JP2009152622A - Iii族窒化物基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ワイヤ列によってインゴットを切断する際のクラックの発生率を低減できるIII族窒化物基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 ワイヤ22によって構成されたワイヤ列21を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴット3を切断する。このとき、インゴット3及びワイヤ22のうち少なくとも一方をワイヤ22の延伸方向Bと直交する方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴット3を切削することによりインゴット3を切断する。インゴット3を切削する際には、ワイヤ22の延伸方向Bをインゴット3の{1−100}面に対し3°以上傾斜させる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、III族窒化物基板及びその製造方法に関するものである。
半導体基板の製造工程には、インゴットを板状に切断(スライス)する工程が含まれる。インゴットを板状に切断する方法の一つとして、走行するワイヤ列(マルチワイヤソー)を用いてインゴットを切削する方法がある。例えば、特許文献1には、マルチワイヤソーを用いてシリコンインゴットを切断する方法が開示されている。また、特許文献2には、マルチワイヤソーを用いてGaAs、InP、GaSbなどのIII−V族化合物半導体からなるインゴットを切断する方法が開示されている。また、特許文献3には、マルチワイヤソーを用いてGaNなどのIII族窒化物からなるインゴットを切断することが記載されている。
特開2001−1335号公報 特許第2842307号公報 特表2003−527296号公報
しかしながら、GaNなどのIII族窒化物は、溶液成長が困難であるためSiやGaAsのような長尺のインゴットを作製することが難しく、現在実現されているインゴットの厚みはせいぜい数mm以下である。従って、板状に切断するための技術が未だ確立されていない。
GaNなどのIII族窒化物は、SiやGaAsなどの他の半導体材料と比較して硬い(例えば、GaN単結晶のビッカース硬度は約1300kg/mmである)。加えて、III族窒化物結晶は、一般的に結晶欠陥密度が10個/cm以上と多く(GaAsの結晶欠陥密度は10個/cm以下である)、結晶成長時にピットや介在物が混入するなどのマクロな欠陥も発生しやすい。従って、III族窒化物結晶からなるインゴットを切断して基板を形成する際には、該基板にクラック(割れ、欠け)が生じ易い。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、走行するワイヤ列によってインゴットを切断する際のクラックの発生率を低減できるIII族窒化物基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による第1のIII族窒化物基板は、ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することにより製造されるIII族窒化物基板であって、インゴット及びワイヤ列のうち少なくとも一方を、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴットを切削することによりインゴットを切断して製造され、インゴットを切削する際に、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向をインゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させて製造され、基板の反りが50μm以下であることを特徴とする。
また、本発明による第2のIII族窒化物基板は、ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することにより製造されるIII族窒化物基板であって、インゴット及びワイヤ列のうち少なくとも一方を、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴットを切削することによりインゴットを切断して製造され、インゴットを切削する際に、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向をインゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させて製造され、加工変質層の厚みが6μm以下であることを特徴とする。
