しかしながら、従来のテープ印刷装置のように、第二番目以降のブロックの長さを先頭のブロックの基準長さの何倍にするかで指定すると、第二番目以降のブロックの長さが、当該基準長さの倍数の長さにしか設定できず、第二番目以降のブロックの長さの設定の自由度に欠けるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、テープ状の印刷媒体に任意行数のキャラクタからなるブロックを複数印刷する場合に、最初に設定された先頭のブロックの基準長さを変更することなく、第二番目以降のブロックの長さを任意に効率よく設定することが可能な印刷装置、印刷データ作成装置及び印刷データ作成装置の各制御手段としてコンピュータを機能させるコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の印刷装置は、長尺テープ状の印刷媒体に、文字,記号等のキャラクタを任意行数印刷するとともに、その任意行数のキャラクタを1個のブロックとして、複数個の前記ブロックを前記印刷媒体の長手方向に順に印刷するテープ印刷装置であって、前記印刷媒体の長手方向に連続して配置して印刷する前記ブロックの数を入力するブロック数入力手段と、当該ブロック数入力手段から入力されたブロック数の内の何れかのブロックであって、前記印刷媒体の長手方向における当該ブロックの長さを設定する設定対象ブロックの基準となる基準長さを設定する基準長さ設定手段と、前記設定対象ブロックの長さを、前記基準長さ設定手段で設定した基準長さの何倍の長さにするかを指定する倍数を設定する倍数設定手段と、前記設定対象ブロックを前記ブロック数入力手段から入力されたブロック数の内の何れかのブロックに移動する設定対象ブロック移動手段と、前記ブロック数入力手段で入力されたブロック数、前記基準長さ設定手段で設定された基準長さ、前記倍数設定手段で設定された倍数を表示する表示手段と、前記キャラクタを前記各ブロックの任意行に入力するキャラクタ入力手段と、前記キャラクタ入力手段から入力されたキャラクタを記憶するキャラクタ記憶手段と、前記基準長さ設定手段で設定された基準長さと前記倍数設定手段で設定された倍数との積で決定された長さで、各ブロックを前記印刷媒体の長手方向に並べて、前記キャラクタ記憶手段に記憶されたキャラクタを前記各ブロックの各行に配置して印刷する印刷データを作成する印刷データ作成手段と、当該印刷データ作成手段が作成した印刷データに基づいて、前記印刷媒体に印刷を行う印刷手段とを備え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合にも、前記基準長さ設定手段により任意の基準長さの設定が可能であることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の印刷装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックの前のブロックに前記基準長さ設定手段で設定した前記基準長さを当該設定対象ブロックの初期値として設定する基準長さ初期値設定手段を備え、前記基準長さ設定手段は、前記基準長さ初期値設定手段により設定された前記初期値を増減して、当該設定対象ブロックに前記基準長さを設定することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の印刷装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックの前のブロックに前記倍数設定手段で設定した前記倍数を当該設定対象ブロックの初期値として設定する倍数初期値設定手段を備え、前記倍数設定手段は、前記倍数初期値設定手段により設定された前記初期値を増減して、当該設定対象ブロックに前記倍数を設定することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の印刷装置は、請求項2に記載の発明の構成に加え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックに既に前記基準長さが設定されている場合には、前記基準長さ初期値設定手段は、当該設定対象ブロックの前のブロックに前記基準長さ設定手段で設定した前記基準長さを当該設定対象ブロックの初期値として設定しないことを特徴とする。
さらに、請求項5に係る発明の印刷装置は、請求項3又は4に記載の発明の構成に加え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックに既に前記倍数が設定されている場合には、前記倍数初期値設定手段は、当該設定対象ブロックの前のブロックに前記倍数設定手段で設定した前記倍数を当該設定対象ブロックの初期値として設定しないことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の印刷データ作成装置は、長尺テープ状の印刷媒体に、文字,記号等のキャラクタを任意行数印刷するとともに、その任意行数のキャラクタを1個のブロックとして、複数個の前記ブロックを前記印刷媒体の長手方向に順に印刷するテープ印刷装置用の印刷データ作成装置であって、前記印刷媒体の長手方向に連続して配置して印刷する前記ブロックの数を入力するブロック数入力手段と、当該ブロック数入力手段から入力されたブロック数の内の何れかのブロックであって、前記印刷媒体の長手方向における当該ブロックの長さを設定する設定対象ブロックの基準となる基準長さを設定する基準長さ設定手段と、前記設定対象ブロックの長さを、前記基準長さ設定手段で設定した基準長さの何倍の長さにするかを指定する倍数を設定する倍数設定手段と、前記設定対象ブロックを前記ブロック数入力手段から入力されたブロック数の内の何れかのブロックに移動する設定対象ブロック移動手段と、前記ブロック数入力手段で入されたブロック数、前記基準長さ設定手段で設定された基準長さ、前記倍数設定手段で設定された倍数を表示する表示手段と、前記キャラクタを前記各ブロックの任意行に入力するキャラクタ入力手段と、前記キャラクタ入力手段から入力されたキャラクタを記憶するキャラクタ記憶手段と、前記基準長さ設定手段で設定された基準長さと前記倍数設定手段で設定された倍数との積で決定された長さで、各ブロックを前記印刷媒体の長手方向に並べて、前記キャラクタ記憶手段に記憶されたキャラクタを前記各ブロックの各行に配置して印刷する印刷データを作成する印刷データ作成手段とを備え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合にも、前記基準長さ設定手段により任意の基準長さの設定が可能であることを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項6に記載の発明の構成に加えて、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックの前のブロックに前記基準長さ設定手段で設定した前記基準長さを当該設定対象ブロックの初期値として設定する基準長さ初期値設定手段を備え、前記基準長さ設定手段は、前記基準長さ初期値設定手段により設定された前記初期値を増減して、当該設定対象ブロックに前記基準長さを設定することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項6又は7に記載の発明の構成に加え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックの前のブロックに前記倍数設定手段で設定した前記倍数を当該設定対象ブロックの初期値として設定する倍数初期値設定手段を備え、前記倍数設定手段は、前記倍数初期値設定手段により設定された前記初期値を増減して、当該設定対象ブロックに前記倍数を設定することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項7に記載の発明の構成に加え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックに既に前記基準長さが設定されている場合には、前記基準長さ初期値設定手段は、当該設定対象ブロックの前のブロックに前記基準長さ設定手段で設定した前記基準長さを当該設定対象ブロックの初期値として設定しないことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項8又は9に記載の発明の構成に加え、前記設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックに既に前記倍数が設定されている場合には、前記倍数初期値設定手段は、当該設定対象ブロックの前のブロックに前記倍数設定手段で設定した前記倍数を当該設定対象ブロックの初期値として設定しないことを特徴とする。
また、請求項11に係る発明のコンピュータプログラムは、コンピュータを前記請求項6乃至10の何れかに記載の印刷データ作成装置の各制御手段として機能させることを特徴とする。
請求項1に係る発明の印刷装置では、任意行数のキャラクタを1個のブロックとして、当該ブロックを複数連続して長尺テープ状の印刷媒体に設定する場合に、基準長さと当該基準長さの何倍にブロックの長さをするかを指定する倍数とを設定する設定対象ブロックを設定対象ブロック移動手段によりを第二番目以降のブロックに移動した場合にも、基準長さ設定手段により任意の基準長さの設定が可能であるので、第一番目のブロックの基準長さを変更せずに、第二番目以降の基準長さを変更できる。
また、請求項2に係る発明の印刷装置では、請求項1に係る発明の効果に加え、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックの前のブロックに基準長さ設定手段で設定した基準長さを、基準長さ初期値設定手段により、当該設定対象ブロックの初期値として設定することができる。従って、その初期値の長さを増減するだけで、基準長さを容易に変更して設定することができる。
また、請求項3に係る発明の印刷装置では、請求項1又は2に係る発明の効果に加え、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックの前のブロックに倍数設定手段で設定した倍数を、倍数初期値設定手段により、当該設定対象ブロックの初期値として設定することができる。従って、その初期値の倍数を増減するだけで、倍数を容易に変更及び設定することができる。
さらに、請求項4に係る発明の印刷装置では、請求項2に係る発明の効果に加え、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックに既に基準長さが設定されている場合には、基準長さ初期値設定手段は、当該設定対象ブロックの前のブロックに基準長さ設定手段で設定した基準長さを当該設定対象ブロックの初期値として設定しない。従って、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを移動した場合でも、既に設定されていた基準長さの値が変更されることを防止できる。
また、請求項5に係る発明の印刷装置では、請求項3又は4に係る発明の効果に加え、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、設定対象ブロックに既に前記倍数が設定されている場合には、倍数初期値設定手段は、当該設定対象ブロックの前のブロックに倍数設定手段で設定した倍数を当該設定対象ブロックの初期値として設定しない。従って、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを移動した場合でも、既に設定されていた倍数の値が変更されることを防止できる。
また、請求項6に係る発明の印刷データ作成装置では、任意行数のキャラクタを1個のブロックとして、当該ブロックを複数連続して長尺テープ状の印刷媒体に設定する場合に、基準長さと当該基準長さの何倍にブロックの長さをするかを指定する倍数とを設定する設定対象ブロックを設定対象ブロック移動手段によりを第二番目以降のブロックに移動した場合にも、基準長さ設定手段により任意の基準長さの設定が可能であるので、第一番目のブロックの基準長さを変更せずに、第二番目以降の基準長さを変更できる。
また、請求項7に係る発明の印刷データ作成装置では、請求項6に係る発明の効果に加え、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックの前のブロックに基準長さ設定手段で設定した基準長さを、基準長さ初期値設定手段により、当該設定対象ブロックの初期値として設定することができる。従って、その初期値の長さを増減するだけで、基準長さを容易に変更して設定することができる。
