JP2009148901A - 高精度凸版 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、版のパターンが印刷時に変形することなく、パターンに忠実に印刷することができる高精度凸版を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明に係る高精度凸版は、凸部7の頂面7aにてインク2若しくはインク硬化物2を授受し、被印刷物5にパターンを形成するための高精度凸版において、凸部は弾性を有する樹脂若しくはゴム系材料で形成されてなり、かつ、凸部の硬度がショアD30以上ショアD80以下の範囲にあり、凸部の高さhであるレリーフ高さが0.3mm以下で凸部の線幅が0.3mm以下であり、かつ、(レリーフ高さ/線幅)が1以下であることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、フレキソ印刷などの凸版印刷に使用する凸版印刷版に関するものである。
従来、表示パネルや回路のパターンなどで微細なサイズのものを形成する場合には一般的にフォトリソ法が用いられてきた。一方、印刷法はフォトリソ法と比較し、処理速度が速い、プロセスに関わる廃棄物が少ない、材料の利用効率が高いなどコスト低減が期待されているが要求に答えきれていなかった。
印刷法の中で特にインクジェット法は下地層へのダメージがなく、所定の場所に所定量の導電性インク等の機能性インクを描画することが可能であり、カラーフィルターなどで実用化が進みつつある。反面、高精細になると描画時間の増大、微細ノズルの詰りなどの問題がある。
これに対して凸版印刷法は、インクジェット法に比べて装置が単純で、一括印刷による印刷時間の短縮と低コストが期待される製造方法である (例えば特許文献1〜3を参照。)。
特開2001‐30644号公報 特開2002‐283756号公報 特開2002‐117755号公報
図1は、印刷機及び凸版印刷法を説明するための概略図である。図2は、凸版印刷版の断面図であり、版のレリーフ高さhを示した。従来、レリーフの先端にインクを付着させ、印刷基板に加圧転写する凸版印刷法が広く普及している。このような凸版の代表例として、版に樹脂材料を使用したフレキソ印刷法を挙げることができる。版が樹脂製であるため、加工が比較的容易であること、版材に柔軟性があるため基板へのダメージ及び重ね刷り時に於いて先に形成されたパターンへ与えるダメージが低減されること、並びに、凸版であるため非画像部にインクが付着しないことなどの特長がある。電子デバイスへの応用を想定した場合は、これらの特長は有利に働く。
しかしながら、微細パターンを印刷形成するための手段としては、凸版及び凸版印刷法は殆ど使用されていなかった。その理由の一つとして従来使用されてきた版の精度が不足し、また、印刷時の精度維持が難しかったからである。
図3は被印刷物へのインクの転写工程を示し、凸版印刷に使用する凸版印刷版と転写時の課題を示す図である。図3に示すように、凸版印刷方式においてはインクの転写を行う工程で印圧を加える。ここで、印圧が加えられるときにレリーフの変形が生じる。まず、図3(a)に示すように版胴4が回転し凸版印刷版のレリーフ7の先端が、被印刷物5に接触し始める。次に図3(b)に示すように版胴4が(a)より回転しレリーフ7の先端が圧縮されるにつれ撓み始め、レリーフ7の先端部が正しい位置から版胴の回転方向と反対の方向へずれる。次に図3(c)に示すように(b)より版胴4が更に回転し、レリーフ7の先端が被印刷物(基板)5に完全に接触する。そして、図3(d)に示すように(c)より版胴4が更に回転し、レリーフ7の根元が被印刷物5と最接近する。インクが転写される図3(b)、(c)、(d)において、レリーフ7の先端部の位置にズレが生じているため、パターンの位置精度、線幅精度が低下する。
印刷版のレリーフ7は図3(d)において最も被印刷物5に押付けられ、レリーフ7の先端に付着したインク(不図示)を基板へ転写するが、押し付けが少ないと被印刷物5に存在する厚みムラ、版のレリーフ7自体の高さのバラツキ、さらには光硬化性樹脂を使用したとき生ずるカッピング現象(図4で示した凸部7の頂面7aが凹に変形している現象)等の理由によって、被印刷物へインクが部分的に転写しないと言う現象が生じる。そこで従来ではこの現象を回避する為、版を基板へ押付けるに際して、レリーフが基板へ接触する位置よりも更に数百μm多く押込んでいた。