また、本発明による第3のIII族窒化物基板は、ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することにより製造されるIII族窒化物基板であって、インゴット及びワイヤ列のうち少なくとも一方を、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴットを切削することによりインゴットを切断して製造され、インゴットを切削する際に、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向をインゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させ、且つ(0001)面に対する切断面の傾斜角を5°以内として製造され、(0001)面に対する切断面の傾斜角が5°以内であることを特徴とする。
また、本発明による第1のIII族窒化物基板の製造方法は、ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することによりIII族窒化物基板を製造する方法であって、インゴット及びワイヤ列のうち少なくとも一方を、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴットを切削することによりインゴットを切断する工程を備え、インゴットを切削する際に、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向をインゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させるとともに、ワイヤ列に対してインゴットを下方から送り込むアッパーカット法、もしくはワイヤ列に対してインゴットを上方から送り込むダウンカット法のいずれか一方によりインゴットを切断することを特徴とする。
また、本発明による第2のIII族窒化物基板の製造方法は、ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することによりIII族窒化物基板を製造する方法であって、インゴット及びワイヤ列のうち少なくとも一方を、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴットを切削することによりインゴットを切断する工程を備え、インゴットを切削する際に、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向をインゴットの{1−100}面に対し3°以上に維持できる角度範囲で、ワイヤ列を走行させるためのガイドローラーもしくはインゴットを切断面内の方向に揺動させることを特徴とする。
また、本発明による第3のIII族窒化物基板の製造方法は、ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することによりIII族窒化物基板を製造する方法であって、インゴット及びワイヤ列のうち少なくとも一方を、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴットを切削することによりインゴットを切断する工程を備え、インゴットを切削する際に、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向をインゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させるとともに、ワイヤ列に含まれるワイヤの負荷張力を12N以上30N以下に設定してインゴットを切削することを特徴とする。
また、本発明による第4のIII族窒化物基板の製造方法は、ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することによりIII族窒化物基板を製造する方法であって、インゴット及びワイヤ列のうち少なくとも一方を、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつインゴットを切削することによりインゴットを切断する工程を備え、インゴットを切削する際に、ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向をインゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させ、且つ(0001)面に対する切断面の傾斜角を5°以内とすることを特徴とする。
本発明によるIII族窒化物基板及びその製造方法によれば、ワイヤ列によってインゴットを切断する際のクラックの発生率を低減できる。