さらに、請求項8に係る発明の印刷データ作成装置では、請求項6又は7に係る発明の効果に加え、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックの前のブロックに倍数設定手段で設定した倍数を、倍数初期値設定手段により、当該設定対象ブロックの初期値として設定することができる。従って、その初期値の倍数を増減するだけで、倍数を容易に変更及び設定することができる。
さらに、請求項9に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項7に係る発明の効果に加え、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、当該設定対象ブロックに既に基準長さが設定されている場合には、基準長さ初期値設定手段は、当該設定対象ブロックの前のブロックに基準長さ設定手段で設定した基準長さを当該設定対象ブロックの初期値として設定しない。従って、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを移動した場合でも、既に設定されていた基準長さの値が変更されることを防止できる。
さらに、請求項10に係る発明の印刷データ作成装置は、請求項8又は9に係る発明の効果に加え、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを第二番目以降のブロックに移動した場合に、設定対象ブロックに既に前記倍数が設定されている場合には、倍数初期値設定手段は、当該設定対象ブロックの前のブロックに倍数設定手段で設定した倍数を当該設定対象ブロックの初期値として設定しない。従って、設定対象ブロック移動手段により設定対象ブロックを移動した場合でも、既に設定されていた倍数の値が変更されることを防止できる。
さらに、請求項11に係る発明のコンピュータプログラムは、コンピュータを請求項6乃至10の何れかに記載の印刷データ作成装置の各制御手段として機能させることができる。
以下、本発明を具体化した実施の形態の一つであるテープ印刷装置1について、図面を参照して説明する。なお、参照する図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。尚、テープ印刷装置1が本発明の「印刷装置」又は「印刷データ作成装置」に相当する。
まず、図1を参照して、テープ印刷装置1の物理的構成について説明する。図1は、テープ印刷装置1の平面図である。
図1に示すように、テープ印刷装置1は、後述するテープカセット51(図2参照)を収納するテープカセット収納部(図示外)を備え、図1中、中央から下部には、複数の文字等のキー31と、数字から成るテンキー32と、左右上下方向へカーソルを移動するカーソルキー8と、印字指示を行う印刷キー9とが配列されたキーボード部3を備えている。キー31は、アルファベット、ひらがな、カタカナ、記号等を入力するための文字キー、改行指令のための改行キー、改ブロック指令のための改ブロックキー、変換キー、及び印刷フォーマット設定、文書データ作成、各種機能のコマンドを各々入力するための複数の機能キーから構成されている。また、カーソルキー8は、上カーソルキー81、下カーソルキー82,左カーソルキー83、右カーソルキー84とから構成されている。さらに、テープ印刷装置1は、図1において、上部にキーボード部3で入力された文字が表示される液晶表示装置4を備えている。さらに、液晶表示装置4とカーソルキー8との間には、電源スイッチ7が設けられている。
また、テープ印刷装置1は、テープカセット収納部内の一隅に、カセット検出部5(図4参照)を備えている。カセット検出部5には、検出センサ基板80(図4参照)上に設けられた検出スイッチ6(図4参照)のスイッチ端子軸6Aが突出している。検出スイッチ6は、後述するように、テープカセット51の識別孔66Aとの組合せにより、テープカセット収納部に収納されたテープカセット51を検出するためのものである。
次に、図2及び図3を参照して、テープ印刷装置1のテープカセット収納部に収納されるテープカセット51の物理的構成について説明する。図2は、テープカセット51の斜視図である。図3は、上ケース52を取り外した状態の下ケース53の平面図である。
図2に示すように、テープカセット51は、上ケース52と下ケース53とから構成されている。テープカセット51には、後述するテープスプール68(図3参照)及びリボン巻取りスプール71(図3参照)をそれぞれ回動可能に支持する支持孔57及び支持孔55が設けられている。なお、図2には、上ケース52に形成された各支持孔55、57のみしか図示されていないが、下ケース53についても、同様に、上ケース52の各支持孔55、57に対向する各支持孔55、57が形成されている。
また、図2に示すように、テープカセット51の前側(図中右下側)には、テープスプール68から引き出された印字テープ67、及びリボンスプール70から引き出されたインクリボン69を案内し、開口58Aから送出するアーム部58が設けられている。なお、印字テープ67、テープスプール68、インクリボン69、及びリボンスプール70については図3を参照して後述する。
アーム部58の後方には、テープ印刷装置1のサーマルヘッド(図示外)が装着されるヘッド装着部59が設けられている。ヘッド装着部59において、アーム部58と対向する壁部59Aには、テープカセット51の後方(図中左上方)に向かって入り込んだ第一嵌合部60が形成され、また、ヘッド装着部59の左側側壁には、第一嵌合部60と直行する方向(壁部59Aに沿った方向)に入り込んだ第二嵌合部61が形成されている。これらの第一嵌合部60、第二嵌合部61は、サーマルヘッドを支持する図示外のヘッドホルダに形成された2つの突起部に嵌合されて、ヘッド装着部59に対するサーマルヘッドの装着を、印字テープ67及びインクリボン69に干渉することなく確実に行うためのものである。
