JP2009142789A - 排ガス浄化用触媒担体及びその製造方法、排ガス浄化用触媒、並びに排ガス浄化用ハニカム触媒構造体 - Google Patents

排ガス浄化用触媒担体及びその製造方法、排ガス浄化用触媒、並びに排ガス浄化用ハニカム触媒構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、リーン雰囲気でも高い三元触媒活性を示し、加速や減速等によって排ガス成分が大きく変化した場合でも効率よく浄化できる排ガス浄化用触媒担体及びその製造方法、排ガス浄化用触媒、並びに排ガス浄化用ハニカム触媒構造体を提供することである。
【解決手段】アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物であり、前記酸化物の結晶相が2種類以上の相を含む排ガス浄化用触媒担体、前記排ガス浄化触媒担体に触媒を担持してなる排ガス浄化触媒、前記排ガス浄化触媒をハニカム内壁に被覆してなる排ガス浄化用ハニカム触媒構造体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃焼機関の排ガス浄化用触媒担体及びその製造方法、排ガス浄化用触媒、並びに排ガス浄化用ハニカム触媒構造体に関する。
自動車エンジン等の内燃機関から排出されるガス中には一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)が含まれており、それらを二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、水(H2O)に変換して、CO、NOx、及びHCの排出量を低減させる触媒技術が一般に知られている。
自動車排ガス等の内燃機関から排出されるガス中のCO、NOx、HCを全て浄化する触媒として三元触媒があり、前記触媒には、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の貴金属を組み合わせた金属触媒が広く使用されている。これら金属触媒は、そのまま触媒として使用されるのではなく、通常、活性アルミナ(γ-アルミナ、ρ-アルミナ、χ-アルミナ、η-アルミナ、δ-アルミナ、κ-アルミナ、θ-アルミナ、無定形アルミナ等)系酸化物の微粒粒子の表面に担持された触媒として使用される。前記活性アルミナ等の酸化物微粒子は、金属触媒の担体として、金属粒子を高分散化して凝集を防ぎ、有効な金属触媒の表面積を維持する目的で使用される。このように、貴金属等の触媒金属を活性アルミナに担持した触媒は、更に、金属あるいはセラミックスのハニカムの内壁にウォッシュコート(被覆)され、触媒コンバーター(ハニカム触媒構造体)として使用される。
近年の排ガス規制の強化に伴い、触媒の高活性や高寿命等の性能を向上すべく、触媒金属及びその担体酸化物についてそれぞれ検討されている。担体酸化物については、上記の活性アルミナだけではなく、以下のように、その他の酸化物も検討されている。
三元触媒は、理論空燃比付近で有効に働くが、その有効に働く空燃比幅(ウィンド)を拡大すべく、セリウム酸化物等の酸素吸蔵材料を担体の一部として触媒性能を向上させることも行われている。貴金属/活性アルミナ系酸化物触媒にセリアを適量添加する方法が、例えば、特許文献1に開示されている。セリアによる酸素吸蔵能を付与してリーン(lean、燃料希薄混合)からリッチ(rich、燃料過剰混合)までの幅広い領域で触媒性能が発揮できる(広いウィンド)触媒が開発されている。
また、セリア以外の酸化物として、複合酸化物も担体として検討されており、特に、希土類元素を含むペロブスカイト構造の複合酸化物が多い。例えば、特許文献2では、三元触媒の活性向上、特に活性の耐久性向上を目的として、それぞれ、Laを含むLaAl1-xx3 (M:1〜5族、12〜14族の元素)のペロブスカイト型複合酸化物にPdを担持した触媒が開示されている。また、特許文献3では、同様に高い触媒活性を得るために、特に、低温活性の向上を図るために、(La,Sr)FeO3や(La,Sr)MnO3のような希土類元素を含むペロブスカイト型複合酸化物に貴金属元素を担持させることが開示されている。さらに、前記(La,Sr)FeO3や(La,Sr)MnO3の組成や添加元素を検討し、その耐久性や耐熱性の改善も図られている(特許文献4)。さらに、貴金属の触媒活性の耐久性を向上するために、貴金属Rhがペロブスカイト格子に取り込まれたLa(Fe,Rh)O3等の複合酸化物が開示されている(特許文献5、6)。以上のように、ペロブスカイト型複合酸化物は、多くの種類の元素を選択でき、担体として設計幅が広い酸化物であるが、三元触媒の触媒性能を効果的に向上させるには、La等の希土類元素が必須となっている。金属触媒を担持する担体の酸化物、特に、貴金属触媒を使用する場合には、担体とする酸化物は原料コストが低いものが望まれる。即ち、希土類元素のような高価な原料を使用しない酸化物を担体とすることが望ましい。
希土類元素を含まない酸化物を担体とした例としては、例えば、特許文献7に開示されている。具体的には、希土類元素を含まないAMxy(A:アルカリ金属又はアルカリ土類金属、M:Fe、Co又はNi)複合酸化物、特に、スピネル型AMxy複合酸化物を貴金属と組み合わせて、ディーゼルエンジン等の排ガス中の微粒子状炭素物質と窒素酸化物を除去するのに効果的であるとされている。また、特許文献8では、直接的な三元触媒ではないが、排ガス浄化触媒の助触媒等の酸素ストレージ材として、SrFeO3やCaFeO3等のATO3(A:アルカリ土類金属、T:遷移金属)の複合酸化物を担体として触媒金属を担持し、前記担体に酸素を吸収、放出させることが開示されている。
特開昭54-159391号公報 特開2005-205280号公報 特開2006-36558号公報 特開2003-175337号公報 特開2004-41866号公報 特開2004-41867号公報 特開2005-66559号公報 特開2006-176346号公報
従来の三元触媒は、排ガス中のCO、HC、及びNOxを効率よく浄化するために、Ptを主とした貴金属(Pt以外には、Rh、Pd)が使用されている。更に、上述のように、エンジンに供給される空気と燃料の混合比(空燃比)に対してより幅広い範囲で触媒活性を示すように、酸素吸蔵能を有するセリア等の酸化物が担体として使用されている。即ち、理論空燃比より大きいリーン雰囲気(酸素過剰の雰囲気)では、HCとCOの浄化率が高くなり、逆に理論空燃比より小さいリッチ雰囲気(燃料過剰の雰囲気)では、NOxの浄化率が高い。セリア等の酸化物は、リッチ雰囲気では気相中に酸素を放出し、リーン雰囲気では気相中の酸素を吸蔵して、貴金属近傍の雰囲気変動を抑制し、その結果として触媒活性ウィンドを広げるものである。しかしながら、セリア等の酸化物を使用しても、その酸素吸蔵能には限界があるために、リーン雰囲気が連続して続くと過剰の酸素を吸収できなくなり、NOxの浄化が進まなくなる。反対に、リッチ雰囲気が連続して続くと吸蔵していた酸素を放出してしまい、ある時点から酸素を放出できなくなり、HCやCOの浄化が進まなくなる。したがって、セリア等の酸化物を使用した場合には、適度なサイクルでリーンとリッチを繰り返さないと効果的な排ガス浄化が出来ないという問題がある。実際には、燃費向上を考えると、リーン条件でエンジンを運転する傾向となるので、リーン雰囲気でも高い触媒活性を示すものが必要である。また、加速や減速等によって、CO、HC、NOxの発生量が急激に大きく変化する場合には、前記従来の触媒ではその処理能力に限界がある。
特許文献3〜7では、セリア以外の酸化物が担体として検討されているが、リーン雰囲気でも高い触媒活性とする担体は開発されていない。例えば、特許文献7では、希土類元素を含まない複合酸化物として、AMxy(A:アルカリ金属又はアルカリ土類金属、M:Fe、Co又はNi)複合酸化物、特に、スピネル型AMxy複合酸化物を貴金属と組み合わせて排ガス浄化触媒としているが、ディーゼルエンジン等の排ガス中の微粒子状炭素物質と窒素酸化物を除去するものであり、リーン雰囲気でも触媒活性を示す三元触媒とできること示唆されていない。また、前記複合酸化物は、単相とすること、特に、スピネル単相とすることで、ディーゼルエンジンの排ガス浄化の触媒活性に優れるとされている。
しかしながら、発明者らの詳細な検討では、前記複合酸化物を単相、例えば、スピネル単相で貴金属触媒を担持して三元触媒とした場合、リーン雰囲気では十分な触媒活性が得られないことが分かっている。また、加速や減速にともなって排気ガス成分が大きく変化する場合にも十分処理できない場合がある。
また、特許文献8には、ATO3(A:アルカリ土類金属、T:遷移金属)の複合酸化物を担体として触媒金属を担持して酸素ストレージ材とすることが示され、特に、SrFeO3やCaFeO3等の単相とすると優れた酸素ストレージ材として助触媒に有効であることが示されている。しかしながら、前記と同様に、発明者らの詳細な検討では、これら単相の複合酸化物では、貴金属触媒を担持して三元触媒とした場合、リーン雰囲気では十分な触媒活性が得られないことが分かっている。また、同様に、加速や減速にともなって排気ガス成分が大きく変化する場合にも十分処理できない場合がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リーン雰囲気でも高い三元触媒活性を示し、加速や減速等によって排ガス成分が大きく変化した場合でも効率よく浄化できる排ガス浄化用触媒担体及びその製造方法、排ガス浄化用触媒、並びに排ガス浄化用ハニカム触媒構造体を提供することである。