図1は、本実施形態によるIII族窒化物基板の製造方法に用いられるマルチワイヤソーの構成を示す斜視図である。 図2は、複数のインゴットをワーク支持台に取り付けた状態を示す要部拡大斜視図である。 図3は、ワーク支持台上に固定されたインゴットの中心軸方向に垂直な断面における断面図である。 図4は、インゴットの(1−100)面に対するワイヤの延伸方向の傾斜角を0°から90°まで変化させたときの、クラック発生による基板不良率を示す図表である。 図5は、インゴットを切削する際の砥粒濃度を1リットルあたり50ct(10g)から2000ct(400g)まで変化させたときの、基板の反り及びクラック発生状況を示す図表である。 図6は、インゴットを切削する際の砥粒の平均粒径を0.5μmから30μmまで変化させたときの、基板の反り及び加工変質層深さを示す図表である。 図7は、インゴットを切削する際のインゴットの送り速度を1時間あたり0.4mmから3mmまで変化させたときの、基板の反りを示す図表である。 図8は、インゴットの切削に用いるワイヤの直径を0.08mmから0.24mmまで変化させたときの、基板の反り、カーフロス、及びワイヤ直径に応じたワイヤ付加張力を示す図表である。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるIII族窒化物基板及びその製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、本実施形態によるIII族窒化物基板の製造方法に用いられるマルチワイヤソー1の構成を示す斜視図である。図1を参照すると、マルチワイヤソー1は、ワーク支持台11、ガイドローラ12a〜12c、スラリーノズル13、並びにワイヤ列21を備える。なお、マルチワイヤソー1が備えるこれらの構成要素は、図示しない筐体によってそれぞれ支持されている。
ワーク支持台11は、加工対象物(ワーク)である一又は複数(本実施形態では複数)のインゴット3を支持するための構成要素である。ワーク支持台11は、例えばステンレス製とすることができる。ワーク支持台11は、他の構成要素(ガイドローラ12a〜12c、スラリーノズル13、並びにワイヤ列21)に対して下方に配置されている。ワーク支持台11上には複数のインゴット3のそれぞれに固着されたカーボン製の複数の支持材31が固定されており、複数のインゴット3は、それぞれ支持材31を介してワーク支持台11の上方に固定されている。ワーク支持台11は図示しない移動テーブル上に載置されており、この移動テーブルが鉛直上方に移動することによってインゴット3が鉛直上方(図中の矢印A)へ送られる。
ガイドローラ12a〜12cは、略円柱状の回転体であり、それぞれの回転軸方向が鉛直方向(矢印A)と直交し且つ互いに平行となるように配置されている。ガイドローラ12a及び12bは、ワーク支持台11を通る鉛直線の左右に互いに離れて配置されている。ガイドローラ12cは、ガイドローラ12a及び12bの上方且つワーク支持台11を通る鉛直線上に配置されている。
ガイドローラ12a〜12cの外周面は、例えば樹脂によって形成されている。ガイドローラ12a〜12cの外周面には、複数本の溝が等間隔で形成されている。そして、ガイドローラ12a〜12cの複数本の溝に一本のワイヤ22が螺旋状に掛け回されることにより、ワイヤ列21が構成されている。ワイヤ22は、ガイドローラ12a〜12cが正回転及び逆回転を交互に繰り返すことによって二方向に往復走行する。ガイドローラ12a〜12cに掛け回されたワイヤ22のうち、ガイドローラ12a及び12bの下端側を走行する部分は、ワーク支持台11の移動によって上方に送られてくるインゴット3と交差する位置を走行する。
スラリーノズル13は、ラッピングオイルに遊離砥粒が混入されてなる砥液(スラリー)をワイヤ22及びインゴット3に向けて噴射するための砥液供給手段である。
続いて、本実施形態によるIII族窒化物基板の製造方法について説明する。なお、以下に説明する方法は、上記したマルチワイヤソー1を用いて好適に実施できる。
まず、加工対象物(ワーク)である複数のインゴット3の外周面に、インゴット3の劈開方向を示す第1オリエンテーションフラット(OF)面3a及び該第1OF面3aよりも小さい第2OF面3bを形成する。そして、複数のインゴット3をワーク支持台11に取り付ける。図2は、複数のインゴット3をワーク支持台11に取り付けた状態を示す要部拡大斜視図である。この工程では、図2に示すように、複数のインゴット3を、互いの面が対向するように(或いは接するように)その中心軸方向に沿って並んで配置した上で、該中心軸方向が鉛直方向(送り方向A)及びワイヤ22の延伸方向Bと直交するようにワーク支持台11に取り付ける。また、このとき、OF面3aが送り方向Aを向くように(OF面3aと送り方向Aとが略直交するように)複数のインゴット3を取り付ける。
インゴット3は、GaN、AlN、InNといった六方晶系のIII族窒化物からなる結晶塊である。本実施形態のインゴット3は、{0001}面(C面)を主面(平坦面)とする円盤状に形成されている。インゴット3の寸法の一例を示すと、例えば外径が約50mm、厚さが約5mmである。
ここで、図3は、ワーク支持台11上に固定されたインゴット3の中心軸方向に垂直な断面における断面図である。なお、図3には、インゴット3の結晶軸方向(<0001>、<1−100>、及び<11−20>)が示されている。
前述したように、本実施形態のインゴット3の外周面には、先に述べた第1OF面3a及び第2OF面3bが形成されている。図3に示すように、第1OF面3aは、インゴット3の<11−20>方向と直交するように(すなわち、インゴット3の(11−20)面に沿って)形成される。また、第2OF面3bは、インゴット3の<1−100>方向と直交するように(すなわち、インゴット3の(1−100)面に沿って)形成される。
