JP2009191501A - 水洗式便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前面壁12と後面壁13との前後間隔が下方に向かって狭まった形態の便鉢11と、便鉢11の底面に開口され、便鉢11内の洗浄水Wを排出するための便器排水路16とを備えており、前面壁12の勾配に比べて、後面壁13の勾配が緩やかである。洗浄水W中の排出物のうち勾配のきつい前面壁12に沿って流れるものは便器排水路16に到達するのが速いのに対し、勾配の緩い後面壁13に沿って流れるものは便器排水路16に到達するのが遅いので、排出物が短時間で便器排水路16に集中して便器排水路16内で塊になることはない。
【選択図】図1
Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、洗浄効率の低下を防止することを目的とする。
洗浄水中の排出物のうち勾配のきつい前面壁に沿って流れるものは便器排水路に到達するのが速いのに対し、勾配の緩い後面壁に沿って流れるものは便器排水路に到達するのが遅いので、排出物が短時間で便器排水路に集中することはない。
また、汚物の落下領域となる後面壁の勾配を緩やかにしたことにより、この後面壁上には汚物が留まり易くなっている。したがって、後面壁上の汚物が便器排水路に到達するまでに要する時間が長くなり、その分、便器排水路への排出物の集中が緩和される。
前面壁に沿って流れる排出物は便器排水路内に流入し易くなるので、その分、前面壁に沿って流れる排出物と、後面壁に沿って流れる排出物との間における便器排水路への到達時間の時間差が、より大きくなり、便器排水路への排出物の集中が、より緩和される。
後面壁は、便器排水路に向かうほど勾配が緩やかになるので、後面壁に沿って便器排水路に向かう流れも緩やかになる。したがって、前面壁に沿って流れる排出物と、後面壁に沿って流れる排出物との間における便器排水路への到達時間の時間差が、より大きくなり、便器排水路への排出物の集中が、より緩和される。
流出口の開口縁においては、後面壁の下端部と便器排水路の後側の内壁とがUターン状に連なっているので、流出口の開口縁における後側領域は、前方へ楔状に突出した形態となっている。これにより、勾配がきつい前面壁に沿って勢いよく流出口に到達した排出物は、この流出口の突出形態の開口縁に当たることによって、粉砕されるので、便器排水路内で排出物の塊が生じ難くなる。
洗浄水を便鉢内で旋回させるようにして供給する場合、供給前の待機状態において便鉢内で静止している洗浄水の貯水量が多いと、旋回流が生成され難い。この点に鑑み、待機状態の洗浄水の水面よりも下方領域の前面壁の勾配を緩やかにしたことにより、待機状態における洗浄水の貯水量を少なくしているので、旋回流が生成し易くなっている。これにより、便鉢の内壁に付着している排出物を効果的に除去することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図3を参照して説明する。本実施形態の水洗式便器は、床面(図示せず)に載置された便器本体10と、洗浄水Wを便器本体10に供給するための供給装置20と、便器本体10に接続された排水経路30と、排水経路30内の空気を吸引する吸気装置40とを備えている。尚、以下の説明において、前後方向については図の右側を前側ということにする。
便鉢11の洗浄水Wが貯水される領域においては、便鉢11の深さ方向における全貯水領域(洗浄のために供給された洗浄水Wの貯水量が最大量に達したときにおける洗浄水Wの水面高さから、流出口14と同じ高さに亘る領域)に亘り、前面壁12に比べて後面壁13が緩やかな勾配となっている。つまり、前面壁12における接水領域(洗浄水Wが接触する領域)の水平面に対する傾斜角度は、後面壁13における接水領域の水平面に対する傾斜角度よりも大きくなっている。また、前面壁12の下端部は、直接、便器排水路16の流出口14に連なっており、同様に、後面壁13の下端部も、直接、便器排水路16の流出口14に連なっている。
便鉢11内を洗浄する際には、供給装置20から便鉢11内に洗浄水Wを旋回させながら供給する。すると、図2に示すように、便鉢11内の洗浄水Wの水面が一時的に上昇する。この直後、吸気装置40が作動して、封止空間34内の空気が吸引され、図3に示すように、便鉢11内及び便器排水路16内の洗浄水Wがサイホン作用により排水経路30側へ流出する。すると、便鉢11内の汚物やトイレットペーパー等の排出物(図示せず)が、洗浄水Wの流れに乗じて、便器排水路16と排水経路30を順に通して排出される。所定量の洗浄水Wが供給されると、洗浄水Wの供給が停止するので、図1に示す待機状態に戻る。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では前面壁の下端部が、直接、便器排水路の流出口に連なる形態としたが、前面壁の下端部と流出口との間に水平な底面が介在する形態としてもよい。
(2)上記実施形態では後面壁の下端部が、直接、便器排水路の流出口に連なる形態としたが、後面壁の下端部と流出口との間に水平な底面が介在する形態としてもよい。