本発明者らは、アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物であり、前記酸化物の結晶相が2種類以上の複数相を含む複合酸化物を触媒担体として用いることによって、リーン雰囲気でも三元触媒活性が高く、また、加速や減速等によって排ガス成分が大きく変化した場合でも効率よく浄化できる、優れた排ガス浄化ができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の要旨とするものである。
(1)アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物であり、前記酸化物が2種類以上の相を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒担体。
(2)前記アルカリ土類金属Mと、前記FeとCoとの総量とのモル比が、0.09≦M/(Fe+Co)≦0.95であることを特徴とする(1)記載の排ガス浄化用触媒担体。
(3)前記酸化物が、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)O3-δ、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)24-δ、(Ba1-ySry7(Co1-zFez)1022-δ、又は(Ba1-ySry)(Co1-zFez)1219-δ(ここで、y及びzはそれぞれ0〜1であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)の結晶相を1種以上含むことを特徴とする(1)又は(2)記載の排ガス浄化用触媒担体。
(4)前記酸化物が、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)O3-δ、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)24-δ、(Ba1-ySry7(Co1-zFez)1022-δ、又は(Ba1-ySry)(Co1-zFez)1219-δ(ここで、y及びzはそれぞれ0〜1であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)の結晶相を2種以上含むことを特徴とする(1)又は(2)記載の排ガス浄化用触媒担体。
(5)前記酸化物の結晶相が第1の相と、1種類または2種類以上の他の相を含み、前記他の相が0.5モル%以上含まれることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒担体。
(6)前記酸化物の結晶相が第1の相と、1種類または2種類以上の他の相を含み、前記他の相が5モル%以上含まれることを特徴とする(5)に記載の排ガス浄化用触媒担体。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒担体に、貴金属を担持してなることを特徴とする排ガス浄化触媒。
(8)前記貴金属が、Pd、Rh、Ag、又はAuの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする(7)記載の排ガス浄化用触媒。
(9)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒担体に、貴金属を担持し、前記貴金属を担持した触媒担体を金属又はセラミックスハニカム内壁に被覆したことを特徴とする排ガス浄化用ハニカム触媒構造体。
(10)上記(7)又は(8)に記載の排ガス浄化触媒を、金属又はセラミックスハニカム内壁に被覆したことを特徴とする排ガス浄化用ハニカム触媒構造体。
(11)アルカリ土類金属Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は硝酸塩の1つ以上と、Feの酸化物若しくはCoの酸化物、又はFeの酸化物とCoの酸化物の両方とを、混合し、600℃〜1200℃の温度で仮焼して、2種類以上の酸化物相を形成することを特徴とする排ガス浄化用触媒担体の製造方法。
(12)アルカリ土類金属Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は硝酸塩の1つ以上と、Feの酸化物若しくはCoの酸化物、又はFeの酸化物とCoの酸化物の両方との混合に関し、アルカリ土類金属Mと、FeとCoとの総量とのモル比が、0.09≦M/(Fe+Co)≦0.95となるように混合することを特徴とする(11)に記載の排ガス浄化用触媒担体の製造方法。
以上のように、本発明によれば、リーン雰囲気でも高い三元触媒活性を示し、また、加速や減速等によって排ガス成分が大きく変化した場合でも効率よく浄化できる、優れた排ガス浄化能が得られる。また、担体に高価な希土類元素を含まないので、低コスト化が図れる。更に、三元触媒として白金を使用しなくても、高い触媒活性とすることができ、低コスト化が図れる。
本発明の排ガス浄化用触媒担体は、アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物であり、前記酸化物の結晶相が2種以上の相を含むものである。前記成分系の複合酸化物は、これまで単相で触媒担体として検討され、少なくとも活性アルミナ担体程度の性能を示しているが、本発明者らは、更に、前記複合酸化物を複数の結晶相とすることによって、リーン雰囲気でも三元触媒活性が高く、また、加速や減速等によって排ガス成分が大きく変化した場合でも効率よく浄化できる、極めて優れた排ガス浄化できることを見出した。また、前記のように、排ガス浄化性能が向上できるので、担時する触媒金属の量を低減することもでき、触媒金属の種類を少なくすることもできる。触媒金属の量を少なくしたり、触媒金属の種類を少なくしたりしても十分な排ガス浄化が行うことができる。
本発明において、アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物の結晶相が含む相とは、アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物からなる化合物の種類が互いに異なる各々の相のことをいう。すなわち、異なる相(化合物)とは、後述の例示のように、お互いにアルカリ土類金属Mと(Co、Fe)との組成比が異なる化合物である。M中の複数のアルカリ土類金属のそれぞれの比や、CoとFeの比が異なるだけでは異なる化合物(相)とは言わない。また、同じ化合物であるが結晶構造が異なる場合は、本発明では結晶相の相が異なるとは言わない。
アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する複合酸化物の各結晶相をそれぞれ単独(単相)で触媒担体として三元触媒を担持した場合、COの酸化反応、HCの酸化反応、HCの部分酸化反応、NOx還元反応、部分酸化HCを還元剤としたNOx還元反応に作用する三元触媒の触媒効果が前記結晶相によって異なったり、各相によって触媒作用温度域が異なったり、各相によって空燃比(A/F)のウィンド領域が異なったりする。これは、触媒担体が、単に金属粒子を高分散化して凝集を防ぎ、有効な金属触媒の表面積を維持する効果だけでなく、担持した触媒金属粒子の電子状態や特性を変化させ、触媒作用や触媒効果にも影響することによるものである。したがって、前記複合酸化物を単相でみると、特定の条件では触媒効果が優れているが、その触媒効果を発揮する範囲が限定される。しかし、前記複合酸化物を複数相とすることにより、触媒効果の最大値は単相の場合ほど大きくならないが、触媒効果を発揮する範囲が広くなり、実際の負荷変動するエンジンの排ガス浄化に対しては優れた排ガス浄化性能を示すことになる(図1)。図1を参照して説明すると、図1は単相の排ガス浄化用触媒担体と複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体を使用した排ガス浄化触媒の排ガス浄化性能と温度、A/F、濃度等の条件との関係を表し、図1において、1は単相の排ガス浄化用触媒担体を使用した場合の排ガス浄化能曲線、2は単相の排ガス浄化用触媒担体を使用した場合の排ガス浄化能幅、3は複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体を使用した場合の排ガス浄化曲線、4は複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体を使用した場合の排ガス浄化能幅、5は複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体の中で、1つの結晶相が果たす排ガス浄化曲線である。
すなわち、負荷変動するエンジンの排ガス(モード試験等)では、排ガスの成分、温度、A/F等の変動が常にあり、特定の条件での排ガス浄化に優れるよりは、幅広い条件での排ガス浄化が総合的に優れた排ガス浄化性能となるからである。
本発明において、結晶相が2種類以上(複数)の相を含むということは、例えば、第1の結晶相と第2の結晶相が存在する場合、第2の結晶相が結晶相全体の0.5モル%以上含まれるものである。第2の結晶相が、0.5モル%未満では、第1の結晶相の単相とほぼ同程度の性能となり、複数の結晶相としている相乗効果が得られない。1つの結晶相と他の1又は2以上の結晶相が存在し、前記他の1又は2以上の結晶相が3モル%以上または5モル%以上であること、あるいは9モル%以上、さらには12モル%以上であることが好ましい場合がある。20モル%以上であることも可能である。