また、インゴット3をワーク支持台11に固定する際には、ワイヤ22の延伸方向Bがインゴット3の{1−100}面(M面)に対して3°以上傾斜するようにインゴット3を固定する。六方晶系のIII族窒化物結晶であるインゴット3においては、(1−100)面、及びその等価面である(10−10)面及び(01−10)面が互いに60°間隔で交差しており、劈開性の高い劈開面となっている。本実施形態では、ワイヤ22の延伸方向Bをこれらの面から3°以上傾斜させる。また、更に好ましくは、ワイヤ22の延伸方向Bの傾斜角を第1OF面3a((1−100)面)に対して27°以下とするとよい。本実施形態では、図3に示すように、ワイヤ22の延伸方向Bが第1OF面3aと平行となるように(すなわち、延伸方向Bと(1−100)面とのなす角が0°となるように)、インゴット3をワーク支持台11に固定する。これにより、インゴット3の送り方向Aと第1OF面3aとが直交することとなり、第1OF面3aから切断が開始される。
続いて、インゴット3の切削を開始する。ガイドローラ12a〜12cを正方向及び逆方向に交互に回転させ、ワイヤ22の往復走行を開始する。そして、インゴット3が取り付けられたワーク支持台11を上方に移動させ、インゴット3をワイヤ22(ワイヤ列21)へ送る。このとき、スラリーノズル13からの砥液の噴射を開始する。
インゴット3がワイヤ22に接すると、インゴット3とワイヤ22との間に浸入した砥液の作用によってインゴット3が切削され始める。そして、砥液を供給しながらインゴット3を略一定速度で送り方向Aへ送る。こうして、インゴット3は、ワイヤ列21のワイヤ間隔に応じた厚さの板状に切断される。
III族窒化物結晶であるインゴット3を切削する際には、砥液に占める砥粒の濃度は1リットルあたり200ct(40g)以上1500ct(300g)以下であることが好ましい。また、砥液に含まれる砥粒の平均粒径は、1μm以上15μm以下であることが好ましい。また、インゴット3の送り速度は、1時間あたり0.4mm以上2.4mm以下とすることが好ましい。また、ワイヤ列21に用いるワイヤ22の直径は、0.12mm以上0.2mm以下であることが好ましい。
また、砥液に混ぜる砥粒としては、ダイヤモンド、シリコンカーバイド、ボロンカーバイド、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ、及び窒化ガリウムのうち少なくとも一種類の材料を含むものを用いることが好ましい。
こうしてインゴット3を切断した後、インゴット3から切り出した板状のIII族窒化物結晶の切断面(主面及び裏面)を研磨することにより、切断面に生じた加工変質層を除去するとともに反りを低減する。以上の工程によって、III族窒化物基板が完成する。
本実施形態によるIII族窒化物基板の製造方法が有する効果について以下に述べる。上記したIII族窒化物基板の製造方法では、インゴット3を切削する際に、III族窒化物結晶において最も劈開され易い劈開面である{1−100}面に対してワイヤ22の延伸方向Bを3°以上傾斜させている。
ここで、図4は、発明者が行った第1の実験の結果を示す図表である。図4は、インゴット3の(1−100)面に対するワイヤ22の延伸方向Bの傾斜角を0°から90°まで変化させたときの、クラック発生による基板不良率を示している。なお、本実験に用いたインゴット3及びその切削条件は、以下の通りである。
インゴット:GaN単結晶
インゴット主面:(0001)面
インゴット外形:直径50.8mm、厚さ5mm
砥粒材料:単結晶ダイヤモンド
砥粒の平均粒径:6μm
砥液に占める砥粒の濃度:1リットルあたり1500ct(300g)
潤滑材(ラッピングオイル):鉱物油
送り速度:1時間あたり1.6mm
ワイヤ走行速度:1分あたり600m
ワイヤ直径:0.18mm
ワイヤ付加張力:25N
図4に示すように、(1−100)面に対する延伸方向Bの傾斜角を0°(すなわち、延伸方向Bと(1−100)面とが平行)とすると、クラック発生による基板不良率が30%といった高率となる。これに対し、(1−100)面に対する延伸方向Bの傾斜角を3°とすると、クラック発生による基板不良率が15%に半減している。
また、(1−100)面に対する延伸方向Bの傾斜角を60°(すなわち、(1−100)面の等価面である(10−10)面または(01−10)面と延伸方向Bとが平行)とすると、クラック発生による基板不良率が20%といった高率となる。これに対し、(1−100)面に対する延伸方向Bの傾斜角を57°または63°とする(すなわち、(10−10)面または(01−10)面に対する延伸方向Bの傾斜角を3°とする)と、クラック発生による基板不良率が12%または15%に大きく低下している。