そのため版の材料には押込みを可能とする為の柔軟性が必要とされ、一方、版自体には押込みに対応できる厚みが必要とされる。これらより、レリーフ7の先端部の位置ずれはさらに助長される結果となる。更に、図3に示したように印刷を行うと、レリーフが押されてレリーフの頂面の形状が変形し、またラインが曲がるという現象が起こる場合があった。レリーフの頂面の変形を防ぐ対策として、レリーフの頂面にのみ硬度の高い樹脂を配置する方法が考えられるが、その下側がやわらかいと、細線においてはラインが曲がるという現象が見られる場合がある。別の手段としては、図5に示すようにレリーフ断面を台形状にする場合もある。しかし、レリーフとレリーフの隙間を小さくしたい場合レリーフとレリーフの裾が重なり合い、レリーフ深度が浅くなってしまうと言う問題がある。これらは電子デバイスへの応用を想定した場合、問題となる場合がある。
一方、凸版方式で版の変形が問題となる場合は、レタープレスと呼ばれる金属若しくは硬質の樹脂版を使用する場合があるが、特にガラス、金属、セラミックなどの硬い基板へ印刷する場合、被印刷物への当りを均一にすることが難しく、また、重ね刷りを行う場合、先に印刷されたパターンの損傷が問題となる場合がある。
そこで本発明は、被印刷物へインクが部分的に転写しない現象、ラインが曲がるという現象及び先に印刷されたパターンの損傷が生じる現象のいずれも生じさせることない、表示パネルにおける配線の形成、電極の形成、並びに絶縁材料や機能材料を用いた機能素子や回路の形成に最適な印刷版を提供することを課題とする。
本発明者は、前記のような問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明に係る高精度凸版は、凸部の頂面にてインク若しくはインク硬化物を授受し、被印刷物にパターンを形成するための高精度凸版において、前記凸部は弾性を有する樹脂若しくはゴム系材料で形成されてなり、かつ、前記凸部の硬度がショアD30以上ショアD80以下の範囲にあり、前記凸部の高さであるレリーフ高さが0.3mm以下で前記凸部の線幅が0.3mm以下であり、かつ、(レリーフ高さ/線幅)が1以下であることを特徴とする。
本発明に係る高精度凸版では、前記凸部の頂面に窪みが形成されていることが好ましい。マージナル現象を低減できる。
本発明に係る高精度凸版では、金属板若しくは金属シート、ガラス板、樹脂フィルム、樹脂板又はセラミック板の中から選択されるいずれかの支持体上にレリーフが形成されている形態を含む。ベース層とレリーフが一体となった樹脂製凸版のみならず、ベース層が上記支持体であってもよい。
本発明に係る高精度凸版は、凸部形成面の裏面側にクッション層を設けた形態を含む。被印刷物が硬く、クッション性がない場合はレリーフが均一に当たりにくいが、このような場合であっても均一なタッチを実現できる。
本発明の印刷版を用いてパターン形成を行えば、印刷時の版のレリーフの変形を抑えることができ、特に細線の変形が抑制され、印刷法による電子デバイス(配線、電極、絶縁材料や機能材料による機能素子や回路の形成)への応用が可能となる。
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。本発明の効果を奏する限り、種々の形態変更をしてもよい。
まず、本実施形態に係る高精度凸版について図1及び図2を参照しながら説明する。本実施形態に係る高精度凸版8は、凸部(以下、「レリーフ」ともいう)7の頂面7aにてインク2若しくはインク硬化物2を授受し、被印刷物5にパターンを形成するための高精度凸版において、凸部7は弾性を有する樹脂若しくはゴム系材料で形成されてなり、かつ、凸部7の硬度がショアD30以上ショアD80以下の範囲にあり、凸部7の高さであるレリーフ高さ(レリーフ深度ともいう)hが0.3mm以下で凸部7の線幅が0.3mm以下であり、かつ、(レリーフ高さ/線幅)が1以下である。なお、高精細凸版における高精度とは、印圧によるレリーフの撓み、例えば倒れや凸部の頂面の変形を防ぎ、レリーフパターンにより忠実な印刷パターンが得られることであり、プリンタブルエレクトロニクス用途の要求に応えるものである。