また、前記複数の結晶相を含むということは、触媒担体の粒子1つが1つの結晶相であって、結晶相の異なる粒子が複数混在しているものであってもよいし、触媒担体の粒子1つに複数の結晶相が含まれていてもよい。特に、触媒担体の粒子1つに複数の結晶相が含まれる場合に、優れた排ガス浄化性能が得られる。これは、複数の結晶相から構成する粒子に触媒金属粒子が担持されると、触媒金属の触媒活性が向上することによるものと考えられる。また、例えば、NOxを還元するために有効なHCの部分酸化物を形成するのに優れた触媒活性を示す部分と、前記部分酸化されたHCによってNOxを還元するのに優れた触媒活性を示す部分が1つの粒子表面で隣接することによって効率よく排ガス浄化を行うことができるというように、触媒反応によって生成する副成分が次の反応に連鎖する有効成分として働く場合には、1つの粒子に複数の結晶相を含んでそれぞれが異なる触媒活性を示すことで優れた排ガス浄化が得られるものと考えられる。
前記排ガス浄化触媒担体において、アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物に関し、前記アルカリ土類金属Mと、前記FeとCoとの総量とのモル比が、0.09≦M/(Fe+Co)≦0.95であると、浄化効率がより高くなり、より好ましい。M/(Fe+Co)のモル比が、0.09未満では、CO、HC、及びNOxの全てを(三元)効率よく浄化できない場合がある。一方、M/(Fe+Co)のモル比が、0.95を越えても、CO、HC、及びNOxの全てを(三元)効率よく浄化できない場合がある。0.15≦M/(Fe+Co)あるいはM/(Fe+Co)≦0.90であることが好ましい場合もある。
アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物としては、例えば、一般式でM(Co,Fe)mnとして表されるものが挙げられる(ここで、sは下記のように整数である。)。具体的な例としては、例えば、M(Co1-zFez)O3-δ、M(Co1-zFez)24-δ、M7(Co1-zFez)1022-δ、M5(Co1-zFez)28-δ、M2(Co1-zFez)O4-δ、M3(Co1-zFez)26-δ、M5(Co1-zFez)1426-δ、M2(Co1-zFez)611-δ、M(Co1-zFez)47-δ、M2(Co1-zFez)1422-δ、M3(Co1-zFez)3251-δ、M4(Co1-zFez)917-δ、M1(Co1-zFez)35-δ、M3(Co1-zFez)1525-δ、M3(Co1-zFez)49-δ、及びM(Co1-zFez)1219-δ(ここで、zは0〜1で、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)等である。zは特に限定されないが、好ましい範囲は1〜0.5である。
前記アルカリ土類金属Mとしては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、及びRaが挙げられる。前記アルカリ土類金属は、1種又は2種以上使用できる。Fe、Coとの複合酸化物の形成しやすさから、好ましいのは、Mg、Ca、Sr、Baである。
排ガス浄化触媒用担体として更に好ましいのは、前記酸化物が、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)O3-δ、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)24-δ、(Ba1-ySry7(Co1-zFez)1022-δ、又は(Ba1-ySry)(Co1-zFez)1219-δ(ここで、y及びzはそれぞれ0〜1であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)の結晶相を1種以上含む排ガス浄化用触媒担体である。これらの結晶相を2種以上含むことがさらに好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒担体の複合酸化物は、アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物だけからなることが好ましい。
前記複合酸化物の結晶相は、酸化物の結晶解析方法で分析できるものである。例えば、X線回折法、電子線回折法、中性子線回折法等を使用して、結晶相を判定、定量できる。
本発明の触媒担体の粒子サイズは、触媒金属を効果的に担持するためには、数平均粒径で0.5 〜5.0μmの範囲が好ましい。1.0〜3.0μmの範囲がより好ましい。平均粒径が0.5μm未満では、粉砕等による粒径調製に時間がかかり、経済的ではない場合がある。一方、平均粒径は5.0μmを超えると、触媒金属を均一に分散担持することは難しくなり、触媒金属が多量に必要となる場合がある。また、前記粒子の比表面積は、前記と同様に触媒金属を効果的に担持するために、1〜20m2/gの範囲が好ましい。2〜8m2/gの範囲がより好ましい。比表面積が1m2/g未満では、触媒金属を高分散できなかったり、触媒金属の凝集が起こったりする場合がある。一方、比表面積が20m2/gを超えると、触媒担体を調製するが経済的でなかったり、スラリー調製の際に分散させるのが難しかったりする場合がある。
本発明の排ガス浄化用触媒担体は、通常の三元触媒用に使用される金属を担持して使用できる。前記触媒金属としては、例えば、Pt、Pd、Rh、Ag、Ir、In、Au等が挙げられる。前記触媒金属の中で、排ガス浄化性能のより優れるという点では、好ましくは、貴金属であり、更に好ましくは、Pd、Rh、Ag、又はAuの中から選ばれる1種以上である。
また、担持する触媒金属の粒子サイズは、数平均粒径で1〜3nmの範囲がより好ましく、より高い触媒活性を示す。前記貴金属の担持量は、特に限定しないが、前記複合酸化物100質量部に対して0.05〜2.0質量部が好ましい。100質量部に対して0.2〜1.2質量部がより好ましく、0.2〜0.9質量部がさらに好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒担体、又は排ガス浄化触媒は、活性アルミナに貴金属等の金属触媒を担持した排ガス浄化触媒と混合して使用してもよい。前記混合して使用すると、高濃度のNOxも処理できる。前記活性アルミナは、特に限定されないが、数平均粒径で0.5〜3.0μmが好ましい。また、活性アルミナの比表面積は、60〜100m2/gの範囲が好ましい。活性アルミナに担持する触媒金属は、Pd又はRhの貴金属の1種又は2種が好ましい。より好ましくは、Rhである。担持する貴金属の粒子サイズは、平均粒径で1〜3nmの範囲が好ましい。前記貴金属の担持量は、特に限定しないが、前記活性アルミナ100質量部に対して0.1〜1.5質量部が好ましい。本発明の排ガス浄化触媒Aと貴金属を担持した前記活性アルミナ触媒Bの質量比は、A/Bの質量比で0.1〜10であることがより好ましい。A/Bの質量比で0.1〜2であることがさらに好ましい。0.1未満では、本発明の排ガス浄化触媒の存在量が少なくなるために、高い触媒活性が得られない場合がある。一方、10を越えると、貴金属を担持した活性アルミナBが少なくなるために、NOx浄化が低下する場合がある。
本発明の場合、セリウム酸化物等の酸素吸蔵材料を含ませない場合においても浄化性能があり、従来の触媒材料とは異なることが示唆される。もちろん、酸素吸蔵材料を含ませて使用することも可能である。
本発明に係る、アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する複合酸化物は、固相反応法、共沈法やゾル・ゲル法などの液相法、化学気相析出法、レーザーアブレーション法等のどのような方法で、製造してもよい。例えば、固相反応法と共沈法による製造方法を以下に説明する。
固相反応法による製造では、出発原料として、アルカリ土類金属Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、有機酸塩、硫酸塩等、CoとFeの酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩等が使用できる。前記Mの出発原料粉と、前記CoとFeの出発原料を所望の組成になるようにそれぞれ秤量し、混合した後、600〜1200℃の範囲内で仮焼する。前記出発原料の混合は、湿式、乾式のいずれでもよく、乳鉢混合、ボールミル、遊星ボールミル等既存の方法であればどのような方法でもよい。仮焼して得られる複合酸化物は、粉砕し、場合によっては分級して、使用される。
共沈法による製造では、出発原料として、Mの硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩等、CoとFeの硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、塩化物、キレート錯体、有機酸塩等が使用できる。前記Mの出発原料と、前記CoとFeの出発原料を所望の組成になるようにそれぞれ秤量し、水に溶解する。pH調整剤を添加して、溶液のpHを中性〜塩基性にして溶解しているM、Co、Feのイオンを共沈させる。共沈物をろ過あるいは遠心分離で分離・洗浄して、乾燥した後、600〜1200℃の範囲内で仮焼する。仮焼して得られる複合酸化物は、必要に応じて、粉砕、分級して使用される。
本発明に係る、複合酸化物の結晶相が2種類以上(複数)の相を含むようにするには、前記製造方法で化学量論組成にして製造した単相の複合酸化物を、それぞれ混合して複数相を含ませることができる。特に、好ましくは、上述のように、前記アルカリ土類金属Mと、前記FeとCoとの総量とのモル比が、0.09≦M/(Fe+Co)≦0.95となるように混合することである。