そして、{1−100}面に対する延伸方向Bの傾斜角を3°よりも大きくすると、いずれの傾斜角の場合でもクラック発生による基板不良率が11%以下といった低率となっている。このように、ワイヤ22の延伸方向Bをインゴット3の{1−100}面に対し3°以上傾斜させることによって、III族窒化物基板のクラック発生率を各段に低減できる。なお、{1−100}面に対する延伸方向Bの傾斜角を3°よりも小さくすると、切削中のワイヤ22の撓みなどによって延伸方向Bが(1−100)面に対して平行となる瞬間が生じてしまい、クラック発生率が上昇すると考えられる。
また、本実施形態のように、インゴット3を切断する前にインゴット3の(11−20)面に沿った第1OF面3aをインゴット3の外周面に形成し、インゴット3を切断する際に、インゴット3の(11−20)面に対するワイヤ22の延伸方向Bの傾斜角を27°以下とすることが好ましい。III族窒化物結晶の(11−20)面は、劈開性が高い(1−100)面と直交するので第1OF面3aとして好適である。また、(11−20)面は、(1−100)面の等価面である(10−10)面及び(01−10)面に対し30°傾斜している。従って、(11−20)面に対するワイヤ22の延伸方向Bの傾斜角を27°以下とすることにより、ワイヤ22の延伸方向Bが{1−100}面に対し3°以上傾斜することとなり、クラックの発生率を格段に低減できる。
また、インゴット3の(11−20)面に対するワイヤ22の延伸方向Bの傾斜角を27°以下とすることにより、更に次の効果が得られる。III族窒化物結晶は、SiやGaAsといった他の半導体結晶と比べて硬く、また、窒素面とその反対側のIII族原子面(GaNの場合はGa面)とでは硬度や耐薬性などの物性が異なるため、他の半導体結晶と比べて切削時の送り速度が低く抑えられてしまい、切断に時間がかかる。(11−20)面すなわち第1OF面3aに対する延伸方向Bの傾斜角を27°以下とすれば、第1OF面3aによって切削距離(送り方向Aにおけるインゴット3の外径)が短くなるので、切断に要する時間を短縮できる。また、本実施形態のように第1OF面3aが切削開始側に位置するようにインゴット3を配置すれば、インゴット3において切削が開始される部分が円周面ではなく平面となるので、インゴット3とワイヤ列21との位置合わせを容易にできる。
なお、本実施形態では第1OF面3aを(11−20)面に沿って形成しているが、第1OF面3aよりも小さい第2OF面3bを(11−20)面に沿って形成してもよい。これにより、上記効果と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態ではインゴット3の主面が(0001)面であるとしているが、(0001)面から最大5°のオフ角度が付いたインゴットをスライスしても上記と同様の効果が得られる。
また、本実施形態のように、インゴット3を切削する際に複数のインゴット3を送り方向Aと交差する方向に並べ、該複数のインゴット3を一度に切削することが好ましい。III族窒化物結晶は、SiやGaAsといった他の半導体結晶と比べて切削時の送り速度が低く抑えられてしまい、切断に時間がかかる。その一方で、インゴット3の切断にマルチワイヤソーを用いた場合、硬いIII族窒化物結晶を切削するために、ダイヤモンドなどの硬い砥粒を含む一般的に高価な砥液(スラリー)を用いる必要がある。加えて、ダイヤモンドなどの硬い砥粒を含む砥液によって、ワイヤ22を走行させるためのガイドローラ12a〜12cが早く消耗してしまい、ガイドローラ12a〜12cの交換頻度が高くなる。本実施形態のように複数のインゴット3を一度に切削すれば、一度の切断工程で形成される基板の枚数が多くなり、インゴット3の切断に必要な砥液やガイドローラ12a〜12cなどの消費を少なく抑えることができる。
なお、本実施形態では複数のインゴット3をその中心軸方向に一列に並べているが、複数のインゴット3を中心軸方向及び送り方向Aと直交する方向(すなわち、ワイヤ22の延伸方向B)に沿って一列に並べても良い。複数のインゴット3をこのように並べてることによっても、複数のインゴット3を一度に切削することができ、砥液やガイドローラ12a〜12cなどの消費を少なく抑えることができる。
また、本実施形態では、インゴット3は各々独立して並べてスライスされているが、各々のインゴット3を貼り合わせ、長尺化されたインゴットとしてスライスしても良い。
また、本実施形態のように、砥液に混ぜる砥粒としては、ダイヤモンド、シリコンカーバイド、ボロンカーバイド、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ、及び窒化ガリウムのうち少なくとも一種類の材料を含むものを用いることが好ましい。GaNなどのIII族窒化物結晶を切削する砥粒としては、III族窒化物結晶と同等かそれ以上の硬度を有するものであればよい。このような砥粒材料としては、ダイヤモンド、シリコンカーバイド、ボロンカーバイド、及びアルミナがある。また、これら以外にも、窒化ケイ素、窒化アルミ、及び窒化ガリウムなどの窒化物を砥粒材料とすることができる。これらの材料は、いずれもIII族窒化物結晶よりも硬く、インゴット3を好適に切削することができる材料である。なお、本発明者の実験によれば、上記した砥粒材料の中ではダイヤモンドが最も硬くて切削性が優れているため、より速い送り速度で切削が可能であり且つ基板の反りなどの加工精度において他の砥粒材料よりも良好であった。