レリーフ高さhに関しては、フォトポリマー版材で生じるカッピング現象(図4に示したように硬化時に凸部7の頂面7aの中央が周辺部とくらべ凹む現象)や、印刷時に版と被印刷物が接触する際に生じるレリーフの変形(図3に示したように版胴の回転と反対の方向へずれるような変形)を抑制するため0.3mm以下とする。レリーフ高さhは0.25mm以下とすることが好ましい。レリーフ高さhが0.3mmを超えると、レリーフ変形を抑制しきれなくなる。また、レリーフ高さは非画像部が被印刷物に接触しないこと並びに印刷機の精度上の観点からもレリーフの厚みは10μm以上が好ましい。
また、本実施形態に係る高精度凸版では、細線の画素パターンを印刷する高精度凸版の要求を満たすために、凸部7の線幅が0.3mm以下とする。凸部7の線幅は0.25mm以下とすることが好ましい。凸部7の線幅が0.3mmを超えると、画素パターンが大きくなり、版材料樹脂の硬化時に生じる収縮の影響が現れるため、高精度凸版としての要求に応えられない。
このとき、レリーフの撓みによる精度低下を防止する観点から、(レリーフ高さ/線幅)は1以下とし、さらに0.85以下とすることが好ましい。なお、(レリーフ高さ/線幅)が1より大きいと、レリーフが撓み易くなるという問題がある。
また、図6に示すように、この版の凸部7の頂面7aに窪み9が形成されてもよい。マージナル現象を低減できる。
凸部7は弾性を有する樹脂若しくはゴム系材料で形成されてなるが、この樹脂若しくはゴム系材料はインクに対して耐薬品性を有しており、かつ、弾性の指標として凸部7の硬度がショアD30以上ショアD80以下の範囲にあれば、いかなる樹脂若しくはゴム系材料を使用してもよい。凸部7の硬度がショアD30未満であると、レリーフが撓み易くなり、変形を招く。一方、ショアD80を超えると凸部7の頂面7aと被印刷物5とを均一に接触させることが難しくなり、また、重ね刷りをすると先に印刷されたパターンに傷を付ける恐れがある。凸部7の硬度はより好ましくは下限がD35であり、上限はD67である。なお、ショアD硬度の準拠規格はJIS K 7215である。
版の構成に関しては、一般的な樹脂版では凸部7(レリーフ)と同じ材料でベース層12を作る。しかし、これとは異なる支持体上へレリーフを形成してもよい。具体的には、本実施形態に係る高精度凸版では、金属板若しくは金属シート、ガラス板、樹脂フィルム、樹脂板又はセラミック板の中から選択されるいずれかの支持体上にレリーフが形成されている形態を含む。版の製造方法又は被印刷物に応じて適宜支持体の種類を選択する。
被印刷物にクッション性が無く均一な当りが得られない場合は、凸部形成面の裏面側にクッション層を設けても良い。このとき、凸部とベース層が一体の場合には、ベース層の裏面側にクッション層を設ける。支持体上に凸部を設けた場合には、支持体の裏面側にクッション層を設ける。ベース層は支持体と一体となるように設けても、印刷機の版胴上に取り付けても、或いは、版を版胴に取り付けるときのそれらの間に挟み込んでもよい。これによってレリーフ硬度がショアD30からショアD80の範囲にあってもキスタッチで均一な当りを実現できる。このクッション層の厚みは0.05mmから2mmが好ましい。0.05mmよりも薄すぎるとクッション効果が期待できない場合がある。一方、2mmより厚いと版を版胴4へ取り付けるときの応力や印刷時の応力によって面方向の位置ずれが生じて、面方向の位置精度維持が難しくなる場合がある。また、クッション層はレリーフを構成する材料よりも軟らかいことが好ましく、その硬度はデュロメータータイプDにて20以上低いことが好ましい。
次に版の製作方法について述べる。パターンの形成方法は、(1)光により形成する方法、(2)型から複製する方法、(3)彫刻により形成する方法、がある。
(第1の方法:光により形成する方法)