更に好ましい製造方法としては、前記製造方法において、複合酸化物単相の化学量論比とは異なる原料組成として、仮焼後に複数相として形成されるようにする方法である。すなわち、複数の金属が単一の複合酸化物を形成しない組成の原料を用いることで複数相の酸化物からなる本発明の排ガス浄化触媒用担体を製造することができる。たとえば、先のM(Co,Fe)mnの場合、Mと(Co,Fe)との組成比が化学量論的に単一相(単一化合物)を形成する組成でないものを選択する。Mと(Co,Fe)との組成比(モル比)が単一相を形成する比から少なくとも0.001、少なくとも0.005、少なくとも0.01、少なくとも0.05、さらには少なくとも0.01、少なくとも0.02異なることが好ましい。
前記製造方法によれば、結晶相の異なる単相の複合酸化物を、2種以上混合する工程が省かれるので、効率よく本発明の排ガス浄化触媒用担体が製造できる。特に、固相反応法に関しては、アルカリ土類金属Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は硝酸塩のいずれか1つ以上と、Feの酸化物若しくはCoの酸化物、又はFeの酸化物とCoの酸化物の両方とを、混合し、600℃〜1200℃の温度で仮焼して、2種類以上の酸化物相を形成するのがより好ましい。前記製造方法は、単相の複合酸化物をそれぞれ合成して混合する製造方法に比べて、製造工程が簡略化できるだけではなく、前記混合して製造した排ガス浄化用担体に比べて、排ガス浄化触媒とした場合の触媒性能に優れるものとなる。前記製造方法によれば、1つの粒子内に複数の結晶相が存在するために、触媒性能が向上するものであると考えられる。更に、前記製造方法において、アルカリ土類金属Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は硝酸塩のいずれか1つ以上と、Feの酸化物若しくはCoの酸化物、又はFeの酸化物とCoの酸化物の両方との混合に関し、アルカリ土類金属Mと、FeとCoとの総量とのモル比が、0.09≦M/(Fe+Co)≦0.95となるように混合するのが好ましい。
触媒金属を本発明の排ガス浄化用触媒担体に担持する方法は、特に限定しないが、例えば、以下の方法で担持できる。水溶性の金属塩、例えば、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩等を水に溶解し、前記溶液中に排ガス浄化用触媒担体となる粉末を攪拌、超音波分散等で分散する。前記懸濁溶液の水分を除去し、乾燥させた後、400〜900℃の範囲で熱処理して、触媒金属を担持した、本発明の排ガス浄化用触媒を作製できる。前記熱処理温度のより好ましい範囲は、450〜700℃である。
触媒金属を担持した活性アルミナを使用する場合、前記担持方法も、特に限定しないが、例えば、本発明の排ガス浄化用触媒担体の場合と同様の方法で作製できる。
触媒金属を担持した本発明の排ガス浄化用触媒担体と、触媒金属を担持した活性アルミナとを混合して使用することができる。前記混合は、湿式、乾式のいずれでもよく、乳鉢混合、ボールミル、遊星ボールミル等既存の方法であればどのような方法でもよい。
本発明の排ガス浄化用触媒は、セラミックス又は金属のハニカムにウォッシュコートして排ガス浄化用ハニカム触媒構造体とすることができる。本発明で使用できるセラミックスハニカムは、特に限定されないが、例えば、コージエライトハニカム、炭化珪素ハニカム等が挙げられる。また、本発明で使用できる金属ハニカムも、特に限定されないが、例えば、ステンレスハニカムやAl富化ステンレスハニカム等が挙げられる。
本発明の排ガス浄化用触媒をハニカムにウォッシュコートする場合には、まず、触媒及び結合材等が分散するスラリーを調製し、その中にハニカムを浸漬する。結合剤としては、例えば、硝酸アルミニウム、コロイダルアルミナ、有機バインダー等が挙げられる。次いで、ハニカム表面の余剰スラリーを吹き飛ばす等の方法で取り除き、乾燥した後、500〜900℃の温度で大気中数時間熱処理する。尚、前記スラリーがハニカム内壁にのみ塗布されるよう、ハニカムを装着する治具を工夫して、前記スラリーを吸い上げることも可能である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
アルカリ土類金属MをSrとして、Feを含む複合酸化物で、複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体を、以下の方法により製造した。
Srの原料として炭酸塩を、Feの原料として酸化物を用いた。SrとFeのモル比を1:2で、前記原料を秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中950℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、図2のX線回折図に示すように、SrFeO3-δ、SrFe12O19-δ、Sr7Fe10O22-δの3つの結晶相が含まれていた。X線の回折ピークの面積から、それぞれの含有量を算出した。検量線は、単相の回折ピーク面積を用いて作成した。表1の実施例1−1に示したように、SrFeO3-δ、SrFe12O19-δ、Sr7Fe10O22-δの3つの結晶相は、それぞれ90モル%、4モル%、6モル%であった。粉砕後の酸化物の数平均粒径は1.1μmで、比表面積は2.3m2/gであった。
一方、SrFeO3-δの単相を、次の手順で調製した。Srの原料として炭酸塩を、Feの原料として酸化物を用いた。SrとFeのモル比を1:1で、前記原料を秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中950℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、図3のX線回折図に示すように、SrFeO3-δ相が単相であった。また、粉砕後のSrFeO3-δ単相の数平均粒径は1.2μmで、比表面積は2.1m2/gであった。
SrFe12O19-δの単相を、次の手順で調製した。Srの原料として炭酸塩を、Feの原料として酸化物を用いた。SrとFeのモル比を1:12で、前記原料を秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中950℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、図4のX線回折図に示すように、SrFe12O19-δ相が単相であった。また、粉砕後のSrFe12O19-δ単相の数平均粒径は1.0μmで、比表面積は2.3m2/gであった。
Sr7Fe10O22-δの単相を、次の手順で調製した。Srの原料として炭酸塩を、Feの原料として酸化物を用いた。SrとFeのモル比を7:10で、前記原料を秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中950℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、図5のX線回折図に示すように、Sr7Fe10O22-δ相が単相であった。また、粉砕後のSr7Fe10O22-δ単相の数平均粒径は1.1μmで、比表面積は2.2m2/gであった。
上記単相のSrFeO3-δ、SrFe12O19-δ、Sr7Fe10O22-δを、それぞれ90モル%、4モル%、6モル%となるように秤量し、更にボールミル混合し、表1の実施例1−2の排ガス浄化用触媒担体の試料とした。
また、上記単相のSrFeO3-δ、SrFe12O19-δを、それぞれ90モル%、10モル%となるように秤量し、更にボールミル混合し、表1の実施例1−3の排ガス浄化用触媒担体の試料とした。
また、比較例としては、前記作製した、単相のSrFeO3-δ、SrFe12O19-δ、Sr7Fe10O22-δを、それぞれ単相で試験した(比較例1−4、比較例1−5、比較例1−6)。また、従来の触媒として、γ−アルミナを担体として試験した(比較例1−7)。ここで使用したγ−アルミナの数平均粒径は1.3μmで、比表面積は、91.4m2/gであった。
ここで、比表面積の測定には、日本ベル社製Belsorbを用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。また、粒径の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。
次に、上記の触媒担体に、以下のようにして表1に示した触媒金属を担持させた。
触媒金属の硝酸塩の所定量を秤量し、これを純水に溶解して100mLの水溶液とした。この水溶液と前記触媒担体の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。得られた物を大気中650℃で5時間熱処理した後、解砕して粒状とした。以上の操作により、触媒金属を担体に担持した触媒を作製した。触媒金属の担持量は、担体100質量部に対して、0.6質量部である。また、表1の比較例1−7では、γ−アルミナに担持したPt、Pd、Rhの割合は、質量比で2:3:1の比率とした。
次に、上記触媒金属を担持した触媒粉末を用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。
表1に示した触媒粉末をそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。
前記触媒をウォッシュコートするハニカムとして、所定形状直径が25mm、高さが60mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。このハニカムを垂直に保持し、その上部端面に過剰量の前記スラリーをそれぞれ一様に盛り、ハニカム下部端面から吸引してハニカム内壁に塗布すると共に、余剰スラリーを除去した。ハニカムの外表面にスラリーが付着した場合には乾燥してしまう前に付着スラリーを拭き取った。吸引を継続しつつ、ハニカム上部端面をエアーブローして、乾燥した。ハニカムの上下を逆転し、前記ハニカム内壁へのスラリー塗布、乾燥操作を再度行った。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された触媒金属量は、1.1g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体で、以下のようにして触媒性能評価を行った。