さらに、印字テープ67及びインクリボン69の走行方向に関しヘッド装着部59の下流側には、後述するテープ送りローラ62を回動可能に支持する支持孔63が設けられている。テープ送りローラ62は、それに対向する圧接ローラ(図示外)との協働により、テープスプール68から印字テープ67を引き出すものである。また、テープ送りローラ62の近傍位置には、上下一対の規制部材64、65が設けられており、各規制部材64、65は、サーマルヘッドの下流側にて文字が印刷された印字テープ67を幅方向に規制するものである。
次に、図3を参照して、テープカセット51の内部構成について説明する。図3に示すように、下ケース53の後部(図中上部)には、離形紙を外側に向けて印字テープ67を巻回したテープスプール68が、前述した支持孔57を介して回動可能に配置されている。また、下ケース53の前部(図中下部)には、インクリボン69を巻回したリボンスプール70が回動可能に配置されている。さらに、テープスプール68とリボンスプール70との間には、リボンスプール70からインクリボン69を引き出すとともに、文字の印刷で消費されたインクリボン69を巻き取るリボン巻取りスプール71が、前述した支持孔55を介して回動可能に配置されている。
印字テープ67は、前述したように、ヘッド装着部59の下流側に設けられたテープ送りローラ62と、テープ印刷装置1に設けられた圧接ローラ(図示外)との協働により、テープスプール68から引き出され、アーム部58の開口58Aからヘッド装着部59の前側(図中下側)を通過した後、テープ排出部74からテープカセット51の外方へ排出される。また、インクリボン69は、リボン巻取りスプール71によってリボンスプール70から引き出され、アーム部58の開口58Aからヘッド装着部59の前側を通過した後、規制部材64(図2参照)、65の内方に形成された案内部75に案内されて、リボン巻取りスプール71の周囲に巻き取られる。なお、リボン巻取りスプール71の下部には、リボン巻き取りスプール71が逆転して巻き取ったインクリボン69が緩んでしまうのを防止する、クラッチバネ76が取り付けられている。
また、下ケース53の右後縁の、テープカセット51をテープ印刷装置1のテープカセット収納部にセットしたときにカセット検出部5に当接する位置には、識別部66が形成されている。識別部66には、テープカセット51の種類(テープカセット51の備える印字テープ67の幅、印字テープ67はレセプター型かラミネート型かの種別、印字テープ67がリサイクル可能なものであるか否か等)を検出するための識別孔66Aが複数設けられている。
次に、図4を参照して、前述のテープ印刷装置1のカセット検出部5とテープカセット51の識別部66とによるテープカセット51の検出について説明する。図4は、カセット検出部5の検出スイッチ6と、識別部66の識別孔66Aとの関係を示す説明図である。識別部66に設けられた識別孔66Aの形成パターンは、各テープカセット51の種類に従って異なるパターンとされている。そして、各識別孔66Aには、テープ印刷装置1のカセット検出部5に配設された複数個の検出スイッチ6のスイッチ端子軸6Aが挿入される。図中、左から2番目の検出スイッチ6のように、識別孔66Aが設けられている箇所に対向した検出スイッチ6はオフとなる。一方、図中、一番左の検出スイッチ6のように、識別孔66Aが設けられていない箇所に対向した検出スイッチ6は、識別部66の基板によりスイッチ端子軸6Aが押し込まれることになるため、オンとなる。これら複数の検出スイッチ6のオン・オフの組合せに基づいて、テープカセット51の種類が検出される。本実施形態では、5つの検出スイッチ6のうち、第二検出スイッチ及び第三検出スイッチの2つの検出スイッチ6がテープ幅の検出に用いられ、両者が「オフ・オフ」、「オフ・オン」、「オン・オフ」、「オン・オン」の場合にそれぞれ対応して、12mm、18mm、24mm、36mmの4種類のテープ幅を検出することができる。
次に、図5〜図8を参照して、テープ印刷装置1の電気的構成について説明する。図5は、テープ印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。図6は、ROM102の構成を示す模式図である。図7は、RAM104の構成を示す模式図である。図8は、ブロック設定記憶領域151の構成を示す模式図である。
図5に示すように、テープ印刷装置1の制御構成は、制御基板上に形成される制御回路部100を核として構成されている。制御回路部100は、各機器を制御するCPU101、ROM102、CGROM103、RAM104、及び入出力インターフェース105から構成され、これらはバス106によって相互に接続されている。
CGROM103は、多数の文字の各々に関して、表示のためのドットパターンデータをコードデータに対応させて格納するものである。ROM102及びRAM105の詳細については後述する。
入出力インターフェース105には、キーボード部3と、検出スイッチ6と、液晶表示装置4に表示データを出力するためのビデオRAM(図示外)を有するディスプレイコントローラ(以下、LCDCという)と、サーマルヘッド11を駆動するための駆動回路107と、テープ送りモータ37を駆動するための駆動回路108とが各々接続されている。
図6に示すように、ROM102には、CGデータ記憶領域121と、プログラム記憶領域122と、基本基準長さ記憶領域123と、その他データ記憶領域124が設けられている。CGデータ記憶領域121には、アルファベット、漢字、ひらがな、カタカナ、数字、記号等、多数の表記記号の各々に関して、印字用ドットパターンデータがゴシック体、明朝体等の書体毎に分類され、各書体毎に6種類(16、24、32、48、64、96のドットサイズ)の印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、グラフィック画像を印刷するための、グラフィックパターンデータも記憶されている。プログラム記憶領域122には、キーボード部3から入力された文字のコードデータに対応させてLCDC109を制御する表示駆動制御プログラム、プリントバッファ142(図7参照)のデータを順次読み出してサーマルヘッド11やテープ送りモータ37を駆動する印刷駆動制御プログラム、印字テープ67のテープ幅に応じて印刷する文字やブロックの行数を調整して印刷を行うテープ印刷制御プログラム、その他、テープ印刷装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。基本基準長さ記憶領域123には、ブロック長を設定する場合に、先頭のブロックの印字テープ67の長手方向(搬送方向)に対する基準長さの基本となる基本基準長さが予め記憶されている。この基本基準長さは、一例としては、17.5mmであるが、任意に設定しておくことが出来る。また、その他データ記憶領域124には、各種の制御プログラムの実行に必要なデータが記憶されている。CPU101は、これらROM102に記憶された各種プログラムに基づいて、各種の演算を行う。