また、上述したように、砥液に占める砥粒の濃度は、1リットルあたり40g以上300g以下であることが好ましい。ここで、図5は、発明者が行った第2の実験の結果を示す図表である。図5は、インゴット3を切削する際の砥粒濃度を1リットルあたり50ct(10g)から2000ct(400g)まで変化させたときの、基板の反り及びクラック発生状況を示している。なお、本実験においては、第1の実験と同様のインゴット3を用い、(1−100)面に対するワイヤ22の延伸方向Bの相対角度を90°とし、砥粒濃度以外の切削条件を第1の実験と同じとした。
図5に示すように、砥粒濃度が1リットルあたり50ct(10g)のときには、基板の反りが80μmと比較的大きな値となり、且つ一部の基板にクラックが発生していた。また、基板の一部にソーマークも発生していた。これに対し、砥粒濃度を1リットルあたり200ct(40g)以上に増加させると、基板の反りが50μm以下へ格段に低下し、且つクラックやソーマークが全く発生しなかった。なお、基板の反りは、50μmを超えると切断後の基板を研磨する際に研磨しなければならない厚さが過大となるほか、次以降の工程においてテーブル上に載置した際などにクラックが生じ易くなる。本実験では、砥粒の濃度を1リットルあたり200ct(40g)以上とすることにより、クラック及びソーマークの発生率ならびに基板の反りを格段に且つ充分に低減できることがわかった。
また、図5に示すように、砥粒の濃度を1リットルあたり2000ct(400g)とすると、ガイドローラ12a〜12cといった、ワイヤ22を走行させるための機構へ砥粒が過度に付着し、ベアリング等の可動部品に砥粒が入り込むことによって、可動部品が破損し、マルチワイヤソー1の故障を引き起こすことがわかった。これに対し、砥粒の濃度を1リットルあたり1500ct(300g)以下とすれば、これらの不都合は生じなかった。従って、砥液に占める砥粒の濃度は1リットルあたり1500ct(300g)以下であることが好ましい。
また、上述したように、砥液に含まれる砥粒の平均粒径は、1μm以上15μm以下であることが好ましい。ここで、図6は、発明者が行った第3の実験の結果を示す図表である。図6は、インゴット3を切削する際の砥粒の平均粒径を0.5μmから30μmまで変化させたときの、基板の反り及び加工変質層深さを示している。なお、本実験においては、第1の実験と同様のインゴット3を用い、(1−100)面に対するワイヤ22の延伸方向Bの相対角度を90°とし、砥粒の平均粒径以外の切削条件を第1の実験と同じとした。
図6に示すように、砥粒の平均粒径が0.5μmのときには、基板の反りが60μmと比較的大きな値となった。これに対し、砥粒の平均粒径を1μm以上とすると、基板の反りが50μm以下へ格段に低下した。このように、砥粒の平均粒径を1μm以上とすれば、基板の反りを格段に且つ充分に低減できることがわかった。
また、図6に示すように、砥粒の平均粒径を20μm以上とすると、加工変質層深さが12μm以上といった比較的大きな値となり、マイクロクラックが観察された。本発明者の知見によれば、加工変質層深さが10μmを超えると、切断後の基板を研磨する際に研磨しなければならない厚さが過大となるだけでなく、基板の結晶内部にマイクロクラックが生じ易くなる。これに対し、砥粒の平均粒径を15μm以下とすれば、加工変質層深さが6μm以下へ格段に且つ充分に小さくなり、マイクロクラックも観察されなかった。従って、砥粒の平均粒径は15μm以下であることが好ましい。
また、上述したように、インゴット3を切削する際のインゴット3の送り速度は、1時間当たり0.4mm以上2.4mm以下であることが好ましい。ここで、図7は、発明者が行った第4の実験の結果を示す図表である。図7は、インゴット3を切削する際のインゴット3の送り速度を1時間あたり0.4mmから3mmまで変化させたときの、基板の反りを示している。なお、本実験においては、第1の実験と同様のインゴット3を用い、(1−100)面に対するワイヤ22の延伸方向Bの相対角度を90°とし、送り速度以外の切削条件を第1の実験と同じとした。
図7に示すように、インゴット3の送り速度が3mmのときには、基板の反りが75μmと比較的大きな値となった。これに対し、インゴット3の送り速度を2.4mm以下とすると、基板の反りが50μm以下へ格段に低下した。このように、インゴット3の送り速度を2.4mm以下とすれば、基板の反りを格段に且つ充分に低減できることがわかった。また、インゴット3の送り速度が小さ過ぎると、基板の生産効率に影響する。本実験により、インゴット3の送り速度が1時間あたり0.4mm以上2.4mm以下であれば、基板の反りが小さくなることが確認された。