触媒性能評価を行うためには、実用車両を用いた試験を実施した。まず、前記作製したハニカム触媒構造体をマフラーに溶接にて装着した。すべて装着した後に、排気ガス系統からのガス漏れがないことを確認した。また、評価を行う前には暖機運転を行い、その後も排気ガス系統からのガス漏れがないことを確認して評価を実施した。試験方法は国土交通省が定めた試験方法(TRIAS)に準じて行った。走行モードとしては、EU二輪車モーターサイクル・テストサイクルにて実施した。
CO、THC、NOxの浄化率としての評価結果を表1に示す。表1では、HCを、総HC(total hydrocarbons)としてTHCで表している。各浄化率は、触媒無しでの同条件にける排ガス成分量を100として、触媒を設置した場合の各排ガス成分量の減少割合を質量%で表している。
実施例1−1〜1−3の複数の結晶相を含む触媒担体を使用した場合に、CO、THC、NOxの全てで高い浄化率を示した。特に、3つの単相を混合せずに、仮焼の段階で3つの結晶相を形成させた実施例1−1が、最も優れた結果となった。一方、表1の比較例である3種類の相がそれぞれ単独では、CO、THC、NOxの浄化率が総合して高い結果とはならなかった。
また、実施例1−1と比較例1−7について、前記評価中の排ガス成分の時間変化を見てみると、図6〜図8に示すように、従来の排ガス浄化触媒である比較例1−1の浄化挙動に比べて、実施例1−1に代表される本発明の排ガス浄化触媒は、特定の条件で排ガス浄化率が高い。例えば、THCに関し、減速時に大量に発生するTHC除去率は従来と同程度であるが、本発明の排ガス浄化触媒では、一定の速度(定常速度)で発せするTHCに対しては高い浄化率となる。また、NOxに関し、減速時に大量に発生するNOxの中で、370sec付近停止まで減速させない走行中の減速時に発生するNOxに対して、従来の排ガス浄化触媒と異なって、顕著な高い浄化率を示す。このように、本発明の排ガス浄化用触媒担体及びそれを使用した排ガス浄化触媒は、走行中の特定の条件で排ガス浄化率が高くなるのが特徴であり、その結果として総合的に優れた排ガス浄化能となるものである。
Figure 2009142789
(実施例2)
Sr(Co1-zFez)O3-δ、Sr7(Co1-zFez)1022-δ、Sr(Co1-zFez)128-δの各酸化物を単相で調製した。
Sr(Co1-zFez)O3-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を1:1で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表2の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中930℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr(Co1-zFez)O3-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr(Co1-zFez)O3-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.4μmで、比表面積は2.0m2/gであった。
Sr7(Co1-zFez)1022-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を7:10で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表2の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中930℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr7(Co1-zFez)1022-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr7(Co1-zFez)1022-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.3μmで、比表面積は2.1m2/gであった。
Sr(Co1-zFez)128-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を1:12で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表2の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中930℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr(Co1-zFez)128-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr(Co1-zFez)128-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.2μmで、比表面積は2.3m2/gであった。
前記単相の酸化物を表2に示した相の割合(添加割合)で、実施例1と同様に混合し、更に、表2に示した担持触媒を担持した。触媒金属の担持量は、担体100質量部に対して、0.7質量部である。担持方法は、実施例1と同様である。Pt、Pd、Rhを全て担持した場合、前記割合は、質量比で2:3:1の比率とした。
更に、前記触媒を実施例1と同じステンレス鋼製ハニカムにウォッシュコートした。尚、前記ハニカムに固定された触媒金属量は、1.2g/Lである。また、ウォッシュコート法は、実施例1と同様に行った。
評価方法は、実施例1と同様とし、浄化率性能の欄には、
CO浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎65%以上
THC浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎:65%以上
NO浄化率 ×:20%未満、○:20%以上、◎:21%以上
として結果を表した。
比較例2−29〜比較例2−37は、触媒担体が単相であるため、全てのガスに対して浄化率が優れたものとはならなかった。また、触媒担体がγ−アルミナである比較例2−38も全てのガスに対して浄化率が優れたものとはならなかった。しかしながら、複数相を担体とした実施例2−1〜実施例2−28では、全てのガスに対して優れた浄化率が得られた。
Figure 2009142789
(実施例3)
Ba(Co1-zFez)O3-δ、Ba7(Co1-zFez)1022-δ、Ba(Co1-zFez)128-δの各酸化物を単相で調製した。
Ba(Co1-zFez)O3-δに関しては、Baの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Baと(Co+Fe)のモル比を1:1で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表3の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中950℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Ba(Co1-zFez)O3-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のBa(Co1-zFez)O3-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.3μmで、比表面積は2.1m2/gであった。
Ba7(Co1-zFez)1022-δに関しては、Baの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Baと(Co+Fe)のモル比を7:10で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表3の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中950℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Ba7(Co1-zFez)1022-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のBa7(Co1-zFez)1022-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.3μmで、比表面積は2.2m2/gであった。
Ba(Co1-zFez)128-δに関しては、Baの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Baと(Co+Fe)のモル比を1:12で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表3の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中950℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Ba(Co1-zFez)128-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のBa(Co1-zFez)128-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.4μmで、比表面積は2.0m2/gであった。