光により形成する方法では感光性樹脂が使用可能であり、次の方法が挙げられる。通常の感光性樹脂を用いた方法であり、レリーフの形状に合わせ、光を透過しそれ以外の部分では透過しないネガフィルムを準備する。露光前が液状の感光性樹脂を用いる場合、このネガフィルムをガラス板の表面に積層後、その上に液状の感光性樹脂を塗布し、その表面に支持体を積層し、更にその表面にガラス板を積層する。なお感光性樹脂層の厚みは所定の寸法になるよう設定する。次いでランプを用い紫外線を照射するが、支持体が透明な場合は、上側のガラス板とベースフィルムを介して紫外線を照射すると共に、下側のガラス板とネガフィルムを介して紫外線を照射する方法、或いは、下側のガラス板とネガフィルムを介してのみ紫外線を照射する方法がある。一方、支持体が不透明な場合は、下側のガラス板とネガフィルムを介してのみ紫外線を照射する方法をとることができる。
画像露光用の照射光源は公知の高圧水銀灯、ケミカルランプ、UV-LED等が使用可能である。上記液状感光性樹脂からなる層の上面全体から入った光(上面から露光する場合のみ)と、ネガフィルムの光を透過する部分を透過した光が所定量届いた部分が硬化される。なお、感光性樹脂からなる層の上面とは、凸部を設ける面とは反対の面のことである。硬化後、上下のガラス板、ネガフィルムを取り除き、未硬化部分を洗浄除去し、レリーフ形成側に紫外線を照射し硬化を促進し、印刷用版とする。
別の方法として、レリーフ形成のため、感光性樹脂を硬化可能な波長のレーザー光源を用い、硬化に必要な光量を走査露光しても良い。常温で液状タイプでなく常温で固溶体状の感光性樹脂を用いる場合、加熱して所定の厚みに成形するか或いは溶剤に溶解してベースフィルムへ所定の厚みとなるよう塗布し乾燥したのち、同様に画像露光以降の前記操作を行えばよい。
さらに、上記はネガタイプの感光性樹脂を使用した際の製作方法であるが、ポジタイプの感光性樹脂をポジフィルムと共に用いることも可能である。
凸部の頂面に窪みが形成された版は、上記方法でレリーフの形状に合わせ、窪みに相当する部分及びレリーフに相当しない部分において光を透過せず、それ以外の部分では透過するネガフィルムを準備し製版を行うことができる。
また、フォトマスク上に予め型を作製しておき、窪みの深さをより正確に制御する方法もとれる。例えば、上記ネガフィルム上に微小窪みの深さに相当する膜厚でポジタイプの感光性樹脂を被着し、フィルム側から紫外線を照射し、露光部分を現像処理したものである。これにより、ネガフィルムの遮光部上に微小窪みに対応した微小突起が形成される。このネガフィルム上に形成した型上に、さらにネガタイプの感光性樹脂を所望のレリーフ厚みに応じて塗布し、その表面にベースフィルムを積層する。次いでネガフィルム及び型を通して下側から紫外線を照射し、ネガフィルム及びモールドを取り除き、未硬化部分を洗浄除去することで、ベースフィルム上に微小窪みを有するレリーフを精度良く形成することができる。この際、拡散反射率の比較的高いベースフィルムを使用することにより、入射紫外線がベースフィルム表面で拡散反射し、レリーフ部全体の硬化を促進させることができる。尚、ネガフィルムに型を確実に被着させるために、ネガフィルム表面に紫外線透過性を有する市販の接着剤(ゴム系、ポリエステル系、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系、シラン系など)のコーティング処理を行うこと、ハードコート(アクリル系など)などの各種コーティング材を接着層としてネガフィルム表面に設けること、又は、ネガフィルム表面についてカップリング剤等による表面処理を行うことができる。
(第2の方法:型から複製する方法)
型から複製を作製する方法としては次の方法を挙げることができる。パターンに対応した型を作製し、レリーフが樹脂製であることにふさわしい方法で型取りする。方法としては、1)光硬化法、2)熱硬化法、を採用することができる。または3)加熱した型を樹脂に押し付け、パターンに相当する形状を付与する熱転写法(冷却凝固法ともいう)、でも良い。1)には感光性樹脂、2)には室温で液体若しくは固溶体状の熱硬化性樹脂、3)には熱可塑性樹脂が使用可能である。型は、採用する加工方法、解像度により公知のものから選択すればよい。金属金型、Si型、石英型、SiC型、Ni電鋳型、樹脂型などが使用可能である。