図7に示すように、RAM104には、テキストバッファ141、プリントバッファ142、印字フォーマット記憶領域143、テープ幅記憶領域144、余白サイズ記憶領域145、行高さ記憶領域146、ブロック行高さ記憶領域147、行数記憶領域148、ブロック数記憶領域149、最大行数記憶領域150、ブロック設定記憶領域151、及びその他のデータ領域152が設けられている。テキストバッファ141には、キーボード部3から入力された文字、改行、改ブロック等のコードデータが、文書データとして記憶される。プリントバッファ142には、複数の文字の印刷用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等が印刷用データとして記憶されており、サーマルヘッド11は、このプリントバッファ142に記憶されている印刷用データに従って、印刷を行う。印字フォーマット記憶領域143には、設定された文字サイズデータや書体のデータ等の印刷フォーマット情報が記憶される。なお、文字サイズについては、ユーザによってサイズが指定された場合にはそのサイズが記憶されるが、指定がない場合には、印字テープ67のテープ幅方向の印刷可能範囲いっぱいに割り付けられたサイズが自動的に設定される。
また、テープ幅記憶領域144には、前述した検出スイッチ6によって検出された印字テープ67のテープ幅が記憶される。また、余白サイズ記憶領域には、設定された各種余白のサイズが記憶される。なお、余白には、印字テープ67の搬送方向において印刷開始位置より前に設けられる前余白、印刷終了位置の後ろに設けられる後余白、印字テープ67の搬送方向に直交するテープ幅方向において印字テープ67の両端に設けられる上下余白、印字テープ67の搬送方向に並べられた文字が改行される毎あるいはブロックがブロック改行される毎に間に設けられる行間余白、ブロック間に設けられるブロック間余白等がある。なお、本実施形態では、印字テープ67の搬送方向に添った文字の並びを「行」、行が改行される場合を「改行」といい、少なくとも1つの文字から構成され、改ブロックコードによって区切られる単位を「ブロック」という。当該ブロックは印字テープ67の搬送方向に添って並んでおり、その並んだブロックの数を「ブロック数」という。ブロックが区切られる場合を「ブロック改行」というものとする。
また、余白サイズ記憶領域145には、上記の余白のデータが記憶され、行高さ記憶領域146には、印刷される行の高さ(幅)のデータが記憶され、ブロック行高さ記憶領域147には、印字テープ67の幅方向のブロックの幅であるブロック行高さのデータが記憶されている。さらに、行数記憶領域148には、テキストバッファ141に格納された文書データの行数が記憶され、ブロック数記憶領域149には、印字テープ67の搬送方向に連続して並ぶブロックの数が記憶される。さらに、最大行数記憶領域150には、後述するテープ印刷制御処理の過程で算出される、テープ幅におさまる最大の行数がそれぞれ記憶される。また、ブロック設定記憶領域151には、前記ブロック数記憶領域149に記憶されたブロックの数に対応して、各ブロック毎の基準長さと倍数が記憶される。また、その他のデータ領域152には、上記以外の一時的に記憶されるデータ等が記憶される。尚、RAM104のテキストバッファ141が、本発明の「キャラクタ記憶手段」に相当する。
次に、図8を参照して、ブロック設定記憶領域151の構成について説明する。ブロック設定記憶領域151には、印字テープ67の先頭に配置される第一ブロック671(図9参照)の基準長さである第一基準長さを記憶する第一基準長さ記憶領域251と、当該第一ブロック671を第一基準長さの何倍にするかの倍数である第一倍数を記憶する第一倍数記憶領域252と、印字テープ67の第二番目に配置される第二ブロック672(図9参照)の基準長さである第二基準長さを記憶する第二基準長さ記憶領域253と、当該第二ブロック672を第二基準長さの何倍にするかの倍数である第二倍数を記憶する第二倍数記憶領域254と、印字テープ67の第三番目に配置される第三ブロック673(図9参照)の基準長さである第三基準長さを記憶する第三基準長さ記憶領域255と、当該第三ブロック673を第三基準長さの何倍にするかの倍数である第三倍数を記憶する第三倍数記憶領域256等が設けられている。このブロック設定記憶領域151には、前記RAM104のブロック数記憶領域149に記憶されているブロックの数がNである場合には、N個まで基準長さと倍数が記憶できるようになっている。
次に、図9〜図24を参照して、以上のような構成を有するテープ印刷装置1のテープ印刷制御処理について説明する。図9は、印字テープ67への印刷結果を示す平面図である。図10は、テープ印刷装置1のテープ印刷制御処理のフローチャートである。図11は、ブロック設定変更のサブルーチンのフローチャートである。図12は、ブロック設定のサブルーチンのフローチャートである。図13は、次ブロック長設定のサブルーチンのフローチャートである。図14は、リセットのサブルーチンのフローチャートである。図15は、テキストバッファ141の記憶内容の模式図である。図16乃至図22は、ブロック設定変更時の液晶表示装置4の表示状態を示す平面図である。図23は、印刷処理時の液晶表示装置4の表示状態を示す平面図である。図24は、最終状態のテキストバッファ141の記憶内容の模式図である。尚、以下の説明では、図9に示すように、印字テープ67の長手方向に、複数連続して配置されるブロックの先頭のブロックを第一ブロック671、二番目のブロックを第二ブロック672、三番目のブロックを第三ブロック673という。