前記単相の酸化物を表3に示した相の割合(添加割合)で、実施例1と同様に混合し、更に、表3に示した担持触媒を担持した。触媒金属の担持量は、担体100質量部に対して、0.7質量部である。担持方法は、実施例1と同様である。Pt、Pd、Rhを全て担持した場合、前記割合は、質量比で2:3:1の比率とした。
更に、前記触媒を実施例1と同じステンレス鋼製ハニカムにウォッシュコートした。尚、前記ハニカムに固定された触媒金属量は、1.2g/Lである。また、ウォッシュコート法は、実施例1と同様に行った。
評価方法は、実施例1と同様とし、浄化率性能の欄には、
CO浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎65%以上
THC浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎:65%以上
NO浄化率 ×:20%未満、○:20%以上、◎:21%以上
として結果を表した。
比較例3−29〜比較例3−37は、触媒担体が単相であるため、全てのガスに対して浄化率が優れたものとはならなかった。しかしながら、複数相を担体とした実施例3−1〜実施例3−28では、全てのガスに対して優れた浄化率が得られた。
Figure 2009142789
(実施例4)
(Ba,Sr)(Co1-zFez)O3-δ、(Ba,Sr)7(Co1-zFez)1022-δ、(Ba,Sr)(Co1-zFez)128-δの各酸化物を単相で調製した。
(Ba,Sr)(Co1-zFez)O3-δに関しては、BaとSrの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。(Ba、Sr)と(Co+Fe)のモル比を1:1で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表4の値となるように、BaとSrのモル比は表4のBaとSrの前に記載した数値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中960℃で4時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、(Ba,Sr)(Co1-zFez)O3-δが単相であることを確認した。また、粉砕後の(Ba,Sr)(Co1-zFez)O3-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)及びBaとSrの比率によらず全て1.2μmで、比表面積は2.3m2/gであった。
(Ba,Sr)7(Co1-zFez)1022-δに関しては、BaとSrの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。(Ba,Sr)と(Co+Fe)のモル比を7:10で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表4の値となるように、BaとSrのモル比は表4のBaとSrの前に記載した数値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中960℃で4時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、(Ba,Sr)7(Co1-zFez)1022-δが単相であることを確認した。また、粉砕後の(Ba,Sr)7(Co1-zFez)1022-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)及びBaとSrの比率によらず全て1.2μmで、比表面積は2.4m2/gであった。
(Ba,Sr)(Co1-zFez)128-δに関しては、BaとSrの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。(Ba,Sr)と(Co+Fe)のモル比を1:12で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表3の値となるように、BaとSrのモル比は表4のBaとSrの前に記載した数値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中960℃で4時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、(Ba,Sr)(Co1-zFez)128-δが単相であることを確認した。また、粉砕後の(Ba,Sr)(Co1-zFez)128-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)及びBaとSrの比率によらず全て1.1μmで、比表面積は2.5m2/gであった。
前記単相の酸化物を表4に示した相の割合(添加割合)で、実施例1と同様に混合し、更に、表4に示した担持触媒を担持した。触媒金属の担持量は、担体100質量部に対して、0.6質量部である。担持方法は、実施例1と同様である。Pt、Pd、Rhを全て担持した場合、前記割合は、質量比で2:3:1の比率とした。
更に、前記触媒を実施例1と同じステンレス鋼製ハニカムにウォッシュコートした。尚、前記ハニカムに固定された触媒金属量は、1.2g/Lである。また、ウォッシュコート法は、実施例1と同様に行った。
評価方法は、実施例1と同様とし、浄化率性能の欄には、
CO浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎65%以上
THC浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎:65%以上
NO浄化率 ×:20%未満、○:20%以上、◎:21%以上
として結果を表した。
比較例4−29〜比較例4−37は、触媒担体が単相であるため、全てのガスに対して浄化率が優れたものとはならなかった。しかしながら、複数相を担体とした実施例4−1〜実施例4−28では、全てのガスに対して優れた浄化率が得られた。
Figure 2009142789
(実施例5)
M(Co1-zFez)O3-δ、M5(Co1-zFez)28-δ、M2(Co1-zFez)O4-δの各酸化物を単相で調製した。
M(Co1-zFez)O3-δに関しては、M(Sr、Ba、Ca、Mg)の原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Mと(Co+Fe)のモル比を1:1で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表5の値となるように、Mの中でBaとSrのモル比は表5のBaとSrの前に記載した数値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中980℃で3時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、M(Co1-zFez)O3-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のM(Co1-zFez)O3-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)及びMによらず全て1.0μmで、比表面積は2.6m2/gであった。
M5(Co1-zFez)28-δに関しては、M(Sr、Ba)の原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Mと(Co+Fe)のモル比を5:2で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表5の値となるように、Mの中でBaとSrのモル比は表5のBaとSrの前に記載した数値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中980℃で3時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、M5(Co1-zFez)28-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のM5(Co1-zFez)28-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)及びMによらず全て1.4μmで、比表面積は2.1m2/gであった。
M2(Co1-zFez)O4-δに関しては、M(Sr、Ba)の原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Mと(Co+Fe)のモル比を5:2で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表5の値となるように、Mの中でBaとSrのモル比は表5のBaとSrの前に記載した数値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中980℃で3時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、M2(Co1-zFez)O4-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のM2(Co1-zFez)O4-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)及びMによらず全て1.3μmで、比表面積は2.2m2/gであった。
