強度を高めることができる。また、通信制御システム10は、複数の符号化データを生成して、生成した複数の符号化データを、同時に複数の無線基地局130から通信端末140Bへ送信させることにより、通信端末140Bとの通信経路における複数の帯域を有効に利用できる。
図7は、通信制御システム10による処理の他の一例を示す。第1基地局エリア135Aに存在する通信端末140Bは、第1基地局エリア135Aから、第1基地局エリア135Aと第2基地局エリア135Bとが重複する重複エリアに移動する。さらに、通信端末140Bは、上記重複エリアから、第2基地局エリア135Bに移動する。
図7に示すt1は、通信端末140Bが第1基地局エリア135Aから上記重複エリアに移動したタイミングを示す。また、t2は、通信端末140Bとの通信をおこなう無線基地局130Aが、第1無線基地局130Aから第2無線基地局130BにH/O(ハンドオーバー)したタイミングを示す。また、t3は、通信端末140Bが上記重複エリアから第2基地局エリア135Bに移動したタイミングを示す。
通信端末140Bが第1基地局エリア135Aに存在するとき、SAE GW100は、通信端末140Bが第1無線基地局130Aからデータを受信できることを検出する。これによりSAE GW100は、通信端末140Bに送信すべきデータB1−B3を、第1無線基地局130Aに向けて送信する。
SAE GW100と第1無線基地局130Aとの通信経路上に設けられた第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB1−B3を受信する。第1付加装置120Aは、通信端末140Bが第1無線基地局130Aからデータを受信できることを検出する。これにより、第1付加装置120Aは、データB1−B3および送信タイミング信号を第1無線基地局130Aに送信する。これにより、第1無線基地局130Aは、データB1−B3を通信端末140Bに送信する。通信端末140Bは、第1無線基地局130Aから受信したデータB1−B3を再生する。
通信端末140Bが第1基地局エリア135Aから上記重複エリアに移動することにより、SAE GW100は、通信端末140Bが第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方からデータを受信できることを検出する。SAE GW100は、第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとのうち、第1無線基地局130Aを、通信端末140Bに対して強い電波を発することができる無線基地局として特定する。これにより、SAE GW100は、通信端末140Bに送信すべきデータB4、B5を、第1無線基地局130Aに向けて送信する。
第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を受信する。第1付加装置120Aは、通信端末140Bが第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方からデータを受信できることを検出する。
これにより、第1付加装置120Aは、データB´4、B´5を第1無線基地局130Aに送信する。第1付加装置120Aは、データB´´4、B´´5を第2付加装置120Bに送信する。
第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、そのままデータB´4、B´5として、第1無線基地局130Aに送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、そのままデータB´´4、B´´5として、第2付加装置120Bに送信してもよい。
また、第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、符号化することにより、符号化されたデータB´4、B´5および符号化されたデータB´´4、B´´5を生成してもよい。そして、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´4、B´5を、第1無線基地局130Aに送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´´4、B´´5を、第2付加装置120Bに送信してもよい。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達するまでに、第1付加装置120Aは、データB´4、B´5を第1無線基地局130Aに送信する。また、第2付加装置120Bは、データB´´4、B´´5を第2無線基地局130Bに送信する。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達したタイミングで、第1付加装置120Aは、送信タイミング信号を第1無線基地局130Aに送信する。同時に、第2付加装置120Bは、送信タイミング信号を第2無線基地局130Bに送信する。
これにより、第1無線基地局130Aは、データB´4、B´5を通信端末140Bに送信する。同時に、第2無線基地局130Bは、データB´´4、B´´5を通信端末140Bに送信する。
通信端末140Bは、第1無線基地局130Aおよび第2無線基地局130BからデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5を受信する。通信端末140Bは、受信したデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5をデータB4、B5として再生する。通信端末140Bは、受信したデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5から、データB4、B5を復号してもよい。そして、通信端末140Bは、復号されたデータB4、B5を再生してもよい。
通信端末140Bが上記重複エリア内を移動することにより、SAE GW100は、第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとのうち、第2無線基地局130Bを、通信端末140Bに対して強い電波を発することができる無線基地局として特定する。SAE GW100は、通信端末140Bとの通信をおこなう無線基地局130を、第1無線基地局130Aから第2無線基地局130BにH/O(ハンドオーバー)する。これにより、SAE GW100は、通信端末140Bに送信すべきデータB6、B7を、第2無線基地局130Bに向けて送信する。