なお、インゴット3を切断する際にGaN基板に生じる反りは、GaNがGaAs、Si、或いはサファイア等と異なり主面及び裏面で極性が異なるためこの両面間に硬度差が生じていることに起因すると考えられる。また、本実施形態ではインゴット3の送り速度を一定としているが、特に円柱状のインゴットの場合、切断負荷が一定となるようにインゴット3の送り速度を変化させても良い。
また、上述したように、ワイヤ列21に用いるワイヤ22の直径は0.12mm以上0.2mm以下であることが好ましい。ここで、図8は、発明者が行った第5の実験の結果を示す図表である。図8は、インゴット3の切削に用いるワイヤの22直径を0.08mmから0.24mmまで変化させたときの、基板の反り、カーフロス(切り代幅)、及びワイヤ直径に応じたワイヤ付加張力を示している。なお、本実験においては、第1の実験と同様のインゴット3を用い、(1−100)面に対するワイヤ22の延伸方向Bの相対角度を90°とし、ワイヤ直径以外の切削条件を第1の実験と同じとした。
図8に示すように、ワイヤ22の直径が0.08mmのときには、基板の反りが75μmと比較的大きな値となった。これに対し、ワイヤ22の直径を0.12mm以上とすると、基板の反りが45μm以下へ格段に低下した。このように、ワイヤ22の直径を0.12mm以上とすれば、基板の反りを格段に且つ充分に低減できることがわかった。
また、図8に示すように、ワイヤ22の直径を0.24mmとすると、カーフロスが320μmと比較的大きな値となった。III族窒化物結晶は、現在においては気相成長により形成する方法しか実現されていないため、他の半導体材料と比較して長いインゴットを形成することが難しい。従って、切削時のカーフロスを出来るだけ小さくして、1個のインゴットから取り出す基板の枚数を少しでも多くすることが望ましい。本実験では、ワイヤ22の直径が0.20mm以下のときにカーフロスが280μm以下となった。一般的な内周刃を用いてインゴットを切削する際のカーフロスは最小で約300μmなので、ワイヤ22の直径を0.20mm以下とすることにより、内周刃を用いる場合と比較してインゴット1個あたりの基板枚数を多くすることができる。
本発明によるIII族窒化物基板の製造方法は、上記した実施形態に限られるものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態ではインゴットとして円柱状の塊を例示しているが、インゴットは角柱状など他の形状であってもよい。また、上記実施形態ではワイヤに対してインゴットを下方から送り込む、いわゆるアッパーカット法を例示しているが、ワイヤに対してインゴットを上方から送り込む、いわゆるダウンカット法でも本発明を適用できる。また、上記実施形態ではインゴットを移動する方法を例示しているが、ワイヤをインゴットへ向けて移動する方法でもよい。
また、上記実施形態では、ワイヤに対するインゴットの姿勢角を固定した場合の例を示しているが、インゴットもしくはガイドローラーを切断面内の方向に揺動させながら切削してもよい。この場合、ワイヤの延伸方向に対するインゴットの{1−100}面の角度を3°以上に維持できる角度範囲で、インゴットを揺動するとよい。
1…マルチワイヤソー、3…インゴット、3a…第1オリエンテーションフラット面、3b…第2オリエンテーションフラット面、11…ワーク支持台、12a〜12c…ガイドローラ、13…スラリーノズル、21…ワイヤ列、22…ワイヤ、31…支持材。

Claims (7)

  1. ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することにより製造されるIII族窒化物基板であって、
    前記インゴット及び前記ワイヤ列のうち少なくとも一方を、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつ前記インゴットを切削することにより前記インゴットを切断して製造され、
    前記インゴットを切削する際に、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの前記延伸方向を前記インゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させて製造され、
    基板の反りが50μm以下であることを特徴とする、III族窒化物基板。
  2. ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することにより製造されるIII族窒化物基板であって、
    前記インゴット及び前記ワイヤ列のうち少なくとも一方を、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつ前記インゴットを切削することにより前記インゴットを切断して製造され、
    前記インゴットを切削する際に、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの前記延伸方向を前記インゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させて製造され、