前記単相の酸化物を表5に示した相の割合(添加割合)で、実施例1と同様に混合し、更に、表5に示した担持触媒を担持した。触媒金属の担持量は、担体100質量部に対して、0.7質量部である。担持方法は、実施例1と同様である。
更に、前記触媒を実施例1と同じステンレス鋼製ハニカムにウォッシュコートした。尚、前記ハニカムに固定された触媒金属量は、1.2g/Lである。また、ウォッシュコート法は、実施例1と同様に行った。
評価方法は、実施例1と同様とし、浄化率性能の欄には、
CO浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎65%以上
THC浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎:65%以上
NO浄化率 ×:20%未満、○:20%以上、◎:21%以上
として結果を表した。
比較例5−12〜比較例5−20は、触媒担体が単相であるため、全てのガスに対して浄化率が優れたものとはならなかった。しかしながら、複数相を担体とした実施例5−1〜実施例5−11では、全てのガスに対して優れた浄化率が得られた。
Figure 2009142789
(実施例6)
Sr(Co1-zFez)O3-δ、Sr(Co1-zFez)23-δ、Sr7(Co1-zFez)108-δ、Sr(Co1-zFez)128-δの各酸化物を単相で調製した。
Sr(Co1-zFez)O3-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を1:1で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表6の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中920℃で8時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr(Co1-zFez)O3-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr(Co1-zFez)O3-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.2μmで、比表面積は3.5m2/gであった。
Sr(Co1-zFez)23-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を1:2で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表6の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中920℃で8時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr(Co1-zFez)23-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr(Co1-zFez)23-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て0.7μmで、比表面積は4.1m2/gであった。
Sr7(Co1-zFez)108-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を7:10で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表6の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中920℃で8時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr7(Co1-zFez)108-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr7(Co1-zFez)108-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.4μmで、比表面積は3.1m2/gであった。
Sr(Co1-zFez)128-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を1:12で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表6の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中920℃で8時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr(Co1-zFez)128-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr(Co1-zFez)128-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て1.0μmで、比表面積は3.8m2/gであった。
前記単相の酸化物を表6に示した相の割合(添加割合)で、実施例1と同様に混合し、更に、表6に示した担持触媒を担持した。触媒金属の担持量は、担体100質量部に対して、0.6質量部である。担持方法は、実施例1と同様である。
更に、前記触媒を実施例1と同じステンレス鋼製ハニカムにウォッシュコートした。尚、前記ハニカムに固定された触媒金属量は、1.2g/Lである。また、ウォッシュコート法は、実施例1と同様に行った。
評価方法は、実施例1と同様とし、浄化率性能の欄には、
CO浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎65%以上
THC浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎:65%以上
NO浄化率 ×:20%未満、○:20%以上、◎:21%以上
として結果を表した。
比較例6−8〜比較例6−10は、触媒担体が単相であるため、全てのガスに対して浄化率が優れたものとはならなかった。しかしながら、複数相を触媒担体とした実施例6−1〜実施例6−7では、全てのガスに対して優れた浄化率が得られた。
Figure 2009142789
(実施例7)
Sr(Co1-zFez)O3-δ、Sr7(Co1-zFez)108-δ、Sr(Co1-zFez)1219-δの各酸化物に関して、表7に示した組成の相を、それぞれ、次のようにして調製した。
実施例7−1は、各相をそれぞれ調製したものを混合せず、実施例1−1と同様に、総組成の原料を混合して仮焼の段階で各相を形成して作製した。具体的には、Srの原料として炭酸塩を、COとFeの原料として酸化物を用いた。実施例7−1ではSrとFeのモル比を1:2で、前記原料を秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。また、実施例7−2ではSrと(Co+Fe)のモル比を1:2で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が1:1の値となるように、前記原料を秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中950℃で5時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、図2のX線回折図に示すように、Sr(Co1-zFez)O3-δ、Sr7(Co1-zFez)108-δ、Sr(Co1-zFez)1219-δの3つの結晶相が含まれていた。X線の回折ピークの面積から、それぞれの含有量を算出した。検量線は、単相の回折ピーク面積を用いて作成した。前記3つの結晶相の含有量は、それぞれ、表7の実施例7−1及び実施例7−2に示した値であった。粉砕後の酸化物の数平均粒径は、両方とも1.0μmで、比表面積は2.8m2/gであった。触媒金属の担持量は、担体100質量部に対して、0.6質量部である。これらの触媒と下記のγ−アルミナに担持した触媒を混合して使用した。
γ−アルミナに、Rhを以下の方法で担持させた。市販γ−アルミナを所定量秤量し、これを純水に分散して、100mL程度の体積の分散溶液とした。この溶液にRhの硝酸塩を混合し、Rhのを担持量0.6質量部で担持したγ−アルミナを得た。ここで使用したγ−アルミナの平均粒径は1.4μmで、比表面積は、90.6m2/gであった。
次に、上記触媒金属を担持した酸化物粉末と触媒金属を担持したγ−アルミナ粉末を用いて、スラリーを作製し、実施例1と同じステンレス鋼製ハニカムにウォッシュコートした。触媒金属を担持したγ―アルミナ粉末の含有量は、表7に示した値とした。尚、前記ハニカムに固定された触媒金属の総量は、1.2g/Lである。
また、実施例7−3〜実施例7−15は、上記2つの相をそれぞれ単相で調製し、それらを表7に示した割合で混合した。
具体的には、Sr(Co1-zFez)O3-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を1:1で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表6の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中980℃で2時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr(Co1-zFez)O3-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr(Co1-zFez)O3-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て2.5μmで、比表面積は2.0m2/gであった。