SAE GW100と第2無線基地局130Bとの通信経路上に設けられた第2付加装置120Bは、SAE GW100から送信されたデータB6、B7を受信する。第2付加装置120Bは、通信端末140Bが第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方からデータを受信できることを検出する。
これにより、第2付加装置120Bは、データB´6、B´7を第1付加装置120Aに送信する。また、第2付加装置120Bは、データB´´6、B´´7を第2無線基地局130Bに送信する。
第2付加装置120Bは、SAE GW100から送信されたデータB6、B7を、そのままデータB´6、B´7として、第1付加装置120Aに送信してもよい。また、第2付加装置120Bは、SAE GW100から送信されたデータB6、B7を、そのままデータB´´6、B´´7として、第2無線基地局130Bに送信してもよい。
また、第2付加装置120Bは、SAE GW100から送信されたデータB6、B7を、符号化することにより、符号化されたデータB´6、B´7および符号化されたデータB´´6、B´´7を生成してもよい。そして、第2付加装置120Bは、符号化されたデータB´6、B´7を、第1付加装置120Aに送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´´6、B´´7を、第2無線基地局130Bに送信してもよい。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達するまでに、第1付加装置120Aは、データB´6、B´7を第1無線基地局130Aに送信する。また、第2付加装置120Bは、データB´´6、B´´7を第2無線基地局130Bに送信する。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達したタイミングで、第1付加装置120Aは、送信タイミング信号を第1無線基地局130Aに送信する。同時に、第2付加装置120Bは、送信タイミング信号を第2無線基地局130Bに送信する。
これにより、第1無線基地局130Aは、データB´6、B´7を通信端末140Bに送信する。同時に、第2無線基地局130Bは、データB´´6、B´´7を通信端末140Bに送信する。
通信端末140Bは、第1無線基地局130Aおよび第2無線基地局130BからデータB´6、B´7およびデータB´´6、B´´7を受信する。通信端末140Bは、受信したデータB´6、B´7およびデータB´´6、B´´7をデータB6、B7として再生する。通信端末140Bは、受信したデータB´6、B´7およびデータB´´6、B´´7から、データB6、B7を復号してもよい。そして、通信端末140Bは、復号されたデータB4、B5を再生してもよい。
通信端末140Bが上記重複エリアから第2基地局エリア135Bに移動することにより、SAE GW100は、通信端末140Bが第2無線基地局130Bからデータを受信できることを検出する。これによりSAE GW100は、通信端末140Bに送信すべきデータB8、B9を、第2無線基地局130Bに向けて送信する。
第2付加装置120Bは、SAE GW100から送信されたデータB8、B9を受信する。第2付加装置120Bは、通信端末140Bが第2無線基地局130Bからデータを受信できることを検出する。これにより、第2付加装置120Bは、データB8、B9および送信タイミング信号を第2無線基地局130Bに送信する。これにより、第2無線基地局130Bは、データB8、B9を通信端末140Bに送信する。通信端末140Bは、第2無線基地局130Bから受信したデータB8、B9を再生する。
このように、本実施形態の通信制御システム10によれば、複数の基地局エリア135に重複する重複エリアに存在する通信端末140Bに対して、複数の無線基地局130から、同時にデータを送信させることができる。通信制御システム10は、複数の無線基地局130から通信端末140Bへ送信させる複数のデータの周波数を同一とすることにより、通信端末140Bが受信するデータの電波強度を高めることができる。また、通信制御システム10は、複数の符号化データを生成して、生成した複数の符号化データを、同時に複数の無線基地局130から通信端末140Bへ送信させることにより、通信端末140Bとの通信経路における複数の帯域を有効に利用できる。
図8は、通信制御システム10による処理の一例を示す。第1基地局エリア135Aに存在する通信端末140Bは、第1基地局エリア135Aから、第1基地局エリア135Aと第2基地局エリア135Bとが重複する重複エリアに移動する。図8に示すt1は、通信端末140Bが第1基地局エリア135Aから上記重複エリアに移動したタイミングを示す。
図8に示す例では、第1無線基地局130Aは、第1無線送信部およびアンテナをそれぞれ2つ有する。また、第2無線基地局130Bは、第2無線送信部およびアンテナをそれぞれ2つ有する。第1付加装置120Aは、2つの第1無線送信部のそれぞれに接続される。第2付加装置120Bは、2つの第2無線送信部のそれぞれに接続される。
通信端末140Bが第1基地局エリア135Aに存在するとき、SAE GW100は、通信端末140Bが第1無線基地局130Aからデータを受信できることを検出する。これによりSAE GW100は、通信端末140Bに送信すべきデータB1−B3を、第1無線基地局130Aに向けて送信する。
SAE GW100と第1無線基地局130Aとの通信経路上に設けられた第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB1−B3を受信する。第1付加装置120Aは、通信端末140Bが第1無線基地局130Aからデータを受信できることを検出する。
これにより、第1付加装置120Aは、データB´1−B´3を、一方の第1無線送信部に送信する。また、第1付加装置120Aは、データB´´1−B´´3を、他方の第1無線送信部に送信する。