(第3の方法:彫刻により形成する方法)
彫刻により形成する方法としては、次の方法を挙げることができる。架橋されたゴム系材料や、硬化された熱硬化性樹脂、同じく硬化された光硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂などに対応可能である。固体の版材料を彫刻する方法としては、レーザーによる彫刻方式を挙げることができる。現実的には必要とする形状の寸法に応じてレーザーを使い分ければよい。炭酸ガスレーザー、YAG3倍波若しくは4倍波レーザー、又はエキシマレーザーなどの各種レーザーを解像度や彫刻性に応じて選定して彫刻することができる。この方法を用いれば、レリーフの頂面と溝部の表面自由エネルギーが異なる組み合わせの版も作ることができる。レリーフ先端層とその下の層とで異なる材料を積層する、異なる材料を塗布し重ねる、或いは、プラズマ処理を行うなどの各種方法で、レリーフ先端層とその下の層で表面自由エネルギーの異なる組み合わせを作り、レーザーで下の層まで達するよう彫刻する方法を採ることもできる。
以下に本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明は実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
図7のようにライン/スペース(L/S 30μm/30μm、ライン長さ50mm)形状において、厚さ2.3mmの石英クロムマスクを用意した。マスク表面に12μm厚OPP(旭化成製)フィルムを重ね、この上に旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂APR−G31 ショアD35を30μmの厚み((レリーフ高さ/線幅)=1)になるようにSRB装置を用いて塗布した後、塗布上面にベースフィルムとして厚み150μmのステンレスシート(SUS304)を裏打ちした。尚、ステンレスシートは信越化学工業社製シランカップリング剤(KBM−503)により表面処理したものを用いた。露光は石英クロムマスク側からオーク社製平行光露光装置を用いて露光量250mj/cmで行った。マスクからベースフィルムを剥離し、洗浄液(旭化成製 ウォッシュアウト剤)を使用して洗浄し、後露光を行い、印刷版1を得た。なお、レリーフの硬度はデュロメーター(テクロック社製、GS−710型、5mmt、デュロメータータイプD(GS‐702N))で60秒値の条件で測定した(以降の実施例についても同様とした)。
[実施例2]
ライン/スペース(L/S 300μm/300μm、ライン長さ50mm)の石英クロムマスクを準備し、旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂APR−G31 ショアD35を300μmの厚み((レリーフ高さ/線幅)=1)になるようにSRB装置を用いて塗布し、露光量を500mj/cmとした以外は実施例1と同様にして印刷版2を得た。
[実施例3]
実施例1の旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂をFP‐75B ショアD67へ変更した以外は、実施例1と同様にして印刷版3を得た。
[実施例4]
実施例2の旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂をFP‐75B ショアD67へ変更した以外は、実施例1と同様にして印刷版4を得た。
[実施例5]
実施例2の旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂APR−G31 ショアD35を30μmの厚み((レリーフ高さ/線幅)=0.1)になるようにSRB装置を用いて塗布し、露光量250mj/cmとした以外は実施例1と同様にして印刷版5を得た。
[比較例1]
実施例1において、旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂APR−G31(ショアD35)を60μmの厚み((レリーフ高さ/線幅)=2)になるようにSRB装置を用いて塗布した以外は同様にして印刷版6を得た。