図10に示すテープ印刷制御処理では、初めに、初期処理が行われる(S10)。この初期処理(S10)では、初めに、RAM104の記憶内容が初期化され、また、テープ印刷装置1に装着されているテープカセット51が備える印字テープ67のテープ幅が、前述のように5つの検出スイッチ6のオン・オフの組合せに基づいて検出され、テープ幅記憶領域144に記憶される。
次に、ブロック設定変更処理か否かが判断される(S11)。キーボード部3のキー31の内の機能キーを押下して、ブロック設定変更処理を選択すると(S11:YES)、ブロック設定処理を行う(S12)。このブロック設定処理(S12)は、図11に示すブロック設定変更のサブルーチンに従って行われる。具体的には、まず、ブロック数の入力処理を行う(S31)。このブロック数の入力処理(S31)では、図16に示すように「BLOCK」の文字を液晶表示装置4に表示して、設定するブロックの数の入力を促す。図16では、「3」が入力された例を示している。設定(入力)されたブロック数が「0」の場合には、ブロック設定処理を終了して、テープ印刷制御処理にリターンし、S11に戻る。
また、設定(入力)されたブロック数が0でない場合には(S32:NO)、ブロック設定処理(S33)に移行する。このブロック設定処理(S33)は、図12に示すブロック設定処理のサブルーチンに従って行われる。具体的には、まず、図17に示すように、液晶表示装置4の上段に、第一ブロックを設定中であることを示す「BLOCK 1」が表示され、下段に基本基準長さ記憶領域123に記憶された基本基準長さの一例である「17.5mm」と「×1」が表示される(S50)。この「17.5mm×1」の表示は、複数の連続したブロックの内の先頭の第一ブロックの長さが、17.5mm×1=17.5mmであることを示している。なお、この段階で、数字キーにより、数字を直接入力すると、基本基準長さの17.5mmに変えて、入力した長さが「mm」の表示を伴って表示される。
次に、上カーソルキー81(図1参照)が1回押されると、現在、液晶表示装置4に表示されている17.5mmに0.1mmが加算され、17.6mmとなる。また、再度、上カーソルキー81(図1参照)が複数回押されると、押された回数だけ0.1mmずつ増加する。逆に、下カーソルキー82(図1参照)が1回押されると、現在、液晶表示装置4に表示されている17.5mmから0.1mm減算され、17.4mmとなる。また、再度、下カーソルキー82(図1参照)が複数回押されると、押された回数だけ0.1mmずつ減算される(S51:YES、S52)。尚、このときの第一ブロックの第一基準長さ設定値は、RAM104のブロック設定記憶領域151の第一基準長さ記憶領域251に記憶される。
次に、左カーソルキー83が1回押されると(S53:YES)、現在一番先頭の第一ブロックを設定中の場合には(S54:YES)、S56に移行する。また、現在、設定中のブロックが一番先頭の第一ブロックでない場合には(S54:NO)、入力フォーカス40を一つ前のブロックの倍数設定へ移動し、S58に移行する。
現在、第一ブロックを設定中の場合に(S54:YES)、右カーソルキー84が押されると(S56:YES)、入力フォーカス40を倍数設定に移動する(S57)。このとき、第一ブロックの倍数設定の初期値は、「1」であり、上カーソルキー81が1回押されると(S58:YES)、初期値の「1」に「1」が加算されて「2」となり、図18に示すように、液晶表示装置4の入力フォーカス40で示されている倍数設定が「×2」と表示される。また、逆に、下カーソルキー82が1回押されると(S58:YES)、現在、液晶表示装置4に表示されている倍数設定が「2」なら「1」減算されて「1」となり、液晶表示装置4の入力フォーカス40で示されている倍数設定が「×1」と表示される(S59)。尚、このときの第一ブロックの倍数の設定値は、RAM104のブロック設定記憶領域151の第一倍数記憶領域252に記憶される。尚、カーソルキー8の上下により、倍数設定は、加減算されるが、「1」以下にはならない。
次に、左カーソルキー83が1回押されると(S60:YES)、図17に示すように、入力フォーカス40をブロック長設定に移動し(S61)、S51に戻る。また、右カーソルキー84が押されると(S60:NO、S62:YES)、現在、一番最後のブロックを設定中の場合には(S63:YES)、次に、設定するブロックがないので、図11に示すS33にリターンして、S34に移行する。また、一番最後のブロックを設定中でない場合には(S63:NO)、次いで、次ブロック長設定(S64)を行う。
この次ブロック長設定(S64)は、具体的には、図13に示す次ブロック長設定のサブルーチンに従って行われる。次ブロック長設定では、設定を行ったブロック(一例として第一ブロック)の次のブロックである次ブロック(一例として第二ブロック)が、ブロック設定をするのが初めてか否かを判断する(S71)。この判断は、RAM104のブロック設定記憶領域151の次ブロック(第二ブロック)の基準長さ記憶領域に数値が記憶されているか否かで判断する。例えば、第二ブロックの第二基準長さ記憶領域253に数値の記憶がなければ、ブロック設定をするのが初めてと判断される(S71:YES)。逆に、第二ブロックの第二基準長さ記憶領域253に数値が記憶されていれば、ブロック設定をするのが初めてではないと判断される(S71:NO)。次のブロック設定をするのが初めてと判断されると(S71:YES)、現在のブロック(第一ブロック)のブロック長設定と倍数設定を次のブロック(第二ブロック)のブロック長設定と倍数設定として設定する(S72)。具体的には、第一基準長さ記憶領域251に記憶されている数値を、第二基準長さ記憶領域253にコピーし、また、第一倍数記憶領域252に記憶されている数値を、第二倍数記憶領域254にコピーする(S72)。
次いで、入力フォーカス40を図19に示すように、次のブロックである第二ブロックのブロック長設定に移動する(S73)。このとき、第二ブロックの設定が初めての場合には、図19に示すように、第二ブロックのブロック長として、第二基準長さ記憶領域253に記憶された第一ブロックの基準長さである「17.5mm」が表示され、第二ブロックの倍数として、第二倍数記憶領域254に記憶された第一ブロックの倍数である「2」が表示される。その後、図12に示すS64の処理にリターンし、S51の処理に戻る。