Sr7(Co1-zFez)108-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を7:10で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表6の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中980℃で2時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr7(Co1-zFez)108-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr7(Co1-zFez)108-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て2.6μmで、比表面積は2.0m2/gであった。
Sr(Co1-zFez)1219-δに関しては、Srの原料として炭酸塩、CoとFeの原料として酸化物を用いた。Srと(Co+Fe)のモル比を1:12で、また、(Co+Fe)はCoとFeのモル比が表6の値となるように、前記各原料をそれぞれ秤量して、イソプロピルアルコール(分散媒)に加え、ボールミルにより粉砕しながら湿式混合することにより、スラリーを得た。前記スラリーから、吸引ろ過器により固形分を分離し、120℃で1時間乾燥した。次に、得られた乾固物を解砕後、電気炉にて大気中980℃で2時間焼成し、多孔質塊状の焼成物を得た。焼成物を解砕後、自動乳鉢により乾式粉砕した。得られた粉末は、X線回折法による測定で、Sr(Co1-zFez)1219-δが単相であることを確認した。また、粉砕後のSr(Co1-zFez)1219-δ単相の数平均粒径は、CoとFeの比率(z)によらず全て2.1μmで、比表面積は3.5m2/gであった。
前記単相の酸化物を表7の実施例7−3〜実施例7−15に示した相の割合(添加割合)で、実施例1と同様に混合し、更に、表7に示した担持触媒を担持した。触媒金属の担持量は、担体100質量部に対して、0.6質量部である。担持方法は、実施例1と同様である。さらに、これらの触媒と下記のγ−アルミナに担持した触媒を混合して使用した。
γ−アルミナに、Pt、Pd、又はRhを以下の方法で担持させた。市販γ−アルミナを所定量秤量し、これを純水に分散して、100mL程度の体積の分散溶液とした。この溶液にPt、Pd、又はRhの硝酸塩を混合し、前記触媒金属の担持量0.6質量部で担持したγ−アルミナを得た。ここで使用したγ−アルミナの平均粒径は1.4μmで、比表面積は、90.6m2/gであった。
次に、上記触媒金属を担持した酸化物粉末と触媒金属を担持したγ−アルミナ粉末を用いて、スラリーを作製し、実施例1と同じステンレス鋼製ハニカムにウォッシュコートした。触媒金属を担持したγ―アルミナ粉末の含有量は、表7に示した値とした。尚、前記ハニカムに固定された触媒金属の総量は、1.2g/Lである。
評価方法は、実施例1と同様とし、浄化率性能の欄には、
CO浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎65%以上
THC浄化率 ×:60%未満、○:60%以上、◎:65%以上
NO浄化率 ×:20%未満、○:20%以上、◎:21%以上
として結果を表した。
実施例7−1から実施例5−15の複数の結晶相を含む触媒担体を使用した場合に、CO、THC、NOxの全てで高い浄化率を示した。特に、3つの結晶相を混合せずに、仮焼の段階で3つの結晶相を形成させた実施例7−1及び実施例7−2が、最も優れた結果となった。
貴金属を担時したγアルミナを添加しても性能は変わらないことが、実施例7−1から実施例7−15に示される。
Figure 2009142789
単相の排ガス浄化用触媒担体と複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体を使用した排ガス浄化触媒の排ガス浄化性能と温度、A/F、濃度等の条件との関係を示す。 実施例1−1の触媒担体のX線回折図を示す。 比較例1−4の触媒担体のX線回折図を示す。 比較例1−5の触媒担体のX線回折図を示す。 比較例1−6の触媒担体のX線回折図を示す。 実施例1−1と比較例1−7のTHC除去量、及び、車速とTHC発生量を示す。 実施例1−1と比較例1−7のNOx処理量(除去量)、及び、車速とNOx発生量を示す。 実施例1−1と比較例1−7のCO処理量(除去量)、及び、車速とCO発生量を示す。
符号の説明
1 単相の排ガス浄化用触媒担体を使用した場合の排ガス浄化能曲線
2 単相の排ガス浄化用触媒担体を使用した場合の排ガス浄化能幅
3 複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体を使用した場合の排ガス浄化曲線
4 複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体を使用した場合の排ガス浄化能幅
5 複数の結晶相を含む排ガス浄化用触媒担体の中で、1つの結晶相が果たす排ガス浄化曲線

Claims (12)

  1. アルカリ土類金属Mと、Fe若しくはCo、又はFeとCoの両方とを含有する酸化物であり、前記酸化物の結晶相が2種類以上の相を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒担体。
  2. 前記アルカリ土類金属Mと、前記FeとCoとの総量とのモル比が、0.09≦M/(Fe+Co)≦0.95であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒担体。
  3. 前記酸化物が、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)O3-δ、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)24-δ、(Ba1-ySry7(Co1-zFez)1022-δ、又は(Ba1-ySry)(Co1-zFez)1219-δ(ここで、y及びzはそれぞれ0〜1であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)の結晶相を1種以上含むことを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス浄化用触媒担体。
  4. 前記酸化物が、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)O3-δ、(Ba1-ySry)(Co1-zFez)24-δ、(Ba1-ySry7(Co1-zFez)1022-δ、又は(Ba1-ySry)(Co1-zFez)1219-δ(ここで、y及びzはそれぞれ0〜1であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)の結晶相を2種以上含むことを特徴とする請求項1又は2記載の排ガス浄化用触媒担体。
  5. 前記酸化物の結晶相が第1の相と、1種類または2種類以上の他の相を含み、前記他の相が0.5モル%以上含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒担体。
  6. 前記酸化物の結晶相が第1の相と、1種類または2種類以上の他の相を含み、前記他の相が5モル%以上含まれることを特徴とする請求項5に記載の排ガス浄化用触媒担体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の排ガス浄化触媒担体に、貴金属を担持してなることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  8. 前記貴金属が、Pd、Rh、Ag、又はAuの中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項7記載の排ガス浄化用触媒。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒担体に、貴金属を担持し、前記貴金属を担持した触媒担体を金属又はセラミックスハニカム内壁に被覆したことを特徴とする排ガス浄化用ハニカム触媒構造体。
  10. 請求項7又は8に記載の排ガス浄化触媒を、金属又はセラミックスハニカム内壁に被覆したことを特徴とする排ガス浄化用ハニカム触媒構造体。
  11. アルカリ土類金属Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は硝酸塩の1つ以上と、Feの酸化物若しくはCoの酸化物、又はFeの酸化物とCoの酸化物の両方とを、混合し、600℃〜1200℃の温度で仮焼して、2種類以上の酸化物相を形成することを特徴とする排ガス浄化用触媒担体の製造方法。
  12. アルカリ土類金属Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は硝酸塩の1つ以上と、Feの酸化物若しくはCoの酸化物、又はFeの酸化物とCoの酸化物の両方との混合に関し、アルカリ土類金属Mと、FeとCoとの総量とのモル比が、0.09≦M/(Fe+Co)≦0.95となるように混合することを特徴とする請求項11に記載の排ガス浄化用触媒担体の製造方法。
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