第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB1−B3を、そのままデータB´1−B´3として、一方の第1無線送信部に送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB1−Bを、そのままデータB´´1−B´´3として、他方の第1無線送信部に送信してもよい。
また、第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB1−B3を、符号化することにより、符号化されたデータB´1−B´3および符号化されたデータB´´1−B´´3を生成してもよい。そして、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´1−B´3を、一方の第1無線送信部に送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´´1−B´´3を、他方の第1無線送信部に送信してもよい。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達したタイミングで、第1付加装置120Aは、送信タイミング信号を双方の第1無線送信部に送信する。これにより、双方の第1無線送信部は、同時に、データB´1−B´3およびデータB´´1−B´´3を通信端末140Bに送信する。
通信端末140Bは、双方の第1無線送信部からデータB´1−B´3およびデータB´´1−B´´3を受信する。通信端末140Bは、受信したデータB´1−B´3およびデータB´´1−B´´3をデータB1−B3として再生する。通信端末140Bは、受信したデータB´1−B´3およびデータB´´1−B´´3から、データB1−B3を復号してもよい。そして、通信端末140Bは、復号されたデータB1−B3を再生してもよい。
通信端末140Bが第1基地局エリア135Aから上記重複エリアに移動することにより、SAE GW100は、通信端末140Bが第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方からデータを受信できることを検出する。SAE GW100は、第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとのうち、第1無線基地局130Aを、通信端末140Bに対して強い電波を発することができる無線基地局として特定する。これにより、SAE GW100は、通信端末140Bに送信すべきデータB4、B5を、第1無線基地局130Aに向けて送信する。
第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を受信する。第1付加装置120Aは、通信端末140Bが第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方からデータを受信できることを検出する。
これにより、第1付加装置120Aは、データB´4、B´5を、一方の第1無線送信部に送信する。また、第1付加装置120Aは、データB´´4、B´´5を、他方の第1無線送信部に送信する。同時に、第1付加装置120Aは、データB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5を、第2付加装置120Bに送信する。
第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、そのままデータB´4、B´5として、一方の第1無線送信部および第2付加装置120Bに送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、そのままデータB´´4、B´´5として、他方の第1無線送信部および第2付加装置120Bに送信してもよい。
また、第1付加装置120Aは、SAE GW100から送信されたデータB4、B5を、符号化することにより、符号化されたデータB´4、B´5および符号化されたデータB´´4、B´´5を生成してもよい。そして、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´4、B´5を、一方の第1無線送信部および第2付加装置120Bに送信してもよい。また、第1付加装置120Aは、符号化されたデータB´´4、B´´5を、他方の第1無線送信部および第2付加装置120Bに送信してもよい。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達するまでに、第2付加装置120Bは、データB´4、B´5を、一方の第2無線送信部に送信する。また、第2付加装置120Bは、データB´´4、B´´5を、他方の第2無線送信部に送信する。
第1付加装置120Aまたは協調送信制御装置110が算出した送信タイミング時刻に達したタイミングで、第1付加装置120Aは、送信タイミング信号を双方の第1無線送信部に送信する。同時に、第2付加装置120Bは、送信タイミング信号を双方の第2無線送信部に送信する。これにより、双方の第1無線送信部および双方の第2無線送信部は、同時に、データB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5を通信端末140Bに送信する。
通信端末140Bは、双方の第1無線送信部および双方の第2無線送信部からデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5を受信する。通信端末140Bは、受信したデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5をデータB4、B5として再生する。通信端末140Bは、受信したデータB´4、B´5およびデータB´´4、B´´5から、データB4、B5を復号してもよい。そして、通信端末140Bは、復号されたデータB4、B5を再生してもよい。