図19に示す状態で、上カーソルキー81が押されると、現在、液晶表示装置4に第二ブロックの基準長さとして表示されている「17.5mm」が押された回数だけ0.1mmずつ増加する。逆に、下カーソルキー82が押されると、現在、液晶表示装置4に表示されている「17.5mm」から押された回数だけ0.1mmずつ減算される(S51:YES、S52)。尚、このときの第二ブロックの第二基準長さ設定値は、RAM104のブロック設定記憶領域151の第二基準長さ記憶領域253に記憶される。
次に、左カーソルキー83が1回押されると(S53:YES)、現在、設定中のブロックは、第二ブロックであり、一番先頭の第一ブロックでないので(S54:NO)、入力フォーカス40を、図18に示す一つ前のブロックの倍数設定へ移し、S58に移行する。
また、左カーソルキー83が押されず(S53:NO)、右カーソルキー84が押された場合には(S56:YES)、図20に示すように、入力フォーカス40を第二ブロックの倍数設定に移動する(S57)。このとき、第二ブロックの倍数設定の初期値は、第一ブロックの倍数に設定された値が「1」ならば、図20に示すように、第二ブロックの倍数設定の初期値は「×1」と表示される。
この状態で、上カーソルキー81が1回押されると(S58:YES)、初期値の「1」に「1」が加算されて「2」となる。また、逆に、下カーソルキー82が1回押されると(S58:YES)、現在、液晶表示装置4に表示されている倍数設定が「2」なら「1」減算されて「1」となり、液晶表示装置4の入力フォーカス40で示されている倍数設定が「×1」と表示される(S59)。尚、このときの第二ブロックの倍数の設定値は、RAM104のブロック設定記憶領域151の第二倍数記憶領域254に記憶される。尚、カーソルキー8の上下により、倍数設定は、加減算されるが、「1」以下にはならない。
次に、左カーソルキー83が1回押されると(S60:YES)、図19に示すように、入力フォーカス40をブロック長設定に移動し(S61)、S51に戻る。また、右カーソルキー84が押されると(S60:NO、S62:YES)、現在、一番最後のブロックを設定中の場合には(S63:YES)、次に、設定するブロックがないので、図11に示すS33にリターンして、S34に移行する。また、一番最後のブロックを設定中でない場合には(S63:NO)、次いで、次ブロック長設定(S64)を行う。
ここでは、現在、第二ブロックの設定中なので、図13に示す次ブロック長設定のサブルーチンの図13のS71で、現在のブロック(第二ブロック)の次のブロックである次ブロック(第三ブロック)が、ブロック設定をするのが初めてか否かを判断する(S71)。この判断は、RAM104のブロック設定記憶領域151の次ブロック(第三ブロック)の基準長さ記憶領域に数値が記憶されているか否かで判断する。例えば、第三ブロックの第三基準長さ記憶領域255に数値の記憶がなければ、ブロック設定をするのが初めてと判断される(S71:YES)。逆に、第三ブロックの第三基準長さ記憶領域255に数値が記憶されていれば、ブロック設定をするのが初めてではないと判断される(S71:NO)。次のブロック設定をするのが初めてと判断されると(S71:YES)、現在のブロック(第二ブロック)のブロック長設定と倍数設定を次のブロック(第三ブロック)のブロック長設定と倍数設定として設定する(S72)。具体的には、第二基準長さ記憶領域253に記憶されている数値を、第三基準長さ記憶領域255にコピーし、また、第二倍数記憶領域254に記憶されている数値を、第三倍数記憶領域256にコピーする(S72)。
次いで、入力フォーカス40を図21に示すように、次のブロックである第三ブロックのブロック長設定に移動する(S73)。このとき、第三ブロックの設定が初めての場合には、第三ブロックのブロック長として、第二ブロックに設定された基準長さが設定され、第三ブロックの倍数として、第二ブロックに設定された倍数が表示される。その後、図12に示すS64の処理にリターンし、S51の処理に戻る。
第三ブロックの設定の場合に、上カーソルキー81が押されると、現在、液晶表示装置4に第二ブロックの基準長さとして表示されている「17.5mm」が押された回数だけ0.1mmずつ増加する。例えば、25回上カーソルキー81が押されると、「17.5mm」の表示が、図21に示すように、「20.0mm」となる。また、逆に、下カーソルキー82が押されると、現在、液晶表示装置4に表示されている「20.0mm」から押された回数だけ0.1mmずつ減算される(S51:YES、S52)。尚、このときの第三ブロックの第三基準長さ設定値は、RAM104のブロック設定記憶領域151の第三基準長さ記憶領域255に記憶される。
次に、左カーソルキー83が1回押されると(S53:YES)、現在、設定中のブロックは、第三ブロックであり、一番先頭の第一ブロックでないので(S54:NO)、入力フォーカス40を、図20に示す一つ前のブロックの倍数設定へ移し、S58に移行する。
また、左カーソルキー83が押されず(S53:NO)、右カーソルキー84が押された場合には(S56:YES)、図22に示すように、入力フォーカス40を第三ブロックの倍数設定に移動する(S57)。このとき、第三ブロックの倍数設定の初期値は、第二ブロックの倍数に設定された値が「1」ならば、図22に示すように、第二ブロックの倍数設定の初期値は「×1」と表示される。
この状態で、上カーソルキー81が1回押されると(S58:YES)、初期値の「1」に「1」が加算されて「2」となる。また、逆に、下カーソルキー82が1回押されると(S58:YES)、現在、液晶表示装置4に表示されている倍数設定が「2」なら「1」減算されて「1」となり、液晶表示装置4の入力フォーカス40で示されている倍数設定が「×1」と表示される(S59)。尚、このときの第三ブロックの倍数の設定値は、RAM104のブロック設定記憶領域151の第三倍数記憶領域256に記憶される。尚、カーソルキー8の上下により、倍数設定は、加減算されるが、「1」以下にはならない。尚、入力フォーカス40が基準長さ上にあるときに、テンキー32を押下すると直接数字を入力することもできる。また、入力フォーカス40が倍数設定上にあるときにも、テンキー32を押下すると直接数字を入力することもできる。