    加工変質層の厚みが6μm以下であることを特徴とする、III族窒化物基板。
  3. ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することにより製造されるIII族窒化物基板であって、
    前記インゴット及び前記ワイヤ列のうち少なくとも一方を、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつ前記インゴットを切削することにより前記インゴットを切断して製造され、
    前記インゴットを切削する際に、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの前記延伸方向を前記インゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させ、且つ(0001)面に対する切断面の傾斜角を5°以内として製造され、
    (0001)面に対する切断面の傾斜角が5°以内であることを特徴とする、III族窒化物基板。
  4. ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することによりIII族窒化物基板を製造する方法であって、
    前記インゴット及び前記ワイヤ列のうち少なくとも一方を、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつ前記インゴットを切削することにより前記インゴットを切断する工程を備え、
    前記インゴットを切削する際に、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの前記延伸方向を前記インゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させるとともに、
    前記ワイヤ列に対して前記インゴットを下方から送り込むアッパーカット法、もしくは前記ワイヤ列に対して前記インゴットを上方から送り込むダウンカット法のいずれか一方により前記インゴットを切断することを特徴とする、III族窒化物基板の製造方法。
  5. ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することによりIII族窒化物基板を製造する方法であって、
    前記インゴット及び前記ワイヤ列のうち少なくとも一方を、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつ前記インゴットを切削することにより前記インゴットを切断する工程を備え、
    前記インゴットを切削する際に、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの前記延伸方向を前記インゴットの{1−100}面に対し3°以上に維持できる角度範囲で、前記ワイヤ列を走行させるためのガイドローラーもしくは前記インゴットを切断面内の方向に揺動させることを特徴とする、III族窒化物基板の製造方法。
  6. ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することによりIII族窒化物基板を製造する方法であって、
    前記インゴット及び前記ワイヤ列のうち少なくとも一方を、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつ前記インゴットを切削することにより前記インゴットを切断する工程を備え、
    前記インゴットを切削する際に、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの前記延伸方向を前記インゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させるとともに、
    前記ワイヤ列に含まれるワイヤの負荷張力を12N以上30N以下に設定して前記インゴットを切削することを特徴とする、III族窒化物基板の製造方法。
  7. ワイヤ列を用いて、六方晶系のIII族窒化物結晶からなるインゴットを切断することによりIII族窒化物基板を製造する方法であって、
    前記インゴット及び前記ワイヤ列のうち少なくとも一方を、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの延伸方向と交差する方向に送りながら、砥液を供給しつつ前記インゴットを切削することにより前記インゴットを切断する工程を備え、
    前記インゴットを切削する際に、前記ワイヤ列に含まれるワイヤの前記延伸方向を前記インゴットの{1−100}面に対し3°以上傾斜させ、且つ(0001)面に対する切断面の傾斜角を5°以内とすることを特徴とする、III族窒化物基板の製造方法。
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