このように、本実施形態の通信制御システム10によれば、通信端末140Bに対して、複数の無線送信部から、同時にデータを送信させることができる。通信制御システム10は、複数の無線送信部から通信端末140Bへ送信させる複数のデータの周波数を同一とすることにより、通信端末140Bが受信するデータの電波強度を高めることができる。また、通信制御システム10は、複数の符号化データを生成して、生成した複数の符号化データを、同時に複数の無線送信部から通信端末140Bへ送信させることにより、通信端末140Bとの通信経路における複数の帯域を有効に利用できる。
図9は、通信端末140に送信されたデータの電波強度の一例を示す。図9(a)は、第1無線基地局130Aまたは第2無線基地局130Bのいずれか一方が、通信端末140に対してデータを送信した場合の、データの電波強度を示す。図9(a)では、通信端末140が、第1基地局エリア135Aと第2基地局エリア135Bとが重複する重複エリアに存在する場合であっても、第1無線基地局130Aまたは第2無線基地局130Bのいずれか一方が、データを送信する。このため、通信端末140は、第1無線基地局130Aまたは第2無線基地局130Bのいずれか一方から送信された、電波強度が弱いデータを受信する。
一方、図9(b)は、第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方が、通信端末140に対して同時にデータを送信した場合の、データの電波強度を示す。図9(b)では、通信端末140が、第1基地局エリア135Aと第2基地局エリア135Bとが重複する重複エリアに存在する場合、第1無線基地局130Aと第2無線基地局130Bとの双方が、同時にデータを送信する。このため、通信端末140は、第1無線基地局130Aおよび第2無線基地局130Bとの双方から送信された、電波強度が強いデータを受信できる。
通信制御システム10は、第1無線基地局130Aが送信するデータの電波と第2無線基地局130Bが送信するデータの電波とを同じ周波数とすることにより、上記重複エリアにおけるデータの電波強度を高めることができる。また、通信制御システム10は、第1無線基地局130Aが送信するデータの電波と第2無線基地局130Bが送信するデータの電波とを異なる周波数とした場合であっても、通信端末140がそれぞれの周波数の電波を検出できるアンテナを備えることにより、通信データの伝播経路を多重化できる。
図10は、協調送信制御装置110および付加装置120のハードウェア構成の一例を示す。なお、協調送信制御装置110は、付加装置120と同様のハードウェア構成を有する。このため、協調送信制御装置110のハードウェア構成の説明を省略する。
付加装置120は、ホスト・コントローラ1582により相互に接続されるCPU1505、RAM1520、グラフィック・コントローラ1575、および表示装置1580を有するCPU周辺部を備える。また、付加装置120は、I/O(入出力)コントローラ1584によりホスト・コントローラ1582に接続される通信I/F1530、ハードディスクドライブ1540、およびCD−ROMドライブ1560を有する入出力部を備える。さらに、付加装置120は、I/Oコントローラ1584に接続されるROM1510、FD(フレキシブルディスク)ドライブ1550、およびI/O(入出力)チップ1570を有するレガシー入出力部を備える。
ホスト・コントローラ1582は、RAM1520と、高転送レートでRAM1520をアクセスするCPU1505およびグラフィック・コントローラ1575とを接続する。CPU1505は、ROM1510およびRAM1520に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部を制御する。グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等がRAM1520内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置1580上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ1575は、CPU1505等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
I/Oコントローラ1584は、ホスト・コントローラ1582と、比較的高速な入出力装置である通信I/F1530、ハードディスクドライブ1540、CD−ROMドライブ1560を接続する。通信I/F1530は、ネットワークを介して外部1598と通信する。ハードディスクドライブ1540は、CPU1505が使用するプログラムおよびデータを格納する。CD−ROMドライブ1560は、CD−ROM1595からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供する。
また、I/Oコントローラ1584には、ROM1510と、FDドライブ1550、およびI/Oチップ1570の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM1510は、付加装置120の起動時にCPU1505が実行するブート・プログラム、付加装置120のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。FDドライブ1550は、フレキシブルディスク1590からプログラムまたはデータを読み取り、RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供する。I/Oチップ1570は、FDドライブ1550、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
RAM1520を介してハードディスクドライブ1540に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク1590、CD−ROM1595、またはICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1520を介して付加装置120内のハードディスクドライブ1540にインストールされ、CPU1505において実行される。付加装置120にインストールされて実行されるプログラムは、CPU1505等に働きかけて、付加装置120を、図1から図9にかけて説明した、各部として機能させる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。