[比較例2]
実施例2において、旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂APR−G31(ショアD35)を600μmの厚み((レリーフ高さ/線幅)=2)になるようにSRB装置を用いて塗布した以外は同様にして印刷版7を得た。
[比較例3]
実施例1において、旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂をより硬度の小さいAPR−F320(ショアD29)へ変更し、30μmの厚み((レリーフ高さ/線幅)=1)になるようにSRB装置を用いて塗布した以外は同様にして印刷版8を得た。
[比較例4]
図7のようにライン/スペース(L/S 1500μm/1500μm)の線幅の大きい形状のマスクを準備し、旭化成ケミカルズ社製ネガ型液状感光性樹脂APR−G31(ショアD35)を1500μmの厚み((レリーフ高さ/線幅)=1)になるようにSRB装置を用いて塗布し、露光量を1000mj/cmとした以外は同様にして印刷版9を得た。
得られた実施例の印刷版1から5並びに比較例の印刷版6から9を用いて印刷を行った結果、ラインの直線性やレリーフの先端層の当りの均一性は実施例の方が良好であった。
加えて印刷版9は、カッピング現象が見られ、印圧を上げざるを得ない為、用途である電子デバイス印刷には向かないことが確認できた。
本発明の版を用いると、印刷時にレリーフ先端の変形、レリーフの撓みによるラインの曲がりや位置精度の悪化、レリーフ先端の当りの不均一化を防ぐことができ、版のパターンに忠実な高精細なパターン印刷に適応でき、電子デバイス関係の例えば表示パネルやプリント配線板等の応用に大いに寄与することが可能となる。
印刷機及び凸版印刷法を説明するための概略図である。 一般的な凸版印刷版の断面図であり、版のレリーフ高さを示した。 凸版印刷に使用する凸版印刷版と転写時の課題を示す図であり、レリーフの変形を示す。(a)版胴が回転し凸版印刷版のレリーフ先端が、被印刷物に接触し始めた状態を示す。(b)版胴が(a)より回転しレリーフ先端が圧縮されるにつれ撓み始めた状態を示す。(c)は(b)より版胴が更に回転し、レリーフ先端が被印刷物に完全に接触した状態を示す。(d)は(c)より版胴が更に回転し、レリーフ根元が被印刷物と最接近し、その先端部分がレリーフ直下から版胴の回転と反対の方向へずれた状態を示す。 版のレリーフ上にカッピン現象が生じた状態を示す。 版のレリーフの断面形状が台形形状で、レリーフの裾が重なりレリーフ高さが浅くなった状態を示す。 版のレリーフ上に窪みが形成された状態を示す図であり、(a)は断面図、(b)は凸部の頂面の拡大平面概略図である。 実施例で用いたマスクの形態例を示す図である。
符号の説明
1 印刷機の被印刷物を設置するテーブル
2 インク
3 アニロックスロール
4 版/版胴
5 被印刷物(基板)
6(h)凸部の高さ(レリーフ深度)
7 凸部(レリーフ)
7a 凸部の頂面
8 版
9 窪み
10 ライン
11 スペース
12 版のベース

Claims (3)

  1. 凸部の頂面にてインク若しくはインク硬化物を授受し、被印刷物にパターンを形成するための高精度凸版において、
    前記凸部は弾性を有する樹脂若しくはゴム系材料で形成されてなり、かつ、前記凸部の硬度がショアD30以上ショアD80以下の範囲にあり、前記凸部の高さであるレリーフ高さが0.3mm以下で前記凸部の線幅が0.3mm以下であり、かつ、(レリーフ高さ/線幅)が1以下であることを特徴とする高精度凸版。
  2. 前記凸部の頂面に窪みが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高精度凸版。
  3. 金属板若しくは金属シート、ガラス板、樹脂フィルム、樹脂板又はセラミック板の中から選択されるいずれかの支持体上にレリーフが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の高精度凸版。
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