(3)上記実施形態では前面壁の下端部と、便器排水路の上流端部における前側の内壁とを、ほぼ同じ勾配で滑らかに連なる形態としたが、前面壁の下端部と、便器排水路の上流端部における前側の内壁とが、互いに異なる勾配で連なる形態としてもよい。
(4)上記実施形態では流出口の開口縁において後面壁の下端部と便器排水路の後側の内壁とがUターン状に連なる形態としたが、後面壁の下端部と便器排水路の後側の内壁とが略直角又は鈍角状に連なる形態としてもよい。
(5)上記実施形態では、前面壁は、待機状態において便鉢に貯留される洗浄水の水面高さを境として、それよりも下方の領域の勾配が上方の領域の勾配よりも緩い角度となる形態としたが、待機状態における洗浄水の水面高さを境として、それよりも下方の領域の勾配が上方の領域の勾配よりも急な角度となる形態としてもよく、下方の領域と上方の領域とで勾配がほぼ一定となる形態としてもよい。
(6)上記実施形態では洗浄水を旋回させながら便鉢に供給するようにしたが、洗浄水は旋回させずに供給してもよい。
(7)上記実施形態では、後面壁が、便器排水路に向かうほど勾配が緩やかになる形態となっているが、便器排水路に向かうほど勾配が急になる形態や、勾配が一定である形態であってもよい。
12…前面壁
12L…前面壁における下方の領域
12H…前面壁における上方の領域
13…後面壁
14…流出口
16…便器排水路
16F…便器排水路の上流端部における前側の内壁
S…待機状態における洗浄水の水面高さ
W…洗浄水
Claims (5)
- 前面壁と後面壁がその前後間隔を下方に向かって狭めるように傾斜した形態となっている便鉢と、
前記便鉢の底面に開口され、前記便鉢内の洗浄水を排出するための便器排水路とを備えた水洗式便器であって、
前記便鉢の洗浄水が貯水される領域においては、前記便鉢の深さ方向における全貯水領域に亘り、前記前面壁に比べて前記後面壁が緩やかな勾配となっていることを特徴とする水洗式便器。 - 前記前面壁の下端部と、前記便器排水路の上流端部における前側の内壁とが、ほぼ同じ勾配で滑らかに連なっていることを特徴とする請求項1記載の水洗式便器。
- 前記後面壁は、前記便器排水路に向かうほど勾配が緩やかになる形態であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の水洗式便器。
- 前記便鉢の底面には、前記便器排水路に連通する流出口が開口されており、
前記便器排水路が、前記流出口から後方へ延出した形態となっていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の水洗式便器。 - 前記前面壁は、待機状態において前記便鉢に貯留される洗浄水の水面高さを境として、それよりも下方の領域の勾配が上方の領域の勾配よりも緩い角度とされていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の水洗式便器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008032444A JP2009191501A (ja) | 2008-02-13 | 2008-02-13 | 水洗式便器 |
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JP2008032444A JP2009191501A (ja) | 2008-02-13 | 2008-02-13 | 水洗式便器 |
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JP2009191501A true JP2009191501A (ja) | 2009-08-27 |
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JP2008032444A Pending JP2009191501A (ja) | 2008-02-13 | 2008-02-13 | 水洗式便器 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014109089A (ja) * | 2012-11-30 | 2014-06-12 | Aron Kasei Co Ltd | 吸引式便器 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006188946A (ja) * | 2003-06-23 | 2006-07-20 | Toto Ltd | 大便器ユニット |
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2008
- 2008-02-13 JP JP2008032444A patent/JP2009191501A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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