次いで、左カーソルキー83が押されず(S60:NO)、右カーソルキー84が押されると(S62:YES)、現在、一番最後のブロックを設定中の場合には(S63:YES)、次に、設定するブロックがないので、図11に示すS33にリターンする。尚、設定するブロック数がNならば、上記の処理をN回繰り返す。図11に示すS34の処理では、ブロック改行ブロックの数−1だけの数になるように、RAM104(図7参照)のテキストバッファ141(図15参照)内の改ブロックコードを追加又は削除する(S34)。次いで、図10に示すS12の処理にリターンし、S11の処理に戻る。ここで、各ブロックにテキストを入力する操作がなされると(S13:YES)、キー31の操作により、テキストが入力されてRAM104のテキストバッファ141に入力されたテキストが記憶される(S14)。例えば、図24に示すように、テキストバッファ141に「A,B,C,改ブロックコード,D,E,F,改行コード,G,H,I,改ブロックコード,1,2,3,4,5,改行コード,6,7,改行コード,8,9,0」と記憶される。
次いで、印刷キー9が押下されて、印刷開始が指示されると(S15:YES)、公知の方法により印刷データが作成されて、RAM104のプリントバッファ142に記憶される(S16)。次いで、CPU101の制御により、駆動回路107がサーマルヘッド11を発熱させ、また、駆動回路108がテープ送りモータ37を制御して、印字テープ67が搬送されて、搬送されて図9に示すテープが印刷される(S17)。尚、図9に示す例では、第一ブロック671は、基準長さが「17.5mm」であり、倍数が「2」である。また、第二ブロック672は、基準長さが「17.5mm」であり、倍数が「1」である。また、第三ブロック673は、基準長さが「20.0mm」であり、倍数が「1」である。従って、印刷されるテープに設けられる前余白を2.0mm、後余白を2.0mm、ブロック間余白を0.0mmとすると、印刷されたテープの長さは76.5mmとなる。このときに、印刷枚数が1枚の場合には、液晶表示装置4には、図23に示すように、「COPIES 1/1 76.5」と表示される。
また、図示外のリセットキーが押下されてリセットの指示が入力されると(S18:YES)、リセット処理が行われる(S19)。このリセット処理は、具体的には、図14に示すリセット処理のフローチャートに従って行われる。まず、このリセット処理では、各ブロックへ設定されている基準長さと倍数設定がクリアされる。具体的には、RAM104のブロック設定記憶領域151の記憶内容が消去される(S81)。また、RAM104のテキストバッファ141の記憶内容が消去される(S82)。このリセット処理を行うと、RAM104のブロック設定記憶領域151の記憶内容が消去されるので、各ブロックの基準長さ及び倍数の設定で、前のブロックで設定されたものを次のブロックで引き継ぐことが出来るようになる。
尚、図11のブロック設定変更処理のブロック数入力処理S31を実行するCPU101が、本発明の「ブロック数入力手段」に相当する。図12のブロック設定処理のS51〜S52の処理を実行するCPU101が本発明の「基準長さ設定手段」に相当する。図12のブロック設定処理のS57〜S59の処理を実行するCPU101が本発明の「倍数設定手段」に相当する。図12のブロック設定処理のS53〜S55、S60〜61の処理を実行するCPU101が本発明の「設定対象ブロック移動手段」に相当する。図10のブロック設定処理のS13及びS14の処理を実行するCPU101が本発明の「キャラクタ入力手段」に相当する。図10のブロック設定処理のS16の処理を実行するCPU101が本発明の「印刷データ作成手段」に相当する。図13のS72の処理を実行するCPU101が「基準長さ初期値設定手段」及び「倍数初期値設定手段」に相当する。
以上説明したように、本実施の形態のテープ印刷装置1では、印字テープ67の長手方向に連続して配置される各ブロックの長さを決める基準長さを各ブロック毎に設定することができる。また、各ブロックの長さは、基準長さの倍数で設定でき、カーソルキー8の操作により容易に設定できる。また、各ブロックの基準長さと倍数は、一つ前のブロックで設定されたものを初期値として引き継ぐので、設定が容易である。従って、各ブロックの長さを倍数決定するという簡便さを保ちつつ、各ブロックの基準長さをブロック毎に変更できるので、ブロックの長さを個々に自由に設定することができる。
また、第一ブロックから第Nブロックまで、順に基準長さと倍数を入力した後、左右のカーソルで、第一ブロックまで戻ってくることができるが、その後、第一ブロックの基準長さと倍数を修正しても、その内容は、第二ブロック以後へは引き継がれない。即ち、次のブロックへ基準長さと倍数が引き継がれるのは、まだ、そのブロックの基準長さと倍数が設定されていない最初の1回だけである。なお、上記のリセット処理を行うことにより、各ブロックの基準長さ及び倍数の設定で、前のブロックで設定されたものを次のブロックで引き継ぐことが出来る状態に復帰する。
なお、前述の実施形態に示されるテープ印刷装置1の構成は例示であり、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、ブロックを第一ブロックから第三ブロックまで、設定することを説明したが、ブロックの数は、任意に設定することができ、2,3,4,5・・・10等の任意の数を設定できる。また、上記実施形態では、印字テープ67のテープ幅の検出に、テープ印刷装置1に設けられた検出スイッチ6とテープカセット51に設けられた識別孔66Aを用いたが、検出スイッチ6のオンとオフの組合せを形成できる構成であればよい。例えば、識別孔66Aに替えて、識別部66の外面をテープカセット51の幅方向の中心に向かって凹むように形成した凹部を採用してもよい。
また、本実施形態では、テープ印刷装置1の制御回路部100のCPU101が、図10〜図14に記載のフローチャートの処理を実行するが、図25に示すように、テープ印刷装置1に通信用I/F106を設けて、外部のコンピュータ装置20と接続し、図10〜図14に記載のフローチャートの処理を外部のコンピュータ装置20で行い、当該コンピュータ装置20がテープ印刷装置1を制御して、印刷処理を行うようにしても良い。